説明

ステレオ撮像装置および電子情報機器

【課題】輻輳角を変更する機能に絞ることにより簡単な機構で素早い輻輳角の変更を実現でき、ひいては軽量化をも実現でき、手動でも輻輳角を容易に変更する。
【解決手段】立体視のステレオ画像を撮像可能とするステレオ撮像装置1において、カメラ筺体2内に設けられたフレキシブル基板3と、フレキシブル基板3上に実装された左右一対のカメラモジュール4,5と、立体視野領域の輻輳角θを変更するべく、カメラモジュール4,5の後ろへの押圧力を変えてカメラモジュール4,5を互いに内側または外側に向ける押圧部材とを有している。この押圧部材は、長尺の弾性体6で構成され、弾性体6が撓んで湾曲する湾曲部Eにより左右一対のカメラモジュール4,5の背面から押圧するかまたは押圧を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体視のステレオ画像を撮像可能とすると共に単体での撮像を可能とするステレオ撮像装置および、このステレオ撮像装置を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、カメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のステレオ撮像装置は、カメラ付き携帯電話装置やディジタルスチルカメラおよびセキュリティカメラなどにおいて撮像を行うときに用いる固体撮像装置であって、固体撮像素子、配線基板、レンズ、ローパスフィルタおよび鏡胴をパッケージにしたものを2つ組み合わせて立体視のステレオ画像を撮像するものである。
【0003】
従来より携帯電話装置などに使用される撮像用カメラモジュールは、CCDやCMOSセンサICなどの固体撮像素子、赤外線フィルタ、端子を有する配線基板およびレンズなどが一体となったモジュールである。
【0004】
従来のカメラ付き携帯電話装置では、高機能化が進み、カメラモジュールにオートフォーカス、ズーム、マクロおよび手振れ補正などの各種機構が組み込まれるに至っている。
【0005】
また、携帯機器においても組み込み機器用CPU、周辺回路などの高機能化から多様な通信機能を実現する一方で立体視のステレオ画像(3D画像)を扱えるまでになってきている。
【0006】
ステレオ画像を取り込む従来のステレオ撮像装置は、現状、同じ機能、性能の一対のカメラを水平に配して、あたかも人間の左右にある眼球を模して撮像を行っている。その原理は、同一の被写体を左右一対の眼球が同時に見て、左右の眼球が捉えた画像の微妙な違い(視差)を感知してそこから奥行や距離を感じ取り、即ち平面である画像を微妙に違った位置から見たものを重ね合わせることにより、人間は奥行や距離などの三次元の情報を抽出することができる。このとき、左右個別に被写体に対してピント調整も行うが、左右両眼で被写体を捉えておくことや左右の眼の視力(ピント調整能力や色覚、明暗など)が均等な方がよい。
【0007】
特許文献1では、撮像光学系および撮像素子各一対を内部に収納し、各レンズ鏡筒を収納位置にして取り付け、初期化装置からの初期化コマンドによって各レンズ鏡筒を筐体内で前後に繰り出し動作をすることにより、撮影位置に移動させるようにして、キャップやカバーなどを外す手間なく、安全でかつ簡単に各レンズ鏡筒を撮影位置に取り付けることができる立体撮像装置である。この立体撮像装置について次の図29を用いてさらに詳細に説明する。
【0008】
図29は、特許文献1に開示されている従来の立体撮像装置の外観斜視図である。
【0009】
図29において、従来の立体撮像装置100は、第1撮像部101、第2撮像部102およびこれらの各撮像部101、102を保持する筐体103とから構成されている。第1撮像部101は、第1撮像レンズ104と、この第1撮像レンズ104を保持する第1レンズ鏡筒105とを有している。また、第2撮像部102も第1撮像部101の場合と同様に、第2撮像レンズ106と、この第2撮像レンズ106を保持する第2レンズ鏡筒107とを有している。
【0010】
各撮像部101、102は、それぞれの光軸P1、P2が輻輳するように、わずかに内側に傾けられた状態で筐体103に取り付けられる。また、各レンズ鏡筒105、107は、各光軸P1、P2に沿って移動自在にされている。各レンズ鏡筒105、107は、例えば出荷時には図中二点鎖線で示す収納位置にある。立体撮像装置100を他の装置などに取り付け後、初期化装置からの初期化コマンドに応じて実施される初期化処理により、実線で示す撮影位置に移動する。筐体103の前面には、各撮像部101、102を露呈させるための開口108と、立体撮像装置100を専用のブラケットやステーおよび他の装置などに取り付けるためのネジ穴109が形成されている。このように、各レンズ鏡筒105、107は、実線で示す撮影位置と、二点鎖線で示す収納位置との間で移動する。各レンズ鏡筒105、107が収納位置にある状態で取り付けを行うことにより、ぶつけた際にも筐体103によって内部の各撮像部101、102が保護されるようになっている。
【0011】
次に、特許文献2の場合も同様に、撮像光学系および撮像素子各一対を内蔵した複眼撮像装置が開示されている。この複眼撮像装置は、レンズ駆動用のモータを輻輳角または基線長の調整にも利用することで、小型かつ低コストで輻輳角/基線長調整機構と切り替えの手段を設けている。
【0012】
レンズ移動機構と、レンズ移動機構を駆動するレンズ駆動モータとが一体化されたレンズユニットを複数備えた従来の複眼撮像装置において、レンズ駆動モータの駆動力を使用してレンズユニットを駆動するレンズユニット移動機構である。本来、輻輳角の変更の専用のモータを各撮像系毎にまたは複数の撮像系に対して1つ有する必要があるため、輻輳角調整機構を搭載することがコストアップと同義になっているという問題を解決するものであった。これを次の図30を用いてさらに説明する。
【0013】
図30は、特許文献2に開示されている従来の複眼デジタルカメラの内部を模式的に示す図である。
【0014】
図30に示すように、従来の複眼デジタルカメラ200は、主として、右レンズユニット201、左レンズユニット202、右レンズユニット駆動用ギア203、右側回転軸204、右側フレーム205、左レンズユニット駆動用ギア206、左側回転軸207、左側フレーム208、弾性部材209、210などで構成されている。
【0015】
従来の複眼デジタルカメラ200において、右レンズユニット移動ボタン211Rまたは211Lが押下されると、右側フレーム205と右レンズユニット駆動用ギア203が下に移動し、モータ(図示せず)に直結されたレンズ駆動用ギア212と右レンズユニット駆動用ギア203とが噛み合う。また同様に、左レンズユニット移動ボタン213Rまたは213Lが押下されると、左側フレーム208と右レンズユニット駆動用ギア206が下に移動し、モータ214に直結されたレンズ駆動用ギア215と左レンズユニット駆動用ギア206とが噛み合う。このように、押下されたボタンに応じてズームレンズを駆動するレンズ駆動モータ214などが駆動することにより、右レンズユニット201、202が右又は左周りに回動する。押下した移動ボタンが離されると、弾性部材209、210の付勢力により右レンズユニット駆動用ギア203、206が押し上げられる。これによって、右レンズユニット駆動用ギア203とレンズ駆動用ギア213との噛み合いがはずれ、右レンズユニット201の回動が停止する。また、左レンズユニット駆動用ギア206とレンズ駆動用ギア215との噛み合いがはずれ、右レンズユニット202の回動が停止する。これは左右両側だけではなく左右片側だけでも回動させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2006−267374号公報
【特許文献2】特開2010−217410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ここで、カメラモジュールが固定の場合の従来のステレオ撮像装置の立体視について図31を参照して説明する。
【0018】
図31は、左右のカメラモジュールが固定の場合の従来のステレオ撮像装置の立体視について説明するための模式図である。
【0019】
図31において、左右のカメラモジュール301,302が固定の場合に、被写体Aが手前側に動いて被写体Aが斜線で示す輻輳部分Bから外れた場合に、左右の視野範囲のオーバーラップ部分(輻輳部分B)に被写体Aを入れることができなければ被写体Aを立体視することができない。
【0020】
このように、左右のカメラモジュール301,302が固定で、輻輳部分Bを変更することができない場合には、撮像者は輻輳を確保するために、左右のカメラモジュール301,302自体を後ろに移動させるべく後ずさる動作を行うかまたは、被写体の移設(移動)が必要となる。通常、人間は、後ろに後ずさる動作に慣れていない場合が多く、被写体Aが急速に近づいて来ると、被写体Aに追随できずにフレームアウト(または輻輳範囲から外れる)して撮像者が後方に転倒する虞もある。
【0021】
特許文献1に開示されている上記従来の立体撮像装置100では、レンズ保護のためにレンズを前後に繰り出す機構しか持っていないことから、立体視画像が得られるこの図31の斜線で示す輻輳部分Bを左右に移動させることはできても、レンズを前後に繰り出しても輻輳部分Bを前後に移動させることは困難である。図31に示すように被写体Aが手前側に動いて立体撮像装置100と被写体Aとの距離如何では、輻輳部分Bから被写体Aが外れれば被写体Aの立体視画像を得ることはできない。即ち、被写体Aが輻輳角内(図31のオーバーラップ部分)に入らない。この場合、表示装置を見ながら立体撮像装置100を被写体Aに近づいたり遠のけたりして立体撮像装置100を移動させる必要がある。室内であれば、モニタやファインダを見ながら距離の調整ができるが、野外では、撮像者が立体撮像装置100を持って移動したり設置場所をモニタやファインダを見ながら移動することは足元などに危険を伴うことがある。特に、接写する場合に距離によっては両カメラモジュールが内側に内旋(人の目に例えるとより目)しないと接写ができない。
【0022】
図32は、カメラモジュールが回転可能な場合に、被写体が手前側に移動した場合の立体視領域の移動を説明するための模式図である。
【0023】
図32において、左右のカメラモジュール401,402を内旋させることができるため、被写体Aが手前側に移動して立体視領域を示す輻輳範囲を被写体Aが外れても、立体視領域を示す輻輳範囲を前後方向に移動させて被写体Aを輻輳範囲内に入れることができる。これによって、被写体Aの立体視画像を撮像することができる。なお、左右各々のカメラモジュール401,402に対して、合焦機能や手振れ防止機能を有するカメラモジュールを使用してもよい。
【0024】
撮像の際に被写体Aは動くものであり、これに追随して撮像をする場合に、被写体Aの左右への動きは撮像者の上体をひねるだけで、比較的簡単に被写体Aにカメラモジュールを追随させることができるが、図32に示すように被写体Aが前後方向手前側の被写体A’の位置に移動する場合、即ち、こちら側に被写体Aが迫ってくる場合には、上記従来の複眼撮像装置200では、左右のレンズユニット201,202を互いに逆方向に内側を向くようにレンズ駆動モータの駆動力を駆動源として回動させて左右視野のオーバーラップ部分(立体視領域)の中心角度を示す輻輳角θが大きくなるように変更してそのオーバーラップ部分(立体視領域)を手前側に移動させて立体視領域中に被写体A’を含まさせるように変更することができる。
【0025】
ところが、特許文献2に開示されている上記従来の複眼撮像装置200では、レンズ駆動モータの駆動力をギアの組み合わせを切り替えて、フォーカス調整モータとは別に、輻輳角変更用のレンズ駆動モータおよび複数のギアを左右のレンズユニット201,202毎に必要とすることから、構成が複雑でカメラの軽量化に逆行するという問題を有している。
【0026】
また、レンズ駆動モータの動力をレンズユニット202,202およびその外部に出力したり、回転軸やギヤの配置などこの複眼撮像装置200に特化したモジュールを個別に設計する必要がある。複眼撮像装置200の低価格化や構成部品の部材調達の観点からは特殊な機構や構造を持った部品を個別に設計するよりは、通常のカメラ付き携帯電話装置(ステレオ撮像ではない)に使用されているのと極力同じか同等または共通で使用できるカメラモジュールが使用できる方が価格を安くできたり、部品の購入(納期や製造数量の確保等)がスムーズにできる。モジュールは従来品を使用することで製造(組立)に関しても従来の製造装置で対応することができる。
【0027】
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、輻輳角を変更する機能に絞ることにより簡単な機構で素早い輻輳角の変更を実現でき、ひいては軽量化をも実現でき、手動でも輻輳角を容易に変更することができるステレオ撮像装置および、このステレオ撮像装置を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルカメラやカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明のステレオ撮像装置は、立体視のステレオ画像を撮像可能とするステレオ撮像装置において、カメラ筺体内に設けられたフレキシブル基板と、該フレキシブル基板上に実装された一対のカメラモジュールと、立体視野領域の輻輳角を変更するべく、該カメラモジュールの後ろへの押圧力を変えて該カメラモジュールを互いに内側または外側に回動させる押圧部材とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0029】
また、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における押圧部材は、長尺の弾性体で構成され、該弾性体が撓んで湾曲する湾曲部により前記一対のカメラモジュールの背面を、該一対のカメラモジュールを回動させるように押圧するかまたは該押圧を解除して該一対のカメラモジュールを元の位置に復帰させる。
【0030】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における押圧部材は、前記左右一対のカメラモジュールと前記フレキシブル基板の下方に配設された一対の弾性体と、該一対の弾性体の間に介装されて該一対の弾性体を一方向とその逆方向にそれぞれ移動させるための接続部と、該一対の弾性体をそれぞれ一定区間上下に位置規制して一方向およびその逆方向に案内する鞘部材と、該一対の弾性体の各先端部が当接した後に該一対の弾性体を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材とを有する。
【0031】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における接続部を回動させることにより前記一対の弾性体を一方向およびその逆方向に移動させ、前記鞘部材と前記当て部材の間で前記一対のカメラモジュール側にそれぞれ前記一対の弾性体をそれぞれ湾曲させて該一対のカメラモジュールの背面を押圧する湾曲部を作る。
