説明

スイートポテト様食品

【課題】
スイートポテトをはじめとする澱粉主体とするペースト状食品ベースを加熱した食品について、平易な製造工程を付加することで新規な食感と品質を有する製品価値の高いスイートポテト様食品を提供することを目的とする。

【解決手段】
澱粉主体のペースト状食品ベースと他の可食物を混合・成型したものを、一度蒸し工程に供して十分な加熱を行った後に、焼成工程に供することにより、水分の飛散を最小限に抑えつつ、十分な加熱を行いながら、かつ従来のスイートポテト様食品のような表面にバリア性と内部とは異なる食感の焼成膜を形成する事が可能であり、新規な食感のスイートポテト様食品を得る事が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な食感のスイートポテト様食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スイートポテトは、以前より一般に親しまれた洋菓子の一つであり、その典型的な製造法としては、予め加熱処理の施されたサツマイモを混練・裏ごし等を行ったペースト状原料にバターやクリーム、あるいは油脂そのものなどの、含油食品、香料・酒類その他といった副原料を加えてさらに混練して生地とし、さらにこの生地を成型(一般的にはラグビーボール型や舟形)し、オーブンで焼成している。
しかし焼成段階にて、中心部まで達する十分な加熱を行おうとして、強い焼成を行うと表面の焦げは強くなる反面中心部には火が通らない「生焼け」状態に、弱い加熱を長時間に渡っておこなうと製造工程が冗長になり生産性が悪いうえに表面近くの生地の水分が蒸散しぱさぱさした喉越しの悪い製品になってしまう。
加えて、最近の消費者の嗜好が多様化しており、市場から新規の食感の製品に対する要求は近年さらに強まってきている。
【0003】
スイートポテト様食品の食感や製造方法の改良に対する試みは以前より為されていた。
例えば、ペースト状のサツマイモよりなる原料に副原料を混合して得られた生地を所定の形状に成型してから一度素焼きを行って成型物の表面及び内部から水分を飛ばし、再度焼成処理することにより、保形性を高めたスイートポテトを得るという製造方法も提案されている。(例えば特許文献1)
しかし、この方法はサツマイモ自体が高水分(約70%)であるために引き起こされる保形性の改良を目的としたものであり、スイートポテトの製造工程の改良という点では別のアプローチの一つを示したにすぎない。
よって、市場からの要望に対応する為、新規スイートポテト様食品の発明は急務であった。
【特許文献1】特開2001−252020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明によって、スイートポテトをはじめとする澱粉を含む原料をペースト状に混合したものについて、平易な製造工程を付加することで新規な食感と品質を有する製品価値の高いスイートポテト様食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究をおこなった結果、澱粉主体のペースト状食品ベースと他の可食物を混合・成型したものを、一度蒸し工程に供して十分な加熱を行った後に、焼成工程に供することにより、水分の飛散を最小限に抑えつつ、十分な加熱を行いながら、かつ従来のスイートポテト様食品のような表面にバリア性と内部とは異なる食感の焼成膜を形成する事が可能であり、新規な食感のスイートポテト様食品を得られる事を見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、本発明は、
