説明

ステータス通知方法及びシステム

【課題】ホームステータスを他ユーザに通知する方法及びシステムを提供し、円滑なコミュニケーションを可能とすること。
【解決手段】ステータス通知システム10は、電化製品3と通信可能に接続されたユーザ端末2と、当該ユーザ端末2と通信可能に接続される他ユーザ端末6とから構成される。ユーザ端末2は、電化製品3の使用状況を検出する使用状況検出部21と、電化製品3の使用状況に応じて、当該ユーザ端末2が設置された家のホームステータスを決定するステータス決定部23と、を備え、他ユーザ端末6は、ホームステータスを受信するステータス受信部62と、受信したホームステータスを表示部66に表示させる表示制御部65とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームステータスを他ユーザの端末に通知する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが外部から通信回線を介して制御用ホームサーバにアクセスして、電化製品の状況を確認する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。この方法では、制御用ホームサーバがホームネットワーク回線を介して家庭内の電化製品とデータを取り交わす。そして、ユーザが外部からインターネット等の通信回線を介して制御用ホームサーバにアクセスして、制御用ホームサーバが電化製品と取り交わしたデータを受信することで、電化製品の状況を確認する。
【特許文献1】特開2001−218282号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の方法では、ユーザが電化製品の状況を遠隔から確認できるものの、友人等の他のユーザには、電化製品の状況を通知することができない。更に、特許文献1の方法では、他のユーザが、ユーザに対してコミュニケーションを取りたい場合に、電化製品の状況が通知されないので、電化製品の状況からユーザが生活する家のステータスを推測することもできず、円滑なコミュニケーションを取れないといった問題点もある。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて提案されたものであり、その目的は、ホームステータスを他ユーザに通知する方法及びシステムを提供し、円滑なコミュニケーションを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0006】
(1) 家の設備と通信可能に接続されたユーザ端末と、当該ユーザ端末と通信可能に接続された他のユーザ端末とから構成されるシステムが実行するホームステータス通知方法であって、
前記ユーザ端末が、前記家の設備の使用状況を検出し、前記家の設備の使用状況に応じて、ホームステータスを決定するステップと、
前記ユーザ端末が、前記他のユーザ端末からの取得要求に応じて、前記ホームステータスを、前記他のユーザ端末に送信するステップと、
前記他のユーザ端末が、前記ホームステータスを受信し、前記ユーザ端末と関連付けて、前記ホームステータスを表示するステップと、を備えるホームステータス通知方法。
【0007】
(1)記載のステータス通知方法では、ユーザ端末が、家の設備の使用状況を検出し、家の設備の使用状況に応じて、ホームステータスを決定する。また、ユーザ端末が、他のユーザ端末からの取得要求に応じて、ホームステータスを他のユーザ端末に送信する。そして、他のユーザ端末が、ホームステータスを受信して、ユーザ端末と関連付けてホームステータスを表示する。
【0008】
このようにすることで、(1)記載のステータス通知方法は、家の設備の使用状況に応じて、ホームステータスを決定し、このホームステータスを他のユーザ端末に通知することができる。このため、他のユーザ端末を使用する他のユーザに対して、家の設備の使用状況に応じたホームステータスを通知することができる。したがって、他ユーザは、ホームステータスを確認しながらその家のユーザが都合のいいときにコミュニケーションを行うことが可能となるので、円滑なコミュニケーションが可能となる。
【0009】
(2) 前記ホームステータスを決定するステップは、複数の前記家の設備の使用状況の組合せに応じて、当該ホームステータスを決定することを特徴とした(1)記載のホームステータス通知方法。
【0010】
(2)記載のステータス通知方法によれば、複数の家の設備の使用状況の組合せに応じて、当該ホームステータスを決定する。このため、ホームステータスを複数の家の設備の使用状況から判断できるので、1つの家の設備の使用状況に応じてホームステータスを決定する場合に比べて、正確かつ詳細なホームステータスを通知することができる。
【0011】
