説明

ストロークシミュレータ

【課題】 ブレーキペダルのヒステリシスが大きく確保されたペダル操作フィーリングを創出することができるストロークシミュレータを提供すること。
【解決手段】リテーナ44がピストン42の軸方向に移動する場合、リテーナ44のフランジ443に取着されている規制部材444は穴412の内面を摺動しながら移動する。この摺動抵抗によってリテーナ44の移動が規制される。よって、シール424とは無関係に、ヒステリシスが大きく確保されたペダル操作フィーリングが創出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロークシミュレータに関し、特に、ブレーキペダルのヒステリシスが大きく確保されたペダル操作フィーリングを創出することができるストロークシミュレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ブレーキペダルの操作力に応じた大きさのストロークを前記ブレーキペダルに発生させるストロークシミュレータが知られている。このストロークシミュレータに関し、次の特許文献1には、ハウジング内部の液圧の上昇に伴って、ピストン42が第1ばね46を圧縮しつつリテーナ44a側に移動し、次いで、第2ばね47を圧縮しつつリテーナ44aと一体的にストッパ45側へ移動し、このときのばねの反発力により、運転者に所定のブレーキ操作感覚を与えるように構成されているストロークシミュレータ40が開示されている。
【特許文献1】特開2007−210611号公報(段落第「003」、図5等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したストロークシミュレータを用いたブレーキ装置では、ブレーキペダルを踏み込んだ場合にブレーキペダルにかかる荷重(送り側の荷重)と、そのブレーキペダルが戻る場合にブレーキペダルにかかる荷重(戻り側の荷重)との差(以下「ヒステリシス」と称す)を大きく確保し、ブレーキ力を保持し易くするペダル操作フィーリングを創出することが望ましい。
【0004】
その実現のため、例えば、ハウジングとピストンとの間でブレーキ液をシールするシール部材の摺動抵抗を調節することも考えられるが、このシール部材は、密封性、耐久性の観点から、かかるヒステリシスを調節可能な範囲に制限があり、上述のヒステリシスを大きく確保するのが困難であるという問題点があった。
【0005】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、ブレーキペダルのヒステリシスが大きく確保されたペダル操作フィーリングを創出することができるストロークシミュレータを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、請求項1記載のストロークシミュレータは、ブレーキペダル(10)の操作力に応じた大きさのストロークを、前記ブレーキペダル(10)に発生させるストロークシミュレータにおいて、ハウジング(41)と、そのハウジング(41)の内部に流入する流体に押されて第1方向に移動するピストン(42)と、動力伝達的に直列に複数配置され前記ピストン(42)を前記第1方向とは反対の第2方向に付勢する複数の付勢部材(46,47)と、動力伝達的にその複数の付勢部材(46,47)の間に介在し前記ピストン(42)の移動に伴い前記第1方向に移動する中間部材(44,54)と、その中間部材(44,54)に取着され前記ハウジング(41)の内面に対して摺動しながら、その摺動抵抗によって前記中間部材(44,54)の移動を規制する規制部材(444,445)を備えている。
【0007】
請求項2記載のストロークシミュレータは、請求項1に記載のストロークシミュレータにおいて、前記規制部材(444,445)は、弾性体によって構成されている。
【0008】
請求項3記載のストロークシミュレータは、請求項1又は2に記載のストロークシミュレータにおいて、前記ハウジング(41)の内部は、前記ピストン(42)の移動経路を形成する第1空間(411)と、その第1空間(411)から連続して前記ピストン(42)の軸方向に延びて前記中間部材(44,54)を内包し前記第1空間(411)よりも大径に構成されている第2空間(412)とを備え、前記規制部材(444,445)は、前記ハウジング(41)の内面のうち、前記第2空間(412)の内面に当接している。
【0009】
請求項4記載のストロークシミュレータは、請求項3に記載のストロークシミュレータにおいて、前記第2空間(412)は、前記規制部材(444,445)と前記中間部材(44)とによって前記ピストン(42)の軸方向に、前記第1空間(411)から連続して延びる第3空間(412a)と、前記複数の付勢部材(46,47)のうち前記中間部材(44)を介して前記ピストン(42)を付勢する付勢部材(47)を内包する第4空間(412b)とに区画されており、前記中間部材(44)と前記規制部材(444,445)との間または前記中間部材(44)または前記規制部材(444,445)には、前記第3空間(412a)と前記第4空間(412b)とを連通する連通路(442a)が形成されている。
【0010】
請求項5記載のストロークシミュレータは、請求項3又は4に記載のストロークシミュレータにおいて、前記第2空間(412)は非圧縮性の流体で充填されている。
