説明

スケジュール生成システム及びその方法

【課題】次工程の稼働状況に応じてスケジュールを動的に変化させる。
【解決手段】複数の工程を有する加工ラインで製品を加工するためのスケジュールを生成するスケジュール生成システム1である。そして、当該スケジュール生成システム1は第1工程端末(ブランク用制御端末53)を備え、当該第1工程端末(ブランク用制御端末53)は、次工程の稼働状況を監視する監視手段と、前記監視手段により認識した前記次工程の稼働状況に応じて、次工程のスケジュールを生成する生成手段と、当該スケジュールに基づき製品の加工を制御する加工制御手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスケジュール生成システム及びその方法に関し、特に板金製品を加工する加工ラインにおける板金製品加工用のスケジュール生成システムびその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スケジュールの作成において、例えば、加工機1(第1工程)のセルライン運転、加工機2(第2工程)のセルライン運転、および複合(加工機1+加工機2)ライン運転の場合には、それぞれ[第1工程用スケジュール]、[第2工程用スケジュール]、[複合ライン用スケジュール]の各モード其々でスケジュールを用意している。
【0003】
上記の場合に、各種運転の切り替えは出来なく、また、複合ライン運転(ストレートライン運転)中はセルライン運転が出来なく、仮に複合ライン運転(ストレートライン運転)中にセル割り込み運転を行うと一度運転が終了する。
【0004】
また、特許文献1参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−33541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以下のような課題がある。複合ライン運転(ストレートライン運転)、セルライン運転等の各モード別のスケジュールが用意されていないと運転を開始することができなく、また各工程の稼動状況により、複合ライン運転(ストレートライン運転)、セルライン運転等の各モードを切り分けて運用することが出来ないため加工効率が悪いという課題がある。例えば、複合ライン運転(ストレートライン運転)の場合、各セルライン運転が停止しないと稼動させることが出来なく加工効率が悪い。また、複合ライン運転(ストレートライン運転)の場合、各加工機の加工時間が異なるため稼働率が上がりにくい(一般的にブランク加工は、曲げ加工に対して長時間であるためである)。
【0007】
また、セル割り込み運転の機能も制限がある(割り込み可能なスケジュール数は、1スケジュールで割り込み運転が終了した場合全ての稼動が終了してしまう)。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上述の問題を解決するためのものであり、請求項1に係る発明は、複数の工程を有する加工ラインで製品を加工するためのスケジュールを生成するスケジュール生成システムにおいて、次工程の稼働状況を監視する監視手段と、前記監視手段により認識した前記次工程の稼働状況に応じて、次工程のスケジュールを生成する生成手段と、当該スケジュールに基づき製品の加工を制御する加工制御手段とを備えたスケジュール生成システムである。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記加工ラインの複数の工程は増設が可能に構成され、前記工程の増設に応じてスケジュールが作成される請求項1に記載のスケジュール生成システムである。
【0010】
請求項3に係る発明は、複合ラインにてスケジュール運転を実行した場合に、前記次工程の稼動状況に応じて複合ライン運転をセルライン運転に切り替える切換手段を有している請求項1又は2に記載のスケジュール生成システムである。
【0011】
請求項4に係る発明は、複数の工程を有する加工ラインで製品を加工するためのスケジュールを生成するスケジュール生成方法において、次工程の稼働状況を監視する監視プロセスと、前記監視プロセスにより認識した前記次工程の稼働状況に応じて、次工程のスケジュールを生成する生成プロセスと、当該スケジュールに基づき製品の加工を制御する加工制御プロセスとを含むスケジュール生成方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、次工程の稼動状況に応じ、現在工程の動作中に端末がスケジュール生成をすることができる。すなわち、各モードを分けること無く、準備するスケジュールは、最初の加工機用のみで運用可能であり、複合ライン(ストレートライン)運転において次工程の稼働率が向上する。
【0013】
また、次工程の稼働状況に応じてスケジュールを作成するので、加工ラインの工程の増設がされても当該増設に応じて自動でスケジュールが作成される。
【0014】
