スピーカ
【課題】振動板を支持するエッジであって、直線部分と非直線部分を有するエッジを備えるスピーカに関し、直線部分と非直線部分のエッジのストロークの差を低減して、より優れた音を出力する技術を提供する。
【解決手段】振動板と、前記振動板を振動させる磁気回路と、前記磁気回路部と接続されるフレームと、前記フレームに設けられ、前記振動板の外縁部を支持するエッジと、を備えるスピーカであって、前記振動板の外縁部は、直線部と、非直線部とを有し、前記エッジは、前記振動板の外縁部を支持する直線状の直線エッジ部と、前記振動板の外縁部を支持する非直線状の非直線エッジ部と、を有し、前記非直線エッジ部は、前記直線エッジ部と同じ剛性を有する。
【解決手段】振動板と、前記振動板を振動させる磁気回路と、前記磁気回路部と接続されるフレームと、前記フレームに設けられ、前記振動板の外縁部を支持するエッジと、を備えるスピーカであって、前記振動板の外縁部は、直線部と、非直線部とを有し、前記エッジは、前記振動板の外縁部を支持する直線状の直線エッジ部と、前記振動板の外縁部を支持する非直線状の非直線エッジ部と、を有し、前記非直線エッジ部は、前記直線エッジ部と同じ剛性を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカの振動板の外周を支持するエッジに関する技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、スピーカの振動板を支持するエッジの内周側の断面形状を外側の断面形状に比して肉薄とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2004/004410号パンフレット
【特許文献2】特開2003−37011号公報
【特許文献3】特開平6−31594号公報
【特許文献4】特開平8−102992号公報
【特許文献5】特開2007−282012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スピーカとして、平面板の上に等間隔に並べられた磁石を利用する平面型スピーカが知られている。ここで、図1Aは、従来の平面型スピーカの概略構成を示し、図1Bは、従来の平面型スピーカのエッジの平面図を示し、図1Cは、図1BにおけるAA断面図を示す。図1Aに示すように、従来の平面型スピーカ100Xは、磁石ユニット2Xと、振動板3Xと、複数のコイルからなるコイル群4Xと、エッジ5Xとを備える。磁石ユニット2Xは、フレーム21X上に複数の磁石22Xが、規則的に均等な間隔をあけて配置されることで形成されている。磁石22は、その端部がN極又はS極となる矩形状の磁石であり、これらの複数の磁石22が、隣接する磁石との関係において先端部が互いに異なる磁極となるように、規則的に配置されている。磁石22Xの上方には、磁石22Xに対応するように配置された複数のコイルからなるコイル群4Xが配置されている。音声信号に対応する電流がコイル群4に供給されると、磁石ユニット2Xとコイル群4によって形成される磁気回路の磁束によって電流が流れるコイル群4が力を受け、エッジ5Xによって支持される振動板3Xが振動する。その結果、平面型スピーカ100Xから音波が発生する。
【0005】
ここで、上記従来の平面型のスピーカ100Xでは、長方形の振動板3Xの外周を支持するため、エッジ5Xが、直線部分51Xと四つの角部からなる非直線部分52Xを有している。そのため、従来の平面型スピーカ100Xでは、直線部分51と、非直線部分52Xすなわち四つの角部との剛性が異なる。より具体的には、従来の平面型スピーカ100Xでは、非直線部分52Xの剛性が直線部分51の剛性に比べて高くなり、その結果、最低共振周波数(f0)の上昇、音圧の低下を招くことが懸念される。また、直線部分51Xは、非直線部分52Xに比べて振動しやすい、換言すると、直線部分51Xの振動のストロークが非直線部分52Xの振動のストロークよりも長くなる。その結果、従来の平面型スピーカでは、平面スピーカ100Xからの音波が平面波ではなく球面波を形成する。
【0006】
従来のスピーカにおける課題を説明するため、平面型スピーカを例に説明したが、上記のような問題は、種々のスピーカにおいて懸念される。すなわち、スピーカの振動板を支持するエッジが直線部分と角部のような非直線部分を備える場合において、エッジの断面
形状を同一形状とすると、エッジのストロークに差が発生し、音質の低下を招く恐れがある。
【0007】
本発明では、上記した背景に鑑み、振動板を支持するエッジであって、直線部分と非直線部分を有するエッジを備えるスピーカに関し、直線部分と非直線部分のエッジのストロークの差を低減して、より優れた音を出力する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、上述した課題を解決するため、直線部分と非直線部分を有するエッジを備えるスピーカにおいて、スピーカを構成するエッジの剛性の均一化を図ることとした。
【0009】
より詳細には、本発明は、振動板と、前記振動板を振動させる磁気回路部と、前記磁気回路部と接続されるフレームと、前記フレームに設けられ、前記振動板の外縁部を支持するエッジと、を備えるスピーカであって、前記振動板の外縁部は、直線部と、非直線部とを有し、前記エッジは、前記振動板の外縁部を支持する直線状の直線エッジ部と、前記振動板の外縁部を支持する非直線状の非直線エッジ部と、を有し、前記非直線エッジ部は、前記直線エッジ部と同じ剛性を有する。
【0010】
本発明に係るスピーカでは、非直線エッジ部が直線エッジ部と同じ剛性を有する。換言すると、エッジ全体が同じ剛性となるように設計されている。剛性とは、エッジの硬さ(スチフネス)を意味する。直線エッジ部は、直線状の領域であり、振動板の直線部を支持することができる。非直線エッジ部は、エッジのうち、非直線状の領域であり、振動板の非直線部を支持することができる。振動板の直線部は、振動板の辺が例示される。また、振動板の非直線部には、直線部以外の部分、例えば振動板の角部や曲線部が挙げられる。本発明に係るスピーカでは、非直線エッジ部が直線エッジ部と同じ剛性を有することから、剛性が異なる場合に起こりうる、音質の低下を低減し、より優れた音を提供することができる。
【0011】
非直線エッジ部の剛性と、直線エッジ部の剛性とを同じにする、換言すると、非直線エッジ部と直線エッジ部の剛性の均一化は、例えば、エッジの断面形状を変化させればよい。具体的には、非直線エッジ部の厚みを、振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、直線エッジ部の厚みよりも薄くすればよい。ストロークとは、振動板が一回振動する際のエッジの動作である。非直線エッジ部の厚みを薄くすることで、非直線エッジ部が柔らかくなり、非直線エッジ部のストロークが向上し、その結果、剛性の均一化を図ることが可能となる。なお、非直線エッジ部と直線エッジ部の剛性の均一化は、非直線エッジ部と直線エッジ部の材料を変えることで実現してもよい。すなわち、非直線エッジ部を、振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、直線エッジ部よりも柔らかい材質によって構成すればよい。
