説明

スタンドアローン機器の時刻アジャストシステム

【課題】簡易な操作により手間をかけずに時刻ずれ修正を行う。
【解決手段】アジャスト媒体3は、スタンドアローン機器2の時刻修正を許可する管理者権限を示す認証情報を記憶している。スタンドアローン機器2は、アジャスト用媒体3の正当性を判別するための判別用認証情報と所定時刻のアジャストタイム情報とを対応付けして記憶する記憶部10と、アジャスト用媒体3の認証情報を読み取る情報読取部11と、時間を測る時計部12と、情報読取部11が読み取った認証情報と判別用認証情報との照合によりアジャスト用媒体3の正当性を判別し、アジャスト用媒体3を正常認証したときに、判別用認証情報に対応付けしたアジャストタイム情報の時刻と一致するように時計部12の時刻を自動修正する制御部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の機器に依存せずに独立で動作するオフライン環境下にあり、ログ記録の収集を目的として時計機能を保有する例えばカードロックや出入管理装置などのスタンドアローン機器の時刻アジャストシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばホテルやオフィスビルなどの商業施設や公共施設の入出口、集合住宅や一般住宅のエントランスや玄関などにカード式電気錠を用いたカードロックシステムや出入管理装置としては、例えば下記特許文献1に開示されるものが知られている。
【0003】
特許文献1に開示される出入管理システムは、図4に示すように、個人識別媒体であるIDカードのデータを読み取るための非接触カードリーダ(媒体識別手段)101、生体特徴の代表的なものである指紋を読みとるための指紋読みとり器(個人特定手段)102、自由な出入りを制限するドア103、IDカードから読み込んだIDデータ並びに指紋がこのドアを出入りできる者のデータを示すか否かを判定する制御部104で構成され、指紋読みとり器102及びドア103の電気錠は制御部104に電気的に接続されている。
【0004】
この出入管理システムでは、特定区域105への出入りを望む者が、カードリーダ101に指紋データ検索のキーとなる自分のIDカードを近づけると、カードリーダ101がIDデータを読み取り、そのIDデータが制御部104に送られ、IDデータが特定区域105に出入り可能な者を表すか否かを判定する。そして、出入りする者が指を指紋読みとり器102の所定の位置に置くと、指紋が読み込まれ、その指紋に従い、制御部104が指紋を読み込ませた者に対し特定区域105に出入が可であるか否かを判断し、この判断結果に応じて電気錠の施解錠制御を行っている。
【0005】
また、この種のカード式電気錠を用いたカードロックシステムや出入管理装置には、他の機器に依存せずに独立で動作するオフライン環境下のスタンドアローン機器で構成されるものも知られている。この種のオフラインのカードロックや出入管理装置などのスタンドアローン機器では、自身が保有する時計機能によって出入状態のログ記録(解錠・施錠日時など)を収集している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−232513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したオフラインのスタンドアローン機器では、自身が保有する時計機能の時計の時刻が日々ずれて狂ってしまい、機器の個体差によっても時刻のずれ方が異なるものの、時刻が許容範囲(例えば±30分程度)内にあれば良いため、そこまで厳密な時刻制御が行われていなかった。
【0008】
しかしながら、この種のオフラインのスタンドアローン機器を例えばホテルや施設などに複数台設置して使用する形態では、各機器の時刻が許容範囲を超えて大幅にずれてしまうと、ログ記録による出入管理ができなくなってしまうため、定期的な時刻修正を行う必要があった。
【0009】
そこで、この種のオフラインのスタンドアローン機器では、ずれた時刻を自動的に修正するため、電波時計を使用する方法が考えられるが、装置の設置場所が建物内部のため、電波を受信できないことも多く、実運用に適していなかった。
【0010】
このため、この種のオフラインのスタンドアローン機器では、別途専用の時間設定機を用意し、この専用の時間設定機を用いて定期的(例えば年に1回)に時刻修正を行っていたが、その作業が煩雑なもので手間を要するという課題があった。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な操作により手間をかけずに時刻ずれ修正を行うことができるスタンドアローン機器の時刻アジャストシステムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するために、請求項1に記載されたスタンドアローン機器の時刻アジャストシステムは、他の機器に依存せずに独立で動作するオフライン環境下のスタンドアローン機器の時刻を修正する時刻アジャストシステムにおいて、
前記スタンドアローン機器の時刻修正を許可する認証情報が予め登録されたアジャスト用媒体を用い、
前記アジャスト用媒体の認証情報を読み取る情報読取部と、
時間を測る時計部と、
所定時刻のアジャストタイム情報と前記アジャスト用媒体の正当性を判別するための判別用認証情報とを対応付けして記憶する記憶部と、
前記情報読取部が読み取った認証情報と前記記憶部に記憶された判別用認証情報とを照合して前記アジャスト用媒体の正当性を判別し、該アジャスト用媒体を正常認証したときに、前記判別用認証情報と対応付けされるアジャストタイム情報の時刻と一致するように前記時計部の時刻を自動修正する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載されたスタンドアローン機器の時刻アジャストシステムは、他の機器に依存せずに独立で動作するオフライン環境下のスタンドアローン機器の時刻を修正する時刻アジャストシステムにおいて、
所定時刻のアジャストタイム情報と前記スタンドアローン機器の時刻修正を許可する認証情報とが対応付けして予め登録されたアジャスト用媒体を用い、
前記アジャスト用媒体の情報を読み取る情報読取部と、
時間を測る時計部と、
前記アジャスト用媒体の正当性を判別するための判別用認証情報を記憶する記憶部と、
前記情報読取部が読み取った認証情報と前記記憶部に記憶された判別用認証情報とを照合して前記アジャスト用媒体の正当性を判別し、該アジャスト用媒体を正常認証したときに、前記認証情報と対応付けされるアジャストタイム情報の時刻と一致するように前記時計部の時刻を自動修正する制御部とを備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載されたスタンドアローン機器の時刻アジャストシステムは、他の機器に依存せずに独立で動作するオフライン環境下のスタンドアローン機器の時刻を修正する時刻アジャストシステムにおいて、
時間を測る時計部と、
前記スタンドアローン機器の時刻修正が許可された管理者の生体認証を行う生体認証部と、
前記スタンドアローン機器の時刻修正が許可された管理者の身体的特徴や行動的特徴による認証情報と所定時刻のアジャストタイム情報とを対応付けして記憶する記憶部と、
前記生体認証部が正常認証したときに、前記管理者の身体的特徴や行動的特徴による認証情報と対応付けされるアジャストタイム情報の時刻と一致するように前記時計部の時刻を自動修正する制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本願発明によれば、認証情報を読み取らせるだけの簡易操作により、スタンドアローン機器の内部時計の時刻ずれ修正を自動的に行うことができる。
【0016】
特に、本願請求項3に係る発明によれば、スタンドアローン機器の内部時計の時刻修正が許可された管理者は、アジャスト用媒体を所持せずに時刻修正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るスタンドアローン機器の時刻アジャストシステムのブロック構成図である。
【図2】(a)〜(c)本発明に係る時刻アジャストシステムにおいて、カードロックの時間が実際の時間より遅れている場合の動作説明図である。
【図3】(a)〜(c)本発明に係る時刻アジャストシステムにおいて、カードロックの時間が実際の時間より進んでいる場合の動作説明図である。
【図4】従来の出入管理システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係るスタンドアローン機器の時刻アジャストシステムのブロック構成図、図2(a)〜(c)は本発明に係る時刻アジャストシステムにおいて、カードロックの時間が実際の時間より遅れている場合の動作説明図、図3(a)〜(c)は本発明に係る時刻アジャストシステムにおいて、カードロックの時間が実際の時間より進んでいる場合の動作説明図である。
【0019】
本発明に係る時刻アジャストシステム1は、例えばホテルや各種施設などの所定箇所に適宜配設されるカードロックや出入管理装置などのスタンドアローン機器2を対象とし、スタンドアローン機器2が保有する時計機能の時刻修正を、管理者が所持するアジャスト用媒体3の情報や管理者の生体認証を利用して自動的に行うものである。
【0020】
スタンドアローン機器2の時刻修正を行うために用いられるアジャスト用媒体3としては、例えば通信機能を有するICカードやICタグなどがある。
【0021】