さらに、複合ライン運転(ストレートライン運転)にて、スケジュール運転をかけた場合に、次工程の稼動状態に応じて複合ライン運転を自動でセルライン運転に切り替える切換手段を有し生産性が向上するとともに担当オペレータの負担を削減できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】加工ラインの概略を示す概略図である。
【図2】パレットに素材が積載された状態を説明する説明図である。
【図3】パレットを説明する説明図である。
【図4】加工ラインの動作を説明する説明図である。
【図5】スケジュール生成システムを説明する説明図である。
【図6】スケジュール生成システムの動作を説明する説明図である。
【図7】スケジュール生成システムの動作を説明するフローチャートである。
【図8】スケジュール生成システムの動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1を参照する。板金製品を加工する加工ライン1の一実施の形態を示す。本例では、紙面に対し上(垂直)方向から見た場合に左右方向をX軸とし、前記X軸に対し直角に交わる上下方向をY軸方向とし、前記紙面に対し垂直な方向をZ軸方向とする。
【0017】
板金製品を加工する加工ライン1は、加工機A[本例ではパンチ+シャーリング又は複合機を想定する](3)と、加工機B[本例では曲げ加工機を想定する](5)と、自動倉庫7a〜7cとを備える。
【0018】
前記加工機A[パンチ+シャーリング又は複合機](3)は、シャーリングの機能により素材を切断すると共に、パンチングの機能により切断されたワークに対し、外形又は穴開け加工を行う加工機である。
【0019】
前記加工機B[曲げ加工機](5)は、上部テーブルに装着されたパンチPと、下部テーブルに装着されたダイDを有し、例えば油圧シリンダを作動して上部テーブルを下降させることにより、曲げ加工を行う下降式プレスブレーキである。そして、ワークをバックゲージに備えたポテンショメータに突き当てて位置決めした後にパンチPとダイDにより曲げ加工を行う。
【0020】
前記自動倉庫7a〜7cは、切断加工前の素材や、外形切断、孔開け加工後の複数の材料(例えばブランク材)を積載したパレットをパレット毎に複数収納する倉庫である。搬送クレーン9は、自動倉庫7a〜7cの外部から自動倉庫7a〜7c内へ素材、ワーク等を搬送するためのものであり矢印AR2方向(X軸方向)へ移動位置決め自在に構成されている。
【0021】
また、前記加工ライン1は、パレット受渡しステーション11a〜11cと、素材パレット搬送台車13と、1枚取り装置15と、材料搬送装置17と、集積パレット搬送台車19と、集積装置A(21)と、集積装置B(23)と、搬送装置A(25)と、TKユニット[テイクアウトローダユニット]27と、搬送装置B(29)と、搬送装置C(31)と、曲げ製品パレット搬送台車33と、1枚取り装置35と、反転機37と、製品搬送装置39とを備えている。なお、図3に示すようにパレット41(素材パレット、集積パレット、曲げ製品パレット等)上に木製スキッド43を備え、図2に示すように前記木製スキッド43上に複数の素材又は複数のワーク45等が積載される。
【0022】
上記加工ライン1(本例では、第1工程と第2工程を想定する)は、制御端末(ブランク用制御端末53、ベンダー用制御端末55等)から運転起動をかけると以下のように動作する。
【0023】
図4を参照し、加工ライン1の動作を説明する。
【0024】
矢印AR3は第1工程セルライン運転に係るセルラインを示し、矢印AR4は第2工程セルライン運転に係るセルラインを示し、矢印AR5は複合ライン運転(ストレートライン運転)に係る複合ラインを示す。
【0025】
すなわち、第1工程セルライン運転は、ステップS401、ステップS403、ステップS405、ステップS407、ステップS409、ステップS411、ステップS413、ステップS415、ステップS417より構成される。
【0026】
複合ライン運転(ストレートライン運転)は、ステップS401、ステップS403、ステップS405、ステップS407、ステップS409、ステップS411、ステップS419、ステップS427、ステップS429、ステップS431、ステップS433より構成される。
【0027】
第2工程セルライン運転は、ステップS421、ステップS423、ステップS425、ステップS427、ステップS429、ステップS431、ステップS433より構成される。
【0028】
なお、図4においてステップSxxx(a/b)は出庫動作、入庫動作を区別するものであり、aが記載されている場合は出庫に係る動作を示し、bが記載されている場合は入庫に係る動作を示す。
【0029】
初めに、第1工程セルライン運転を説明する。
【0030】
ステップS401a、ステップS403aでは、搬送クレーン9が自動倉庫7aよりスケジュールで使用する素材パレットをパレット受渡しステーション11aへ出庫する。
【0031】
ステップS405では、素材パレット搬送台車13により1枚取り装置15の位置まで素材パレットを搬送する。
【0032】