【0012】
ここで、上述した本発明に係るスピーカは、一態様として、以下のように特定することができる。すなわち、前記エッジは、リング状であり、該エッジの内側に設けられ、前記振動板の外縁部と接続される振動板接続部と、該エッジの外側に設けられ、前記フレームと接続されるフレーム接続部と、前記振動板接続部と前記フレーム接続部との間に設けられ、振動板の前面側に湾曲した湾曲部と、を有する構成とすることができる。また、前記非直線エッジ部における湾曲部の厚みは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記直線エッジ部における湾曲部の厚みよりも薄くすることが好ましい。非直線エッジ部における湾曲部の厚みを、直線エッジ部における湾曲部の厚みよりも薄くすることで、非直線エッジ部のストロークがよくなり、剛性の均一化を図ることができる。
【0013】
なお、湾曲部は、前記エッジの径方向に隣接する少なくとも二つの湾曲を有する構成としてもよい。湾曲部を二つの湾曲により構成することで、一つの湾曲に比べて湾曲部の径方向における実施的な長さ、つまり振動板接続部とフレーム接続部との間のエッジを構成する材料そのものの長さが長くなる。その結果、非直線エッジのストロークが向上し、剛性の均一化を図ることができる。
【0014】
また、上述した本発明に係るスピーカは、一態様として、以下のように特定してもよい。すなわち、前記振動板は、R状の角部を有する矩形であり、該R状の角部としての前記非直線部と、該R状の角部同士の間に形成される辺としての前記直線部と、を有してもよい。また、前記エッジは、前記R状の角部としての非直線部を支持する非直線エッジ部と、前記辺としての直線部を支持する直線エッジ部と、を有してもよい。
【0015】
本発明では、振動板が矩形であり、エッジも矩形の振動板に併せて構成されている。なお、振動板の形状は、上記に限定されるものではなく、外縁に直線部と非直線部を有するものであればよい。本発明に係るスピーカは、外縁に直線部と非直線部を有する振動板を用いる種々のスピーカに適用可能である。
【0016】
また、本発明に係るスピーカにおいて、前記エッジは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記非直線エッジ部と前記直線エッジ部との間のエッジの断面形状が徐々に変化する変化エッジ部を更に有してもよい。直線エッジ部と非直線エッジ部との境界部分で断面形状を急激に変化させると、ひずみが起こりうる。変化エッジ部を設けることでひずみの発生を低減し、音質をより向上することができる。なお、エッジの材質を部分的に変えることで、エッジの剛性の均一化を図る場合には、変化エッジ部は、材質が徐々に変化するようにしてもよい。
【0017】
変化エッジ部は、直線状、非直線状いずれでもよい。換言すると、変化ヘッジは、振動板の直線部と非直線部の少なくとも何れか一方を指示することができる。但し、変化エッジ部は、直線部のみを支持するようにしてもよい。振動板の直線部に対応する部分においてエッジの断面形状を徐々に変化させることで、非直線エッジ部のストロークを確実に向上することができる。本発明では、変化エッジ部を設けない場合に比べて、直線エッジ部が、変化エッジ部を設けた分短くなる。
【0018】
本発明に係るスピーカは、種々のスピーカに適用可能であるが、いわゆる平面型スピーカにも好適に用いることができる。具体的には、本発明に係るスピーカにおいて、前記磁気回路は、格子状に配置された平板状の複数の磁石を有し、前記振動板には、音声信号に対応する電流が流れるコイル部であって、前記複数の磁石の夫々に対応する複数のコイルを有するコイル部が設けられていてもよい。
【0019】
なお、本発明は、上述したスピーカに用いられるエッジとして特定することもできる。すなわち、本発明は、振動板と、前記振動板を振動させる磁気回路と、前記磁気回路部と接続されるフレームと、前記フレームに設けられ、前記振動板の外縁部を支持するエッジと、を備えるスピーカに用いられるエッジであって、前記振動板の外縁部は、直線部と、非直線部とを有し、前記エッジは、前記振動板の外縁部を支持する直線状の直線エッジ部と、前記振動板の外縁部を支持する非直線状の非直線エッジ部と、を有し、前記非直線エッジ部は、前記直線エッジ部と同じ剛性を有する、エッジである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、振動板を支持するエッジであって、直線部分と非直線部分を有するエ
ッジを備えるスピーカに関し、直線部分と非直線部分のエッジのストロークの差を低減して、より優れた音を出力する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】従来の平面型スピーカの概略構成を示す。
【図1B】従来の平面型スピーカのエッジの平面図を示す。
【図1C】図1BにおけるAA断面図を示す。
【図2】第一実施形態に係るスピーカの概略構成を示す。
【図3】第一実施形態に係る磁石ユニットの上面図を示す。
【図4】第一実施形態に係るエッジの平面図を示す。
【図5A】図4のAA断面図を示す。
【図5B】図4のBB断面図を示す。
【図5C】図4のCC断面図を示す。
【図6】第二実施形態に係るエッジの平面図を示す。
【図7A】図6のAA断面図を示す。
【図7B】図6のBB断面図を示す。
【図7C】図6のCC断面図を示す。
【図8】第三実施形態に係るエッジの平面図を示す。
【図9A】図8のAA断面図を示す。
【図9B】図8のBB断面図を示す。
【図9C】図8のCC断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明のスピーカの実施形態について図面に基づいて説明する。
【0023】
<第一実施形態>
まず、第一実施形態に係るスピーカ100の概略構成について説明する。図2は、第一実施形態に係るスピーカ100の概略構成を示す。スピーカ100は、磁石ユニット2と、振動板3と、コイル群4と、を備える。磁石ユニット2は、フレーム21上に格子状に配置された複数の磁石を有する。ここで、図3は、磁石ユニット2の上面図を示す。同図に示すように、磁石22は、その端部がN極又はS極となる矩形状の磁石であり、これらの複数の磁石22が、隣接する磁石との関係において先端部が互いに異なる磁極となるように、規則的に配置されている。本実施形態の磁石ユニット2は、横長の長方形のフレーム21上に、横方向に5つ、縦方向に3つ、合計15の磁石22が配置されることで構成されている。但し、磁石ユニット2は、このような態様に限定されるものではない。フレーム21は、例えば多角形や、円形であってもよく、磁石22の形状、配置、総数もフレーム21に合わせて適宜設計することができる。
【0024】
振動板3は、エッジ5を介して磁石ユニット2のフレーム21と弾性的に固定されている。振動板3と磁石ユニット2との間には、所定の間隔が設けられている。第一実施形態に係る振動板3は、長方形であり、四つの角部がR状に形成されている。振動板3は、長方形の四つの辺に対応する直線部25と、R状の四つの角部に対応する非直線部26とを有する。振動板3と磁石ユニット2との所定の間隔は、振動板3が振動する際、振動板3と磁石ユニット2とが互いに接触しない程度の距離として適宜設計することができる。エッジ5の詳細については、後述する。
