説明

ストレージシステム

【課題】ストレージシステムの性能の低下を抑制すること。
【解決手段】記憶データと、当該記憶データを参照し当該データに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムから、上記コピー元ファイルシステムをコピー先ストレージシステムにコピーしてコピー先ファイルシステムを形成するコピー処理手段と、上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータと上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータとを比較して、上記コピー先ファイルシステム内にない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが参照している上記コピー元ファイルシステム内の上記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段と、を備え、上記コピー処理手段は、上記コピー元ファイルシステム内に記憶されている上記更新データを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージシステムにかかり、特に、データを分散して複数の記憶装置に記憶するストレージシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータの発達及び普及に伴い、種々の情報がデジタルデータ化されている。このようなデジタルデータを保存しておく装置として、磁気テープや磁気ディスクなどの記憶装置がある。そして、保存すべきデータは日々増大し、膨大な量となるため、大容量なストレージシステムが必要となっている。また、記憶装置に費やすコストを削減しつつ、信頼性も必要とされる。これに加えて、後にデータを容易に取り出すことが可能であることも必要である。その結果、自動的に記憶容量や性能の増大を実現できると共に、重複記憶を排除して記憶コストを削減し、さらには、冗長性の高いストレージシステムが望まれている。
【0003】
このような状況に応じて、近年では、特許文献1に示すように、コンテンツアドレスストレージシステムが開発されている。このコンテンツアドレスストレージシステムは、データを分散して複数の記憶装置に記憶すると共に、このデータの内容に応じて特定される固有のコンテンツアドレスによって、当該データを格納した格納位置が特定される。具体的に、コンテンツアドレスストレージシステムでは、所定のデータを複数のフラグメントに分割すると共に、冗長データとなるフラグメントをさらに付加して、これら複数のフラグメントをそれぞれ複数の記憶装置にそれぞれ格納している。
【0004】
そして、後に、コンテンツアドレスを指定することにより、当該コンテンツアドレスにて特定される格納位置に格納されているデータつまりフラグメントを読み出し、複数のフラグメントから分割前の所定のデータを復元することができる。
【0005】
また、上記コンテンツアドレスは、データの内容に応じて固有となるよう生成される。このため、重複データであれば同じ格納位置のデータを参照することで、同一内容のデータを取得することができる。従って、重複データを別々に格納する必要がなく、重複記録を排除し、データ容量の削減を図ることができる。
【0006】
一方で、上述したように、冗長性の高いコンテンツアドレスストレージシステムであっても、格納しているデータのレプリケーションが必要となる。この場合には、コピー元のファイルシステムを読み出して、コピー先となるファイルシステムにコピーする処理を行う。このとき、一度でもコピー処理を行っている場合には、コピー元のファイルシステムとコピー先のファイルシステムとを比較して、コピー元のファイルシステム内で更新ファイルを特定することで、コピー処理にかかる時間を削減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−235171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、コピー対象となるファイルシステムに膨大なファイルが格納されている場合には、前回のコピー処理後に更新された更新ファイルを特定する処理に多大な処理と時間を要する。例えば、コピー元のファイルシステムとコピー先のファイルシステムとにそれぞれ格納されている各ファイルの更新時刻情報を読み出して比較することにより更新ファイルを特定する場合には、全てのファイルの更新時刻情報を読み出す必要がある。従って、コピー処理にかかる時間及びシステムの負荷が増加し、システム自体の性能が低下する、という問題が生じる。
【0009】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、データのコピー処理にかかる時間及び負荷を抑制し、システムの性能の低下を抑制することができるストレージシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するため本発明の一形態であるレプリケーションシステムは、
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムと、
上記コピー元ストレージシステムに記憶された上記コピー元ファイルシステムのコピー先となるコピー先ストレージシステムと、を備えると共に、
上記コピー元ストレージシステムに記憶された上記コピー元ファイルシステムを、上記コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成するコピー処理手段と、
上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータと、上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと、を比較して、上記コピー先ファイルシステム内にない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが参照している上記コピー元ファイルシステム内の上記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段と、を備え、
上記コピー処理手段は、上記コピー元ファイルシステム内に記憶されている上記更新データを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする、
という構成を採る。
【0011】
また、本発明の他の形態であるレプリケーション装置は、
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムに記憶された上記コピー元ファイルシステムを、コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成するコピー処理手段と、
上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータと、上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと、を比較して、上記コピー先ファイルシステム内にない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが参照している上記コピー元ファイルシステム内の上記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段と、を備え、
上記コピー処理手段は、上記コピー元ファイルシステム内に記憶されている上記更新データを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする、
という構成を採る。
【0012】
また、本発明の他の形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムに記憶された上記コピー元ファイルシステムを、コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成するコピー処理手段と、
上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータと、上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと、を比較して、上記コピー先ファイルシステム内にない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが参照している上記コピー元ファイルシステム内の上記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段と、を実現させると共に、
上記コピー処理手段は、上記コピー元ファイルシステム内に記憶されている上記更新データを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする、
という構成を採る。
【0013】
また、本発明の他の形態であるレプリケーション方法は、
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムに記憶された上記コピー元ファイルシステムを、コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成し、
