説明

スケジューリング制御装置およびスケジューリング制御プログラム

【課題】加入者のスケジュールに合わせて、携帯端末のネットワークサービスを設定する。
【解決手段】スケジューリング制御装置1は、加入者のスケジュールであって、時刻、当該時刻における加入者の予定位置情報および当該時刻における加入者の携帯端末2のネットワークサービスの設定情報を関連づけたスケジューリング制御データ21aを記憶するスケジューリング制御データ記憶部21と、スケジューリング制御データ21aに含まれる時刻になると、加入者の携帯端末2の位置情報を取得するとともに、スケジューリング制御データ21aの当該時刻における予定位置情報を取得し、携帯端末2の位置情報および予定位置情報が一致する場合、当該時刻に関連づけられたネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置52に設定リクエストを送信するスケジューリング制御手段22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加入者情報管理装置と携帯端末とスケジューリング制御装置とを備えるスケジューリング制御システムに用いられるスケジューリング制御装置およびスケジューリング制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に携帯電話機などの携帯端末の普及に伴い、携帯端末の使用におけるマナーが問題になる場合がある。例えば、電車の中ではマナーモード、劇場や映画館ではサイレントモードなど、その時々に応じて、携帯端末に求められる設定が異なる。
【0003】
このような状況に伴い、携帯端末の受信モードを、カレンダ機能に基づいて適宜切り替える方法がある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1において、受信モードスケジュールが設定されると、この設定に従って、サーバが携帯端末への呼び出しをコントロールする方法も開示されている。
【0004】
また監視者および被監視者の携帯電話端末を用いて被監視者の所在位置の監視する方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2に記載の方法では、被監視者の携帯端末に、被監視者の所在地を測位する指示を送信するとともに測位結果を受信する。特許文献2に記載の方法ではさらに、予め被監視者の外出先の位置情報と比較して、合致しない場合、異常アラームを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−165899号公報
【特許文献2】特開2010−81338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、マナーモードなどの設定を通話サーバで制御せず、携帯電話機においてのみ設定可能なシステムの場合、適用することはできない。また、携帯電話機をマナーモードやサイレントモードにするに伴い、ユーザは、転送電話や留守番電話などのネットワークサービスの設定をすることはできない。
【0007】
従って本発明の目的は、加入者のスケジュールに合わせて、携帯端末のネットワークサービスを設定するスケジューリング制御装置およびスケジューリング制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、加入者情報管理装置と、加入者情報管理装置によって管理され、加入者が利用する携帯端末と、加入者情報管理装置および携帯端末に接続されるスケジューリング制御装置と、を備えるスケジューリング制御システムに用いられるスケジューリング制御装置に関する。すなわち本発明の第1の特徴に係るスケジューリング制御装置は、加入者のスケジュールであって、時刻、当該時刻における加入者の予定位置情報および当該時刻における加入者の携帯端末のネットワークサービスの設定情報を関連づけたスケジューリング制御データを記憶するスケジューリング制御データ記憶部と、スケジューリング制御データに含まれる時刻になると、加入者の携帯端末の位置情報を取得するとともに、スケジューリング制御データの当該時刻における予定位置情報を取得し、携帯端末の位置情報および予定位置情報が一致する場合、当該時刻に関連づけられたネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置に設定リクエストを送信するスケジューリング制御手段を備える。
【0009】
ここで、加入者のデフォルトのネットワークサービスの設定情報を含むデフォルトデータが記憶されたデフォルトデータ記憶部をさらに備えても良い。この場合、スケジューリング制御手段は、携帯端末の位置情報および予定位置情報が一致しない場合、当該デフォルトのネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置に設定リクエストを送信する。
【0010】
また、スケジューリング制御データにはさらに、時刻および当該時刻における加入者の予定位置情報に、当該加入者の携帯端末の設定情報が関連づけられていても良い。この場合、スケジューリング制御手段は、スケジューリング制御データの当該時刻における予定位置情報を取得し、携帯端末の位置情報および予定位置情報が一致する場合、当該時刻に関連づけられた携帯端末の設定情報に従って、携帯端末に設定リクエストを送信する。
【0011】
加入者のデフォルトの携帯端末の設定情報を含むデフォルトデータが記憶されたデフォルトデータ記憶部をさらに備えても良い。この場合、スケジューリング制御手段は、携帯端末の位置情報および予定位置情報が一致しない場合、当該デフォルトの携帯端末の設定情報に従って、携帯端末に設定リクエストを送信する。
【0012】
携帯端末の設定情報が、加入者の携帯端末の電源オフの場合、スケジューリング制御手段は、スケジューリング制御データの加入者のスケジュールを検索して、当該時刻以降の直近の時刻であって、電源オンの携帯端末の設定情報に関連づけられた時刻を抽出し、携帯端末の設定リクエストに、抽出した時刻に電源をオンにする設定情報を含めて、携帯端末に送信しても良い。
【0013】
