説明

ストレージ装置、ストレージ装置制御方法およびストレージ装置制御プログラム

【課題】保管期間が過ぎたデータを削除した場合であっても同一テープ媒体上の残りのデータに対して正常にアクセスすることを課題とする。
【解決手段】ストレージ装置1の書込順決定部4は、データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、第二の記憶部3に対するデータの書き込み順を決定する。そして、書込制御部5は、書込順決定部4によって決定された書き込み順に応じて、保管期間の残りが長いデータを第一の記憶部2から順次読み出す。その後、書込制御部6は、書込制御部5によって読み出されたデータを第二の記憶部3に対して書き込むように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストレージ装置、ストレージ装置制御方法およびストレージ装置制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、音楽、映画、電子メール、画像、文書データなどのデータの改変がないデジタルコンテンツを長期間に渡って一元的に保存するために、フィックスコンテンツを管理するアーカイブ向けのストレージ装置が用いられている。ストレージ装置は、複数の記憶媒体(例えば、ディスクやテープ)を有しており、種々のデジタルコンテンツ(以下、データと記す)を記憶媒体に書き込む。また、ストレージ装置は、利用者の参照要求に従って、格納したデータを読み出して利用者の端末に転送する。
【0003】
このようなストレージ装置では、データをテープに書き込む場合には、書き込み日時が古いデータの順にテープへ書き込む。例えば、図9に例示するように、データ1の書込日時が「08/03/15」、データ2の書込日時が「08/04/21」、データ3の書込日時が「08/05/20」、データ4の書込日時が「08/06/11」、データ5の書込日時が「08/09/30」である。
【0004】
このような場合には、ストレージ装置は、図9に示すように、書込日時が古いデータの順にテープに対してデータを書き込むので、データ1、データ2、データ3、データ4、データ5の順にデータがテープに対して格納される。
【0005】
また、ストレージ装置では、データの保管期間が過ぎているデータがテープ上に存在する場合には、保管期間の過ぎたデータの管理情報を削除して利用者がテープ上のデータを参照できないようにしている。また、ストレージ装置では、テープ上のデータそのものを削除する場合には、NCSC方式(NCSC−TG−025)や米国国防総省方式(DoD5220.22−M)に従って複数回上書きする方式が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−332043号公報
【特許文献2】特表2003−510745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した管理情報を削除して利用者がテープ上のデータを参照できないようにする方式では、データそのものがテープ上に残り、適切にデータを削除できないという課題があった。このため、例えば、個人情報などのデータをテープに保管している場合に、保管期間を過ぎたデータであっても物理的にテープ上にデータが残っていることとなり、適切にデータを削除できないという課題があった。
【0008】
また、上述したNCSC方式(NCSC−TG−025)や米国国防総省方式(DoD5220.22−M)に従って複数回上書きする方式でデータを削除した場合には、テープの特性により、削除されたデータより後ろにあるデータが参照できなくなるという課題があった。
【0009】
つまり、ストレージ装置では、最後にテープに書き込まれたデータに対してエンドオブファイルが付される。このため、ストレージ装置では、上書きしてデータを削除した場合に、上書きデータにエンドオブファイルが付される。その後、ストレージ装置は、削除されたデータより後ろにあるデータの参照要求を受け付けて、テープにシーケンシャルアクセスしていった場合に、上書きデータのエンドオブファイルを検知する結果、削除されたデータより後ろにあるデータが参照できない。
【0010】
例えば、図9の例を用いて説明すると、ストレージ装置は、データ2の保管期間が経過してデータを削除する場合に、NCSC方式などを用いてデータ2に新しいデータを上書きするとともに、上書きデータにエンドオブファイルを付与する。その後、ストレージ装置は、データ5の参照要求を受け付けて、テープにシーケンシャルアクセスしていった場合に、データ2のエンドオブファイルを検知してアクセスを終了するので、削除されたデータより後ろにあるデータ5が参照できない。
【0011】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、保管期間が過ぎたデータを削除した場合であっても、同一テープ上の残りのデータに対して正常にアクセスすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願の開示するストレージ装置は、一つの態様において、データを記憶する第一の記憶部と、第一の記憶部に記憶されたデータのバックアップ用データを記憶する第二の記憶部とを有する。ストレージ装置は、データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、第二の記憶部に対するデータの書き込み順を決定し、決定された書き込み順に応じて、保管期間の残りが長いデータを第一の記憶部から順次読み出す。そして、ストレージ装置は、読み出されたデータを第二の記憶部に対して書き込むように制御する。
【発明の効果】
【0013】
本願の開示するストレージ装置の一つの態様によれば、保管期間が過ぎたデータを削除した場合であっても、同一テープ上の残りのデータに対して正常にアクセスすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施例1に係るストレージ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例2に係るストレージ装置を含むシステムを示す図である。
【図3】図3は、実施例2に係るストレージ装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、管理情報の一例を説明する図である。
【図5】図5は、テープ上のデータ配置を説明する図である。
【図6】図6は、実施例2に係るストレージ装置の書き込み処理の手順を説明するフローチャートである。
【図7】図7は、実施例2に係るストレージ装置の削除処理の手順を説明するフローチャートである。
【図8】図8は、ストレージ装置制御プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【図9】図9は、従来のテープ上のデータ配置を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るストレージ装置、ストレージ装置制御方法およびストレージ装置制御プログラムの実施例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0016】
まず最初に、図1を用いて、実施例1におけるストレージ装置の構成を説明する。図1は、実施例1におけるストレージ装置の構成を説明するための図である。図1に示すように、実施例1におけるストレージ装置1は、第一の記憶部2と、第二の記憶部3と、書込順決定部4と、書込制御部5とを有する。
【0017】
第一の記憶部2は、データを記憶する。第二の記憶部3は、第一の記憶部2に記憶されたデータのバックアップ用データを記憶する。なお、記憶されているデータは、ユーザの設定等によってデータを保管する期限である保管期間が決められている。
【0018】
書込順決定部4は、データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、第二の記憶部3に対するデータの書き込み順を決定する。書込制御部5は、書込順決定部4によって決定された書き込み順に応じて、第一の記憶部2に記憶されたデータを第二の記憶部3に対して書き込むように制御する。
【0019】
このように、ストレージ装置1は、保管期限の残りが長いデータから順に第二の記憶部3へデータを書き込むので、保管期限が切れるデータがテープの後方にある結果、テープの後ろからデータを削除することができる。このため、ストレージ装置1は、保管期間が過ぎたデータを削除した場合であっても保管期間を過ぎていないデータには影響がなく、第二の記憶部3上の残りのデータに対して正常にアクセスすることが可能である。
【0020】
上記したように、実施例1によれば、ストレージ装置1は、データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、第二の記憶部3に対するデータの書き込み順を決定し、決定された書き込み順に応じて、保管期間の残りが長いデータを第一の記憶部2から順次読み出す。そして、ストレージ装置は、読み出されたデータを第二の記憶部3に対して書き込むように制御する。このため、保管期間が過ぎたデータを削除した場合であっても同一テープ媒体上の残りのデータに対して正常にアクセスすることが可能である。
【実施例2】
【0021】
実施例2では、実施例2に係るストレージ装置の構成および処理の流れを順に説明し、最後に実施例2による効果を説明する。
【0022】
[ストレージ装置の構成]
次に、図2を用いて、ストレージ装置100を含むシステムの構成を説明する。図2は、実施例2に係るストレージ装置を含むシステムを示す図である。図2に示すように、ストレージ装置100を含むシステムでは、ストレージ装置100と業務サーバ200とを有し、ストレージ装置100および業務サーバ200がLANを介して接続されている。
【0023】
ストレージ装置100は、LANを介して接続された業務サーバ200から受信したデータを記憶する。また、業務サーバ200は、ストレージ装置100に対して、種々のデジタルコンテンツの格納要求を実行する。
【0024】
ストレージ装置100は、コンテンツ管理プロセッサ10、ストレージ20およびテープライブラリ30を有する。コンテンツ管理プロセッサ10は、デジタルコンテンツ(以下、データと記す)の管理を行なう。なお、コンテンツ管理プロセッサ10の詳しい説明については、後に図3を用いて詳述する。
【0025】
また、ストレージ20は、複数の磁気ディスクやSSDを有し、格納要求データを記憶するための主記憶媒体として用いられる。テープライブラリ30は、複数の磁気テープを有し、ストレージ20に記憶されたデータのバックアップ用記憶媒体として用いられる。
【0026】
次に、図3を用いて、ストレージ装置100におけるコンテンツ管理プロセッサ10の構成を説明する。図3は、実施例2に係るストレージ装置の構成を示すブロック図である。図3に示すように、コンテンツ管理プロセッサ10は、ディスク制御I/F11、テープ制御I/F12、制御部13、記憶部14を有し、バスなどを介してストレージ20およびテープライブラリ30と接続される。以下にこれらの各部の処理を説明する。
【0027】
ディスク制御I/F11は、接続されるストレージ20との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する。具体的には、ディスク制御I/F11は、ストレージ20に対するコンテンツデータの送受信を行う。テープ制御I/F12は、接続されるテープライブラリ30との間でやり取りする各種情報に関する通信を制御する。具体的には、テープ制御I/F12は、ストレージ20に記憶されたデータのバックアップデータの送受信をテープライブラリ30との間で行う。
【0028】
記憶部14は、制御部13による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納し、管理情報記憶部14aを有する。管理情報記憶部14aは、ストレージ20およびテープライブラリ30に格納されたコンテンツデータの管理情報を記憶する。
【0029】
具体的には、管理情報記憶部14aは、図4に示すように、データを一意に識別する「データID」と、データを書き込んだ日付を示す「書き込み日付」と、データを保管する期限を示す「保管期間」とを記憶する。また、管理情報記憶部14aは、データの格納位置を示す「格納位置」と、データが登録されている状態であるか削除されている状態であるかなどの状態を示す「状態情報」とを記憶する。図4は、管理情報の一例を説明する図である。
【0030】
制御部13は、ストレージ装置100によるアクセス処理を制御し、書込順決定部13a、データ読出部13b、書込制御部13c、削除部13dを有する。
【0031】
書込順決定部13aは、データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、テープライブラリ30に対するデータの書き込み順を決定する。具体的には、書込順決定部13aは、テープに書き込むファイルであるテープ書き込み対象ファイルを選択すると、各ファイルの保管期間の情報を管理情報記憶部14aから取得する。そして、書込順決定部13aは、保管期間の情報を用いて、データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるようにテープ書き込む順を決定し、データ読出部13bに通知する。
【0032】
データ読出部13bは、保管期間の残りが長いデータをストレージ20のディスクから順次読み出す。具体的には、データ読出部13bは、書込順決定部13aからテープ書き込み順を受信し、受信したテープ書き込み順に従って、保管期間が長いデータをストレージ20のディスクから読み出して書込制御部13cに通知する。
【0033】
書込制御部13cは、データ読出部13bによって読み出されたデータをテープライブラリ30に対して書き込むように制御する。具体的には、書込制御部13cは、全てのデータを書き込むまで読み出された実データおよび管理情報(メタデータ)をテープに書き込む処理を繰り返す。
【0034】
つまり、書込制御部13cは、保管期間が長いデータから保管期間が短いデータの順にテープライブラリ30のテープに対してデータを書き込むこととなる。ここで、図5の例を用いて、テープライブラリ30のテープ上のデータ配置を説明する。図5は、テープ上のデータ配置を説明する図である。例えば、図5に例示するように、テープライブラリ30のテープに格納されるデータについて、データ5の保管期間が「08/09/30」、データ4の保管期間が「08/06/11」、データ3の保管期間が「08/05/20」、データ2の保管期間が「08/04/21」、データ1の保管期間が「08/03/15」である。
【0035】
このような場合には、書込制御部13cは、図5に示すように、保管期間が長いデータから保管期間が短いデータの順にテープライブラリ30のテープに対してデータを書き込むので、データ5、データ4、データ3、データ2、データ1の順にデータをテープライブラリ30のテープへ格納する。
【0036】
このように、ストレージ装置10は、保管期限の残りが長いデータから順にテープライブラリ30へデータを書き込む結果、保管期限が早く切れるデータがテープの後方にあるので、テープの後ろからデータを削除することができる。このため、保管期間を過ぎていないデータには影響がなく、保管期間が過ぎたデータを削除した場合であっても第二の記憶部3上の残りのデータに対して正常にアクセスすることが可能である。
【0037】
つまり、ストレージ装置100は、保管期間が過ぎたデータを上書きして削除した場合であっても、エンドオブファイルが最後尾のデータに付与されるため、同一テープ上の残りのデータに対して正常にアクセスすることが可能である。また、保管期間が短いデータが新たに格納された場合には、テープの末尾に格納することで、テープを有効に使用することができる。
【0038】
削除部13dは、テープライブラリ30に格納されたデータを削除する。具体的には、削除部13dは、管理情報記憶部14aに記憶された管理情報から保管期間が過ぎているデータを特定するとともに、保管期間が過ぎているデータのテープの位置を特定する。そして、削除部13dは、テープライブラリ30からテープデータを削除するとともに、管理情報記憶部14aから管理情報を削除する。なお、削除部13dは、削除方式として、NCSC方式(NCSC−TG−025)や米国国防総省方式(DoD5220.22−M)に従って複数回上書きを行って、データを削除する。
【0039】
[ストレージ装置による処理]
次に、図6および図7を用いて、実施例2に係るストレージ装置100による処理を説明する。図6は、実施例2に係るストレージ装置の書き込み処理の手順を説明するフローチャートである。図7は、実施例2に係るストレージ装置の削除処理の手順を説明するフローチャートである。
【0040】
図6に示すように、ストレージ装置100は、テープに書き込むファイルであるテープ書き込み対象ファイルを選択すると(ステップS101)、各ファイルの保管期間の情報を管理情報記憶部14aから取得する(ステップS102)。そして、ストレージ装置100は、保管期間に応じてテープ書き込む順を決定する(ステップS103)。具体的には、保管期間が新しいデータ(つまり、保管期間が長いデータ)から古い順に並べて、テープ書き込む順を決定する。
【0041】
そして、ストレージ装置100は、テープ書き込む順に従って、保管期間が長いデータをディスクから読み出し(ステップS104)、読み出されたデータをテープに書き込む(ステップS105)。その後、ストレージ装置100は、全てのデータをテープに書き込んだかを判定し(ステップS106)、全てのデータを書き込んでいない場合には(ステップS106否定)、ステップS104に戻って、テープ書き込む順に従って保管期間が長いデータをディスクから読み出し(ステップS104)、実データおよび管理情報(メタデータ)をテープに書き込む処理を繰り返す(ステップS105)。また、ストレージ装置100は、全てのデータを書き込んだ場合には(ステップS106肯定)、テープ書き込み処理を終了する。
【0042】
続いて、図7を用いて、実施例2に係るストレージ装置の削除処理の手順を説明する。図7に示すように、ストレージ装置100は、管理情報記憶部14aに記憶された保管期間に基づいて、保管期間が過ぎているデータが存在するか判定する。この結果、ストレージ装置100は、保管期間が過ぎているデータが存在すると判定した場合に(ステップS201肯定)、保管期間が過ぎているデータを削除するために、管理情報から削除するテープデータの位置を特定する(ステップS202)。そして、ストレージ装置100は、テープデータを削除し(ステップS203)、当該データに関する管理情報を削除して(ステップS204)、テープデータ削除処理を終了する。
【0043】
[実施例2の効果]
上述してきたように、ストレージ装置100は、データを記憶するストレージ20と、ストレージ20に記憶されたデータのバックアップ用データを記憶するテープライブラリ30とを有する。そして、ストレージ装置100は、データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、テープライブラリ30に対するデータの書き込み順を決定し、決定された書き込み順に応じて、保管期間の残りが長いデータをストレージ29から順次読み出す。その後、ストレージ装置100は、読み出されたデータをテープライブラリ30に対して書き込むように制御する。このため、ストレージ装置100は、保管期限の残りが長いデータから順にテープ媒体へデータを書き込む結果、保管期間が過ぎたデータを削除した場合であっても同一テープ媒体上の残りのデータに対して正常にアクセスすることが可能である。
【0044】
また、実施例2によれば、ストレージ装置100は、データの保管期間を示す管理情報を記憶する管理情報記憶部14aを有する。そして、ストレージ装置100は、管理情報記憶部14aに記憶された管理情報を用いて、データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、テープライブラリ30に対するデータの書き込み順を決定することが可能である。このため、ストレージ装置100は、各データの保管期間を管理し、保管期限の残りが長いデータから順にテープ媒体へデータを書き込むことが可能である。
【0045】
また、実施例2によれば、ストレージ装置100は、管理情報記憶部に記憶された管理情報から保管期間が過ぎているデータを特定し、該保管期間が過ぎているデータを削除することが可能である。このため、ストレージ装置100は、保管期間が過ぎたデータを適切に削除することが可能である。
【実施例3】
【0046】
さて、これまで実施例1、2について説明したが、上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では実施例3として本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0047】
(1)システム構成等
ところで、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、書込順決定部13aとデータ読出部13bを統合してもよい。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0048】
(2)プログラム
また、上記実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。そこで、以下では、図8を用いて、上記実施例と同様の機能を有するストレージ装置制御プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図8は、ストレージ装置制御プログラムを実行するコンピュータ1000を示す図である。
【0049】
図8に示すように、コンピュータ1000は、各種演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)1010と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置1020と、各種情報を表示するモニタ1030と、記録媒体からプログラム等を読み取る媒体読取り装置1040と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行うネットワークインターフェース装置1050と、各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)1060と、ハードディスク装置1070とをバス1080で接続して構成される。
【0050】
そして、ハードディスク装置1070には、図3に示した制御部13と同様の機能を有するストレージ装置制御プログラム1071が記憶される。また、ハードディスク装置1070には、図3に示した記憶部14に記憶される各種データに対応するストレージ装置制御用データ1072が記憶される。なお、ストレージ装置制御用データ1072を、適宜分散させ、ネットワークを介して接続された他のコンピュータに記憶させておくこともできる。
【0051】
そして、CPU1010がストレージ装置制御プログラム1071をハードディスク装置1070から読み出してRAM1060に展開することにより、ストレージ装置制御プログラム1071は、ストレージ装置制御プロセス1061として機能するようになる。そして、ストレージ装置制御プロセス1061は、ストレージ装置制御用データ1072から読み出した情報等を適宜RAM1060上の自身に割り当てられた領域に展開し、この展開したデータ等に基づいて各種データ処理を実行する。
【0052】
なお、上記のストレージ装置制御プログラム1071は、必ずしもハードディスク装置1070に格納されている必要はなく、CD−ROM等の記憶媒体に記憶されたこのプログラムを、コンピュータ1000が読み出して実行するようにしてもよい。また、公衆回線、インターネット、LAN、WAN(Wide Area Network)等を介してコンピュータ1000に接続される他のコンピュータ(またはサーバ)等にこのプログラムを記憶させておき、コンピュータ1000がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 ストレージ装置
2 第一の記憶部
3 第二の記憶部
4 書込順決定部
5 書込制御部
10 コンテンツ管理プロセッサ
11 ディスク制御I/F
12 テープ制御I/F
13 制御部
13a 書込順決定部
13b データ読出部
13c 書込制御部
13d 削除部
14 記憶部
14a 管理情報記憶部
20 ストレージ
30 テープライブラリ
100 ストレージ装置
200 業務サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記憶する第一の記憶部と、
前記第一の記憶部に記憶されたデータのバックアップ用データを記憶する第二の記憶部と、
データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、前記第二の記憶部に対するデータの書き込み順を決定する書込順決定部と、
前記書込順決定部によって決定された前記書き込み順に応じて、前記第一の記憶部に記憶されたデータを前記第二の記憶部に対して書き込むように制御する書込制御部と
を有することを特徴とするストレージ装置。
【請求項2】
前記データの保管期間を示す管理情報を記憶する管理情報記憶部をさらに有し、
前記書込順決定部は、前記管理情報記憶部に記憶された管理情報を用いて、データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、前記第二の記憶部に対するデータの書き込み順を決定することを特徴とする請求項1に記載のストレージ装置。
【請求項3】
前記管理情報記憶部に記憶された管理情報から保管期間が過ぎているデータを特定し、該保管期間が過ぎているデータを削除する削除部をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載のストレージ装置。
【請求項4】
データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、データを記憶する第一の記憶部のバックアップ用データを記憶する第二の記憶部に対するデータの書き込み順を決定する書込順決定ステップと、
前記書込順決定ステップによって決定された前記書き込み順に応じて、前記第一の記憶部に記憶されたデータを前記第二の記憶部に対して書き込むように制御する書込制御ステップと
を含んだことを特徴とするストレージ装置制御方法。
【請求項5】
データの保管期間の残りが長いデータから短いデータの順になるように、データを記憶する第一の記憶部のバックアップ用データを記憶する第二の記憶部に対するデータの書き込み順を決定する書込順決定手順と、
前記書込順決定手順によって決定された前記書き込み順に応じて、前記第一の記憶部に記憶されたデータを前記第二の記憶部に対して書き込むように制御する書込制御手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするストレージ装置制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−164867(P2011−164867A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25978(P2010−25978)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】