ここでは、アジャスト用媒体3としてICカードを用い、例えばホテルや施設などの扉のエスカチオンに備え付けのカードロックをスタンドアローン機器2とした場合を例にとって説明する。
【0022】
アジャスト用媒体としてのICカード3は、スタンドアローン機器2の時刻修正が許可された管理者が所持する時刻アジャストカードであり、例えばホテルカードロックシステムのマスターカードやメイドカードなどのカード種別に追加して別途発行される。ICカード3には、スタンドアローン機器2の時刻修正を許可するための認証情報(例えば暗証番号などの管理者権限を示す情報)が予め記憶されている。
【0023】
次に、カードロック(スタンドアローン機器)2は、図1に示すように、記憶部10、情報読取部11、時計部12、制御部13、施解錠機構14を備えて概略構成される。
【0024】
記憶部10は、アジャスト用媒体3としてのICカードの正当性を判別するための判別用認証情報(例えば暗証番号などの管理者権限を示す情報)と、アジャストタイム情報とを対応付けして記憶している。アジャストタイム情報は、時計部12の目標時刻を示す情報であり、時計部12の時刻を許容範囲内(±30分以内)に収めるため、例えば0:00、1:00、2:00、・・・、22:00、23:00といったように、分と秒が0の0分0秒で1時間おきの時刻の何れか一つの時刻の情報からなる。なお、アジャストタイム情報は、システムを運用する際に、判別用認証情報と対応付けして任意の時刻に予め設定して記憶部10に登録される。
【0025】
情報読取部11は、通信可能領域内に翳されたICカード3からカード情報(認証情報を含む)を非接触で読み取り、この読み取ったカード情報を制御部13に出力している。
【0026】
時計部12は、人の出入りを記録したログ情報を収集する目的で時間を計っており、ICカード3の認証情報を判別用認証情報と照合して正常認証したときに、判別用認証情報と対応付けされた記憶部10のアジャストタイム情報に基づく制御部13の制御により、時刻がアジャストタイム情報の時刻に自動的に差分修正されるようになっている。
【0027】
制御部13は、CPU、ROM/RAMなどからなるマイクロコンピュータ及びその周辺回路で構成され、外部からの解錠指令又は施錠指令により錠前の施解錠制御を行うとともに、ICカード3を正常認証したときの判別用認証情報と対応付けされた記憶部10のアジャストタイム情報にしたがって時計部12の時刻を自動的に差分修正しており、図1に示すように、情報判別部13a、時刻修正部13b、施解錠制御部13cを有する。
【0028】
情報判別部13aは、情報読取部11が読み取ったカード情報が入力されると、そのカード情報の正当性(読み取ったカード情報のICカード3が時刻修正を許可されたものであるか否か)を判別している。すなわち、情報判別部13aは、予め記憶部10に記憶された判別用認証情報と、読み取ったカード情報の認証情報とを比較して両者が一致したときに、読み取ったカード情報のICカード3を正常認証している。情報判別部13aは、ICカード3を正常認証すると、判別用認証情報と対応付けされる記憶部10のアジャストタイム情報の時刻による時刻修正指令を時刻修正部13bに出力している。
【0029】
時刻修正部13bは、情報判別部13aから時刻修正指令が入力されると、時計部12の現在時刻が時刻修正指令によるアジャストタイム情報の時刻と一致するように時刻を自動に差分修正している。
【0030】
施解錠制御部13cは、施解錠機構14の解錠又は施錠を制御するもので、外部から解錠指令又は施錠指令が入力されると、そのときの錠前の施解錠状態や扉の開閉状態に応じて施解錠機構14に解錠信号又は施錠信号を出力している。
【0031】
施解錠機構14は、駆動手段14aと電気錠14bとを有する。駆動手段14aは、例えばモータやアクチュエータなどの駆動機構で構成され、施解錠制御部13cからの解錠信号又は施錠信号により駆動機構を駆動し、電気錠のデッドボルトを扉枠の係止穴から引き込んで解錠方向に駆動させたり、デッドボルトを係止穴に突出させて施錠方向に駆動させている。
【0032】
電気錠14bは、駆動手段14aによって駆動機構が駆動されると、扉枠の係止穴からデッドボルトを引き込んで錠前の解錠したり、係止穴にデッドボルトを突出させて錠前を施錠している。
【0033】
次に、上記のように構成される時刻アジャストシステム1の時刻修正処理の手順について図2及び図3を参照しながら説明する。なお、カードロック2の記憶部10には、アジャスト用媒体3の正当性を判別するための判別用認証情報に対応付けしたアジャストタイム情報として、目標時刻11時00分00秒の情報が記憶されているものとする。
【0034】
まず、カードロック(スタンドアローン機器)2の時計部12の時刻が実際の時刻より遅れている場合について図2を参照しながら説明する。