本発明の第2の特徴は、加入者情報管理装置と、加入者情報管理装置によって管理され、加入者が利用する携帯端末と、加入者情報管理装置および携帯端末に接続されるスケジューリング制御装置と、を備えるスケジューリング制御システムのスケジューリング制御装置に用いられるスケジューリング制御プログラムに関する。すなわち本発明の第2の特徴に係るスケジューリング制御プログラムは、コンピュータを、加入者のスケジュールであって、時刻、当該時刻における加入者の予定位置情報および当該時刻における加入者の携帯端末のネットワークサービスの設定情報を関連づけたスケジューリング制御データに含まれる時刻になると、加入者の携帯端末の位置情報を取得するとともに、スケジューリング制御データの当該時刻における予定位置情報を取得し、携帯端末の位置情報および予定位置情報が一致する場合、当該時刻に関連づけられたネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置に設定リクエストを送信するスケジューリング制御手段として機能させる。
【0014】
スケジューリング制御手段は、携帯端末の位置情報および予定位置情報が一致しない場合、デフォルトのネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置に設定リクエストを送信しても良い。
【0015】
スケジューリング制御データにはさらに、時刻および当該時刻における加入者の予定位置情報に、当該加入者の携帯端末の設定情報が関連づけられていても良い。この場合、スケジューリング制御手段は、スケジューリング制御データの当該時刻における予定位置情報を取得し、携帯端末の位置情報および予定位置情報が一致する場合、当該時刻に関連づけられた携帯端末の設定情報に従って、携帯端末に設定リクエストを送信する。
【0016】
スケジューリング制御手段は、携帯端末の位置情報および予定位置情報が一致しない場合、デフォルトの携帯端末の設定情報に従って、携帯端末に設定リクエストを送信しても良い。
【0017】
携帯端末の設定情報が、加入者の携帯端末の電源オフの場合、スケジューリング制御手段は、スケジューリング制御データの加入者のスケジュールを検索して、当該時刻以降の直近の時刻であって、電源オンの携帯端末の設定情報に関連づけられた時刻を抽出し、携帯端末の設定リクエストに、抽出した時刻に電源をオンにする設定情報を含めて、携帯端末に送信してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、加入者のスケジュールに合わせて、携帯端末のネットワークサービスを設定するスケジューリング制御装置およびスケジューリング制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係るスケジューリング制御システムのシステム構成を説明する図である。
【図2】本発明の実施の形態において、加入者が設定するスケジュールの一例を説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るスケジューリング制御装置のハードウェア構成を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るスケジューリング制御装置の機能ブロックを説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るスケジューリング制御データのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に係るネットワークサービスの設定情報の例を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る携帯端末の設定情報の例を説明する図である。
【図8】本発明の実施の形態に係るデフォルトデータのデータ構造とデータの一例を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るスケジューリング制御手段によるスケジューリング制御処理を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係る位置情報取得手段による位置情報取得処理を説明するフローチャートである。
【図11】本発明の実施の形態に係るスケジューリング設定手段によるスケジューリング設定処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態に係るデフォルト設定手段によるデフォルト設定処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。
【0021】
(スケジューリング制御システム)
図1を参照して、実施の形態に係るスケジューリング制御システム5を説明する。実施の形態に係るスケジューリング制御システム5は、スケジューリング制御装置1、携帯端末2、ユーザ端末3、無線通信システム49、通信制御装置51、加入者情報管理装置52、位置情報提供装置53、通信ネットワーク60およびスケジュール管理装置61を備える。無線通信システム49、通信制御装置51、加入者情報管理装置52および位置情報提供装置53は互いに連携して、加入者の携帯端末2にサービスを提供する。通信制御装置51が、加入者の携帯端末2からの呼毎のサービス要求を受信すると、加入者情報管理装置52に設定された情報を参照して、設定内容に応じた呼処理を実現する。
【0022】
図1に示す例では、第1の携帯端末2aおよび第2の携帯端末2bの2つの携帯端末を備える場合を説明するが、携帯端末の数はこれ以上でも良い。また、本実施の形態において、第1の携帯端末2aおよび第2の携帯端末2bを区別する必要のない場合は、単に携帯端末2と記載する場合がある。同様に、図1に示すユーザ端末、各装置などの数は、これに限らない。
【0023】
スケジューリング制御装置1、通信制御装置51、加入者情報管理装置52および位置情報提供装置53は、LANなどの通信ネットワーク50により相互に通信可能に接続される。通信制御装置51は、無線通信システム49を介して、相互に通信可能に携帯電話端末2に接続される。無線通信システム49は、インターネットなどの通信ネットワーク60を介して、ユーザ端末3およびスケジュール管理装置61に相互に通信可能に接続される。
【0024】
無線通信システム49は、3GPP(Third Generation Partnership Project)において、RAN(Radio Access Networks)と規定されるシステムである。ここで3GPPは、第三世代以降の移動体通信システムの仕様を策定するものである。
【0025】
スケジューリング制御装置1は、一般的なコンピュータであって、図4などを参照して、後に詳述する。携帯端末2は、加入者情報管理装置52によって管理され、加入者が利用する3GPPに対応する一般的な携帯電話機である。本実施の形態に係るスケジューリング制御方法を適用するために、所定の処理を実行するアプリケーションがインストールされ実行されても良い。ユーザ端末3は、加入者によって使用される一般的なコンピュータである。
【0026】
通信制御装置51は、3GPPにおいて、MSC(Mobile Switching Center)、SGSN(Serving GPRS Support Node)、CSCF(Call Session Control Function)などの機能を提供する。MSCとは、移動通信交換局であって、自局の制御範囲内にどのような端末が所在するかを認識するとともに、通話パスの設定時に加入者情報をHLRから抽出するなどの機能を提供する。SGSNは、携帯電話網のパケット網を構成するパケット交換機である。CSCFは、呼処理のセッション管理を行う。
【0027】
加入者情報管理装置52は、3GPPにおいてHLR(Home Location Register )、HSS(Home Subscriber Server)、gsmSCF(GSM Service Control Function)などの機能を提供する。HLRとは、携帯電話番号や端末識別番号などのユーザ情報を管理するデータベースである。携帯電話の位置情報が登録されると、このHLRの情報も更新される。HSSとは、呼を実際に扱うIMSネットワーク実体をサポートするデータベースである。gsmSCFとは、例えば留守番電話のようなサービスの起動や停止を制御する機能である。
【0028】
ここで本発明の実施の形態に係る加入者情報管理装置52は、加入者の携帯端末2の位置情報を提供するとともに、加入者の携帯端末2に提供するネットワークサービスの条件を保持する。ここでネットワークサービスとは、携帯電話2の呼び出し音のカスタマイズ、マルチモード、転送電話サービス、留守番電話サービス、コールウェイティング、2契約1端末サービス、複数電話サービスである。
【0029】
位置情報提供装置53は、3GPPにおいて、GMLC(Gateway Mobile Location Center)などの機能を提供する。GMLCは、端末の位置の情報を取得する。
【0030】
スケジュール管理装置61は、例えばポータルサイトのサーバであって、加入者のスケジュールを保持するサービスである。加入者は、携帯端末2やユーザ端末3からスケジュール管理装置61に接続し、スケジュール管理装置61に自己の予定を入力することができる。
【0031】
スケジューリング制御装置1は、携帯端末2やユーザ端末3から入力された加入者のスケジュールや、スケジュール管理装置61から取得した加入者のスケジュールに従って、加入者の携帯端末2のネットワークサービスの設定や、携帯端末2の設定などを適宜変更する。
【0032】
図2を参照して、本発明の実施の形態において、加入者が入力するスケジュールの一例を説明する。加入者が入力するスケジュールは、加入者自身が、いつ、どこで、何をするかを示すスケジュールと、そのときの携帯端末2に関する設定情報と、が対応づけられたデータである。図2に示す携帯端末表示画面P101は、加入者が入力したスケジュールの一例を表示した画面である。携帯端末表示画面P101では、加入者自身のスケジュールを含むスケジュール設定部P102およびその時々の携帯端末2の設定を含む端末設定部P103と、を備える。
【0033】
スケジュール設定部P102では、加入者のスケジュールの、時刻およびその位置情報と、が対応づけられている。図2で示す例では、「8時から12時まで」、打ち合わせで「大手町」に滞在する予定と、「15時から18時まで」、デスク作業で「品川」に滞在する予定と、「18時から21時まで」、飲み会で「品川」に滞在する予定と、が設定されている。図2で示す例では、公私の予定を区別して表示しているが、この表示の仕方は問わない。
【0034】
端末設定部P103では、加入者が入力したスケジュールに対応して、その時々の携帯端末2に関する設定が対応づけられている。例えば、加入者の「打ち合わせ」のスケジュールに対応して、携帯端末2の設定は、「マナーモード、留守番電話ON」となっている。また、加入者の「デスク作業」のスケジュールに対応して、携帯端末2の設定は、「留守番電話OFF」となっている。図2に示す例では、加入者のスケジュールに一致するように、携帯端末2の設定が対応づけられているが、これに限られない。例えば、加入者のスケジュールの開始時刻の5分前から設定を開始したり、加入者のスケジュールの終了時刻の10分後まで設定を継続するなど、適宜変更可能である。
【0035】
(スケジューリング制御装置)
図3に示すように、本発明の最良の実施の形態に係るスケジューリング制御装置1は、中央処理制御装置101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103および入出力インタフェース109が、バス110を介して接続されている。入出力インタフェース109には、入力装置104、表示装置105、通信制御装置106、記憶装置107およびリムーバブルディスク108が接続されている。
【0036】
中央処理制御装置101は、入力装置104からの入力信号に基づいてROM102からスケジューリング制御装置1を起動するためのブートプログラムを読み出して実行し、さらに記憶装置107に記憶されたオペレーティングシステムを読み出す。さらに中央処理制御装置101は、入力装置104や通信制御装置106などの入力信号に基づいて、各種装置の制御を行ったり、RAM103や記憶装置107などに記憶されたプログラムおよびデータを読み出してRAM103にロードするとともに、RAM103から読み出されたプログラムのコマンドに基づいて、データの計算または加工など、後述する一連の処理を実現する処理装置である。
【0037】
入力装置104は、操作者が各種の操作を入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスにより構成されており、操作者の操作に基づいて入力信号を作成し、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送信される。表示装置105は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどであり、中央処理制御装置101からバス110および入出力インタフェース109を介して表示装置105において表示させる出力信号を受信し、例えば中央処理制御装置101の処理結果などを表示する装置である。通信制御装置106は、LANカードやモデムなどの装置であり、スケジューリング制御装置1をインターネットやLANなどの通信ネットワークに接続する装置である。通信制御装置106を介して通信ネットワークと送受信したデータは入力信号または出力信号として、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送受信される。