上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータと、上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと、を比較して、上記コピー先ファイルシステム内にない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが参照している上記コピー元ファイルシステム内の上記記憶データを更新データとして特定し、
上記コピー元ファイルシステム内に記憶されている上記更新データを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする、
という構成を採る。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上のように構成されることにより、データのコピー処理にかかる時間及び負荷を抑制し、システムの性能の低下が抑制されたストレージシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態1におけるストレージシステムを含むシステム全体の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態1におけるストレージシステムの構成の概略を示すブロック図である。
【図3】図2に開示したストレージシステムにおけるデータ記憶処理の様子を説明するための説明図である。
【図4】図2に開示したストレージシステムにおけるデータ記憶処理の様子を説明するための説明図である。
【図5】図2に開示したストレージシステムにおける記憶装置に対するデータの格納の様子を示す図である。
【図6】図2に開示したストレージシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図7】図2に開示したストレージシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【図8】図2に開示したストレージシステムの動作を示すフローチャートである。
【図9】図2に開示したストレージシステムの動作を示すフローチャートである。
【図10】図2に開示したストレージシステムにおけるデータ処理の様子を示す図である。
【図11】図2に開示したストレージシステムにおけるデータ処理の様子を示す図である。
【図12】図2に開示したストレージシステムにおけるデータ処理の様子を示す図である。
【図13】図2に開示したストレージシステムにおけるデータ処理の様子を示す図である。
【図14】図2に開示したストレージシステムにおけるデータ処理の様子を示す図である。
【図15】本発明の実施形態2におけるストレージシステムの構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、図1乃至図14を参照して説明する。図1は、システム全体の構成を示すブロック図である。図2は、ストレージシステムの構成の概略を示すブロック図である。図3乃至図4は、ストレージシステムにデータを記憶するときの様子を示す図である。図5は、記憶されるメタデータの一例を示す図である。図6乃至図7は、ストレージシステムのレプリケーションを行うための構成を示す図である。図8乃至図9は、ストレージシステムの動作を示すフローチャートである。図10乃至図14は、ストレージシステムにおけるデータ処理の様子を示す図である。
【0017】
ここで、本実施形態は、後述する実施形態2に開示のストレージシステムの具体的な一例を示すものである。そして、以下では、ストレージシステムが、複数台のサーバコンピュータが接続されて構成されている場合を説明する。但し、本発明におけるストレージシステムは、複数台のコンピュータにて構成されることに限定されず、1台のコンピュータで構成されていてもよい。
【0018】
図1に示すように、本発明におけるストレージシステムは、ネットワークNを介して接続されたマスタストレージシステム10とレプリカストレージシステム20とを備えている。そして、マスタストレージシステム10は、ネットワークNを介してバックアップ処理を制御するバックアップシステム11に接続している。また、バックアップシステム11は、ネットワークNを介して接続されたバックアップ対象装置12に格納されているバックアップ対象ファイルを取得し、マスタストレージシステム10に対して記憶するよう要求する。これにより、マスタストレージシステム10は、記憶要求されたバックアップ対象ファイルをバックアップ用に記憶する機能を有する。
【0019】
さらに、本発明におけるストレージシステムは、上述したようにマスタストレージシステム10(コピー元ストレージシステム)に記憶されたデータ(コピー元ファイルシステム)を、レプリカストレージシステム20(コピー先ストレージシステム)に複製を行う機能を有しており、レプリケーションシステムを構成している。なお、マスタストレージシステム10とレプリカストレージシステム20とは、ほぼ同様の構成であり、格納するデータもほぼ同一となる。
【0020】
そして、図2に示すように、本実施形態におけるマスタストレージシステム10は、複数のサーバコンピュータが接続されて構成を採っている。なお、レプリカストレージシステム20も、マスタストレージシステム10と同じ構成を採っているため、その詳細な説明は省略する。
【0021】
具体的に、マスタストレージシステム10は、ストレージシステム10自体における記憶再生動作を制御するサーバコンピュータであるアクセラレータノード10Aと、データを格納する記憶装置を備えたサーバコンピュータであるストレージノード10Bと、を備えている。なお、アクセラレータノード10Aの数とストレージノード10Bの数は、図2に示したものに限定されず、さらに多くの各ノード10A,10Bが接続されて構成されていてもよい。
【0022】
そして、上記アクセラレータノード10Aは、アクセラレータノード用プログラムが組み込まれることによって構築された、ファイルシステム部(図示せず)を備えている。このファイルシステム部は、バックアップシステム11から取得したバックアップ対象ファイルと、実際に格納されているデータの格納位置などを管理し、後に読み出し可能とする機能を有する。なお、アクセラレータノード10Aのさらなる詳細な構成についての説明は省略する。
【0023】
また、上記ストレージノード10Bは、ストレージノード制御部(図示せず)と、図5に示すマスタファイルシステム12と、を備えている。なお、上記ストレージノード制御部は、ストレージノード10Bにストレージノード用プログラムが組み込まれることにより実現されている。
【0024】
そして、上記マスタファイルシステム12は、記憶装置に形成されており、後述するように、メタデータを格納するメタデータ部50と、ファイルを構成する分割データを格納するデータ部90と、を備えている。
【0025】
ここで、上述したマスタストレージシステム10における基本的なデータの記憶処理、読出処理、及び、記憶するデータ構造について、図3乃至図5を参照して説明する。
【0026】
まず、ストレージシステムは、図4の矢印Y1に示すようにバックアップ対象データAの入力を受けると、図3及び図4の矢印Y2に示すように、当該バックアップ対象データAを、所定容量(例えば、64KB)のブロックデータDに分割する。そして、このブロックデータDのデータ内容に基づいて、当該データ内容を代表する固有のハッシュ値H(内容識別情報)を算出する(矢印Y3)。なお、ハッシュ値Hは、例えば、予め設定されたハッシュ関数を用いて、ブロックデータDのデータ内容に基づいて算出する。なお、この処理は、例えばアクセラレータノード10Aにて実行される。
【0027】
また、マスタストレージシステム10は、バックアップ対象データAのブロックデータDのハッシュ値Hを用いて、当該ブロックデータDが既に記憶装置31に格納されているか否かを調べる。具体的には、まず、既に格納されているブロックデータDは、そのハッシュ値Hと格納位置を表すコンテンツアドレスCAが、関連付けられてMFI(Main Fragment Index)ファイルに登録されている。従って、格納前に算出したブロックデータDのハッシュ値HがMFIファイル内に存在している場合には、既に同一内容のブロックデータDが格納されていると判断できる(図4の矢印Y4)。この場合には、格納前のブロックデータDのハッシュ値Hと一致したMFIファイル内のハッシュ値Hに関連付けられているコンテンツアドレスCAを、当該MFIファイルから取得する。そして、このコンテンツアドレスCAを、記憶要求にかかるブロックデータDのコンテンツアドレスCAとして返却する。これにより、このコンテンツアドレスCAにて参照される既に格納されているデータが、記憶要求されたブロックデータDとして使用されることとなり、当該記憶要求にかかるブロックデータDは記憶する必要がなくなる。
【0028】
