説明

スキャナ付プリンタ、印刷システム、および印刷方法

【課題】関連情報を記憶するストレージの記憶容量を小さくしても関連情報を高速に印刷できるスキャナ付プリンタ、印刷システム、および印刷方法を提供する。
【解決手段】商品に関する関連情報を商品毎に記憶するホストコンピュータ2と、周囲に存在する不特定のRFIDタグ5から商品コードを読み取るリーダライタ212と、ホストコンピュータ2から、リーダライタ212により読み取った商品コードが示す商品の関連情報を取り込む取込部801と、取り込んだ関連情報を記憶するRAM203と、周囲に存在する特定のRFIDタグ5に印刷されたバーコード5aから商品コードを読み取るスキャナ101と、RAM203に記憶された関連情報の中から、スキャナ101により読み取った商品コードが示す商品の関連情報を読み出す読出部802と、読出部802により読み出された関連情報を印刷する印刷部803と、を備えたハンディースキャナ1と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナ付プリンタ、印刷システム、および印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アパレルなどの値引きラベルを印刷する印刷システムにおいては、アパレルなどの商品毎に取り付けられている商品タグに印刷されたバーコード等から商品を示す商品コードをスキャナ付プリンタで読み取り、読み取った商品コードを利用してスキャナ付プリンタ内の記憶部またはホスト機器に対して商品に関する関連情報(例えば、値引き情報など)の問い合わせを行い、スキャナ付プリンタ内のストレージまたはホスト機器から関連情報を取り込み、取り込んだ関連情報を印刷することが一般的である(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述した印刷システムによれば、全ての商品の関連情報をスキャナ付プリンタ内のストレージに記憶させることができれば、ホスト機器に対して関連情報の問い合わせを行わなくて良いため、高速に関連情報を印刷することができる。
【0004】
しかしながら、全ての商品の関連情報を記憶することができる記憶容量の大きいストレージ(例えば、HDD(Hard Disk Drive)など)をスキャナ付プリンタに搭載した場合、スキャナ付プリンタは、サイズが大きくなりかつ重量も重くなるため、スキャナ付プリンタを操作して関連情報を印刷する作業者の負担が増大する。
【0005】
また、スキャナ付プリンタが搭載するストレージがHDDである場合、ユーザは、スキャナ付プリンタに搭載されたストレージがフラッシュメモリ等である場合と比較して、スキャナ付プリンタの取り扱いに細心の注意が必要となり、手軽に作業を行うことが困難になる。
【0006】
また、全ての商品の関連情報をスキャナ付プリンタのストレージに記憶させる場合、ユーザは、日々入れ替わりの激しい関連情報の更新を定期的に行う必要があり、負担が増大する。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、関連情報を記憶するストレージの記憶容量を小さくしても関連情報を高速に印刷できるスキャナ付プリンタ、印刷システム、および印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、周囲に存在する不特定の商品タグから商品を示す商品情報を読み取る第1読取手段と、商品に関する関連情報を商品毎に記憶するサーバから、前記第1読取手段により読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を取り込む取込手段と、前記取込手段により取り込んだ前記関連情報を記憶する記憶手段と、周囲に存在する特定の商品タグから前記商品情報を読み取る第2読取手段と、前記記憶手段に記憶された前記関連情報の中から、前記第2読取手段により読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を読み出す読出手段と、前記読出手段により読み出された前記関連情報を印刷する印刷手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、商品に関する関連情報を商品毎に記憶するサーバと、周囲に存在する不特定の商品タグから商品を示す商品情報を読み取る第1読取手段と、前記サーバから、前記第1読取手段により読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を取り込む取込手段と、前記取込手段により取り込んだ前記関連情報を記憶する記憶手段と、周囲に存在する特定の商品タグから前記商品情報を読み取る第2読取手段と、前記記憶手段