ステップS407では、1枚取り装置15は素材パレットに積載された素材から1枚を吸着する。その後、材料搬送装置17により加工機A[パンチ+シャーリング又は複合機](3)へ搬入する。
【0033】
ステップS409では、加工機A[パンチ+シャーリング又は複合機](3)はNCプログラムに従い素材の加工を行う。同時に集積装置A(21)もしくは集積装置B(23)に製品集積用空パレットが出庫してくる。集積用空パレットも同様にパレット受渡しステーション11bから集積パレット搬送台車19を経由して集積装置A(21)もしくは集積装置B(23)へ搬送される。
【0034】
ステップS411では、切断(外形、孔加工等を含む)されたワークは搬送装置A(25)により規定位置(TKユニット[テイクアウトローダユニット]27がワークを吸着できる位置)まで搬送する。
【0035】
ステップS413では、TKユニット[テイクアウトローダユニット]27は搬送されたワークを吸着し、指示に従い集積装置A(21),集積装置B(23)もしくは次工程への搬送を行う。セルライン運転の場合は、TKユニット[テイクアウトローダユニット]27は集積装置A(21)、B(23)の位置に出庫された空パレット上にワークを集積していく。
【0036】
セルライン運転終了後、ステップS403b、ステップS401bで使用済み素材パレットを自動倉庫11aへ、ステップS415b、ステップS417bで使用済み製品パレットを自動倉庫11bへ戻す。
【0037】
複合ライン運転(ストレートライン運転)の場合を説明する。
【0038】
ステップS419では、TKユニット[テイクアウトローダユニット]27は搬送装置B(29)へワークを置く。
【0039】
ステップS427では、搬送装置B(29)、搬送装置C(31)を経由して反転機37へワークを搬入する。
【0040】
ステップS429では、反転機37はワークを180度反転させる機械であり、反転されたワークは加工機B[曲げ加工機](5)へ搬送される。
【0041】
ステップS431では、加工機B[曲げ加工機](5)はNCプログラムに従いワークの加工を行い、ステップS433では、加工終了後は製品搬出装置39へ搬送する。
【0042】
第2工程セルライン運転の動きを説明する。
【0043】
ステップS421aでは、搬送クレーン9が自動倉庫7cよりスケジュールで使用する半製品が積載されたパレットを受渡しステーション11cへ出庫する。
【0044】
ステップS423aでは、曲げ製品パレット搬送台車33により1枚取り装置位置35へパレットを搬送する。
【0045】
ステップS425aでは、1枚取り装置35はワークを吸着し搬送装置C(31)へ置く。
【0046】
ステップS427では、搬送装置C(31)は反転機37へワークを搬入する。
【0047】
ステップS429では、反転機37はワークを180度反転させる機械であり、反転されたワークは加工機B[曲げ加工機](5)へ搬送される。
【0048】
ステップS431、ステップS433では、加工機B[曲げ加工機](5)はNCプログラムに従いワークの加工を行い、加工終了後は製品搬出装置39へ製品を搬送する。運転終了後は、ステップS425b、ステップS423bで使用済み半製品パレットを戻す。
【0049】
図5にスケジュール生成システム47の構成を示す。前記スケジュール生成システム47は、ブランクデータ作成用コンピュータ49と、曲げデータ作成用コンピュータ51と、ブランク用制御端末53と、ベンダー用制御端末55と、データサーバ57とを備えている。これらはコンピュータであり、各コンピュータは通信可能に構成され、それぞれCPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random access memory]、記憶部等を備えているものである。
【0050】
前記データサーバ57の記憶部59は、切断加工機(パンチ+シャー)のスケジュールを記憶するブランク用スケジュールメモリ59aと、切断加工機(パンチ+シャー)を制御するNCデータを記憶するブランク用NCデータメモリ59bと、曲げ加工機のスケジュールを記憶するベンダー用スケジュールメモリ59cと、曲げ加工機を制御するNCデータを記憶するベンダー用NCデータメモリ59dとを有している。
【0051】
前記ブランクデータ作成用コンピュータ49は、ネスティングによるNCデータの作成を行いブランク用NCデータメモリ59bに記憶する。曲げデータ作成コンピュータ51は、ベンダー用NCデータの作成を行いベンダー用NCデータメモリ59dに記憶する。データサーバ57は各NCデータ、各スケジュールの管理を行う。
【0052】
前記ブランク用制御端末53は、次工程の稼働状況を監視する監視手段として機能する。さらに、当該ブランク用制御端末53は、監視手段により認識した前記次工程の稼働状況(稼働しているか否か)に応じて、次工程のスケジュールを生成しベンダー用スケジュールメモリ59cに記憶する生成手段として機能する。また、ブランク用制御端末53は、ブランク用NCデータを読み込み製品の加工を制御する加工制御手段として機能する。