【0011】
請求項6記載のストロークシミュレータは、請求項1から5のいずれかに記載のストロークシミュレータにおいて、前記中間部材(44)は、前記ピストン(42)の先端と対向する対向壁(441)と、その対向壁(441)の縁部から前記ピストン(42)を覆うように前記ピストン(42)側に延びる周壁(442)とを備え、前記ピストン(42)に取着され、前記周壁(442)の内面に対して摺動しながら、その摺動抵抗によって前記ピストン(42)の移動を規制する第2規制部材(424)を備えている。
【0012】
請求項7記載のストロークシミュレータは、請求項1から6のいずれかに記載のストロークシミュレータにおいて、前記中間部材(44)は、前記第1方向に移動するピストン(42)の先端と嵌合する嵌合部(441a)を備えている。
【0013】
請求項8記載のストロークシミュレータは、請求項1から7のいずれかに記載のストロークシミュレータにおいて、前記規制部材(444,448)は、前記ピストン(42)の軸方向に所定間隔を空けて複数設置されている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載のストロークシミュレータによれば、中間部材がピストンの軸方向に移動する場合には、中間部材に取着されている規制部材がハウジングの内面を摺動しながら移動するので、その摺動抵抗によって中間部材の移動が規制される。よって、ブレーキペダルを踏み込んだ場合にブレーキペダルにかかる荷重と、そのブレーキペダルが戻る場合にブレーキペダルにかかる荷重との差であるヒステリシスが大きく確保されたペダル操作フィーリングを創出することができるという効果がある。また、中間部材とハウジングの内面との間に規制部材が介在しているので、外部振動により中間部材がハウジングの内面と衝突して損傷したり、傾いてピストンに偏荷重が発生するのを防止することができるという効果がある。
【0015】
請求項2記載のストロークシミュレータによれば、請求項1に記載のストロークシミュレータの奏する効果に加え、規制部材は、弾性体によって構成されているので、その弾性力により簡単な構成で大きな摺動抵抗を創出することができる。また、その弾性力により中間部材が損傷したり、傾斜したりするのを一層確実に防止することができるという効果がある。
【0016】
請求項3記載のストロークシミュレータによれば、請求項1又は2に記載のストロークシミュレータの奏する効果に加え、規制部材は第1空間よりも大径な第2空間の内面と当接しているので、第1空間で摺動抵抗を創出させるよりも、摺動抵抗の大きさを調節可能な範囲が広く、ヒステリシスを理想の大きさに設定することができるという効果がある。
【0017】
請求項4記載のストロークシミュレータによれば、請求項3に記載のストロークシミュレータの奏する効果に加え、第2空間は規制部材と中間部材とによって第3空間と第4空間とに区画されており、その第3空間と第4空間とを連通する連通路が中間部材と規制部材との間または中間部材または規制部材に形成されている。よって、この連通路の大きさを調節することで、連通路を通過する流体量によって付加される抵抗が調節され、ブレーキペダルにかかる荷重の動特性を設定することができるという効果がある。例えば、連通路の大きさを絞ることで連通路を通過する流体量が規制され、特に、ブレーキペダルが早く踏み込まれた場合に、一瞬、ブレーキペダルの剛性が高くなるようなペダル操作フィーリングが創出されるように設定することができるという効果がある。
【0018】
請求項5記載のストロークシミュレータによれば、請求項4に記載のストロークシミュレータの奏する効果に加え、第3空間と第4空間とは非圧縮性の流体で充填されているので、流体の圧縮性を考慮する必要がなく、ブレーキペダルにかかる荷重の動特性をより理想通りに設定することができるという効果がある。
【0019】
請求項6記載のストロークシミュレータは、請求項1から5のいずれかに記載のストロークシミュレータの奏する効果に加え、ピストンが中間部材に対して相対的に軸方向に移動する場合には、ピストンに取着されている第2規制部材が中間部材の周壁内面を摺動しながら移動するので、その摺動抵抗によってピストンの移動が規制される。よって、中間部材が軸方向に移動する区間に加え、ピストンだけが移動する区間においても、ヒステリシスが大きく確保されたペダル操作フィーリングを創出することができるという効果がある。また、中間部材とピストンとの間に第2規制部材が介在しているので、外部振動によりピストンが中間部材と衝突して損傷したり、傾いてピストンに偏荷重が発生するのを防止することができるという効果がある。
【0020】
請求項7記載のストロークシミュレータは、請求項1から6のいずれかに記載のストロークシミュレータの奏する効果に加え、中間部材は、第1方向に移動するピストンの先端と嵌合する嵌合部を備えているので、ピストンが中間部材と一体に移動する場合には、ピストンの先端が嵌合部に嵌合された状態で移動することになる。よって、中間部材が傾いてピストンに過大な偏荷重が発生するのを、一層確実に防止することができるという効果がある。
【0021】