【0025】
振動板3には、複数のコイル等からなるコイル群4が設けられており、このコイル群4は、錦糸線6を介して磁石ユニット2の外部に設けられたコネクタ7に接続されている。コネクタ7には、スピーカ100の外部からコード8を経て音声信号に対応する電流が供給される。振動板3を覆うように防護ネットを設けてもよい。防護ネットを設けることで
、振動板3やコイル群4への塵埃等の付着を防止することができる。なお、コード8は、図示しないアンプ等に接続することができる。本実施形態では、振動板3の内部にコイル群4が設けられているが、コイル群4は、振動板3の上面、又は下面に設けてもよい。また、コイル群4は、振動板3の上面と下面の双方に設けてもよい。
【0026】
音声信号に対応する電流がコイル群4に供給されると、磁気回路としての磁石ユニット2の磁束によって電流が流れるコイル群4が力を受け、振動板3が振動する。その結果、スピーカ100から音波が出力される。
【0027】
ここで、第一実施形態に係るスピーカ100は、エッジ5の剛性の均一化がなされていることを特徴とする。そこで、エッジ5を中心として、更に詳細に説明する。
【0028】
図4は、第一実施形態に係るエッジ5の平面図を示す。図5Aは、図4のAA断面図であり、図5Bは、図4のBB断面図であり、図5Cは、図4のCC断面図を示す。エッジ5は、振動板3の外縁部を支持し、振動板3の外縁部の形状に合わせて設計されている。具体的には、エッジ5は、長方形のリング状であり、直線エッジ511、非直線エッジ52、変化エッジ533と、を備える。また、直線エッジ51、非直線エッジ52及び変化エッジ53の夫々は、エッジ5の内側に設けられ、振動板3の外縁部と接続される振動板接続部(直線エッジ51の振動板接続部511、非直線エッジ52の振動板接続部521、変化エッジ53の振動板接続部531)と、エッジ5の外側に設けられ、フレーム21と接続されるフレーム接続部(直線エッジ51のフレーム接続部513、非直線エッジ52のフレーム接続部523、変化エッジ53のフレーム接続部533)と、振動板接続部511とフレーム接続部513との間に設けられ、振動板3の前面側に湾曲した直線エッジ51の湾曲部512を有する。非直線エッジ52及び変化エッジ53にも、同様に湾曲部が設けられている。なお、エッジ5の材質は、特に限定されてないが、例えば、ウレタン、ゴム、布などの弾性素材とすることができる。図4における異なる網掛けは、直線エッジ51、非直線エッジ52、変化エッジ53の領域を示す。説明の便宜上、一部にのみ網掛けを施しているが、エッジ5の他の部分も、直線エッジ51、非直線エッジ52、変化エッジ53からなる。
【0029】
直線エッジ51は、振動板3の外縁部のうち、直線部25(辺)を支持する。非直線エッジ52は、振動板3の外縁部のうち、非直線部26(R状の角部)を支持する。変化エッジ53は、直線エッジ51と非直線エッジ52との間に設けられ、非直線部26の近傍の直線部25及び直線部25の近傍の非直線部26を支持する。変化エッジ53は、その厚みが、非直線エッジ52側の端部から直線エッジ51側の端部に向けて徐々に薄くなるように設計されている。
【0030】
ここで、図4、図5A、図5B、図5Cにおいて、AA断面は、直線エッジ51の断面図であり、BB断面は、非直線エッジ52の断面図であり、CC断面は、変化エッジ53の断面図である。そして、図5A、図5B、図5Cに示すように、直線エッジ51の湾曲部512の厚みd1が最も厚く、非直線エッジ52の湾曲部522の厚みd3が最も薄くなっている。そして、変化エッジ53の厚みd2は、直線エッジ51の湾曲部512の厚みd1よりも薄く、かつ非直線エッジ52の湾曲部522の厚みd3よりも薄くなる範囲内で、非直線エッジ52側の端部から直線エッジ51側の端部に向けて徐々に薄くなるように設計されている。なお、直線エッジ51の厚みd1、非直線エッジ52の厚みd3、変化エッジ53の厚みd2は、振動板3が振動する際のエッジ5全体のストロークの均一化が図れるよう適宜設計することができる。
【0031】
第一実施形態に係るスピーカ100によれば、非直線エッジ52の湾曲部522の厚みが、直線エッジ51の湾曲部512の厚みよりも薄くなるように、換言すると、非直線エ
ッジ52の剛性と直線エッジ51の剛性の均一化が実現されている。その結果、第一実施形態に係るスピーカ100によれば、非直線エッジ52と直線エッジ51のストロークの差が低減され、より優れた音を出力することが可能である。ここで、従来の平面型スピーカ(図1AからC参照)では、非直線部分52Xの剛性が直線部分51Xの剛性に比べて高くなり、その結果、最低共振周波数(f0)の上昇、音圧の低下を招くことが懸念される。また、直線部分51Xは、非直線部分52Xに比べて振動しやすい、換言すると、直線部分51Xの振動のストロークが非直線部分52Xの振動のストロークよりも長くなる。その結果、従来の平面型スピーカでは、平面スピーカ100Xからの音波が平面波ではなく球面波を形成する。しかし、第一実施形態に係るスピーカ100によれば、最低共振周波数(f0)の上昇、音圧の低下を低減し、また、球面波の形成を抑制することが可能となる。更に第一実施形態に係るスピーカ100によれば、変化エッジ53を備えることで、直線エッジ51と非直線エッジ52との境界部分で厚さを急激に変化させた場合に想定されるひずみの発生を低減し、音質をより向上することができる。
【0032】
<第二実施形態>
次に第二実施形態に係るスピーカについて図面に基づいて説明する。なお、第二実施形態に係るスピーカにおいて、エッジ以外の構成は先に説明した第一実施形態に係るスピーカ100の構成と同じであることから、エッジ以外の構成の説明は割愛する。
【0033】
ここで、図6は、第二実施形態に係るエッジ5aの平面図を示す。図7Aは、図6のAA断面図であり、図7Bは、図6のBB断面図であり、図7Cは、図6のCC断面図を示す。第二実施形態に係るエッジ5aは、第一実施形態に係るエッジ5と異なり、非直線エッジ52aが二つの湾曲部5221a、5222aを有している。すなわち、二つの湾曲部5221a、5222aは、エッジ5aの径方向に隣接している。二つの湾曲部5221a、5222aの厚みd3は、直線エッジ51の湾曲部513aの厚みよりも薄く形成されている。なお、本態様では、変化エッジ53aは、厚みだけでなく、断面形状そのものが変化する。つまり、変化エッジ53aでは、二つの湾曲から一つの湾曲になるようにその断面形状が変化する。第二実施形態に係るスピーカによれば、一つの湾曲部からなる第一実施形態に係るエッジ5と比較して実施的な長さ、つまり振動板接続部とフレーム接続部との間のエッジを構成する材料そのものの長さ(湾曲部の径方向の長さ)が長くなる。その結果、非直線エッジ52aのストロークが向上し、剛性の均一化を図ることができる。
【0034】