【0053】
ベンダー用制御端末55は、前記ベンダー用スケジュールメモリ59dからスケジュールを読み込み、ベンダー用NCデータメモリ59bからNCデータを読み込み曲げ加工を制御する。なお、本例で次工程とは現在の工程より1つ先の工程を含むと共に、現在の工程より1つ以上先の全ての工程を含む。
【0054】
このように、複合ライン運転(ストレートライン運転)においては、順次セルライン運転のスケジュールを自動で作成するように機能する。
【0055】
第1工程用PLC[programmable logic controller](図示しない)は、第1工程の機械的動作制御を行う。第2工程用PLC[programmable logic controller](図示しない)は、第2工程の機械的動作制御を行う。第1工程と、第2工程を含む複合ライン運転(ストレートライン運転)の場合は、第1工程用PLCと第2工程用PLCが連動する。
【0056】
さらに、加工ラインの複数の工程は増設が可能に構成されている。そして、前記工程の増設に応じてスケジュールが作成されるように構成されている。
【0057】
また、スケジュール生成システム47は、複合ライン(ストレートライン)でスケジュール運転をかけた場合に、次工程の稼動状況(稼働している場合)に応じて複合ライン運転をセルライン運転に切り替える切換手段を有する。これにより、現工程を最後まで実行し、残りの次工程のスケジュールを稼働可能なときまで溜めておくことが可能になる。
【0058】
さらに、以下のことが実行可能となる。例えば、ブランク用制御端末53は、次工程の稼動状況を監視し搬送可能な場合に次工程へのスケジュールを作成する。次工程がない場合は第1工程のみで終結(集積)する為、第2工程側(ベンダー側)は、待機となる。待機状態の時は、第2工程側にてセルライン(単体)運転を行うことができる。また、第2工程側がセルライン(単体)運転を行っていた場合、後工程搬送パーツが含まれたスケジュールを運転した場合第1工程は、セルライン(単体)用の運転を行い集積情報の保存を行い後で残りの加工を行える。この内容により、無駄な待ち時間を減らし第2工程の稼働率・生産性の向上をはかることができる。
【0059】
図6を参照しスケジュール生成システム47の動作を説明する。
【0060】
初めに、ステップS601では生産計画が作成され、ステップS603では、曲げデータ作成コンピュータ51が作成されている生産計画を取り込む。生産計画は、部品名、枚数、納期、ブランク加工、曲げ加工の有無に関する工程情報等を含む。
【0061】
ステップS605では、曲げデータ作成コンピュータ51が、曲げCAMのNCデータを作成しベンダー用NCデータメモリ59dに記憶する。
【0062】
ステップS607、ステップS609では、ブランク用制御端末53は、ブランクセル用PLC(図示しない)に対し動作指示を行う。また、ブランク用制御端末53は、第2工程の稼動状況等の信号を曲げセル用PLC(図示しない)より受信し運転可否を判断する。
【0063】
運転可能な場合は、次工程のスケジュールを作成する。次工程がない場合は第1工程のみで終結(集積)する為、第2工程側(ベンダー側)は、待機となる。待機状態の時は、第2工程側にてセルライン(単体)運転を行う。
【0064】
第2工程側がセルライン(単体)運転を行っていた場合であり、搬送パーツが含まれたスケジュールを運転した場合、第1工程は、セルライン(単体)用の運転を行い集積情報の保存を行う。上記の内容により、無駄な待ち時間を減らし第2工程の稼働率・生産性が向上する。
【0065】
詳細に説明する。運転可の場合、第2工程用スケジュールを生成し、第2工程の生産開始する。運転不可の場合、第2工程用スケジュールを保存しておく。第2工程側が稼動中の場合は第1工程での集積を行い運転を終了する。第1工程で集積された情報は保存され第2工程が空いた場合に呼び出される。これにより、無駄な待ち時間を減らすことが出来る。すなわち、第2工程は、保存(第1工程で集積)された情報を呼び出し、ベンダーセル用セル(単体)スケジュールとして使用する。
【0066】
ステップS611では、ベンダー制御端末55の加工開始指示を曲げセル用PLC(図示しない)が受信し第2工程(2)の加工が開始される。ステップS613では、ベンダー制御端末55の加工開始指示を曲げセル用PLC(図示しない)が受信し第2工程(1)の加工が開始される。
【0067】
なお、本例でスケジュールの情報は、生産計画指示の部品が板取りされた加工データ(シートNCデータ)、使用材料、加工枚数、加工納期、加工順序、及び後工程搬出情報を含むものである。
【0068】
図7及び図8を参照し、図6の動作を各端末毎に詳しく説明する。図7に第1工程端末(ブランク用制御端末53)の動作を示し、図8に第2工程端末(ベンダー用制御端末55)の動作を示す。以下の説明では、第1工程端末と、第2工程端末として説明することにより工程がさらに続く場合も想定した説明としている。そのため、括弧内に記載された各端末名、メモリ名等は例示である。