(1)としては、澱粉粒を含むペースト状物を蒸し工程の後に焼成してなるスイートポテト様食品であり、(2)としては、焼成工程が、輻射熱、加熱気体の接触および対象物への火炎の接触から1以上を選択してなる(1)記載のスイートポテト様食品であり、(3)としては、澱粉粒を含む原料をペースト状に混合した後に成型してなる(1)記載のスイートポテト様食品であり、(4)としては、澱粉粒を含む原料が芋類、豆類、南瓜、栗、穀類から単独あるいは2種以上選択したものである(1)記載のスイートポテト様食品であり、(5)としては、表面と内部の食感の異なる(1)記載のスイートポテト様食品である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によって、内部がぱさつかずウエットであるという従来にない良好かつ新規な食感を有し、かつ高い水分バリア性と耐熱保形性を持つ焼成膜を持つスイートポテト様食品を平易で、工程時間を短縮した方法にて製造できる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明をより詳細に説明する。本発明において言うところのスイートポテト様食品は、澱粉粒を含むペースト状物を用いたものであれば限定はされないが、一例としてはスイートポテトが挙げられる。その原料も、澱粉粒を含んでいれば特に限定はされないが、一例としてはサツマイモ・ジャガイモ・里芋といった芋類、小豆・ひよこまめ・花まめ・そら豆といった豆類、南瓜、栗、そば・米など穀類等が挙げられ、それら原料を単独あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0008】
また、後述の工程上の工夫だけによっても十分に新規性のある製品が得られるが、澱粉粒を含む原料としては、単にサツマイモ等のペーストを用いるだけではなく、「澱粉」そのものを用いる事で、さらに従来よく用いられるジャガイモやコーン由来では無いものや、架橋等の処置を施された加工澱粉などを用いる事で従来のスイートポテト様食品とは異なる新規な食感を持つものを得る事ができる。特に限定はされないが、一例を挙げると「澱粉」の由来はジャガイモ、サツマイモ、タピオカといったイモ類、ソラマメ、緑豆、小豆といった豆類、コーン、かぼちゃ、米、小麦などが、処置は前述の由来となる原料中から単純に澱粉粒を取り出した「澱粉」類、さらにはその「澱粉」類をアルファ化、エステル化デンプン、架橋デンプン、エーテル化デンプンといった「加工澱粉」類などがあり、これらの単独又は2種以上を組み合わせたものが挙げられる。
【0009】
澱粉は由来の原料によりアミロースとアミロペクチンの比率や糊化の温度、ゲルの硬さなどの物性が、また施される加工の種類によっても糊化の温度、ゲルの硬さ、乳化力などの物性が異なるが、最終製品に求められる機能や食感等により適宜使い分けることができる。
糊化の温度を下げたり、乳化力を発現させると他の原料との混和作業が軽減される点で望ましく、またゲルの硬さが高いものは従来のスイートポテトとは異なるもちもち・ふんわりとした食感を発現させる。さらには、保水力が向上することでしっとりとした口溶けのものが得られたり、また加熱後・保存時のボリュームを向上・維持させることが可能な点でも望ましい。特にどの由来・加工の種類に特定はされないが、一例としては原料ではタピオカ由来のものが低い糊化温度でもちもちとした食感が得られ、また加工の種類としてはエステル化澱粉や架橋澱粉が乳化力や保水力の向上、保存時のボリュームの向上などの点で望ましい。
【0010】
上記原料を用い、ペースト状に混合する方法についても特に限定はされないが、一例としては原料を煮たうえでミンサーやマッシャー、裏ごしなどで砕いたりつぶしたり混ぜ合わせたものを用いることができる。
ペースト状になったものに必要に応じて糖類やバターやクリームといった乳製品、全卵や卵黄といった卵類、マーガリンなど油脂類を適宜加え混合した生地をもって成型する。糖類や乳製品・油脂類についても特に限定はされず、一般に用いられているスイートポテトの配合・製法を適宜用いることができる。
原料としては前述の澱粉を含む原料が主体ではあるが、前記の卵類の他に熱凝固性の物質を含む事でより、保形性を向上させたり、後述の焼成皮膜の形成を促進・特異な食感を付与させる事ができる。限定はされないが一例としては乳清蛋白や卵白、乾燥卵白、大豆蛋白などといった熱凝固性蛋白が挙げられる。
【0011】
原料をすべて混合したものの物性は特に限定はされないが、自由に成型ができ、かつ、それ自身がある程度の保形性を持っている程度の固さである事が望ましい。
