説明

ステント保持力を向上させるための接着ポリマー

ステントが搭載されているカテーテルから意図せずにステントが外れることがないようにするための1種又は複数種の接着ポリマーを含有するコーティングを備えるステント。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の背景]
[発明の分野]
本発明は全般に、カテーテルバルーンからの意図しないステント脱離を防止するための接着材の使用に関する。
【0002】
[背景の説明]
経皮的冠動脈形成術(PCI)は、心臓疾患治療のための手技である。バルーン部を有するカテーテル組立体を、上腕又は大腿動脈経由で患者の心血管系中に経皮的に導入する。カテーテル組立体は、バルーン部が閉塞病変部全体に配置されるまで、冠動脈を通して進められる。病変部全体に配置したら所定の大きさにバルーンを膨らませ、病変部のアテローム硬化性プラークに対し放射状に加圧して、内腔壁を再構築する。その後、カテーテルを患者の血管系から回収するためにバルーンの空気を抜き外形を小さくする。
【0003】
内腔の開存性を維持し、剥離内膜又は裂けた内層が崩壊することにより引き起こされる血管の部分的又は完全閉塞を軽減又は防止し、又、再狭窄及び血栓症発生の確率を減少させるために、バルーン療法に合わせてステントを移植することができる。ステント療法は、薬剤の局所送達の手段として使用することもできる。例えば、ステントは、薬剤を含有する貯蔵部又はチャネルを含むことができる。ステントは、薬剤局所放出用の薬剤を含有するポリマーコーティングを含むこともできる。
【0004】
ステントは畳んだ状態とし、カテーテルバルーンを覆って配置又は搭載される。地金ステント(bare metal stent)及びポリマーコーティングステントのいずれも、治療部位でのステント配置前にバルーンから脱離する可能性がある。コーティングの有無にかかわらず、生体吸収性ポリマー製のステントも同様に脱離の問題を抱えている可能性がある。地金ステントよりポリマーコーティングの方がバルーン表面上に生じる摩擦が少ない場合、又はポリマーが「滑りやすい」性質であるか若しくは体液に曝されると「滑りやすい」状態になる場合には、ステントの脱離はさらに大きな問題となる。意図しない脱離を防止する一方法は、ステントを所定の場所に物理的に保持する目的でバルーン上に機械的な襞又は爪を設けることによる方法である。ステントを所定の場所に保持するため、当業者により多様なステント圧着法も提案されてきており、その例としてはさまざまな温度を使用する2段階圧着法(crimping procedures)などがある。バルーンの設計形状を変更したりステント−バルーンを厳密に結合させるプロセスを施したりすることは高価で時間がかかる可能性があり、又、場合によってはステント上のポリマーコーティングに損傷をきたす恐れがある。そのような損傷が原因で生じるコーティングの不具合により、生体に副作用が及ぶ可能性がある。
【0005】
本発明の実施形態は、これらの問題に対処する方法を提供するものである。
【0006】
[発明の概要]
本発明で提供するのは、カテーテルバルーンへの接着性を高める接着ポリマーを使用してステント保持力を向上させるプロセスである。一部の実施形態では、本プロセスは、ステントの基礎コーティングを覆うトップコートとして相当な量の接着ポリマーを含有する層を形成することを含む。一部の実施形態では、接着ポリマーをステント上のコーティング層中に含ませることができるが、意図しない脱離を防止するという目的機能を果たすためには、相当な量で存在させる必要がある。接着ポリマーのトップコート又は接着ポリマーを含むコーティングは、コンフォーマル(conformally)に、又はステントの内腔表面上だけに、カテーテルバルーンと接触するように施すことができる。ステントの基礎コーティングはその他の材料の層を1層又は複数層含み得るが、その層は接着ポリマーを含んでも含まなくてもよい。そのように形成されたコーティング構造は、ステント配置前にステントがカテーテルから脱離することにならないだけの十分な保持力を有する。一部の実施形態では、同様な所望効果を達成するため、ステント上に接着ポリマーを使用せず、又はステント上での接着ポリマーの使用に加えて、カテーテルバルーンを覆うコーティングとして接着ポリマーを塗布することができる。
【0007】
ステントは、金属製、生分解性、又は非分解性ステントとすることができる。ステントは神経血管系、頚動脈、冠動脈、肺、大動脈、腎臓、胆管、腸骨、大腿、膝窩の血管構造、又はその他の末梢血管構造を対象とすることができる。ステントは、アテローム硬化症、血栓症、再狭窄、出血、血管の解離又は穿孔、動脈瘤、不安定プラーク、慢性の完全閉塞、跛行、静脈及び人工移植片に対する吻合性増殖、胆管閉塞、尿管閉塞、若しくは腫瘍閉塞などの疾患を治療、予防、又は改善するために使用することができる。
【0008】
[詳細な説明]