(3) 前記他のユーザ端末に送信するステップは、前記ユーザ端末及び前記他のユーザ端末がピアツーピア(Peer to Peer:P2P)接続を行うことにより、前記ホームステータスを、前記ユーザ端末から前記他のユーザ端末に送信することを特徴とした(1)又は(2)に記載のホームステータス通知方法。
【0012】
(3)記載のステータス通知方法によれば、ユーザ端末及び他のユーザ端末がP2P(Peer to Peer:P2P)接続を行うことにより、ホームステータスを、ユーザ端末から他のユーザ端末に直接送信する。このようにすることで、ホームステータスを他のユーザ端末に直接送信できるので、通信ネットワークにかかる負荷を軽減することができる。
【0013】
(4) 前記ホームステータスを決定するステップは、前記ユーザ端末が、GENA(General Event Notification Architecture)プロトコルを用いて前記家の設備より状態変更通知の情報を受信することで、前記家の設備の使用状況を検出し、前記家の設備の使用状況に応じて、当該ホームステータスを決定することを特徴とした(1)から(3)のいずれかに記載のホームステータス通知方法。
【0014】
(4)記載のステータス通知方法によれば、GENA(General Event Notification Architecture)プロトコルを用いて家の設備の使用状況を検出することができるので、既存の手法を用いてユーザの家の設備の使用情報を検出する環境を、簡易に構築することができる。
【0015】
(5) 前記ホームステータス通知方法は、前記ユーザ端末及び前記他のユーザ端末と通信可能に接続され、前記ホームステータスの通知許可に関する情報を予め記憶したサーバと、
前記他のユーザ端末が、前記サーバより前記ホームステータスの通知許可に関する情報を取得するステップを更に備え、
前記他のユーザ端末に送信するステップは、前記他のユーザ端末が前記ホームステータスの通知許可に関する情報を取得し、前記ユーザ端末より前記ホームステータスの通知を許可されていることを条件に、前記ユーザ端末が、前記他のユーザ端末からの取得要求に応じて、前記ホームステータスを、前記他のユーザ端末に送信することを特徴とした(1)から(4)のいずれかに記載のホームステータス通知方法。
【0016】
(5)記載のステータス通知方法によれば、サーバにおいて、ホームステータスの通知を許可するための許可リストを記憶するので、サーバにおいて、一元的に許可リストを管理することができる。このため、ユーザ端末は、サーバを参照して許可リストの設定を行うことができる。
【0017】
(6) 家の設備と通信可能に接続されたユーザ端末と、当該ユーザ端末と通信可能に接続された他のユーザ端末とから構成されるシステムが実行するホームステータス通知システムであって、
前記ユーザ端末が、前記家の設備の使用状況を検出し、前記家の設備の使用状況に応じて、ホームステータスを決定するステータス決定手段と、
前記ユーザ端末が、前記他のユーザ端末からの取得要求に応じて、前記ホームステータスを、前記他のユーザ端末に送信するステータス送信手段と、
前記他のユーザ端末が、前記ホームステータスを受信し、前記ユーザ端末と関連付けて、前記ホームステータスを表示するステータス表示手段と、
を備えるホームステータス通知システム。
【0018】
このような構成によれば、当該システムを構築することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ホームステータスを他ユーザに通知する方法及びシステムを提供し、円滑なコミュニケーションが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0021】
[システム全体構成]
図1は、本実施形態に係るステータス通知システム10の全体構成を示す図である。
【0022】
ステータス通知システム10は、ユーザ端末2と、電化製品3と、家庭内ネットワーク4と、リスト管理サーバ5と、他ユーザ端末6と、通信ネットワーク7とにより構成される。ユーザ端末2は、インターネット等の通信回線に代表される通信ネットワーク7を介して、リスト管理サーバ5及び他ユーザ端末6に通信可能に接続される。また、図1に示すように、家屋1には、ユーザ端末2と、電化製品3と、家庭内ネットワーク4とが設置されている。そして、ユーザ端末2は、家庭内の無線LAN等の家庭内ネットワーク4を介して、電化製品3と通信可能に接続される。
【0023】
電化製品3とは、ネットワーク接続機能を備えた家の設備をいい、例えば、水道やガスに取り付けられた使用量取得センサ、照明、トイレに人がいるかいないかを検知するトイレ使用センサ、ドアの開閉センサ、冷蔵庫、洗濯機といった、家庭内の基本的な機能を発揮するための設備のことをいう。これらの電化製品3は、家庭内ネットワーク4を介してユーザ端末2と通信する機能を備える。
【0024】
