説明

スクイズ容器

【課題】容器本体の胴部を押圧して染毛液や頭髪用化粧液等の内容液を吐出させた後に、再度、その容器本体の胴部を押圧して内容液を吐出させても、その内容液と空気が一緒に出たり、空気が混入された内容液が泡立った状態で吐出されることがなく、また再度、その容器本体の胴部を押圧して内容液を吐出させるときの吐出効率が悪くなることのないスクイズ容器を提供する。
【解決手段】内溶液Lを収容する押圧変形可能な容器本体1と、この容器本体1に装着される櫛付きノズル2を有したキャップ3とからなり、前記容器本体1は、押圧変形後、元の形状に復帰可能なものとし、前記キャップ3には、容器本体1内に空気を吸入するときには開き、容器本体1外に空気を排出するときには閉まるようにした逆止弁8が設けられ、さらにこの逆止弁8には、容器本体1内の底部に到るようにした空気吸入管9が連結されたものとしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、容器本体の胴部を押圧することにより、容器本体内に収容した染毛液や頭髪用化粧液等の内容物を押し出すことのできるスクイズ容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のスクイズ容器としては、例えば図6に示したような染髪・整髪用櫛具や、図7に示したような塗布具が存在する。これらの染髪・整髪用櫛具や塗布具は、染毛液や頭髪用化粧液等を収容する押圧変形可能な容器本体11と、この容器本体11に装着される櫛付きノズル12からなるものとしている(特許文献1、2)。
【0003】
これらのスクイズ容器は、容器本体11の胴部11aを押圧して櫛付きノズル12から染毛液や頭髪用化粧液等を吐出させながら、櫛付きノズル12の櫛歯13によって毛髪を梳くことにより、染毛液や頭髪用化粧液等を毛髪に塗布することができ、手を汚すことなく、簡単に染毛作業や頭髪のセットを行えるようにしている。
【特許文献1】特開昭61−240904号公報(第1頁、第1図)
【特許文献2】特開2000−62861号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のスクイズ容器では、上記したように容器本体11の胴部11aを押圧して染毛液や頭髪用化粧液等の内容液を吐出させた後に、その押圧力を解除すると容器本体11の胴部11aが元の形状に戻るが、このときにノズルから空気を吸引し、この空気はそのノズル近くの内容液に混入してしまう。ところが、染毛液や頭髪用化粧液等の内容液は、粘性を帯びているものが多く、ノズル近くの内溶液に混入した空気は、その内溶液とは直ぐに分離することがない。そして、再度、容器本体11の胴部11aを押圧して内容液を吐出させると、その内容液と空気が一緒に出たり、空気が混入された内容液が泡立った状態で吐出されることになり、染毛作業や頭髪のセットがし難くなるという問題点を有していた。
【0005】
また、従来のスクイズ容器では、上記したように内容液を吐出させた後に、容器本体11の胴部11aが元の形状に戻るときにノズルから空気を吸引するため、このノズルに付けている櫛歯13の中空部13aにも空気が入る。そして、再度、容器本体11の胴部11aを押圧して内容液を吐出させるときに、この櫛歯13の中空部13aに入った空気を押し出してからでないと、櫛歯13に内容液が到達しないことになる。そのため、容器本体11の胴部11aを押圧する程度を大きくしなければならず、吐出効率が悪くなるという問題点を有していた。
【0006】
そこで、この発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、容器本体の胴部を押圧して染毛液や頭髪用化粧液等の内容液を吐出させた後に、再度、その容器本体の胴部を押圧して内容液を吐出させても、その内容液と空気が一緒に出たり、空気が混入された内容液が泡立った状態で吐出されることがなく、また再度、その容器本体の胴部を押圧して内容液を吐出させるときの吐出効率が悪くなることのないスクイズ容器を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そのため、この発明のスクイズ容器は、内溶液Lを収容する押圧変形可能な容器本体1と、この容器本体1に装着される櫛付きノズル2を有したキャップ3とからなり、前記容器本体1は、押圧変形後、元の形状に復帰可能なものとし、前記キャップ3には、容器本体1内に空気を吸入するときには開き、容器本体1外に空気を排出するときには閉まるようにした逆止弁8が設けられ、さらにこの逆止弁8には、容器本体1内の底部に到るようにした空気吸入管9が連結されたものとしている。
【0008】
そして、この発明のスクイズ容器は、前記容器本体1の胴部1aの一部を薄肉部4として、この薄肉部4を他の部分より弱い押圧力で押圧変形後、元の形状に復帰可能なものとすることができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明のスクイズ容器は、以上に述べたように構成されているので、容器本体の胴部を押圧して染毛液や頭髪用化粧液等の内容液を吐出させた後に、再度、その容器本体の胴部を押圧して内容液を吐出させても、その内容液と空気が一緒に出たり、空気が混入された内容液が泡立った状態で吐出されることがなく、また再度、その容器本体の胴部を押圧して内容液を吐出させるときの吐出効率が悪くなることがないものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明のスクイズ容器の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
この発明のスクイズ容器は、図1に示したように、染毛液や頭髪用化粧液等の内溶液Lを収容する押圧変形可能な容器本体1と、この容器本体1に装着される櫛付きノズル2を有したキャップ3とからなるものとしている