第二実施形態に係るスピーカによれば、非直線エッジ52aの湾曲部5221a、5222aの厚みd3が、直線エッジ51aの湾曲部512aの厚みよりも薄く、かつ、非直線エッジ52aの二つの湾曲部5221a、5222aが設けられることで、非直線エッジ52aの剛性と直線エッジ51aの剛性の均一化が実現されている。その結果、第一実施形態に係るスピーカによれば、非直線エッジ52aと直線エッジ51aのストロークの差が低減され、より優れた音を出力することが可能である。そして、第一実施形態に係るスピーカと同じく、第二実施形態に係るスピーカによれば、最低共振周波数(f0)の上昇、音圧の低下を低減し、また、球面波の形成を抑制することが可能となる。更に第二実施形態に係るスピーカ100によれば、変化エッジ53aを備えることで、直線エッジ51aと非直線エッジ52aとの境界部分で厚さを急激に変化させた場合に想定されるひずみの発生を低減し、音質をより向上することができる。
【0035】
<第三実施形態>
次に第三実施形態に係るスピーカについて図面に基づいて説明する。なお、第三実施形態に係るスピーカにおいて、エッジ以外の構成は先に説明した第一実施形態に係るスピーカ100の構成と同じであることから、エッジ以外の構成の説明は割愛する。
【0036】
ここで、図8は、第三実施形態に係るエッジ5bの平面図を示す。図9Aは、図8のAA断面図であり、図9Bは、図8のBB断面図であり、9Cは、図8のCC断面図を示す。第三実施形態に係るエッジ5bは、第二実施形態に係るエッジ5aと同じく、また、第一実施形態に係るエッジ5と異なり、非直線エッジ52bが二つの湾曲部5221b、5222bを有している。非直線エッジ52bが二つの湾曲部5221b、5222bを有している点では、先に説明した第二実施形態に係るエッジ5aと同じである。但し、第三実施形態に係るエッジ5bは、変化エッジ53bが振動板3の直線部25を支持するように設けられている。すなわち、第二実施形態に係るエッジ5aは、振動板3の非直線部26と直線部25の両方を支持するように設けられていたが、第三実施形態に係るエッジ5bでは、変化エッジ53bは、振動板3の直線部25のみを支持するように設けられている。換言すると、図8に示すように、第三実施形態に係るエッジ5bでは、変化エッジ53bが、非直線エッジのRの中心点Oから径方向に延びる仮想線P1、P2であって、直線エッジ513と直交する仮想線P1、P2との交点よりも、直線エッジ51b側に設けられている。
【0037】
第三実施形態に係るスピーカによれば、第二実施形態に係るスピーカの優れた効果に加えて更に以下の効果を有する。すなわち、非直線エッジ52bを完全に二つの湾曲部5221b、5222bによって構成し、二つの湾曲部5221b、5222bから一つの湾曲部512bへその形状が徐々に変化する変化エッジ53を直線部25を支持する構成とすることで、非直線エッジ52bの剛性が直線エッジ51bの剛性よりも高くなるといった現象の発生をより確実に抑えることができる。
【0038】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係るスピーカはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。また、上述した実施形態では、非直線エッジ52の厚みが、直線エッジ51の厚みよりも薄くなるように形成され、また、非直線エッジ52、直線エッジ、変化エッジが一体的に形成されていた。但し、エッジ5は、剛性の均一化が実現できればよく、例えばエッジを構成する材料を張り合わせることで、剛性を調整するようにしてもよい。例えば、直線エッジ51の厚みが、非直線エッジの厚みよりも厚くなるように、直線エッジ51を二重の材料を張り合わせることで形成してもよい。
【符号の説明】
【0039】
2・・・磁石ユニット
3・・・振動板
4・・・コイル群
5・・・エッジ
6・・・錦糸線
7・・・コネクタ
8・・・コード
21・・・フレーム
22、22a、22b、22c・・・磁石
25・・・直線部
26・・・非直線部
41、42、43、41a、42a、42b・・・コイル
51、51a、51b・・・直線エッジ
52、52a、52b・・・非直線エッジ
53、53a、53b・・・変化エッジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
スピーカの振動板の外周を支持するエッジに関する技術として、例えば特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、スピーカの振動板を支持するエッジの内周側の断面形状を外側の断面形状に比して肉薄とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2004/004410号パンフレット
【特許文献2】特開2003−37011号公報
【特許文献3】特開平6−31594号公報
【特許文献4】特開平8−102992号公報
【特許文献5】特開2007−282012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スピーカとして、平面板の上に等間隔に並べられた磁石を利用する平面型スピーカが知られている。ここで、図1Aは、従来の平面型スピーカの概略構成を示し、図1Bは、従来の平面型スピーカのエッジの平面図を示し、図1Cは、図1BにおけるAA断面図を示す。図1Aに示すように、従来の平面型スピーカ100Xは、磁石ユニット2Xと、振動板3Xと、複数のコイルからなるコイル群4Xと、エッジ5Xとを備える。磁石ユニット2Xは、フレーム21X上に複数の磁石22Xが、規則的に均等な間隔をあけて配置されることで形成されている。磁石22は、その端部がN極又はS極となる矩形状の磁石であり、これらの複数の磁石22が、隣接する磁石との関係において先端部が互いに異なる磁極となるように、規則的に配置されている。磁石22Xの上方には、磁石22Xに対応するように配置された複数のコイルからなるコイル群4Xが配置されている。音声信号に対応する電流がコイル群4に供給されると、磁石ユニット2Xとコイル群4によって形成される磁気回路の磁束によって電流が流れるコイル群4が力を受け、エッジ5Xによって支持される振動板3Xが振動する。その結果、平面型スピーカ100Xから音波が発生する。
【0005】
ここで、上記従来の平面型のスピーカ100Xでは、長方形の振動板3Xの外周を支持するため、エッジ5Xが、直線部分51Xと四つの角部からなる非直線部分52Xを有している。そのため、従来の平面型スピーカ100Xでは、直線部分51と、非直線部分52Xすなわち四つの角部との剛性が異なる。より具体的には、従来の平面型スピーカ100Xでは、非直線部分52Xの剛性が直線部分51の剛性に比べて高くなり、その結果、最低共振周波数(f0)の上昇、音圧の低下を招くことが懸念される。また、直線部分51Xは、非直線部分52Xに比べて振動しやすい、換言すると、直線部分51Xの振動のストロークが非直線部分52Xの振動のストロークよりも長くなる。その結果、従来の平面型スピーカでは、平面スピーカ100Xからの音波が平面波ではなく球面波を形成する。
【0006】
従来のスピーカにおける課題を説明するため、平面型スピーカを例に説明したが、上記のような問題は、種々のスピーカにおいて懸念される。すなわち、スピーカの振動板を支持するエッジが直線部分と角部のような非直線部分を備える場合において、エッジの断面
形状を同一形状とすると、エッジのストロークに差が発生し、音質の低下を招く恐れがある。
【0007】
本発明では、上記した背景に鑑み、振動板を支持するエッジであって、直線部分と非直線部分を有するエッジを備えるスピーカに関し、直線部分と非直線部分のエッジのストロークの差を低減して、より優れた音を出力する技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、上述した課題を解決するため、直線部分と非直線部分を有するエッジを備えるスピーカにおいて、スピーカを構成するエッジの剛性の均一化を図ることとした。
【0009】
より詳細には、本発明は、振動板と、前記振動板を振動させる磁気回路部と、前記磁気回路部と接続されるフレームと、前記フレームに設けられ、前記振動板の外縁部を支持するエッジと、を備えるスピーカであって、前記振動板の外縁部は、直線部と、非直線部とを有し、前記エッジは、前記振動板の外縁部を支持する直線状の直線エッジ部と、前記振動板の外縁部を支持する非直線状の非直線エッジ部と、を有し、前記非直線エッジ部は、前記直線エッジ部と同じ剛性を有する。
【0010】
本発明に係るスピーカでは、非直線エッジ部が直線エッジ部と同じ剛性を有する。換言すると、エッジ全体が同じ剛性となるように設計されている。剛性とは、エッジの硬さ(スチフネス)を意味する。直線エッジ部は、直線状の領域であり、振動板の直線部を支持することができる。非直線エッジ部は、エッジのうち、非直線状の領域であり、振動板の非直線部を支持することができる。振動板の直線部は、振動板の辺が例示される。また、振動板の非直線部には、直線部以外の部分、例えば振動板の角部や曲線部が挙げられる。本発明に係るスピーカでは、非直線エッジ部が直線エッジ部と同じ剛性を有することから、剛性が異なる場合に起こりうる、音質の低下を低減し、より優れた音を提供することができる。
【0011】
非直線エッジ部の剛性と、直線エッジ部の剛性とを同じにする、換言すると、非直線エッジ部と直線エッジ部の剛性の均一化は、例えば、エッジの断面形状を変化させればよい。具体的には、非直線エッジ部の厚みを、振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、直線エッジ部の厚みよりも薄くすればよい。ストロークとは、振動板が一回振動する際のエッジの動作である。非直線エッジ部の厚みを薄くすることで、非直線エッジ部が柔らかくなり、非直線エッジ部のストロークが向上し、その結果、剛性の均一化を図ることが可能となる。なお、非直線エッジ部と直線エッジ部の剛性の均一化は、非直線エッジ部と直線エッジ部の材料を変えることで実現してもよい。すなわち、非直線エッジ部を、振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、直線エッジ部よりも柔らかい材質によって構成すればよい。
【0012】
ここで、上述した本発明に係るスピーカは、一態様として、以下のように特定することができる。すなわち、前記エッジは、リング状であり、該エッジの内側に設けられ、前記振動板の外縁部と接続される振動板接続部と、該エッジの外側に設けられ、前記フレームと接続されるフレーム接続部と、前記振動板接続部と前記フレーム接続部との間に設けられ、振動板の前面側に湾曲した湾曲部と、を有する構成とすることができる。また、前記非直線エッジ部における湾曲部の厚みは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記直線エッジ部における湾曲部の厚みよりも薄くすることが好ましい。非直線エッジ部における湾曲部の厚みを、直線エッジ部における湾曲部の厚みよりも薄くすることで、非直線エッジ部のストロークがよくなり、剛性の均一化を図ることができる。
【0013】
なお、湾曲部は、前記エッジの径方向に隣接する少なくとも二つの湾曲を有する構成としてもよい。湾曲部を二つの湾曲により構成することで、一つの湾曲に比べて湾曲部の径方向における実施的な長さ、つまり振動板接続部とフレーム接続部との間のエッジを構成する材料そのものの長さが長くなる。その結果、非直線エッジのストロークが向上し、剛性の均一化を図ることができる。
【0014】
また、上述した本発明に係るスピーカは、一態様として、以下のように特定してもよい。すなわち、前記振動板は、R状の角部を有する矩形であり、該R状の角部としての前記非直線部と、該R状の角部同士の間に形成される辺としての前記直線部と、を有してもよい。また、前記エッジは、前記R状の角部としての非直線部を支持する非直線エッジ部と、前記辺としての直線部を支持する直線エッジ部と、を有してもよい。
【0015】
本発明では、振動板が矩形であり、エッジも矩形の振動板に併せて構成されている。なお、振動板の形状は、上記に限定されるものではなく、外縁に直線部と非直線部を有するものであればよい。本発明に係るスピーカは、外縁に直線部と非直線部を有する振動板を用いる種々のスピーカに適用可能である。
【0016】
また、本発明に係るスピーカにおいて、前記エッジは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記非直線エッジ部と前記直線エッジ部との間のエッジの断面形状が徐々に変化する変化エッジ部を更に有してもよい。直線エッジ部と非直線エッジ部との境界部分で断面形状を急激に変化させると、ひずみが起こりうる。変化エッジ部を設けることでひずみの発生を低減し、音質をより向上することができる。なお、エッジの材質を部分的に変えることで、エッジの剛性の均一化を図る場合には、変化エッジ部は、材質が徐々に変化するようにしてもよい。
【0017】
変化エッジ部は、直線状、非直線状いずれでもよい。換言すると、変化ヘッジは、振動板の直線部と非直線部の少なくとも何れか一方を指示することができる。但し、変化エッジ部は、直線部のみを支持するようにしてもよい。振動板の直線部に対応する部分においてエッジの断面形状を徐々に変化させることで、非直線エッジ部のストロークを確実に向上することができる。本発明では、変化エッジ部を設けない場合に比べて、直線エッジ部が、変化エッジ部を設けた分短くなる。
【0018】
本発明に係るスピーカは、種々のスピーカに適用可能であるが、いわゆる平面型スピーカにも好適に用いることができる。具体的には、本発明に係るスピーカにおいて、前記磁気回路は、格子状に配置された平板状の複数の磁石を有し、前記振動板には、音声信号に対応する電流が流れるコイル部であって、前記複数の磁石の夫々に対応する複数のコイルを有するコイル部が設けられていてもよい。
【0019】
なお、本発明は、上述したスピーカに用いられるエッジとして特定することもできる。すなわち、本発明は、振動板と、前記振動板を振動させる磁気回路と、前記磁気回路部と接続されるフレームと、前記フレームに設けられ、前記振動板の外縁部を支持するエッジと、を備えるスピーカに用いられるエッジであって、前記振動板の外縁部は、直線部と、非直線部とを有し、前記エッジは、前記振動板の外縁部を支持する直線状の直線エッジ部と、前記振動板の外縁部を支持する非直線状の非直線エッジ部と、を有し、前記非直線エッジ部は、前記直線エッジ部と同じ剛性を有する、エッジである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、振動板を支持するエッジであって、直線部分と非直線部分を有するエ