澱粉を含む原料や必要に応じて他の副原料は、ペースト状に混合した後に成型工程に供される。成型の方法や形態についても特に限定はされず、一例としては、ラグビーボール型や、俵型、舟形が挙げられる。後述の蒸し工程はその後の焼成工程ほど形状による加熱効率の良し悪しは少ないが体積に比して表面積が大きいと加熱効率がよく、特に焼成工程の効果をより高める場合は焼成方法にもよるが、焼成がなされる面を大きくするとより、焼成皮膜が発生しやすく、その焼き色や食感は商品価値を高める事ができる。
成型後、まず蒸し工程に、続いて焼成工程に供する。この加熱工程は必ず蒸し工程を先に行う必要がある。蒸し工程があとだと焼成時に発生する焼成膜によって内部への蒸気の侵入が妨げられ加熱効率が悪く、また焼成膜の食感がその後の蒸し工程により緩んでしまい、望ましくない。
【0012】
蒸し工程は特に限定はされず、通常用いられる蒸し加熱の方法を用いることができる。生地の形状や大きさによりその加熱時間や条件は変わるものの、蒸し工程によって十分にスイートポテト用食品の中心まで火を通すことができる加熱時間や条件が望ましい。好ましい条件としては蒸気温度70〜120℃より好ましくは80〜105℃の範囲が望ましい。
蒸気の温度は圧力にも依存し、大気圧下では蒸し器の中の蒸気雰囲気は通常100℃程度を示し、加圧下、たとえばゲージ圧(大気圧を基準とした圧力)1kg/cm2では120℃程度の蒸気雰囲気が得られる。本発明においては加圧下で用いるとより加熱がスムーズに進む利点があるが、常圧時の蒸気雰囲気下でも十分に加熱が出来、かつ設備的には耐圧化といった付加的なものを必要としない。よって常圧でも加圧でも特にかまわない。
【0013】
蒸し工程の時間は前述の通り中心部まで火が通ればその条件は特に限定されず、また製品重量によって異なるが、一例を挙げると、30g製品では90℃で8〜30分、好ましくは10〜20分程度が望ましい。この場合、30分を超えると、生地が水分を多く含みすぎ、食感がべちゃつきがちになり、他方、8分を下回ると十分な加熱が得られない。なお、ペースト状食品を作成する工程で加熱されることが多いが、ペースト状食品と他の原料(卵類・乳類など)混合する過程を経る為、中心部までの十分な加熱は殺菌や澱粉質の糊化・蛋白質の凝固などによる保形性の向上のため必要である。
【0014】
蒸し工程後、続いて生地を焼成工程に供する。
焼成工程は従来のスイートポテト様食品の製法においては生地の加熱のためだが、上記蒸し工程により、中心部までの加熱は行われており、またある程度の保形性も発生しているので、本来求められるレベルの焼成は必要がない。
ただ、表面に焼き色や焼成膜が形成されることで、内部の水分が飛散しにくく(水分のバリア性)、焼成膜が表面を覆うことによる構造的な強度が増し、また商品的に購買意欲の助長、さらには表面にやや堅い皮膜が形成されることで内部の異なった食感が生じ、表面の皮膜に歯が入った後に内部へ歯が通っていく好食感が得られる程度に焼成が行われることが望ましい。
【0015】
上記効果が発生すれば特に条件は限定されない。一例としては以下のような条件が挙げられる。
すなわち、焼成工程は輻射熱または加熱気体の接触または対象物への火炎の接触およびそれら焼成工程を2つ以上組み合わせたものが挙げられる。
輻射熱や加熱気体の接触による焼成は一例としてはオーブンが挙げられ、上下からの輻射熱と密閉された空間の中で加熱された気体が生地に接触することで焼成される。対象物への火炎の接触による焼成の一例としてはバーナーが挙げられ、バーナーから吐出する火炎が直接生地の表面に接触することで焼成される。バーナーによる焼成は本来のスイートポテト様食品の加熱で使用するには表面だけ焦げてしまい、内部まで火が通りにくい欠点があったが、本願においてはすでに蒸し工程により中心部まで火が通っており、逆に簡便に表面の焼き色が付き、焼成膜が形成されるため、火炎による焼成はより望ましい。
【0016】
焼成時間は特に限定はされないし、焼成工程や焼成温度にもよるが、一例としては、オーブン上限は15分〜10分程度、バーナーの場合は5〜3分程度が上限とするケースが多い。