また、マスタストレージシステム10は、上述したようにまだ記憶されていないと判断されたブロックデータDを圧縮して、図4の矢印Y5に示すように、複数の所定の容量のフラグメントデータに分割する。例えば、図3の符号D1〜D9に示すように、9つのフラグメントデータ(分割データ41)に分割する。さらに、ストレージシステムは、分割したフラグメントデータのうちいくつかが欠けた場合であっても、元となるブロックデータを復元可能なよう冗長データを生成し、上記分割したフラグメントデータ41に追加する。例えば、図3の符号D10〜D12に示すように、3つのフラグメントデータ(冗長データ42)を付加する。これにより、9つの分割データ41と、3つの冗長データとにより構成される12個のフラグメントデータからなるデータセット40を生成する。
【0029】
また、マスタストレージシステム10は、上述したように生成されたデータセットを構成する各フラグメントデータを、記憶装置31に形成された各記憶領域に、それぞれ分散して格納する。例えば、図3に示すように、12個のフラグメントデータD1〜D12を生成した場合には、12個の記憶装置31にそれぞれ形成したデータ格納ファイルに、各フラグメントデータD1〜D12を1つずつそれぞれ格納する(図4の矢印Y6参照)。
【0030】
また、マスタストレージシステム10は、上述したように記憶装置31に格納したフラグメントデータD1〜D12の格納位置、つまり、当該フラグメントデータD1〜D12にて復元されるブロックデータDの格納位置を表す、コンテンツアドレスCAを生成して管理する。具体的には、格納したブロックデータDの内容に基づいて算出したハッシュ値Hの一部(ショートハッシュ)(例えば、ハッシュ値Hの先頭8B(バイト))と、論理格納位置を表す情報と、を組み合わせて、コンテンツアドレスCAを生成する。そして、このコンテンツアドレスCAを、マスタストレージシステム10内のファイルシステム、つまり、アクセラレータノード10Aに返却する(図4の矢印Y7)。すると、アクセラレータノード10Aは、バックアップ対象データのファイル名などの識別情報と、コンテンツアドレスCAとを関連付けてファイルシステムで管理しておく。
【0031】
ここで、本実施形態では、特に、上記コンテンツアドレスCAに、現在時刻を表す現在時刻情報を含める。これにより、格納したフラグメントデータ(記憶データ)を参照するコンテンツアドレスCA(キーデータ)が固有となるよう設定する。
【0032】
また、マスタストレージシステム10は、ブロックデータDのコンテンツアドレスCAと、当該ブロックデータDのハッシュ値Hと、を関連付けて、各ストレージノード10BがMFIファイルにて管理する(図4の矢印Y8)。このように、上記コンテンツアドレスCAは、ファイルを特定する情報やハッシュ値Hなどと関連付けられて、アクセラレータノード10Aやストレージノード10Bの記憶装置30に格納される。
【0033】
さらに、マスタストレージシステム10は、上述したように格納したバックアップ対象データを読み出す制御を行う。例えば、ストレージシステム10に対して、特定のファイルを指定して読み出し要求があると、まず、ファイルシステムに基づいて、読み出し要求にかかるファイルに対応するハッシュ値の一部であるショートハッシュと論理位置の情報からなるコンテンツアドレスCAを指定する。そして、コンテンツアドレスCAがMFIファイルに登録されているか否かを調べる。登録されていなければ、要求されたデータは格納されていないため、エラーを返却する。
【0034】
一方、読み出し要求にかかるコンテンツアドレスCAが登録されている場合には、上記コンテンツアドレスCAにて指定される格納位置を特定し、この特定された格納位置に格納されている各フラグメントデータを、読み出し要求されたデータとして読み出す。そして、読み出し要求に応じて読み出した各フラグメントデータからブロックデータDを復元する。さらに、格納位置管理部25は、復元したブロックデータDを複数連結し、ファイルAなどの一群のデータに復元して、読み出し制御を行っているアクセラレータノード10Aに返却する。
【0035】
そして、上述した記憶データの格納位置を表す上記コンテンツアドレスCA(キーデータ)は、メタデータとして、図5に示すように、階層構造に形成されて、メタデータ部50に記憶される。具体的に、メタデータ部50は、データ部90に格納するデータや他のメタデータを参照するメタデータを格納する、ルートノード60と、インデックスノード70と、リーフノード80と、を有している。これらルートノード60、インデックスノード70、リーフノード80に格納される各メタデータは、上記ストレージノード制御部により、データ格納時、あるいは、任意のタイミングで、新規に生成あるいは更新され、格納される。
【0036】
さらに図5を参照して、上述したストレージノード制御部にて記憶処理される、データ部90に格納する格納データと、ルートノード60と、インデックスノード70と、リーフノード80に格納される上記格納データの格納位置を表す各メタデータ(コンテンツアドレス(キーデータ))と、について詳述する。
【0037】
まず、データ部90に格納する格納データ91,92,93は、ストレージシステムに記憶する記憶対象となるファイルを分割した分割データである。
【0038】
そして、リーフノード80に格納されるメタデータ81,82は、上記格納データ91,92等の格納位置を表すデータである。特に、このリーフノード80に格納されるメタデータ81は、図示するように、上記格納データ91等の格納位置を表すアドレス情報であるコンテンツアドレス(CA)を格納するアドレス部81bと、格納データ91等の分割前におけるファイル内での相対位置を表すファイル内位置情報(file offset)を記憶するオフセット部81aと、を有している。
【0039】
そして、アドレス部81bに格納される上記CA(コンテンツアドレス)は、データ部90に格納された格納データ91等を参照しており、当該格納データ91の格納位置に一意のデータである。例えば、コンテンツアドレスCAは、参照する格納データのデータ内容に基づいて生成されたハッシュ値の一部と物理的な位置情報を表す情報とを含んで生成されたデータである。そして、特に、本実施形態では、参照している格納データ91が更新されると、当該格納データを参照するコンテンツアドレスCAに現在時刻情報が含められる。これにより、コンテンツアドレスCAは、参照するデータに応じてより固有な情報となる。また、オフセット部81aに格納される上記file offsetは、対応するCAが参照する格納データ91等の分割前のファイルにおけるファイル内相対位置を表すデータである。
【0040】
次に、インデックスノード70に格納されているメタデータ71,72について説明する。インデックスノード70に格納されるメタデータ71は、上述したリーフノード80に格納されたメタデータ81等の格納位置を表すデータである。特に、このインデックスノード70に格納されるメタデータ71は、図示するように、リーフノード80に格納されたメタデータ81等の格納位置を表すアドレス情報であるコンテンツアドレス(CA)を格納するアドレス部71bと、格納データの分割前におけるファイル内での相対位置を表すファイル内位置情報(file offset)を記憶するオフセット部71aと、を有している。なお、上記オフセット部とアドレス部とは、相互に対応して記憶されている。
【0041】
そして、上述したアドレス部71bに格納される上記コンテンツアドレスCAは、参照するリーフノード80内のメタデータ81の格納位置に一意のデータである。例えば、コンテンツCAは、参照するメタデータ81のデータ内容に基づいて生成されたハッシュ値の一部と物理的な位置情報を表す情報とを含んで生成されたデータである。
【0042】
次に、ルートノード60に格納されているメタデータ61,62,63について説明する。ルートノード60に格納されるメタデータ61は、上述した各メタデータの最上位に位置しており、インデックスノード70に格納されたメタデータ71の格納位置を表すデータである。特に、このルートノード60に格納されるメタデータ61は、図5に示すように、上記インデックスノード70に格納されたメタデータ71等の格納位置を表すアドレス情報であるコンテンツアドレス(CA)を格納するアドレス部61bと、このCAの参照先に位置する格納データの分割前におけるファイル内での相対位置を表すファイル内位置情報(file offset)を記憶するオフセット部61aと、を有している。なお、上記オフセット部とアドレス部とは、相互に対応して記憶されている。
【0043】
そして、上述したアドレス部61bに格納される上記コンテンツアドレスCAは、参照するインデックスノード70内のメタデータ71の格納位置に一意のデータである。例えば、コンテンツアドレスCAは、参照するメタデータ71のデータ内容に基づいて生成されたハッシュ値の一部と物理的な位置情報を表す情報とを含んで生成されたデータである。
【0044】
また、上記キー部に格納される上記file offsetは、対応するコンテンツアドレスCAの参照先にある格納データのファイル内相対位置を表すデータである。つまり、コンテンツアドレスCAにて参照されるインデックスノード71内のメタデータ、さらには、当該インデックスノード71にて参照されるリーフノード80内のメタデータ81,82等にて参照され、最終的に特定される格納データ91等の分割前のファイルにおける順番を表している。
【0045】