に記憶された前記関連情報の中から、前記第2読取手段により読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を読み出す読出手段と、前記読出手段により読み出された前記関連情報を印刷する印刷手段と、を有するスキャナ付プリンタと、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、スキャナ付プリンタの印刷方法であって、前記スキャナ付プリンタは、商品に関する関連情報を記憶する記憶手段を備え、第1読取手段が、周囲に存在する不特定の商品タグから商品を示す商品情報を読み取る第1読取工程と、取込手段が、前記関連情報を商品毎に記憶するサーバから、前記第1読取工程で読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を取り込む取込工程と、第2読取手段が、周囲に存在する特定の商品タグから前記商品情報を読み取る第2読取工程と、読出手段が、前記記憶手段に記憶された前記関連情報の中から、前記第2読取工程で読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を読み出す読出工程と、印刷手段が、前記読出工程で読み出された前記関連情報を印刷する印刷工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかるスキャナ付プリンタ、印刷システム、および印刷方法は、関連情報を記憶するストレージの記憶容量を小さくしても関連情報を高速に印刷できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本実施の形態にかかる印刷システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、マスタファイルの一例を示す図である。
【図3】図3は、本実施の形態にかかるハンディースキャナの外観図である。
【図4】図4は、本実施の形態にかかるハンディースキャナの内部構造図である。
【図5】図5は、バーコードが印刷されたRFIDタグの一例を示す図である。
【図6】図6は、関連情報が印刷された台紙付きラベルの一例を示す図である。
【図7】図7は、本実施の形態にかかるハンディースキャナの構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、本実施の形態にかかるハンディースキャナの機能ブロック図である。
【図9】図9は、マスタファイルの取込処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図10は、関連情報の読出処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるスキャナ付プリンタ、印刷システム、および印刷方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、この発明にかかるスキャナ付プリンタを、商品のタグ等に印刷されたバーコード等に対して光を当てて、その反射光から画像を読み取るハンディースキャナに適用した例について説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態にかかる印刷システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかる印刷システム4は、ハンディースキャナ1およびホストコンピュータ2(サーバ)などを備えている。なお、ハンディースキャナ1とホストコンピュータ2とは、例えば、無線LAN(Local Area Network)3を介して通信可能である。
【0015】
ホストコンピュータ2は、アパレル等の商品に関する関連情報のマスタファイル2aを記憶する記憶手段(例えば、HDD:Hard Disk Driveなど)を備えている。図2は、マスタファイルの一例を示す図である。マスタファイル2aは、例えば、図2に示すように、各種商品に関する関連情報が商品を示す商品コード(商品情報)と対応付けて記録されている。関連情報は、例えば、カラー、サイズ、商品名、納入日、仕入金額、販売金額、値引き額などの情報がある。
【0016】
ハンディースキャナ1は、RFID(Radio Frequency Identification)タグ(商品タグ)5に記憶された商品コードを読み取るものである。また、ハンディースキャナ1は、RFIDタグ5に印刷されたバーコードや二次元コード等の印刷情報から商品コードを読み取るものである。
【0017】