上記述べたとおり、中心部までの加熱をすでに蒸し工程にて従来の焼成工程より効率的に行っているため、工程上必要以上の時間をかけることは作業能率的にみて望ましくないし、必要以上の焼き色の呈色や、悪風味である焦げ臭やこげ味が発生する。
下限についてはバーナーの出力を上げれば瞬時に焼き目をつけることも可能であるため、特に限定はされない。一例としては、バーナーで1秒程度、オーブンで1分程度を下限とするケースが多い。
必要以上に高温・短時間で焼成工程を行うと焼き色のわりに表面のごく浅い部分にしか焼成膜が発生せず、水分のバリア性や構造的な強度や好食感を有効に得ることができない。
焼成温度は上記理由により焼成時間や焼成方法により異なるため特に限定はされないが、一例としてはオーブンの場合は上面温度150〜300℃、好ましくは200〜250℃が望ましい。
このようにして本発明により、内部がぱさつかなくウエットであるという従来にない良好かつ新規な食感を有し、かつ高い水分バリア性と耐熱保形性を持つ焼成膜を持つスイートポテト様食品を製造できる。
【実施例】
【0017】
以下に本発明の実施例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明の精神は以下の実施例に限定されるものではない。なお、例中、%及び部は重量基準を意味する。
【0018】
<実施例1>
サツマイモペースト(商品名:さつまいもペースト 天然素材株式会社製)350部、砂糖50部、マーガリン(商品名:コンボル800 不二製油株式会社製)35部、牛乳15部、全卵50部、香料(商品名:JUPE(ヤキイモ) ナリヅカコーポレーション株式会社製)適量をすべて均一になるよう混ぜ合わせ生地を作成する。この生地を30g程度ずつ舟形に成型する。
成型した生地は蒸し工程に供する。蒸し工程は蒸し器(商品名:CD−CM−CPC RATIONAL製)を用い、90℃に12分(最終的に芯温75℃以上に達する)入れて蒸し上げる。ついで焼成工程として、ガスバーナーの直火にて1分上面部に焼き色をつける程度に焼成する。
表1に条件と評価を示す。
【0019】
<実施例2・実施例3・比較例1・比較例2・比較例3・比較例4>
表1に示した条件にしたがいそれぞれのスイートポテト様食品を作成する。
ただし、比較例4は焼成工程の後に蒸し工程を行った。
【0020】
〔表1〕

※ 本件では商業的に実用可能なレベルを△・○・◎とし、△は従来並み。×は新規な機能が発現しているとは言いがたいレベルとした。
※1 「歩留まり」は(加熱工程後重量)/(加熱工程前重量)×100(%)で評価した。加熱工程とは蒸し工程と焼成工程の双方(工程が片方しかない場合は実施した工程)を指す。
評価基準は◎:90%以上、○:80〜90%、△:60〜80%、×:60%以下。
※2 「水分」は食感でパサツキを10人のパネラーによって官能評価した。
◎:みずみずしさが保たれている、○:部分的にパサツキを感じる、△:全体的にパサついた食感である、×:全体的に乾き、固い食感である。
※3 「保形性」は崩れやすさで評価した。
◎:十分な保形性を有する、○:やややわらかいものの流通段階で崩れない程度の保形性を有する、△:特殊な包装なしに流通させると崩れやすい、×:手で持つと崩れる。
※4 「食感・風味」は10人のパネラーによって評価した。
◎:優、○:良、△:可、×:不可
※5 「保存性」は衛生面で喫食に値する期間を従来製法と比較して評価した。
◎:従来製法と同期間の保存が可能、○:従来製法より保存可能期間やや短い、△:従来製法より著しく保存可能期間が短い、×:衛生面から喫食が望ましくない。
【0021】
実施例1は、内部は中心部まで火が通り且つみずみずしく、表面は従来のスイートポテトと同様の焼成皮膜が形成、わずかにこげ色があり香ばしく、食欲をそそるものであった。また、材料に含まれる水分が加熱工程時に飛散しにくいため重量の損失が少なく、さらに焼成皮膜が内部の水分の飛散を防止するため、長時間保存しても内部のみずみずしさを持続したものであった。総じて判断すると商品価値の高いものであった。
【0022】