なお、符号61に示すメタデータは、ファイルAに相当するメタデータである。つまり、このメタデータ61にて参照する全てのメタデータ(インデックスノード70内及びリーフノード80内のメタデータ71,81等)を辿って参照される格納データを用いることで、分割前のファイルAを構成することができる。
【0046】
以上のように、ストレージノード制御部は、ファイルを格納する際には、当該ファイルを分割し、その分割データをデータ部90に格納する。そして、この格納データを参照する各メタデータを、図5に示すように、階層化して生成あるいは更新する。このとき、ストレージ制御部は、下位階層に位置する既存の他のメタデータや格納データを参照するようメタデータのコンテンツアドレス(CA)を生成することで、重複してメタデータや格納データを記憶することを抑制することができる。
【0047】
そして、特に、本実施形態では、上述したように、参照している格納データ91が更新されると、当該格納データを参照するリーフノード80内のコンテンツアドレスCAに現在時刻情報が含められる。これにより、コンテンツアドレスCAは、参照するデータに応じてより固有な情報となる。そして、この固有な情報であるコンテンツアドレスCAに基づいて、当該コンテンツアドレスCAを含むメタデータを参照する上位階層(インデックスノード、ルートノード)のコンテンツアドレスCAも、固有な情報を含むよう更新される。例えば、本実施形態におけるコンテンツアドレスCAは、例えば、後述するユニークキー生成部139(固有情報生成手段)にて、固有に生成される。
【0048】
但し、上記コンテンツアドレスCAには、必ずしも現在時刻情報が含められることに限定されない。上述したように、コンテンツアドレスCAは、参照先のデータのハッシュ値の一部を含むだけでもよい。このようにしても、コンテンツアドレスCAを、特定のデータを参照する固有のキーデータとして使用することができる。
【0049】
また、ストレージ制御部は、ファイルを読み出す際には、各メタデータの参照先を辿って行き、参照された格納データ91等を読み出して、ファイルを生成して読み出す。例えば、図5に示すようにデータが格納されており、ファイルAを読み出す際には、ファイルAを参照するルートノード60内のメタデータ61から、当該メタデータ61が参照するインデックスノード70内のメタデータ、さらには、リーフノード80内のメタデータを辿って行き、最終的に参照された複数の格納データを読み出す。そして、各メタデータ内のfile offsetにて表わされた順番に、ファイルを再生する。
【0050】
次に、上述したストレージシステムが備えるレプリケーションを実行するための構成及び動作について、図6乃至図8を参照して説明する。
【0051】
まず、本実施形態においてストレージシステムを構成するマスタストレージシステム10とレプリカストレージシステム20とは、図6に示すように、それぞれのアクセラレータノード10A,20Aが、レプリケーションを行う機能を有するレプリケータ11,21を備えている。これらレプリケータ11,21は、相互に協働して、マスタストレージシステム10に格納されたマスタファイルシステム12を、レプリカストレージシステム20にコピー処理する。
【0052】
ここで、レプリケーションを行うためにストレージシステムが有する具体的な機能を、図7を参照して説明する。なお、図7に示す構成は、マスタストレージシステム10を構成するアクセラレータノード10A内に構成されていることとして説明する。但し、これらの構成は、ストレージシステム内のいかなるコンピュータに装備されていてもよい。
【0053】
図7に示すように、ストレージシステムは、入力装置101と、コピー部102と、ファイルシステムアクセス部103と、を備えている。また、ストレージシステムは、ファイルシステムアクセス部103によって作成されたコピー元ファイルシステム200と、コピー先ファイルシステム300を含む。
【0054】
なお、上記コピー元ファイルシステム200(13)は、レプリケーション時にマスタストレージシステム10内でマスタファイルシステム12が複製されて生成されたものである。同様に、コピー先ファイルシステム300(23)は、レプリケーション時にレプリカストレージシステム20内でレプリカファイルシステム22が複製されて生成されたものである。このように、実際のレプリケーション時には、コピー元、コピー先のファイルシステムの複製を用いる。但し、以下では、説明の都合上、マスタファイルシステム12をコピー元ファイルシステム200として、レプリカファイルシステム22をコピー先ファイルシステム300として、それぞれ説明する。
【0055】
そして、上記コピー部102は、図7に示すように、要求ファイル特定部121と、コピー処理部122と、を備えている。また、ファイルシステムアクセス部103は、ファイル更新部130と、ファイル属性情報更新部131と、ファイル属性情報読出し部132と、ファイル管理領域読出部133と、ファイルデータ書出部133と、ファイルデータ読出部134と、ファイル管理領域読出部135と、ファイル管理領域更新部136と、データブロック書出部137と、データブロック読出部138と、ユニークキー生成部139と、を備えている。
【0056】
次に、上記構成によるストレージシステムの動作を、図8のデータ構造図及び図9乃至図10のフローチャートを参照して説明する。はじめに、マスタストレージシステム10に格納されているマスタファイルシステム12つまりコピー元ファイルシステム200内のデータが更新されるときの動作を説明する。具体的には、コピー元ファイルシステム200に格納されているファイル属性部162が参照するデータ(記憶データ)が更新された場合について説明する。
【0057】
まず、ファイルシステムアクセス部103へファイルの更新要求があると(ステップS1)、ファイル更新部130はファイル番号と更新ファイルデータを受け取る。そして、ファイル更新部130は、ファイルデータ書出部133へファイル番号と更新ファイルデータを渡し、更新ファイルデータを書き出す(ステップS2)。
【0058】
続いて、更新ファイルデータ書出し後に、ファイル更新部130は、ファイル属性情報読出部132にファイル番号を渡し、ファイル属性部キー情報252を検索する。ファイル属性部キー情報252を検索後、データブロック読出し部138へファイル属性部キー情報252を渡し、ファイル属性部262を読み出す。
【0059】
続いて、ファイル更新部130は、読み出したファイル属性部262に格納されているファイル更新時刻情報に、現在時刻を表す現在時刻情報を設定する(ステップS3)。これにより、更新ファイルデータを参照するファイル属性部262は、更新ファイルデータに固有(ユニーク)なデータ(キーデータ)となる。つまり、この場合には、ファイル更新部130は、更新ファイルデータを参照するファイル属性部262に、当該更新ファイルデータに応じた固有のデータ(キーデータ)を含める固有情報生成手段として機能する。
【0060】
そして、ファイル更新部130は、ファイル属性情報更新部131へファイル番号とファイル属性部162を渡す。これを受けたファイル属性情報更新部131は、データブロック書出部135へファイル属性部262を渡す。そして、データブロック書出部135は、ファイル属性部262を書き出す(ステップS4)。
【0061】
続いて、データブロック書出部135は、ユニークキー生成部139により生成されたファイル属性部262に対して一意となるファイル属性部キー情報を取得して、ファイル属性情報更新部131へ返却する。つまり、ユニークキー生成部139(固有情報生成手段)は、参照するファイル属性部262が変化すると、当該ファイル属性部262を参照する固有のファイル属性部キー情報(キーデータ)を生成する(ステップS5)。そして、ファイル属性情報更新部131は、ファイル管理ブロック241のファイル番号に対応するファイル属性部キー情報252へ、データブロック書出部135から返却されたファイル属性部キー情報を格納する(ステップS6)。
【0062】
続いて、ファイル管理ブロック241のファイル属性部キー情報252の変更に応じて、ユニークキー生成部139を用いてファイル管理ブロック241のユニークキー(キーデータ)を生成する(ステップS7)。そして、ユニークキー生成部139により生成されたファイル管理ブロック241のユニークキーを、ファイル管理情報部221のファイル管理ブロックキー情報231へ格納する(ステップS8)。
【0063】
続いて、ファイル管理ブロックキー情報231の変更に応じて、ユニークキー生成部139を用いて、ファイル管理情報部221の新しいユニークキー(キーデータ)を生成する(ステップS9)。そして、生成されたファイル管理情報部221のユニークキーをファイル管理情報部キー情報211へ格納する(ステップS10)。
【0064】
なお、上述した現在時刻情報やユニークキーなどの参照先のデータに固有のデータは、更新ファイルデータあるいは他のメタデータを参照するコンテンツアドレス自体、あるいは、コンテンツアドレスに含まれるデータである。
【0065】
ここで、例えば、図11(A)の変更前のファイルシステムと図11(B)の変更後のファイルシステムとを考える。このとき、図11(A)のファイルシステムに対して、図11(B)の符号D1に示す「Data」が更新されたとする。すると、このData(D1)を参照する固有のコンテンツアドレスCA*(C1)の値が変更される。これに伴い、このコンテンツアドレスCA*(C1)を含むメタデータM1の内容も変更されるため、当該メタデータM1に固有であり、これを参照するコンテンツアドレスCA*(C2)の値が変更される。