請求項8記載のストロークシミュレータは、請求項1から7のいずれかに記載のストロークシミュレータの奏する効果に加え、規制部材は、ピストンの軸方向に所定間隔を空けて複数設置されているので、中間部材が傾いてピストンに過大な偏荷重が発生するのを、一層確実に防止することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明のストロークシミュレータ40を用いたブレーキ装置1の概略構成図である。尚、図1に示すブレーキ装置1では、液圧回路を4輪分示しているが、各輪のブレーキ液圧制御に関わる部分の構成および動作は共通しているため、ここでは左前輪(FL)側についてのみ説明し、他の輪に関する構成および動作の説明は省略する。
【0023】
ブレーキ装置1には、主に、ブレーキペダル10と、ストロークセンサ20と、マスタシリンダ30と、
ストロークシミュレータ40と、左前輪のホイールシリンダ50とが設けられており、マスタシリンダ30と左前輪のホイールシリンダ50とが管路Aによって接続され、その管路Aにマスタシリンダ30のリザーバ31と繋がる管路Bが接続されている。
【0024】
ブレーキペダル10は、車両に制動力を加える際に乗員によって踏み込まれるものであり、マスタシリンダ30に接続されている。ブレーキペダル10とマスタシリンダ30とを接続する部材の途中には、ストロークセンサ20が設けられている。
【0025】
ストロークセンサ20は、ブレーキペダル10のストローク(以下、ペダルストロークという)を検出するもので、ペダルストロークに応じた電気信号を発生する。
【0026】
マスタシリンダ30は、ブレーキペダル10の踏み込みによりブレーキ液圧を発生し、このブレーキ液圧は、後述するストロークシミュレータ40に伝達されると共に、左前輪のホイールシリンダ50に伝達されるようになっている。
【0027】
管路Aには、マスタシリンダ30側から順番に、第1カット弁80と、第1圧力センサ60と、第2カット弁81と、管路Bと、第2圧力センサ61とが接続されている。
【0028】
第1カット弁80は、後述するストロークシミュレータ40と管路Aとの間を開閉する常閉型電磁弁である。第1圧力センサ60は、マスタシリンダ30と第2カット弁81との間のブレーキ液圧を検出し、ブレーキ液圧に応じた電気信号を発生する。第2カット弁81は、管路Aを開閉する常開型電磁弁である。第2圧力センサ61は、第2カット弁81と左前輪のホイールシリンダ50との間のブレーキ液圧を検出し、ブレーキ液圧に応じた電気信号を発生する。
【0029】
管路Bは、マスタシリンダ30のリザーバ31に繋がるメイン管b1と、メイン管b1から分岐して液圧源70、増圧弁82を介して管路Aに繋がる分岐管b2と、メイン管b1から分岐して減圧弁83を介して管路Aに繋がる分岐管b3とによって構成されている。
【0030】
液圧源70には、ポンプ71、アキュムレータ72、リリーフ弁73、第3圧力センサ63が設けられている。第3圧力センサ63は、分岐管b2のブレーキ液圧を検出し、ブレーキ液圧に応じた電気信号を発生する。
【0031】
液圧源70は、電動モータMによって駆動するポンプ71により、マスタシリンダ30のリザーバ31からブレーキ液を吸入して吐出し、吐出された高圧のブレーキ液をアキュムレータ72に蓄えると共に、ブレーキ液の圧力を第3圧力センサ63で検出し設定圧に調整する。
【0032】
増圧弁82は、分岐管b2を開閉する常閉型電磁弁である。増圧弁82が開弁すると、液圧源70から増圧弁82、管路Aを介してホイールシリンダ50に高圧のブレーキ液が供給され、ホイールシリンダ50のブレーキ液圧が上昇する。
【0033】
減圧弁83は、分岐管b3を開閉する常閉型電磁弁である。減圧弁83が開弁すると、ホイールシリンダ50内のブレーキ液が管路A、減圧弁83を介して液圧源70の吸入側ないしはマスタシリンダ30のリザーバに戻され、ホイールシリンダ50のブレーキ液圧が低下する。
【0034】
次に、上述したブレーキ装置1のうち、ストロークシミュレータ40を除く部分の動作について説明する。ブレーキペダル10が踏み込まれると、ブレーキペダル10が踏み込まれたことをストロークセンサ20により検知し、第2カット弁81を閉弁させて管路Aを閉じる。
【0035】
また、ストロークセンサ20および第1圧力センサ60からの信号に基づいて、ホイールシリンダ50に印加するブレーキ液圧の目標値を演算し、増圧弁82および減圧弁83を制御することにより、ホイールシリンダ50のブレーキ液圧が目標値になるように制御する。
【0036】
具体的には、増圧弁82を開弁させてホイールシリンダ50のブレーキ液圧を上昇させ、減圧弁83を開弁させてホイールシリンダ50のブレーキ液圧を低下させ、その後、増圧弁82および減圧弁83をともに閉弁させてホイールシリンダ50のブレーキ液圧を保持することにより、ホイールシリンダ50のブレーキ液圧を制御する。
【0037】
そして、ブレーキペダル10の踏み込みが解除されると、ブレーキペダル10の踏み込みが解除されたことをストロークセンサ20により検知し、第2カット弁81を開弁させて管路Aを開く。
【0038】
次に、図2を参照して、ストロークシミュレータ40について説明する。図2はストロークシミュレータ40の断面図である。尚、図2は、後述する液圧室43の圧力が0(すなわち、大気圧)の時の状態を示している。
【0039】
ストロークシミュレータ40は、ブレーキペダル10の操作力に応じた大きさのペダルストロークを発生させるためのものであり、主に、ハウジング41と、ハウジング41内に内包されるピストン機構Pとによって構成されている。
【0040】
ハウジング41は、ピストン機構Pを内包する空間を形成するものであり、その内部に円柱状の2つの穴411、412が同軸状に直列に形成されている。
【0041】
穴411は、主に、ピストン機構Pに含まれるピストン42の移動経路を形成するものであり、穴411のうち、特に、その底部とピストン42との間は液圧室43とされ、この液圧室43には、マスタシリンダ30から管路A、第1カット弁80を介してブレーキ液が流入されるようになっている。また、ピストン42の途中には、シール424が取着されている。このシール424によって、液圧室43に流入するブレーキ液が穴411の内面とピストン42との間で密閉されている。
【0042】
穴412は、主に、ピストン機構Pに含まれるピストン42以外の構成(例えば、リテーナ44)を内包するものであり、穴411から連続してピストン42の軸方向に延び、穴411よりも大径の円柱状に形成され、その内部は非圧縮性の流体(例えば、ブレーキ液)で充填されている。
【0043】
また、穴412は、貫通穴413によってマスタシリンダ30のリザーバ31に連通されている。また、穴412の一端側は開口されており、その開口は、キャップ45によって封止されている。
【0044】
キャップ45は、アルミニウム等の非弾性部材にて構成されている。キャップ45の外周部には、例えばOリング451が配設され、キャップ45の端部には、キャップ45の抜け止め用のサークリップ452が配設されている。また、キャップ45のピストン機構Pと対向する面には、凹部453が形成されており、この凹部453には、緩衝材90が圧入されている。
【0045】
緩衝材90は、ピストン機構Pに含まれるリテーナ44が当接し、そのリテーナ44に対して反力を付与するものである。緩衝材90は、金属や硬質樹脂と比較して弾性変形量が著しく大きい材質、より詳細には、ゴムで構成されている。
【0046】
ピストン機構Pには、主に、ピストン42と、ピストン42に圧着されているクッション材49と、ピストン42を液圧室43側に付勢する第1ばね46と、第1ばね46とピストン42の先端部とを内包するリテーナ44と、リテーナ44を液圧室43側に付勢する第2ばね47とが設けられている。
【0047】
ピストン42は、液圧室43に流入するブレーキ液によって押圧され第1ばね46に抗して穴411に沿って液圧室43から離間する方向に移動するものであり、主に、穴411に沿って往復移動する円柱状の本体部421と、その本体部421の先端から突出する円柱状の支持部422とによって構成されている。
【0048】
支持部422は、クッション材49の内孔491に内包されており、内孔491よりも小径な直径で構成される円柱状の中央部と、その中央部の両端から内孔491側に突出し、内孔491と圧接する圧着部とによって構成されている。クッション材49は、この圧着部によって支持部422(ピストン42)に圧着されている。
【0049】
クッション材49は、ピストン42の支持部422を内孔491に内包する筒状に形成され、弾性を有し、ピストン42の支持部422よりも突出してピストン42の支持部422に圧着されている。クッション材49は、金属や硬質樹脂と比較して弾性変形量が著しく大きい材質、より詳細には、ゴムで構成されている。
【0050】
第1ばね46は、ピストン42を液圧室43側に付勢するものでり、例えば、円筒形の圧縮コイルばねで構成されている。ピストン42の本体部421と支持部422との中間部分にはピストン42の径方向に突出するフランジ423が配設されており、そのフランジ423に第1ばね46の一端が支持され、第1ばね46の他端は後述するリテーナ44の対向壁441によって支持されている。
【0051】
リテーナ44は、ピストン42の移動に伴い穴412内を移動可能に配設されており、第1ばね46とピストン42の先端部を内包するようにカップ状に、非弾性部材にて形成されている。
【0052】
リテーナ44は、クッション材49と所定間隔を空けて対向する対向壁441と、対向壁441の周縁から液圧室43側に延びる周壁442と、周壁442の縁部から径方向に突出するフランジ443とによって構成されている。
【0053】
対向壁441には、ピストン42に取着されているクッション材49の先端が当接する。周壁442には、オリフィス孔442aが開口されており、このオリフィス孔442aによってリテーナ44の内部と外部とが連通されている。フランジ443は、第2ばね47の一端を支持すると共に、その縁部には、規制部材444が取着されている。
【0054】
規制部材444は、リテーナ44の軸方向と、径方向との動きとを規制する弾性体であって、リテーナ44と穴412の内面とに当接するようにリテーナ44のフランジ443全周に取着されている。規制部材444は、金属や硬質樹脂と比較して弾性変形量が著しく大きい材質、より詳細には、ゴム等で構成されている。
【0055】
