説明

ストロボ装置および携帯機器

【課題】本発明は、少光量発光時は発光毎のばらつきを少なくし、大光量発光時は閃光放電管へのダメージを抑止するストロボ装置を提供する。
【解決手段】本発明のストロボ装置34は、閃光放電管2と、閃光放電管2の外面に複数設けられるトリガ外部電極26、・・・33と、所定のタイミングで閃光放電管2を発光させるべくトリガ信号を出力するトリガ回路8と、複数のトリガ外部電極26、・・・33から、閃光放電管2への設置面積が所定の面積を有するように決定されたトリガ外部電極26、・・・33へ電圧を印加することを選択する第一のモードと所定の面積よりも広い面積を有するように決定されたトリガ外部電極26、・・・33へ電圧を印加することを選択する第二のモードとを切替える切替部35と、トリガ回路8によるトリガ信号の出力および切替部35による第一のモードと第二のモードとの切替えを制御する制御部7とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボ装置および携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図6に示すように、ストロボ装置1として、閃光放電管2と、閃光放電管2を発光させるために電圧を印加するトリガ外部電極3と、蓄電可能な蓄電素子4と、蓄電素子4に電力を供給可能な電池電源5と、電池電源5の電圧を昇圧させる昇圧チョッパ回路6とを備えるストロボ装置1が知られている。また、ストロボ装置1は、装置全体を制御する制御部7と、閃光放電管2を発光させるタイミングで、トリガ外部電極3に電圧を印加するトリガ回路8と、撮影に必要な発光量に応じて、閃光放電管2の発光時間を制御するスイッチ回路9とを備えている。
【0003】
トリガ外部電極3は、閃光放電管2の外面に沿って管軸方向に直線状に伸びるように配設されている(たとえば特許文献1)。トリガ外部電極3が管長方向に細長い場合、トリガ外部電極3は、閃光放電管2内において、トリガ外部電極3に近い位置で放電を発生させる。トリガ外部電極3に近い位置で放電が発生するので、特に制御部7が調光モードにおいて少光量発光を制御する場合、閃光放電管2の放電路を安定させることができるので、発光毎の光量ばらつきを少なくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−108545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図6に示すストロボ装置1において、閃光放電管2には、小型の閃光放電管2が利用されている。管長方向に細長いトリガ外部電極3を用いて、小型の閃光放電管2を大光量で発光させる場合、トリガ外部電極3付近のガラスにダメージが蓄積しやすく、ガラスクラックが発生しやすくなる。ガラスクラックが発生すると、閃光放電管2が発光しなくなるといった問題を生じさせていた。
【0006】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、少光量発光の場合には発光毎のばらつきを少なくし、大光量発光の場合には閃光放電管へのダメージを抑止することができるストロボ装置および携帯機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るストロボ装置は、閃光放電管と、閃光放電管の外面に複数設けられるトリガ外部電極と、所定のタイミングで閃光放電管を発光させるべくトリガ信号を出力するトリガ回路と、複数のトリガ外部電極から、閃光放電管への設置面積が所定の面積を有するように決定されるトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第一のモードと所定の面積よりも広い面積を有するように決定されるトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第二のモードとを切替える切替部と、トリガ回路によるトリガ信号の出力および切替部による第一のモードと第二のモードとの切替えを制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0008】
斯かる構成によれば、閃光放電管が少光量の発光をする場合に、閃光放電管への設置面積が所定の面積を有するように決定されたトリガ外部電極に電圧を印加することを選択する第一のモードで、閃光放電管の発光毎の光量ばらつきを少なくすることができる。また、閃光放電管が大光量の発光をする場合には、閃光放電管への設置面積が所定の面積よりも広い面積を有するように決定されたトリガ外部電極に電圧を印加することを選択する第二のモードに切替えることで放電路が発光毎に変わり、閃光放電管にかかる負担を軽減させることができる。
【0009】
また、請求項2記載の発明において、切替部は、制御部の制御に応じて、第一のモードと第二のモードとを切替えた後に、トリガ外部電極に電圧を印加することが好ましい。
【0010】
斯かる構成によれば、切替部は、第一のモードと第二のモードとを切替えた後に、トリガ外部電極に電圧を印加できる。これにより、切替部は、第一のモードと第二のモードとが切り替わる前に、トリガ外部電極に電圧を印加することを防止できる。