【0038】
記憶装置107は半導体記憶装置や磁気ディスク装置であって、中央処理制御装置101で実行されるプログラムやデータが記憶されている。リムーバブルディスク108は、光ディスクやフレキシブルディスクのことであり、ディスクドライブによって読み書きされた信号は、入出力インタフェース109およびバス110を介して中央処理制御装置101に送受信される。
【0039】
本発明の最良の実施の形態に係るスケジューリング制御装置1の記憶装置107には、スケジューリング制御プログラムが記憶されるとともに、記憶装置107は、スケジューリング制御データ記憶部21およびデフォルトデータ記憶部22を備える。また、スケジューリング制御プログラムがスケジューリング制御装置1の中央処理制御装置101に読み込まれ実行されることによって、スケジューリング取得手段11およびスケジューリング制御手段12がスケジューリング制御装置1に実装される。
【0040】
スケジューリング制御データ記憶部21は、記憶装置107のうち、スケジューリング制御データ21aが記憶された記憶領域である。スケジューリング制御データ21aは、加入者のスケジュールであって、時刻、当該時刻における加入者の予定位置情報、時刻における加入者の携帯端末のネットワークサービスの設定情報および加入者の携帯端末の設定情報を関連づけたデータである。スケジューリング制御データ21aは、図2に示して説明した加入者のスケジュールを、テーブル形式に変換したものである。スケジューリング制御データ21aには、複数の加入者のスケジュールが含まれても良い。
【0041】
スケジューリング制御データ21aは、図5に示すように、加入者ID、スケジュールID、時刻、予定位置、ネットワークサービス設定および端末設定を対応づけたデータである。加入者IDは、本発明の実施の形態に係るスケジューリング制御を利用する加入者の識別子であって、例えば携帯電話番号である。スケジュールIDは、各加入者IDが設定するスケジュールの識別子である。
【0042】
ここで図5において、加入者ID、スケジュールID、時刻、予定位置、ネットワークサービス設定および端末設定を1つのテーブルで対応づけた場合を説明するが、この例に限られない。例えば、スケジュールID、時刻、予定位置、ネットワークサービス設定および端末設定を対応づけたテーブルが、加入者IDごとに設けられても良い。このほか、テーブルの構成例として、様々な方法が考えられる。
【0043】
図5の時刻は、そのスケジュールの開始時刻である。さらに終了時刻のカラムが含まれても良い。予定位置は、そのスケジュールのとき時間帯に加入者がいる場所である。例えば、打ち合わせのスケジュールの場合、予定位置はその打ち合わせ場所となる。さらに、この予定位置には、その位置を検出するための精度が含まれる。例えば、予定位置が「虎ノ門駅(100m精度)」の場合、加入者の携帯端末2の位置が、虎ノ門駅から100メートル以内であれば、加入者が予定位置にいると判断される。図5に示す時刻および予定位置は、例えば図2に示す携帯端末表示画面P101のスケジュール設定部P102の設定に基づいて登録される。
【0044】
図5のネットワークサービス設定および端末設定は、当該スケジュールのときの携帯端末2の設定である。
【0045】
このネットワークサービスの設定情報は、加入者情報管理装置52において制御される携帯端末2の設定情報である。図6に示すように、本発明の実施の形態において、このネットワークサービスの設定情報は、留守番電話、コールウェイティングなどのネットワークサービスと、これらの各サービスの状態と、を対応づけたデータである。サービスの状態は、ネットワークサービスの種別によって異なる。例えば、留守番電話サービスでは、ONかOFFかのフラグである。ONの場合は、呼び出し秒数も設定される。2契約1端末サービスでは、A番号を活性するか、B番号を活性するか、を示すフラグである。
【0046】
携帯端末の設定情報は、マナーモード、サイレントモードなど、携帯端末2において制御される設定情報である。図7に示すように、本発明の実施の形態において、この携帯端末の設定情報は、電源、マナーモードなどの各携帯端末2の機能と、各機能の状態と、を対応づけたデータである。ここで機能の状態は、その機能のONまたはOFFのいずれかである。
【0047】
デフォルトデータ記憶部22は、記憶装置107のうち、デフォルトデータ22aが記憶された記憶領域である。デフォルトデータ22aは、加入者のデフォルトのネットワークサービスの設定情報および携帯端末の設定情報を含むデータである。デフォルトデータ22aは、図8に示すように、加入者IDに、ネットワークサービスの設定情報および端末の設定情報が対応づけられている。ネットワークサービスの設定情報は、図6を参照して説明した通り、ネットワークサービスとサービスの状態と、を対応づけたデータである。携帯端末2の設定情報は、図7を参照して説明した通り、携帯端末2の機能と各機能の状態と、を対応づけたデータである。
【0048】
スケジューリング取得手段11は、加入者の携帯端末2、ユーザ端末3、スケジュール管理装置61などから、加入者のスケジュールデータを取得し、スケジューリング制御データ記憶部21に記憶する。スケジューリング取得手段11は、例えば、図2に示すような画面を、携帯端末2またはユーザ端末3に表示して、加入者にスケジュール、予定位置、ネットワークサービスの設定情報および携帯端末2の設定情報の設定情報を入力させる。スケジューリング取得手段11は、これらのデータを関連づけたレコードを、スケジューリング制御データ記憶部21に記憶する。また、スケジューリング管理装置61から、スケジュール、予定位置、ネットワークサービスの設定情報および携帯端末2の設定情報の設定情報を関連づけたレコードを取得して、スケジューリング制御データ記憶部21に記憶しても良い。
【0049】
ここで、スケジューリング取得手段11は、加入者の新たなスケジュールを受信した際、スケジューリング制御データ21aの整合性をチェックしても良い。例えば、システムの使用上、転送電話サービスと留守番電話サービスを同時に提供できない場合、スケジューリング取得手段11は、その旨を加入者に通知し、修正を促しても良い。また、スケジューリング取得手段11は、スケジューリング制御データ21aについて、加入者情報管理装置52に、加入者が申し込み済みのサービスであるか否か、加入者がそのサービスを設定可能であるか否かを問い合わせ、申し込みされていないサービスについては、その旨を加入者に通知しても良い。
【0050】