電化製品3とユーザ端末2とを相互に接続する家庭内ネットワーク4は、例えば、DLNA(Digital Living Network Alliance)に準拠した通信を行い、無線LANやBluetooth(登録商標)といった無線通信や、有線通信でもよい。より具体的には、UPnP(Universal Plug and Play)の既存のプロトコルの集合体を利用して通信を行う。UPnPは、家庭内の電化製品3をネットワークを通じて接続し、相互に機能を提供しあうための技術仕様である。UPnPには、デバイスを検出するプロトコルであるSSDP(Simple Service Discovery Protocol)や、デバイスの状態変更を通知するプロトコルであるGENA(General Event Notification Architecture)を有する。
【0025】
[ステータス通知システムの各装置の機能構成]
図2は、本実施形態に係るステータス通知システム10の各装置の機能構成を示す図である。
【0026】
ユーザ端末2は、制御部20と、表示部26と、操作部27と、記憶部28とを備える。制御部20は、使用状況検出部21と、ステータス受付部22と、ステータス決定部23と、ステータス送信部24と、許可リスト設定部25とを備える。記憶部28は、状況データベース(以下、データベースをDBという)29を備える。リスト管理サーバ5は、制御部50と、記憶部55とを備える。制御部50は、許可リスト受信部51と、リスト要求受付部52と、許可リスト抽出部53と、許可リスト送信部54とを備える。記憶部55は、許可DB56を備える。他ユーザ端末6は、制御部60と、表示部66と、操作部67とを備える。制御部60は、ステータス要求部61と、ステータス受信部62と、許可リスト要求部63と、許可リスト受信部64と、表示制御部65とを備える。
【0027】
なお、本実施形態では、ユーザ端末2及び他ユーザ端末6は、それぞれ電化製品3の使用状況に基づいたホームステータスを他ユーザ端末6に通知するための機能として、別々の機能を備えていることとしているが、これに限らない。例えば、ユーザ端末2に対して、他ユーザ端末6に備えられた機能であるステータス要求部61、ステータス受信部62、許可リスト要求部63、許可リスト受信部64、及び表示制御部65を設けてもよい。また、他ユーザ端末6に対して、ユーザ端末2に備えられた機能である使用状況検出部21、ステータス受付部22、ステータス決定部23、ステータス送信部24、許可リスト設定部25、及び状況DB29を設けてもよい。
【0028】
使用状況検出部21は、電化製品3が使用中であるか否かの検出を行い、状況DB29に対して電化製品3の使用状況の更新を行う。具体的には、状況DB29の電化製品テーブル(後述の図4参照)に登録されている電化製品3から、GENAプロトコルにより電化製品3の状態変更通知を受け付けると、受け付けた内容に基づいて電化製品3の使用状況を判定する。電化製品3が使用中であると判定した場合には、使用状況が「ON」であるとして、使用中ではないと判定した場合には、使用状況が「OFF」であるとする。そして、判定結果を状況DB29に記憶する。このように、GENAプロトコルを用いて電化製品3の使用状況を検出することができるので、GENAプロトコルという既存の手法を用いて電化製品3の使用情報を検出する環境を、簡易に構築することができる。
【0029】
なお、電化製品3が使用中であるか否かの検出を行う方法は、上述の方法に限らない。例えば、電化製品3に電源センサ等の使用状況を監視する監視センサを設け、監視センサにより常時監視を行い、電化製品3の使用状況をユーザ端末2に送信する方法でもよい。例えば、ドアに対して開閉センサを設けて、開閉センサにより常時監視を行い、ドアの開閉状況をユーザ端末2に送信させる。
【0030】
また、監視センサを電化製品3ではないガス、水道、排水設備といったインフラ(infrastructure:インフラストラクチャー)設備に対して取り付け、これらのインフラ設備を電化製品3と同等とみなして、これらの使用状況をユーザ端末2に送信してもよい。例えば、水道に対して、水の流量を検出する流量センサを取付けて、流量センサにより検出した水の流量により水道の使用状況をユーザ端末2に送信させる。このようにすることで、電化製品3ではないインフラ設備の使用状況を検出できるので、インフラ設備の使用状況によりホームステータスを決定することができる。
【0031】
