説明

スプレー缶のガス抜き装置

【課題】スプレー缶のガス抜き作業は、廃棄対象製品の数が多く、ガス抜き作業は製品により異なり容易ではない。又両手でガス抜き作業を行うためスプレー缶内部のガスや残液が、作業者の手や顔に飛散し危険を伴う作業であった。また、スプレー缶のガス抜き作業が終了しているのか、していないのか、目視できるようにする。
【解決手段】スプレー缶Aのガス抜き作業に於いて缶を両手で持つ事なく、スプレー缶Aをガス抜き装置の水平V型台座1に設置しガス抜き装置のアーム7を押すだけの作業である。又、スプレー缶A内部のガスや残液が作業者側へ飛散しないように交換可能な飛散防止パッド5を備えている、さらにスプレー缶Aの大きさ(太さ)、長さに対応しており、極めて安全且つ効率よく、ガス抜き作業が行える、スプレー缶のガス抜き装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防虫スプレー等の防虫剤、消臭剤、毛髪化粧料、消炎鎮痛剤等の各種薬剤、ガスを収容するスプレー缶の内部からガス及び溶剤を排出する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に防虫スプレー等のスプレー缶は、ガス充填式のスプレー缶に収容されている。この使用済みの缶は、廃棄前に缶に孔を開け中のガス抜きを行うことが必要である。残ガス排出機構付きのスプレー缶が数多くあるが使用方法が異なり容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-210619
【特許文献2】特許第3900348号
【特許文献3】実公平7-43020
【特許文献4】実用新案登録第3098232号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スプレー缶からガスを抜く作業は、缶の残ガス排出機構が異なり、ガス抜きの方法を一つ一つ確認しなければならず容易ではない。さらにスプレー缶のガス抜き作業が終了しているのか、していないのか、目視できない、孔を開けることによりガス抜き作業の終了が数日経過しても目視にて確認できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の装置は次のような構成である。スプレー缶を支持する水平V型台座にスプレー缶を横むきに置き、缶の底部を台座ストッパーに押しあてる、支柱には上下数箇所の水平U溝がある。この水平U溝はスプレー缶の太さに対応する、水平U溝にアームの一端側にあるシャフト部を支柱の水平U溝に挿入しその支柱に有するロック機構でロックする、ロックする事でアームの外れを防ぐ。
又アームの一端側の下部に有するスプレー缶に孔を開ける切り込み刃、その切り込み刃の上部に有する、切り込み過ぎストッパー、そして、切り込み刃及び切り込み過ぎストッパーを覆う交換可能の角孔を有す、飛散防止パッドを備えた、スプレー缶のガス抜き装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の装置は、あらゆるスプレー缶の太さ及び長さに対応し、容易に孔を開け、ガス及び残液の排出作業を、極めて安全且つ効率良いガス抜き作業が行うことができる、又ガス抜き作業を終了し缶に孔が開いていることにより ガス抜き作業の終了が数日間過ぎても目視にて確認でき安全な廃棄が行える、スプレー缶のガス抜き装置である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明装置の斜視図
【図2】アームに飛散防止パッドを取り付けた状態の斜視図
【図3】本発明の実施形態図
【図4】アームの側面図
【図5】切り込み刃の拡大図
【図6】アームを外した側面図
【図7】飛散防止パッドの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0009】
図1は本発明による、スプレー缶のガス抜き装置の斜視図である。
【0010】