【0066】
そして、上記コンテンツアドレスCA*(C2)を含むメタデータM2の内容も変更されるため、当該メタデータM2に固有であり、これを参照するコンテンツアドレスCA*(C3)の値が変更される。すると、このコンテンツアドレスCA*(C3)を含むメタデータM3の内容も変更されるため、当該メタデータM3に固有であり、これを参照するコンテンツアドレスCA*(C4)の値が変更される。さらに、このコンテンツアドレスCA*(C4)を含むメタデータM4の内容も変更されるため、当該メタデータM4に固有であり、これを参照するコンテンツアドレスCA*(C5)の値が変更される。そして、このコンテンツアドレスCA*(C5)を含むメタデータM5の内容も変更される。
【0067】
以上のように、ストレージシステムに格納されるデータが更新されると、図11(B)の矢印Y100に示すように、コンテンツアドレスが順に変更されることとなる。つまり、下位階層に位置する上記更新データを参照するコンテンツアドレスから、そのコンテンツアドレスが含まれるメタデータを参照する上位階層に位置するコンテンツアドレスへと向かって、順に、それぞれコンテンツアドレスの値が変更されることとなる。
【0068】
次に、マスタストレージシステム10とレプリカストレージシステム20とにおけるレプリケーション、つまり、コピー元ファイルシステム200のコピー処理について説明する。なお、事前に、コピー元ファイルシステム200がマスタストレージシステム10からレプリカストレージシステム20にレプリケーションされて、コピー元ファイルシステム200と同一のファイルシステムであるコピー先ファイルシステムが、レプリカストレージシステム20に格納されていることとする。
【0069】
そして、その後のコピー処理の際には、まず、更新ファイル特定部121(更新データ特定手段)が、前回のコピー処理後に更新されたファイルを特定する。そして、その後、コピー処理部122(コピー処理手段)が、特定した更新ファイルやメタデータをコピーする。以下、図10を参照して具体的に説明する。
【0070】
まず、コピー部102が入力装置101からの入力によりコピー要求を受け付けると(ステップS21)、更新ファイル特定部121へコピー元ファイルシステム200とコピー先ファイルシステム300を特定する情報を渡す。
【0071】
続いて、更新ファイル特定部121は、ファイルシステムアクセス部103のファイル管理領域読出部135を用いて、コピー元ファイルシステム200のファイルシステム管理領域201と、コピー先ファイルシステム300のファイルシステム領域301と、を読み出す。続いて、更新ファイル特定部121は、ファイルシステム管理領域201が有するファイル管理情報部キー情報211と、ファイル管理領域301が有するファイル管理情報部キー情報311と、を比較する(ステップS22)。
【0072】
このとき、2つのファイル管理情報部キー情報が一致している場合には(ステップS23でイエス)、更新されたファイルがないと判断して更新ファイル特定部21は処理を終了する。
【0073】
一方、2つのファイル管理情報部キー情報が一致していない場合には(ステップS23でノー)、更新されたファイルがあることを意味するため、更新ファイルの特定を行う。具体的には、ファイル管理情報部キー情報211をデータブロック読出部138に渡し、当該ファイル管理情報部キー情報211が参照するファイル管理情報部221を読み出す。そして、ファイル管理情報部221と、コピー先ファイルシステム300内のファイル管理情報部321とが、それぞれ有するファイル管理ブロックキー情報を比較する(ステップS24)。その後、比較結果に基づき、異なるファイル管理ブロックキー情報を特定する。ここでは、異なるファイル管理ブロックキー情報が、ファイル管理ブロックキー情報231とファイル管理ブロックキー情報331であることとする。
【0074】
続いて、異なるファイル管理ブロックキー情報231,331がそれぞれ参照するファイル管理ブロック241,341内のファイル属性部キー情報251〜253,351〜353をそれぞれ比較する(ステップS25)。具体的には、データブロック読出部138にファイル管理ブロックキー情報231を渡し、ファイル管理ブロック241を読み出す。また、データブロック読出部138にファイル管理ブロックキー情報331を渡し、ファイル管理ブロック341を読み出す。読み出したファイル管理ブロック231とファイル管理ブロック341に含まれるファイル属性部キー情報を比較し、異なるファイル属性部キー情報を特定する(ステップS26)。ここでは、異なるファイル属性部キー情報が、ファイル属性部キー情報252とファイル属性部キー情報352であることとする。そして、異なる情報であるファイル属性部キー情報252が示すファイルが、更新されたファイルであると特定する(ステップS27)。
【0075】
その後、コピー部102は、更新ファイル特定部121から更新ファイル情報を受け取り、コピー処理部122に更新ファイル情報を渡し、コピー処理を実行する。このとき、特定した更新ファイル自体、当該更新ファイルを参照するメタデータ、さらに、これらメタデータを参照する上位階層のメタデータを、コピー先ファイルシステム300にコピーする。これにより、コピー先ファイルシステム300内のデータに対して更新されたコピー元ファイルシステム200のデータのみを、レプリカストレージシステム20にコピーすることができる。
【0076】
次に、上記コピー処理の一例を、図12乃至図14を参照して説明する。なお、それぞれに図の例において、左側がコピー先ファイルシステム300を示し、右側がコピー元ファイルシステムを示す。つまり、コピー先ファイルシステム300に対してコピー元ファイルシステム内のデータが更新された状態を示している。なお、これらの図においては、「Inode」で示す箇所に、記憶対象のデータが記憶されていることとする。
【0077】
はじめに、図12の例では、符号D11に示す「Inode」に格納されたデータが更新されたこととする。このとき、まず、最上位階層であるルートノードに位置するメタデータに含まれるコンテンツアドレスCAを比較すると、コピー元ファイルシステム200内の符号C13に示すコンテンツアドレスCA*が、コピー先ファイルシステム300内のコンテンツアドレスCAと異なる(1)。つまり、符号C13に示すコンテンツアドレスCA*は、コピー先ファイルシステム300には存在しない。従って、この符号C13に示すコンテンツアドレスCA*の参照先となる下位階層であるインデックスノードのメタデータを調べる。
【0078】
続いて、インデックスノードに位置するコンテンツアドレスCAを比較すると、コピー元ファイルシステム200内の符号C12に示すコンテンツアドレスCA*が、コピー先ファイルシステム300内のコンテンツアドレスCAと異なる(2)。つまり、符号C12に示すコンテンツアドレスCA*は、コピー先ファイルシステム300には存在しない。従って、この符号C12に示すコンテンツアドレスCA*の参照先となる下位階層であるリーフノードのメタデータを調べる。
【0079】
続いて、リーフノードに位置するコンテンツアドレスCAを比較すると、コピー元ファイルシステム200内の符号C11に示すコンテンツアドレスCA*が、コピー先ファイルシステム300内のコンテンツアドレスCAと異なる(3)。つまり、符号C11に示すコンテンツアドレスCA*は、コピー先ファイルシステム300には存在しない。従って、この符号C11に示すコンテンツアドレスCA*の参照先となる符号D11に示すInodeに格納されたデータを、更新データとして特定する。
【0080】
その後、コピー元ファイルシステム200内の更新データとして特定したデータと、辿ってきたメタデータとを、コピー先ファイルシステム300にコピーする。
【0081】
以上のように、本発明では、コピー元ファイルシステム内とコピー先ファイルシステム内の各メタデータを、最上位階層から比較し、異なるコンテンツアドレスを辿っていくことで、更新されたデータを特定することができる。従って、各ファイルシステム内の全てのデータを比較する必要はなく、記憶されているデータを参照するメタデータを比較することで、更新データを容易かつ迅速に特定することができる。その結果、データのコピー処理にかかる時間及び負荷を抑制し、システムの性能の低下を抑制することができる。
【0082】
次に、図13の例では、符号D21に示す「Inode」に格納されたデータが更新され、また、メタデータの階層が増えたこととする。このとき、まず、最上位階層であるルートノードに位置するメタデータに含まれるコンテンツアドレスCAを比較すると、コピー元ファイルシステム200内の符号C23,C24に示すコンテンツアドレスCA*が、コピー先ファイルシステム300内のコンテンツアドレスCAと異なる(11)。つまり、符号C23,C24に示すコンテンツアドレスCA*は、コピー先ファイルシステム300には存在しない。従って、この符号C23,C24に示すコンテンツアドレスCA*の参照先となる下位階層であるインデックスノードのメタデータを調べる。
【0083】
続いて、インデックスノードに位置するコンテンツアドレスCAを比較すると、コピー元ファイルシステム200内の符号C22に示すコンテンツアドレスCA*が、コピー先ファイルシステム300内のコンテンツアドレスCAと異なる(12)。つまり、符号C22に示すコンテンツアドレスCA*は、コピー先ファイルシステム300には存在しない。従って、この符号C22に示すコンテンツアドレスCA*の参照先となる下位階層であるリーフノードのメタデータを調べる。
【0084】
続いて、リーフノードに位置するコンテンツアドレスCAを比較すると、コピー元ファイルシステム200内の符号C21に示すコンテンツアドレスCA*が、コピー先ファイルシステム300内のコンテンツアドレスCAと異なる(13)。つまり、符号C21に示すコンテンツアドレスCA*は、コピー先ファイルシステム300には存在しない。従って、この符号C21に示すコンテンツアドレスCA*の参照先となる符号D21に示すInodeに格納されたデータを、更新データとして特定する。
【0085】
その後、コピー元ファイルシステム200内の更新データとして特定したデータと、辿ってきたメタデータとを、コピー先ファイルシステム300にコピーする。
【0086】
次に、図14の例では、符号D31,D31に示す「Inode」に格納されたデータが更新されたこととする。このとき、まず、最上位階層であるルートノードに位置するメタデータに含まれるコンテンツアドレスCAを比較すると、コピー元ファイルシステム200内の符号C34に示すコンテンツアドレスCA*が、コピー先ファイルシステム300内のコンテンツアドレスCAと異なる(21)。つまり、符号C34に示すコンテンツアドレスCA*は、コピー先ファイルシステム300には存在しない。従って、この符号C34に示すコンテンツアドレスCA*の参照先となる下位階層であるインデックスノードのメタデータを調べる。
【0087】
続いて、インデックスノードに位置するコンテンツアドレスCAを比較すると、コピー元ファイルシステム200内の符号C33に示すコンテンツアドレスCA*が、コピー先ファイルシステム300内のコンテンツアドレスCAと異なる(22)。つまり、符号C33に示すコンテンツアドレスCA*は、コピー先ファイルシステム300には存在しない。従って、この符号C33に示すコンテンツアドレスCA*の参照先となる下位階層であるリーフノードのメタデータを調べる。
【0088】
続いて、リーフノードに位置するコンテンツアドレスCAを比較すると、コピー元ファイルシステム200内の符号C31,C32に示すコンテンツアドレスCA*が、コピー先ファイルシステム300内のコンテンツアドレスCAと異なる(23)。つまり、符号C31,C32に示すコンテンツアドレスCA*は、コピー先ファイルシステム300には存在しない。従って、この符号C31,C32に示すコンテンツアドレスCA*の参照先となる符号D31,D32に示すInodeに格納されたデータを、更新データとして特定する。
【0089】
その後、コピー元ファイルシステム200内の更新データとして特定したデータと、辿ってきたメタデータとを、コピー先ファイルシステム300にコピーする。このとき、特定した更新データ自体、当該更新データを参照するコンテンツアドレスを含むメタデータ、さらに、これらメタデータを参照する上位階層のメタデータを、コピー先ファイルシステム300にコピーする。つまり、コピー先ファイルシステム300に対して、変更されているコピー元ファイルシステム200内のデータのみをコピーする。
【0090】
<実施形態2>
次に、本発明の第2の実施形態を、図15を参照して説明する。図15は、本実施形態におけるストレージシステムの構成を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態では、上述したストレージシステムの概略を説明する。
【0091】
図15に示すように、本実施形態におけるストレージシステムは、記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステム2を記憶したコピー元ストレージシステム1と、上記コピー元ストレージシステムに記憶された上記コピー元ファイルシステムのコピー先となるコピー先ストレージシステム3と、を備えている。
【0092】
そして、上記コピー元ストレージシステム1に記憶された上記コピー元ファイルシステム2を、上記コピー先ストレージシステム3にコピーして当該コピー先ストレージシステム3にコピー先ファイルシステム4を形成するコピー処理手段5と、上記コピー元ファイルシステム2内の上記キーデータと、上記コピー先ファイルシステム4内の上記キーデータと、を比較して、上記コピー先ファイルシステム4内にない上記コピー元ファイルシステム2内の上記キーデータが参照している上記コピー元ファイルシステム2内の上記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段5と、を備えている。
【0093】
さらに、上記コピー処理手段5は、上記コピー元ファイルシステム2内に記憶されている上記更新データを、上記コピー先ファイルシステム4にコピーする、という構成を採る。
なお、図15では、上記コピー処理手段5と更新データ特定手段6とは、別途、レプリケーション装置7に装備されているが、コピー元ストレージシステム1及び/あるいはコピー先ストレージシステム3に装備されていてもよい。
【0094】
上記構成のストレージシステムによると、まず、コピー元ストレージシステムには、記憶データが記憶されていると共に、当該記憶データを参照するキーデータが記憶されており、コピー元ファイルシステムを形成している。そして、このコピー元ファイルシステムをコピー先ストレージシステムにコピーすることで、同一内容のコピー先ファイルシステムがコピー先ストレージシステム内に形成される。その後、コピー元ファイルシステム内に更新データが記憶されると、この更新データを参照するキーデータは、更新データに応じて固有な情報を含むよう生成あるいは更新される。
【0095】
そして、その後、コピー元ファイルシステムをコピー先ストレージシステムにコピーする際には、コピー元ファイルシステムにおいて更新された差分だけを更新する処理を実行する。具体的には、まず、コピー元ファイルシステム内のキーデータを参照して、コピー先ファイルシステム内のキーデータと比較する。そして、各キーデータが一致する場合には、更新データがないと判断し、コピーを中止する。一方、キーデータが異なる場合には、コピー元ファイルシステム内の異なるキーデータにて参照される記憶データを、更新データとして特定する。その後、特定した更新データをコピーする。
【0096】
以上により、本発明によると、コピー元ファイルシステムとコピー先ファイルシステムとで、全ての記憶データを比較する必要はなく、当該記憶データを参照するキーデータを比較することで、更新された記憶データを特定することができる。従って、データのコピー処理にかかる時間及び負荷を抑制し、システムの性能の低下を抑制することができる。
【0097】
また、上記レプリケーションシステムでは、上記キーデータは、上記記憶データを参照するデータと、1つ又は複数の他の上記キーデータを含むメタデータを参照するデータと、があり、当該キーデータ間で階層構造を形成している。そして、上記更新データ特定手段は、上記キーデータの比較により、上記コピー先ファイルシステムにない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが上記メタデータを参照している場合には、当該メタデータに含まれる上記キーデータを比較対象として上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと比較する、という構成を採る。
【0098】
また、上記レプリケーションシステムでは、上記更新データ特定手段は、上記キーデータを比較して、上記コピー先ファイルシステム内にない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータの参照先を辿って、上記更新データを特定する、という構成を採る。
【0099】
また、上記レプリケーションシステムでは、上記更新データ特定手段は、上位階層から下位階層に向かって順に位置する上記キーデータの比較を行い、当該キーデータの参照先を辿る、という構成を採る。
【0100】
このように、記憶データを参照するキーデータを含むメタデータを、さらに別のキーデータで参照する階層構造となっている場合には、コピー先ファイルシステム内にないコピー元ファイルシステム内のキーデータを辿っていくことで、迅速に更新データを特定することができる。
【0101】
また、上記レプリケーションシステムでは、上記コピー処理手段は、上記コピー元ファイルシステムに記憶されている、上記更新データ特定手段にて特定された更新データ、及び、上記更新データ特定手段にて上記コピー先ファイルシステム内にないと判断された上記キーデータを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする、という構成を採る。
【0102】
また、上記レプリケーションシステムでは、上記コピー処理手段は、上記コピー元ファイルシステムに記憶されている、上記更新データ特定手段にて特定された更新データ、上記更新データ特定手段にて上記コピー先ファイルシステム内にないと判断された上記キーデータ、及び、当該キーデータが含まれる上記メタデータを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする、という構成を採る。
【0103】
さらに、上記レプリケーションシステムでは、上記キーデータが参照するデータに応じた固有の情報を生成し、当該キーデータに含める固有情報生成手段を備えた、という構成を採る。
【0104】
そして、上記レプリケーションシステムでは、上記固有情報生成手段は、上記コピー元ファイルシステムに上記更新データが記憶されることにより上記キーデータが参照するデータが変化したときに、当該データに応じた固有の情報を生成し、当該データを参照している上記キーデータに含める、という構成を採る。
【0105】
また、本発明の他の形態は、上述したレプリケーション装置であり、
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムに記憶された上記コピー元ファイルシステムを、コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成するコピー処理手段と、
上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータと、上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと、を比較して、上記コピー先ファイルシステム内にない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが参照している上記コピー元ファイルシステム内の上記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段と、を備え、
上記コピー処理手段は、上記コピー元ファイルシステム内に記憶されている上記更新データを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする、
という構成を採る。
【0106】
また、上記レプリケーション装置では、
上記キーデータは、上記記憶データを参照するデータと、1つ又は複数の他の上記キーデータを含むメタデータを参照するデータと、があり、当該キーデータ間で階層構造を形成していると共に、
上記更新データ特定手段は、上記キーデータの比較により、上記コピー先ファイルシステムにない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが上記メタデータを参照している場合には、当該メタデータに含まれる上記キーデータを比較対象として上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと比較する、
という構成を採る。
【0107】
また、上述したレプリケーションシステムあるいはレプリケーション装置は、情報処理装置に、プログラムが組み込まれることで実現できる。具体的に、本発明の他の形態であるプログラムは、情報処理装置に、
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムに記憶された上記コピー元ファイルシステムを、コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成するコピー処理手段と、
上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータと、上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと、を比較して、上記コピー先ファイルシステム内にない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが参照している上記コピー元ファイルシステム内の上記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段と、を実現させる。
そして、上記コピー処理手段は、上記コピー元ファイルシステム内に記憶されている上記更新データを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする、という構成を採る。
【0108】
また、上記プログラムでは、
上記キーデータは、上記記憶データを参照するデータと、1つ又は複数の他の上記キーデータを含むメタデータを参照するデータと、があり、当該キーデータ間で階層構造を形成している場合に、
上記更新データ特定手段は、上記キーデータの比較により、上記コピー先ファイルシステムにない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが上記メタデータを参照している場合には、当該メタデータに含まれる上記キーデータを比較対象として上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと比較する、
という構成を採る。
【0109】
また、上述したレプリケーションシステムが作動することにより実行される、本発明の他の形態であるレプリケーション方法は、
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムに記憶された上記コピー元ファイルシステムを、コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成し、
上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータと、上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと、を比較して、上記コピー先ファイルシステム内にない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが参照している上記コピー元ファイルシステム内の上記記憶データを更新データとして特定し、
上記コピー元ファイルシステム内に記憶されている上記更新データを、上記コピー先ファイルシステムにコピーする、
という構成を採る。
【0110】
また、上記レプリケーション方法では、
上記キーデータは、上記記憶データを参照するデータと、1つ又は複数の他の上記キーデータを含むメタデータを参照するデータと、があり、当該キーデータ間で階層構造を形成している場合に、
上記更新データの特定時に、上記キーデータの比較により、上記コピー先ファイルシステムにない上記コピー元ファイルシステム内の上記キーデータが上記メタデータを参照している場合には、当該メタデータに含まれる上記キーデータを比較対象として上記コピー先ファイルシステム内の上記キーデータと比較する、
レプリケーション方法
【0111】
上述した構成を有する、レプリケーション装置、プログラム、又は、レプリケーション方法、の発明であっても、上記レプリケーションシステムと同様の作用を有するために、上述した本発明の目的を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、複数のストレージシステムが接続され、当該ストレージシステム間でレプリケーションを行うシステムに利用することができ、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0113】
1 コピー元ストレージシステム
2 コピー元ファイルシステム
3 コピー先ストレージシステム
4 コピー先ファイルシステム
5 コピー処理手段
6 更新データ特定手段
7 レプリケーション装置
10 マスタストレージシステム
10A アクセラレータノード
10B ストレージノード
11 マスタレプリケータ
12 マスタファイルシステム
13 コピー元ファイルシステム
20 レプリカストレージシステム
21 レプリカレプリケータ
22 レプリカファイルシステム
23 コピー先ファイルシステム
31 バックアップシステム
32 バックアップ対象装置
101 入力装置
102 コピー部
103 ファイルシステムアクセス部
121 更新ファイル特定部
122 コピー処理部
130 ファイル更新部
131 ファイル属性情報更新部
132 ファイル属性情報読出部
133 ファイルデータ書出部
134 ファイルデータ読出部
135 ファイル管理領域読出部
136 ファイル管理領域更新部
137 データブロック書出部
138 データブロック読出部
139 ユニークキー生成部
201,301 ファイルシステム管理領域
211,311 ファイル管理情報部キー情報
221,321 ファイル管理ブロックキー情報
231,232,331,332 ファイル管理ブロックキー情報
241,242,341,342 ファイル管理ブロック
251,252,253,351,352,353 ファイル属性部キー情報
261,262,263,361,362,363 ファイル属性部
200 コピー元ファイルシステム
300 コピー先ファイルシステム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムと、
前記コピー元ストレージシステムに記憶された前記コピー元ファイルシステムのコピー先となるコピー先ストレージシステムと、を備えると共に、