ッジを備えるスピーカに関し、直線部分と非直線部分のエッジのストロークの差を低減して、より優れた音を出力する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1A】従来の平面型スピーカの概略構成を示す。
【図1B】従来の平面型スピーカのエッジの平面図を示す。
【図1C】図1BにおけるAA断面図を示す。
【図2】第一実施形態に係るスピーカの概略構成を示す。
【図3】第一実施形態に係る磁石ユニットの上面図を示す。
【図4】第一実施形態に係るエッジの平面図を示す。
【図5A】図4のAA断面図を示す。
【図5B】図4のBB断面図を示す。
【図5C】図4のCC断面図を示す。
【図6】第二実施形態に係るエッジの平面図を示す。
【図7A】図6のAA断面図を示す。
【図7B】図6のBB断面図を示す。
【図7C】図6のCC断面図を示す。
【図8】第三実施形態に係るエッジの平面図を示す。
【図9A】図8のAA断面図を示す。
【図9B】図8のBB断面図を示す。
【図9C】図8のCC断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明のスピーカの実施形態について図面に基づいて説明する。
【0023】
<第一実施形態>
まず、第一実施形態に係るスピーカ100の概略構成について説明する。図2は、第一実施形態に係るスピーカ100の概略構成を示す。スピーカ100は、磁石ユニット2と、振動板3と、コイル群4と、を備える。磁石ユニット2は、フレーム21上に格子状に配置された複数の磁石を有する。ここで、図3は、磁石ユニット2の上面図を示す。同図に示すように、磁石22は、その端部がN極又はS極となる矩形状の磁石であり、これらの複数の磁石22が、隣接する磁石との関係において先端部が互いに異なる磁極となるように、規則的に配置されている。本実施形態の磁石ユニット2は、横長の長方形のフレーム21上に、横方向に5つ、縦方向に3つ、合計15の磁石22が配置されることで構成されている。但し、磁石ユニット2は、このような態様に限定されるものではない。フレーム21は、例えば多角形や、円形であってもよく、磁石22の形状、配置、総数もフレーム21に合わせて適宜設計することができる。
【0024】
振動板3は、エッジ5を介して磁石ユニット2のフレーム21と弾性的に固定されている。振動板3と磁石ユニット2との間には、所定の間隔が設けられている。第一実施形態に係る振動板3は、長方形であり、四つの角部がR状に形成されている。振動板3は、長方形の四つの辺に対応する直線部25と、R状の四つの角部に対応する非直線部26とを有する。振動板3と磁石ユニット2との所定の間隔は、振動板3が振動する際、振動板3と磁石ユニット2とが互いに接触しない程度の距離として適宜設計することができる。エッジ5の詳細については、後述する。
【0025】
振動板3には、複数のコイル等からなるコイル群4が設けられており、このコイル群4は、錦糸線6を介して磁石ユニット2の外部に設けられたコネクタ7に接続されている。コネクタ7には、スピーカ100の外部からコード8を経て音声信号に対応する電流が供給される。振動板3を覆うように防護ネットを設けてもよい。防護ネットを設けることで
、振動板3やコイル群4への塵埃等の付着を防止することができる。なお、コード8は、図示しないアンプ等に接続することができる。本実施形態では、振動板3の内部にコイル群4が設けられているが、コイル群4は、振動板3の上面、又は下面に設けてもよい。また、コイル群4は、振動板3の上面と下面の双方に設けてもよい。
【0026】
音声信号に対応する電流がコイル群4に供給されると、磁気回路としての磁石ユニット2の磁束によって電流が流れるコイル群4が力を受け、振動板3が振動する。その結果、スピーカ100から音波が出力される。
【0027】
ここで、第一実施形態に係るスピーカ100は、エッジ5の剛性の均一化がなされていることを特徴とする。そこで、エッジ5を中心として、更に詳細に説明する。
【0028】
図4は、第一実施形態に係るエッジ5の平面図を示す。図5Aは、図4のAA断面図であり、図5Bは、図4のBB断面図であり、図5Cは、図4のCC断面図を示す。エッジ5は、振動板3の外縁部を支持し、振動板3の外縁部の形状に合わせて設計されている。具体的には、エッジ5は、長方形のリング状であり、直線エッジ511、非直線エッジ52、変化エッジ533と、を備える。また、直線エッジ51、非直線エッジ52及び変化エッジ53の夫々は、エッジ5の内側に設けられ、振動板3の外縁部と接続される振動板接続部(直線エッジ51の振動板接続部511、非直線エッジ52の振動板接続部521、変化エッジ53の振動板接続部531)と、エッジ5の外側に設けられ、フレーム21と接続されるフレーム接続部(直線エッジ51のフレーム接続部513、非直線エッジ52のフレーム接続部523、変化エッジ53のフレーム接続部533)と、振動板接続部511とフレーム接続部513との間に設けられ、振動板3の前面側に湾曲した直線エッジ51の湾曲部512を有する。非直線エッジ52及び変化エッジ53にも、同様に湾曲部が設けられている。なお、エッジ5の材質は、特に限定されてないが、例えば、ウレタン、ゴム、布などの弾性素材とすることができる。図4における異なる網掛けは、直線エッジ51、非直線エッジ52、変化エッジ53の領域を示す。説明の便宜上、一部にのみ網掛けを施しているが、エッジ5の他の部分も、直線エッジ51、非直線エッジ52、変化エッジ53からなる。
【0029】
直線エッジ51は、振動板3の外縁部のうち、直線部25(辺)を支持する。非直線エッジ52は、振動板3の外縁部のうち、非直線部26(R状の角部)を支持する。変化エッジ53は、直線エッジ51と非直線エッジ52との間に設けられ、非直線部26の近傍の直線部25及び直線部25の近傍の非直線部26を支持する。変化エッジ53は、その厚みが、非直線エッジ52側の端部から直線エッジ51側の端部に向けて徐々に薄くなるように設計されている。
【0030】
ここで、図4、図5A、図5B、図5Cにおいて、AA断面は、直線エッジ51の断面図であり、BB断面は、非直線エッジ52の断面図であり、CC断面は、変化エッジ53の断面図である。そして、図5A、図5B、図5Cに示すように、直線エッジ51の湾曲部512の厚みd1が最も厚く、非直線エッジ52の湾曲部522の厚みd3が最も薄くなっている。そして、変化エッジ53の厚みd2は、直線エッジ51の湾曲部512の厚みd1よりも薄く、かつ非直線エッジ52の湾曲部522の厚みd3よりも薄くなる範囲内で、非直線エッジ52側の端部から直線エッジ51側の端部に向けて徐々に薄くなるように設計されている。なお、直線エッジ51の厚みd1、非直線エッジ52の厚みd3、変化エッジ53の厚みd2は、振動板3が振動する際のエッジ5全体のストロークの均一化が図れるよう適宜設計することができる。