スケジューリング制御手段12は、スケジューリング制御データ21aに含まれる時刻になると、加入者の携帯端末の位置情報を取得するとともに、スケジューリング制御データ21aのこの時刻における予定位置情報を取得する。スケジューリング制御手段12は、携帯端末2の位置情報および予定位置情報が一致するか否かを判定し、加入者IDと、この加入者に対するネットワークサービスの設定情報を加入者情報管理装置52に送信するとともに、携帯端末の設定情報を、携帯端末2に送信する。
【0051】
ここで、携帯端末2の位置情報と予定位置情報が一致するか否かは、携帯端末2の位置情報が、予定位置情報の位置から、スケジューリング制御データ21aの精度の範囲内であるか否かに基づいて判断される。携帯端末2の位置情報が、予定位置情報の位置から、精度の範囲内である場合、スケジューリング制御手段12は、携帯端末2の位置情報と予定位置情報が一致すると判定する。一方、携帯端末2の位置情報が、予定位置情報の位置から、精度の範囲外である場合、スケジューリング制御手段12は、携帯端末2の位置情報と予定位置情報が一致しないと判定する。
【0052】
携帯端末2の位置情報および予定位置情報が一致する場合、スケジューリング制御手段12は、この時刻に関連づけられたネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置52に設定リクエストを送信する。さらにスケジューリング制御手段12は、この時刻に関連づけられた携帯端末の設定情報に従って、携帯端末2に設定リクエストを送信する。
【0053】
ここで、スケジューリング制御データ21aにおいて、予定位置情報が登録されていない場合、携帯端末2の位置情報を取得することなく、スケジューリング制御手段12は、この時刻に関連づけられたネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置52に設定リクエストを送信する。さらにスケジューリング制御手段12は、この時刻に関連づけられた携帯端末2の設定情報に従って、携帯端末2に設定リクエストを送信する。
【0054】
一方、携帯端末の位置情報および予定位置情報が一致しない場合、スケジューリング制御手段12は、デフォルトデータ22aを読み出し、デフォルトのネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置52に設定リクエストを送信する。さらにスケジューリング制御手段12は、デフォルトの携帯端末の設定情報に従って、携帯端末2に設定リクエストを送信する。
【0055】
加入者情報管理装置52は、スケジューリング制御装置1から、加入者IDと、この加入者に対するネットワークサービスの設定情報を受信すると、加入者情報管理装置52の加入者のネットワークサービスの設定情報を更新し、更新された設定情報に従って、携帯電話2にサービスを提供する。また携帯端末2は、スケジューリング制御装置1から、携帯端末の設定情報を受信すると、携帯端末2の設定情報を更新し、更新された設定情報に従って、携帯電話2を稼働する。
【0056】
スケジューリング制御手段12は、携帯端末2の設定情報が、加入者の携帯端末の電源オフの場合、スケジューリング制御手段12は、スケジューリング制御データ21aの加入者のスケジュールを検索して、この時刻以降の直近の時刻であって、電源オンの携帯端末の設定情報に関連づけられた時刻を抽出する。さらにスケジューリング制御データ21aは、携帯端末2の設定リクエストに、抽出した時刻に電源をオンにする設定情報を含めて、携帯端末2に送信する。この時刻以降の直近の時刻に、電源オンの携帯端末の設定情報が見つからない場合、スケジューリング制御手段12は、電源オフの携帯端末の設定情報のみを、携帯端末2に送信する。この場合、加入者の操作により携帯端末2の電源がオンされると、携帯端末2はスケジューリング制御装置1と通信し、携帯端末の設定情報を受信することができる。
【0057】
ここで、スケジューリング制御手段12は、位置情報取得手段13、スケジューリング設定手段14およびデフォルト設定手段15を備える。位置情報取得手段13、スケジューリング設定手段14およびデフォルト設定手段15は、スケジューリング手段12のサブルーチンである。
【0058】
位置情報取得手段13は、加入者IDが入力されると、その加入者の携帯端末2の位置情報を取得する。ここで位置情報取得手段13は、加入者情報管理装置52、位置情報提供装置53などに加入者IDを入力し、その加入者IDの携帯端末2の位置情報を取得する。位置情報取得手段13は、スケジューリング制御データ21aで設定される位置情報の精度によって、位置情報を取得する方法を使い分けても良い。
【0059】
スケジューリング設定手段14は、加入者IDが入力されると、その加入者IDに関連するスケジューリング制御データ21aに従って、ネットワークサービスおよび携帯端末の機能を設定する。スケジューリング設定手段14は、スケジューリング制御データ21aを読み出し、ネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置52に設定リクエストを送信するとともに、携帯端末の設定情報に従って、加入者の携帯端末2に設定リクエストを送信する。
【0060】
デフォルト設定手段15は、加入者IDが入力されると、その加入者IDに関連するデフォルトデータ22aに従って、ネットワークサービスおよびその加入者の携帯端末2の機能を設定する。デフォルト設定手段15は、デフォルトデータ22aを読み出し、ネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置52に設定リクエストを送信するとともに、携帯端末の設定情報に従って、加入者の携帯端末2に設定リクエストを送信する。
【0061】
図9を参照して、スケジューリング制御手段12によるスケジューリング制御処理を説明する。まずステップS1においてスケジューリング制御手段12は、スケジューリング制御データ21aで指定された時刻になるのを待機する。その時刻になるとステップS2においてスケジューリング制御手段12は、そのレコードにおいて、予定位置が設定されているか否かを判定する。予定位置が設定されていない場合、ステップS6に進み、スケジューリング制御手段12は、スケジューリング設定手段14によるスケジューリング設定処理を実行する。
【0062】