前記コピー元ストレージシステムに記憶された前記コピー元ファイルシステムを、前記コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成するコピー処理手段と、
前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータと、前記コピー先ファイルシステム内の前記キーデータと、を比較して、前記コピー先ファイルシステム内にない前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータが参照している前記コピー元ファイルシステム内の前記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段と、を備え、
前記コピー処理手段は、前記コピー元ファイルシステム内に記憶されている前記更新データを、前記コピー先ファイルシステムにコピーする、
レプリケーションシステム。
【請求項2】
請求項1記載のレプリケーションシステムであって、
前記キーデータは、前記記憶データを参照するデータと、1つ又は複数の他の前記キーデータを含むメタデータを参照するデータと、があり、当該キーデータ間で階層構造を形成していると共に、
前記更新データ特定手段は、前記キーデータの比較により、前記コピー先ファイルシステムにない前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータが前記メタデータを参照している場合には、当該メタデータに含まれる前記キーデータを比較対象として前記コピー先ファイルシステム内の前記キーデータと比較する、
レプリケーションシステム。
【請求項3】
請求項2記載のレプリケーションシステムであって、
前記更新データ特定手段は、前記キーデータを比較して、前記コピー先ファイルシステム内にない前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータの参照先を辿って、前記更新データを特定する、
レプリケーションシステム。
【請求項4】
請求項3記載のレプリケーションシステムであって、
前記更新データ特定手段は、上位階層から下位階層に向かって順に位置する前記キーデータの比較を行い、当該キーデータの参照先を辿る、
レプリケーションシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のレプリケーションシステムであって、
前記コピー処理手段は、前記コピー元ファイルシステムに記憶されている、前記更新データ特定手段にて特定された更新データ、及び、前記更新データ特定手段にて前記コピー先ファイルシステム内にないと判断された前記キーデータを、前記コピー先ファイルシステムにコピーする、
レプリケーションシステム。
【請求項6】
請求項2乃至4のいずれか一項に記載のレプリケーションシステムであって、
前記コピー処理手段は、前記コピー元ファイルシステムに記憶されている、前記更新データ特定手段にて特定された更新データ、前記更新データ特定手段にて前記コピー先ファイルシステム内にないと判断された前記キーデータ、及び、当該キーデータが含まれる前記メタデータを、前記コピー先ファイルシステムにコピーする、
レプリケーションシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6記載のレプリケーションシステムであって、
前記キーデータが参照するデータに応じた固有の情報を生成し、当該キーデータに含める固有情報生成手段を備えた、
レプリケーションシステム。
【請求項8】
請求項7記載のレプリケーションシステムであって、
前記固有情報生成手段は、前記コピー元ファイルシステムに前記更新データが記憶されることにより前記キーデータが参照するデータが変化したときに、当該データに応じた固有の情報を生成し、当該データを参照している前記キーデータに含める、
レプリケーションシステム。
【請求項9】
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムに記憶された前記コピー元ファイルシステムを、コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成するコピー処理手段と、
前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータと、前記コピー先ファイルシステム内の前記キーデータと、を比較して、前記コピー先ファイルシステム内にない前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータが参照している前記コピー元ファイルシステム内の前記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段と、を備え、
前記コピー処理手段は、前記コピー元ファイルシステム内に記憶されている前記更新データを、前記コピー先ファイルシステムにコピーする、
レプリケーション装置。
【請求項10】
請求項9記載のレプリケーション装置であって、
前記キーデータは、前記記憶データを参照するデータと、1つ又は複数の他の前記キーデータを含むメタデータを参照するデータと、があり、当該キーデータ間で階層構造を形成していると共に、
前記更新データ特定手段は、前記キーデータの比較により、前記コピー先ファイルシステムにない前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータが前記メタデータを参照している場合には、当該メタデータに含まれる前記キーデータを比較対象として前記コピー先ファイルシステム内の前記キーデータと比較する、
レプリケーション装置。
【請求項11】
情報処理装置に、
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムに記憶された前記コピー元ファイルシステムを、コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成するコピー処理手段と、
前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータと、前記コピー先ファイルシステム内の前記キーデータと、を比較して、前記コピー先ファイルシステム内にない前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータが参照している前記コピー元ファイルシステム内の前記記憶データを更新データとして特定する更新データ特定手段と、を実現させると共に、
前記コピー処理手段は、前記コピー元ファイルシステム内に記憶されている前記更新データを、前記コピー先ファイルシステムにコピーする、
プログラム。
【請求項12】
請求項11記載のプログラムであって、
前記キーデータは、前記記憶データを参照するデータと、1つ又は複数の他の前記キーデータを含むメタデータを参照するデータと、があり、当該キーデータ間で階層構造を形成している場合に、
前記更新データ特定手段は、前記キーデータの比較により、前記コピー先ファイルシステムにない前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータが前記メタデータを参照している場合には、当該メタデータに含まれる前記キーデータを比較対象として前記コピー先ファイルシステム内の前記キーデータと比較する、
プログラム。
【請求項13】
記憶データと、当該記憶データを参照し当該参照するデータに応じて固有であるキーデータと、からなるコピー元ファイルシステムを記憶したコピー元ストレージシステムに記憶された前記コピー元ファイルシステムを、コピー先ストレージシステムにコピーして当該コピー先ストレージシステムにコピー先ファイルシステムを形成し、
前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータと、前記コピー先ファイルシステム内の前記キーデータと、を比較して、前記コピー先ファイルシステム内にない前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータが参照している前記コピー元ファイルシステム内の前記記憶データを更新データとして特定し、
前記コピー元ファイルシステム内に記憶されている前記更新データを、前記コピー先ファイルシステムにコピーする、
レプリケーション方法。
【請求項14】
請求項13記載のレプリケーション方法であって、
前記キーデータは、前記記憶データを参照するデータと、1つ又は複数の他の前記キーデータを含むメタデータを参照するデータと、があり、当該キーデータ間で階層構造を形成している場合に、
前記更新データの特定時に、前記キーデータの比較により、前記コピー先ファイルシステムにない前記コピー元ファイルシステム内の前記キーデータが前記メタデータを参照している場合には、当該メタデータに含まれる前記キーデータを比較対象として前記コピー先ファイルシステム内の前記キーデータと比較する、
レプリケーション方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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