図4は、本実施形態に係る状況DB29に格納されている電化製品テーブルを示す図である。電化製品テーブルは、家屋1に設置されていてユーザ端末2と通信可能に接続されている電化製品3の登録を行うものである。電化製品テーブルには、電化製品3を一意に特定する「ID」フィールドと、電化製品3が設置されている場所を示す「場所」フィールドと、電化製品3の機器名称を示す「機器」フィールドと、後述のステータス決定部23によりホームステータスを決定するときの優先度を示す「優先度」フィールドと、機器の使用状況を示す「状況」フィールドと、が含まれている。「優先度」フィールドには、優先度を示す記号として「A」、「B」、「C」といったアルファベットが格納されており、「A」が優先度の最も高いものとされ、以下「B」、「C」の順に優先度が低くなる。また、「状況」フィールドは、対応する電化製品3が使用されている場合に「ON」が格納され、使用されていない場合に「OFF」が格納される。電化製品テーブルは、使用状況検出部21により電化製品3の使用状況の更新を行うときと、ステータス決定部23により電化製品3の使用状況を参照するときとに使用される。
【0032】
図5は、本実施形態に係る状況DB29に格納されているステータステーブルを示す図である。ステータステーブルには、電化製品3が設置されている場所を示す「場所」フィールドと、電化製品3の機器名称を示す「機器」フィールドと、ユーザ端末2が設置されている家屋1のステータス、すなわち、ホームステータスを示す「ステータス」フィールドと、が含まれており、後述のステータス決定部23により、ホームステータスを決定するときに参照される。
【0033】
図2に戻り、ステータス受付部22は、他ユーザ端末6によるホームステータスの要求データを受信して、他ユーザ端末6からのホームステータスの取得要求を受け付ける。
【0034】
ステータス決定部23は、状況DB29に記憶されている電化製品3の使用状況を参照して、ユーザ端末2が設置されている家のホームステータスを決定する。具体的には、ステータス受付部22によりホームステータスの取得要求を受け付けると、電化製品テーブルを参照して、「状況」フィールドが「ON」であって優先度が最も高い電化製品3の機器名称を「機器」フィールドより抽出する。そして、ステータステーブルを参照して、抽出した機器名称に対応するステータスを「ステータス」フィールドより抽出して、抽出したステータスをユーザ端末2が設置されている家のホームステータスとして決定する。
【0035】
なお、ステータス決定部23は、使用されている機器のうち最も優先度が高い機器に基づいてホームステータスを決定することとしたが、これに限らない。例えば、複数の電化製品3の使用状況の組合せによりホームステータスを決定するようにしてもよい。すなわち、電化製品3としての、お風呂の照明と、お風呂の蛇口に取付けた流量センサの両方の使用状況が「ON」である場合には、他の機器の使用状況にかかわらず、ホームステータスを「入浴中」と決定するようにしてもよい。また、電化製品3の使用状況が「OFF」である機器が複数ある場合、これらに基づいて、ホームステータスを決定することとしてもよい。具体的には、電化製品テーブルに記憶されているすべての「照明」機器がOFFである場合に、「就寝中」と決定するようにしてもよい。このように、複数の電化製品3の組合せや電化製品3の使用状況によりステータスを決定することで、ホームステータスを複数の電化製品の使用状況から判断できるので、1つの電化製品の使用状況に応じてホームステータスを決定する場合に比べて、正確かつ詳細なホームステータスを通知することができる。
【0036】
ステータス送信部24は、ステータス決定部23により決定されたホームステータス及びユーザ端末2が設置されている家を特定するためのホームIDを、他ユーザ端末6に直接送信する。具体的には、ユーザ端末2を使用するユーザからステータス通知の許可を得た他ユーザ端末6とピアツーピア(Peer to Peer:P2P)接続を行うことにより、他ユーザ端末6に対してステータス決定部23により決定したホームステータスを直接送信する。このようにすることで、ユーザ端末2が設置されている家のホームステータスを他ユーザ端末6に直接送信できるので、通信ネットワーク7にかかる負荷を軽減することができる。
【0037】
なお、ステータス送信部24は、ホームステータスを他ユーザ端末6に直接送信することとしたが、これに限らない。例えば、ユーザ端末2から所定のサーバに対してホームステータスを送信し、所定のサーバにホームステータスを記憶させ、ユーザ端末2を使用するユーザからステータス通知の許可を得た他ユーザ端末6が所定のサーバにアクセスすると、他ユーザ端末6がホームステータスを取得できるようにしてもよい。すなわち、ユーザ端末2を使用するユーザからステータス通知の許可を得た他ユーザ端末6が、所定のサーバを介して、ホームステータスを取得するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザ端末2が設置されている家のホームステータスを所定のサーバが一元管理できるので、ホームステータスに関する管理を管理者が行いやすい。
【0038】