【0069】
図7に示すように、ステップS701では、第1工程端末(ブランク用制御端末53)の処理が開始される。
【0070】
ステップS703では、第1工程端末(ブランク用制御端末53)がスケジュールをメモリ(ブランク用スケジュールメモリ59a)から読み込む。
【0071】
ステップS705では、加工機3(パンチ、シャーリング)により、素材の切断加工(外形切断加工、孔開け切断加工を含む)が開始される。
【0072】
ステップS707では、素材(シート)・ワーク(ブランク材)搬出時に、第1工程端末(ブランク用制御端末53)が次工程の工程情報(ブランク加工、曲げ加工の有無)より、次工程状態の確認を行う。例えば、第2工程用PLC(曲げ工程用PLC)から稼働状態(稼働しているか否か)の信号を受信する。
【0073】
ステップS709では、第1工程端末(ブランク用制御端末53)が、次工程連続運転可能か否かを判断する。次工程の連続運転が可能と判断した場合に処理はステップS715に進む。可能でないと判断した場合に処理はステップS711に進む。ここで、連続運転できない場合に複合ライン運転をセルライン運転に自動で切り換える。
【0074】
ステップS711では、第1工程端末(ブランク用制御端末53)が、素材(シート)、ワーク(ブランク材)の集積データの保存をメモリ59に行う。この場合に、1パーツ毎の情報を保存する(現在工程スケジュール加工枚数分)。さらに、これを単体スケジュールとして生成し保存する。これにより、次工程で加工を行う場合に集積データを参照し、自動倉庫7a〜7cに戻されたワークを再度取り出しスケジュールに従い加工すことができる。
【0075】
ステップS713では、第1工程端末(ブランク用制御端末53)が、現在の工程セルライン運転として、実績のカウントを行う。これにより、何処の工程の加工か終了しているかが分かる。
【0076】
ステップS715では、第1工程端末(ブランク用制御端末53)が、次工程の1パーツ毎のスケジュールを作成しメモリ(ベンダー用スケジュールメモリ59c)に記憶する。
【0077】
ステップS717では、第1工程端末(ブランク用制御端末53)が、次工程運転の指示を第2工程用PLC(曲げ工程用PLC)へ行う。
【0078】
ステップS719では、第1工程端末(ブランク用制御端末53)が、次スケジュールが有るか否かを判断する。次スケジュールが有ると判断した場合に処理はステップS703に戻る。次スケジュールが無いと判断した場合に処理は終了する。
【0079】
図8に示すように、ステップS801では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)による処理が開始される。一旦、処理が開始した場合は特に停止させない限りは下記のループ処理は続行する。
【0080】
ステップS803では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、第1工程側(例えば、ブランク用制御端末53)からの運転指示が有るか否かの判断を行う。第1工程側(例えば、ブランク用制御端末53)からの運転指示がある場合に処理はステップS809に進む。第1工程側(例えば、ブランク用制御端末53)からの指示が無い場合に処理はステップS805に進む。
【0081】
ステップS805では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、セルライン運転のスケジュールが有るか否かの判断を行う。セルライン運転のスケジュールが有ると判断した場合に処理はステップS807に進む。セルライン運転のスケジュールが無いと判断した場合に処理はステップS803に戻る。
【0082】
ステップS807では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、メモリ59(稼働中に溜められたスケジュール)からセルライン運転のスケジュールの読み込みを行う。ここで、スケジュールはステップS711で集積保存したスケジュール、第2工程へ直接割り当てられたスケジュール、あるいは割り込みスケジュールを含む。これにより、第2工程では、稼働しない時間を低減させ第2工程の稼働率を向上させることができる。
【0083】
ステップS809では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、複合ライン運転(ストレートライン運転)のスケジュールをメモリ(ベンダー用スケジュールメモリ59c)から読み込みむ。
【0084】
ステップS811では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)の指示により第2加工機[加工機B(5)]による加工が開始される。
【0085】
下記のステップS813、ステップS815、ステップS817、ステップS819、ステップS821、及びステップS823は、さらに次工程がある場合に当該次工程のスケジュールの生成を行うための処理である。なお、同様の処理を繰り返すことにより工程数の上限は無くなる。