即ち、規制部材444とリテーナ44とによって、穴412の内部は、ピストン42の軸方向に、穴411から連続して延びる穴412aと、リテーナ44を付勢する第2ばね47を内包する穴412bとに区画されており、この穴412aと穴412bとがリテーナ44の周壁442に形成されているオリフィス孔442aによって連通されている。
【0056】
第2ばね47は、リテーナ44を介してピストン42を液圧室43側に付勢するものであり、例えば、円筒形の圧縮コイルばねで構成されている。第2ばね47の一端はリテーナ44のフランジ443に支持され、第2ばね47の他端はキャップ45の内側から環状に突出する突起454の周囲に支持されている。また、第2ばね47は、ばね定数が第1ばね46と異なっており、第2ばね47のばね定数は第1ばね46のばね定数よりも大きく(例えば10倍程度に)設定されている。
【0057】
より、具体的には、第2ばね47のばね定数は、ピストン42が第1ばね46の付勢力に抗して液圧室43から離間する方向(リテーナ44の対向壁441に接近する方向)に移動し、その先端がリテーナ44の対向壁441に当接するまでは、リテーナ44が液圧室43から離間する方向にほとんど移動しないよう、リテーナ44を液圧室43側に付勢可能なばね定数に設定されている。即ち、第1ばね46と第2ばね47とは動力伝達的に直列に配設されている。
【0058】
次に、ストロークシミュレータ40の動作について説明する。ストロークシミュレータ40では、ピストン42の移動区間によって4つの区間に区分けされる。具体的には、初期位置からクッション材49の先端がリテーナ44の対向壁441に当接するまでの第1区間と、クッション材49の先端がリテーナ44の対向壁441に当接してから支持部422の先端がリテーナ44の対向壁441に当接するまでの第2区間と、支持部422の先端がリテーナ44の対向壁441に当接してからリテーナ44の対向壁441が緩衝材90に当接するまでの第3区間と、リテーナ44の対向壁441が緩衝材90に当接してからリテーナ44の対向壁441がキャップ45の突起454に当接するまでの第4区間である。
【0059】
第1区間は、初期位置からクッション材49の先端がリテーナ44の対向壁441に当接するまでの区間である。ピストン42のストロークとしては、ほぼ(L2−L1)となる。ブレーキペダル10が踏み込まれると、ブレーキペダル10が踏み込まれたことをストロークセンサ20により検知し、第1カット弁80を開弁させ、ストロークシミュレータ40と管路Aとを接続し、マスタシリンダ30から、管路A、第1カット弁80を介してストロークシミュレータ40の液圧室43にブレーキ液が流入されるようにする。
【0060】
ブレーキ液が液圧室43に流入すると、そのブレーキ液圧によって初期位置に位置するピストン42が押圧され、第1ばね46に抗して液圧室43から離間する方向に移動を開始する。そして、ピストン42の支持部422に圧着されているクッション材49の先端が、リテーナ44の対向壁441に当接する。即ち、第1区間では、第2ばね47よりもばね定数が小さい第1ばね46が主に圧縮されてピストン42にかかる荷重が創出される。
【0061】
第2区間は、クッション材49の先端がリテーナ44の対向壁441に当接してから支持部422の先端がリテーナ44の対向壁441に当接するまでの区間である。ピストン42のストロークとしては、ほぼL1となる。クッション材49の先端がリテーナ44の対向壁441に当接し、更にブレーキ液圧が上昇すると、ピストン42は、第1ばね46及びクッション材49を圧縮させつつ、更に液圧室43から離間する方向に移動する。そして、支持部422の先端がリテーナ44の対向壁441に当接する。即ち、第2区間は、第1ばね46に加え、クッション材49が主に圧縮されてピストン42にかかる荷重が創出される。
【0062】
第3区間は、支持部422の先端がリテーナ44の対向壁441に当接してからリテーナ44の対向壁441が緩衝材90に当接するまでの区間である。支持部422の先端がリテーナ44の対向壁441に当接し、更にブレーキ液圧が上昇すると、ピストン42はリテーナ44と一体となって液圧室43から離間する方向に更に移動する。そして、リテーナ44の対向壁441が緩衝材90に当接する。即ち、第3区間では、第2ばね47が主に圧縮されてリテーナ44を介してピストン42にかかる荷重が創出される。
【0063】
第4区間は、リテーナ44の対向壁441が緩衝材90に当接してからリテーナ44の対向壁441がキャップ45の突起454に当接するまでの区間である。リテーナ44の対向壁441が緩衝材90に当接し、更にブレーキ液圧が上昇すると、ピストン42はリテーナ44を介して、第2ばね47及び緩衝材90を圧縮しつつ、更に、液圧室43側と離間する方向に移動する。そして、リテーナ44の対向壁441がキャップ45の突起454に当接する。即ち、第4区間では、第2ばね47および緩衝材90が主に圧縮されてピストン42にかかる荷重が創出される。
【0064】
このように、ストロークシミュレータ40は、ピストン42が第1区間で第1ばね46、第2区間で第1ばね46とクッション材49、第3区間で第2ばね47、第4区間で第2ばね47と緩衝材90の反力に抗しつつ、第1〜第4区間を移動することで、ブレーキペダル10の操作力に応じた大きさのストロークをブレーキペダル10に発生させる。
【0065】