図1において(1)はスプレー缶を設置する水平V型台座である。 円筒形上のスプレー缶の太さに関わらず安定した設置が保てるよう水平V型形状にしたさらにスプレー缶の位置決めをする、水平台座の一端側に設けた台座ストッパー(2) この台座ストッパーに横向きにしたスプレー缶の底部を押しあて
台座(1)にスプレー缶を設置する。 又、台座ストッパーの近傍に垂直に設けた、支柱(3)を有し、支柱には高さの違う数箇所の水平U溝(4)、(5)、(6)、を有し、この数箇所の水平U溝はスプレー缶の直径により、水平U溝の位置を変えることにより、数多い直径の異なる缶に対応する。 そして缶の直径に合った水平U溝を選び、アーム(7)の一端側に有するシャフト部を支柱(3)の水平U溝に挿入する。 さらに支柱(3)にはアームの外れを防ぐロック(9)機構を設け、ロックにはツマミ(10)がある。 そのツマミを軽く外側に引きながら、ツマミの傍のロック孔(11)を、支柱(3)の上部に有すボス(12)にはめ込み固定する、固定する事によりアームの外れを防止するものである。さらに、アームの一端側下部には、切り込みすぎストッパー(13)を設け、このストッパー部の中央下部に有する、切り込み刃(14)が缶の無駄な切り込みを防止する。 又、アームの、切り込みすぎストッパー(13)と、切り込み刃(14)を、覆うように取り付ける、交換可能な飛散防止パッド(図7)(15)を設け、又アームの他端側にアームを握る、角度の付いた取手(18)部を有す、スプレー缶のガス抜き装置。
【0011】
図2はアーム(7)に飛散防止パッド(図7)を取り付けた状態の斜視図である。実際に孔開け作業を行うときは図(2)のように、先にストッパー部と切り込み刃を囲む(図7)角孔(16)を有す飛散防止パッドを取り付ける。
【0012】
図3は実施形態図である。スプレー缶(A)を横倒し、缶の底部を図1(2)の台座ストッパーにあて台座、(1)にセットしたものである。 アーム(7)はロック(9)が、ボス(12)に固定する、よって支点(4)にセットされているアームのハズレ防止になる。取手(18)を握りアームを静かに下ろすことにより飛散防止パッド(15)がスプレー缶に密着する、密着する事によりスプレー缶内部のガスや残液は、周りに飛散することなく孔開け作業が行える。 又、アーム(7)を(D)部付近より角度を付ける事により空間(G)部が広くなる、よってアームを握った手が缶に挟まれる事を防ぐことが出来る。 又、図1(13)切り込みすぎストッパーが缶に接触することにより、空間(G)が保たれる事になる。
【0013】
図4はアーム(7)の側面図である。切り込み過ぎストッパー上部近傍より角度(D)を付ける事で図3空間(G)のようにアームとスプレー缶との空間が広く取れる、よって手が挟まる事が無いようにしたものである。 (8)はシャフト部でアームの支点である。 (C)は面ファスナーで、図7の飛散防止パッド(15)の角孔(16)を切り込みすぎストッパー(13)と切り込み刃(14)に被せ飛散防止パッドの(B)部面ファスナーをアーム(C)部面ファスナーに合わせ、飛散防止パッドを取り付ける。
アームの一端側に有す、取手(18)を握りアームを下方へ押し下げる事により、切り込み刃(14)が、缶に孔を開け、ストッパー部が缶に当たる事で孔が開いたことが分かる。又、缶の孔開き部を覗き込むことなく、孔開け作業が行える、安全性に配慮した構造である。
さらに、アームのシャフト(8)部はアームの支点になり、切り込み刃(14)は作用点になる、支点と作用点の距離を短くし、作用点と力点となる取手(18)部の距離を長くすることにより、取手を握りアームを押し下げる力が弱くてすむ、よって女性や高齢者など力が弱くても容易にスプレー缶のガス抜き作業が行える、スプレー缶のガス抜き装置である。
【0014】
図5は切り込み刃の拡大図である。刃の形状は、適度な厚みを持ち且つ鋭角な刃の片側に適度な曲線(17)形状をしている。 釘などで一気に孔を開けるのではなく、抵抗を持たせることで孔を開ける時のショックを和らげるための形である。 又、刃の形状として他に(E)、(F)、の形状もある。