【0032】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における当て部材には、前記弾性体の先端部を前記所定方向の湾曲部側とは反対側に案内する掘り込み部が形成されている。
【0033】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における当て部材は、前記弾性体が上に凸形状に湾曲した場合に、該弾性体の先端部の高さ位置よりも上方ほど浅くなった前記掘り込み部により前記弾性体の湾曲部分を逃がすように構成されている。
【0034】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における当て部材は、前記弾性体の先端部の高さ位置に対応して該弾性体の先端部を下から受けるように所定高さの突起部が形成されている。
【0035】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における弾性体は、該弾性体が伸長したときに少なくとも前記鞘部材と前記当て部材と間の範囲内で湾曲部が形成されるように構成されている。
【0036】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における弾性体は、前記範囲内のうち前記湾曲部の形成が所定範囲になるように、該湾曲部の所定形成範囲の厚さがそれ以外の部分よりも薄い薄板部、該湾曲部の所定形成範囲の幅がそれ以外の幅よりも狭い幅狭部、該湾曲部の所定形成範囲の2股形状部および該湾曲部の所定形成範囲内の一または複数の穴部のうちの少なくともいずれかを有する。
【0037】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における弾性体は、前記当て部材に当接する先端部とは反対側の端縁部に一または複数の切り込み部が設けられ、一の切り込み部は該端縁部の幅方向中央部に設けられ、該複数の切り込み部は、該一の切り込み部に加えて、前記一対の弾性体の間に介装される接続部の回動中心を点対称とした、互いに対向する該一対の弾性体の端縁部に設けられている。
【0038】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における接続部は、対向した一対の板部材が平面視で上下に重なって回動自在に軸支されており、該一対の板部材の回転中心から等間隔の位置に該2枚の板部材の間隔を支持する一対の柱状部材が設けられ、該一対の板部材を平面視で回動させることによりその間の該一対の柱状部材が前記一対の弾性体の各端面を押圧するように構成されている。
【0039】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における接続部は、前記柱状部材を外嵌する断面円形の管部材を有する。
【0040】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における接続部は、外形が平面視楕円形状で厚板部材に構成され、平面視で回動自在に軸支され、該厚板部材を平面視で回動させることにより該厚板部材の側面でカム状に前記一対の弾性体の各端面を押圧するように構成されている。
【0041】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における厚板部材の側面にはその外周に沿って、前記弾性体の端面縁部が嵌合して当接可能とする溝が形成されている。
【0042】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における接続部は、外形が平面視円形または楕円形状で板部材に構成され、該板部材は平面視で回動自在に軸支され、該板部材と前記一対の弾性体の端縁部とが各クランク部材をそれぞれ介して連結されている。
【0043】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における接続部を手動または電動で回動させて、前記一対の弾性体を一方向とその逆方向にそれぞれ移動させる。
【0044】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における接続部の外周面に外部から操作が可能なギアが設けられ、該ギアに歯合して複数箇所で該接続部の回転位置を保持可能とする歯止め部材が設けられている。
【0045】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置において、指で押下するためのボタン部材と、該ボタン部材の端面側に固定され、前記板部材に立設した突起部を押圧するための押圧部材と、中央部に該ボタン部材が通され、その上端部が筐体に固定され、その下端部が該ボタン部材と該押圧部材の接続部で固定されて上方向に付勢するばね部材とが設けられた押下式ボタンをさらに有する。
【0046】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における一対のカメラモジュールの各上下方向の中心軸よりもそれぞれ外側に対応する位置に、前記弾性体の逆方向の湾曲部を反転させるための逆湾曲防止用の突起部をそれぞれ有している。
【0047】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における逆湾曲防止用の突起部の高さはそれぞれ、前記鞘部材から突出する前記一対の弾性体の各先端部の高さと等しい高さであるかまたは、これよりも低い高さであって前記逆方向の湾曲部が該突起部に当たって反転可能とする高さである。
【0048】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における一対のカメラモジュールの背面を前記一対の弾性体の湾曲部でそれぞれ押圧して前記フレキシブル基板の弾性に抗して該一対のカメラモジュールを該フレキシブル基板と共に内側に曲げて立体視野領域を手前側に移動させ、該一対の弾性体の湾曲部がそれぞれ解除されたときに該フレキシブル基板の弾性により該一対のカメラモジュールを元の位置にそれぞれ復帰させるように構成されている。
【0049】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における一対のカメラモジュールをそれぞれ前記フレキシブル基板と共に元の位置に復帰させるための原点復帰ばねをそれぞれ有している。
【0050】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における一対のカメラモジュールの各上下方向の中心軸よりも外側に対応する位置に、前記一対の弾性体の逆方向の湾曲部を反転させるための逆湾曲防止用の突起部と、該一対のカメラモジュールをそれぞれ前記フレキシブル基板と共に元の位置に復帰させるための原点復帰ばねとを更に有している。
【0051】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における一対のカメラモジュールの背面を前記一対の弾性体の湾曲部でそれぞれ押圧して前記フレキシブル基板の弾性に抗して該一対のカメラモジュールを該フレキシブル基板と共に内側に曲げて立体視野領域を手前側に移動させ、該一対の弾性体の湾曲部が解除されたときに該フレキシブル基板の弾性および、該一対のカメラモジュールを該フレキシブル基板と共に元の位置に復帰させるための原点復帰ばねの弾性により、該一対のカメラモジュールを元の位置に復帰させるように構成している。
【0052】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における一対のカメラモジュールをカメラ筐体から少なくともカメラレンズ部が露出されている。
【0053】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における一対のカメラモジュールがカメラ筐体内に収容されて、該カメラ筐体の透明窓部に対応してカメラレンズ部が配置されている。
【0054】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における一対のカメラモジュールはそれぞれ単体での撮像を可能とする。
【0055】
さらに、好ましくは、本発明のステレオ撮像装置における接続部の回動により前記弾性体が変形し、前記一対のカメラモジュールはそれぞれ、該弾性体の変形により互いに内側または外側に回動されるようになっている。
【0056】
本発明の電子情報機器は、本発明の上記ステレオ撮像装置を画像入力デバイスとして撮像部に用いたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
【0057】
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
【0058】
本発明においては、立体視のステレオ画像を撮像可能とするステレオ撮像装置において、カメラ筺体内に設けられたフレキシブル基板と、フレキシブル基板上に実装された左右一対のカメラモジュールと、立体視野領域の輻輳角を変更するべく、カメラモジュールの後ろへの押圧力を変えて該カメラモジュールを互いに内側または外側に向ける押圧部材とを有している。この押圧部材は、長尺の弾性体で構成され、弾性体が撓んで湾曲する湾曲部により左右一対のカメラモジュールの背面から押圧するかまたはその押圧を解除する。
【0059】
これによって、簡単な機構で素早い輻輳角の変更が実現可能で、ひいては軽量化をも実現可能となり、手動でも輻輳角を容易に変更することが可能となる。
【0060】
しかも、ステレオ撮像装置用途に設計されていないカメラモジュールであってもステレオ撮像装置に簡単に用いることが可能でかつ薄型軽量化を実現することも可能である。大幅なコストダウンや部材調達などの容易な撮像装置であり、また、昨今の小型軽量化や輻輳角の調整を簡単な電動や利用者の手動で対応することが可能となる。
【発明の効果】
【0061】
以上により、本発明によれば、輻輳角を変更する機能に絞ることにより簡単な機構で素早い輻輳角の変更を実現でき、ひいては軽量化をも実現でき、手動でも輻輳角を容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施形態1におけるステレオ撮像装置内部を透視した要部構成例を模式的に示す図であって、(a)はそのステレオ撮像装置の平面図、(b)はそのステレオ撮像装置の左右のカメラジュールに後ろから圧力をかける前の側面図、(c)はそのステレオ撮像装置の左右のカメラジュールに後ろから圧力をかけた後の側面図である。
【図2】図1のステレオ撮像装置の具体例1を模式的に示す縦断面図であって、(a)はカム状の接続部を回転させる前の状態を示す図、(b)はカム状の接続部を途中まで回転させた状態を示す図、(c)はカム状の接続部をいっぱいまで回転させた状態を示す図である。
【図3】図2の当て部材の具体例1を模式的に示す側面図であって、(a)はカム状の接続部を回転させる前の弾性体の先端部の様子を示す図、(b)はカム状の接続部を途中まで回転させた状態での弾性体の先端部の様子を示す図、(c)はカム状の接続部をいっぱいまで回転させた状態での弾性体の先端部の様子を示す図である。
【図4】図2の当て部材の具体例2を模式的に示す側面図であって、(a)はカム状の接続部を回転させる前の弾性体の先端部の様子を示す図、(b)はカム状の接続部を途中まで回転させた状態での弾性体の先端部の様子を示す図、(c)はカム状の接続部をいっぱいまで回転させた状態での弾性体の先端部の様子を示す図である。
【図5】図2の当て部材の具体例3を模式的に示す図であって、(a)はカム状の接続部を回転させる前の弾性体の先端部の様子を示す当て部材の側面図、(b)はその当て部材の正面図である。
【図6】図2の当て部材の具体例4を模式的に示す図であって、(a)はカム状の接続部を途中まで回転させた状態での弾性体の先端部の様子を示す当て部材の側面図、(b)はその当て部材の正面図である。
【図7】図2の当て部材の具体例5を模式的に示す図であって、(a)はカム状の接続部をいっぱいまで回転させた状態での弾性体の先端部の様子を示す当て部材の側面図、(b)はその当て部材の正面図である。
【図8】本発明の実施形態2のステレオ撮像装置における押圧部材の内部を透視した要部構成例を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材の側面図、(b)はその押圧部材における弾性体の具体例1の特徴構成を強調した側面図である。
【図9】本発明の実施形態2のステレオ撮像装置の押圧部材における弾性体の具体例2の要部構成例を模式的に示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態2のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する弾性体の要部構成例を模式的に示す平面図であって、(a)および(b)はその弾性体の具体例3の平面図、(c)はその弾性体の具体例4の平面図、(d)はその弾性体の具体例5の平面図である。
【図11】本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する接続部の具体例1を回転させる前の様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する弾性体の一例を示す単体の平面図、(b)はその押圧部材を構成する接続部7の具体例1、両側の弾性体および弾性体に当接する当て部材を模式的に示す平面図、(c)は(b)の側面図である。
【図12】本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する接続部の具体例1を途中まで回転させたときの様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部の具体例1が途中まで回転し、その両側の弾性体が外側に移動した様子を模式的に示す平面図、(b)は外側に移動した各弾性体が湾曲しかけている様子を模式的に示す(a)の側面図である。
【図13】図13は、本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する接続部の具体例1をいっぱいまで(角度90度)回転させた様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部の具体例1が最後まで回転し、その両側の弾性体が外側に更に移動した様子を模式的に示す平面図、(b)は外側に移動した各弾性体が湾曲部Eを形成している様子を模式的に示す(a)の側面図である。
【図14】本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する平面視外形が円形状の接続部72の具体例2を回転させる前の様子を模式的に示す平面図である。