【0031】
第一実施形態に係るスピーカ100によれば、非直線エッジ52の湾曲部522の厚みが、直線エッジ51の湾曲部512の厚みよりも薄くなるように、換言すると、非直線エ
ッジ52の剛性と直線エッジ51の剛性の均一化が実現されている。その結果、第一実施形態に係るスピーカ100によれば、非直線エッジ52と直線エッジ51のストロークの差が低減され、より優れた音を出力することが可能である。ここで、従来の平面型スピーカ(図1AからC参照)では、非直線部分52Xの剛性が直線部分51Xの剛性に比べて高くなり、その結果、最低共振周波数(f0)の上昇、音圧の低下を招くことが懸念される。また、直線部分51Xは、非直線部分52Xに比べて振動しやすい、換言すると、直線部分51Xの振動のストロークが非直線部分52Xの振動のストロークよりも長くなる。その結果、従来の平面型スピーカでは、平面スピーカ100Xからの音波が平面波ではなく球面波を形成する。しかし、第一実施形態に係るスピーカ100によれば、最低共振周波数(f0)の上昇、音圧の低下を低減し、また、球面波の形成を抑制することが可能となる。更に第一実施形態に係るスピーカ100によれば、変化エッジ53を備えることで、直線エッジ51と非直線エッジ52との境界部分で厚さを急激に変化させた場合に想定されるひずみの発生を低減し、音質をより向上することができる。
【0032】
<第二実施形態>
次に第二実施形態に係るスピーカについて図面に基づいて説明する。なお、第二実施形態に係るスピーカにおいて、エッジ以外の構成は先に説明した第一実施形態に係るスピーカ100の構成と同じであることから、エッジ以外の構成の説明は割愛する。
【0033】
ここで、図6は、第二実施形態に係るエッジ5aの平面図を示す。図7Aは、図6のAA断面図であり、図7Bは、図6のBB断面図であり、図7Cは、図6のCC断面図を示す。第二実施形態に係るエッジ5aは、第一実施形態に係るエッジ5と異なり、非直線エッジ52aが二つの湾曲部5221a、5222aを有している。すなわち、二つの湾曲部5221a、5222aは、エッジ5aの径方向に隣接している。二つの湾曲部5221a、5222aの厚みd3は、直線エッジ51の湾曲部513aの厚みよりも薄く形成されている。なお、本態様では、変化エッジ53aは、厚みだけでなく、断面形状そのものが変化する。つまり、変化エッジ53aでは、二つの湾曲から一つの湾曲になるようにその断面形状が変化する。第二実施形態に係るスピーカによれば、一つの湾曲部からなる第一実施形態に係るエッジ5と比較して実施的な長さ、つまり振動板接続部とフレーム接続部との間のエッジを構成する材料そのものの長さ(湾曲部の径方向の長さ)が長くなる。その結果、非直線エッジ52aのストロークが向上し、剛性の均一化を図ることができる。
【0034】
第二実施形態に係るスピーカによれば、非直線エッジ52aの湾曲部5221a、5222aの厚みd3が、直線エッジ51aの湾曲部512aの厚みよりも薄く、かつ、非直線エッジ52aの二つの湾曲部5221a、5222aが設けられることで、非直線エッジ52aの剛性と直線エッジ51aの剛性の均一化が実現されている。その結果、第一実施形態に係るスピーカによれば、非直線エッジ52aと直線エッジ51aのストロークの差が低減され、より優れた音を出力することが可能である。そして、第一実施形態に係るスピーカと同じく、第二実施形態に係るスピーカによれば、最低共振周波数(f0)の上昇、音圧の低下を低減し、また、球面波の形成を抑制することが可能となる。更に第二実施形態に係るスピーカ100によれば、変化エッジ53aを備えることで、直線エッジ51aと非直線エッジ52aとの境界部分で厚さを急激に変化させた場合に想定されるひずみの発生を低減し、音質をより向上することができる。
【0035】
<第三実施形態>
次に第三実施形態に係るスピーカについて図面に基づいて説明する。なお、第三実施形態に係るスピーカにおいて、エッジ以外の構成は先に説明した第一実施形態に係るスピーカ100の構成と同じであることから、エッジ以外の構成の説明は割愛する。
【0036】
ここで、図8は、第三実施形態に係るエッジ5bの平面図を示す。図9Aは、図8のAA断面図であり、図9Bは、図8のBB断面図であり、9Cは、図8のCC断面図を示す。第三実施形態に係るエッジ5bは、第二実施形態に係るエッジ5aと同じく、また、第一実施形態に係るエッジ5と異なり、非直線エッジ52bが二つの湾曲部5221b、5222bを有している。非直線エッジ52bが二つの湾曲部5221b、5222bを有している点では、先に説明した第二実施形態に係るエッジ5aと同じである。但し、第三実施形態に係るエッジ5bは、変化エッジ53bが振動板3の直線部25を支持するように設けられている。すなわち、第二実施形態に係るエッジ5aは、振動板3の非直線部26と直線部25の両方を支持するように設けられていたが、第三実施形態に係るエッジ5bでは、変化エッジ53bは、振動板3の直線部25のみを支持するように設けられている。換言すると、図8に示すように、第三実施形態に係るエッジ5bでは、変化エッジ53bが、非直線エッジのRの中心点Oから径方向に延びる仮想線P1、P2であって、直線エッジ513と直交する仮想線P1、P2との交点よりも、直線エッジ51b側に設けられている。
【0037】
第三実施形態に係るスピーカによれば、第二実施形態に係るスピーカの優れた効果に加えて更に以下の効果を有する。すなわち、非直線エッジ52bを完全に二つの湾曲部5221b、5222bによって構成し、二つの湾曲部5221b、5222bから一つの湾曲部512bへその形状が徐々に変化する変化エッジ53を直線部25を支持する構成とすることで、非直線エッジ52bの剛性が直線エッジ51bの剛性よりも高くなるといった現象の発生をより確実に抑えることができる。
【0038】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係るスピーカはこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。また、上述した実施形態では、非直線エッジ52の厚みが、直線エッジ51の厚みよりも薄くなるように形成され、また、非直線エッジ52、直線エッジ、変化エッジが一体的に形成されていた。但し、エッジ5は、剛性の均一化が実現できればよく、例えばエッジを構成する材料を張り合わせることで、剛性を調整するようにしてもよい。例えば、直線エッジ51の厚みが、非直線エッジの厚みよりも厚くなるように、直線エッジ51を二重の材料を張り合わせることで形成してもよい。
【符号の説明】
【0039】
2・・・磁石ユニット
3・・・振動板
4・・・コイル群
5・・・エッジ
6・・・錦糸線
7・・・コネクタ
8・・・コード
21・・・フレーム
22、22a、22b、22c・・・磁石
25・・・直線部
26・・・非直線部
41、42、43、41a、42a、42b・・・コイル
51、51a、51b・・・直線エッジ
52、52a、52b・・・非直線エッジ