また、第3、第4区間において、リテーナ44がピストン42の軸方向に移動する場合、リテーナ44のフランジ443に取着されている規制部材444が穴412の内面を摺動しながら移動することになる。この摺動抵抗によってリテーナ44の移動が規制される。
【0066】
よって、シール424とは無関係に、ブレーキペダル10を踏み込んだ場合にブレーキペダル10にかかる荷重(送り側の荷重)と、そのブレーキペダル10が戻る場合にブレーキペダル10にかかる荷重(戻り側の荷重)との差であるヒステリシスが大きく確保されたペダル操作フィーリングを創出することができる。
【0067】
ここで、図3を参照して、ペダルストロークとペダル荷重との関係について説明する。図3は、ペダルストロークとペダル荷重との関係を示す特性図である。図3では、軌跡(I)が、ブレーキペダル10を踏み込んだ場合にブレーキペダル10にかかる荷重(送り側の荷重)の特性を示し、軌跡(II)が、そのブレーキペダル10が戻る場合にブレーキペダル10にかかる荷重(戻り側の荷重)の特性を示している。即ち、軌跡(I)と軌跡(II)との間隔Wがヒステリシスを示している。
【0068】
例えば、規制部材444によってリテーナ44の軸方向の移動を規制しない場合には、軌跡(I)は軌跡(II)側に接近し、軌跡(II)は軌跡(I)側に接近し、軌跡(I)と軌跡(II)との間隔Wは狭いものとなる。一方、本実施形態によれば、規制部材444によって、リテーナ44がピストン42の軸方向に移動する場合の抵抗が付加されるので、ヒステリシス(間隔W)が大きく確保されたペダル操作フィーリングを創出することができる。
【0069】
また、規制部材444は穴411よりも大径の穴412に対して摺動可能に設置されているので、付加する抵抗の大きさを調節できる範囲が広く、かかる抵抗をシール424で創出する場合よりも設計の自由度を向上させることができる。
【0070】
また、この規制部材444によりリテーナ44の径方向の移動が規制されるので、外部振動によりリテーナ44が穴412の内面に衝突して、リテーナ44又はハウジング41が損傷したり、傾いてピストン42に過大な偏荷重が発生するのを防止することができる。
【0071】
また、リテーナ44が移動する場合、リテーナ44の周壁442にはオリフィス孔442aが形成されているので、このオリフィス孔442aから穴412aと穴412bとの間を流入出する非圧縮性の液体量が絞られることになる。よって、それを抵抗として、ブレーキペダル10にかかる荷重の動特性を理想の動特性に設定することができる。具体的には、ブレーキペダル10が早く踏み込まれた場合に、一瞬、ブレーキペダル10の剛性が高くなるようなペダル操作フィーリングが創出されるように設定することができる。
【0072】
また、かかる動特性を電磁弁に設けられているオリフィスで設定することも可能であるが、この電磁弁に設けられているオリフィスは耐異物性の観点から、その調節可能範囲が制限される。一方、本実施形態では、かかる制限のないリテーナ44の周壁442にオリフィス孔442aを形成し、また、オリフィス孔442aで絞れる流量も多いので、設計の自由度が広がり、理想的な動特性を設定し易くすることができる。
【0073】
次に、上述したストロークシミュレータ40を第1実施形態として、その第1実施形態とは別の実施形態である第2乃至第4実施形態のストロークシミュレータ40について説明する。尚、上述した第1実施形態のストロークシミュレータ40と共通する構成または相当する構成については、同一符合を付し、その説明は省略する。
【0074】
図4は、第2実施形態のストロークシミュレータ40におけるリテーナ44付近の拡大断面図である。第2実施形態のストロークシミュレータ40は第1実施形態の規制部材444に代えて規制部材445を設けると共に、ピストン42とリテーナ44の周壁442の内面との間に第2規制部材424を設けたものである。
【0075】
規制部材445は、弾性を有するOリング445aを覆う断面視凹状の金属製のモール445bを、リテーナ44のフランジ443に固定したものである。Oリング445aは、リテーナ44の軸方向と、径方向との動きとを規制する弾性体であり、リング状に形成され、穴412の全周に当接している。
【0076】
即ち、このOリング445aが第1実施形態の規制部材444と同様に作用するので、この第2実施形態においても上述した第1実施形態の場合と同様な効果を奏することができる。また、Oリング445aの周囲は、モール445bに覆われているので、より確実に、Oリング445aと穴412の内面とを密着させることができる。
【0077】
更に、第2実施形態では、第2規制部材424が設けられている。第2規制部材424は、ピストン42の軸方向と、径方向との動きとを規制する弾性体であり、ピストン42とリテーナ44の周壁422の内面とに当接するように、ピストン42のフランジ423の縁部全周に取着されている。尚、この第2規制部材424には図示しない位置にリテーナ44の周壁442内と外部とを連通する連通路が形成されている。
【0078】
第2規制部材424は、第1実施形態の規制部材444と同様に、金属や硬質樹脂と比較して弾性変形量が著しく大きい材質、より詳細には、ゴムで構成されている。
【0079】