一方、予定位置が設定されている場合、ステップS3において、スケジューリング制御手段12は、位置情報取得手段13による位置情報取得処理を実行し、加入者の携帯端末2の位置情報を取得する。さらに、ステップS4においてスケジューリング制御手段12は、スケジューリング制御データ21aから、この時刻の加入者の携帯端末2の予定位置の情報を取得する。ステップS5においてスケジューリング制御手段12は、ステップS3で取得した携帯端末2の位置情報が、ステップS4において取得した予定位置の範囲内であるか判定する。範囲内である場合、ステップS6に進み、スケジューリング制御手段12は、スケジューリング設定手段14によるスケジューリング設定処理を実行する。一方、範囲外の場合、ステップS7に進み、スケジューリング制御手段12は、デフォルト設定手段15によるデフォルト設定処理を実行する。
【0063】
図10を参照して、位置情報取得手段13による位置情報取得処理を説明する。この位置情報取得処理は、図9のステップS3に対応する。位置情報取得手段13が加入者の携帯端末2の位置情報を取得する処理の具体例は、いくつか考えられる。
【0064】
まず図10(a)を参照して、加入者の携帯端末2の位置情報として、加入者情報管理装置52に登録される携帯端末2の位置情報を用いる場合を説明する。ステップS101において位置情報取得手段13は、加入者情報管理装置52に、加入者IDを含む位置情報要求を送信する。加入者情報管理装置52は、データベースを検索して加入者IDに対応する位置情報を取得する。ステップS102において加入者情報管理装置52は、携帯端末2の現在位置として取得した位置情報を含む位置情報応答を、位置情報取得手段13に送信する。
【0065】
図10(b)を参照して、加入者の携帯端末2の位置情報として、無線制御システム49で保持する位置情報を用いる場合を説明する。ステップS121において位置情報取得手段13は、位置情報提供装置53に、加入者IDを含む位置情報要求を送信する。ステップS122において位置情報提供装置53は、通信制御装置51に、その位置情報要求を送信し、ステップS123において通信制御装置51は、無線制御システム49にその位置情報要求を送信する。
【0066】
無線制御システム49は、加入者IDと接続する無線基地局の情報を取得して、加入者IDに対応する位置情報を取得する。ステップS124において無線制御システム49は、携帯端末2の現在位置として取得した位置情報を含む位置情報応答を、通信制御装置51に送信し、ステップS125において通信制御装置51は、その位置情報応答を位置情報提供装置53に送信する。ステップS126において位置情報提供装置53は、受信した位置情報応答を、位置情報取得手段13に送信する。
【0067】
図10(c)を参照して、加入者の携帯端末2の位置情報として、無線制御システム49でGPS(Global Positioning System)によって測位された位置情報を用いる場合を説明する。ステップS141において位置情報取得手段13は、位置情報提供装置53に、加入者IDを含む位置情報要求を送信する。ステップS142において位置情報提供装置53は、通信制御装置51に、その位置情報要求を送信し、ステップS143において通信制御装置51は、無線制御システム49にその位置情報要求を送信する。
【0068】
ステップS144において無線制御システム49は、加入者IDに対応する携帯端末2より、GPSで即位された位置情報を取得する。ステップS145において無線制御システム49は、携帯端末2の現在位置として取得した位置情報を含む位置情報応答を、通信制御装置51に送信し、ステップS146において通信制御装置51は、その位置情報応答を位置情報提供装置53に送信する。ステップS147において位置情報提供装置53は、受信した位置情報応答を、位置情報取得手段13に送信する。
【0069】
図11を参照して、スケジューリング設定手段14によるスケジューリング設定処理を説明する。このスケジューリング設定処理は、図9のステップS6に対応する。
【0070】
まずステップS201においてスケジューリング設定手段14は、スケジューリング制御データ21aの設定情報を取得する。ここで取得する設定情報は、ネットワークサービスの設定情報と、携帯端末の設定情報である。ステップS202においてスケジューリング設定手段14は、処理対象の加入者IDとともにステップS201で取得したネットワークサービスの設定情報含むネットワークサービスの設定リクエストを、加入者情報管理装置52に送信する。
【0071】
ステップS203においてスケジューリング設定手段14は、ステップS201で取得した設定情報に、携帯端末2に関する設定情報があるか否かを判定する。携帯端末2に関する設定情報がない場合、このまま処理を終了する。一方携帯端末2に関する設定情報がある場合、ステップS204に進む。
【0072】
ステップS204においてスケジューリング設定手段14は、スケジューリング制御データ21aの携帯端末2の設定が、電源オフの設定であるか否かを判定する。電源オフでない場合、ステップS208に進む。ステップS208においてスケジューリング設定手段14は、スケジューリング制御データ21aのこの時刻に対応づけられた携帯端末の設定情報に従って、この加入者の携帯端末2に設定リクエストを送信する。
【0073】
一方電源オフの設定の場合、ステップS205においてスケジューリング設定手段14は、スケジューリング制御データ21aの当該加入者のレコードを検索し、次に電源をオンする設定があるか検索する。電源をオンする設定がない場合、ステップS208においてスケジューリング設定手段14は、携帯端末2の電源をオフする設定リクエストを、この加入者の携帯端末2に送信する。
【0074】
電源をオンする設定がある場合、ステップS206においてスケジューリング設定手段14は、検索されたレコードの時刻を取得する。ステップS207においてスケジューリング設定手段14は、電源をオフするとともに、ステップS206で取得した時刻に電源をオンするリクエストを、この加入者の携帯端末2に送信する。
【0075】
図12を参照して、デフォルト設定手段15によるデフォルト設定処理を説明する。このデフォルト設定処理は、図9のステップS7に対応する。
【0076】
まずステップS301においてデフォルト設定手段15は、デフォルトデータ22aの設定情報を取得する。ここで取得する設定情報は、ネットワークサービスの設定情報と、携帯端末の設定情報である。ステップS203においてデフォルト設定手段15は、処理対象の加入者IDとともにステップS301で取得したネットワークサービスの設定情報含むネットワークサービスの設定リクエストを、加入者情報管理装置52に送信する。
【0077】
ステップS303においてデフォルト設定手段15は、ステップS301で取得した設定情報に、携帯端末2に関する設定情報があるか否かを判定する。携帯端末2に関する設定情報がない場合、このまま処理を終了する。一方携帯端末2に関する設定情報がある場合、ステップS304に進む。