図3は、本実施の形態にかかるハンディースキャナの外観図である。図4は、本実施の形態にかかるハンディースキャナの内部構造図である。本実施の形態にかかるハンディースキャナ1は、スキャナ101、表示器102、キー入力部103、トリガスイッチ104、握り部105、サーマルヘッド106、プラテンローラ107、ロール紙108、リーダライタ212などを備えている。
【0018】
リーダライタ212(第1読取手段)は、アンテナ部109(図7参照)を介して、ハンディースキャナ1によりRFIDタグ5に記憶された商品コードを読み取り可能な範囲内(ハンディースキャナ1の周囲)に存在する不特定のRFIDタグ5との間で無線通信を行うものであり、RFIDタグ5に記憶された商品コードを読み取る。図5は、バーコードが印刷されたRFIDタグの一例を示す図である。本実施の形態では、リーダライタ212は、2.45GHzの周波数帯(UHFに属する周波数帯)を用いて、30cm〜1m内に存在する商品に付された不特定のRFIDタグから商品コードを読み取る。
【0019】
スキャナ101(第2読取手段)は、リーダライタ212により商品コードを読取可能な範囲内(ハンディースキャナ1の周囲)に存在する特定のRFIDタグ5に印刷されたバーコード5aに対して光を当てて、その反射光から商品コードを読み取るものである。なお、本実施の形態では、バーコード5aなどに対して光を当てて、その反射光から商品コードを読み取るスキャナ101を用いたが、特定のRFIDタグ5から商品コードを読み取るものであれば、これに限定しない。例えば、リーダライタ212により商品コードを読み取り可能な範囲よりも狭い範囲内にあるRFIDタグ5から商品コードを読み取るリーダライタを用いても良い。より具体的には、例えば、13.56MHzの周波数帯を用いて、数十cm内に存在する商品に付されたRFIDタグから商品コードを読み取るリーダライタを用いても良い。若しくは、RFIDタグ5に印刷されたバーコード5aに対して赤外線を当てて、その反射波から商品コードを読み取るものを用いても良いし、CCD(Charge Coupled Device)スキャナを用いて画像データを読み取り解析して商品コードを読み取るものを用いても良い。
【0020】
表示器102は、液晶ディスプレイなど、商品コードや操作情報(例えば、印刷する関連情報を選択するためのメニュー画面)などを表示するものである。キー入力部103は、ユーザにより操作情報等が入力されるものである。
【0021】
握り部105は、ユーザがハンディースキャナ1を握る部分であり、符号105aで示す部分が導電性ポリマー材料で形成されている。なお、符号105aで示す部分は、導電性ポリマー材料の特性である導電性により、ハンディースキャナ1に生じた静電気を当該部分に接触した人体を介して放電させる。
【0022】
トリガスイッチ104は、握り部105に設けられ、スキャナ101による商品コードの読み取りを要求するためのものである。スキャナ101は、トリガスイッチ104が押下されると、商品に付されたRFIDタグ5に印刷されたバーコード5aから商品コードを読み取る。
【0023】
プラテンローラ107は、後述するサーマルヘッド112に対向して配置されて台紙付きラベルが巻き回されたロール紙108から台紙付きラベルを引き出し、引き出した台紙付きラベルをサーマルヘッド112の印刷位置に搬送する搬送ローラであり、導電性ポリマー材料で構成されて導電性を確保したものである。
【0024】
サーマルヘッド112は、プラテンローラ107により印刷位置に搬送されてきた台紙付きラベルを加熱して、関連情報を印刷するものである。図6は、関連情報が印刷された台紙付きラベルの一例を示す図である。サーマルヘッド112は、図6に示すように、商品コードを示すバーコード6aおよび値引き額などの関連情報6bを台紙付きラベル6に印刷する。
【0025】
図7は、本実施の形態にかかるハンディースキャナの構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかるハンディースキャナ1は、各種の演算処理を実行して各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)201を有している。このCPU201には、RAM(Random Access Memory)203、および電源を切っても記憶内容を保持することができる不揮発性記憶部であるFROM(Flash Read Only Memory)202がシステムバス(図示しない)を介して接続されている。
【0026】
FROM202は、ハンディースキャナ1の動作プログラムや各種設定情報を記憶する。CPU201は、FROM202に記憶された動作プログラム(マスタファイル20の取込処理および関連情報の印刷処理を実行するプログラムを含む)をRAM203にコピーして実行することにより各部を制御する。
【0027】
RAM203(記憶手段)は、各種の可変情報を一時的に記憶するものであり、ホストコンピュータ2から取り込んだマスタファイル20を記憶する。
【0028】
また、RAM203は、台紙付きラベルに印刷する関連情報の印刷データ(画像データ)が展開される印刷バッファとして利用される。印刷データは、ホストコンピュータ2から受信した印刷対象となるデータであっても良いし、FROM202に記憶されているデータであっても良いし、キー入力部211から入力された値引き額等であっても良い。
【0029】
また、CPU201には、表示制御回路204、通信I/F205、モータ制御回路206、ヘッド制御回路208、電源回路209、スキャナ制御回路211、リーダライタ212、キー入力部103、トリガスイッチ104がシステムバス(図示しない)を介して接続されている。
【0030】
表示制御回路204は、CPU201の制御のもとで、表示器102における表示(台紙付きラベルに印刷する関連情報を選択するために操作画像を含むメニュー画面など)を制御する。
【0031】
通信I/F205は、ネットワーク3を介して、ホストコンピュータ2などの外部の機器と無線通信を行うためのインタフェースである。通信I/F205は、例えば無線LAN等により構成され、ホストコンピュータ2に設けられた通信I/Fとの無線通信が可能である。
【0032】
モータ制御回路206は、CPU201の制御のもとで、プラテンローラ107の駆動源であるステッピングモータ207を制御する。ヘッド制御回路208は、CPU201の制御のもとで、サーマルヘッド106に印刷制御信号を出力する。スキャナ制御回路211は、CPU201の制御のもとで、スキャナ101による商品コードの読み取りを制御する。
【0033】
電源回路209は、キー入力部103によるハンディースキャナ1の電源のON/OFFに従って、バッテリ210からハンディースキャナ1の各部への電力の供給/遮断を制御する。
【0034】
次に、FROM202に記憶された動作プログラムをCPU201が実行することにより実現する機能について、図8に示す機能ブロック図を用いて説明する。図8は、本実施の形態にかかるハンディースキャナの機能ブロック図である。
【0035】
本実施の形態のハンディースキャナ1で実行されるプログラムは、図8に示すような各部(取込部801、読出部802、印刷部803など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU201が上記FROM202からプログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM203上にロードされ、上述した各部(取込部801、読出部802、印刷部803など)がRAM203上に生成されるようになっている。
【0036】
取込部801は、ホストコンピュータ2から、リーダライタ212により読み取られた商品コードが示す商品のマスタファイル2aを取り込む。そして、取込部801は、取り込んだマスタファイル2aと同一のマスタファイルがRAM203に記憶されていない場合には、当該取り込んだマスタファイル2aをRAM203に記憶させ、取り込んだマスタファイル2aと同一のマスタファイルがRAM203に既に記憶されている場合には、取り込んだマスタファイル2aを破棄する。さらに、取込部801は、RAM203に記憶されてから所定時間(例えば、5分)経過したマスタファイル2aをRAM203から消去するものとする。
【0037】
これにより、ハンディースキャナ1が商品のマスタファイル2aを記憶するストレージとして大きい記憶容量を有するストレージ(例えば、HDDなど)を搭載する必要がなくなるので、ハンディースキャナ1の小型化および軽量化を図ることができる。また、ハンディースキャナ1が大きい容量のストレージを搭載しなくて済むので、ハンディースキャナ1を用いた作業するユーザに過度の注意を課することを防止できる。また、ユーザが定期的にハンディースキャナ1に記憶された関連情報を更新する必要がなくなり、ユーザの負担を軽減することができる。さらに、マスタファイル2aに記録された関連情報を印刷する際に、ホストコンピュータ2に問い合せる必要がないので、ホストコンピュータ2に問い合せる時間分、関連情報の印刷に要する時間を短縮することができる。
【0038】
スキャナ101は、値引き額などの関連情報の発行作業を行うユーザが関連情報の発行作業を行う場所に移動し、トリガスイッチ1を押下またはキー入力部103を操作すると、RFIDタグ5に印刷されたバーコード5aから商品コードを読み取る。読出部802は、スキャナ101により商品コードが読み取られると、RAM203に記憶されたマスタファイル2aに記録された関連情報の中から、読み取られた商品コードが示す商品の関連情報を読み出す。