【図15】本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する接続部の具体例3、4を回転させる前の様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部の具体例3、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は、その押圧部材を構成する接続部の具体例4、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す側面図である。
【図16】本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する接続部の具体例5を回転させる前の様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部の具体例5、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図17】本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する接続部の具体例5をいっぱいまで回転させた様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部の具体例5、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す平面図、(b)は(a)の側面図である。
【図18】本発明の実施形態4におけるステレオ撮像装置の手動による駆動方法の具体例1〜4を模式的に示す図であって、(a)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例1を表側から内部を透視した平面図、(b)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例1を裏側から内部を透視した平面図、(c)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例1における裏面図、(d)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例2における裏面図、(e)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例3における裏面図、(f)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例4における裏面図である。
【図19】本発明の実施形態4におけるステレオ撮像装置の電動による駆動方法の具体例5,6を模式的に示す図であって、(a)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例5を構成するモータおよびギヤを示す斜視図、(b)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例5で用いる円形接続部の外形に歯車が形成された場合のステレオ撮像装置の裏面図、(c)は(a)のモータおよびギヤを(b)の円形接続部に筐体2の外部で歯合させた場合のステレオ撮像装置の表面図、(d)は(a)のモータおよびギヤと(b)の円形接続部を筐体2の内部で歯合させた場合のそのステレオ撮像装置の表面図である。
【図20】本発明の実施形態4のステレオ撮像装置における接続部7の具体例1を回転させる前の様子を模式的に示す図であって、(a)はその弾性体の具体例6を示す単体の平面図、(b)はその押圧部材を構成する接続部の具体例1、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す平面図、(c)は(b)の側面図である。
【図21】本発明の実施形態4のステレオ撮像装置における接続部を途中まで回転させたときの様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部が途中まで回転し、その両側の弾性体が外側に移動した様子を模式的に示す平面図、(b)は外側に移動した各弾性体が湾曲しかけている様子を模式的に示す(a)の側面図である。
【図22】本発明の実施形態4のステレオ撮像装置における接続部をいっぱいまで(角度90度)回転させた様子を模式的に示す図であって、(a)はその接続部が最後まで回転し、その両側の弾性体が外側に更に移動した様子を模式的に示す平面図、(b)は外側に移動した各弾性体が湾曲部Eを形成している様子を模式的に示す(a)の側面図である。
【図23】本発明の実施形態4のステレオ撮像装置における接続部を更に回転させて元の状態に戻した様子を模式的に示す平面図である。
【図24】(a)は、押下式ボタン(ノック式)によって押圧部材を構成する接続部(具体例9)を回転させる前の様子を模式的に示す平面図、(b)は、押下式ボタン(ノック式)によって接続部を途中まで回転させた様子を模式的に示す平面図、(c)は、押下式ボタン(ノック式)によって接続部をいっぱいまで回転させたときの様子を模式的に示す平面図、(d)は、押下式ボタン(ノック式)によって接続部を更に回転させて元の状態に戻すときの様子を模式的に示す平面図である。
【図25】(a)は、図20(a)で前述した弾性体の具体例6を模式的に示す平面図、(b)はその弾性体の具体例7を模式的に示す平面図である。
【図26】本発明の実施形態5におけるステレオ撮像装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図であって、接続部を回転させる前の状態を示す縦断面図である。
【図27】本発明の実施形態6におけるステレオ撮像装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図であって、接続部を回転させる前の状態を示す縦断面図である。
【図28】本発明の実施形態7におけるステレオ撮像装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図であって、(a)は接続部を回転させる前の状態を示す縦断面図、(b)は接続部を途中まで回転させた状態を示す図、(c)は接続部をいっぱいまで回転させた状態を示す図である。
【図29】特許文献1に開示されている従来の立体撮像装置の外観斜視図である。
【図30】特許文献2に開示されている従来の複眼デジタルカメラの内部を模式的に示す図である。
【図31】左右のカメラモジュールが固定の場合の従来のステレオ撮像装置の立体視について説明するための模式図である。
【図32】カメラを回動させる場合において、被写体が手前側に移動した場合の立体視領域の移動を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下に、本発明のステレオ撮像装置の実施形態1〜7および、このステレオ撮像装置の実施形態1〜7を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の実施形態8について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図における構成部材のそれぞれの厚みや長さなどは図面作成上の観点から、図示する構成に限定されるものではない。
【0064】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1におけるステレオ撮像装置内部を透視した要部構成例を模式的に示す図であって、(a)はそのステレオ撮像装置の平面図、(b)はそのステレオ撮像装置の左右のカメラジュールに後ろから圧力Pをかける前の側面図、(c)はそのステレオ撮像装置の左右のカメラジュールに後ろから圧力Pをかけた後の側面図である。
【0065】
図1(a)〜図1(c)において、本実施形態1のステレオ撮像装置1は、内部を保護したり各種部材を収容して固定するカメラ筺体2と、カメラ筺体2内に設けられて所定の弾性があって曲げ可能で電気配線が内部または表面部に配設されたフレキシブル基板3と、このフレキシブル基板3の両端部上に実装された左右一対のカメラモジュール4,5とを有している。
【0066】
さらに、本実施形態1のステレオ撮像装置1は、単体でも使用されているカメラモジュール4,5を2台一組として使用し、立体視領域の輻輳角θを変更するべく、この両者と携帯機器とを電気的に接続するフレキシブル基板3の両端部に搭載されたカメラモジュール4,5を後ろから押圧して互いに内側に向けるようにフレキシブル基板3を弾性変形させるための押圧部材(図示せず)を更に有している。この押圧部材は、図2で後述する短冊状で板状の長尺の弾性体6を構成部材とし、弾性体6が撓んで湾曲する湾曲部により左右一対のカメラモジュール4,5の背面側からそれぞれ同時に押圧する。
【0067】
カメラモジュール4,5の信号伝達はフレキシブル基板3の配線を介して行われる。カメラモジュール4,5の内旋はフレキシブル基板3の裏側(カメラモジュール4,5が実装されていない側)から所定圧力で押圧されることによりカメラモジュール4,5を互いに内側に所定量だけ回動させる内旋を実現する。フレキシブル基板3の裏面側からのカメラモジュール4,5への押圧は、カメラモジュール4,5の光軸よりも外側位置に押圧部材としての弾性体(図示せず)を用いて押圧可能に構成されている。
【0068】
図2は、図1のステレオ撮像装置1の具体例1を模式的に示す縦断面図であって、(a)は接続部7を回転させる前の状態を示す図、(b)は接続部7を途中まで回転させた状態を示す図、(c)は接続部7をいっぱいまで回転させた状態を示す図である。
【0069】
図2において、ステレオ撮像装置1Aは、カメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、メラモジュール4,5とを有し、押圧部材は、左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設された一対の弾性体6と、一対の弾性体6の間に介装されて一対の弾性体を右方向と左方向に移動させるための接続部7と、一対の弾性体6を一定区間上下に位置規制して左右方向に案内する鞘部材8と、一対の弾性体6の各先端部が当接した後に一対の弾性体6を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9とを有する。
【0070】
筐体2は、樹脂であっても良いが金属製のダイキャスト(亜鉛、錫、アルミニウムまたはこれらの合金)であってもよい。
【0071】
弾性体6は平面視短冊状の板状であってもよく、その材質は金属や樹脂からなる板バネであってもよい。左右一対の弾性体6は、この各カメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方位置で左右に移動自在に構成されている。
【0072】
接続部7は、一対の弾性体6の間に介装されて左右の弾性体6を右方向と左方向に移動させる。接続部7は、カメラ筐体2に立設された回転軸10に回転自在に軸支されており、接続部7を回動させることにより、平面視楕円形状の外周面で一対の弾性体6の一方端側を押圧して弾性体6を左右両外側に伸長させるように作用する。
【0073】
鞘部材8は、一対の弾性体6を保護すると共に、一対の弾性体6が一定距離以上曲がらないように上下で位置規制して左右方向に案内する。鞘部材8は、所定距離で一定期間だけ弾性体6を上下方向に移動を規制して保護すると共に保持し、カメラモジュール4,5の直下のカメラモジュール4,5側への湾曲を誘導するように作用する。
【0074】
当て部材9は、一対の弾性体6の両終端部側にそれぞれ配設されており、一対の弾性体6の両終端部が当接したときにそれ以上動かないようにすると共に、一対の弾性体6の両終端部が当接した後に一対の弾性体6をそれぞれ所定方向に湾曲させるようにそれぞれ案内する。
【0075】
回転軸10は、回転体としての接続部7の回転の中心となる他、フレキシブル基板3を貫通しており、フレキシブル基板3の左右方向のズレを防いでいる。また、フレキシブル基板3はその一部が鞘部材8上に接着されていてもよい。
【0076】
フレキシブル基板押さえ部材11は、カメラモジュール4,5が搭載されたフレキシブル基板3の各カメラモジュール4,5側でそれぞれ上から押さえるようにカメラ筐体2上に立設されている。フレキシブル基板押さえ部材11により押さえられたフレキシブル基板3の位置で曲がって各カメラモジュール4,5が互いに内側を向くようになっている。
【0077】
上記構成により、まず、図2(a)に示す接続部7を回動させる前の状態から接続部7を回動させて、図2(b)に示すように、接続部7が一対の弾性体6を外側に押圧して移動させ、各弾性体6の先端は当て部材9に到達する(予め接していてもよい)。当て部材9に当接した弾性体6の先端部は行き場を失って上に突状に湾曲する。
【0078】
続いて、図2(c)に示すように、接続部7はいっぱいまで回動して、接続部7の外周部が一対の弾性体6を外側に更に押し広げて、各弾性体6の先端は当て部材9で止められて上に突状に更に湾曲する。その結果、弾性体6の湾曲部がカメラモジュール4,5の裏面側を押し上げて、カメラモジュール4,5は互いに内側に回転する。被写体Aが手前側に移動して立体視領域を示す輻輳範囲を被写体Aが外れても、立体視領域を示す輻輳範囲を手前方向に移動させて被写体Aを輻輳範囲内に入れることができる。これによって、被写体Aの立体視画像を撮像し続けることができる。
【0079】
図3は、図2の当て部材9の具体例1を模式的に示す側面図であって、(a)は接続部7を回転させる前の弾性体6の先端部の様子を示す図、(b)は接続部7を途中まで回転させた状態での弾性体6の先端部の様子を示す図、(c)は接続部7をいっぱいまで回転させた状態での弾性体6の先端部の様子を示す図である。
【0080】
図3(a)に示すように、弾性体6の先端部は当て部材91に予め当接していても離間していてもよいが、当て部材91には破線で示すように掘り込み部91aが形成されている。
【0081】
この掘り込み部91aは下方ほど深くなっているため、延びてくる弾性体6の先端部を下方に案内して弾性体6の先端部が当て部材91の掘り込み部91aに沿って下方に移動する。これによって、弾性体6が上に凸形状に湾曲するようになっている。このように、弾性体6の上に凸形状の湾曲がカメラモジュール4,5の裏面側を押すようにするには、弾性体6の先端部を当て部材91の下方側に誘導すればよい。要するに、掘り込み部91aは、弾性体6の先端部を所定方向の湾曲部側とは反対側に案内して、弾性体6を所定方向に湾曲させるようになっている。
【0082】
図4は、図2の当て部材9の具体例2を模式的に示す側面図であって、(a)は接続部7を回転させる前の弾性体6の先端部の様子を示す図、(b)は接続部7を途中まで回転させた状態での弾性体6の先端部の様子を示す図、(c)は接続部7をいっぱいまで回転させた状態での弾性体6の先端部の様子を示す図である。
【0083】
