説明

ストーカ式焼却炉の排ガス再循環方法及び装置

【課題】廃棄物の乾燥を遅延させることなく燃焼排ガスを一次空気として再循環供給できるようにする。
【解決手段】回転ストーカ式焼却炉の炉上流側風箱17aに、炉上下流方向の分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fを設ける。分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fに接続してある空気送給ライン33の分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fに、排ガス供給弁38付きの排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d,37e,37fを接続する。回転ストーカ本体1内の炉上流側端部に形成される乾燥ゾーン1aにおける炉上下流方向の温度分布を計測し、温度変化が小さくなっている廃棄物14が恒率乾燥期間にある領域にのみ、燃焼排ガス36を再循環させることで、多湿の燃焼排ガス36を再循環供給しても廃棄物14の乾燥に影響が生じないようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、都市ごみ等の被処理物をストーカ式焼却炉にて焼却処理させる際、排ガスを再循環させて一次空気として利用できるようにするためのストーカ式焼却炉の排ガス再循環方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
都市ごみ等の廃棄物を被処理物として焼却処理するための焼却炉の一つとして、被処理物を燃焼室内に設けた火格子により支持すると共に炉下流側へ移送しながら燃焼させるストーカ式焼却炉があり、該ストーカ式焼却炉としては、火格子の形式により図6(イ)(ロ)(ハ)に示す如き回転ストーカ式焼却炉と、図7(イ)(ロ)に示す如き階段ストーカ式焼却炉が知られている。
【0003】
上記回転ストーカ式焼却炉は、図6(イ)(ロ)(ハ)にその一例の概略を示す如く、リング状に形成した入口側ヘッダー管2と出口側ヘッダー管3との間に、多数の水管4を周方向に一定間隔で配置して、該各水管4の両端を、上記入口側及び出口側の各ヘッダー管2,3に連通させて接続すると共に、該各水管4間の隙間に、長手方向の所要間隔位置に多数の空気孔6が穿設してあるフィン7を取り付けて円筒状に成形して、内部を燃焼室とすることができるようにした回転ストーカ本体1を有している。更に、該回転ストーカ本体1をカバーケーシング8内に、入口側ヘッダー管2よりも出口側ヘッダー管3の方が低くなるよう傾斜させて横置きして、入口側と出口側の端部外周に取り付けてあるタイヤ9を、それぞれターニングローラ10上に載置させて、駆動装置11にて上記ターニングローラ10を回転させることにより上記回転ストーカ本体1を回転駆動させるようにしてある。又、上記各水管4内には、出口側ヘッダー管3に連結したロータリージョイント12を介してボイラ水を循環流通させるようにしてある。更に又、上記回転ストーカ本体1には、入口側より投入ホッパ13内の廃棄物14を給じん機15で供給するようにしてあり、一方、上記回転ストーカ本体1の下側位置には、カバーケーシング8の下端に連通する風箱16が設けてあり、回転ストーカ本体1の下部位置より一次空気5を上記空気孔6を通して炉内へ供給するようにしてある。
【0004】
上記風箱16は、回転ストーカ本体1の長手方向(廃棄物送り方向)に複数分割、たとえば、3分割されており、炉上流側より順に炉上流側風箱17a、炉中間部風箱17b、炉下流側風箱17cとしてある。炉上流側風箱17a、炉中間部風箱17b、炉下流側風箱17cにはそれぞれダンパ18が備えてあり、該各ダンパ18の調整で一次空気5の供給量をそれぞれ調整するようにしてある。又、上記炉上流側風箱17a、炉中間部風箱17b、炉下流側風箱17cには、各々が図6(ロ)に示す如く、周方向に複数分割(図では3分割)された分割流路19が形成してあり、該各周方向の分割流路19にもそれぞれダンパ17を備えて、回転ストーカ本体1の炉底部に滞留する廃棄物14の周方向の量に応じて一次空気5の供給量を調整できるようにしてある。
【0005】
かかる構成としてある回転ストーカ式焼却炉によれば、駆動装置11により回転ストーカ本体1を低速回転させた状態にて、該回転ストーカ本体1内に、給じん機15より廃棄物14を供給すると、供給された廃棄物14は、自重により常に炉底部に落下しようとするため、回転ストーカ本体1の回転に伴って撹拌されると共に、回転ストーカ本体1の傾斜配置により順次炉下流側へ移送させられる。この移送の間に、下側に設置してある風箱16における炉上流側風箱17a、炉中間部風箱17b、炉下流側風箱17cから供給される一次空気5により炉上流側から順に乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処理されるようになる。
【0006】
すなわち、回転ストーカ本体1内に供給された廃棄物14は、先ず、炉上流側部分に形成される乾燥ゾーン1aにて、主として炉上流側風箱17aから供給される所要温度、たとえば、200℃程度の一次空気5の通気、及び、炉内の高温雰囲気に曝されることで乾燥させられる。次に、この乾燥された廃棄物14は、炉中間部分に形成される熱分解ゾーン1bに移され、ここで炉中間部風箱17bから一次空気5が供給され、下流側の燃焼ゾーン1cにて生じる燃焼熱を熱源として燃焼させられて熱分解される。しかる後、この熱分解物が、炉下流側部分に形成される燃焼ゾーン1cへ移送されて、炉下流側風箱17cから供給される一次空気5を用いて燃焼されることで焼却処分が行なわれるようにしてある。
【0007】
回転ストーカ本体1内にて発生する未燃ガスは、該回転ストーカ本体1の出口側に設けてある二次燃焼室20へ送り、該二次燃焼室20に接続した図示しない二次空気ノズル21より供給される二次空気22により完全燃焼させるようにしてある。
【0008】
図中、23は上記各風箱17a,17b,17cの各周方向の分割流路19の回転ストーカ本体1寄り位置に設けたシール装置、24は回転ストーカ本体1の各水管4の外側に設けたシール用フィンであり、該各シール用フィン24が回転しながら上記各シール装置23に順次接することでシール作用が得られるようにして、一次空気5の吹き抜けを防ぐことができるようにしてある。25は後燃焼装置である。
【0009】
一方、上記階段ストーカ式焼却炉は、図7(イ)(ロ)にその一例の概略を示す如く、一次燃焼室26の底部に、多数の空気孔29を設けた火格子28を、入口側よりも出口側の方が低くなるように階段状に配置して形成してなる階段ストーカ本体27が設けてある。該階段ストーカ本体27は、各火格子28を図示しない駆動装置により所要の振動を行なわせることができるようにしてあり、入口側より投入ホッパ13内の廃棄物14を給じん機15で供給すると、各火格子28の上側に載置される廃棄物14を炉上流側となる入口側より炉下流側となる奥側へ順次移送できるようにしてある。上記階段ストーカ本体27の下側位置には、一次燃焼室26の下端に連なる風箱16Aが設けてあり、階段ストーカ本体27の下部位置より一次空気5を上記各火格子28の空気孔29を通して炉内へ供給するようにしてある。
【0010】