前記容器本体1は、合成樹脂により略円筒形状に形成されており、全体を押圧変形後、元の形状に復帰可能なものとしている。また、この容器本体1は、図2に示したように、胴部1aの一部を薄肉部4として、この薄肉部4を他の部分より弱い押圧力で押圧変形後、元の形状に復帰可能なものとすることができる。
【0012】
前記櫛付きノズル2は、キャップ3に一体成形することにより連設されており、図3に示したように、ノズル部2aの先端に複数本の櫛歯5を設けたものとし、これら櫛歯5の先端には吐出口6が形成され、さらにこれら吐出口6とノズル部2aとを連通する連通路7を櫛歯5の内部に形成している。
【0013】
前記キャップ3は、ねじ込み式として、容器本体1の先端開口に着脱可能に装着されており、密栓時には容器本体1の内容液Lが漏れ出ないようにしている。さらに、このキャップ3の上面には、容器本体1内に空気を吸入するときには開き、容器本体1外に空気を排出するときには閉まるようにした逆止弁8が設けられている。この逆止弁8には、容器本体1内の底部に到るようにした空気吸入管9が連結されている。
【0014】
以上のように構成したこの発明のスクイズ容器は、以下のようにして使用することができる。
【0015】
先ず、この発明のスクイズ容器の容器本体1を傾け、図4(a)に示したように、この容器本体1の胴部1aを押圧すれば、容器本体1内の染毛液や頭髪用化粧液等の内容液Lは、櫛付きノズル2のノズル部2aから櫛歯5の内部の連通路7を通り、吐出口6から吐出するので、この櫛歯5によって毛髪を梳くことにより、前記内容液Lを毛髪に塗布することができる。
【0016】
次に、容器本体1の胴部1aを押圧していた力を解除すると、図4(b)に示したように、容器本体1が元の形状の復帰しようとするので、このときキャップ3に設けられた逆止弁8が開いて空気が吸入され、空気吸入管9から容器本体1の底部に空気が導入され、この容器本体1の底部の内容液L、または容器本体1の底部の空間部Sに空気が混入される。したがって、容器本体1のキャップ3の付近の内容液Lには空気が混入されないことになる。
【0017】
そして、再度、容器本体1の胴部1aを押圧すると、図4(c)に示したように、逆止弁7が閉じ、容器本体1の内容液Lが櫛付きノズル2に送られ、最初に容器本体1の胴部1aを押圧して櫛歯5の内部の連通路7を通り、吐出口6まで到達した内容液Lが押し出され、吐出口5から吐出されると共に、再度の押圧によって前記櫛付きノズル2に送られた内容液Lも吐出されることになる。
【0018】
この場合、この発明のスクイズ容器では、容器本体1のキャップ3の付近の内容液Lが吐出されることになり、この内容液Lには空気が混入されていないので、その内容液Lと空気が一緒に出たり、空気が混入された内容液が泡立った状態で吐出されることはないので、染毛作業や頭髪のセットがし易いものとなる。
【0019】
また、この発明のスクイズ容器では、最初に内容液Lを吐出させた後に、容器本体1の胴部1aが元の形状に復帰するときに、空気を吐出口6からではなく空気吸入管9から吸入するため、吐出口6に続く櫛歯5の連通路7に空気が入らないので、再度、容器本体1の胴部1aを押圧して内容液Lを吐出させるときに、この櫛歯5の連通路7に入った空気を押し出さなくても、前記したように吐出口6まで到達している内容液がそのまま押し出されるので、容器本体1の胴部1aを押圧する程度を大きくしなくてもよくなり、吐出効率が悪くなることもない。
【0020】
なお、この発明のスクイズ容器は、胴部1aの一部を薄肉部4としたものでは、図5に示したように、容器本体1を逆さにし、この容器本体1の胴部1aの薄肉部4のみを押圧すれば、染毛液や頭髪用化粧液等の内容液Lの一定量を吐出することができ、染毛作業や頭髪のセットがし易いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】この発明のスクイズ容器の一実施形態を示す断面図である。
【図2】この発明のスクイズ容器の他の実施形態を示す断面図である。
【図3】図1中のA−A線によるこの発明のスクイズ容器の部分断面図である。
【図4】図1に示したこの発明のスクイズ容器の使用状態を示す説明図である。
【図5】図2に示したこの発明のスクイズ容器の使用状態を示す説明図である。
【図6】従来のスクイズ容器の一例を示す断面図である。
【図7】従来のスクイズ容器の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0022】
1 容器本体
1a 胴部
2 櫛付きノズル
3 キャップ
4 薄肉部
8 逆止弁
9 空気吸入管
L 内容液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内溶液(L)を収容する押圧変形可能な容器本体(1)と、この容器本体(1)に装着される櫛付きノズル(2)を有したキャップ(3)とからなり、前記容器本体(1)は、押圧変形後、元の形状に復帰可能なものとし、前記キャップ(3)には、容器本体(1)内に空気を吸入するときには開き、容器本体(1)外に空気を排出するときには閉まるようにした逆止弁(8)が設けられ、さらにこの逆止弁(8)には、容器本体(1)内の底部に到るようにした空気吸入管(9)が連結されたことを特徴とするスクイズ容器。
【請求項2】
前記容器本体(1)の胴部(1a)の一部を薄肉部(4)として、この薄肉部(4)を他の部分より弱い押圧力で押圧変形後、元の形状に復帰可能なものとしたことを特徴とする請求項1記載のスクイズ容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−24339(P2008−24339A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−198604(P2006−198604)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(391048500)大扇産業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】