【0039】
従来のスキャナ付プリンタにおいては、ホスト機器に対して関連情報の問い合わせを行う場合、無線または有線にて問い合わせを行っていたため、スキャナ付プリンタとホスト機器との間の外乱ノイズなどの通信障害が生じると、関連情報の再送やローミングによる再接続が必要となり、関連情報の取り込み時間がかかっていた。しかし、本実施の形態によれば、ホストコンピュータ1に問い合わせを行わずに、スキャナ101により読み取られた商品コードが示す商品の関連情報を読み出すことができるので、関連情報の読み出しに要する時間を短縮することができる。
【0040】
なお、読出部802は、RAM203に記憶されたマスタファイル2aに記録された関連情報の中から、スキャナ101により読み取られた商品コードが示す商品の関連情報を読み出せた場合には、ホストコンピュータ2への問い合わせを行わない。一方、読出部802は、RAM502に記憶されたマスタファイル20に記録された関連情報の中から、スキャナ101により読み取られた商品コードが示す商品の関連情報を読み出せなかった場合、スキャナ101により読み取られた商品コードをホストコンピュータ2に送信して、当該スキャナ101により読み取られた商品コードが示す商品のマスタファイル20を取り込むものとする。
【0041】
印刷部803は、読出部802により読み出された関連情報を印刷データに変換する。そして、印刷部803は、ヘッド制御回路208を介してサーマルヘッド106を制御して、関連情報の印刷データを台紙付きラベルに印刷する。ハンディースキャナ1のユーザは、関連情報が印刷された台紙付きラベル6(図6参照)を商品に貼り付ける。
【0042】
図9は、マスタファイルの取込処理の流れを示すフローチャートである。取込部801は、リーダライタ212によってRFIDタグ500から商品コードが読み取られた否かを判断する(ステップS901)。そして、RFIDタグ500から商品コードが読み取られた場合(ステップS901:Yes)、取込部801は、ホストコンピュータ2から、読み取られた商品コードが示す商品の関連情報のマスタファイル2aを取り込む(ステップS902)。
【0043】
次いで、取込部801は、取り込んだマスタファイル2aと同一のマスタファイルがRAM203に記憶されているか否かを判断する(ステップS903)。そして、取り込んだマスタファイル2aと同一のマスタファイルがRAM203に記憶されていない場合(ステップS903:No)、取込部801は、取り込んだマスタファイル2aをRAM203に記憶させる(ステップS904)。一方、取り込んだマスタファイル2aと同一のマスタファイルがRAM203に記憶されていた場合(ステップS903:Yes)、取込部801は、取り込んだマスタファイル2aを破棄する(ステップS905)。
【0044】
図10は、関連情報の読出処理の流れを示すフローチャートである。読出部802は、スキャナ101により商品コードが読み取られたか否かを判断する(ステップS1001)。そして、スキャナ101により商品コードが読み取られた場合(ステップS1001:Yes)、読出部802は、RAM203に記憶されたマスタファイル2aに記録された関連情報の中から、読み取られた商品コードが示す商品の関連情報を読み出す(ステップS1002)。
【0045】
RAM203に記憶されたマスタファイル2aに記録された関連情報の中から、読み取られた商品コードが示す商品の関連情報を読み出せた場合(ステップS1003:Yes)、読出部802は、読み出した関連情報を印刷部803に渡して読出処理を終了する。一方、RAM203に記憶されたマスタファイル20に記録された関連情報の中から、読み取られた商品コードが示す商品の関連情報を読み出せなかった場合(ステップS1003:No)、読出部802は、スキャナ101により読み取られた商品コードをホストコンピュータ2に送信して、当該スキャナ101により読み取られた商品コードが示す商品のマスタファイル20を取り込むものとする(ステップS1004)。
【0046】
このように本実施の形態にかかる印刷システム4によれば、商品に関する関連情報を商品毎に記憶するホストコンピュータ2と、周囲に存在する不特定のRFIDタグ5から商品コードを読み取るリーダライタ212と、ホストコンピュータ2から、リーダライタ212により読み取った商品コードが示す商品の関連情報を取り込む取込部801と、取り込んだ関連情報を記憶するRAM203と、周囲に存在する特定のRFIDタグ5に印刷されたバーコード5aから商品コードを読み取るスキャナ101と、RAM203に記憶された関連情報の中から、スキャナ101により読み取った商品コードが示す商品の関連情報を読み出す読出部802と、読出部802により読み出された関連情報を印刷する印刷部803と、を備えたハンディースキャナ1と、を備えることにより、ハンディースキャナ1の周囲にある商品の関連情報のみをハンディースキャナ1に記憶させておくことができ、かつホストコンピュータ1に問い合わせを行わずに、スキャナ101により読み取られた商品コードが示す商品の関連情報を読み出すことができるので、関連情報を記憶するストレージの記憶容量を小さくしても関連情報を高速に印刷できる。