上記風箱16Aは、図6(イ)(ロ)(ハ)に示した回転ストーカ式焼却炉の風箱16と同様に、廃棄物の送り方向、すなわち、階段ストーカ本体27の長手方向に複数分割、たとえば、3分割されて、炉上流側より炉上流側風箱17a、炉中間部風箱17b、炉下流側風箱17cとしてあり、該各風箱17a、17b、17cにはそれぞれダンパ(図示せず)が備えてあって、該各ダンパの調整により、階段ストーカ本体27上にて炉上流側から炉下流側に向けて廃棄物14の層厚が減少してゆく傾向に対応して、一次空気5の供給量をそれぞれ調整するようにしてある。又、上記各風箱17a、17b、17cには、各々が図7(ロ)に示す如く、幅方向に複数分割(図では3分割)された分割流路19が形成してあると共に、該各幅方向の分割流路19にもそれぞれダンパ(図示せず)が備えてあり、階段ストーカ本体27上に滞留する廃棄物14の幅方向の分布量に応じて一次空気5の供給量を調整できるようにしてある。
【0011】
かかる構成としてある階段ストーカ式焼却炉によれば、給じん機15より廃棄物14を供給すると、該廃棄物14は、一次燃焼室26の底部に設けてある階段ストーカ本体27上にて炉上流側より炉下流側へ順次移送させられる間に、風箱16Aにおける炉上流側風箱17a、炉中間部風箱17b、炉下流側風箱17cから供給される一次空気5により炉上流側から順に乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処理されるようになる。
【0012】
すなわち、階段ストーカ本体27上に供給された廃棄物14は、図6(イ)(ロ)(ハ)に示した回転ストーカ式焼却炉の場合と同様に、先ず、一次燃焼室内26の炉上流側部分に形成される乾燥ゾーン26aにて、主として炉上流側風箱17aから供給される200℃程度の一次空気5の通気、及び、炉内の高温雰囲気に曝されることで乾燥させられる。次に、この乾燥された廃棄物14は、炉中間部分に形成される熱分解ゾーン26bに移され、ここで炉中間部風箱17bから一次空気5が供給され、下流側の燃焼ゾーン26cにて生じる燃焼熱を熱源として燃焼させられて熱分解された後、この熱分解物が、炉下流側部分に形成される燃焼ゾーン26cへ移送されて、炉下流側風箱17cから供給される一次空気5を用いて燃焼されることで焼却処分が行なわれるようにしてある。
【0013】
上記一次燃焼室26内で発生する未燃ガスは、該一次燃焼室26の上側に連設してある二次燃焼室30へ送り、該二次燃焼室30に接続した二次空気ノズル21より供給される二次空気22により完全燃焼させるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
【0014】
ところで、排ガス再循環(EGR)は、焼却炉で発生した燃焼排ガスの一部を炉内あるいは燃焼用空気中に循環供給する燃焼法であり、循環させる排ガスの分だけ炉内の酸素濃度を低減させることができて空気比の低減化を図ることができると共に、燃焼に不活性なガスを添加することで燃焼温度を下げることができるため、排ガス中の窒素酸化物(NO)の低減に有効であることが知られている。
【0015】
このように、焼却炉にて排ガス再循環を行う手法としては、たとえば、投入されたごみ等の被焼却物を空気の供給により燃焼させるための回転炉体と、該回転炉体の出口側に接続された二次燃焼炉を備えてなる形式の焼却装置(焼却炉)において、上記二次燃焼炉から排出された燃焼排ガスの一部を再循環させて、上記回転炉体の出口側端部の上部位置より該回転炉体内へ供給させ、これにより、燃焼温度を下げて窒素酸化物の発生を抑えると同時に、回転炉体の外周上部を冷却させるようにすることが従来提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
【0016】
又、図7(イ)(ロ)に示したと同様の階段ストーカ式焼却炉において、二次燃焼室の直前の一次燃焼室の出口側領域となる上端部に、燃焼排ガスを再循環させて吹き込むことにより、一次燃焼室で生じたガスを混合、撹拌して、一次燃焼室と二次燃焼室との間にガス温度及びガスの組成が均一な還元ゾーンを形成させ、これにより、窒素酸化物の発生を抑制させるようにすることが提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
【0017】
更に、階段ストーカ式焼却炉において、一次燃焼室に、未燃ガスとしての天然ガスと再循環させる燃焼排ガスとを所定の混合割合で混合してなる混合ガスを供給することにより、上記一次燃焼室内を還元雰囲気にして窒素酸化物の発生を抑制させるようにすることも提案されている(たとえば、特許文献4参照)。
【0018】
【特許文献1】特開2000−337621号公報
【特許文献2】特開平6−307617号公報
【特許文献3】特開2003−322321号公報
【特許文献4】特開平10−332120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
ところが、通常、燃焼排ガスは、外部から取り込まれる空気に比して湿度が高くなっている。このために、多湿の燃焼排ガスを、焼却炉へ一次空気として再循環させる場合には、図6(イ)(ロ)(ハ)に示した如き回転ストーカ式焼却炉における回転ストーカ本体1内、あるいは、図7(イ)(ロ)に示した如き階段ストーカ式焼却炉の階段ストーカ本体27上側の一次燃焼室26内にて、炉上流側から炉下流側へ乾燥、熱分解、燃焼の各過程を順に経て廃棄物14を燃焼処理するプロセスの初期に行われる上記廃棄物14の乾燥過程に要する時間を増大させてしまう虞が懸念される。特に、高含水率の廃棄物14の処理を行う場合に、乾燥に要する時間が増大させられて、乾燥過程に遅延が生じる場合には、投入された高含水率廃棄物14の乾燥に費やされる炉上流側部分が長くなる。このように高含水率廃棄物14の乾燥過程に費やされる炉上流側部分を長くとるためには、炉長を長くして対応しなければならないことになることから、乾燥過程の遅延が生じることは避ける必要がある。
【0020】
このために、焼却炉にて再循環利用される排ガスの供給先は、特許文献2及び特許文献3に記載されたように、二次燃焼室直前の一次燃焼室の出口付近の領域か、あるいは、二次燃焼室として、再循環させる燃焼排ガスは、主に、二次燃焼用として利用されていて、一次空気としての再循環利用があまり図られていないというのが現状である。
【0021】
なお、特許文献4には、階段ストーカ式焼却炉における一次燃焼室内に、燃焼排ガスを再循環供給する考えは記載されているが、これは、燃焼排ガスを、天然ガスと混合して混合ガスとしてから一次燃焼室へ供給するものである。しかも、上述したように、燃焼排ガスを一次空気として再循環させる場合には、燃焼排ガスの湿度の高さに起因して廃棄物の乾燥過程の遅延が生じることが懸念されるが、このような廃棄物の乾燥過程の遅延が生じる場合の対策については何ら示されておらず、示唆すらされていない。
【0022】
そこで、本発明者等は、ストーカ式焼却炉の炉上流側部分にて行われる被処理物の乾燥過程での乾燥効率を低減させる虞を伴うことなく、多湿の燃焼排ガスをストーカ式焼却炉の一次空気として再循環利用できるようにするための工夫、研究を重ねた結果、高含水率の被処理物を、所定温度の空気を通気させることにより乾燥処理を行わせる場合、該被処理物の含水率が比較的高い間は、通気させる空気の温度条件や通気量が同じであれば、被処理物の乾燥速度は、上記通気させる空気の湿度の高低にはあまり依存しないことを見出した。
【0023】
すなわち、図6(イ)(ロ)(ハ)に示したと同様の回転ストーカ式焼却炉における回転ストーカ本体1内に、乾燥対象物のモデルとしての布塊を、自重の1.5倍量の水分を含んだ状態、すなわち、初期状態の含水率φ(φ:kg−water/kg−dry material 、以下同様)が約1.5となる状態で投入し、上記回転ストーカ本体1の回転数を4rphに設定し、この状態にて、乾燥空気に対する水分量が10g/kg、50g/kg、100g/kgと湿度の異なる3種の空気を、それぞれ通気温度190℃で、通気量170m/hとして通気させて、上記布塊の含水率φの変化と、乾燥速度R(R=dφ/dt:kg−water/h/kg−dry material 、以下同様)との相関を調べたところ、図8に示す如き結果が得られた。なお、図8における線aは通気湿度10g/kg、線bは通気湿度50g/kg、線cは通気湿度100g/kgとした場合の結果をそれぞれ示す。又、図8では、上記布塊の乾燥過程は、含水率φ≒1.5の初期状態より徐々に含水率φが小さくなるように、x軸座標が大から小となる方向へ進行するものとして示してある。
【0024】
かかる図8の結果から、上記布塊の乾燥は、各線a,b,cで示されるように、通気湿度が異なっていても、先ず、速やかにほぼ同様な乾燥速度Rに達し、その後、含水率φが約0.7になるまでは、いずれの通気湿度の場合であっても乾燥速度がほぼ同様な値のままあまり変化しない恒率乾燥期間となる。しかる後、乾燥が更に進行して含水率φが約0.7を下まわるようになると、乾燥速度が徐々に低下する減率乾燥期間となる。この減率乾燥期間に入ると、通気湿度の大小に応じて乾燥速度に差が現れ、通気湿度が小さい場合には、通気湿度が大きい場合に比して、乾燥速度がより大きくなる傾向が現れる。なお、上記恒率乾燥期間から減率乾燥期間へ移行する含水率φを限界含水率と云い、乾燥対象物及び乾燥条件により異なる値を取る。
【0025】
したがって、乾燥対象物が、乾燥過程にて、含水率φが上記限界含水率まで低下する以前の恒率乾燥期間にあるときには、通気湿度の大小は乾燥速度にあまり影響を与えないということが判明した。更に、図8における線bと線cの比較によれば、上記恒率乾燥期間では、通気湿度が100g/kgと大きい場合(線c)の方が、通気湿度がより小さい50g/kgの場合(線b)よりも、乾燥速度が大きくなる傾向も観察される。これは、通気湿度が大きいと、発生する蒸気量が大きくなり、このため、発生蒸気の対流効果により乾燥速度が増す現象が生じていることも示唆される。
【0026】
この結果に鑑みて、本発明者等は、ストーカ式焼却炉の炉上流側端部の乾燥ゾーンにて被処理物を乾燥させるときに、該被処理物が恒率乾燥期間にある間であれば、多湿の燃焼排ガスを一次空気として再循環供給しても、上記被処理物の乾燥に遅延を生じる虞を未然に防止できることを見出し、本発明をなした。
【0027】
したがって、本発明の目的とするところは、ストーカ式焼却炉の炉上流側部分における被処理物の乾燥過程に遅延を生じさせることなく、燃焼排ガスを一次空気として再循環させて有効利用できるストーカ式焼却炉の排ガス再循環方法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に係る発明に対応して、燃焼室内に設けた火格子にて被処理物を支持させると共に順次炉下流側へ移送させる間に、上記被処理物を、下方の風箱より供給される一次空気により、乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処分するようにしてあるストーカ式焼却炉における炉上流側部分へ一次空気を供給する風箱を、炉上下流方向に多数の通気領域に分割し、該各通気領域に、燃焼排ガスを再循環させて供給することができるようにして、燃焼室内の炉上流側部分にて乾燥過程にある被処理物の温度変化が小さい領域へのみ、対応する位置の通気領域を通して燃焼排ガスを一次空気として再循環供給するストーカ式焼却炉の排ガス再循環方法とする。
【0029】
又、請求項2に係る発明に対応して、円筒状の火格子内に供給される被処理物を、該円筒状の火格子の回転により撹拌しながら下流側へ移送する間に、下方の風箱から供給される一次空気により乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処分するようにしてある回転ストーカ式焼却炉における上記風箱のうち、炉上流側部分へ一次空気を供給するようにしてある風箱に、炉上下流方向に分割された多数の通気領域を設けて、該各通気領域毎に、開閉弁付きの排ガス再循環ラインを介して燃焼排ガスを供給できるようにし、且つ炉上流側部分にて乾燥過程にある被処理物の炉上下流方向の温度分布を計測するための温度センサを備え、更に、上記炉上流側部分へ一次空気を供給する風箱に形成してある多数の通気領域のうち、上記温度センサにて計測される被処理物の温度変化が小さい領域と対応する位置の通気領域へのみ、排ガス再循環ラインより導いた燃焼排ガスを再循環供給できるようにしたストーカ式焼却炉の排ガス再循環装置とする。
【0030】
更に、請求項3に係る発明に対応して、階段状の火格子上に供給される被処理物を、炉下流側へ移送する間に、下方の風箱から供給される一次空気により乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処分するようにしてある階段ストーカ式焼却炉における上記風箱のうち、炉上流側部分へ一次空気を供給するようにしてある風箱に、炉上下流方向に分割された多数の通気領域を設けて、該各通気領域毎に、開閉弁付きの排ガス再循環ラインを介して燃焼排ガスを供給できるようにし、且つ炉上流側部分にて乾燥過程にある被処理物の炉上下流方向の温度分布を計測するための温度センサを備え、更に、上記炉上流側部分へ一次空気を供給する風箱に形成してある多数の通気領域のうち、上記温度センサにて計測される被処理物の温度変化が小さい領域と対応する位置の通気領域へのみ、排ガス再循環ラインより導いた燃焼排ガスを再循環供給できるようにしたストーカ式焼却炉の排ガス再循環装置とする。
【0031】
上記請求項2又は3に係る発明における炉上流側部分に一次空気を供給する風箱に設けてある各通気領域毎に一次空気を供給できるように、該各通気領域に、空気流量調整弁と通気総量調整弁と流量計を備えてなる空気送給ラインを個別に接続し、該各空気送給ライン上の通気総量調整弁の上流側位置に、燃焼排ガスを導くための開閉弁付きの排ガス再循環ラインを接続し、更に、燃焼排ガスの再循環供給を行っている通気領域への通気総量を上記流量計で計測して、被処理物の乾燥に所望される所定の通気量となるよう、上記空気流量調整弁及び通気総量調整弁の開度をそれぞれ調整する機能を有する制御装置を備えた構成とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、以下の如き優れた効果を発揮する。
(1)燃焼室内に設けた火格子にて被処理物を支持させると共に順次炉下流側へ移送させる間に、被処理物を風箱より供給される一次空気により乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処分するようにしてあるストーカ式焼却炉の炉上流側部分へ一次空気を供給する風箱に炉上下流方向に多数分割された通気領域を設けておき、炉上流側部分にて、上記被処理物を乾燥させる際、この乾燥過程にある被処理物の温度変化が小さい領域へのみ、対応する位置の通気領域を通して燃焼排ガスを再循環供給するようにした方法及び装置としてあるので、この再循環される燃焼排ガスを、上記被処理物が乾燥される過程で恒率乾燥期間となっている領域へのみ一次空気として再循環供給することができる。このために、燃焼排ガスが多湿であることによる被処理物の乾燥速度への影響する虞を小さく抑えることができるか、又は、発生蒸気の対流効果により乾燥速度を増すことが期待できる。したがって、上記被処理物の乾燥に遅延が生じる虞を未然に防止した状態にて、燃焼排ガスを一次空気として再循環させて有効利用することができて、排ガス再循環による低空気比化、低NO化を図ることができる。
(2)上記のように、燃焼排ガスを一次空気として再循環供給することにより、被処理物の乾燥速度の増大を図ることができる場合には、焼却処理の終了までに要する時間を短縮できることから、炉長の短縮化を図ることが可能になる。
(3)炉上流側部分へ一次空気を供給する風箱に炉上下流方向に多数分割されるよう設けた各通気領域に、空気流量調整弁と通気総量調整弁と流量計を備えた空気送給ラインを個別に接続し、該各空気送給ラインにおける通気総量調整弁よりも上流側位置に、燃焼排ガスを導くための開閉弁付きの排ガス再循環ラインを接続し、更に、排ガスの再循環を行っている通気領域への通気総量を流量計で計測して、被処理物の乾燥に所望される所定の通気量となるよう、上記空気流量調整弁及び通気総量調整弁の開度を調整する機能を有する制御装置を備えた構成とすることにより、乾燥過程にある被処理物の温度変化が小さい領域へ、対応する位置の通気領域を通して燃焼排ガスを再循環供給する場合にも、通気量を、上記被処理物の乾燥に所望される所定の通気量となるよう保持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0034】
図1乃至図4は本発明のストーカ式焼却炉の排ガス再循環方法及び装置の実施の一形態として、回転ストーカ式焼却炉へ適用する場合を示すもので、図6(イ)(ロ)(ハ)に示したと同様に、水管壁構造として内部を燃焼室としてある円筒状の火格子としての回転ストーカ本体1を、カバーケーシング8内に回転可能に横置きして、入口側より供給される被処理物としての廃棄物14を、回転ストーカ本体1の回転により撹拌しながら炉下流側へ順次移送させ、この移送の間に回転ストーカ本体1の下側に位置する風箱16を構成する炉上流側風箱17a、炉中間部風箱17b、炉下流側風箱17cから供給される一次空気5により廃棄物14を乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処理するようにしてある回転ストーカ式焼却炉において、上記炉上流側風箱17aを、炉上下流方向へ多数分割(図では6分割)された通気領域としての分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fを設けてなる構成とする。なお、便宜上、炉上流側より順に第1分割風箱31a,第2分割風箱31b,第3分割風箱31c,第4分割風箱31d,第5分割風箱31e,第6分割風箱31fというものとする。これにより、回転ストーカ本体1内の炉上流側に形成される乾燥ゾーン1aに、上記各分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fを通して供給される一次空気5がそれぞれ吹き込まれる分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fが炉上下流方向の対応する位置に形成されるようにする。
【0035】
上記各分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fには、図示しない空気供給源より一次空気5を導くための空気送給ライン33の下流側端部を分岐させた分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fをそれぞれ接続し、該各分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fに、空気流量調整弁34と通気総量調整弁35を上流側より順に設ける。
【0036】
上記各分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fにおける空気流量調整弁34と通気総量調整弁35との間の位置には、回転ストーカ式焼却炉より排出される燃焼排ガス36を煙突へ導く煙道(図示せず)の途中位置より該燃焼排ガス36の一部を抜き出して導くための排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d,37e,37fをそれぞれ個別に接続し、該各排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d,37e,37fには、開閉弁としての排ガス供給弁38を個別に設ける。これにより、該各排ガス供給弁38を個別に開閉操作することで、各排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d,37e,37fよりそれぞれ対応する分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fを経て上記各分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fへ再循環させる燃焼排ガス36の供給開始と停止を個別に制御できるようにしてあり、回転ストーカ本体1内の炉上流側部分の乾燥ゾーン1aにて、燃焼排ガス36の再循環供給を行なう領域を、炉上流側端部より、上記各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fの任意の位置までとなるように調整できるようにしてある。
【0037】
更に、上記回転ストーカ本体1内にて、上記各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fにそれぞれ位置している廃棄物14の温度を計測するための温度センサ39a,39b,39c,39d,39e,39fを設ける。該各温度センサ39a,39b,39c,39d,39e,39fは、温度計測対象である上記廃棄物14の温度を計測できれば、熱電対や放射温度を検出する温度センサ、音波式の温度センサ等、接触式あるいは非接触式のいかなる形式のものを採用してもよい。又、上記回転ストーカ式焼却炉においては、温度計測対象である廃棄物14は、回転体である回転ストーカ本体1の内側に位置するものであることから、内部設置が難しい場合には、たとえば、図1に示す如く、上記回転ストーカ本体1における各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fにそれぞれ対応する炉上下流方向位置の底面部の炉壁温度を計測して、その計測値より内側に位置する廃棄物14の温度を演算して検出する等、回転ストーカ本体1の炉壁を介して間接的に検出を行うようにしてもよい。更には、図示してはいないが、回転ストーカ本体1の入口側に、非接触式の温度センサを、回転ストーカ本体1内の各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fに存在する廃棄物14に向けて個別に設置して、該各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fの廃棄物14の温度を非接触で直接的に検出させるようにしてもよい。
【0038】
更に又、上記各温度センサ39a,39b,39c,39d,39e,39fから入力される温度検出信号に基づいて、上記各排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d,37e,37f上の排ガス供給弁38へそれぞれ指令を与えると共に、上記各分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33f上の空気流量調整弁34へ、上記各排ガス供給弁38へ与えた指令に応じた指令をそれぞれ与える排ガス再循環制御装置40を備える。
【0039】
上記空気送給ライン33の各分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fにおける通気総量調整弁34よりも下流側位置には、流量計41をそれぞれ設けて、該各分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fを経て対応する分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fへ供給される通気の総量を検出できるようにする。更に、該各流量計41より入力される通気総量の検出信号に基づいて、上記各分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33f上の空気流量調整弁34と通気総量調整弁35へ指令を与える通気量制御装置42を備える。
【0040】
なお、図1における分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31f、分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32f、分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33f、排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d,37e,37fの各符号に付したアルファベット記号は、それぞれ気体の流れが対応するもの同士に同じアルファベット記号が付してある。更に、温度センサ39a,39b,39c,39d,39e,39fの符号に付したアルファベット記号は、それぞれ同じアルファベット記号の付された分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fに位置する廃棄物の温度を検出するものであることを示している。その他の構成は図6(イ)(ロ)(ハ)に示したものと同様であり、同一のものには同一符号が付してある。
【0041】
次に、本発明の排ガス再循環方法及び装置における排ガス再循環の制御について説明する。
【0042】
ここで、先ず、本発明における排ガス再循環の制御の原則について概説すると、一般に、乾燥対象物を、所要温度の空気の通気により乾燥処理させる場合、図4に示す如く、図8で説明したと同様に、乾燥開始より該乾燥対象物の含水率φが限界含水率まで低下する以前の比較的高い間は、恒率乾燥期間となり、乾燥速度Rはあまり変化せず、その後、乾燥が更に進んで含水率φが限界含水率を下回るようになると、減率乾燥期間となって、乾燥速度Rは徐々に低下していく。この乾燥過程における乾燥対象物の温度変化を含水率φとの相関で表すと、図4に示すようになり、上記恒率乾燥期間では温度変化が比較的小さく、その後、減率乾燥期間に入ると、乾燥速度の低下に合わせて乾燥対象物の温度が徐々に上昇して行くようになる。
【0043】
そこで、上記恒率乾燥期間及び減率乾燥期間と、乾燥対象物の温度変化との相関関係に鑑みて、本発明では、回転ストーカ本体1内の炉上流側部分に形成される乾燥ゾーン1aにて、各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fごとに存在している廃棄物14の温度を、それぞれ上記温度センサ39a,39b,39c,39d,39e,39fにより検出して、上記乾燥ゾーン1aに存在する廃棄物14の炉上下流方向の温度分布を計測し、その計測の結果、各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fのうち、廃棄物14の温度変化が小さい領域では、該廃棄物14が恒率乾燥期間にあるものとして、燃焼排ガス36の一次空気5としての再循環供給を行なわせるようにし、一方、廃棄物14の温度が徐々に上昇して温度変化が大きくなる領域では、該廃棄物14が減率乾燥期間に移行したと判断して、燃焼排ガス36の再循環供給を行わないようにさせるものとする。
【0044】
詳述すると、図2は本発明の制御フローを示すもので、先ず、回転ストーカ式焼却炉の運転中に、回転ストーカ本体1の乾燥ゾーン1aの各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fごとに存在する廃棄物14の温度を、対応する温度センサ39a,39b,39c,39d,39e,39fによりそれぞれ検出して、排ガス再循環制御装置40へ入力させ、該排ガス再循環制御装置40にて、上記各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fの温度検出情報に基いて、上記回転ストーカ本体1の乾燥ゾーン1aに存在する廃棄物14の炉上下流方向の温度分布を計測する(ステップ1:S1)。
【0045】
次に、上記ステップ1で計測された温度分布を基にして、上記乾燥ゾーン1aに炉上流側より順に配列されている各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fのうち、廃棄物14の温度変化が小さい領域にある分割ゾーンに対しては、対応する分割風箱へ一次空気5を導くための分岐ラインに接続してある排ガス再循環ライン上の排ガス供給弁38へ開指令oを与えて開操作させ、一方、廃棄物14の温度変化が大きい領域にある分割ゾーンに対しては、対応する分割風箱へ一次空気5を導くための分岐ラインに接続してある排ガス再循環ライン上の排ガス供給弁38を閉状態とさせるようにする(ステップ2:S2)。
【0046】
具体的には、上記排ガス再循環制御装置40にて計測される乾燥ゾーン1aの廃棄物14の温度分布が、たとえば、図3(イ)に示す如く、炉上流側端部の分割ゾーン32aでは温度変化が小さいが、それより炉下流側に位置する各分割ゾーン32bから32fでは温度上昇している場合は、排ガス再循環制御装置40により、上記分割ゾーン32aに対応する第1分割風箱31aへ一次空気5を導くための分岐ライン33aに接続した排ガス再循環ライン37a上の排ガス供給弁38へのみ開指令oを与えて開操作させ、その他の排ガス再循環ライン37b,37c,37d,37e,37f上の排ガス供給弁38は閉状態のままとさせるようにする。これにより、上記排ガス再循環ライン37a、分岐ライン33aを経て、乾燥ゾーン1aにおける上記分割ゾーン32aと対応する炉上流側端部に位置する分割風箱31aへのみ、燃焼排ガス36を導くことができるようになる。
【0047】
又、上記と同様に計測される乾燥ゾーン1aの廃棄物14の温度分布が、たとえば、図3(ロ)に示す如く、炉上流側寄りの4つの分割ゾーン32aから32dまでの領域では温度変化が小さいが、それより炉下流側の分割ゾーン32e及び32fでは温度上昇している場合には、排ガス再循環制御装置40により、上記分割ゾーン32aから32dに対応する第1から第4までの分割風箱31a,31b,31c,31dへ一次空気5を導くための分岐ライン33a,33b,33c,33dにそれぞれ接続してある排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d上の排ガス供給弁38へ開指令oを与えて開操作させ、残る排ガス再循環ライン37eと37f上の排ガス供給弁38は閉状態とさせるようにする。これにより、上記排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37dと、分岐ライン33a,33b,33c,33dを経て、炉上流側寄りの第1から第4の各分割風箱31a,31b,31c,31dに対し燃焼排ガス36を導くことができるようになる。
【0048】
上記のように、ステップ2にて、ステップ1で計測した乾燥ゾーン1aの温度分布の計測結果に応じて各排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d,37e,37f上の排ガス供給弁38を適宜開閉操作することにより、燃焼排ガス36を、たとえば、第1の分割風箱31aへのみ、あるいは、第1から第4の各分割風箱31a,31b,31c,31dへ等、炉上流側より配列されている各分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fのうち、所要位置までの分割風箱へ導くようにする場合には、該燃焼排ガス36の導かれた分割風箱より、回転ストーカ本体1内のそれぞれ対応する分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fへ供給される一次空気5の通気量が、廃棄物14の乾燥に必要とされる所要の通気量に対して過剰となったり、不足しないよう、所定の通気量に保持させる必要がある。
【0049】
そのために、たとえば、一例として、図3(イ)に示した温度分布の計測結果に基づいて、排ガス再循環ライン37a上の排ガス供給弁38のみを開操作して第1の分割風箱31aへのみ燃焼排ガス36を供給する場合について示すと、上記ステップ2における排ガス再循環制御装置40より開指令oを与えて上記排ガス供給弁38を開操作し、これにより、排ガス再循環ライン37aを通して導いた燃焼排ガス36を分岐ライン33aへ供給させるのとほぼ同期させて、該分岐ライン33aにおける上記排ガス再循環ライン37aの接続位置よりも上流側に設けてある空気流量調整弁34へ、上記排ガス再循環制御装置40より閉指令sを与えて該空気流量調整弁34を一旦閉操作させる(ステップ3:S3)。これにより、上記分割風箱31aへ供給される一次空気5が、外部から取り込まれて空気送給ライン33を通して分岐ライン33aへ導かれる燃焼用の空気から、排ガス再循環ライン37aを通して分岐ライン33aへ導かれる燃焼排ガス36へ一旦切替えられるようにする。
【0050】
次いで、上記分岐ライン33aにおける通気総量調整弁35よりも下流側位置に設けてある流量計41により、上記分岐ライン33aより分割風箱31aへ供給される一次空気5としての燃焼排ガス36の通気総量を計測し、この通気総量の計測値を通気量制御装置42へ入力させる(ステップ4:S4)。
【0051】
上記通気量制御装置42では、上記ステップ4にて流量計41より分割風箱31aへの通気総量の計測値が入力されると、この通気総量が、回転ストーカ本体1内の分割ゾーン32aにおける廃棄物14の乾燥に必要とされる分割風箱31aの通気量として予め設定されている所要の通気量(以下、設定通気量という)に達しているか否かを判断し(ステップ5:S5)、上記通気総量が設定通気量を超過している場合には、分岐ライン33aにおける排ガス再循環ライン37aの接続位置よりも下流側に設けてある通気総量調整弁35の開度を所要量絞って、上記分岐ライン33aより分割風箱31aへ一次空気5として供給される燃焼排ガス36の通気量を減少させる(ステップ6:S6)。その後は、ステップ4へ戻って、一次空気5として供給される燃焼排ガス36の通気総量を再び計測させるようにし、この、ステップ4、ステップ5、ステップ6を順次繰り返すことで、一次空気5として分割風箱31aへ供給される燃焼排ガス36の通気総量が、設定通気量と一致するようになるまで減少させるようにする。
【0052】
一方、上記ステップ5にて、流量計41より入力される一次空気5としての燃焼排ガス36の通気総量が、設定通気量に達していないと判断された場合には、ステップ7(S7)へ進んで、上記分岐ライン33a上の通気総量調整弁35が全開となっているか否かを判断するようにし、全開となっていない場合には、上記通気総量調整弁35の開度を、所要量開ける方向へ操作することにより、上記分岐ライン33aより分割風箱31aへ一次空気5として供給される燃焼排ガス36の通気量を増加させる(ステップ8:S8)。その後は、ステップ4へ戻って、一次空気5として供給される燃焼排ガス36の通気総量を再び計測させるようにし、上記ステップ4、ステップ5、ステップ7、ステップ8を順次繰り返すことで、一次空気5として分割風箱31aへ供給される燃焼排ガス36の通気総量が、設定通気量と一致するようになるまで増加させるようにする。
【0053】
更に、上記ステップ7において、上記分岐ライン33a上の通気総量調整弁35が既に全開に達していたり、上記のように、ステップ4、ステップ5、ステップ7、ステップ8を繰り返して上記通気総量調整弁35を徐々に開操作する過程で、ステップ7にて該通気総量調整弁35が全開に達したと判断された場合は、上記ステップ3にて一旦閉操作した空気流量調整弁34を、流量計41にて検出される通気総量が、上記設定通気量と一致するようになるまで徐々に開操作して、排ガス再循環ライン37aを通して分岐ライン33aへ導かれる燃焼排ガス36に、外部から取り込まれて空気送給ライン33を通して分岐ライン33aへ導かれる燃焼用の空気が混入されるようにし、これにより、上記分岐ライン33aより分割風箱31aに、上記燃焼排ガス36と空気の混合気体による一次空気5が、設定通気量で通気されるようにする(ステップ:S9)。
【0054】
なお、上記においては、ステップ2に関しては、ステップ1にて図3(イ)及び図3(ロ)に示した如き乾燥ゾーン1aの温度分布が計測された場合について、又、ステップ3からステップ9に関しては、ステップ1にて図3(イ)に示した如き乾燥ゾーン1aの温度分布が得られた場合について、をそれぞれ例示したが、ステップ1にて計測される乾燥ゾーン1aの温度分布における温度変化が小さい領域が、炉上流側より順に配列された各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fのうち、どのゾーンまで達しているかに対応して、炉上流側風箱17aに設けてある炉上下流方向の各分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fのうち、燃焼排ガス36の再循環供給を行なう分割風箱の上流側端部側からの数を、上記温度変化が小さい領域となる分割ゾーンに対応するよう適宜変更してよいことは勿論である。又、このように、燃焼排ガス36の再循環供給を行なう分割風箱の上流側端部側からの数を変更する場合は、燃焼排ガス36の再循環供給を行なう分割風箱に接続されている分岐ライン上の空気流量調整弁34及び通気総量調整弁35を上記ステップ3からステップ9に示した手順でそれぞれ制御することにより、各分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fより回転ストーカ本体1内の対応する分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fへそれぞれ供給される一次空気5の通気量が、廃棄物14の乾燥に必要とされる所定の通気量に保持されるようにする。
【0055】
このように、本発明のストーカ式焼却炉の排ガス再循環方法及び装置によれば、回転ストーカ本体1内にて廃棄物14を乾燥、熱分解、燃焼の各過程を経て焼却処理する際、上記回転ストーカ本体1の炉上流側部分に形成される乾燥ゾーン1aにて、廃棄物14が乾燥される過程で恒率乾燥期間にある領域へのみ、燃焼排ガス36を一次空気5として再循環供給することができることから、該燃焼排ガス36が外部より取り入れる空気よりも多湿であることに起因して通気湿度が増大していたとしても、廃棄物14の乾燥速度へ影響する虞を小さく抑えることができるか、あるいは、発生蒸気の対流効果により乾燥速度を増すことができる。したがって、上記廃棄物14の乾燥に遅延が生じる虞を未然に防止した状態にて、燃焼排ガス36を一次空気として再循環させて有効利用を図ることができ、排ガス再循環による低空気比化、低NO化を図ることができる。更に、上記のように、乾燥速度の増大を図ることができる場合には、焼却処理の終了までに要する時間を短縮できることから、炉長の短縮化を図ることが可能になる。
【0056】
次に、図5は本発明の実施の他の形態を示すもので、階段ストーカ式焼却炉へ適用する場合を示すものである。すなわち、図7(イ)(ロ)に示したと同様に、一次燃焼室26の底部に、火格子28を階段状に配置してなる階段ストーカ本体27を設けて、入口側より供給される被処理物としての廃棄物14を、上記階段ストーカ本体27の各火格子28の振動により炉下流側へ順次移送させ、この移送の間に、上記廃棄物14を、階段ストーカ本体27の下側に位置する風箱16Aを構成する炉上流側風箱17a、炉中間部風箱17b、炉下流側風箱17cから供給される一次空気5により乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処理するようにしてある階段ストーカ式焼却炉において、上記炉上流側風箱17aを、図1乃至図4に示した実施の形態における風箱17aと同様に、炉上下流方向へ細分化、たとえば、6分割して、通気領域としての多数の分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fを設ける。これにより、一次燃焼室26内の炉上流側に形成される乾燥ゾーン26aに、上記各分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fよりそれぞれ一次空気5が吹き込まれる分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fが、上流側より順に形成されるようにする。
【0057】
更に、図1乃至図4に示した実施の形態と同様に、上記各分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fには、一次空気5を導くための空気送給ライン33の下流側端部を分岐させて、空気流量調整弁34と通気総量調整弁35を上流側より順に備えてなる分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fを接続する。該各分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fにおける空気流量調整弁34と通気総量調整弁35との間の位置には、階段ストーカ式焼却炉より排出される燃焼排ガス36の一部を煙道(図示せず)の途中位置より抜き出して再循環させるための開閉弁としての排ガス供給弁38付きの排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d,37e,37fをそれぞれ個別に接続する。更に、上記階段ストーカ本体27、又は、一次燃焼室26内に、上記各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fに位置している廃棄物14の温度を計測するための温度センサ39a,39b,39c,39d,39e,39fをそれぞれ設け、該各温度センサ39a,39b,39c,39d,39e,39fより入力される温度検出信号に基づいて、上記各排ガス再循環ライン37a,37b,37c,37d,37e,37f上の排ガス供給弁38及び空気流量調整弁34へ指令を与える排ガス再循環制御装置40を備える。更に又、上記空気送給ライン33の各分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33fにおける通気総量調整弁34よりも下流側位置に、流量計41をそれぞれ設けると共に、該各流量計41より入力される通気総量の検出信号に基づいて、上記各分岐ライン33a,33b,33c,33d,33e,33f上の空気流量調整弁34と通気総量調整弁35へ指令を与える通気量制御装置42を備えた構成とする。
【0058】
上記本実施の形態の各構成要素として、図1乃至図4に示した実施の形態と同じ符号を付したものは、それぞれ図1乃至図4に実施の形態で説明したと同様の機能を有するものとしてある。その他、図7(イ)(ロ)に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
【0059】
本実施の形態における排ガス再循環の制御は、図1乃至図4に示した実施の形態とほぼ同様である。すなわち、図2に示したと同様の制御フローにしたがって、先ず、ステップ1(S1)にて、階段ストーカ式焼却炉の運転中に、一次燃焼室26の乾燥ゾーン26aにおける各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fごとに存在する廃棄物14の温度を、対応する温度センサ39a,39b,39c,39d,39e,39fによりそれぞれ検出して、排ガス再循環制御装置40へ入力させ、該排ガス再循環制御装置40にて、上記各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fの温度検出情報に基いて、上記一次燃焼室26の炉上流側部分に形成される乾燥ゾーン26aに存在する廃棄物14の炉上下流方向の温度分布を計測し、次に、ステップ2(S2)において、上記計測された温度分布を基にして、上記乾燥ゾーン26aに炉上流側より順に配列されている各分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fのうち、廃棄物14の温度変化が小さい領域にある分割ゾーンに対しては、対応する排ガス再循環ライン上の排ガス供給弁38へ開指令oを与えて開操作させ、一方、廃棄物14の温度変化が大きい領域にある分割ゾーンに対しては、対応する排ガス再循環ライン上の排ガス供給弁38を閉状態とさせるようにする。
【0060】
その後、図2に示した制御フローにおけるステップ3(S3)乃至ステップ9(S9)の手順と同様の手順を行うことで、上記一次燃焼室26の分割ゾーン32a,32b,32c,32d,32e,32fへそれぞれ対応する分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fより供給させる一次空気5に対し、燃焼排ガス36の再循環供給を行う場合であっても、その通気量が、廃棄物14の乾燥に必要とされる所定の通気量に保持されるようにしてある。
【0061】
したがって、本実施の形態によれば、階段ストーカ式焼却炉の一次燃焼室26内にて廃棄物14を乾燥、熱分解、燃焼の各過程を経て焼却処理する際、上記一次燃焼室26の炉上流側部分に形成される乾燥ゾーン26aにて、廃棄物14が乾燥される過程で恒率乾燥期間にある領域へのみ燃焼排ガス36を一次空気5として再循環供給することができる。
したがって、図1乃至図4に示した実施の形態と同様に、該燃焼排ガス36の通気による通気湿度の増大が、廃棄物14の乾燥速度へ影響する虞を小さく抑えることができるか、あるいは、発生蒸気の対流効果により乾燥速度を増すことができ、これにより、上記廃棄物14の乾燥に遅延が生じる虞を未然に防止した状態にて、燃焼排ガス36を一次空気として再循環させて有効利用を図ることができて、排ガス再循環による低空気比化、低NO化を図ることができる。又、乾燥速度の増大を図ることができる場合には、炉長の短縮化を図ることが可能になる、等の優れた効果を得ることができる。
【0062】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、風箱16、16Aにおける炉上流側風箱17aを炉上下流方向に多数分割して設ける分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fは、6分割したものとして示したが、焼却炉の炉長や廃棄物14の性状等に応じて炉内に形成される乾燥ゾーン1a,26aの炉上下流方向の長さ寸法等に応じて分割数を適宜増減してもよい。又、該分割風箱31a,31b,31c,31d,31e,31fを設ける領域は、炉内の炉上流側部分に形成される乾燥ゾーン1a,26aにて廃棄物14が乾燥される際、該廃棄物14が恒率乾燥期間となる領域と対応するようにすれば、炉内の炉上流側端部より炉下流側へ向けての長さ寸法は適宜調整してよい。排ガス再循環制御装置40と通気量制御装置42は、一体化するようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明のストーカ式焼却炉の排ガス再循環方法及び装置の実施の一形態として、回転ストーカ式焼却炉へ適用した場合を示す概要図である。
【図2】図1の装置における排ガス再循環の制御フローを示す図である。
【図3】図1の装置における排ガス再循環制御装置にて乾燥ゾーンの温度分布に基づいて行う各排ガス再循環ライン上の排ガス供給弁の開閉制御について示すもので、(イ)(ロ)は乾燥ゾーンの温度分布が異なる状態についての例をそれぞれ示す図である。
【図4】乾燥対象物の乾燥速度と含水率、及び、温度と含水率の一般的な相関関係を示す図である。
【図5】本発明の実施の他の形態として、階段ストーカ式焼却炉へ適用する場合を示す概要図である。
【図6】従来の回転ストーカ式焼却炉の一例を示すもので、(イ)は切断概略側面図、(ロ)は(イ)のA−A方向矢視図、(ハ)は(イ)のB部の拡大図である。
【図7】従来の階段ストーカ式焼却炉の一例を示すもので、(イ)は切断概略側面図、(ロ)は(イ)のC−C方向矢視図である。
【図8】水分を含んだ布塊を、異なる湿度の空気を通気させることにより乾燥させる際の含水率の変化と、乾燥速度との相関を示す図である。
【符号の説明】
【0064】
1 回転ストーカ本体(円筒状の火格子)
4 水管
5 一次空気
6 空気孔
7 フィン
8 カバーケーシング
14 廃棄物(被処理物)
16,16A 風箱
17a 炉上流側風箱
26 一次燃焼室(燃焼室)
27 階段ストーカ本体(階段状の火格子)
28 火格子
29 空気孔
31a,31b,31c,31d,31e,31f 分割風箱(通気領域)
32a,32b,32c,32d,32e,32f 分割ゾーン
33 空気送給ライン
33a,33b,33c,33d,33e,33f 分岐ライン(空気送給ライン)
34 空気流量調整弁
35 通気総量調整弁
36 燃焼排ガス
37a,37b,37c,37d,37e,37f 排ガス再循環ライン
38 排ガス供給弁(開閉弁)
39a,39b,39c,39d,39e,39f 温度センサ
40 排ガス循環制御装置
41 流量計
42 通気量制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室内に設けた火格子にて被処理物を支持させると共に順次炉下流側へ移送させる間に、上記被処理物を、下方の風箱より供給される一次空気により、乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処分するようにしてあるストーカ式焼却炉における炉上流側部分へ一次空気を供給する風箱を、炉上下流方向に多数の通気領域に分割し、該各通気領域に、燃焼排ガスを再循環させて供給することができるようにして、燃焼室内の炉上流側部分にて乾燥過程にある被処理物の温度変化が小さい領域へのみ、対応する位置の通気領域を通して燃焼排ガスを一次空気として再循環供給することを特徴とするストーカ式焼却炉の排ガス再循環方法。
【請求項2】
円筒状の火格子内に供給される被処理物を、該円筒状の火格子の回転により撹拌しながら下流側へ移送する間に、下方の風箱から供給される一次空気により乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処分するようにしてある回転ストーカ式焼却炉における上記風箱のうち、炉上流側部分へ一次空気を供給するようにしてある風箱に、炉上下流方向に分割された多数の通気領域を設けて、該各通気領域毎に、開閉弁付きの排ガス再循環ラインを介して燃焼排ガスを供給できるようにし、且つ炉上流側部分にて乾燥過程にある被処理物の炉上下流方向の温度分布を計測するための温度センサを備え、更に、上記炉上流側部分へ一次空気を供給する風箱に形成してある多数の通気領域のうち、上記温度センサにて計測される被処理物の温度変化が小さい領域と対応する位置の通気領域へのみ、排ガス再循環ラインより導いた燃焼排ガスを再循環供給できるようにしたことを有することを特徴とするストーカ式焼却炉の排ガス再循環装置。
【請求項3】
階段状の火格子上に供給される被処理物を、炉下流側へ移送する間に、下方の風箱から供給される一次空気により乾燥、熱分解、燃焼の過程を経て焼却処分するようにしてある階段ストーカ式焼却炉における上記風箱のうち、炉上流側部分へ一次空気を供給するようにしてある風箱に、炉上下流方向に分割された多数の通気領域を設けて、該各通気領域毎に、開閉弁付きの排ガス再循環ラインを介して燃焼排ガスを供給できるようにし、且つ炉上流側部分にて乾燥過程にある被処理物の炉上下流方向の温度分布を計測するための温度センサを備え、更に、上記炉上流側部分へ一次空気を供給する風箱に形成してある多数の通気領域のうち、上記温度センサにて計測される被処理物の温度変化が小さい領域と対応する位置の通気領域へのみ、排ガス再循環ラインより導いた燃焼排ガスを再循環供給できるようにしたことを有することを特徴とするストーカ式焼却炉の排ガス再循環装置。
【請求項4】
炉上流側部分に一次空気を供給する風箱に設けてある各通気領域毎に一次空気を供給できるように、該各通気領域に、空気流量調整弁と通気総量調整弁と流量計を備えてなる空気送給ラインを個別に接続し、該各空気送給ライン上の通気総量調整弁の上流側位置に、燃焼排ガスを導くための開閉弁付きの排ガス再循環ラインを接続し、更に、燃焼排ガスの再循環供給を行っている通気領域への通気総量を上記流量計で計測して、被処理物の乾燥に所望される所定の通気量となるよう、上記空気流量調整弁及び通気総量調整弁の開度をそれぞれ調整する機能を有する制御装置を備えた請求項2及び3記載のストーカ式焼却炉の排ガス再循環装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−57963(P2006−57963A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−242686(P2004−242686)
【出願日】平成16年8月23日(2004.8.23)
【出願人】(000000099)石川島播磨重工業株式会社 (5,014)
【Fターム(参考)】