また実施例2も実施例1に比べバーナーによる焼き時間が長くなっているため焼成皮膜がより褐変し、香ばしさがより強く顕現したものであったが、バーナーによる加熱は短時間で表面だけにとどまるため、内部のみずみずしさや重量の損失は実施例1とそう大差もなく、商品価値の高いものであった。また水分の保存性も高いものであった。
【0023】
実施例3はバーナーの代わりにオーブンを使用したものであるが、従来のスイートポテトの焼成にも一般的に用いられているオーブンを用いると、すでに蒸し工程で火が中心部まで通っている生地に対しては過剰気味の加熱ではあり、かつ焼成皮膜が形成されまでに時間がかかる上に焼成時間が長くかかるため、焼成中に水分の飛散が起こるため、バーナーでの焼成より重量の損失が起こりやすく歩留まりがやや劣るし、またみずみずしさという点ではややドライな食感ではあったが、十分に商品価値のあるものが得られた。
【0024】
またバーナーを用いた方がより短時間で効率的ではあり、既存のスイートポテトよりは短時間で加熱工程が終わり、みずみずしく、商品価値の高いものであった。
【0025】
一方比較例1は蒸し工程のないオーブンによる加熱であり、実施例1に比べ、焼成により水分が飛散したものであり、保形性はあるものの歩留まりが低く、その食感は水分が少なくドライであり、従来のスイートポテトと同等の新規性の無いものであった。
加熱をバーナーにて行った比較例2は、生地表面は焼けたため保形性はある程度発揮されてはいるものの、内部への火の通りが不十分な「生焼け」である為、食感も風味も商品価値の低く、保存性も悪いものであった。
なお、中まで十分に火が通そうとバーナーで加熱すると焦げてしまい、しかもなお火の通りは不十分であった。
蒸し工程のみで加熱をした比較例3は生地の中まで火は通るが表面に焼成皮膜が形成されなく生地はウエットであり、加熱工程中の水分の飛散こそ無いが、保存中の水分飛散に対しては弱く、表面の焼成皮膜が無いために保形性がやや弱いもろい構造を持ったものであった。火は中心まで通っている為、保存性はある程度はあるものの、食感・風味はスイートポテトというよりは従来よりある和菓子の「茶巾絞り」によく似たものであり新規性に乏しいものであった。
【0026】
実施例1と蒸し・焼成工程を逆にした以外は全く同じ組成・手順である比較例4は最初に焼成された表面の焼成皮膜のため、その後の工程の蒸し工程で蒸気が十分に内部にいきわたりにくく、しかも抜けにくいため、加熱が不十分であるにもかかわらずウエット過ぎ、さらに焼成皮膜が蒸気によりふやけてしまい、商品価値の低いものであった。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明によって、スイートポテトをはじめとする澱粉主体とするペースト状食品ベースを加熱した食品について、平易な製造工程を付加することで新規な食感と品質を有する製品価値の高いスイートポテト様食品を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉粒を含むペースト状物を蒸し工程の後に焼成してなるスイートポテト様食品。
【請求項2】
焼成工程が、輻射熱、加熱気体の接触および対象物への火炎の接触から1以上を選択してなる請求項1記載のスイートポテト様食品。
【請求項3】
澱粉粒を含む原料をペースト状に混合した後に成型してなる請求項1記載のスイートポテト様食品。
【請求項4】
澱粉粒を含む原料が芋類、豆類、南瓜、栗、穀類から単独あるいは2種以上選択したものである請求項1記載のスイートポテト様食品。
【請求項5】
表面と内部の食感の異なる請求項1記載のスイートポテト様食品。

【公開番号】特開2008−72918(P2008−72918A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253481(P2006−253481)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【出願人】(000236768)不二製油株式会社 (386)
【Fターム(参考)】