【0078】
ステップS304においてデフォルト設定手段15は、デフォルトデータ22aの携帯端末2の設定が、電源オフの設定であるか否かを判定する。電源オフでない場合、ステップS308に進む。ステップS308においてデフォルト設定手段15は、デフォルトデータ22aでこの加入者IDに対応づけられた携帯端末の設定情報に従って、この加入者の携帯端末2に設定リクエストを送信する。
【0079】
一方電源オフの設定の場合、ステップS305においてデフォルト設定手段15は、スケジューリング制御データ21aの当該加入者のレコードを検索し、次に電源をオンする設定があるか検索する。電源をオンする設定がない場合、ステップS308においてデフォルト設定手段15は、携帯端末2の電源をオフする設定リクエストを、この加入者の携帯端末2に送信する。
【0080】
電源をオンする設定がある場合、ステップS306においてデフォルト設定手段15は、検索されたレコードの時刻を取得する。ステップS307においてスケジューリング設定手段14は、電源をオフするとともに、ステップS306で取得した時刻に電源をオンするリクエストを、この加入者の携帯端末2に送信する。
【0081】
図5および図8に示すデータ例を参照して、加入者ID「USER001」の加入者について、スケジューリング制御手段12の処理を説明する。スケジューリング制御手段12は、2011年2月16日の15時になると、加入者ID「USER001」のスケジュールID「1」のレコードに基づいて処理する。スケジュール制御手段12は、加入者ID「USER001」の携帯端末2の位置情報を取得する。この取得した位置が、予定位置である「虎ノ門駅」から「100メートル」以内であるか否かを判定する。
【0082】
取得した位置が予定位置の範囲内である場合、スケジューリング制御手段12は、スケジューリング制御データ21aのネットワークサービスの設定情報に従って、加入者情報管理装置52に、加入者ID「USER001」の加入者について、「留守番電話をON」に設定するとともに、「呼び出し時間を5秒」とする設定リクエストを送信する。その後加入者情報管理装置52は、この加入者ID「USER001」の携帯端末2への通話を受けると、呼び出し時間5秒を経過しても着信しない場合、留守番電話に設定する。
【0083】
さらにスケジュール制御手段12は、加入者ID「USER001」の携帯端末2に、「マナーモード」を「ON」にする設定リクエストを送信する。その後携帯端末2は、携帯端末2の受信モードをマナーモードに設定し、着電およびメール受信などを、マナーモードの設定に従って、加入者に通知する。
【0084】
2011年2月16日の18時になると、スケジューリング制御手段12は、加入者ID「USER001」のスケジュールID「2」のレコードに基づいて処理する。スケジュールID「2」の様に、予定位置が設定されていない場合、スケジューリング制御データ21aは、加入者ID「USER001」の携帯電話2の位置を取得しない。スケジュールリング制御手段12は、加入者ID「USER001」の携帯電話2の位置に関わらず、ネットワークサービスの設定情報を加入者情報管理装置52に送信するとともに、携帯端末の設定情報を、携帯端末2に送信する。
【0085】
2011年2月16日の21時になると、スケジューリング制御手段12は、加入者ID「USER001」のスケジュールID「3」のレコードに基づいて処理する。このスケジュールID「3」のレコードにおいて、予定位置が設定されている。従ってスケジューリング制御手段12は、この時刻の携帯端末2の位置が予定位置である場合、スケジューリング制御データ21aに従って処理し、予定位置でない場合、デフォルトデータ22aに従って処理する。
【0086】
携帯端末2の位置が予定位置である場合を想定する。スケジューリング制御手段12は、スケジューリング制御データ21aに従って処理するところ、スケジュールID「3」のレコードにおいて、電源オフの携帯端末の設定情報が含まれている。この場合スケジューリング制御手段12は、この時刻以降の直近の予定であって、電源をオンするレコードを検索する。図5に示す例では、2011年2月17日の9時に、携帯端末の端末設定で電源オンすることが設定されている。そこでスケジューリング制御装置12は、加入者ID「USER001」の携帯端末2に、電源オフするとともに、2011年2月17日の9時に電源をオンにする設定リクエストを送信する。
【0087】
このように本発明の実施の形態に係るスケジューリング制御装置1は、予め加入者が設定したネットワークサービスおよび携帯端末2の設定に従って、ネットワークサービスおよび携帯端末2の設定を適宜変更することができる。特に本発明の実施の形態においては、予め時刻、場所およびそのときのネットワークサービスおよび携帯端末2の設定を保持する。ここで、時刻およびその時刻における携帯端末2の場所が予定と一致する場合、予め保持したネットワークサービスおよび携帯端末2の設定に変更することができる。
【0088】
これにより会議の間、自動的に留守番電話機能を設定したり、映画館への入館時に携帯端末2の電源をオフするなど、その予定にあった設定が、自動的に設定される。これにより、加入者は場面に応じた携帯端末2の設定を考慮しなくとも、その場面に応じて適切な設定で携帯端末2を利用することができる。
【0089】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなる。
【0090】
例えば、本発明の最良の実施の形態に記載したスケジューリング制御装置は、図4に示すように一つのハードウェア上に構成されても良いし、その機能や処理数に応じて複数のハードウェア上に構成されても良い。また、既存の加入者情報管理装置52などの装置上に実現されても良い。
【0091】
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0092】
1 スケジューリング制御装置
2 携帯端末
3 ユーザ端末
5 スケジューリング制御システム
11 スケジューリング取得手段
12 スケジューリング制御手段
13 位置情報取得手段
14 スケジューリング設定手段
15 デフォルト設定手段
21 スケジューリング制御データ記憶部
22 デフォルトデータ記憶部
49 無線通信システム
51 通信制御装置
52 加入者情報管理装置
53 位置情報提供装置
60 通信ネットワーク
61 スケジュール管理装置
101 中央処理制御装置
102 ROM
103 RAM
104 入力装置
105 表示装置