【0086】
ステップS813では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、素材(シート)、ワーク(ブランク材)搬出時、次工程情報より、次工程状態(稼働が可能か否か)の確認を行う。
【0087】
ステップS815では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、次工程連続運転可能か否かを判断する。次工程の連続運転が可能と判断した場合に処理はステップS821に進む。可能でないと判断した場合に処理はステップS817に進む。ここで、連続運転できない場合に複合ライン運転をセルライン運転に自動で切り換える。
【0088】
ステップS817では、素材(シート)、ワーク(ブランク材)の集積データの保存を行う。1パーツ毎の情報をメモリ59に保存する(現在工程スケジュール加工枚数分)。さらに、これを単体スケジュールとして生成し保存する。これにより、次工程で加工を行う場合に集積データを参照し、自動倉庫7a〜7cに戻されたワークを再度取り出しスケジュールに従い加工すことができる。
【0089】
ステップS819では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、現在工程セルライン運転として、実績のカウントを行う。これにより、何処の工程の加工か終了しているかが分かる。
【0090】
ステップS821では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、次工程の1パーツ毎のスケジュールを作成する。ステップS823では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、次工程運転の指示を行う。
【0091】
ステップS825では、第2工程端末(ベンダー用制御端末55)が、次スケジュールが有るか否かを判断する。次スケジュールが有ると判断した場合に処理はステップS811に戻る。次スケジュールが無いと判断した場合に処理はステップS803に戻る。
【0092】
この発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【符号の説明】
【0093】
1 加工ライン
3 加工機A[パンチ+シャーリング又は複合機]
5 加工機B[曲げ加工機]
7a〜7c 自動倉庫
9 搬送クレーン
11a〜11c パレット受渡しステーション
13 素材パレット搬送台車
15 1枚取り装置
17 材料搬送装置
19 集積パレット搬送台車
21 集積装置A
23 集積装置B
25 搬送装置A
27 TKユニット
29 搬送装置B
31 搬送装置C
33 曲げ製品パレット搬送台車
35 1枚取り装置
37 反転機
39 製品搬送装置
41 パレット
43 木製スキッド
45 素材又はワーク
47 スケジュール生成システム
49 ブランクデータ作成用コンピュータ
51 曲げデータ作成用コンピュータ
53 ブランク用制御端末
55 ベンダー用制御端末
57 データサーバ
59 記憶部
59a ブランク用スケジュールメモリ
59b ブランク用NCデータメモリ
59c ベンダー用スケジュールメモリ
59d ベンダー用NCデータメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の工程を有する加工ラインで製品を加工するためのスケジュールを生成するスケジュール生成システムにおいて、
次工程の稼働状況を監視する監視手段と、前記監視手段により認識した前記次工程の稼働状況に応じて、次工程のスケジュールを生成する生成手段と、当該スケジュールに基づき製品の加工を制御する加工制御手段とを備えたことを特徴とするスケジュール生成システム。
【請求項2】
前記加工ラインの複数の工程は増設が可能に構成され、前記工程の増設に応じてスケジュールが作成されることを特徴とする請求項1に記載のスケジュール生成システム。
【請求項3】
複合ラインにてスケジュール運転を実行した場合に、前記次工程の稼動状況に応じて複合ライン運転をセルライン運転に切り替える切換手段を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載のスケジュール生成システム。
【請求項4】
複数の工程を有する加工ラインで製品を加工するためのスケジュールを生成するスケジュール生成方法において、
次工程の稼働状況を監視する監視プロセスと、前記監視プロセスにより認識した前記次工程の稼働状況に応じて、次工程のスケジュールを生成する生成プロセスと、当該スケジュールに基づき製品の加工を制御する加工制御プロセスとを含むことを特徴とするスケジュール生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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