よって、第2実施形態では、第1区間、第2区間において、ピストン42がリテーナ44に対して相対的に移動する場合、第2規制部材424はリテーナ44の周壁442の内面を摺動しながら移動するので、この摺動抵抗によってピストン42に軸方向への抵抗が付加される。従って、この第2実施形態では、第2規制部材424と、規制部材445とによって、ピストン42の第1乃至第4区間の全区間において、ヒステリシスが大きく確保されたペダル操作フィーリングを創出することができる。また、第2規制部材424と、規制部材445とによって、ピストン42およびリテーナ44の径方向の動きを一層確実に規制することができる。
【0080】
図5は、第3実施形態のストロークシミュレータ40におけるリテーナ44付近の拡大断面図である。第3実施形態のストロークシミュレータ40は第1実施形態に対して、リテーナ44の対向壁441に、ピストン42の先端が嵌合する嵌合部441aを設けたものである。
【0081】
この第3実施形態では、ピストン42の先端は液圧室43から離間する方向にドーム状に突出して形成されており、そのピストン42と対向するリテーナ44の対向壁441に嵌合部441aが設けられている。嵌合部441aは、このピストン42の先端と嵌合するように形成されている。
【0082】
よって、この第3実施形態によれば、第3区間の移動開始時には、ピストン42の先端は、嵌合部441aに嵌合された状態となり、この嵌合された状態でピストン42はリテーナ44と一体に液圧室43から離間する方向に移動することになる。
【0083】
従って、リテーナ44が軸方向に移動する場合、規制部材444による摺動部抵抗の影響で、リテーナ44に径方向の力が加わり、特に、規制部材444から軸方向に離間した部分では、リテーナ44が軸方向に傾く恐れがある。しかし、そのリテーナ44に加わる径方向の力は、ピストン42の先端と嵌合している嵌合部441aによって吸収することができる。その結果、リテーナ44が傾いてピストン42に過大な偏荷重が発生するのを、一層確実に防止することができる。
【0084】
図6は、第4実施形態のストロークシミュレータ40の断面図である。第4実施形態のストロークシミュレータ40は、主に、第1実施形態のリテーナ44に代えて第2ピストン54を設けたものである。
【0085】
第2ピストン54は、その軸方向中間部に径方向に突出するフランジ443と、フランジ443からピストン42側に向かって突出する円柱状の第1突起部446と、フランジ443からキャップ45側に向かって突出する円柱状の第2突起部447とによって構成されている。
【0086】
フランジ443は、ピストン42との間で第1ばね46の一端を支持すると共に、キャップ45との間で第2ばね47の一端を支持するものである。また、このフランジ443の縁部に規制部材444が取着されている。第1突起部446は、第1ばね46に内包されており、この第1突起部446にピストン42に取着されているクッション材49が当接することになる。尚、この第4実施形態では、ピストン42に取着されているクッション材49は、ピストン42に形成されている溝に圧入されている。第2突起部447は、第2ばね47に内包されており、その先端には、クッション材448が圧入されている。
【0087】
クッション材448は、第1実施形態でいう緩衝材90に相当する構成である。クッション材448は、第2突起部447の先端部を内孔に内包する筒状に形成され、弾性を有し、第2突起部447の先端よりも突出して第2突起部447に圧着されている。クッション材448は、金属や硬質樹脂と比較して弾性変形量が著しく大きい材質、より詳細には、ゴムで構成されている。また、クッション材448の外径は、キャップ45の内側から環状に突出する突起454の内径よりも大きく構成されている。
【0088】
よって、第2ピストン54がピストン42と一体に液圧室43から離間する方向に移動する場合には、規制部材444による軸方向への摺動抵抗に加え、クッション材448の外面が突起454内面を摺動する摺動抵抗が加えられる。従って、第1実施形態の場合と同様に、第3,第4区間において、ヒステリシスが大きく確保されたペダル操作フィーリングを創出することができる。
【0089】
また、規制部材444による摺動抵抗の影響で、第2ピストン54に径方向の力が加わり、第2ピストン54が傾く恐れがあるものの、その第2ピストン54に加わる径方向の力を、突起454内に圧入されるクッション材448によって吸収することができる。その結果、第2ピストン54が傾いてピストン42に過大な偏荷重が発生するのを、一層確実に防止することができる。
【0090】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
【0091】
上述した第1実施形態では、リテーナ44と規制部材444とによって区画されている穴412aと穴412bとの間をオリフィス孔422aで連通する場合について説明したが、穴412aと穴412bとを連通する経路としては、このオリフィス422aに限定されるものではない。例えば、規制部材444の穴412の内面と対向する面(規制部材444の外面)に溝を形成したり、規制部材444を軸方向に貫通する経路を設けたり、リテーナ44のフランジ443に設けたりしても良い。
【0092】