53、53a、53b・・・変化エッジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動板と、前記振動板を振動させる磁気回路部と、前記磁気回路部と接続されるフレームと、前記フレームに設けられ、前記振動板の外縁部を支持するエッジと、を備えるスピーカであって、
前記振動板の外縁部は、直線部と、非直線部とを有し、
前記エッジは、前記振動板の外縁部を支持する直線状の直線エッジ部と、前記振動板の外縁部を支持する非直線状の非直線エッジ部と、を有し、前記非直線エッジ部は、前記直線エッジ部と同じ剛性を有する、スピーカ。
【請求項2】
前記非直線エッジ部は、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記直線エッジ部の断面形状とは異なる断面形状を有する、請求項1に記載のスピーカ。
【請求項3】
前記非直線エッジ部の厚みは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記直線エッジ部の厚みよりも薄い、請求項1又は2に記載のスピーカ。
【請求項4】
前記エッジは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと前記非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記非直線エッジ部と前記直線エッジ部との間のエッジの断面形状が徐々に変化する変化エッジ部を更に有する、請求項1から3の何れか一に記載のスピーカ。
【請求項5】
前記エッジは、リング状であり、該エッジの内側に設けられ、前記振動板の外縁部と接続される振動板接続部と、該エッジの外側に設けられ、前記フレームと接続されるフレーム接続部と、前記振動板接続部と前記フレーム接続部との間に設けられ、振動板の前面側に湾曲した湾曲部と、を有し、前記非直線エッジ部における湾曲部の厚みは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記直線エッジ部における湾曲部の厚みよりも薄い、請求項1から4の何れか一に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記湾曲部は、前記エッジの径方向に隣接する少なくとも二つの湾曲を有する、請求項5に記載のスピーカ。
【請求項7】
前記振動板は、R状の角部を有する矩形であり、該R状の角部としての前記非直線部と、該R状の角部同士の間に形成される辺としての前記直線部と、を有し、
前記エッジは、前記R状の角部としての非直線部を支持する非直線エッジ部と、前記辺としての直線部を支持する直線エッジ部と、を有する、請求項1から6の何れか一に記載のスピーカ。
【請求項8】
前記変化エッジ部は、前記直線部を支持する、請求項4に記載のスピーカ。
【請求項9】
前記磁気回路は、格子状に配置された平板状の複数の磁石を有し、
前記振動板には、音声信号に対応する電流が流れるコイル部であって、前記複数の磁石の夫々に対応する複数のコイルを有するコイル部が設けられている、請求項1から8の何れか一に記載のスピーカ。
【請求項10】
前記スピーカは、格子状に配置された平板状の複数の磁石を有する前記磁気回路と、音声信号に対応する電流が流れるコイル部であって、前記複数の磁石の夫々に対応する複数のコイルを有するコイル部が設けられる前記振動板と、を有する平面型スピーカである、
請求項1から9の何れか一に記載のスピーカ。
【請求項1】
振動板と、前記振動板を振動させる磁気回路部と、前記磁気回路部と接続されるフレームと、前記フレームに設けられ、前記振動板の外縁部を支持するエッジと、を備えるスピーカであって、
前記振動板の外縁部は、直線部と、非直線部とを有し、
前記エッジは、前記振動板の外縁部を支持する直線状の直線エッジ部と、前記振動板の外縁部を支持する非直線状の非直線エッジ部と、を有し、前記非直線エッジ部は、前記直線エッジ部と同じ剛性を有する、スピーカ。
【請求項2】
前記非直線エッジ部は、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記直線エッジ部の断面形状とは異なる断面形状を有する、請求項1に記載のスピーカ。
【請求項3】
前記非直線エッジ部の厚みは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記直線エッジ部の厚みよりも薄い、請求項1又は2に記載のスピーカ。
【請求項4】
前記エッジは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと前記非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記非直線エッジ部と前記直線エッジ部との間のエッジの断面形状が徐々に変化する変化エッジ部を更に有する、請求項1から3の何れか一に記載のスピーカ。
【請求項5】
前記エッジは、リング状であり、該エッジの内側に設けられ、前記振動板の外縁部と接続される振動板接続部と、該エッジの外側に設けられ、前記フレームと接続されるフレーム接続部と、前記振動板接続部と前記フレーム接続部との間に設けられ、振動板の前面側に湾曲した湾曲部と、を有し、前記非直線エッジ部における湾曲部の厚みは、前記振動板が振動する際の直線エッジ部のストロークと該非直線エッジ部のストロークとが同じになるように、前記直線エッジ部における湾曲部の厚みよりも薄い、請求項1から4の何れか一に記載のスピーカ。
【請求項6】
前記湾曲部は、前記エッジの径方向に隣接する少なくとも二つの湾曲を有する、請求項5に記載のスピーカ。
【請求項7】
前記振動板は、R状の角部を有する矩形であり、該R状の角部としての前記非直線部と、該R状の角部同士の間に形成される辺としての前記直線部と、を有し、
前記エッジは、前記R状の角部としての非直線部を支持する非直線エッジ部と、前記辺としての直線部を支持する直線エッジ部と、を有する、請求項1から6の何れか一に記載のスピーカ。
【請求項8】
前記変化エッジ部は、前記直線部を支持する、請求項4に記載のスピーカ。
【請求項9】
前記磁気回路は、格子状に配置された平板状の複数の磁石を有し、
前記振動板には、音声信号に対応する電流が流れるコイル部であって、前記複数の磁石の夫々に対応する複数のコイルを有するコイル部が設けられている、請求項1から8の何れか一に記載のスピーカ。
【請求項10】
前記スピーカは、格子状に配置された平板状の複数の磁石を有する前記磁気回路と、音声信号に対応する電流が流れるコイル部であって、前記複数の磁石の夫々に対応する複数のコイルを有するコイル部が設けられる前記振動板と、を有する平面型スピーカである、
請求項1から9の何れか一に記載のスピーカ。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【公開番号】特開2010−226373(P2010−226373A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70750(P2009−70750)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】
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