【0011】
また、請求項3記載の発明において、切替部は、閃光放電管からの発光量を少光量とする場合に第一のモードに切替え、閃光放電管からの発光量を大光量とする場合に第二のモードに切替えることが好ましい。
【0012】
斯かる構成によれば、少光量を必要とする場合には、第一のモードに切替えて、放電路を安定させることができる。大光量を必要とする場合には、第二のモードに切替えて、閃光放電管にかかる負担を軽減できる。
【0013】
本発明に係る他のストロボ装置は、閃光放電管と、閃光放電管の外面に複数設けられるトリガ外部電極と、所定のタイミングで閃光放電管を発光させるべく、複数のトリガ外部電極から、閃光放電管への設置面積が所定の面積を有するように決定されるトリガ外部電極へトリガ信号を出力して、電圧を印加する第1トリガ回路と、複数のトリガ外部電極から、閃光放電管への設置面積が所定の面積よりも広い面積を有するように決定されるトリガ外部電極へトリガ信号を出力して、電圧を印加する第2トリガ回路と、第1トリガ回路に接続されるトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第一のモードと第2トリガ回路に接続されるトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第二のモードとを切替えるとともに、トリガ出力信号の出力を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【0014】
斯かる構成によれば、閃光放電管が少光量の発光をする場合に、閃光放電管への設置面積が所定の面積を有するように決定されたトリガ外部電極に電圧を印加することを選択する第一のモードで、閃光放電管の発光毎の光量ばらつきを少なくすることができる。また、閃光放電管が大光量の発光をする場合には、閃光放電管への設置面積が所定の面積よりも広い面積を有するように決定されたトリガ外部電極に電圧を印加することを選択する第二のモードに切替えることで放電路が発光毎に変わり、閃光放電管にかかる負担を軽減させることができる。
【0015】
また、請求項5記載の発明において、制御部は、第一のモードと第二のモードとを切替えた後に、第1トリガ回路または第2トリガ回路に、トリガ外部電極への電圧の印加をさせることが好ましい。
【0016】
斯かる構成によれば、制御部は、第一のモードおよび第二のモードを切替えた後に、トリガ外部電極に電圧を印加できる。これにより、制御部は、第一のモードと第二のモードとが切り替わる前に、トリガ外部電極に電圧を印加することを防止できる。
【0017】
また、請求項6記載の発明において、制御部は、閃光放電管からの発光量を少光量とする場合に第一のモードに切替え、閃光放電管からの発光量を大光量とする場合に第二のモードに切替えることが好ましい。
【0018】
斯かる構成によれば、閃光放電管が少光量の発光をする場合に、第一のモードに切替えて、閃光放電管の発光タイミングを安定させることができる。また、閃光放電管が大光量の発光をする場合には、第二のモードに切替えて、閃光放電管にかかる負担を軽減させることができる。
【0019】
また、本発明に係る携帯機器は、上記のストロボ装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
以上の如く、本発明に係るストロボ装置および携帯機器によれば、少光量発光の場合には発光毎の光量ばらつきを少なくし、大光量発光の場合には閃光放電管へのダメージを抑止することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るストロボ装置を備える携帯機器の全体図であって、(a)は斜視図、(b)は異なる方向からの斜視図
【図2】同実施形態に係るストロボ装置における閃光放電管およびトリガ外部電極の全体図であって、(a)は長手方向断面図、(b)は側面図
【図3】同実施形態に係るストロボ装置における他の閃光放電管およびトリガ外部電極の全体図であって、(a)は斜視図、(b)は異なる方向からの側面図
【図4】同実施形態に係るストロボ装置における回路のブロック図
【図5】本発明の他の実施形態に係るストロボ装置における回路のブロック図
【図6】従来におけるストロボ装置における回路のブロック図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係るストロボ装置および携帯機器における一実施形態について、図1〜図4を参酌して説明する。
【0023】
図1から図4に示すように、本実施形態に係る携帯機器10は、ストロボ装置34を備える。より具体的には、携帯機器10は、フラッシュ機能とデジタルカメラ機能とを搭載した携帯電話機である。また、携帯機器(以下「携帯電話機」ともいう)10は、第1本体11と、折り畳み自在とすべく、ヒンジ機構12を介して第1本体11と連結されている第2本体13とを備える。
【0024】