図4(a)に示すように、弾性体6の先端部は当て部材92に予め当接していても離間していてもよいが、当て部材92には破線で示すように掘り込み部92aが形成されている。この掘り込み部92aは下方ほど深くなっているが、弾性体6の先端部の高さよりも若干下方位置で止まっている。弾性体6の先端部の高さよりも上方ほど浅くなっている。延びてくる弾性体6の先端部を若干下方位置まで案内して弾性体6の先端部が当て部材92の掘り込み部92aに沿って若干下方位置まで移動する。これによって、弾性体6が上に凸形状に湾曲するようになっている。このように、弾性体6の上に凸形状の湾曲部がカメラモジュール4,5の裏面側を押すようにするには、弾性体6の先端部を当て部材92の下方側に誘導すればよい。弾性体6が上に凸形状に湾曲した場合に、弾性体6の先端部の高さ位置よりも上方ほど浅くなった掘り込み部92aにより、その弾性体6の湾曲部分を逃がすようになっている。要するに、弾性体6の先端部が当て部材92の中央位置に留まっている。当て部材92に弾性体6が当て部材92の下方向に湾曲しないように掘込み部92aを形成すればよい。掘り込み部92aは、弾性体6の先端部を所定方向の湾曲部側とは反対側に案内して、弾性体6を所定方向の湾曲させる。
【0084】
図5は、図2の当て部材9の具体例3を模式的に示す図であって、(a)は接続部7を回転させる前の弾性体6の先端部の様子を示す当て部材の側面図、(b)はその当て部材の正面図である。
【0085】
図5(a)および図5(b)に示すように、弾性体6の先端部は当て部材93に予め当接していても離間していてもよいが、弾性体6の先端部の高さ位置に対応して弾性体6の先端部を下から受けるように、当て部材93には左右方向に長く所定高さの突起部としてのリブ93aが形成されている。この所定高さのリブ93aは、延びてくる弾性体6の先端部を受けて下方に湾曲しないように位置規制している。これによって、弾性体6が上に凸形状に湾曲する。このように、弾性体6の上に凸形状の湾曲部がカメラモジュール4,5の裏面側を押すようにするには、弾性体6の先端部を当て部材93で止めてリブ93aにより弾性体6が下方側に湾曲しないようにすればよい。要するに、弾性体6の先端部がリブ93aのある当て部材93の中央位置に留まっている。このように、図3および図4では当て部材91,92を掘削して溝を形成したが、リブ93aのような突起部であっても、弾性体6を上に凸形状に湾曲させる同様な効果が得られる。
【0086】
図6は、図2の当て部材9の具体例4を模式的に示す図であって、(a)は接続部7を途中まで回転させた状態での弾性体6の先端部の様子を示す当て部材の側面図、(b)はその当て部材の正面図である。
【0087】
図6(a)および図6(b)に示すように、弾性体6の先端部は当て部材94に予め当接していても離間していてもよいが、弾性体6の先端部の高さ位置に対応して弾性体6の先端部を下から受けるように、当て部材94には左右方向に長く所定高さの断面長方形のリブ94a(または断面4角形の突起部でもよい)が所定間隔を空けて同じ高さで二つ並んで形成されている。弾性体6の幅寸法の両側に位置するように所定高さのリブ94aが当て部材94の側面に立設している。この二つ並んだ所定高さのリブ94aは、延びてくる弾性体6の先端部をその幅方向両側で受けて下方に湾曲しないように所定高さで位置規制している。これによって、弾性体6が上に凸形状に湾曲する。このように、弾性体6の上に凸形状の湾曲部がカメラモジュール4,5の裏面側を押すようにするには、弾性体6の先端部を当て部材94で止めて二つ並んだリブ94aにより弾性体6が下方側に湾曲しないようにすればよい。要するに、弾性体6の先端部が、同じ高さで二つ並んだリブ94aのある当て部材94の高さ方向中央位置に留まっている。このように、図3および図4では当て部材91,92を掘削して溝を形成したが、リブ94aのような二つの突起部であっても、弾性体6を上に凸形状に湾曲させる同様な効果が得られる。
【0088】
図7は、図2の当て部材9の具体例5を模式的に示す図であって、(a)は接続部7をいっぱいまで回転させた状態での弾性体6の先端部の様子を示す当て部材の側面図、(b)はその当て部材の正面図である。
【0089】
図7(a)および図7(b)に示すように、弾性体6の先端部は当て部材95に予め当接していても離間していてもよいが、弾性体6の先端部の高さ位置に対応して弾性体6の先端部を下から受けるように、当て部材95には断面円形で所定高さの円形突起部95aが所定間隔を空けて同じ高さで二つ並んで(三つでもよい)形成されている。弾性体6の幅寸法の両側を受ける位置に所定高さの円形突起部95aが当て部材95の側面に立設している。この二つ並んだ所定高さの円形突起部95aは、延びてくる弾性体6の先端部をその幅方向両側で受けて下方に湾曲しないように所定高さで位置規制している。これによって、弾性体6が上に凸形状に湾曲する。このように、弾性体6の上に凸形状の湾曲部がカメラモジュール4,5の裏面側を押すようにするには、弾性体6の先端部を当て部材95で止めて二つ並んだ円形突起部95aにより弾性体6が下方側に湾曲しないようにすればよい。要するに、弾性体6の先端部が、二つ並んだ円形突起部95aのある当て部材95の高さ方向中央位置に留まっている。このように、図3および図4では当て部材91,92を掘削して溝を形成したが、円形突起部95aであっても、弾性体6に対して上に凸形状に湾曲させる同様な効果が得られる。
【0090】
以上により、本実施形態1によれば、被写体が近づいてきたときなど、立体視画像を継続して得るために、簡単な機構で素早い立体視撮像範囲の輻輳角の変更を実現することができ、輻輳角変更に専用のモータを用いないことから軽量化をも実現でき、手動で輻輳角を容易に変更することができる。
【0091】
通常、単体で使用されるカメラモジュールを設計変更することなく2台一組として使用する構造を有するステレオ撮像装置1、1Aにおいて、大幅なコストダウンや部材調達などの容易な撮像装置であり、また、昨今の小型軽量化や輻輳角の前後調整を利用者の手動でできる仕様の他、後述するが、輻輳角の前後調整に限って、電動(モータ)による調整のどちらの設計にも対応できる。モータを用いると、軽量化には不利になるものの、左右のカメラモジュール毎にモータを設ける必要はない点ではギヤも少なく簡単な構成で、軽量化に貢献することができる。
【0092】
本実施形態1によれば、立体視のステレオ画像を撮像可能とするステレオ撮像装置1において、カメラ筺体2内に設けられたフレキシブル基板3と、フレキシブル基板3上に実装された左右一対のカメラモジュール4,5と、立体視野領域の輻輳角θを変更するべく、カメラモジュール4,5の後ろへの押圧力を変えてカメラモジュール4,5を互いに内側または外側に回動させる押圧部材とを有している。この押圧部材は、長尺の弾性体6を構成部材とし、弾性体6が撓んで湾曲する湾曲部Eにより左右一対のカメラモジュール4,5の背面から押圧するかまたは押圧を解除する。
【0093】
これによって、ステレオ撮像装置1、1Aにおいて、従来単体で使用されるものとして製品化され、同じ機能と性能を持つカメラモジュール4,5を2台一組として使用することによりステレオ撮像装置1、1Aの開発期間を短縮し、単体カメラモジュール4、5の部材を共通に使用することによりコストダウンや部材調達を容易化し、カメラモジュール4,5自体の組立は従来の製造方法および工場が活用できるため効率化を図ることができる。
また、自動合焦機能や手振れ補正などは、使用するカメラモジュール4,5の機能をそのまま活かしつつ簡単な機構を追加するだけでステレオ撮像装置1、1Aに特有の立体視領域の輻輳角θの変更を可能とする。
【0094】
なお、本実施形態1では、ステレオ撮像装置1Aは、カメラ筺体2内に設けられたフレキシブル基板3と、フレキシブル基板3上に実装された左右一対のカメラモジュール4,5と、立体視領域の輻輳角θを変更するべく、カメラモジュール4,5を後ろから押圧して内側に向ける押圧部材としての弾性体6とを有する場合について説明し、特に、弾性体6を湾曲させて押圧部材として作用させているが、弾性体6の先端部を当接させて良好に上に湾曲させるための当て部材91〜95について説明したが、これに限らず、次の実施形態2では、最適な位置に精度よく湾曲させるための弾性体6について詳細に説明する。
【0095】
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態2のステレオ撮像装置における押圧部材の内部を透視した要部構成例を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材の側面図、(b)はその押圧部材における弾性体の具体例1の特徴構成を強調した側面図である。なお、図8では、図2の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の符号を付して説明する。また、本実施形態2のステレオ撮像装置1Bは、カメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、カメラモジュール4,5とを有しているが、図8では記載していない。
【0096】
図8(a)および図8(b)において、本実施形態2のステレオ撮像装置1Bの押圧部材は、左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設された一対の弾性体61と、一対の弾性体61の間に介装されて一対の弾性体を右方向と左方向に移動させるための接続部7と、カメラ筐体2の底面2a上に設けられ、一対の弾性体61を一定区間上下に位置規制して左右方向に案内する鞘部材8と、カメラ筐体2の底面2aに立設され、一対の弾性体6の各先端部が当接した後に一対の弾性体61を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9とを有している。
【0097】
弾性体61は、具体例1を示しており、カメラモジュール4,5の直下のカメラモジュール4,5の中心位置(中心軸)よりも外側で湾曲して押圧するのが好ましい。このため、弾性体61の厚さがカメラモジュール4,5の直下の位置で薄くなりこの薄い部分61bに湾曲ができるようにする。弾性体61は、鞘部材8と当て部材9と間で上に凸の湾曲部を形成してカメラモジュール4,5の背面を押圧することから、弾性体61が伸長したときに鞘部材8と当て部材9と間、しかも、カメラモジュール4,5の中心軸の外側で湾曲部のピークが来るように薄い部分61bに構成し、弾性体61のそれ以外の部分を厚い弾性体61aとしている。
【0098】
図9は、本発明の実施形態2のステレオ撮像装置の押圧部材における弾性体の具体例2の要部構成例を模式的に示す平面図である。なお、図9では、図2の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の符号を付して説明する。また、本実施形態2のステレオ撮像装置1Bは、カメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、カメラモジュール4,5と、鞘部材8とを有しているが、図9では記載していない。
【0099】
図9において、本実施形態2のステレオ撮像装置1Bの押圧部材は、左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設された一対の弾性体62と、一対の弾性体62の間に介装されて一対の弾性体62を右方向と左方向に移動させるための接続部71と、一対の弾性体62を一定区間上下に位置規制して一方向に案内する鞘部材8(ここでは図示せず)と、一対の弾性体62の各先端部が当接した後に一対の弾性体62を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9とを有している。
【0100】
弾性体62は、カメラモジュール4,5の直下のカメラモジュール4,5の中心位置よりも各外側で湾曲してカメラモジュール4,5の背面を押圧するのが好ましい。このため、弾性体62の幅寸法がカメラモジュール4,5の直下の位置で湾曲し易いように幅が狭い部分62bに湾曲ができるように構成する。弾性体62は、鞘部材8と当て部材9と間で上に凸の湾曲部を形成してカメラモジュール4,5の背面を押圧することから、弾性体62が伸長したときに鞘部材8と当て部材9と間で幅が狭い部分62bに構成し、弾性体62のそれ以外の部分を通常幅部分62aとしている。
【0101】
以上により、本実施形態2によれば、弾性体61、62は、カメラモジュール4,5の直下のカメラモジュール4,5の中心位置よりも各外側で容易かつ正確に湾曲してその湾曲部によりカメラモジュール4,5の背面を精度よく押圧することができる。これによって、被写体が近づいてきたときなど、立体視画像を継続して得るために、簡単な機構で素早い立体視撮像範囲の輻輳角の変更を実現することができ、輻輳角変更に専用のモータを用いないことから軽量化をも実現でき、手動で輻輳角を容易に変更することができる。
【0102】
なお、本実施形態2では、弾性体61、62の湾曲部の形成位置を厚さを薄くしたり幅を狭くして確実かつ容易にその部分で湾曲部が形成されるようにしたが、これに限らず、弾性体61の湾曲部の形成位置のように厚さを薄くすることと、弾性体62の湾曲部の形成位置のように幅を狭くすることとを組み合わせてもよい。さらに、図9のように、弾性体62の湾曲部の形成位置として弾性体62の先端部までの所定区間で幅寸法を狭く構成したが、これに限らず、図10(a)および図10(b)の弾性体63のように所定区間だけくびれさせて幅寸法を狭く構成でてもよい。このように、弾性体63は、鞘部材8と当て部材9と間で上に凸の湾曲部を形成してカメラモジュール4,5の背面を押圧することから、弾性体62が伸長したときに鞘部材8と当て部材9と間だけで幅が狭いくびれた部分63bに構成し、弾性体63のそれ以外の部分を通常幅部分63aとしている。弾性体63の当て部材9に当接する先端部分63cは通常幅寸法である。
【0103】
また、図9のように、弾性体62の湾曲部の形成位置として弾性体62の先端部までの所定区間で幅寸法を狭く構成したが、これに限らず、図10(c)の弾性体64のように先端側までの所定区間だけ二股形状として各幅寸法を全体として狭く構成してもよい。このように、弾性体64は、鞘部材8と当て部材9と間で上に凸の湾曲部を形成してカメラモジュール4,5の背面を押圧することから、弾性体62が伸長したときに鞘部材8と当て部材9と間の所定期間を含む先端までを二股形状として各幅が全体として狭い部分64bに構成している。
【0104】
さらに、図9のように、弾性体62の湾曲部の形成位置として弾性体62の先端部までの所定区間で幅寸法を狭く構成したが、これに限らず、図10(d)の弾性体65のように先端側の、湾曲部を形成したい所定区間だけ4角穴65b(または円形穴または楕円形穴)を設けて各連なる幅寸法を全体として狭く構成でてもよい。このように、弾性体65は、鞘部材8と当て部材9との間の所定区間で上に凸の湾曲部を形成してカメラモジュール4,5の背面を押圧することから、弾性体65が伸長したときに鞘部材8と当て部材9との間の所定区間だけ4角穴65b(または円形穴または楕円形穴)を設けて各連なる幅寸法を全体として狭く構成している。
【0105】
要するに、本実施形態2の弾性体61〜65は、弾性体61〜65が伸長したときに少なくとも鞘部材8と当て部材9と間の所定範囲内で、湾曲部を形成するべく、それ以外の部分よりも厚さが薄い薄板部(薄い部分61b)、幅が狭い幅狭部(幅が狭い部分62b)、2股形状部(二股形状として各幅が狭い部分64b)および穴部(4角穴65b)のうちの少なくともいずれかを有する。これらを適宜組み合わせてもよい。
【0106】
なお、上記実施形態1では、ステレオ撮像装置1Aは、カメラ筺体2内に設けられたフレキシブル基板3と、フレキシブル基板3上に実装された左右一対のカメラモジュール4,5と、立体視領域の輻輳角θを変更するべく、カメラモジュール4,5を後ろから押圧して内側に向ける押圧部材としての弾性体6とを有する場合について説明し、特に、弾性体6を湾曲させて押圧部材として作用させているが、弾性体6の先端部を当接させて良好に上に湾曲させるための当て部材91〜95について説明したが、これに限らず、次の実施形態3では、一対の弾性体6の間に介装されて一対の弾性体6を右方向と左方向に移動させるための接続部7について更に詳細に説明する。
【0107】
(実施形態3)
図11は、本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する接続部7の具体例1を回転させる前の様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する弾性体の一例を示す単体の平面図、(b)はその押圧部材を構成する接続部7の具体例1、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す平面図、(c)は(b)の側面図である。なお、図11では、図2の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の符号を付して説明する。また、本実施形態3のステレオ撮像装置1C(図8)は、カメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、カメラモジュール4,5と、鞘部材8とを有しているが、図11ではこれらは記載していない。
【0108】
図11(a)〜図11(c)において、本実施形態3のステレオ撮像装置1Cの押圧部材は、左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設された一対の弾性体62と、一対の弾性体62の間に介装されて一対の弾性体62を右方向と左方向に移動させるための接続部71と、一対の弾性体62を一定区間上下に位置規制して一方向に案内する鞘部材8(図示せず)と、一対の弾性体62の各先端部が当接した後に一対の弾性体62を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9とを有している。
【0109】
接続部71は回転体であり、前述してここでは記載していないが、筐体2に立設された回転軸10に回転自在にその上下の板部材71b、71bの中心が軸支されており、その板部材71b、71bの中心から等間隔の位置(点対称の位置)に板部材71b、71bの間隔を支持する柱状部材71a,71aが設けられている。この柱状部材71a,71aの側面はそれぞれ弾性体62の一端側の端面に当接するように構成されている。外形が平面視楕円形(または円形)の板部材71b、71bが上下に対向して柱状部材71a,71aで所定間隔を空けて接着されている。柱状部材71a,71aは摩耗に対して強い金属などが好ましい。このように、回転体を構成する接続部71は、図11のように回転することで柱状部材71a,71aが、弾性体62の端面側を外側に押す。これは回転体の外形が楕円形状でも、接続部7の具体例2として、図14に示すように、接続部72の回転体の外形が円形状でも同じ効果である。
【0110】
図12は、本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する接続部7の具体例1を途中まで回転させたときの様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部7の具体例1が途中まで回転し、その両側の弾性体が外側に移動した様子を模式的に示す平面図、(b)は外側に移動した各弾性体が湾曲しかけている様子を模式的に示す(a)の側面図である。
【0111】
図13は、本発明の実施形態3のステレオ撮像装置における押圧部材を構成する接続部7の具体例1をいっぱいまで(角度90度)回転させた様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部7の具体例1が最後まで回転し、その両側の弾性体が外側に更に移動した様子を模式的に示す平面図、(b)は外側に移動した各弾性体が湾曲部Eを形成している様子を模式的に示す(a)の側面図である。
【0112】
図13(b)に示すように、弾性体62の湾曲部Eは、弾性体62が伸長したときに鞘部材8と当て部材9と間で幅が狭くくびれた部分62bに形成され、カメラモジュール4,5の直下のカメラモジュール4,5の中心位置よりも各外側で湾曲してカメラモジュール4,5の背面を湾曲部Eが押圧するようになっている。
【0113】
要するに、接続部71は、対向した2枚の板部材71b、71bの平面視で回動自在に軸支されており、2枚の板部材71b、71bの回転中心から等間隔の点対称位置に2枚の板部材71b、71bの間隔を支持する二つの柱状部材71a,71aが設けられ、2枚の板部材71b,71bを平面視で回動させることにより二つの柱状部材71a,71aが一対の弾性体62,62の各端面を外側に押圧するようになっている。この場合に、接続部71は、弾性体62の端面との摩擦を軽減するために、柱状部材71a,71aを回転自在に外嵌する断面円形の管部材(図示せず)を有していてもよい。
【0114】
図15は、本発明の実施形態3のステレオ撮像装置1Cにおける押圧部材を構成する接続部7の具体例3、4を回転させる前の様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部7の具体例3、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す平面図、(b)は(a)の側面図、(c)は、その押圧部材を構成する接続部7の具体例4、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す側面図である。なお、図15では、図2の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の符号を付して説明する。また、本実施形態3のステレオ撮像装置1C(図8)は、カメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、カメラモジュール4,5と、鞘部材8とを有しているが、図15ではこれらは記載していない。
【0115】
図15(a)および図15(b)に示すように、接続部73は平面視で回転する回転体であり、前述してここでは記載していないが、筐体2に立設された回転軸10に回転自在に接続部73の中心が軸支されている。図11〜図14のように平板2枚であったものが回転体を平面視楕円形状にして一体化して、接続部7の具体例3として接続部73を構成することができる。この接続部73は、平面視楕円形状が柱状になったものであって、接続部73の側面が弾性体62の端面に当接し、接続部73を回動することによって弾性体62の端面を接続部73の側面が押圧して外側に各弾性体62を移動させるようになっている。この接続部73は、摩耗に強い金属や、摩擦の小さいテフロン(登録商標)樹脂でもよい。
【0116】
要するに、接続部73は、平面視楕円形状で厚板部材(楕円柱形状部材)に構成され、平面視で回動自在に軸支され、厚板部材を平面視で回動させることにより厚板部材の側面でカム状に一対の弾性体62の各端面を押圧するように構成されている。厚板部材を平面視でさらに回動させることにより厚板部材の側面でのカム状に一対の弾性体62の各端面への押圧を解除することができる。これによって、カメラモジュール4,5の後ろへの押圧力を変えてカメラモジュール4,5を均等に内側または外側に向けることができる。
【0117】
図15(c)に示すように、接続部74は平面視で回転する回転体であり、前述してここでは記載していないが、筐体2に立設された回転軸10に回転自在に接続部74の中心が軸支されている。弾性体62が当接する接続部74の側面に溝が形成されている。このように、接続部74の側面には外周に沿って溝が形成されており、この側面の中央部に形成された溝内に弾性体62の端縁部が挿入されて溝底面に弾性体62の端面が当接し、接続部74を平面視で回動することによって弾性体62の端面を接続部73の側面の溝底面が押圧して外側に各弾性体62を移動させるようになっている。
【0118】
要するに、接続部74を構成する厚板部材(楕円柱形状部材)の側面にはその外周に沿って、弾性体62の端面縁部が嵌合して当接する溝が形成されている。これによって、弾性体62の端面への接続部74の押圧動作が安定化する。
【0119】
図16は、本発明の実施形態3のステレオ撮像装置1Cにおける押圧部材を構成する接続部7の具体例5を回転させる前の様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部7の具体例5、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す平面図、(b)は(a)の側面図である。図17は、本発明の実施形態3のステレオ撮像装置1Cにおける押圧部材を構成する接続部7の具体例5をいっぱいまで回転させた様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部7の具体例5、その両側の弾性体および各弾性体に当接する当て部材を模式的に示す平面図、(b)は(a)の側面図である。なお、図15および図16では、図2の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の符号を付して説明する。また、本実施形態3のステレオ撮像装置1C(図8)は、カメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、カメラモジュール4,5と、鞘部材8とを有しているが、図15および図16ではこれらは記載していない。
【0120】
図16(a)および図16(b)に示すように、接続部75は平面視で回転する回転体であり、前述してここでは記載していないが、筐体2に立設された回転軸10に回転自在に接続部75の円板部材75bの中心が軸支されている。接続部75の回転体(円板部材75b)と各弾性体62の端縁部中心とが各クランク部材75aをそれぞれ介して連結されている。これによって、回転体を薄く構成することができ、接続部75の軽量化を図ることができる。
【0121】
図17(a)および図17(b)に示すように、接続部75をいっぱい(角度90度)まで回転させた場合であって、弾性体62の湾曲部Eは、弾性体62が伸長したときに鞘部材8と当て部材9と間で幅が狭い部分62bに形成され、カメラモジュール4,5の直下のカメラモジュール4,5の中心位置よりも各外側で湾曲してカメラモジュール4,5の背面を湾曲部Eが押圧するようになっている。
【0122】
要するに、接続部75は、平面視円形または楕円形状で板部材(ここでは円板部材75b)に構成され、この板部材は平面視で回動自在に軸支され、板部材と各弾性体62の端縁部とが各クランク部材75aをそれぞれ介して連結されている。これによって、板部材を平面視でさらに回動させることにより板部材に連結された各クランク部材75aをそれぞれ介して一対の弾性体62の各端縁部に押圧力が伝わって一対の弾性体62を外側に移動させたり、更なる回転により押圧力を解除することができる。これによって、カメラモジュール4,5の後ろへの押圧力を変えてカメラモジュール4,5を均等に内側または外側に向けることができる。
【0123】
以上により、本実施形態3によれば、接続部71〜75によって安定化して弾性体62に押圧力を伝達することができて、カメラモジュール4,5を弾性体62の湾曲部により押圧することができる。これによって、被写体が近づいてきたときなど、立体視画像を継続して得るために、簡単な機構で素早い立体視撮像範囲の輻輳角の変更を実現することができ、輻輳角変更に専用のモータを用いないことから軽量化をも実現でき、手動で輻輳角を容易に変更することができる。
【0124】
なお、上記実施形態1では、ステレオ撮像装置1Aは、カメラ筺体2内に設けられたフレキシブル基板3と、フレキシブル基板3上に実装された左右一対のカメラモジュール4,5と、立体視領域の輻輳角θを変更するべく、カメラモジュール4,5を後ろから押圧して内側に向ける押圧部材としての弾性体6とを有する場合について説明し、特に、弾性体6を湾曲させて押圧部材として作用させているが、弾性体6の先端部を当接させて良好に上に湾曲させるための当て部材91〜95について説明したが、これに限らず、次の実施形態4では、本実施形態2で説明した接続部71〜75の駆動方法について詳細に説明する。
【0125】
(実施形態4)
図18は、本発明の実施形態4におけるステレオ撮像装置の手動による駆動方法の具体例1〜4を模式的に示す図であって、(a)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例1を表側から内部を透視した平面図、(b)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例1を裏側から内部を透視した平面図、(c)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例1における裏面図、(d)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例2における裏面図、(e)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例3における裏面図、(f)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例4における裏面図である。なお、図18では、図1および図2の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の符号を付して説明する。
【0126】
図18(a)において、本実施形態4のステレオ撮像装置1Dは、内部を保護したり各種部材を固定するカメラ筺体2と、カメラ筺体2内に設けられて所定の弾性があって折り曲げ可能で配線が内部または表面部に配設されたフレキシブル基板3と、このフレキシブル基板3の両端部上に実装された左右一対のカメラモジュール4,5と、立体視領域(立体視野領域)の輻輳角θを変更するべく、カメラモジュール4,5を後ろから押圧する押圧部材(図示せず)とを有している。
【0127】
図18(b)において、本実施形態4のステレオ撮像装置1Dの押圧部材は、左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設された一対の弾性体62と、一対の弾性体62の間に介装されて一対の弾性体を右方向と左方向に移動させるための接続部72と、一対の弾性体62を一定区間上下に位置規制して一方向に案内する鞘部材8(ここでは図示せず)と、一対の弾性体62の各先端部が当接した後に一対の弾性体6を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9とを有している。
【0128】
本実施形態4のステレオ撮像装置1Dの接続部72は回転体であり、前述してここでは記載していないが、筐体2に立設された回転軸10に回転自在にその上下の板部材72b、72bの中心が軸支されており、その板部材72b、72bの中心から等間隔の位置(点対称の位置)に板部材72b、72bの間隔を支持する柱状部材72a,72aが設けられている。この柱状部材72a,72aの側面はそれぞれ弾性体62の一端側の端面に当接するように構成されている。外形が平面視楕円形(または円形)の板部材72b、72bが上下に対向して柱状部材で所定間隔を空けて接着されている。
【0129】
図18(c)において、駆動方法の具体例1として、接続部72は回転体として筐体2またはこれを組み込んだ機器から外部に突出させて外部より手動で回転させて、立体視領域の輻輳角θを変更するべく、カメラモジュール4,5を後ろから押圧してそれを内側に向けたり元に戻したりすることができる。外形が円形(または楕円形)の接続部72自体をつまみまたは操作ボタンとして外部から操作者が手動で操作できるようになっている。
【0130】
図18(d)に示すように、駆動方法の具体例2として、接続部72の少なくとも外形側面部を筐体2またはこれを組み込んだ機器から一部または全部露出させて、その露出部分を操作者が指で回転させて立体視領域の輻輳角θを調整することもできる。
【0131】
図18(e)に示すように、駆動方法の具体例3として、回転体の接続部76に外部から操作が可能なレバー部材76cを設置する。接続部76の少なくとも外形側面部を筐体2またはこれを組み込んだ機器から一部または全部露出させて、その露出部分にレバー部材76cを設け、操作者が指でレバー部材76cを回転させて立体視領域の輻輳角θを調整することもできる。
【0132】
図18(f)に示すように、駆動方法の具体例4として、回転体の接続部76の側面に外部から操作が可能な滑り止め用の連続的な段差部77cを設ける。滑り止め用の連続的な段差部77cはギア(歯車)状のものであってもよい。接続部77の少なくとも外形側面部を筐体2またはこれを組み込んだ機器から一部または全部露出させて、その露出部分に連続的な段差部77cを設け、操作者が指で連続的な段差部77cを回転させて立体視領域の輻輳角θを調整することもできる。このギア(歯車)状の滑り止め(連続的な段差部77c)を備え、回転時の指との摩擦を大きくすると共に歯止め部材77dも併設して任意の個所で接続部77を保持できるようにする。歯止め部材77dがギア(歯車)状の連続的な段差部77cに嵌り込むことによりノッチ感覚が生じて複数箇所で接続部77を保持することができる。これによって、接続部77の湾曲部の大きさを制御できてカメラモジュール4,5の内側への傾きを制御することができる。
【0133】
次に、電動による駆動方法の具体例5,6について説明する。
【0134】
図19は、本発明の実施形態4におけるステレオ撮像装置の電動による駆動方法の具体例5,6を模式的に示す図であって、(a)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例5を構成するモータおよびギヤを示す斜視図、(b)はそのステレオ撮像装置の駆動方法の具体例5で用いる円形接続部の外形に歯車が形成された場合のステレオ撮像装置の裏面図、(c)は(a)のモータおよびギヤを(b)の円形接続部に筐体2の外部で歯合させた場合のステレオ撮像装置の表面図、(d)は(a)のモータおよびギヤと(b)の円形接続部を筐体2の内部で歯合させた場合のそのステレオ撮像装置の表面図である。
【0135】
図19(a)に示すようにモータ78cの回転軸にギヤ78dを取り付け、図19(b)に示すように、外形が円形で側面にギア(歯車)状の滑り止め(連続的な段差部77c)が設けられた接続部78の板部材78bが設けられている。この板部材78bは回転体として筐体2またはこれを組み込んだ機器から外部に一部または全部(ここでは全部)を露出させて外部より回転可能に構成している。
【0136】
図19(c)に示すようにギヤ78dと板部材78bの外周のギア(歯車)とを歯合させてモータ78cの回転駆動により、ギヤ78dと板部材78bのギア(歯車)を介して板部材78bを回転させることができる。これによって、立体視領域の輻輳角θを変更するべく、カメラモジュール4,5を後ろから弾性体6の湾曲部で押圧してそれを内側に向けたり元に戻したりすることができる。
【0137】
このように、電動による駆動方法の具体例5では、図19(c)に示すように、モータ78cおよびギヤ78dと円形の接続部78における板部材78bのギア(歯車)とを筐体2の外部で歯合させた場合について説明したが、図19(d)に示すように、モータ78cに連結されたギヤ78dと円形の接続部78Aにおける板部材78bのギア(歯車)とを筐体2の内部で歯合させることもできる。
【0138】
要するに、本実施形態4では、接続部72および76〜78を外部から手動または電動で接続部72および76〜78を回動させて、一対の弾性体6を右方向と左方向にそれぞれ移動させることができる。この場合に、接続部72および76〜78の外周面に外部から操作が可能なギアが設けられ、このギアに歯合して複数箇所で接続部の回転位置を保持する歯止め部材77dが設けられている。
【0139】
次に、駆動方法の具体例7について説明する。
【0140】
まず、端縁部中央に半円状の切れ込みが入っている弾性体6の具体例6について説明する。
【0141】
図20は、本発明の実施形態4のステレオ撮像装置における接続部7の具体例1を回転させる前の様子を模式的に示す図であって、(a)はその弾性体6の具体例6を示す単体の平面図、(b)はその押圧部材を構成する接続部7の具体例1、その両側の弾性体6および各弾性体6に当接する当て部材9を模式的に示す平面図、(c)は(b)の側面図である。なお、図20では、図2の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の符号を付して説明する。また、本実施形態4のステレオ撮像装置1Dは、カメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、カメラモジュール4,5と、鞘部材8とを有しているが、図20ではこれらは記載していない。
【0142】
図20(a)〜図20(c)において、本実施形態4のステレオ撮像装置1Dの押圧部材は、左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設され、端縁部中央位置に半円状の切れ込みが入った一対の弾性体62Aと、一対の弾性体62Aの間に介装されて一対の弾性体62Aを右方向と左方向に移動させるための接続部71と、一対の弾性体62Aを一定区間上下に位置規制して一方向に案内する鞘部材8(図示せず)と、一対の弾性体62Aの各先端部が当接した後に一対の弾性体62Aを所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9とを有している。
【0143】
接続部71は回転体であり、前述してここでは記載していないが、筐体2に立設された回転軸10に回転自在にその上下の板部材71b、71bの中心が軸支されており、その板部材71b、71bの中心から等間隔の位置(点対称の位置)に板部材71b、71bの間隔を支持する柱状部材71a,71aが設けられている。この柱状部材71a,71aの側面はそれぞれ弾性体62Aの一端側の端面に当接するように構成されている。外形が平面視楕円形(または円形)の板部材71b、71bが上下に対向して柱状部材71a,71aで所定間隔を空けて接着されている。
【0144】
図21は、本発明の実施形態4のステレオ撮像装置における接続部71を途中まで回転させたときの様子を模式的に示す図であって、(a)はその押圧部材を構成する接続部71が途中まで回転し、その両側の弾性体62Aが外側に移動した様子を模式的に示す平面図、(b)は外側に移動した各弾性体62Aが湾曲しかけている様子を模式的に示す(a)の側面図である。
【0145】
図21(a)および図21(b)に示すように、各弾性体62Aのばね性に抗して接続部71を途中まで回転させたとき、柱状部材71a,71aは各弾性体62Aに両方から挟まれている。弾性体62Aの応力(付勢力)に逆らって回転体としての接続部71を更に回転させる。
【0146】
図22は、本発明の実施形態4のステレオ撮像装置における接続部71をいっぱいまで(角度90度)回転させた様子を模式的に示す図であって、(a)はその接続部71が最後まで回転し、その両側の弾性体62Aが外側に更に移動した様子を模式的に示す平面図、(b)は外側に移動した各弾性体62Aが湾曲部Eを形成している様子を模式的に示す(a)の側面図である。
【0147】
図22(b)に示すように、接続部71をいっぱいまで(角度90度)回転させると、弾性体62Aの半円状に切れ込みが入った部分に柱状部材71a,71aが嵌合して回転体である接続部71が保持される。このとき、弾性体62Aの湾曲部Eは、弾性体62Aが最大伸長したときに鞘部材8と当て部材9と間で幅が狭い部分62bに形成され、カメラモジュール4,5の直下のカメラモジュール4,5の中心位置よりも各外側で湾曲してカメラモジュール4,5の背面を湾曲部Eが押圧する。その後、更に回転体としての接続部71を回転させると、弾性体62Aの半円状に切れ込み部62cと柱状部材71a,71aとの嵌合が外れて、回転体である接続部71は、両側からの弾性体62Aの付勢力によって1/4回転して図23の状態を経て最初と同じ状態に戻る。
【0148】
ここで、端縁部中央に半円状の切れ込み部62cが入っている弾性体62Aを両側に用いて、上記接続部71を回転させる駆動方法の具体例7について詳細に説明する。
【0149】
図24(a)は、押下式ボタン(ノック式)によって押圧部材を構成する接続部71A(具体例9)を回転させる前の様子を模式的に示す平面図、図24(b)は、押下式ボタン(ノック式)によって接続部71Aを途中まで回転させた様子を模式的に示す平面図、図24(c)は、押下式ボタン(ノック式)によって接続部71Aをいっぱいまで回転させたときの様子を模式的に示す平面図、図24(d)は、押下式ボタン(ノック式)によって接続部71Aを更に回転させて元の状態に戻すときの様子を模式的に示す平面図である。
【0150】
図24(a)において、接続部71Aは、接続部71の場合と同様に、対向した2枚の板部材71b、71bの平面視で回動自在に軸支されており、2枚の板部材71b、71bの回転中心から等間隔の位置に2枚の板部材71b、71bの間隔を支持する二つの柱状部材71a、71aが設けられ、2枚の板部材71b、71bを平面視で回動させることにより二つの柱状部材71a、71aが一対の弾性体62Aの各端面を外側に押圧して各弾性体62Aの先端部分側で湾曲部を作るように構成されている。接続部71Aが接続部71と異なるのは、板部材71bの平面視楕円形の中心線よりも外周側に突起部71cが設けられている点である。この突起部71cを押下式ボタン79(ノック式ボタン)によって押下することにより接続部71Aを回転中心を中心として回動させることができる。この突起部71cは回転中心を点対称として反対側にも設けられている。つまり、この突起部71cは二つ板部材71bに立設されている。
【0151】
押下式ボタン79(ノック式ボタン)は、指で押下するための例えば断面円形状のボタン部材79aと、ボタン部材79aの端面側に固定され、板部材71bに立設した突起部71cを押圧するための押圧部材79cと、中央部にボタン部材79aが通され、その上端部がカメラ筐体2に固定され、その下端部がボタン部材79aと押圧部材79bの接続部で固定されて上方向に付勢するばね部材79bとを有している。このように、押下式ボタン79にはばね部材79bが取り付けられており、このばね部材79bはカメラ筐体と押下式ボタン79のL字屈曲部(押圧部材79cの接続部)に接着されている。
【0152】
端縁部中央に半円状の切れ込みが入っている弾性体62Aと、上記押下式ボタン79を組み合わせて回転体の接続部71を回転させてカメラモジュール4,5を回動させることにより、立体視野領域を前後に移動させる。
【0153】
まず、押下式ボタン79によって押圧部材を構成する接続部71A(具体例9)を回転させる前の図24(a)の状態では、両側の弾性体62Aの端面がそれぞれ接続部71Aの柱状部材71a、71aにそれぞれ当接している。
【0154】
次に、図24(b)に示すように、使用者が押下式ボタン79を押し、押下式ボタン79はばね部材79bの付勢力に抗して下がって、回転体上に取り付けられた突起部71cに到達する。さらに、回転自在に軸支された板部材71bに立設した突起部71cを押下式ボタン79の押圧部材79cの裏面で押下することにより、今度は両側の弾性体62Aの付勢力に抗して接続部71Aを柱状部材71a、71aと共に途中まで回転させる。
【0155】
続いて、図24(c)に示すように、押下式ボタン79を更に押下することで板部材71bの突起部71cを下降させて、両側の弾性体62Aの付勢力に抗して接続部71Aを柱状部材71a、71aと共に、柱状部材71a、71aが弾性体62Aの端面中央の半円状の切れ込み部62cに嵌合するまで回転させる。弾性体62Aの切れ込み部分と柱状部材が嵌合して回転体の接続部71Aが一旦、保持される。このとき、弾性体62Aの湾曲部Eは、弾性体62Aが最大伸長したときに鞘部材8と当て部材9と間で幅が狭くなった部分に形成され、カメラモジュール4,5の直下のカメラモジュール4,5の中心位置よりも各外側で湾曲してカメラモジュール4,5の背面を湾曲部Eが押圧してカメラモジュール4,5の立体視野範囲を手前側に移動させる。これによって、被写体Aが撮影者に近づいてきたときなどでも、立体視野範囲を手前側に移動させて立体視野画像を継続して撮影することができる。
【0156】
その後、図24(d)に示すように、押下式ボタン79を更に押下して回転体の接続部71Aを回転させ、弾性体62Aの半円状の切れ込み部分62cと柱状部材71a,71aとの嵌合が外れて、回転体の接続部71Aは、両側からの弾性体62Aの付勢力によって更に1/4回転して最初と同じ状態に戻る。このように、押下式ボタン79を押して、回転体の接続部71Aを回転させ続けると、半円状の切れ込み部分62cと柱状部材71a,71aとの嵌合が外れて、回転体は全部で半回転して二つ目の突起部71cが上の位置に来る。
【0157】
図25(a)は、図20(a)で前述した弾性体6の具体例6を模式的に示す平面図、図25(b)はその弾性体6の具体例7を示す単体の平面図である。
【0158】
図25(a)に示すように、端縁部中央に半円状の切れ込み部62cが形成された弾性体62Aを両側に用いて、上記接続部71Aを回転させる駆動方法の具体例7について説明したが、これは、弾性体62Aの端縁部の幅方向中央部に切れ込み部62cを一つ設ける場合であるが、これに限らず、図25(b)に示すように、端縁部に切れ込み部62cを複数設けてカメラモジュール4,5の内旋の角度を所定の角度に複数保持することができる。弾性体62Aの端縁部中央に切り込み部62cを設けると、カメラモジュール4,5の内旋する角度はほぼ最大値で保持される。また、その途中に切れ込み部62cを設けると、内旋する角度はその最大値までの所定角度で保持される。この場合、押下式ボタン79を押下して柱状部材71a、71aと半円状の切れ込み部62cとが嵌合した時点で押下式ボタン79の押下を止める必要がある。
【0159】
弾性体62Aは、当て部材9に当接する先端部とは反対側の端縁部に一の切り込み部62cが設けられ、一の切り込み部62cは端縁部の幅方向中央部に設けられ、一対の弾性体62Aの間に介装される接続部71または71Aの回動中心を点対称とした、互いに対向する弾性体62Aの端部に設けられている。
【0160】
弾性体62Bは、当て部材9に当接する先端部とは反対側の端縁部に二つの切り込み部62が設けられ、一の切り込み部62cは端縁部の幅方向中央部に設けられ、他の切り込み部62cは、一の切り込み部62cに加えて、一対の弾性体63Aの間に介装される接続部71または71Aの回動中心を点対称とした、互いに対向する弾性体62Aの端部に設けられている。
【0161】
要するに、弾性体6は、当て部材9に当接する先端部とは反対側の端縁部に一または複数の切り込み部62cが設けられていてもよく、一の切り込み部62cは端縁部の幅方向中央部に設けられ、その他の複数の切り込み部62cは、一の切り込み部に加えて、一対の弾性体62Aの間に介装される接続部71または71Aの回動中心を点対称とした、互いに対向する弾性体62Aの端部に設けられていればよい。いずれにせよ、複数の切り込み部62cは全て、一対の弾性体62Aの間に介装される接続部71または71Aの回動中心を点対称とした位置に設けられていればよい。
【0162】
以上により、本実施形態4によれば、接続部72および76〜78を外部から手動または電動で接続部71、71A、72および76〜78を容易に回転させることができてより安定化して弾性体62に押圧力を伝達することができ、カメラモジュール4,5を弾性体62の湾曲部により押圧することができる。これによって、被写体が近づいてきたときなど、立体視画像を継続して得るために、簡単な機構で素早い立体視撮像範囲の輻輳角の変更を実現することができ、輻輳角変更に専用のモータを用いないことから軽量化をも実現でき、手動で輻輳角を容易に変更することができる。
【0163】
(実施形態5)
上記実施形態1の当て部材91〜95では、弾性体6の先端部を所定方向の湾曲部側とは反対側に案内する掘り込み部や、所定方向の湾曲部側とは反対側への湾曲を防止する突起部を形成するようにし、上記実施形態1の弾性体61〜65では、弾性体61〜65が伸長したときに少なくとも鞘部材8と当て部材9と間の範囲内で湾曲部を形成し、弾性体61〜65は、その範囲内のうち湾曲部Eの形成が所定範囲になるように、湾曲部Eの所定形成範囲の厚さがそれ以外の部分よりも薄い薄板部、湾曲部Eの所定形成範囲の幅がそれ以外の部分よりも狭い幅狭部、湾曲部Eの所定形成範囲の2股形状部および湾曲部Eの所定形成範囲内の穴部の少なくともいずれかを有するように形成したが、本実施形態5では、弾性体6の湾曲がカメラモジュール4,5の実装側とは反対方向にできることを確実に防止するために逆湾曲防止用の突起部を設置する場合について説明する。
【0164】
図26は、本発明の実施形態5におけるステレオ撮像装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図であって、接続部7を回転させる前の状態を示す縦断面図である。なお、図26では、図2および図8の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の部材番号を付して説明する。
【0165】
図26において、ステレオ撮像装置1Gは、内部を保護するカメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、カメラモジュール4,5とを有し、押圧部材は、左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設された一対の弾性体6と、一対の弾性体6の間に介装されて一対の弾性体を右方向と左方向に移動させるための接続部7と、カメラ筐体2の底面2a(図8参照)上に設けられ、一対の弾性体6を一定区間上下に位置規制して一方向に案内する鞘部材8と、カメラ筐体2の底面2a(図8参照)上に設けられ、一対の弾性体6の各先端部が当接した後に一対の弾性体6を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9と、弾性体6が伸長したときに少なくとも鞘部材8と当て部材9と間の範囲内でカメラ筐体2の底面2a(図8参照)に立設された逆湾曲防止用の突起部12とを有する。
【0166】
接続部7が回転して弾性体6が伸長したときに少なくとも鞘部材8と当て部材9と間の範囲内で弾性体6に湾曲部が形成される。この湾曲部は、カメラモジュール4,5の中心軸よりも外側のカメラモジュール4,5の背面側から上方向に押圧してカメラモジュール4,5をそれぞれ内側に回動させ、立体視野領域を前方側に移動させることができる。
【0167】
この逆湾曲防止用の突起部12は、湾曲部の形成領域に対応して配置されている。突起部12の配置位置は、鞘部材8と当て部材9と間の範囲内であって、カメラモジュール4,5の中心軸よりも外側のカメラモジュール4,5の背面側の配置位置である。突起部12の高さは、鞘部材8から突出した弾性体6の先端部の高さ位置である。あまり低すぎると、逆湾曲防止効果が期待できず、突起部12の高さが弾性体6の先端部の高さよりも高いと、弾性体6の先端部が上を向いて湾曲部が下方にできようとするため好ましくない。よって、突起部12の高さは、鞘部材8から突出した弾性体6の先端部の高さ位置であるかまたはそれよりも若干低い程度が好ましい。要するに、逆湾曲防止用の突起部12の高さは、鞘部材8から突出する弾性体6の先端部の高さ位置と等しい高さであるかまたは、これよりも低い高さであって逆方向の湾曲部が突起部12に当たって反転可能とする高さである。
【0168】
弾性体6の湾曲部が下方にできかけたとしても、上記構成の逆湾曲防止用の突起部12に湾曲部が当接して上方向に反転して、湾曲部が正規の上方向に形成される。これによって、弾性体6の湾曲がカメラモジュール4,5の実装側とは反対方向にできることを確実に防止することができる。
【0169】
以上により、本実施形態5によれば、弾性体6の湾曲部が下方にできかけても、突起部12に湾曲部の頂分が押されて反転するため、湾曲部が正規の上方向に確実に形成される。これによって、より安定して弾性体62の湾曲部がカメラモジュール4,5の裏面に押圧力を伝達することができ、カメラモジュール4,5を弾性体6の湾曲部により確実に押圧することができる。これによって、被写体が近づいてきたときなど、立体視画像を継続して得るために、簡単な機構で素早い立体視撮像範囲の輻輳角の変更を実現することができ、輻輳角変更に専用のモータを用いないことから軽量化をも実現でき、手動で輻輳角を容易に変更することができる。
【0170】
(実施形態6)
上記実施形態1〜5では、カメラモジュール4,5の裏面を弾性体6の湾曲部で押圧してフレキシブル基板3の弾性に抗してカメラモジュール4,5をフレキシブル基板3と共に内側に曲げて立体視野領域を手前側に移動させ、弾性体6の湾曲部が解除されたときにフレキシブル基板3の弾性によってカメラモジュール4,5を元に位置に復帰させるように構成したが、本実施形態6では、これに加えて、カメラモジュール4,5の原点復帰ばねを設けた場合について説明する。
【0171】
図27は、本発明の実施形態6におけるステレオ撮像装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図であって、接続部7を回転させる前の状態を示す縦断面図である。なお、図27では、図2および図8の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の部材番号を付して説明する。
【0172】
図27において、ステレオ撮像装置1Hは、内部を保護するカメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、カメラモジュール4,5とを有し、押圧部材は、左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設された一対の弾性体6と、一対の弾性体6の間に介装されて一対の弾性体を右方向と左方向に移動させるための接続部7と、カメラ筐体2の底面2a(図8参照)上に設けられ、一対の弾性体6を一定区間上下に位置規制して一方向に案内する鞘部材8と、カメラ筐体2の底面2a(図8参照)上に設けられ、一対の弾性体6の各先端部が当接した後に一対の弾性体6を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9と、カメラモジュール4,5をフレキシブル基板3と共に元の位置に復帰させるための原点復帰ばね13とを有する。
【0173】
原点復帰ばね13は、カメラ筐体2の天面とフレキシブル基板3の両端部間のそれぞれに圧縮ばねとして配置されている。フレキシブル基板3の両端部に取り付けられる原点復帰ばね13の配置位置は、カメラモジュール4,5が固定されたフレキシブル基板3とその端面との間である。カメラモジュール4,5が内旋しているときは、弾性体6の湾曲部によりカメラモジュール4,5の裏面がそれぞれ押されているが、弾性体6の湾曲部が解除されると、フレキシブル基板3のばね性と原点復帰ばね13のばね性により、カメラモジュール4,5はそれぞれ原点(元の水平位置)に復帰するように構成されている。
【0174】
以上により、本実施形態6によれば、弾性体6の湾曲部によりカメラモジュール4,5が内旋し、弾性体6の湾曲部の解除によってフレキシブル基板3のばね性と原点復帰ばね13のばね性により、カメラモジュール4,5をそれぞれ原点(元の水平位置)に確実かく精度よく復帰させることができる。これによって、被写体が近づいてきたときなど、立体視画像を継続して得ると共に、被写体が撮影位置から離れたときにも、簡単な機構で素早い立体視撮像範囲の輻輳角の変更を実現することができ、輻輳角変更に専用のモータを用いないことから軽量化をも実現でき、手動で輻輳角を容易に変更することができる。
【0175】
なお、上記実施形態5、6では特に説明しなかったが、上記実施形態5、6を共に有していてもよい。
【0176】
即ち、ステレオ撮像装置は、内部を保護するカメラ筐体2と、フレキシブル基板3と、カメラモジュール4,5とを有し、押圧部材は、左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設された一対の弾性体6と、一対の弾性体6の間に介装されて一対の弾性体を右方向と左方向に移動させるための接続部7と、カメラ筐体2の底面2a(図8参照)上に設けられ、一対の弾性体6を一定区間上下に位置規制して一方向に案内する鞘部材8と、カメラ筐体2の底面2a(図8参照)上に設けられ、一対の弾性体6の各先端部が当接した後に一対の弾性体6を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9と、弾性体6が伸長したときに少なくとも鞘部材8と当て部材9と間の範囲内でカメラ筐体2の底面2a(図8参照)に立設された逆湾曲防止用の突起部12と、カメラモジュール4,5をフレキシブル基板3と共に元の位置に復帰させるための原点復帰ばね13とを有する。
【0177】
このようにして、左右一対のカメラモジュール4,5の裏面を弾性体6の湾曲部で押圧してフレキシブル基板3の弾性に抗して左右一対のカメラモジュール4,5をフレキシブル基板3と共に内側に曲げて立体視野領域を手前側に移動させ、弾性体6の湾曲部が解除されたときにフレキシブル基板3の弾性および、左右一対のカメラモジュール4,5をフレキシブル基板3と共に元の位置に復帰させるための原点復帰ばね13の弾性により、左右一対のカメラモジュール4,5を元の位置に復帰させるように構成されている。
【0178】
(実施形態7)
上記実施形態1〜6では、カメラモジュール4,5をカメラ筐体2から一部を露出させて構成したが、本実施形態7では、薄型(低背型)のカメラモジュール4,5を用いることで、後述するカメラ筐体2A内にカメラモジュール4,5を格納してしまう場合について説明する。
【0179】
図28は、本発明の実施形態7におけるステレオ撮像装置の要部構成例を模式的に示す縦断面図であって、(a)は接続部7を回転させる前の状態を示す縦断面図、(b)は接続部7を途中まで回転させた状態を示す図、(c)は接続部7をいっぱいまで回転させた状態を示す図である。なお、図28では、図2および図8の構成部材と同一の作用効果を奏する構成部材には同一の部材番号を付して説明する。
【0180】
図28(a)において、ステレオ撮像装置1Jは、内部を保護するカメラ筐体2Aと、カメラ筐体2A内にフレキシブル基板3と薄型(低背型)のカメラモジュール4,5とを収容しており、押圧部材は、薄型(低背型)の左右一対のカメラモジュール4,5とフレキシブル基板3の下方に配設された一対の弾性体6と、一対の弾性体6の間に介装されて一対の弾性体を右方向と左方向に移動させるための接続部7と、カメラ筐体2の底面2a(図8参照)上に設けられ、一対の弾性体6を一定区間上下に位置規制して一方向に案内する鞘部材8と、カメラ筐体2の底面2a(図8参照)上に設けられ、一対の弾性体6の各先端部が当接した後に一対の弾性体6を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材9とを有している。
【0181】
上記実施形態1〜6では、左右一対のカメラモジュール4,5をカメラ筐体2から少なくともカメラレンズ部が露出されていたが、本実施形態7では、薄型(低背型)の左右一対のカメラモジュール4,5がカメラ筐体2内に収容されて、カメラ筐体2の透明窓部2bに対応してカメラモジュール4,5のカメラレンズ部が配置されている。
【0182】
上記構成により、まず、図28(a)に示す接続部7を回動させる前の状態から接続部7を回動させて、図28(b)に示すように、接続部7の外周部が一対の弾性体6を外側に押圧して移動させ、各弾性体6の先端は当て部材9に到達する。当て部材9に当接した弾性体6の先端部は行き場を失って上に突状に湾曲する。
【0183】
続いて、図28(c)に示すように、接続部7はいっぱいまで回動して、接続部7の外周部が一対の弾性体6を外側に更に押し広げて、各弾性体6の先端は当て部材9で止められて上に突状に更に湾曲する。その結果、弾性体6の湾曲部が薄型(低背型)のカメラモジュール4,5の裏面側を押し上げて、カメラ筐体2内で薄型(低背型)のカメラモジュール4,5は互いに内側に回動させることができる。被写体Aが手前側に移動して立体視領域を示す輻輳範囲を被写体Aが外れても、立体視領域を示す輻輳範囲を手前方向に移動させて被写体Aを輻輳範囲内に入れることができる。これによって、被写体Aの立体視画像を撮像し続けることができる。
【0184】