許可リスト設定部25は、後述の操作部27をユーザが操作することにより、ユーザ端末2が設置されている家のホームステータスの通知を許可するユーザの設定を受け付ける。そして、設定が受け付けられると、リスト管理サーバ5に、ユーザ端末2が設置されている家のホームステータスの通知を許可するユーザのリスト、すなわち許可リストを送信する。具体的には、ユーザ端末2のユーザが表示部26に表示される画像に従って操作部27により所定の操作を行うと、表示部26にステータス通知を許可するユーザの設定を受け付ける画面が表示される。そして、ユーザ端末2のユーザが、ユーザの設定を受け付ける画面に従って設定登録を行うと、リスト管理サーバ5に、ユーザID及び許可リストの情報を送信する。
【0039】
表示部26は、ユーザ端末2の機能に関する表示を行い、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。操作部27は、ユーザによりユーザ端末2の操作を行うための、マウスやキーボード等を指す。
【0040】
許可リスト受信部51は、ユーザ端末2より送信されたユーザID及び許可リストを受信して、許可DB56(後述の図6参照)に記憶する。
【0041】
図6は、本実施形態に係る許可DB56を示す図である。許可DB56には、ユーザを一意に特定するためのユーザIDを示す「ユーザID」フィールドと、ユーザ名を示す「ユーザ名」フィールドと、「ユーザID」フィールドに格納されているユーザIDに対応するユーザに対してホームステータスの通知を許可した家のIDを示す「ホームID」フィールドと、許可した家の名称を示す「ホーム名称」フィールドと、ホームステータスの通知を許可した家に設置されているユーザ端末2のユーザIDを示す「要求先ユーザID」、とが含まれている。許可DB56は、許可リスト受信部51により許可リストを記憶するときと、後述の許可リスト抽出部53により許可リストを抽出するときとに参照される。
【0042】
図2に戻り、リスト要求受付部52は、他ユーザ端末6による許可リストの要求データを受信して、他ユーザ端末6からの許可リストの取得要求を受け付ける。
【0043】
許可リスト抽出部53は、許可DB56を参照して、他ユーザ端末6のユーザに対応する許可リストを抽出する。
【0044】
許可リスト送信部54は、許可リスト抽出部53により抽出された許可リストを他ユーザ端末6に送信する。
【0045】
このように、リスト管理サーバ5において、ホームステータスの通知を許可するための許可リストを記憶するので、リスト管理サーバ5において、一元的に許可リストを管理することができる。このため、ユーザ端末2は、リスト管理サーバ5を参照して、新しくホームステータスの通知を許可するユーザの追加を、既に記憶されている許可リストより選択するといったこともでき、簡易的に許可リストの設定を行うことができる。
【0046】
ステータス要求部61は、他ユーザ端末6にステータスを通知することが許可されている家のホームステータスを取得するため、許可リストの「要求先ユーザID」に基づいてユーザ端末2に対してホームステータスを要求するための要求データを送信する。
【0047】
ステータス受信部62は、ユーザ端末2により送信されたホームステータスを受信する。
【0048】
許可リスト要求部63は、許可リストを取得するため、リスト管理サーバ5に対して許可リストを要求するための要求データを送信する。
【0049】
許可リスト受信部64は、リスト管理サーバ5より送信された許可リストを受信する。
【0050】
表示制御部65は、ステータス受信部62が受信したホームステータスを表示部66に表示させる。
【0051】
表示部66は、他ユーザ端末6の機能に関する表示を行い、例えば、ホームステータスを表示する。また、他ユーザ端末6は、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。操作部67は、ユーザによりユーザ端末2の操作を行うための、マウスやキーボード等を指す。
【0052】
[ユーザ端末のハードウェア構成]
図3は、本実施形態に係るユーザ端末2のハードウェア構成を示す図である。本発明が実施されるユーザ端末2は標準的なものでよく、以下に構成の一例を示す。
【0053】
ユーザ端末2は、制御部20を構成するCPU(Central Processing Unit)2010(マルチプロセッサ構成ではCPU2012等複数のCPUが追加されてもよい)、バスライン2005、通信I/F(I/F:インターフェイス)2040、メインメモリ2050、BIOS(Basic Input Output System)2060、表示部26を構成する表示装置2022、I/Oコントローラ2070、操作部27を構成するキーボード及びマウス等の入力装置2100、ハードディスク2074、光ディスクドライブ2076、並びに半導体メモリ2078を備える。なお、ハードディスク2074、光ディスクドライブ2076、及び半導体メモリ2078はまとめて記憶部28と呼ぶ。