【0015】
図6はアームを外した側面図である。 水平V型台座(1)と支柱(3)があり、水平U溝(4)、(5)、(6)を有しこの水平U溝は直径の異なる缶の太さに対応する、缶の太さの違いにより水平U溝4,5,6のいずれかの水平U溝にアームを挿入する。
一例とし、水平U溝(4)は缶の直径60〜70mm、(5)は直径40〜60mm、(6)は直径40mm以下を目安としている、(9)はアームが支柱から外れないようにするロックである。ツマミ(10)を有し、このツマミを軽く外側に引きながらロック孔(11)を支柱のボス(12)にはめ込み、図3のように、アームを固定するものである。
【0016】
図7はガスや残液の飛散を防ぐ、飛散防止パッド(15)の斜視図である。飛散防止パッドの材質はスポンジを使用、他に細かい網状の布又は化繊を重ね合わせた綿状のもの、タオル地を重ね合わせたパッド等がある。飛散防止パッドの角孔(16)を、図4アーム(7)切り込み過ぎストッパー(13)と切り込み刃(14)に被せ、飛散防止パッドの(B)部面ファスナーを、図4アームの(C)部面ファスナーに合わせて、飛散防止パッドをアーム側に取り付ける。この飛散防止パッドは、ガスや残液で汚染したものは交換可能である。
図3で示すように取手(18)を握り静かにアームを下げると、飛散防止パッド(15)がスプレー缶に密着し、スプレー缶に孔を開けたときに缶内部より噴出するガス及び残液が、飛散防止パッドにより作業者に飛散しない、安全な作業が行える。 よってこのガス抜き装置は、殆どのスプレー缶、エアゾール缶等を、容易に孔を開けることが出来、缶内部のガス及び残液を極めて安全効率よく抜く孔開け作業が行える。 さらに、缶を両手で持つ事なく、缶をガス抜き装置に置き、ガス抜き装置のアームを押し下げるだけの作業である。 又、スプレー缶内部のガスや残液が作業者側へ飛散しないように、交換可能な飛散防止パッドを備えている。 さらに、ガス抜き作業を終了し数日過ぎても、缶に孔が開いていることでガス抜き作業の終了が数日間過ぎても目視にて確認でき安全な廃棄が行える、スプレー缶のガス抜き装置である。
【符号の説明】
【0017】
1 水平V型台座
2 台座ストッパー
3 支柱
4 水平U溝
5 水平U溝
6 水平U溝
7 アーム
8 シャフト
9 ロック
10 ツマミ
11 ロック孔
12 ボス
13 切り込み過ぎ防止ストッパー
14 切り込み刃
15 飛散防止パッド
16 角孔
17 切り込み刃の曲線部
18 取手
A スプレー缶
B 面ファスナー
C 面ファスナー
D 角度
E 刃の形状
F 刃の形状
G 空間


【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のスプレー缶の太さに関わらず缶の安定した設置が保てる水平V型台座と、その水平V型台座の一方側に設けた缶の底部を押し当て位置決めをする台座ストッパーと、台座ストッパーの近傍に垂直に設けた支柱と、その支柱に有す数箇所の水平U溝と、支柱に挿入するアームと、アームの一端側に有す水平U溝に挿入するシャフトと、アームの外れを防止する支柱下部に設けたロック機構のロックと、ロック上部に有すツマミと、ツマミの近傍に有すロック孔と、ロック孔をはめ込む為支柱上部に設けたボスと、アームのシャフト近傍下に有すアームを押し下げ缶に接触し、それ以上下がる事を防ぐ切り込み過ぎ防止ストッパーと、切り込み過ぎストッパー下部に設けた、缶に穴を開ける時のショックを抑える鋭角な刃の片側に曲線の付いた切り込み刃と、取手と缶に手が挟まれる事を防ぐため切り込み過ぎストッパー上部近傍より他端側垂直方向に角度を付けた取手と、缶に孔を開けたとき缶内部のガスや残液が作業者側に飛散することを防止するアームに取り付けた飛散防止パッドとを備えたスプレー缶のガス抜き装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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