本発明で提供するのは、カテーテルバルーンへの接着性を高める接着ポリマーを使用してステント保持力を向上させるプロセスである。カテーテルバルーンは当業者には非常によく知られている。一部又は全ての実施形態では、ステントの少なくとも内表面に接着ポリマーを相当な量で塗布する。一部の実施形態では、接着ポリマーはステント上のコーティング中に含まれるポリマーにブレンドされ、組み合わされ、混合され、複合化され、又は化学結合される。こうした結合は、ポリマーの骨格又はペンダント基への結合でもよい。一部の実施形態では、表面結合が好ましい。これらの実施形態では、接着ポリマーは、その目的機能を果たすために相当な量で存在し、及び/又はその目的機能が達成されるようにコーティングの外表面上に大部分が存在する必要がある。一部の実施形態では、ステントの基礎コーティングを覆うトップコートとして相当な量の接着ポリマーを含有又は含む層を形成することがプロセスに含まれる。ステントの基礎コーティングはその他の材料の層を1層又は複数層含み得るが、その層は接着ポリマーを含んでも含まなくてもよい。一部の実施形態では、バルーンの表面は接着ポリマーを含んだ相当な量の層でコーティングすることができる。このバルーンコーティングは、ステント側での接着ポリマーの使用に代えて、又はそれと併せて使用することができる。そのように形成されるコーティング構造は、ステント配置の前にステントがカテーテルから意図せずに脱離することにならないだけの十分な保持力を有する。
【0009】
ステント配置とは、当業者には理解されているように、カテーテルバルーンの拡張又は膨張プロセスの開始を意味する。したがって、バルーン上へのステントの搭載又は圧着、並びに治療必要部位へのカテーテル上のステントの誘導後に、ステントが意図せずに脱離することはない。
【0010】
意図しない脱離とは、バルーン上へのステントの圧着又は搭載後であって、バルーンの膨張又は拡張の開始前に、ステントが直線方向(バルーン上で後方及び/又は前方に滑る)及び/又は放射状方向(バルーンに対して回転する)に3mm未満、2mm未満、1mm未満、0.5mm未満、0.25mm未満、0.2mm未満、0.15mm未満、0.1mm未満、0.05mm未満、0.025mm未満、0.01mm未満、又は0.001mm未満移動することを意味する。好ましくは、この移動は1mm未満に制限されるべきである。さらに好ましくは、この移動は0.5mm未満に制限されるべきである。最も好ましくは、この移動は0.25mm未満、0.2mm未満、又は0.15mm未満に制限されるべきである。
【0011】
本明細書で使用する場合、「相当な量」という用語は、コーティング層又はトップコート層を形成する材料の総量の20%程度又は超、50%程度又は超、60%程度又は超、70%程度又は超、75%程度又は超、80%程度又は超、85%程度又は超、90%程度又は超、95%程度又は超、或いはおよそ100%を意味する。例えば、接着材がステント用コーティング層中で使用されトップコート層としては使用されていない場合、接着材の量は、コーティング層中で例えば90質量%超とすることができる。
【0012】
一部の実施形態では、「接着ポリマー」という用語は、本明細書中で使用する場合、(1)約25℃と約45℃の間のガラス転移温度を有し、及び/又は(2)バルーン材料中の水素結合性基と相互作用することができる水素結合性基を有する、ポリマーを指す。又、ポリマーを含有するコーティングとカテーテルバルーン間の接着相互作用は、コーティングの機械的完全性が損なわれるほどには大きくすることができない。
【0013】
本明細書で使用する場合、Tは一般に、ポリマーのアモルファス領域が、脆いガラス状態から塑性状態に大気圧下で変化するときの温度を指す。言い換えれば、Tは、ポリマー鎖内でセグメント運動開始が生じる温度に相当し、ポリマーについての熱容量対温度のグラフ中で識別可能である。アモルファスポリマー又は半結晶ポリマーを加熱すると、温度が上昇するにつれ当該ポリマーの膨張係数及び熱容量がいずれも大きくなり、分子運動が活発化したことを示す。温度が上昇してもサンプルの実際のモル体積は一定に保たれる。したがって、膨張係数が大きいということは、当該系の自由体積が増加し、分子の動きの自由度が増加したことを示している。
【0014】
本明細書に記載の接着ポリマーとして有用なポリマーは、カルボキシル、カルボキシレート、アミン、アミド、ホスホリル、リン酸、スルホン酸、硫酸、OH、SHなどの水素結合性基を有する任意の生体適合性ポリマー、又はその組合せであってよい。このような生体適合性ポリマーは、カルボキシル、アミン、アミド、ホスホリル、リン酸、スルホン酸、硫酸、OH、又はSH基を含有するモノマーから作製することができ、ホモポリマーでもコポリマーでもよい。
【0015】
代表的な接着ポリマーをいくつか挙げると、ポリ(エステルアミド)(PEA)、ポリ酸無水物、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)などのポリ酸、ポリ(ビニルアルコール)、及びその組合せがあるが、限定されない。本発明の一部の実施形態では、接着ポリマーは前述のポリマーのいずれか1つを特に除外することができるという条件が与えられている。