また、上述した第1実施形態では、リテーナ44のフランジ443に規制部材444を取着する場合について説明したが、フランジ443が当接する穴412の内面に、規制部材444に相当する部材を設けるように構成していも良い。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】ストロークシミュレータを用いたブレーキ装置の概略構成図である。
【図2】ストロークシミュレータの断面図である。
【図3】ペダルストロークとペダル荷重との関係を示す特性図である。
【図4】第2実施形態におけるリテーナ付近の拡大断面図である。
【図5】第3実施形態におけるリテーナ付近の拡大断面図である。
【図6】第4実施形態におけるストロークシミュレータの断面図である。
【符号の説明】
【0094】
10 ブレーキペダル
40 ストロークシミュレータ
41 ハウジング
411 穴(第1空間)
412 穴(第2空間)
412a 穴(第3空間)
412b 穴(第4空間)
424 第2規制部材
44 リテーナ(中間部材)
54 第2ピストン(中間部材)
441 対向壁
442 周壁
444 規制部材
445 規制部材
448 規制部材
46 第1ばね(付勢部材)
47 第2ばね(付勢部材)
442a オリフィス孔(連通路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキペダル(10)の操作力に応じた大きさのストロークを、前記ブレーキペダル(10)に発生させるストロークシミュレータにおいて、
ハウジング(41)と、
そのハウジング(41)の内部に流入する流体に押されて第1方向に移動するピストン(42)と、
動力伝達的に直列に複数配置され前記ピストン(42)を前記第1方向とは反対の第2方向に付勢する複数の付勢部材(46,47)と、
動力伝達的にその複数の付勢部材(46,47)の間に介在し前記ピストン(42)の移動に伴い前記第1方向に移動する中間部材(44,54)と、
その中間部材(44,54)に取着され前記ハウジング(41)の内面に対して摺動しながら、その摺動抵抗によって前記中間部材(44,54)の移動を規制する規制部材(444,445)を備えていることを特徴とするストロークシミュレータ。
【請求項2】
前記規制部材(444,445)は、弾性体によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のストロークシミュレータ。
【請求項3】
前記ハウジング(41)の内部は、前記ピストン(42)の移動経路を形成する第1空間(411)と、その第1空間(411)から連続して前記ピストン(42)の軸方向に延びて前記中間部材(44,54)を内包し前記第1空間(411)よりも大径に構成されている第2空間(412)とを備え、
前記規制部材(444,445)は、前記ハウジング(41)の内面のうち、前記第2空間(412)の内面に当接していることを特徴とする請求項1又は2に記載のストロークシミュレータ。
【請求項4】
前記第2空間(412)は、前記規制部材(444,445)と前記中間部材(44)とによって前記ピストン(42)の軸方向に、前記第1空間(411)から連続して延びる第3空間(412a)と、前記複数の付勢部材(46,47)のうち前記中間部材(44)を介して前記ピストン(42)を付勢する付勢部材(47)を内包する第4空間(412b)とに区画されており、
前記中間部材(44)と前記規制部材(444,445)との間または前記中間部材(44)または前記規制部材(444,445)には、前記第3空間(412a)と前記第4空間(412b)とを連通する連通路(442a)が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のストロークシミュレータ。
【請求項5】
前記第2空間(412)は非圧縮性の流体で充填されていることを特徴とする請求項3または4に記載のストロークシミュレータ。
【請求項6】
前記中間部材(44)は、前記ピストン(42)の先端と対向する対向壁(441)と、その対向壁(441)の縁部から前記ピストン(42)を覆うように前記ピストン(42)側に延びる周壁(442)とを備え、
前記ピストン(42)に取着され、前記周壁(442)の内面に対して摺動しながら、その摺動抵抗によって前記ピストン(42)の移動を規制する第2規制部材(424)を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のストロークシミュレータ。
【請求項7】
前記中間部材(44)は、前記第1方向に移動するピストン(42)の先端と嵌合する嵌合部(441a)を備えていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のストロークシミュレータ。
【請求項8】
前記規制部材(444,448)は、前記ピストン(42)の軸方向に所定間隔を空けて複数設置されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のストロークシミュレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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