【符号の説明】
【0047】
1 ハンディースキャナ
2 ホストコンピュータ
4 印刷システム
5 RFIDタグ
203 RAM
212 リーダライタ
801 取込部
802 読出部
803 印刷部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0048】
【特許文献1】特開平08−143018号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲に存在する不特定の商品タグから商品を示す商品情報を読み取る第1読取手段と、
商品に関する関連情報を商品毎に記憶するサーバから、前記第1読取手段により読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を取り込む取込手段と、
前記取込手段により取り込んだ前記関連情報を記憶する記憶手段と、
周囲に存在する特定の商品タグから前記商品情報を読み取る第2読取手段と、
前記記憶手段に記憶された前記関連情報の中から、前記第2読取手段により読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を読み出す読出手段と、
前記読出手段により読み出された前記関連情報を印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とするスキャナ付プリンタ。
【請求項2】
前記商品タグは、前記商品情報を記憶した無線タグであり、
前記第1読取手段は、周囲に存在する不特定の前記無線タグから前記商品情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載のスキャナ付プリンタ。
【請求項3】
前記第2読取手段は、周囲に存在する特定の前記無線タグから前記商品情報を読み取ることを特徴とする請求項2に記載のスキャナ付プリンタ。
【請求項4】
前記第2読取手段は、前記商品タグに印刷された印刷情報から前記商品情報を読み取ることを特徴とする請求項1に記載のスキャナ付プリンタ。
【請求項5】
商品に関する関連情報を商品毎に記憶するサーバと、
周囲に存在する不特定の商品タグから商品を示す商品情報を読み取る第1読取手段と、前記サーバから、前記第1読取手段により読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を取り込む取込手段と、前記取込手段により取り込んだ前記関連情報を記憶する記憶手段と、周囲に存在する特定の商品タグから前記商品情報を読み取る第2読取手段と、前記記憶手段に記憶された前記関連情報の中から、前記第2読取手段により読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を読み出す読出手段と、前記読出手段により読み出された前記関連情報を印刷する印刷手段と、を有するスキャナ付プリンタと、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項6】
スキャナ付プリンタの印刷方法であって、
前記スキャナ付プリンタは、商品に関する関連情報を記憶する記憶手段を備え、
第1読取手段が、周囲に存在する不特定の商品タグから商品を示す商品情報を読み取る第1読取工程と、
取込手段が、前記関連情報を商品毎に記憶するサーバから、前記第1読取工程で読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を取り込む取込工程と、
第2読取手段が、周囲に存在する特定の商品タグから前記商品情報を読み取る第2読取工程と、
読出手段が、前記記憶手段に記憶された前記関連情報の中から、前記第2読取工程で読み取った前記商品情報が示す商品の前記関連情報を読み出す読出工程と、
印刷手段が、前記読出工程で読み出された前記関連情報を印刷する印刷工程と、
を含むことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−173291(P2011−173291A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37885(P2010−37885)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】