【0016】
一部の実施形態では、接着ポリマーはPEAである。PEAは、骨格中に少なくとも1種のエステル基及び少なくとも1種のアミド基を有するポリマーを網羅している。一例は、スキームIに従って作製されるPEAポリマーである。その他のPEAポリマーは、米国特許第6503538B1号明細書に記載されている。PEAポリマーの例としては二塩基酸、ジオール、及びアミノ酸のサブユニットが挙げられ、例えばコポリ{[N,N’−セバコイルビス(L−ロイシン)−1,6−ヘキシレンジエステル]−[N,N’−セバコイル−L−リジンベンジルエステル]}(PEA−Bz)及びコポリ{[N,N’−セバコイルビス(L−ロイシン)−1,6−ヘキシレンジエステル]−[N,N’−セバコイル−L−リジン−4−アミノ−TEMPOアミド]}(PEA−TEMPO))があり、これらはそれぞれ約23℃及び33℃のTを有する。
【0017】
【化1】

【0018】
PEAポリマーは、特に、二塩基酸、ジオール、ジアミン、及びアミノ酸を利用した縮重合により作製することができる。例示的なPEA作製法が米国特許第6503538B1号明細書にいくつか記載されている。
【0019】
接着ポリマーは、単独で使用しても1種又は複数種のその他の生体適合性ポリマーと併用してもよい。その他のポリマーと併用する場合、接着ポリマーの含量は、こうして形成されるコーティングが前述の接着要件を満たすように十分高くすべきである。さらに、接着ポリマーは、その目的機能を果たすため、コーティングの最外表面上に十分な量で存在することが必要となり得る。コーティングは、接着ポリマーとして有用性の異なるポリマーを含有してもよいが、コーティング中にそのようなポリマーが単に存在するだけでは、コーティングが前述の接着要件を満たすようにするには必ずしも十分ではない。接着ポリマーとして役立てるには、接着ポリマーとして有用性の異なるポリマーを、コーティングが接着要件を満たすのに十分な量のそのようなポリマー分子がコーティング表面に供給されるように、コーティング内部に分布させるべきである。即ち、なんら特定の理論により拘束されるわけではないが、主として、コーティング表面又はその近くに分布する接着ポリマー分子の存在により、コーティングは接着要件を満たす。或いは、接着ポリマーとして役立てるため、接着ポリマーとして有用性の異なるポリマーを、コーティングが接着要件を満たすように、その他のコーティング成分の性質を変化させるのに十分な濃度で存在させてもよい。
【0020】
接着ポリマーは、ステントをコーティングするために、場合によっては生体有益性材料及び/又は生物活性剤と併用することができる。一部の実施形態では、接着ポリマーは1種又は複数種の生体適合性ポリマーと併用することができ、生体適合性ポリマーは生分解性、生体吸収性、生体浸食性、非分解性、又は非生体吸収性ポリマーであってよい。生分解性、生体吸収性、及び生体浸食性は、特に断りがない限り互換的に使用される用語である。先に示したように、接着ポリマーは、その他のコーティング層の有無にかかわらずトップコートとしてステント上にコーティングすることができる。トップコートは、生物活性剤又は薬剤を含む層でも含まない層でもよい。その他の層は、薬剤又は生物活性剤を含むことができる。一実施形態では、接着ポリマーは、トップコート中及び薬剤マトリックスコーティング層中の両方で、別の生体適合性ポリマーと一緒に又は単独で使用することができる。
【0021】
ステントは金属製でもポリマー製でもよく、生分解性でも非分解性でもよい。ステントは、神経血管系、頚動脈、冠動脈、肺、大動脈、腎臓、胆管、腸骨、大腿、膝窩の血管構造、又はその他の末梢血管構造を対象とすることができる。ステントは、アテローム硬化症、血栓症、再狭窄、出血、血管の解離若しくは穿孔、動脈瘤、不安定プラーク、慢性の完全閉塞、跛行、静脈及び人工移植片に対する吻合性増殖、胆管閉塞、尿管閉塞、又は腫瘍閉塞などの疾患を治療又は予防するために使用することができる。
【0022】
本明細書に記載の接着ポリマーと併用できる生体適合性ポリマー及び/又は生体有益性材料のいくつかの例としては、エチレンビニルアルコールコポリマー(一般名EVOH又は商品名EVALとして公知である)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ酪酸−co−吉草酸)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、ポリシアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリイソブチレン及びエチレンとα−オレフィンのコポリマー、アクリルのポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニルなどハロゲン化ビニルのポリマー及びコポリマー、ポリビニルメチルエーテルなどのポリビニルエーテル、Solef(商標)又はKynar(商標)の商品名のフッ化ビニリデン系のホモ又はコポリマー、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリ(ビニリデン−co−ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF−co−HFP)、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン化ポリビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリスチレンなどのポリビニル芳香族、ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステル、エチレン−メタクリル酸メチルコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂、エチレン−酢酸ビニルコポリマーなどのビニルモノマー同士及びオレフィンとのコポリマー、Nylon66及びポリカプロラクタムなどのポリアミド、アルキド樹脂、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテル、ポリ(セバシン酸グリセリル)、ポリ(フマル酸プロピレン)、エポキシ樹脂、ポリウレタン、レーヨン、レーヨントリアセテート、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロハン、硝酸セルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、及びカルボキシメチルセルロース、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)のコポリマー、又はその組合せが挙げられるが、限定されない。又、接着ポリマーは、層構造中に存在させるか、前述のポリマー又は以降に記載するその他のポリマーのいずれかとブレンドすることもできる。例えばステントは、PVDF−co−HFP及び薬剤を含有するポリマー層、並びにその層の上に堆積した接着ポリマーを含有する層を含むことができる。一部の実施形態では、そのようなポリマーで作られたコーティングを表面に結合することが好ましい場合がある。
【0023】
一部の実施形態では、生体適合性ポリマーは、ポリ(オルトエステル)、ポリ酸無水物、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(L−乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸)とグリコール酸のコポリマー、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(オキサエステル)(poly(oxaester))、ポリ(オキサアミド)(poly(oxaamide))、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(チロシン誘導型カーボネート)、ポリ(チロシン誘導型アリレート)、ポリ(チロシン誘導型イミノカーボネート)、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)のコポリマー、又はその組合せとすることができる。
【0024】
その他一部の実施形態では、生体適合性ポリマーは上に示したポリマーのいずれか1種又は複数種を除外することができる。
【0025】
生体適合性ポリマーは、生物活性剤の制御放出及び/又は基材への生物活性剤の結合を可能にし得るが、この基材はステント表面又はその上のコーティングであってよい。ポリマー担体の使用による生物活性剤の放出及び送達の制御については、過去数十年間、広範にわたり研究されてきた(例えば、Mathiowitz編、Encyclopedia of Controlled Drug Delivery、C.H.I.P.S.、1999を参照)。例えば、PLA系薬剤送達システムでは多くの治療剤の制御放出が可能になり、大小さまざまな成果が出ている(例えば、Labrieらに交付された米国特許第5581387号明細書を参照)。生物活性剤の放出速度は、例えば、生物活性剤について所望の放出プロファイルが得られるような特定の種類の生体適合性ポリマーを選択することにより制御することができる。生物活性剤の放出プロファイルは、生体適合性ポリマーの分子量及び/又は生物活性剤に対する生体適合性ポリマーの割合を選択することによって、さらに制御することができる。当業者は、生物活性剤の制御放出を可能にするための生体適合性ポリマーを用いた担体系を容易に選択できる。
【0026】
好ましい生体適合性ポリマーは、PLA、PLGA、PGA、PHA、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸)(PHB)、ポリ(3−ヒドロキシ酪酸−co−3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ((3−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(3−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリ(4−ヒドロキシ酪酸)、ポリ(4−ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(4−ヒドロキシヘキサン酸)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ(エステルアミド)、ハロゲン化ポリビニリデンのうち1種などのポリエステル、又はその組合せである。
【0027】
生物活性剤は、治療剤、予防剤、又は診断剤である任意の物質とすることができる。これらの物質は、細胞分裂阻害剤の他、抗増殖性又は抗炎症性を有し得るか、又は抗悪性腫瘍性、抗血小板性、抗凝血性、抗フィブリン性、抗血栓性、抗有糸分裂性、抗生性、抗アレルギー性、抗酸化性などその他の特性を有し得る。適切な治療剤及び予防剤の例としては、治療、予防、又は診断作用を有する合成の無機及び有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及びその他の糖類、脂質、並びにDNA及びRNA核酸配列が挙げられる。核酸配列には、遺伝子、相補DNAに結合して転写を阻害するアンチセンス分子、及びリボザイムが含まれる。生物活性剤のその他いくつかの例としては、抗体、受容体リガンド、酵素、接着ペプチド、血液凝固因子、ストレプトキナーゼ及び組織プラスミノーゲンアクチベーターなどの阻害剤又は血栓溶解剤、免疫化用抗原、ホルモン及び成長因子、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムなどのオリゴヌクレオチド、並びに遺伝子療法で使用するためのレトロウイルスベクターが挙げられる。抗増殖剤の例としては、ラパマイシン及びその官能性誘導体又は構造誘導体、40−O−(2−ヒドロキシ)エチルラパマイシン(エベロリムス)及びその官能性誘導体又は構造誘導体、パクリタキセル及びその官能性誘導体並びに構造誘導体が挙げられる。ラパマイシン誘導体の例としては、40−エピ(N1−テトラゾリル)ラパマイシン(ABT−578)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピルラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチルラパマイシン、及び40−O−テトラゾールラパマイシンが挙げられる。パクリタキセル誘導体の例としては、ドセタキセルが挙げられる。抗悪性腫瘍剤及び/又は抗有糸分裂剤の例としては、メトトレキサート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、塩酸ドキソルビシン(例えば、Pharmacia & Upjohn,Peapack N.J.製のAdriamycin(登録商標))、及びマイトマイシン(例えば、Bristol−Myers Squibb Co.,Stamford,Conn.製のMutamycin(登録商標))が挙げられる。前述の抗血小板剤、抗凝血剤、抗フィブリン剤、及び抗トロンビン剤の例としては、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリンアナログ、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン剤)、ジピリダモール、糖タンパクIIb/IIIa血小板膜受容体アンタゴニスト抗体、組換えヒルジン、Angiomax a(Biogen,Inc.,Cambridge,Mass.)などのトロンビン阻害剤、カルシウムチャネル遮断剤(ニフェジピンなど)、コルヒチン、線維芽細胞成長因子(FGF)拮抗剤、魚油(ω−3脂肪酸)、ヒスタミン拮抗剤、ロバスタチン(HMG−CoA還元酵素阻害剤、コレステロール低下剤、Merck & Co.,Inc.,Whitehouse Station,NJ製の商品名Mevacor(登録商標))、モノクローナル抗体(血小板由来成長因子(PDGF)受容体に特異的な抗体など)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤、スラミン、セロトニン遮断剤、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン(PDGF拮抗剤)、一酸化窒素又は一酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣体、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、エストラジオール、抗癌剤、多様なビタミンなどの栄養補助食品、及びその組合せが挙げられる。ステロイド系及び非ステロイド系抗炎症剤を含む抗炎症剤の例としては、タクロリムス、デキサメタゾン、クロベタゾール、その組合せが挙げられる。前述の細胞分裂阻害物質の例としては、アンジオペプチン、カプトプリル(例えば、Bristol−Myers Squibb Co.,Stamford,Conn.製のCapoten(登録商標)及びCapozide(登録商標))などのアンジオテンシン変換酵素阻害剤、シラザプリル又はリシノプリル(例えば、Merck & Co.,Inc.,Whitehouse Station,NJ製のPrinivil(登録商標)及びPrinzide(登録商標))が挙げられる。抗アレルギー剤の一例としては、ペミロラストカリウムがある。適切と考え得るその他の治療物質又は治療剤としては、ピメクロリムス、メシル酸イマチニブ、ミドスタウリン、α−インターフェロン、生物活性RGD、及び遺伝子操作された内皮細胞が挙げられる。前述の物質は、そのプロドラッグ又は補助薬(co−drug)の形で使用することもできる。前述の物質は例として掲載するものであり、限定することを意図していない。現在入手できる、又は将来的に開発し得るその他の活性剤も、同様に適用可能である。
【0028】
望ましい治療効果を得るために必要な生物活性剤の用量又は濃度は、生物活性剤が毒性作用を発現する量よりは少なく、治療的ではない結果が得られる量より多くすべきである。標的とする血管部位の細胞活性を阻害するために必要な生物活性剤の用量又は濃度は、患者の特定の状況、外傷の性質、必要な療法の性質、投与成分が血管部位に滞留する時間、又、その他の活性剤が採用される場合には物質の性質及び種類又は物質間の組合せ、などの要因に依存することがある。治療有効量は、例えば適切な動物モデル系の血管に注入し、免疫組織化学法、蛍光法、若しくは電子顕微鏡法を用いて活性剤及びその効果を検出することにより、又は適切なin vitro試験を実施することにより、経験的に決定できる。用量を決定するための標準的な薬理試験手順は、当業者には理解されている。
【0029】
本発明において使用する場合、ステントは、ヒト又は動物患者に移植できる任意の適切な医療基材であってよい。このようなステントの例としては、特に断りがない限り、自己拡張ステント、バルーン拡張ステント、ステントグラフト、及びグラフト(例えば、大動脈グラフト)が挙げられる。ステントの基礎的な構造は、実質的に任意の設計が可能である。本機器は、コバルトクロム合金(ELGILOY)、ステンレス鋼(316L)、高窒素ステンレス鋼、例えばBIODUR108、コバルトクロム合金L−605、「MP35N」、「MP20N」、ELASTINITE(Nitinol)、タンタル、ニッケルチタン合金、プラチナイリジウム合金、金、マグネシウムなどの金属材料若しくは合金、又はその組合せなどで作製することができるが、限定されない。「MP35N」及び「MP20N」は、Standard Press Steel Co.,Jenkintown,PAから入手できるコバルト、ニッケル、クロム及びモリブデンの合金の商品名である。「MP35N」は、コバルト35%、ニッケル35%、クロム20%、及びモリブデン10%からなる。「MP20N」は、コバルト50%、ニッケル20%、クロム20%、及びモリブデン10%からなる。生体吸収性又は生体安定性ポリマー製の機器も、本発明の実施形態と共に使用できよう。一実施形態では、ステントは、薬剤コーティングを施さず、ステントの少なくとも内表面上に接着ポリマーを有する生体吸収性ポリマーとすることができる。一部の実施形態では、生体吸収性ポリマー製のステントは、接着ポリマーを含有し、及び/又は接着ポリマーでコーティングされた薬剤ポリマーコーティングを含むことができる。
【0030】
1種又は複数種の活性剤を含むコーティングの場合、活性剤はステントの送達及び拡張中はステント上に留まり、移植部位で所定の期間、所望の速度で放出されよう。好ましくは、本医療機器はバルーン拡張ステントである。上述のコーティングを有するステントは多様な医療処置にとって有用であり、例としては胆管、食道、気管/気管支及びその他の生体管路内で腫瘍により引き起こされる閉塞症の治療が挙げられる。上述のコーティングを有するステントは、平滑筋細胞の異常若しくは不適切な遊走及び増殖、血栓症、及び再狭窄により引き起こされる血管閉塞部位の治療に特に有用である。ステントは、広範囲の血管、動脈及び静脈いずれにも設置し得る。代表的な部位の例としては、腸骨動脈、腎動脈、及び冠動脈が挙げられる。
【0031】
ステントの移植に際し、ステント療法の適切な位置決めを確定するため、最初に血管造影図撮影を実施する。血管造影図撮影は通常、X線を照射しながら動脈又は静脈中に挿入したカテーテル経由で放射線不透過性の造影剤を注入することにより実施する。次に、ガイドワイヤーを病変部又は治療予定部位まで進める。ガイドワイヤーの外側には、畳まれた形状のステントを管路中に挿入するためのデリバリーカテーテルが通っている。デリバリーカテーテルは、経皮的手技又は手術のいずれかにより大腿動脈、上腕動脈、大腿静脈、又は上腕静脈中に挿入され、血管系経由で透視下にカテーテルを操作することにより適切な血管中に進められる。その後、上述のコーティングを有するステントを所望の治療部位で拡張することができる。挿入後の血管造影図を利用して適切な位置決めを確認することもできる。
【実施例】
【0032】
本発明の実施形態は以下に記載の実施例により例示される。全ての条件及びデータは、本発明の実施形態の範囲を不当に限定するように解釈されるべきではない。
【0033】
実施例1
以下のような2層構造の設計で、12mmのsmall Visionステント(Guidant Corporationから入手可能)をPEA−BZで噴霧コーティングした。
層1:PEA−BZ/エベロリムス(薬剤:ポリマー=1:10)616μg、
層2:PEA−BZ 384μg。
【0034】
以下のような2層構造の設計で、12mmのSmall VisionステントをPEA−TEMPOで噴霧コーティングした。
層1:PEA−TEMPO/エベロリムス(薬剤:ポリマー=1:6)392μg、
層2:PEA−TEMPO 400μg。
12mmのSmall BMS Visionステント(Guidant Corporationから入手可能)を対照として使用した。
【0035】
圧着と、温度可変式ステント−カテーテル結合プロセスに続いて、全てのステントを電子ビーム(E−beam)滅菌した(25KGy、シングルパス、アルゴン下)。
【0036】
これらのユニットのステント保持力をステント脱落試験で試験した。ステントをInstronの装置に取り付け、カテーテルからステントを取り外すのに必要な荷重をモニターすることによりステント脱離性を計測する。ステント脱離性の一般的な許容範囲は0.8〜1.2である。標準的なサンプルサイズはn=5/アームである。
【0037】
各試験群をカテーテルから取り外すのに必要な遠位端での最大荷重の平均を、表1にまとめてある。Visionの対照アームは許容範囲外の低い値となっているが、これは、ステント保持力付加のプロセスステップ、即ちステントプレスが実施されていなかったためである。PEA−BZ及びPEA−TEMPOのコーティングを施すと、このステント保持力付加のプロセスステップを実施しなくてもステント保持力は許容範囲に引き上げられる。
【0038】
【表1】

【0039】
PEA−BZはPEA−TEMPOより低いTを有し、そのためPEA−TEMPOより接着性が高く、ステント保持力においてさらなる向上を呈している。
【0040】
実施例2
以下のような2層構造の設計で、12mmのSmall VisionステントをPEA−BZで噴霧コーティングした。
層1:PEA−BZ/エベロリムス(薬剤:ポリマー=1:10)616μg、
層2:PEA−BZ 384μg。
【0041】
以下のような2層構造の設計で、12mmのSmall VisionステントをPEA−TEMPOで噴霧コーティングした。
層1:PEA−TEMPO/エベロリムス(薬剤:ポリマー=1:6)392μg、
層2:PEA−TEMPO 400μg。
【0042】
圧着と、温度可変式ステント−カテーテル結合プロセスに続いて、全てのユニットを電子ビーム滅菌した(25KGy、シングルパス、アルゴン下)。
【0043】
送達及び配置がコーティングの完全性に及ぼす効果を測定するため、これらのユニットを模擬使用実験で試験した。この実験では、ステントを、蛇行路経由で誘導した後、3.0mm×4インチのポリ(ビニルアルコール)(PVA)製の病変部内に配置する。蛇行管及びPVA製病変部は脱イオン(DI)水(T=37℃)を含有している。配置及びカテーテル回収後、DI水(T=37℃)を装置経由で50mL/分で1時間送り込む。続いて、走査電子顕微鏡法(SEM)によりユニットを分析する。
【0044】
実施例1では両ポリマーともステント保持力を向上させることが示されたが、どちらも、コーティングの機械的完全性が損なわれるほどにはカテーテルバルーンと相互作用しない(図1及び図2)。
【0045】
本発明の特定の実施形態を示し説明してきたが、本発明のより広範な態様において、本発明から逸脱することなく変更及び修正ができることは当業者には自明であろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲内に含まれるものとしてそのような変更及び修正の全てをその範囲内で網羅することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】模擬使用後のPEA−BZ構造の内腔表面を示す図である。
【図2】模擬使用後のPEA−TEMPO構造の内腔表面を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステントが搭載されているカテーテルバルーンから、前記ステントを意図せずに脱離させないために有効な量で接着ポリマーを有するコーティングを備えるステント。
【請求項2】
意図しない脱離が、前記バルーンの膨張又は拡張の開始前の前記バルーン上において、前記ステントが直線状及び/又は放射状に1mm未満移動することと定義される、請求項1に記載のステント。
【請求項3】
意図しない脱離が、前記バルーンの膨張又は拡張の開始前の前記バルーン上において、前記ステントが直線状及び/又は放射状に0.5mm未満移動することと定義される、請求項1に記載のステント。
【請求項4】
前記接着ポリマーが約25℃及び約45℃の間のガラス転移温度を有する、請求項1に記載のステント。
【請求項5】
前記接着ポリマーが水素結合性基を含むモノマーで形成されている、請求項1に記載のステント。
【請求項6】
前記水素結合性基がカルボキシル、カルボキシレート、アミン、アミド、ホスホリル、リン酸、スルホン酸、硫酸、ヒドロキシル(OH)、チオール(SH)及びその組合せからなる群から選択される、請求項5に記載のステント。
【請求項7】
前記接着ポリマーが、ポリ(エステルアミド)、ポリ酸無水物、ポリ酸、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)及びその組合せからなる群から選択される、請求項1に記載のステント。
【請求項8】
前記接着ポリマーがPEA−BZを含む、請求項1に記載のステント。
【請求項9】
前記接着ポリマーがPEA−TEMPOを含む、請求項1に記載のステント。
【請求項10】
前記接着ポリマーが、前記ステント上のコーティング層を覆うトップコート層中に含まれている、請求項1に記載のステント。
【請求項11】
前記接着ポリマーが前記ステントの内表面に限定されており、前記ステントの外表面には限定されていない、請求項1に記載のステント。
【請求項12】
前記ステントが生体吸収性であり、前記接着ポリマーが前記生体吸収性ステントの内表面上に堆積されている、請求項1に記載のステント。
【請求項13】
前記接着ポリマーが前記ステント用コーティングのポリマーにブレンドされ、組み合わされ、混合され、複合化され、又は化学結合されている、請求項1に記載のステント。
【請求項14】
バルーンカテーテル上に搭載されたステントを備えるステント−カテーテル医療用組立体であって、(1)前記ステントの内側が接着ポリマーを含むか、(2)前記バルーンの外側が接着ポリマーを含むか、又は(3)(1)及び(2)が組み合わされることにより、前記バルーンから、前記ステントを意図せずに脱離させないために有効な量で接着ポリマーが存在するステント−カテーテル医療用組立体。
【請求項15】
意図しない脱離が、前記バルーンの膨張又は拡張の開始前の前記バルーン上において、前記ステントが直線状及び/又は放射状に1mm未満移動することと定義される、請求項14に記載の医療用組立体。
【請求項16】
意図しない脱離が、前記バルーンの膨張又は拡張の開始前の前記バルーン上において、前記ステントが直線状及び/又は放射状に0.5mm未満移動することと定義される、請求項14に記載の医療用組立体。
【請求項17】
前記ステントが地金ステント(bare metallic stent)である、請求項14に記載の医療用組立体。
【請求項18】
前記ステントが、薬剤送達用ポリマーコーティングを有する金属ステントである、請求項14に記載の医療用組立体。
【請求項19】
前記ステントが生体吸収性ステントである、請求項14に記載の医療用組立体。
【請求項20】
前記ステントが、薬剤送達用ポリマーコーティングを有する生体吸収性ステントである、請求項14に記載の医療用組立体。
【請求項21】
前記接着ポリマーが、ポリ(エステルアミド)、ポリ酸無水物、ポリ酸、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)及びその組合せからなる群から選択される、請求項14に記載の医療用組立体。
【請求項22】
前記接着ポリマーがPEA−BZ又はPEA−TEMPOである、請求項14に記載の医療用組立体。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−518123(P2009−518123A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544403(P2008−544403)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/046150
【国際公開番号】WO2007/067452
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(507135788)アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド (92)
【Fターム(参考)】