第1本体13には、携帯電話機10を折り畳んだ際の内面側に、数字キーなどによって構成されて携帯電話機10の操作の入力を行う操作キー部14と、送話音声を入力するマイク15とが設けられている。また、第1本体11には、携帯電話機10を折り畳んだ際の外面側に、着信状態などを通知するサウンダ16が設けられている。
【0025】
第2本体13には、携帯電話機10を折り畳んだ際の内面側に、受話音声を出力するスピーカ17と、文字や画像を表示する第1ディスプレイ18とが設けられている。また、第2本体13には、携帯電話機10を折り畳んだ際の外面側に、第1ディスプレイ18と同様に文字や画像を表示する第2ディスプレイ19と、光を放射する閃光放電管2と、被写体で反射した光(閃光放電管2の光や太陽光等の光)を集光する光学系20とが設けられている。光学系20は、オートフォーカス機構を備え、撮像素子に対して変位可能な対物レンズとし、撮像素子は、CMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサとしている。
【0026】
図2は、同実施形態に係るストロボ装置における閃光放電管2およびトリガ外部電極26、・・・33の全体図であって、(a)は長手方向断面図、(b)は側面図を示す。閃光放電管2は、筒状のガラスバルブ21と、ガラスバルブ21の両端部に溶着され、ガラスバルブ21の両端開口を封止するビードガラス22と、ビードガラス22に挿通状態で溶着される導入線を有する電極24とを備えている。一方の電極24(ガラスバルブ21の一端部に封着された電極24)は、一端部に焼結金属25を有している。焼結金属25は、タングステンとタンタルの金属微粉末の混合物や、タンタルとニッケルの金属微粉末の混合物を成形し約600℃の温度で焼結した後、電極24の延長部分である一端部にかしめ等によって取り付けることで電極24と一体的に形成されている。ガラスバルブ21は、硼珪酸ガラス等の硬質ガラスで形成されており、内部にキセノン等の希ガス23が所定圧力で封入されている。
【0027】
トリガ外部電極26、・・・33は、閃光放電管の外面に複数設けられる。詳しくは、トリガ外部電極26、・・・33は、閃光放電管2の円周方向に沿って複数設けられる。トリガ外部電極26、・・・33は、閃光放電管2の管長方向に渡って設けられているのが好ましい。本実施形態では、第1トリガ外部電極26、第2トリガ外部電極27、第3トリガ外部電極28、第4トリガ外部電極29、第5トリガ外部電極30、第6トリガ外部電極31、第7トリガ外部電極32、および第8トリガ外部電極33が、閃光放電管2の管長方向に沿って、複数設けられている。なお、本実施形態では8つのトリガ外部電極26、・・・33を示しているが、その本数は限定されない。また、図2では、8つのトリガ外部電極26、・・・33の閃光放電管2への設置面積がそれぞれ等しく示されているが、それぞれのトリガ外部電極26、・・・33の閃光放電管2への設置面積はそれぞれ異なっていても良い。なお、トリガ外部電極26、・・・33は、それぞれ透明電極であることが好ましい。
【0028】
図3は、同実施形態に係るストロボ装置35における他の閃光放電管2およびトリガ外部電極26、27の全体図であって、(a)は斜視図、(b)は異なる方向からの側面図を示す。図3における閃光放電管2およびトリガ外部電極26、27は、図2における閃光放電管2およびトリガ外部電極26、・・・33のうち、第1トリガ外部電極26から第8トリガ外部電極33に変えて、第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27の2つのトリガ外部電極を備える以外は、図2に示す閃光放電管2およびトリガ外部電極26、・・・33と構成は同一である。第一トリガ外部電極26は、第2トリガ外部電極27よりも狭い面積で閃光放電管2に接するように、閃光放電管2に設置されている。第2トリガ外部電極28は、閃光放電管2の表面のうち、第1トリガ外部電極27が設置された以外の位置を、円周方向に覆うように設置されている。
【0029】
図4は、同実施形態に係るストロボ装置34における回路のブロック図を示す。なお、ストロボ装置34は、図3に示す閃光放電管2およびトリガ外部電極26、27を使用する例を示す。
【0030】
ストロボ装置34は、上記した閃光放電管2およびトリガ外部電極26、27の他に、蓄電可能な蓄電素子4と、蓄電素子4に電力を供給可能な電池電源5と、電圧を昇圧させる昇圧チョッパ回路6とを備える。また、ストロボ装置34は、所定のタイミングで閃光放電管2を発光させるべくトリガ信号を出力するトリガ回路8と、閃光放電管2の発光を停止させるスイッチ回路9と、複数のトリガ外部電極から、閃光放電管2への設置面積が所定の面積を有するように決定されたトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第一のモードと所定の面積よりも広い面積を有するように決定されたトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第二のモードとを切替える切替部35と、昇圧チョッパ回路6、トリガ回路8、スイッチ回路9、および切替部35を制御する制御部7とを備える。本実施形態において、蓄電素子4は、電解コンデンサとし、電池電源5は、Liイオン二次電池としている。