【0035】
今、カードロック2の時計部12の時刻が10時53分47秒、実際の時刻が10時58分23秒であって、カードロック2の時計部12の時刻が実際の時刻よりも遅れているものとする(図2(a))。
【0036】
管理者は、時計部12の時刻修正を許可するための認証情報が記憶されたアジャスト用媒体としてICカード3を用い、時刻が11時00分00秒になるときに、そのICカード3をカードロック2に翳す(図2(b))。
【0037】
カードロック2の情報読取部11は、翳されたICカード3からカード情報を読み取り、読み取ったカード情報を制御部13に出力する。制御部13の情報判別部13aは、読み取ったカード情報の認証情報と、記憶部10に記憶された判別用認証情報とを比較し、両者が一致してICカード3を正常認証すると、判別用認証情報と対応付けされたアジャストタイム情報を記憶部10から読み出し、読み出したアジャストタイム情報による時刻修正指令を時刻修正部13bに出力する。時刻修正部13bは、情報判別部13aから時刻修正指令が入力されると、この時刻修正指令のアジャストタイム情報の時刻と一致するように時計部12の時刻を進めて差分修正する。これにより、カードロック2の時計部12の時刻が11時00分00秒に自動修正される(図2(c))。
【0038】
次に、カードロック(スタンドアローン機器)2の時刻が実際の時刻より進んでいる場合について図3を参照しながら説明する。
【0039】
今、カードロック2の時計部12の時刻が11時03分47秒、実際の時刻が10時58分23秒であって、カードロック2の時計部12の時刻が実際の時刻よりも進んでいるものとする(図3(a))。
【0040】
管理者は、時計部12の時刻修正を許可するための認証情報が記憶されたアジャスト用媒体としてICカード3を用い、時刻が11時00分00秒になるときに、そのICカード3をカードロック2に翳す(図3(b))。
【0041】
カードロック2の情報読取部11は、翳されたICカード3からカード情報を読み取り、読み取ったカード情報を制御部13に出力する。制御部13の情報判別部13aは、読み取ったカード情報の認証情報と、記憶部10に記憶された判別用認証情報とを比較し、両者が一致してICカード3を正常認証すると、判別用認証情報と対応付けされたアジャストタイム情報を記憶部10から読み出し、読み出したアジャストタイム情報による時刻修正指令を時刻修正部13bに出力する。時刻修正部13bは、情報判別部13aから時刻修正指令が入力されると、この時刻修正指令のアジャストタイム情報の時刻と一致するように時計部12の時刻を遅らせて差分修正する。これにより、カードロック2の時計部12の時刻が11時00分00秒に自動修正される(図3(c))。
【0042】
このように、上述した時刻アジャストシステムによれば、ICカード(アジャスト用媒体)を目標時刻に合わせて時刻修正対象のスタンドアローン機器2に翳すだけの簡易操作により、時刻ずれ修正を手間をかけずに行うことができる。
【0043】
ところで、上述した実施の形態では、ICカードをアジャスト用媒体3として用いてスタンドアローン機器2の時刻修正を自動的に行う場合を例にとって説明したが、これに限定されるものではない。例えばICタグをアジャスト用媒体3として用いても同様の効果を奏する。
【0044】
ICタグをアジャスト用媒体3として用いる場合は、ICカードの場合と同様に、カードロック2の記憶部10に事前登録される判別用認証情報に合わせて管理者権限を示す認証情報をICタグに予め記憶させておく。そして、カードロック2の時計部12の時刻修正を行う場合は、ICタグのカード情報をスタンドアローン機器2に読み取らせ、ICタグを正常認証すれば、判別用認証情報に対応付けされたアジャストタイム情報の時刻と一致するように時計部12の時刻が自動的に差分修正される。
【0045】
また、アジャスト用媒体3として用いるICカードやICタグに対し、認証情報に対応付けしてアジャストタイム情報を記憶させることもできる。この場合、カードロック2の記憶部10には判別用認証情報のみを記憶させておけば良い。そして、カードロック2の時計部12の時刻修正を行う場合は、ICカードやICタグによるアジャスト用媒体3の認証情報をスタンドアローン機器2に読み取らせ、ICカードやICタグを正常認証すれば、ICカードやICタグに記憶された認証情報に対応付けされたアジャストタイム情報の時刻と一致するように時計部12の時刻が自動的に差分修正される。
【0046】
さらに、ICカードやICタグによるアジャスト用媒体3に代え、バイオメトリクスによる生体認証を利用した構成とすることもできる。この場合には、図1の一点鎖線で示すように、スタンドアローン機器2の時刻修正が許可された管理者の生体認証を行う生体認証部15をスタンドアローン機器2に設け、管理者の身体的特徴(指紋、虹彩、血管、音声、網膜、DNAなど)や行動的特徴(瞬きなど)による認証情報をアジャストタイム情報に対応付けさせて記憶部10に登録させておく。そして、生体認証部15が管理者の生体認証を行い、正常に生体認証されたときに、その管理者の身体的特徴や行動的特徴による認証情報と対応付けして登録されたアジャストタイム情報の時刻と一致するように時計部12の時刻が自動的に差分修正される。これにより、スタンドアローン機器2の内部時計の時刻修正が許可された管理者は、アジャスト用媒体3を所持せず、生体認証を行うだけで時計部12の時刻を自動的に修正することができる。
【0047】
なお、アジャストタイム情報は、対象となるスタンドアローン機器2の記憶部10や時刻修正が許可されたアジャスト用媒体3に登録されていれば良く、その登録方法は問わないものである。
【0048】
例えばスタンドアローン機器2に表示機能を有する操作部(不図示)を設け、操作部から認証情報(暗証番号など)を入力して管理者モードに設定した状態で、管理者が任意にアジャストタイム情報を選択し、この選択したアジャストタイム情報を認証情報に対応付けさせて記憶部10やアジャスト用媒体3に登録させることができる。
【0049】
また、記憶部10やアジャスト用媒体3に対し、複数の時刻によるアジャストタイム情報と認証情報とを対応付けして予め登録させておき、アジャスト用媒体3の認証時に、複数の時刻の中から一つの時刻をアジャストタイム情報として選択させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 時刻アジャストシステム
2 スタンドアローン機器(カードロック)
3 アジャスト用媒体(ICカード)
10 記憶部
11 情報読取部
12 時計部
13 制御部
13a 情報判別部
13b 時計修正部
13c 施解錠制御部
14 施解錠機構
14a 駆動手段
14b 電気錠
15 生体認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の機器に依存せずに独立で動作するオフライン環境下のスタンドアローン機器の時刻を修正する時刻アジャストシステムにおいて、
前記スタンドアローン機器の時刻修正を許可する認証情報が予め登録されたアジャスト用媒体を用い、
前記アジャスト用媒体の認証情報を読み取る情報読取部と、
時間を測る時計部と、
所定時刻のアジャストタイム情報と前記アジャスト用媒体の正当性を判別するための判別用認証情報とを対応付けして記憶する記憶部と、
前記情報読取部が読み取った認証情報と前記記憶部に記憶された判別用認証情報とを照合して前記アジャスト用媒体の正当性を判別し、該アジャスト用媒体を正常認証したときに、前記判別用認証情報と対応付けされるアジャストタイム情報の時刻と一致するように前記時計部の時刻を自動修正する制御部とを備えたことを特徴とするスタンドアローン機器の時刻アジャストシステム。
【請求項2】
他の機器に依存せずに独立で動作するオフライン環境下のスタンドアローン機器の時刻を修正する時刻アジャストシステムにおいて、
所定時刻のアジャストタイム情報と前記スタンドアローン機器の時刻修正を許可する認証情報とが対応付けして予め登録されたアジャスト用媒体を用い、
前記アジャスト用媒体の情報を読み取る情報読取部と、
時間を測る時計部と、
前記アジャスト用媒体の正当性を判別するための判別用認証情報を記憶する記憶部と、
前記情報読取部が読み取った認証情報と前記記憶部に記憶された判別用認証情報とを照合して前記アジャスト用媒体の正当性を判別し、該アジャスト用媒体を正常認証したときに、前記認証情報と対応付けされるアジャストタイム情報の時刻と一致するように前記時計部の時刻を自動修正する制御部とを備えたことを特徴とするスタンドアローン機器の時刻アジャストシステム。
【請求項3】
他の機器に依存せずに独立で動作するオフライン環境下のスタンドアローン機器の時刻を修正する時刻アジャストシステムにおいて、
時間を測る時計部と、
前記スタンドアローン機器の時刻修正が許可された管理者の生体認証を行う生体認証部と、
前記スタンドアローン機器の時刻修正が許可された管理者の身体的特徴や行動的特徴による認証情報と所定時刻のアジャストタイム情報とを対応付けして記憶する記憶部と、
前記生体認証部が正常認証したときに、前記管理者の身体的特徴や行動的特徴による認証情報と対応付けされるアジャストタイム情報の時刻と一致するように前記時計部の時刻を自動修正する制御部とを備えたことを特徴とするスタンドアローン機器の時刻アジャストシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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