【0054】
制御部20は、ユーザ端末2を統括的に制御する部分であり、ハードディスク2074に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0055】
通信I/F2040は、ユーザ端末2が、家庭内ネットワーク4及び通信ネットワーク7を介して端末等と情報を送受信する場合のネットワーク・アダプタである。通信I/F2040は、モデム、ケーブル・モデム及びイーサネット(登録商標)・アダプタを含んでよい。
【0056】
BIOS2060は、ユーザ端末2の起動時にCPU2010が実行するブートプログラムや、ユーザ端末2のハードウェアに依存するプログラム等を記録する。
【0057】
表示装置2022は、ブラウン管表示装置(CRT)、液晶表示装置(LCD)等のディスプレイ装置を含む。
【0058】
I/Oコントローラ2070には、ハードディスク2074、光ディスクドライブ2076、及び半導体メモリ2078等の記憶装置である記憶部28を接続することができる。
【0059】
入力装置2100は、ユーザ端末2の管理者による入力の受け付けを行うものである。
【0060】
ハードディスク2074は、本ハードウェアをユーザ端末2として機能させるための各種プログラム、本発明の機能を実行するプログラム及び後述するDBを記憶する。なお、ユーザ端末2は、外部に別途設けたハードディスク(図示せず)を外部記憶装置として利用することもできる。
【0061】
光ディスクドライブ2076としては、例えば、DVD−ROMドライブ、CD−ROMドライブ、DVD−RAMドライブ、CD−RAMドライブを使用することができる。この場合は各ドライブに対応した光ディスク2077を使用する。光ディスク2077から光ディスクドライブ2076によりプログラム又はデータを読み取り、I/Oコントローラ2070を介してメインメモリ2050又はハードディスク2074に提供することもできる。
【0062】
なお、本発明でいうコンピュータとは、記憶装置、制御部等を備えた情報処理装置をいい、ユーザ端末2は、上述のように、制御部20、記憶部28等を備えた情報処理装置により構成され、この情報処理装置は、本発明のコンピュータの概念に含まれる。
【0063】
また、ユーザ端末2は、ハードウェアの数に制限はなく、必要に応じて1又は複数のハードウェアで構成してよい。また、複数のハードウェアで構成する場合には、家庭内ネットワーク4及び通信ネットワーク7を介して各ハードウェアを接続してもよい。例えば、後述する各機能毎に別サーバ(装置)とし、各サーバ間での信号の送受信により、各サーバを連携させることで、本実施形態の機能を実現してもよい。
【0064】
[リスト管理サーバ及び他ユーザ端末のハードウェア構成]
リスト管理サーバ5及び他ユーザ端末6も、上述のユーザ端末2と同様な構成を持つ。また、本実施形態ではいわゆるコンピュータで実現した例について説明するが、更に、本発明の原理が適用可能である限り、様々な端末で実現してよい。
【0065】
[処理フロー]
図7は、本実施形態に係るステータス通知システム10におけるホームステータスを通知する処理を示すフローチャートである。ホームステータスを通知するにあたり、事前に許可リスト設定部25により許可リストの設定がされており、他ユーザ端末6のユーザがユーザ端末2のユーザよりホームステータスの通知許可がされているものとする。また、使用状況検出部21により、電化製品3の使用状況を随時検出して状況DB29の電化製品テーブルに記憶されているものとする。
【0066】
ステップS110では、制御部60(許可リスト要求部63)は、リスト管理サーバ5に対して許可リストを要求するための要求データを送信する。
【0067】
ステップS120では、制御部50(リスト要求受付部52)は、ステップS110にて送信された許可リストの要求データを受信して許可リストの取得要求を受け付ける。
【0068】
ステップS130では、制御部50(許可リスト抽出部53)は、ステップS120にて受け付けられた許可リストの要求に基づいて、記憶部55の許可DB56より他ユーザ端末6のユーザに対応した許可リストを抽出する。
【0069】
ステップS140では、制御部50(許可リスト送信部54)は、ステップS130にて抽出された許可リストを他ユーザ端末6に送信する。
【0070】
ステップS150では、制御部60(許可リスト受信部64)は、ステップS140にて送信された許可リストを受信する。
【0071】
ステップS160では、制御部60(ステータス要求部61)は、許可リストを参照してユーザ端末2に対してホームステータスを要求するための要求データを送信する。
【0072】