【0031】
トリガ回路8は、切替部35に接続される。切替部35は、第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27に接続される。なお、本実施形態において、切替部35は、第1トリガ外部電極26へ電圧を印加することを選択する第一のモードと、第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27へ電圧を印加することを選択する第二のモードとを切替える。
【0032】
本実施形態に係るストロボ装置34の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るストロボ装置34の動作について図4を参酌して説明する。
【0033】
制御部7は、電池電源5の電力を昇圧チョッパ回路6で昇圧させて蓄電させる蓄電状態と、蓄電素子4が蓄電した電力を閃光放電管2に供給させる発光状態とを制御する機能を有している。また制御部7は、所定のタイミングで閃光放電管2を発光させるべく、トリガ回路8によるトリガ信号の出力および切替部35による第一のモードと第二のモードとの切替えを制御する機能を有している。制御部7はさらに、閃光放電管2の発光を開始及び停止するタイミングを制御する機能を有している。
【0034】
携帯機器10の電源がONされると、制御部7は、電池電源5の電圧を昇圧チョッパ回路6で昇圧して蓄電素子4に蓄電させ、いつでも発光可能な状態になる。
【0035】
次に携帯機器10にストロボ発光の信号がが入力されると、制御部7は、撮影環境に応じて閃光放電管2の発光すべき光量を決定する。制御部7は、決定した発光量に応じて、第一のモードで発光すべきか、第二のモードで発光すべきかをさらに決定する。制御部7は、決定した発光量に応じて、閃光放電管2の発光を停止するタイミングを決定するとともに制御部7は、トリガ回路8にトリガ信号を、スイッチ回路9に発光開始信号を出力させる。
【0036】
切替部35は、制御部7の決定したモードに応じて、第一のモードと第二のモードとを切替える。すなわち、切替部35は、第1トリガ外部電極26へ電圧を印加することを選択する第一のモードと、第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27へ電圧を印加することを選択する第二のモードとを切替える。
【0037】
より詳しくは、制御部7が閃光放電管2の発光すべき光量を少光量と決定した場合、制御部7は、第1トリガ外部電極26へ電圧を印加することを選択する第一のモードに切替える。制御部7が閃光放電管2の発光すべき光量を大光量と決定した場合、制御部7は、第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27へ電圧を印加することを選択する第二のモードに切替える。
【0038】
制御部7はトリガ回路8にトリガ信号を出力し、トリガ信号を受け取ったトリガ回路8は、トリガ回路8内のトランス回路でトリガ用コンデンサ(図示せず)から供給される電荷を用いて昇圧する。トリガ回路8は、トリガ信号として切替部35へ昇圧された電圧を出力する。切替部35は、昇圧された電圧を第1トリガ外部電極26または第2トリガ外部電極27に印加する。すなわち、切替部35は、制御部7の制御に応じて、第一のモードと第二のモードとを切替えた後に、トリガ外部電極に電圧を印加し、閃光放電管2は発光する。スイッチ回路9は、制御部7からの発光停止信号により閃光放電管2の発光を停止する。
【0039】
以上により、本実施形態に係るストロボ装置34によれば、閃光放電管2が少光量で発光する場合には、閃光放電管2への設置面積が所定の面積を有するように決定された第1トリガ外部電極26のみに電力を印加できる。閃光放電管2が大光量で発光する場合には、所定の面積よりも広い面積を有するように決定された第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27に電力を印加することができる。これにより、少光量で発光する場合には、放電路が安定するので、発光毎の光量ばらつきを小さく出来る。大光量で発光する場合には、放電が閃光放電管2の一部に集中しない、もしくは放電位置がランダムに変化するので閃光放電管2の寿命を長くできる。
【0040】
本発明に係るストロボ装置における他の実施形態について、図1〜図5を参酌して説明する。
【0041】
図5は、本発明の他の実施形態に係るストロボ装置における回路図である。なお、ストロボ装置36は、図3に示す閃光放電管2およびトリガ外部電極26、27を使用する例を示す。
【0042】
ストロボ装置36は、図4のストロボ装置34におけるトリガ回路8および切替部35に代えて、第1トリガ回路37と第2トリガ回路38とを備える。第1トリガ回路37および第2トリガ回路38のそれぞれは、第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27のそれぞれに接続される。制御部7は、第1トリガ回路37および第2トリガ回路38に接続されている。その他の構成はストロボ装置35と同一であるので、説明を省略する。
【0043】
本実施形態に係るストロボ装置36の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るストロボ装置36の動作について図5を参酌して説明する。
【0044】
制御部7は、電池電源5の電力を昇圧チョッパ回路6で昇圧させて蓄電させる蓄電状態と、蓄電素子4が蓄電した電力を閃光放電管2に供給させる発光状態とを制御する機能を有している。また制御部7は、所定のタイミングで閃光放電管2を発光させるべく、第1トリガ回路37に接続されたトリガ外部電極26に電圧を印加することを選択する第一のモードと第1トリガ回路および第2トリガ回路38に接続された第1トリガ外部電極26およびトリガ外部電極27に電圧を印加することを選択する第二のモードとを切替える機能を有している。制御部7はさらに、閃光放電管2の発光を開始及び停止するタイミングを制御する機能を有している。
【0045】
携帯機器10の電源がONされると、制御部7は電池電源5の電圧を昇圧チョッパ回路6で昇圧して蓄電素子4に蓄電させ、いつでも発光可能な状態になる。
【0046】
次に携帯機器10にストロボ発光の信号が入力されると、制御部7は、撮影環境に応じて、閃光放電管2の発光すべき光量を決定する。制御部7は、決定した発光量に応じて、第一のモードで発光すべきか、第二のモードで発光すべきかをさらに決定する。
【0047】
より詳しくは、制御部7が閃光放電管2の発光すべき光量を少光量と決定した場合、制御部7は、第1トリガ外部電極26へ電圧を印加することを選択する第一のモードとし、制御部7が閃光放電管2の発光すべき光量を大光量と決定した場合、制御部7は、第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27へ電圧を印加することを選択する第二のモードとする。
また制御部7は、決定した発光量に応じて、閃光放電管2の発光を停止するタイミングを決定するとともに第1トリガ回路37、第2トリガ回路38にトリガ信号を、スイッチ回路9に発光開始信号を出力させる。
【0048】
第1トリガ回路37または第2トリガ回路38は、制御部7からの信号に基づいて、第1トリガ回路37および第2トリガ回路38がそれぞれ有するトランス回路で、トリガ用コンデンサ(図示せず)から供給される電荷を用いて昇圧する。第1トリガ回路37または第2トリガ回路38は、所定のタイミングで閃光放電管2を発光させるべくトリガ信号を出力して、昇圧された電圧を第1トリガ外部電極26または第2トリガ外部電極27に印加閃光放電管2は発光する。スイッチ回路9は、制御部7からの発光停止信号により閃光放電管2の発光を停止する。
【0049】
以上により、本実施形態に係るストロボ装置36によれば、閃光放電管2が少光量で発光する場合には、第1トリガ外部電極26のみに電力を印加できる。閃光放電管2が大光量で発光する場合には、第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27に電力を印加することができる。これにより、閃光放電管2が少光量で発光する場合には、放電路が安定するので、発光毎の光量ばらつきを小さく出来る。閃光放電管2が大光量で発光する場合には、放電が閃光放電管2の一部に集中しない、もしくは放電位置がランダムに変化するのでガラスバルブ21へのダメージが分散し、閃光放電管2の寿命を長くできる。
【0050】
なお、本発明に係るストロボ装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。上記した複数の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組み合わせてもよく(1つの実施形態に係る構成や方法等を他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよく)、さらに、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0051】
例えば、上記実施形態に係るストロボ装置34、36においては、切替部35または制御部7は、第二のモードにおいて、第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27に電圧を印加することを選択している。第2トリガ外部電極27の閃光放電管2への設置面積が第1トリガ外部電極26の設置面積よりも広い場合、第二のモードにおいて、切替部35または制御部7は、第2トリガ外部電極27のみに電圧を印加することを選択しても良い。
【0052】
切替部35または制御部7は、閃光放電管2に少光量発光させる第一のモードにおいて、所定の数のトリガ外部電極に電圧を印加することを選択し、閃光放電管2に大光量発光させる第二のモードにおいて、選択された所定の数のトリガ外部電極の閃光放電管2への設置面積よりも広くなるようにトリガ外部電極を決定して、電圧を印加することを選択しても良い。例えば、図2の閃光放電管2を利用する場合、切替部35または制御部7は、第一のモードにおいて、第1トリガ外部電極26、・・・33のうち、一部に電圧を印加することを選択し、第二のモードにおいて、第一のモードで選択するトリガ外部電極の閃光放電管2への設置面積よりも、閃光放電管2への設置面積が大きくなるように第1トリガ外部電極26、・・・33を選択してもよい。
