説明

スタンド

【課題】収納時に場所を取らず、全体的な形態の完全性を有するスタンドを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明のスタンド2は、第一ケース21、回転機構22、第二ケース23及び支持フレーム24を備える。回転機構22は、第一ケース21内に設置されて、相互に組み合わさる第一歯車221及び螺旋状ステム222を有する。第二ケース23は、回転機構22に接続され、第一ケース21に対して、第一位置から第二位置まで回転する。支持フレーム24は、螺旋状ステム222に接続される。上記構成において、第二ケース23が第一位置に位置する時、支持フレーム24は、第一ケース21に収納される。第二ケース23が第二位置まで回転するとき、第一歯車221と螺旋状ステム222を介して支持フレーム24を動かして第一ケース21から露出させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を載せるスタンドに関し、特に回転するスタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の携帯電話用スタンド、電子ブック用スタンド、タブレットパソコン用スタンド等の卓上型スタンドは、いずれも開放形式の設計である。図1A及び図1Bを参照しながら説明する。図1A及び図1Bは、従来のタブレットパソコンのスタンド1の立体図及び使用状態を示した図である。このスタンド1は、使用状態時と非使用状態時が同一の配置であるため、使用せずに収納されている時でも大きな空間を占める。
【0003】
また、スタンド1自身のデザイン及び設置角度に制限があるため、その支持フレーム本体11は、使用する電子機器Eの辺縁の形態及び閲読に適した角度に適合する開口Oを設置する必要があり、スタンド1が非使用状態にある時、外形的に完全な収納形態を取ることができない。このため、スタンド1は理想的な収納方式がない上、全体的な形態の完全性に欠ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明は、収納時に場所を取らず、全体的な形態の完全性を有するスタンドを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のスタンドは、第一ケース、回転機構、第二ケース及び支持フレームを備える。回転機構は、第一ケース内に設置されて、相互に組み合わさる第一歯車及び螺旋状ステムを有する。第二ケースは、回転機構に接続され、第一ケースに対して、第一位置から第二位置まで回転する。支持フレームは、螺旋状ステムに接続される。この場合において、第二ケースが第一位置に位置する時、支持フレームは、第一ケースに収納される。第二ケースが第二位置まで回転すると、第二ケースは、第一歯車と螺旋状ステムを連動させて、組み合わさって回転することにより、螺旋状ステムによって支持フレームが動かされて、第一ケースから露出する。
【0006】
即ち、本発明のスタンドは、
第一ケースと、
前記第一ケース内に設置されて、相互に組み合わさる第一歯車及び螺旋状ステムを有する回転機構と、
前記回転機構に接続され、前記第一ケースに対して、第一位置から第二位置まで回転する第二ケースと、
前記螺旋状ステムに接続される支持フレームとを備えて、
前記第二ケースが前記第一位置に位置する時、前記支持フレームは、前記第一ケースに収納され、前記第二ケースが前記第二位置まで回転すると、前記第二ケースは、前記第一歯車と前記螺旋状ステムを連動させて、組み合わさって回転することにより、前記螺旋状ステムによって前記支持フレームが動かされて、前記第一ケースから露出することを特徴とするものである。
【0007】
一実施形態において、第一ケースは、上ふた及びベースを有し、上ふたはベースに蓋状に被せられる。
【0008】
一実施形態において、第一ケースは、固定部を有して、ベースに設置され、第一歯車と螺旋状ステムは、固定部に設置される。
【0009】
一実施形態において、第二ケースが第一位置から第二位置まで回転する回転角度は180度である。
【0010】
一実施形態において、回転機構はさらに、第二歯車を有し、第二ケースは、第二歯車に接続されて、第二ケースを第一位置から第二位置まで回転させる。
【0011】
一実施形態において、第二ケースは、接続素子によって第二歯車に接続される。
【0012】
一実施形態において、第一歯車は、第二歯車と組み合わせて設置される。
【0013】
一実施形態において、第一歯車と第二歯車は、交接角度を形成し、その交接角度は60度である。
【0014】
一実施形態において、第二ケースが第一位置から第二位置まで回転すると、第二歯車を動かして第一ケースに対して回転し、さらに、第一歯車及び螺旋状ステムが組み合わさって回転することにより、螺旋状ステムを介して支持フレームを動かして第一ケースから露出させる。
【発明の効果】
【0015】
このように、本発明のスタンドは、第二ケースが第一ケースに対して、第一位置の位置にある時、支持フレームは第一ケースに収納される。第二ケースが第一ケースに対して第二位置まで回転した時、第二ケースが回転機構の第一歯車及び螺旋状ステムを連動させて組み合わさって回転することで、螺旋状ステムが支持フレームを動かして第一ケースから露出させる。
したがって、従来の技術と比較すると、本発明のスタンドは、第一位置(收納位置)に収納される時、支持フレームが第一ケースに収納されて、スタンドが場所を取ることがない。また、第二ケースが使用される第二位置(受け支える位置)まで回転した時、第二ケースは回転機構を動かして回転させ、さらに、支持フレームを連動させて第一ケースから伸出させることで物品を受け支える。したがって、本発明のスタンドは、物品を受け支えるのに適すると同時に、支持フレームが第一ケースに収納されるため、収納時にスタンドが場所を取ることがなく、全体的な形態の完全性を有する。また、本発明のスタンドは、極めて使いやすいという利点も有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1A】従来のタブレットパソコンのスタンドの立体図を示した図である。
【図1B】図1Aのスタンドの使用状態を示した図である。
【図2A】本発明の好適な実施形態におけるスタンドの収納状態を示した図である。
【図2B】スタンドの分解図である。
【図2C】スタンドの部分図である。
【図2D】スタンドの動作を示した図である。
【図2E】図2Dに続くスタンドの動作を示した図である。
【図2F】スタンドの局部断面図である。
【図3】スタンドの仮想使用図である。
【図4A】本発明の他の好適な実施形態におけるスタンドの收納状態を示した図である。
【図4B】スタンドの動作を示した図である。
【図4C】図4Bに続くスタンドの動作を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施例におけるスタンドについて説明する。
まず、図2A及び図2Bを同時に参照しながら説明する。このうち、図2Aは、本発明の好適な実施形態におけるスタンド2の収納状態を示した図、図2Bは、スタンド2の分解図である。図2Aに示したように、本発明のスタンド2は、非使用の収納状態時には全体的に完全な外観を有し、場所を取ることがない。スタンド2の形状は多面体で、例えば、円柱体、四方体または、その他の形状である。ここでは、円柱体の場合を例とする。また、スタンド2は、例えば、電子機器または文書資料を置くことが可能である。このうち、電子機器は、例えば、タブレットパソコン、タッチコントロール式の携帯電話、電子ブックまたはGPS(Global Positioning System)等である。
【0018】
スタンド2は、第一ケース21、回転機構22、第二ケース23及び支持フレーム24を備える。
【0019】
第一ケース21は、収納空間Sを有する。このうち、第一ケース21は、上ふた211及び ベース212を有して、上ふた211はベース212に蓋状に被せられ、さらに、上ふた211、ベース212及び支持フレーム24は、収納空間Sを形成する。さらに、回転機構22は、第一ケース21内に設置される。詳しく述べると、回転機構22は、収納空間S内に設置される。また、第一ケース21は、固定部213を有し、固定部213は、ベース212に設置される。
【0020】
回転機構22は、第一歯車221及び螺旋状ステム222を有し、第一歯車221と螺旋状ステム222は、組み合わさって設置される。ここでは、螺旋状ステム222の表面の螺旋条溝は、第一歯車221の内側の雌ねじTに対応することで、第一歯車221が回転する時、螺旋状ステム222を動かして移動させる。
【0021】
このうち、第一歯車221の雌ねじTのX方向における深さは2mmである。螺旋状ステム222の表面形状は、ねじり飴状または螺旋模様状である。ここでは、ねじり飴状の場合を例とする。つまり、ねじり飴状の螺旋状ステム222は、第一歯車221の雌ねじTに対応するということである。
【0022】
第一歯車221と螺旋状ステム222は、固定部213に固定される。ここでは、螺旋状ステム222の一端は、固定部213の孔O1に貫通設置されて、第一歯車221に接続する。また、第一ケース21はさらに、他の固定部214を有し、固定部214は、ベース212に設置され、さらに、第一歯車221は、固定部213と固定部214の間に保持される。つまり、第一歯車221は、固定部213と固定部214の間に回転可能に保持されて、螺旋状ステム222は、固定部213の孔O1に貫通設置されて、第一歯車221に接続されるということである。
【0023】
また、回転機構22はさらに、第二歯車223を有し、第二ケース23は第二歯車223に接続される。ここでは、第二歯車223は、上ふた211の孔O2によって第二ケース23の接続素子231に接続されて、第二ケース23を第一位置P1(図2A)から第二位置P2(図2E, 2F, 図3)まで回転させる。また、図2Cに示したように、第二歯車223と第一歯車221は、相互に組み合わさった状態で設置される。本実施形態において、第一歯車221及び第二歯車223は、それぞれ相互に組み合わさる傘歯車であるが、これに限るものではなく、第一歯車221及び第二歯車223は、相互に組み合わさる傘歯車であればよい。このうち、傘歯車を使用する目的は、主に二つの相互に交わる軸間の動力を伝達するためである。故に、二つの傘歯車の設置により、第二ケース23の回転時に螺旋状ステム222を連動させて回転させて、支持フレーム24を動かして第一ケース21から露出させる。このうち、第一歯車221と第二歯車223は、交接角度θ(図2C参照)を形成する。この交接角度θは、例えば、60度である。また、第一歯車221の歯の斜面と方向Xの間の挟角は135度である。これらの角度は、当然、他の角度とすることも可能で、第二歯車223と第一歯車221が相互に組み合わさって設置され、両者間で回転が伝達されさえすればよい。
【0024】
図2Dから図2Eは、スタンド2の動作を示した図、図2Fは、スタンド2の部分断面図である。
【0025】
図2A及び図2Eに示したように、第二ケース23は、第一ケース21に対応して、第一位置P1から第二位置P2まで回転する。このうち、スタンド2が収納される時、第二ケース23が第一ケース21に対する位置は第一位置P1であり、スタンド2が物品を受け支えるのに用いる時、第二ケース23の第一ケース21に対する位置は第二位置P2である。また、第二ケース23が第一位置P1から第二位置P2に回転する際の角度は、例えば、180度である。ここでは、図3に示したように、操作や閲覧に便利なように、電子機器Eと水平面の挟角は実質的には120度である。その他の実施形態において、第二ケース23は、第一位置P1から第二位置P2へと回転する際の角度も異なる角度が可能である。その必要に応じて異なる回転角度に設計されることも可能であり、スタンド2に物品を置く目的を達成できさえすればよい。
【0026】
支持フレーム24は、回転機構22の螺旋状ステム222に接続される。このうち、図2Aに示したように、第二ケース23が第一位置P1に位置する時、支持フレーム24は、第一ケース21内に収納される。図2Fに示したように、第二ケース23が第二位置P2まで回転した時、第二ケース23は、第二歯車223を動かして、さらに、第一歯車221及び螺旋状ステム222を連動させて、組み合わせて回転させることにより、螺旋状ステム222を介して支持フレーム24を動かして第一ケース21から露出させる。つまり、第二ケース23が第一位置P1から第二位置P2まで回転した時、接続素子231によって第二歯車223を動かして回転させ、さらに、第一歯車221及び螺旋状ステム222を連動させて回転させることにより、支持フレーム24を第一ケース21から伸出させるものである。図3に示したように、支持フレーム24は、電子機器Eまたはその他を置くのに供し、さらに、第二ケース23は物品を受けて支える面であることにより、電子機器Eの操作や使用をしやすくする。
【0027】
また、図4Aから図4Cを参照しながら説明する。このうち、図4Aは、本発明の他の好適な実施形態におけるスタンド3の収納状態を示した図である。図4Bは、スタンド3の動作を示した図である。図4Cは、スタンド3が物品を受けて支える状態を示した図である。
【0028】
スタンド3とスタンド2の異なる点は、スタンド3の形状が四方体である点である。また、スタンド3は、スタンド2と同様の技術特徴の構成を有するため、ここでは再述しない。。
【0029】
このように、本発明のスタンドは、第二ケースが第一ケースに対して、第一位置の位置にある時、支持フレームは第一ケースに収納される。第二ケースが第一ケースに対して第二位置まで回転した時、第二ケースが回転機構の第一歯車及び螺旋状ステムを連動させて組み合わさって回転することで、螺旋状ステムが支持フレームを動かして第一ケースから露出させる。
したがって、従来の技術と比較すると、本発明のスタンドは、第一位置(收納位置)に収納される時、支持フレームが第一ケースに収納されて、スタンドが場所を取ることがない。また、第二ケースが使用される第二位置(受け支える位置)まで回転した時、第二ケースは回転機構を動かして回転させ、さらに、支持フレームを連動させて第一ケースから伸出させることで物品を受け支える。したがって、本発明のスタンドは、物品を受け支えるのに適すると同時に、支持フレームが第一ケースに収納されるため、収納時にスタンドが場所を取ることがなく、全体的な形態の完全性を有する。また、本発明のスタンドは、極めて使いやすいという利点も有する。
【0030】
以上、本発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は以上の如く構成されるから、本発明によるときは、収納時に場所を取らず、全体的な形態の完全性を有するスタンドを提供し得るものである。
【符号の説明】
【0032】
1、2、3 スタンド
11 支持フレーム本体
21 第一ケース
211、311 上ふた
212、312 ベース
213、214 固定部
22 回転機構
221 第一歯車
222 螺旋状ステム
223 第二歯車
23、33 第二ケース
231 接続素子
24、34 支持フレーム
E 電子機器
O 開口
O1、O2 孔
P1、P2 位置
S 収納空間
T 雌ねじ
X 方向
θ 角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一ケースと、
前記第一ケース内に設置されて、相互に組み合わさる第一歯車及び螺旋状ステムを有する回転機構と、
前記回転機構に接続され、前記第一ケースに対して、第一位置から第二位置まで回転する第二ケースと、
前記螺旋状ステムに接続される支持フレームとを備えて、
前記第二ケースが前記第一位置に位置する時、前記支持フレームは、前記第一ケースに収納され、前記第二ケースが前記第二位置まで回転すると、前記第二ケースは、前記第一歯車と前記螺旋状ステムを連動させて、組み合わさって回転することにより、前記螺旋状ステムによって前記支持フレームが動かされて、前記第一ケースから露出することを特徴とするスタンド。
【請求項2】
前記第一ケースは、上ふた及びベースを有し、前記上ふたは前記ベースに蓋状に被せられることを特徴とする請求項1に記載のスタンド。
【請求項3】
前記第一ケースは、固定部を有して、前記ベースに設置され、前記第一歯車と前記螺旋状ステムは、前記固定部に設置されることを特徴とする請求項2に記載のスタンド。
【請求項4】
前記第二ケースが前記第一位置から前記第二位置まで回転する際の回転角度は180度であることを特徴とする請求項1に記載のスタンド。
【請求項5】
前記回転機構はさらに、第二歯車を有し、前記第二ケースは、前記第二歯車に接続されて、前記第二ケースを前記第一位置から前記第二位置まで回転させることを特徴とする請求項1に記載のスタンド。
【請求項6】
前記第二ケースは、接続素子によって前記第二歯車に接続されることを特徴とする請求項5に記載のスタンド。
【請求項7】
前記第一歯車は、前記第二歯車と組み合わせて設置されることを特徴とする請求項5に記載のスタンド。
【請求項8】
前記第一歯車と前記第二歯車は、交接角度を形成し、前記交接角度は60度であることを特徴とする請求項5に記載のスタンド。
【請求項9】
前記第二ケースが前記第一位置から前記第二位置まで回転すると、前記第二歯車を動かして前記第一ケースに対して回転し、さらに、前記第一歯車及び前記 螺旋状ステムが組み合わさって回転することにより、前記螺旋状ステムを介して前記支持フレームを動かして前記第一ケースから露出させることを特徴とする請求項5に記載のスタンド。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【公開番号】特開2012−199925(P2012−199925A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−63794(P2012−63794)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【出願人】(508226687)和碩聯合科技股▲ふん▼有限公司 (29)
【Fターム(参考)】