以上により、本実施形態7によれば、カメラ筐体2内で弾性体6の湾曲部によりカメラモジュール4,5が内旋することから、カメラモジュール4,5をカメラ筐体2が保護することができる。これによって、被写体が近づいてきたときなど、立体視画像を継続して得ると共に、被写体が撮影位置から離れたときにも、簡単な機構で素早い立体視撮像範囲の輻輳角の変更を実現することができ、輻輳角変更に専用のモータを用いないことから軽量化をも実現でき、手動で輻輳角を容易に変更することができる。
【0185】
なお、本実施形態7において、特に説明しなかったが、上記実施形態5の逆湾曲防止用の突起部12と記実施形態6の原点復帰ばね13とのうちの少なくともいずれかを有することができる。
【0186】
(実施形態8)
本実施形態8の電子情報機器は、上記実施形態1〜7のステレオ撮像装置と、このステレオ撮像装置からのカラー3D画像信号またはカラー2D画像信号を記録用に所定の信号処理した後にデータ記録可能とする記録メディアなどのメモリ部と、このステレオ撮像装置からのカラー3D画像信号またはカラー2D画像信号を表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示可能とする液晶表示装置などの表示部と、このステレオ撮像装置からのカラー3D画像信号またはカラー2D画像信号を通信用に所定の信号処理をした後に通信処理可能とする送受信装置などの通信部と、このステレオ撮像装置からのカラー3D画像信号またはカラー2D画像信号を印刷用に所定の印刷信号処理をした後に印刷処理可能とするプリンタなどの画像出力部とを有している。なお、この電子情報機器として、これに限らず、ステレオ撮像装置の他に、メモリ部と、表示部と、通信部と、プリンタなどの画像出力部とのうちの少なくともいずれかを有していてもよい。
【0187】
この電子情報機器としては、前述したように例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラ、ドアホンカメラ、車載用後方監視カメラなどの車載用カメラおよびテレビジョン電話用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、カメラ付き携帯電話装置および携帯端末装置(PDA)などの画像入力デバイスを有した電子機器が考えられる。
【0188】
したがって、本実施形態8によれば、このステレオ撮像装置からのカラー3D画像信号またはカラー2D画像信号に基づいて、これを表示画面上に良好に表示したり、これを紙面にて画像出力部により良好にプリントアウト(印刷)したり、これを通信データとして有線または無線にて良好に通信したり、これをメモリ部に所定のデータ圧縮処理を行って良好に記憶したり、各種データ処理を良好に行うことができる。
【0189】
なお、本実施形態1〜7では、特に説明しなかったが、カメラ筺体2内に設けられたフレキシブル基板3と、フレキシブル基板3上に実装された左右一対のカメラモジュール4,5と、立体視野領域の輻輳角を変更するべく、カメラモジュール4,5の後ろへの押圧力を変えてカメラモジュール4,5を互いに内側または外側に向ける押圧部材とを有することにより、輻輳角を変更する機能に絞ることにより簡単な機構で素早い輻輳角の変更を実現でき、ひいては軽量化をも実現でき、手動でも輻輳角を容易に変更することができる本発明の目的を達成することができる。
【0190】
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜8を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜8に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜8の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0191】
本発明は、立体視のステレオ画像を撮像可能とすると共に単体での撮像を可能とするステレオ撮像装置および、このステレオ撮像装置を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、カメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の分野において、輻輳角を変更する機能に絞ることにより簡単な機構で素早い輻輳角の変更を実現でき、ひいては軽量化をも実現でき、手動でも輻輳角を容易に変更することができる。
【符号の説明】
【0192】
1、1A〜1J ステレオ撮像装置
2 カメラ筺体
2a 底面
2b 透明窓部
3 フレキシブル基板
4、5 カメラモジュール
6、61〜65、62A,62B 弾性体
61a 厚い弾性体
61b 薄い部分(薄板部)
62a 通常幅部分
62b 幅が狭い部分
62c 切れ込み部分
63a 通常幅部分
63b 幅が狭いくびれた部分
63c 先端部分
64b 二股形状の幅が狭い部分
65b 4角穴
7、71〜78 接続部
71b、72b 板部材
71a 柱状部材
75b 円板部材
75a クランク部材
76c レバー部材
77c 段差部
77d 歯止め部材
78c モータ
78d ギヤ
78b 板部材
8 鞘部材
9、91〜95 当て部材
91a、92a 掘り込み部
93a,94a リブ
95a 円形突起部
10 回転軸
11 フレキシブル基板押さえ部材
12 逆湾曲防止用の突起部
13 原点復帰ばね
A 被写体
θ 輻輳角
E 湾曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体視のステレオ画像を撮像可能とするステレオ撮像装置において、
カメラ筺体内に設けられたフレキシブル基板と、該フレキシブル基板上に実装された一対のカメラモジュールと、立体視野領域の輻輳角を変更するべく、該カメラモジュールの後ろへの押圧力を変えて該カメラモジュールを互いに内側または外側に回動させる押圧部材とを有するステレオ撮像装置。
【請求項2】
前記押圧部材は、長尺の弾性体で構成され、該弾性体が撓んで湾曲する湾曲部により前記一対のカメラモジュールの背面を、該一対のカメラモジュールを回動させるように押圧するかまたは該押圧を解除して該一対のカメラモジュールを元の位置に復帰させる請求項1に記載のステレオ撮像装置。
【請求項3】
前記押圧部材は、前記左右一対のカメラモジュールと前記フレキシブル基板の下方に配設された一対の弾性体と、該一対の弾性体の間に介装されて該一対の弾性体を一方向とその逆方向にそれぞれ移動させるための接続部と、該一対の弾性体をそれぞれ一定区間上下に位置規制して一方向およびその逆方向に案内する鞘部材と、該一対の弾性体の各先端部が当接した後に該一対の弾性体を所定方向に湾曲させるように案内する当て部材とを有する請求項1または2に記載のステレオ撮像装置。
【請求項4】
前記接続部を回動させることにより前記一対の弾性体を一方向およびその逆方向に移動させ、前記鞘部材と前記当て部材の間で前記一対のカメラモジュール側にそれぞれ前記一対の弾性体をそれぞれ湾曲させて該一対のカメラモジュールの背面を押圧する湾曲部を作る請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項5】
前記当て部材には、前記弾性体の先端部を前記所定方向の湾曲部側とは反対側に案内する掘り込み部が形成されている請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項6】
前記当て部材は、前記弾性体が上に凸形状に湾曲した場合に、該弾性体の先端部の高さ位置よりも上方ほど浅くなった前記掘り込み部により前記弾性体の湾曲部分を逃がすように構成されている請求項5に記載のステレオ撮像装置。
【請求項7】
前記当て部材は、前記弾性体の先端部の高さ位置に対応して該弾性体の先端部を下から受けるように所定高さの突起部が形成されている請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項8】
前記弾性体は、該弾性体が伸長したときに少なくとも前記鞘部材と前記当て部材と間の範囲内で湾曲部が形成されるように構成されている請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項9】
前記弾性体は、前記範囲内のうち前記湾曲部の形成が所定範囲になるように、該湾曲部の所定形成範囲の厚さがそれ以外の部分よりも薄い薄板部、該湾曲部の所定形成範囲の幅がそれ以外の幅よりも狭い幅狭部、該湾曲部の所定形成範囲の2股形状部および該湾曲部の所定形成範囲内の一または複数の穴部のうちの少なくともいずれかを有する請求項8に記載のステレオ撮像装置。
【請求項10】
前記弾性体は、前記当て部材に当接する先端部とは反対側の端縁部に一または複数の切り込み部が設けられ、一の切り込み部は該端縁部の幅方向中央部に設けられ、該複数の切り込み部は、該一の切り込み部に加えて、前記一対の弾性体の間に介装される接続部の回動中心を点対称とした、互いに対向する該一対の弾性体の端縁部に設けられている請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項11】
前記接続部は、対向した一対の板部材が平面視で上下に重なって回動自在に軸支されており、該一対の板部材の回転中心から等間隔の位置に該2枚の板部材の間隔を支持する一対の柱状部材が設けられ、該一対の板部材を平面視で回動させることによりその間の該一対の柱状部材が前記一対の弾性体の各端面を押圧するように構成されている請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項12】
前記接続部は、前記柱状部材を外嵌する断面円形の管部材を有する請求項11に記載のステレオ撮像装置。
【請求項13】
前記接続部は、外形が平面視楕円形状で厚板部材に構成され、平面視で回動自在に軸支され、該厚板部材を平面視で回動させることにより該厚板部材の側面でカム状に前記一対の弾性体の各端面を押圧するように構成されている請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項14】
前記厚板部材の側面にはその外周に沿って、前記弾性体の端面縁部が嵌合して当接可能とする溝が形成されている請求項13に記載のステレオ撮像装置。
【請求項15】
前記接続部は、外形が平面視円形または楕円形状で板部材に構成され、該板部材は平面視で回動自在に軸支され、該板部材と前記一対の弾性体の端縁部とが各クランク部材をそれぞれ介して連結されている請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項16】
前記接続部を手動または電動で回動させて、前記一対の弾性体を一方向とその逆方向にそれぞれ移動させる請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項17】
前記接続部の外周面に外部から操作が可能なギアが設けられ、該ギアに歯合して複数箇所で該接続部の回転位置を保持可能とする歯止め部材が設けられた請求項16に記載のステレオ撮像装置。
【請求項18】
指で押下するためのボタン部材と、該ボタン部材の端面側に固定され、前記板部材に立設した突起部を押圧するための押圧部材と、中央部に該ボタン部材が通され、その上端部が筐体に固定され、その下端部が該ボタン部材と該押圧部材の接続部で固定されて上方向に付勢するばね部材とが設けられた押下式ボタンをさらに有する請求項11に記載のステレオ撮像装置。
【請求項19】
前記一対のカメラモジュールの各上下方向の中心軸よりもそれぞれ外側に対応する位置に、前記弾性体の逆方向の湾曲部を反転させるための逆湾曲防止用の突起部をそれぞれ有している請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項20】
前記逆湾曲防止用の突起部の高さはそれぞれ、前記鞘部材から突出する前記一対の弾性体の各先端部の高さと等しい高さであるかまたは、これよりも低い高さであって前記逆方向の湾曲部が該突起部に当たって反転可能とする高さである請求項19に記載のステレオ撮像装置。
【請求項21】
前記一対のカメラモジュールの背面を前記一対の弾性体の湾曲部でそれぞれ押圧して前記フレキシブル基板の弾性に抗して該一対のカメラモジュールを該フレキシブル基板と共に内側に曲げて立体視野領域を手前側に移動させ、該一対の弾性体の湾曲部がそれぞれ解除されたときに該フレキシブル基板の弾性により該一対のカメラモジュールを元の位置にそれぞれ復帰させるように構成されている請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項22】
前記一対のカメラモジュールをそれぞれ前記フレキシブル基板と共に元の位置に復帰させるための原点復帰ばねをそれぞれ有している請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項23】
前記一対のカメラモジュールの各上下方向の中心軸よりも外側に対応する位置に、前記一対の弾性体の逆方向の湾曲部を反転させるための逆湾曲防止用の突起部と、該一対のカメラモジュールをそれぞれ前記フレキシブル基板と共に元の位置に復帰させるための原点復帰ばねとを更に有している請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項24】
前記一対のカメラモジュールの背面を前記一対の弾性体の湾曲部でそれぞれ押圧して前記フレキシブル基板の弾性に抗して該一対のカメラモジュールを該フレキシブル基板と共に内側に曲げて立体視野領域を手前側に移動させ、該一対の弾性体の湾曲部が解除されたときに該フレキシブル基板の弾性および、該一対のカメラモジュールを該フレキシブル基板と共に元の位置に復帰させるための原点復帰ばねの弾性により、該一対のカメラモジュールを元の位置に復帰させるように構成している請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項25】
前記一対のカメラモジュールをカメラ筐体から少なくともカメラレンズ部が露出されている請求項1に記載のステレオ撮像装置。
【請求項26】
前記一対のカメラモジュールがカメラ筐体内に収容されて、該カメラ筐体の透明窓部に対応してカメラレンズ部が配置されている請求項1に記載のステレオ撮像装置。
【請求項27】
前記一対のカメラモジュールはそれぞれ単体での撮像を可能とする請求項1に記載のステレオ撮像装置。
【請求項28】
前記接続部の回動により前記弾性体が変形し、前記一対のカメラモジュールはそれぞれ、該弾性体の変形により互いに内側または外側に回動されるようになっている請求項3に記載のステレオ撮像装置。
【請求項29】
請求項1〜28のいずれかに記載のステレオ撮像装置を画像入力デバイスとして撮像部に用いた電子情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2013−92588(P2013−92588A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233441(P2011−233441)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】