【0053】
また、ストロボ装置36において、第2トリガ回路38は、さらに第1トリガ外部電極26と接続されていても良い。制御部7が第二のモードで閃光放電管2を発光することを決定した場合、第2トリガ回路38のみが第1トリガ外部電極26および第2トリガ外部電極27に電圧を印加してもよい。第1トリガ外部電極26よりも第2トリガ外部電極27の閃光放電管2への設置面積が大きい場合であって、制御部7が第二のモードで閃光放電管2を発光することを決定した場合、第2トリガ回路38は、第2トリガ外部電極27のみに電圧を印加しても良い。
【0054】
また、携帯機器10は、デジタルスチールカメラであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係るストロボ装置および携帯機器は、少光量発光の場合には発光毎のばらつきを少なくし、大光量発光の場合には閃光放電管へのダメージを抑止することが必要な技術分野等の用途に適用できる。
【符号の説明】
【0056】
10 携帯機器
26 第1トリガ外部電極
27 第2トリガ外部電極
28 第3トリガ外部電極
29 第4トリガ外部電極
30 第5トリガ外部電極
31 第6トリガ外部電極
32 第7トリガ外部電極
33 第8トリガ外部電極
34 ストロボ装置
35 切替部
36 ストロボ装置
37 第1トリガ回路
38 第2トリガ回路


【特許請求の範囲】
【請求項1】
閃光放電管と、閃光放電管の外面に複数設けられるトリガ外部電極と、所定のタイミングで閃光放電管を発光させるべくトリガ信号を出力するトリガ回路と、複数のトリガ外部電極から、閃光放電管への設置面積が所定の面積を有するように決定されるトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第一のモードと所定の面積よりも広い面積を有するように決定されるトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第二のモードとを切替える切替部と、トリガ回路によるトリガ信号の出力および切替部による第一のモードと第二のモードとの切替えを制御する制御部とを備えることを特徴とするストロボ装置。
【請求項2】
切替部は、制御部の制御に応じて、第一のモードと第二のモードとを切替えた後に、トリガ外部電極に電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載のストロボ装置。
【請求項3】
切替部は、閃光放電管からの発光量を少光量とする場合に第一のモードに切替え、閃光放電管からの発光量を大光量とする場合に第二のモードに切替えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のストロボ装置。
【請求項4】
閃光放電管と、閃光放電管の外面に複数設けられるトリガ外部電極と、所定のタイミングで閃光放電管を発光させるべく、複数のトリガ外部電極から、閃光放電管への設置面積が所定の面積を有するように決定されるトリガ外部電極へトリガ信号を出力して、電圧を印加する第1トリガ回路と、複数のトリガ外部電極から、閃光放電管への設置面積が所定の面積よりも広い面積を有するように決定されるトリガ外部電極へトリガ信号を出力して、電圧を印加する第2トリガ回路と、第1トリガ回路に接続されるトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第一のモードと第2トリガ回路に接続されるトリガ外部電極へ電圧を印加することを選択する第二のモードとを切替えるとともに、トリガ出力信号の出力を制御する制御部とを備えることを特徴とするストロボ装置。

【請求項5】
制御部は、第一のモードと第二のモードとを切替えた後に、第1トリガ回路または第2トリガ回路に、トリガ外部電極への電圧の印加をさせることを特徴とする請求項4に記載のストロボ装置。
【請求項6】
制御部は、閃光放電管からの発光量を少光量とする場合に第一のモードに切替え、閃光放電管からの発光量を大光量とする場合に第二のモードに切替えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のストロボ装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のストロボ装置を備えることを特徴とする携帯機器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−58494(P2012−58494A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201652(P2010−201652)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】