ステップS170では、制御部20(ステータス受付部22)は、ステップS160にて送信された要求データを受信してホームステータスの取得要求を受け付ける。
【0073】
ステップS180では、制御部20(ステータス決定部23)は、状況DB29の電化製品テーブル及びステータステーブルを参照してユーザ端末2が設置されている家のホームステータスを決定する。
【0074】
ステップS190では、制御部20(ステータス送信部24)は、ステップS180にて決定されたホームステータスを他ユーザ端末6に送信する。
【0075】
ステップS200では、制御部60(ステータス受信部62)は、ステップS190にて送信されたホームステータスを受信する。
【0076】
ステップS210では、制御部60(表示制御部65)は、ステップS200にて受信したホームステータスを表示部66に表示させることにより、他ユーザ端末6を使用するユーザに対してホームステータスを通知する。
【0077】
[表示例]
図8は、本実施形態に係る他ユーザ端末6の表示例を示す図である。以下に図4〜図8を参照して上記処理を具体的に説明する。
【0078】
図8には、他ユーザ端末6の表示部66が示されていることが確認できる。そして、表示部66には、ステータス通知サービス画像661が示されていることが確認できる。ステータス通知サービス画像661には、他ユーザ端末6のユーザにステータス通知を許可した家の状況、すなわち、ホームステータスが表示されている。他ユーザ端末6のユーザは「a」であり、図6の許可DB56に示されるように、「B宅」、「C宅」、「D宅」よりホームステータスの通知が許可されている。図8(1)では、「B宅」及び「D宅」のホームステータスが「外出中」、「C宅」のホームステータスが「電話中」であることが確認できる。なお、図8(1)の状態における、「B宅」の電化製品の使用状況が図4の電化製品テーブルに示すものであるとして、「B宅」のホームステータスが変化する流れを説明する。
【0079】
「B宅」の家電製品でID「4」の照明が「ON」になると、「B宅」のユーザ端末2の使用状況検出部21は、GENAプロトコルの状態変更通知によりID「4」の照明が「ON」になったことを検出して、図4の電化製品テーブルにおけるID「4」の使用状況を「ON」に更新する。そして、この状態で他ユーザ端末6のステータス要求部61よりホームステータスの要求データが送信されると(S160)、ステータス受付部22は、要求データを受信してホームステータスの取得要求を受け付ける(S170)。ステータス決定部23は、図5に基づいて「B宅」のホームステータスが「炊事中」であると決定する(S180)。具体的には、電化製品テーブルにおいて使用状況が「ON」である機器のうち、最も優先度が高い機器は、ID「4」のキッチンの照明であるので、ステータステーブルにより、「B宅」のホームステータスをキッチンの照明が使用されているときのホームステータスである「炊事中」と決定する。続いて、ステータス送信部24が、「B宅」のホームステータスを他ユーザ端末6に送信する(S190)。
【0080】
そして、他ユーザ端末6は、ステータス受信部62によりホームステータスを受信し(S200)、表示制御部65により表示部66にホームステータスを表示し(S210)、図8(2)の状態となる。図8(2)に示されるステータス通知サービス画像661には、「B宅」の状況、すなわち、ホームステータスが「炊事中」と表示されており、図8(1)に示される「B宅」のホームステータス「団らん中」から変化したことが確認できる。
【0081】
このように、ステータス通知システム10では、電化製品3の使用状況に応じてホームステータスを他ユーザに通知することができる。このため、他ユーザは、ホームステータスを確認しながらその家のユーザが都合のいいときにコミュニケーションを行うことが可能となり、この結果、円滑なコミュニケーションが可能となる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施例に記載されたものに限定されるものではない。
【0083】
例えば、ユーザ端末2の制御部20に設けられた各機能及び記憶部28に記憶されたDBをゲートウェイに実装し、家屋1に設けられたルータにおいて、電化製品3の使用状況を検出して家屋1のホームステータスを決定して他ユーザに通知するようにしてもよい。このようにすることで、ルータのように電源を定常的に入れておく機器でユーザの電化製品3の使用状況を検出して、ホームステータスを決定できるので、他ユーザに対して定常的にホームステータスを通知できる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本実施形態に係るステータス通知システム10の全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るステータス通知システム10の各装置の機能構成を示す図である。