106 通信制御装置
107 記憶装置
108 リムーバブルディスク
109 入出力インタフェース
110 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加入者情報管理装置と、前記加入者情報管理装置によって管理され、加入者が利用する携帯端末と、前記加入者情報管理装置および前記携帯端末に接続されるスケジューリング制御装置と、を備えるスケジューリング制御システムに用いられるスケジューリング制御装置であって、
加入者のスケジュールであって、時刻、当該時刻における前記加入者の予定位置情報および当該時刻における前記加入者の携帯端末のネットワークサービスの設定情報を関連づけたスケジューリング制御データを記憶するスケジューリング制御データ記憶部と、
前記スケジューリング制御データに含まれる前記時刻になると、前記加入者の携帯端末の位置情報を取得するとともに、前記スケジューリング制御データの当該時刻における前記予定位置情報を取得し、前記携帯端末の位置情報および前記予定位置情報が一致する場合、当該時刻に関連づけられた前記ネットワークサービスの設定情報に従って、前記加入者情報管理装置に設定リクエストを送信するスケジューリング制御手段
を備えることを特徴とするスケジューリング制御装置。
【請求項2】
加入者のデフォルトのネットワークサービスの設定情報を含むデフォルトデータが記憶されたデフォルトデータ記憶部をさらに備え、
前記スケジューリング制御手段は、前記携帯端末の位置情報および前記予定位置情報が一致しない場合、当該デフォルトのネットワークサービスの設定情報に従って、前記加入者情報管理装置に設定リクエストを送信する
ことを特徴とする請求項1に記載のスケジューリング制御装置。
【請求項3】
前記スケジューリング制御データにはさらに、前記時刻および当該時刻における前記加入者の予定位置情報に、当該加入者の携帯端末の設定情報が関連づけられており、
前記スケジューリング制御手段は、前記スケジューリング制御データの当該時刻における前記予定位置情報を取得し、前記携帯端末の位置情報および前記予定位置情報が一致する場合、当該時刻に関連づけられた前記携帯端末の設定情報に従って、前記携帯端末に設定リクエストを送信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のスケジューリング制御装置。
【請求項4】
加入者のデフォルトの携帯端末の設定情報を含むデフォルトデータが記憶されたデフォルトデータ記憶部をさらに備え、
前記スケジューリング制御手段は、前記携帯端末の位置情報および前記予定位置情報が一致しない場合、当該デフォルトの携帯端末の設定情報に従って、前記携帯端末に設定リクエストを送信する
ことを特徴とする請求項3に記載のスケジューリング制御装置。
【請求項5】
前記携帯端末の設定情報が、前記加入者の携帯端末の電源オフの場合、
前記スケジューリング制御手段は、前記スケジューリング制御データの前記加入者のスケジュールを検索して、当該時刻以降の直近の時刻であって、電源オンの前記携帯端末の設定情報に関連づけられた時刻を抽出し、
前記携帯端末の前記設定リクエストに、抽出した前記時刻に電源をオンにする設定情報を含めて、前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項3または4に記載のスケジューリング制御装置。
【請求項6】
加入者情報管理装置と、前記加入者情報管理装置によって管理され、加入者が利用する携帯端末と、前記加入者情報管理装置および前記携帯端末に接続されるスケジューリング制御装置と、を備えるスケジューリング制御システムのスケジューリング制御装置に用いられるスケジューリング制御プログラムであって、
コンピュータを、
加入者のスケジュールであって、時刻、当該時刻における前記加入者の予定位置情報および当該時刻における前記加入者の携帯端末のネットワークサービスの設定情報を関連づけたスケジューリング制御データに含まれる前記時刻になると、前記加入者の携帯端末の位置情報を取得するとともに、前記スケジューリング制御データの当該時刻における前記予定位置情報を取得し、前記携帯端末の位置情報および前記予定位置情報が一致する場合、当該時刻に関連づけられた前記ネットワークサービスの設定情報に従って、前記加入者情報管理装置に設定リクエストを送信するスケジューリング制御手段
として機能させることを特徴とするスケジューリング制御プログラム。
【請求項7】
前記スケジューリング制御手段は、前記携帯端末の位置情報および前記予定位置情報が一致しない場合、デフォルトのネットワークサービスの設定情報に従って、前記加入者情報管理装置に設定リクエストを送信する
ことを特徴とする請求項6に記載のスケジューリング制御プログラム。
【請求項8】
前記スケジューリング制御データにはさらに、前記時刻および当該時刻における前記加入者の予定位置情報に、当該加入者の携帯端末の設定情報が関連づけられており、
前記スケジューリング制御手段は、前記スケジューリング制御データの当該時刻における前記予定位置情報を取得し、前記携帯端末の位置情報および前記予定位置情報が一致する場合、当該時刻に関連づけられた前記携帯端末の設定情報に従って、前記携帯端末に設定リクエストを送信する
ことを特徴とする請求項6または7に記載のスケジューリング制御プログラム。
【請求項9】
前記スケジューリング制御手段は、前記携帯端末の位置情報および前記予定位置情報が一致しない場合、デフォルトの携帯端末の設定情報に従って、前記携帯端末に設定リクエストを送信する
ことを特徴とする請求項8に記載のスケジューリング制御プログラム。
【請求項10】
前記携帯端末の設定情報が、前記加入者の携帯端末の電源オフの場合、
前記スケジューリング制御手段は、前記スケジューリング制御データの前記加入者のスケジュールを検索して、当該時刻以降の直近の時刻であって、電源オンの前記携帯端末の設定情報に関連づけられた時刻を抽出し、
前記携帯端末の前記設定リクエストに、抽出した前記時刻に電源をオンにする設定情報を含めて、前記携帯端末に送信する
ことを特徴とする請求項8または9に記載のスケジューリング制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−178657(P2012−178657A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39598(P2011−39598)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000231914)株式会社NTC (1)
【Fターム(参考)】