【図3】本実施形態に係るユーザ端末2のハードウェア構成を示す図である。
【図4】本実施形態に係る状況DB29に格納されている電化製品テーブルを示す図である。
【図5】本実施形態に係る状況DB29に格納されているステータステーブルを示す図である。
【図6】本実施形態に係る許可DB56を示す図である。
【図7】本実施形態に係るステータス通知システム10におけるホームステータスを通知する処理を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係る他ユーザ端末6の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0085】
2 ユーザ端末
3 電化製品
4 家庭内ネットワーク
5 リスト管理サーバ
6 他ユーザ端末
7 通信ネットワーク
10 ステータス通知システム
20 制御部
21 使用状況検出部
22 ステータス受付部
23 ステータス決定部
24 ステータス送信部
25 許可リスト設定部
26 表示部
27 操作部
28 記憶部
29 状況DB
50 制御部
51 許可リスト受信部
52 リスト要求受付部
53 許可リスト抽出部
54 許可リスト送信部
55 記憶部
56 許可DB
60 制御部
61 ステータス要求部
62 ステータス受信部
63 許可リスト要求部
64 許可リスト受信部
65 表示制御部
66 表示部
67 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
家の設備と通信可能に接続されたユーザ端末と、当該ユーザ端末と通信可能に接続された他のユーザ端末とから構成されるシステムが実行するホームステータス通知方法であって、
前記ユーザ端末が、前記家の設備の使用状況を検出し、前記家の設備の使用状況に応じて、ホームステータスを決定するステップと、
前記ユーザ端末が、前記他のユーザ端末からの取得要求に応じて、前記ホームステータスを、前記他のユーザ端末に送信するステップと、
前記他のユーザ端末が、前記ホームステータスを受信し、前記ユーザ端末と関連付けて、前記ホームステータスを表示するステップと、を備えるホームステータス通知方法。
【請求項2】
前記ホームステータスを決定するステップは、複数の前記家の設備の使用状況の組合せに応じて、当該ホームステータスを決定することを特徴とした請求項1記載のホームステータス通知方法。
【請求項3】
前記他のユーザ端末に送信するステップは、前記ユーザ端末及び前記他のユーザ端末がピアツーピア(Peer to Peer:P2P)接続を行うことにより、前記ホームステータスを、前記ユーザ端末から前記他のユーザ端末に送信することを特徴とした請求項1又は2に記載のホームステータス通知方法。
【請求項4】
前記ホームステータスを決定するステップは、前記ユーザ端末が、GENA(General Event Notification Architecture)プロトコルを用いて前記家の設備より状態変更通知の情報を受信することで、前記家の設備の使用状況を検出し、前記家の設備の使用状況に応じて、当該ホームステータスを決定することを特徴とした請求項1から3のいずれかに記載のホームステータス通知方法。
【請求項5】
前記ホームステータス通知方法は、前記ユーザ端末及び前記他のユーザ端末と通信可能に接続され、前記ホームステータスの通知許可に関する情報を予め記憶したサーバと、
前記他のユーザ端末が、前記サーバより前記ホームステータスの通知許可に関する情報を取得するステップを更に備え、
前記他のユーザ端末に送信するステップは、前記他のユーザ端末が前記ホームステータスの通知許可に関する情報を取得し、前記ユーザ端末より前記ホームステータスの通知を許可されていることを条件に、前記ユーザ端末が、前記他のユーザ端末からの取得要求に応じて、前記ホームステータスを、前記他のユーザ端末に送信することを特徴とした請求項1から4のいずれかに記載のホームステータス通知方法。
【請求項6】
家の設備と通信可能に接続されたユーザ端末と、当該ユーザ端末と通信可能に接続された他のユーザ端末とから構成されるシステムが実行するホームステータス通知システムであって、
前記ユーザ端末が、前記家の設備の使用状況を検出し、前記家の設備の使用状況に応じて、ホームステータスを決定するステータス決定手段と、
前記ユーザ端末が、前記他のユーザ端末からの取得要求に応じて、前記ホームステータスを、前記他のユーザ端末に送信するステータス送信手段と、
前記他のユーザ端末が、前記ホームステータスを受信し、前記ユーザ端末と関連付けて、前記ホームステータスを表示するステータス表示手段と、
を備えるホームステータス通知システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate