スプール
【課題】簡素で安価な構成により糸の巻き始め端末または巻き終わり端末を確実に係止することのできるスプールが望まれている。
【解決手段】スプール1は、糸巻き胴部2の両側にフランジ部3,4が形成され、釣糸などの糸端末を挟持する糸挟持溝10が、少なくとも一方のフランジ部3の外周縁からスプール半径方向に切り欠かれているものであって、フランジ部3が、糸挟持溝10の隣接部に、糸挟持溝10に向かってフランジ部3の他の部分よりテーパ状に薄肉となる薄肉部12を備えている。薄肉部12はフランジ部3の内面側を切り欠いて形成されている。糸挟持溝10からの糸を糸巻き胴部2に案内する糸案内面13が、糸巻き胴部2と薄肉部12との間のフランジ部3に当該内面側を切り欠いて形成されている。
【解決手段】スプール1は、糸巻き胴部2の両側にフランジ部3,4が形成され、釣糸などの糸端末を挟持する糸挟持溝10が、少なくとも一方のフランジ部3の外周縁からスプール半径方向に切り欠かれているものであって、フランジ部3が、糸挟持溝10の隣接部に、糸挟持溝10に向かってフランジ部3の他の部分よりテーパ状に薄肉となる薄肉部12を備えている。薄肉部12はフランジ部3の内面側を切り欠いて形成されている。糸挟持溝10からの糸を糸巻き胴部2に案内する糸案内面13が、糸巻き胴部2と薄肉部12との間のフランジ部3に当該内面側を切り欠いて形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸の巻き始め端末や巻き終わり端末を係止する構成を備えたスプールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハリスなどの釣糸を巻き取るスプールとしては、例えば図12に記載されたスプール51が知られている。このスプール51は、糸20を巻回する糸巻き胴部2と、糸巻き胴部2の両側にそれぞれ形成された周鍔状のフランジ部とを備えている。そのうち、一方のフランジ部3には、糸20の糸端末20Aを係止する糸挟持溝60が、正面から見て略V字状に形成されている。糸20は、糸挟持溝60を形成する、フランジ部3の対向壁面65,66間で挟持されて、スプール51の回転(矢印R方向)により巻き取られるようになっている。この場合、糸挟持溝60からの糸20は、ほぼ90度に湾曲してフランジ部3の内壁面3Aから距離dぶん離れた位置の糸巻き胴部2上に巻き取られる。
【0003】
しかし、一般に、フッ素樹脂(例えばポリフッ化ビニリデン)やナイロンなどからなる釣糸などのモノフィラメントは弾発力が大きいので、糸20を糸挟持溝60にいったん挟持させたとしても、その後反発して糸挟持溝60から外れることがあった。
そこで、この種のスプールとして、例えば下記の特許文献1,2に開示された釣糸用スプールが提案されている。
すなわち、特許文献1のスプールは、糸巻き胴部の両側にフランジ部が形成されたスプール本体を備え、スプール本体のフランジ部に弾性部材からなる糸係止部を設けたものである。糸係止部はフランジ部に一体に形成されるか、あるいはフランジ部の一部に形成された装着部にスプール本体とは別部品として取り付けられるようになっている。これらの糸係止部は、スプール軸心方向と平行に配置された1対の対向壁面により構成されるスリット状の糸挟持溝を有していて、この糸挟持溝で釣糸の巻き始め端末や巻き終わり端末を挟持するようになっている。
【0004】
また、特許文献2のスプールも、糸巻き胴部の両側にフランジ部が形成されたスプール本体を備え、糸巻き胴部と両側のフランジ部との間に、糸挟持溝を有する弾性部材製の糸端部保持体を弾性変形嵌合させるようになっている。糸端部保持体の糸挟持溝は、スプール糸巻回転方向と平行に配置された1対の対向壁面によりスリット状に形成されている。このスプールでは、糸巻き胴部に巻かれた釣糸の巻き終わり端末を糸挟持溝に挟持させたのち、糸端部保持体を糸巻き胴部と両側のフランジ部との間に嵌合させて保持するようになっている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1および、特許文献2のスプールは、糸の端部を確実に係止できるようにはなるものの、いずれも複数部品で構成されることから、複数の成型金型を必要とし、成型に係る工程も多くかかるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2000−32895号公報
【特許文献2】登録実用新案第3044900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、簡素で安価な構成により糸の巻き始め端末または巻き終わり端末を確実に係止することのできるスプールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るスプールは、糸巻き胴部の両側にフランジ部が形成され、糸端末を挟持する糸挟持溝が、少なくとも一方のフランジ部の外周縁からスプール半径方向に切り欠かれているスプールにおいて、前記フランジ部が、前記糸挟持溝の隣接部に、糸挟持溝に向かってフランジ部の他の部分よりテーパ状に薄肉となる薄肉部を備えているものである。
【0009】
また、前記構成において、薄肉部が、フランジ部の内面側を切り欠いて形成されているものである。
【0010】
そして、前記の各構成において、糸挟持溝からの糸を糸巻き胴部に案内する糸案内面が、糸巻き胴部と薄肉部との間のフランジ部に当該内面側を切り欠いて形成されているものである。
【0011】
更に、前記の各構成において、糸として釣糸を適用したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るスプールによれば、フランジ部の糸挟持溝隣接部が、糸挟持溝に向かって薄肉となるテーパ状の薄肉部として形成されているので、薄肉部の糸挟持溝近傍の先細部分は弾性的に撓みやすく、糸をその太さに応じて適切な力で弾性的に挟持して確実に係止することができる。加えて、この発明のスプールは一体に構成され得るので、合成樹脂などを原料として成型により得る場合でも、1つの金型で一度に成型できるとともに、成型工程が特許文献1,2に開示された技術に比べて少なくて済み、安価に提供することができる。
【0013】
また、薄肉部がフランジ部の内面側を切り欠いて形成されているものでは、薄肉部の内面と糸巻き胴部との間に、糸挟持溝からの糸を収める空間が存在する。これにより、巻き始めの糸を、糸巻き胴部の上方位置に突出させることなく薄肉部の内面に沿わせて糸巻き胴部に案内することができる。
【0014】
そして、糸挟持溝からの糸を糸巻き胴部に案内する糸案内面が、糸巻き胴部と薄肉部との間のフランジ部に当該内面側を切り欠いて形成されているものでは、巻き始め時に薄肉部の内面に沿って導かれた糸を、糸案内面が糸巻き胴部上における最もフランジ部側に確実に案内する。その結果、糸を整然と巻き付けることを容易に行なえ、商品価値の高い平行巻きを確実に行なうことができる。
【0015】
一般に釣糸は元の姿勢に復元しようとする弾発力が高く止めにくいとされるが、このような釣糸を巻き取る場合であっても、薄肉部が臨む糸挟持溝により糸を確実に挟持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係るスプールの外観図、図2は前記スプールの要部拡大斜視図、図3は前記スプールの背面図、図4は図3におけるA−A線矢視断面図である。尚、図12に示した従来のスプール51と共通の構成要素には同一の符号を付している。
【0017】
各図において、この実施形態に係るスプール1は、ハリスなどの釣糸である糸20(図6等参照)を巻き取る円筒状の糸巻き胴部2と、糸巻き胴部2のスプール軸心C方向の両端部に全周にわたって形成された周鍔状のフランジ部3,4と、フランジ部4側の糸巻き胴部2の開口を被って形成された円板部5と、円板部5の背面と糸巻き胴部2の内周面とを連結して形成された複数のリブ11とを備えている。円板部5の中央部分には、スプール軸心Cと同軸の軸穴7と、回転駆動軸Dにスプール1を固定するキー(図外)が挿通されるキー溝6とが形成されている。また、フランジ部3には糸渡し用切欠部8が形成され、フランジ部4には糸渡し用切欠部9が形成されている。これらの糸渡し用切欠部8,9は、1つの回転駆動軸Dに複数のスプール1,1,1,・・・を並べて設置したときに、キー溝6の作用により互いに位置合わせされた隣合うスプール1,1間で糸20を渡すために用いられる。このスプール1の素材および製法は特に限定されるものでないが、一例としてポリカーボネートなどを材料として金型で一体成形されている。
【0018】
そして、フランジ部3には、糸20の糸端末を係止する糸挟持溝10が、フランジ部3の外周縁からスプール半径方向に切り欠かれている。正面から見て略V字状に形成された糸挟持溝10の開口角度θは特に限定されるものでない。
【0019】
そして、このスプール1では、フランジ部3の糸挟持溝10の隣接部の一方が、糸挟持溝10に向かって薄くなるテーパ状の薄肉部12として形成されている。この場合、薄肉部12はフランジ部3の内側が切り欠かれた態様に形成されている。すなわち、薄肉部12の内壁面3Cは、平面視で、糸挟持溝10から離れる方向で外壁面3D側から糸巻き胴部2へ徐々に近づくテーパ面に形成されている。また、糸挟持溝10を成す対向壁面15,16のうち、糸渡し用切欠部8側の対向壁面15はフランジ部3の厚さTとほぼ同じ幅に形成されている。薄肉部12側の対向壁面16はフランジ部3の外壁面3Dと隣接した位置にある。
【0020】
糸巻き胴部2と薄肉部12との間のフランジ部3には、糸案内面13がフランジ内面側を切り欠いた態様で形成されている。この糸案内面13は、糸挟持溝10の底部17から離れる方向で糸巻き胴部2に近づくように傾斜している。これらの糸案内面13および段部14は、平面視で、糸挟持溝10に近づく方向に広くなる略三角形状に形成されている。段部14の上面と内壁面3Bとの境である縁部14Aは、糸20を糸案内面13に導きやすくするために、いくぶんRを持たせた曲面として形成されている。
【0021】
上記のように構成されたスプール1の作用を次に説明する。まず、図5に示すように、原料糸ロール(図外)から繰り出された糸20の先端の糸端末20Aをフランジ部3,4間からフランジ部3の外壁面3D側に引き出して糸挟持溝10に押し込む。すると、詳細は後述するが、糸20の糸端末20Aは糸挟持溝10の対向壁面15,16間にいとも簡単に挟持されて係止される。その状態で、回転駆動軸Dを駆動しスプール1を矢印R方向に回転させると、スプール1の回転により糸20が引っ張られて原料糸ロールから引き出される。そして、糸20は先細の対向壁面16において90度よりも小さな角度αで折れ曲がって矢印Rと反対方向に引かれる。この場合、薄肉部12は対向壁面16に近づくほど先細であり、しかも薄肉部12がフランジ部3の内面側を切り欠いた態様で形成されていることにより、対向壁面16が外壁面3D寄りに位置するので、薄肉部12の内壁面3Cと糸巻き胴部2との間には、対向壁面16で曲げられた糸20を収める空間18が存在する。また、薄肉部12の内壁面3Cと対向壁面15とのなす平面視の角度は90度よりも小さい。そのために、弾発力の高い糸20でありながら、対向壁面16に接して折れ曲がることができ薄肉部12の内壁面3Cに沿うので、糸巻き胴部2の上方位置に突出することがない。従って、図12(b)に示すように、糸20が、フランジ部3の内壁面3Aから隙間dをあけて突出することがなく、糸の巻回時にこの糸20が干渉しないので、糸の巻回を容易、かつ、精度よく行なうことができる。
【0022】
また、薄肉部12は糸挟持溝10に最も近い部分が最薄になっているので、他の部分よりも弾性的に撓みやすく、糸20をその太さに応じた適切な力で弾性的に挟持することができる。これらの作用と、上記のように糸20が薄肉部12の対向壁面16に接して折れ曲がる作用とを合わせた複合作用により、糸20の糸端末20Aは糸挟持溝10で粘り強くしっかりと挟持されて巻き始め動作時にも外れない。
【0023】
そうして、薄肉部12の内壁面3Cに沿って引かれた糸20は、段部14の縁部14Aで斜め下向きに折れ曲がって糸案内面13上に載り、更に内壁面3Bに沿って案内され、内壁面3Aと密着する位置(図5、図6、図7中の符号20(1)で示す位置)の糸巻き胴部2上、言い換えれば、糸巻き胴部2上における最もフランジ部3側となる位置に案内される。すなわち、糸20が一般に弾発力が高いとされる釣糸でありながら、従来技術のようにフランジ部3の内壁面3Aから離れることなく、内壁面3Cおよび内壁面3Bに沿って引かれるのである。このようにして、糸20は、図6に示すように、糸巻き胴部2上に整然と並んで巻かれていく。
【0024】
更に、糸20は、図7に示すように、糸巻き胴部2上に例えばn回巻かれてフランジ部4の内壁面に密接したのち、n回目の糸20の真上に(n+1)回目の糸20が重ねて巻かれ、矢印Wで示すように、既に巻かれた1層目の糸20,20,20・・・の真上に重ねて巻かれながらフランジ部3に向かうのである。すなわち、このスプール1によれば、糸20を確実に、かつ、精度よく平行巻きすることができる。このように平行巻きされた糸20終端の糸端末20Bは、バンドなどの適宜の手段を用いて最上層の糸20上に留められる。あるいは、複数のスプール1を並列して用いる場合、フランジ部4の糸渡し用切欠部9から、隣に配置された別のスプール1の糸渡し用切欠部8に渡される。
【0025】
ここで、上記とは別の巻き方で糸20をスプール1に巻きつける態様を示す。図8に示すように、糸20先端の糸端末20Aを粘着テープ21などで糸巻き胴部2に固定し、スプール1を矢印R方向に回転させて糸20を巻き取ったのち、巻き終わりの糸端末20Bを糸巻き方向から矢印Fのように90度に折り曲げて糸挟持溝10の対向壁面15,16間に挟持させても、糸端末20Bはしっかりと係止される。
【0026】
一方、図9に示すように、巻き始めの20Aが円板部5に粘着テープ21などで固定された糸20を糸渡し用切欠部9から糸巻き胴部2に導き、スプール1をこれまでの例とは逆の方向(図9中の矢印−R方向)に回転させて糸20を巻き取る例を示す。この場合、糸20の巻き終わりの糸端末20Bは糸案内面13の上面および薄肉部12の内壁面3Cに沿ったのち、対向壁面16で折り曲げられて糸挟持溝10に挟持される。すると、巻き終わりの糸端末20Bは堅く係止されて外れなかった。
これらの例から明らかなように、フランジ部3の糸挟持溝10の隣接部に薄肉部12を形成したことにより、糸挟持溝10から薄肉部12の内側を経て糸巻き胴部2上へと、または、糸巻き胴部2上から薄肉部12の内側を経て糸挟持溝10へと、あるいは、対向壁面15側からの糸20をほぼ90度に曲げて糸挟持溝10へと、糸20を案内しても、糸20の巻き始め端末または巻き終わり端末を糸挟持溝10に確実に係止することができる。
【0027】
尚、上記の実施形態では、フランジ部3の糸挟持溝10の隣接部の一方にのみ薄肉部12を設けた例を示したが、本発明はそれに限定されるものでなく、例えば図10に示すようなスプール1aも含む。このスプール1aは、フランジ部3の糸挟持溝10aの隣接部の一方に形成された薄肉部12、段部14および糸案内面13はもとより、フランジ部3の糸挟持溝10aの隣接部の他方に形成された薄肉部12a、段部14aおよび糸案内面13aも備えている。これらの薄肉部12a、段部14aおよび糸案内面13aは、前記した薄肉部12、段部14および糸案内面13に対し糸挟持溝10aを境に例えば対称形状に形成されている。薄肉部12aも糸挟持溝10aに近づく方向に徐々に薄肉となるように形成されており、糸挟持溝10aを臨む対向壁面16aの近傍部分は最も薄く形成されている。この図10において、符号の3Baは薄肉部12側の内壁面3Bと対称形状に形成された内壁面であり、3Caは薄肉部12の内壁面3Cと対称形状に形成された薄肉部12aの内壁面である。
このスプール1aによれば、糸巻き時のスプール糸巻回転方向が矢印R方向、または矢印Rと反対方向のいずれであっても、糸20を糸挟持溝10aに確実に係止することができ、かつ、糸20を糸巻き胴部2上に確実に、かつ、精度よく平行巻きすることができる。
【0028】
また、上記の各実施形態では、フランジ部3の内面側を切り欠いて形成した態様の薄肉部12,12aを設けた例を示したが、本発明はそれに限定されるものでなく、例えば図11に示すようなスプール1bも含んでいる。このスプール1bにおいて、薄肉部12bはフランジ部3の外面側を切り欠いた態様で形成されている。糸挟持溝10bは薄肉部12bの対向壁面16bと対向壁面15とにより形成される。薄肉部12bの外壁面3Dbは糸挟持溝10bから離れるほど厚肉になるテーパ面として形成されている。
このようなスプール1bも、糸挟持溝10bの対向壁面15と対向壁面16bとの間に糸20をしっかりと挟持することができる。
【0029】
そして、上記した各々の実施形態では、一方のフランジ部3にのみ糸挟持溝および薄肉部を形成した例を示したが、両側のフランジ部3,4に糸挟持溝および薄肉部を形成しても構わない。
更に、糸案内面を形成することなく、フランジ部にテーパ状の薄肉部を形成した構成だけでも、巻き始めまたは巻き終わり時に糸の糸端末を糸挟持溝で確実に係止できることは言うまでもない。
また、上記各実施形態では、スプールに巻き取られる糸として、ハリスなどの釣糸を例示したが、本発明はそれに限定されるものでなく、天然繊維や合成繊維から成る汎用の糸に用いることも可能である。例えば、合成繊維糸として、マルチフィラメントからなる糸を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係るスプールの外観図である。
【図2】前記スプールの要部拡大斜視図である。
【図3】前記スプールの背面図である。
【図4】図3におけるA−A線矢視断面図である。
【図5】前記スプールにより糸を巻き始める態様を示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【図6】前記スプールにより糸を巻いている態様を示す平面図である。
【図7】前記スプールにより糸を巻いている態様を示す部分側断面図である。
【図8】前記スプールの参考的な使用態様を示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【図9】前記スプールにより逆向きに巻いた糸の糸端末を止める別の態様を示す外観図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係るスプールを示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【図11】本発明の更に別の実施形態に係るスプールを示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【図12】従来のスプールにより糸を巻き始める態様を示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【符号の説明】
【0031】
1,1a,1b スプール
2 糸巻き胴部
3,4 フランジ部
3A,3B,3Ba 内壁面
3D,3Db 外壁面
10,10a,10b 糸挟持溝
12,12a,12b 薄肉部
13,13a 糸案内面
16,16a,16b 対向壁面
20 糸
20A 糸端末
20B 糸端末
C スプール軸心
R 矢印
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸の巻き始め端末や巻き終わり端末を係止する構成を備えたスプールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハリスなどの釣糸を巻き取るスプールとしては、例えば図12に記載されたスプール51が知られている。このスプール51は、糸20を巻回する糸巻き胴部2と、糸巻き胴部2の両側にそれぞれ形成された周鍔状のフランジ部とを備えている。そのうち、一方のフランジ部3には、糸20の糸端末20Aを係止する糸挟持溝60が、正面から見て略V字状に形成されている。糸20は、糸挟持溝60を形成する、フランジ部3の対向壁面65,66間で挟持されて、スプール51の回転(矢印R方向)により巻き取られるようになっている。この場合、糸挟持溝60からの糸20は、ほぼ90度に湾曲してフランジ部3の内壁面3Aから距離dぶん離れた位置の糸巻き胴部2上に巻き取られる。
【0003】
しかし、一般に、フッ素樹脂(例えばポリフッ化ビニリデン)やナイロンなどからなる釣糸などのモノフィラメントは弾発力が大きいので、糸20を糸挟持溝60にいったん挟持させたとしても、その後反発して糸挟持溝60から外れることがあった。
そこで、この種のスプールとして、例えば下記の特許文献1,2に開示された釣糸用スプールが提案されている。
すなわち、特許文献1のスプールは、糸巻き胴部の両側にフランジ部が形成されたスプール本体を備え、スプール本体のフランジ部に弾性部材からなる糸係止部を設けたものである。糸係止部はフランジ部に一体に形成されるか、あるいはフランジ部の一部に形成された装着部にスプール本体とは別部品として取り付けられるようになっている。これらの糸係止部は、スプール軸心方向と平行に配置された1対の対向壁面により構成されるスリット状の糸挟持溝を有していて、この糸挟持溝で釣糸の巻き始め端末や巻き終わり端末を挟持するようになっている。
【0004】
また、特許文献2のスプールも、糸巻き胴部の両側にフランジ部が形成されたスプール本体を備え、糸巻き胴部と両側のフランジ部との間に、糸挟持溝を有する弾性部材製の糸端部保持体を弾性変形嵌合させるようになっている。糸端部保持体の糸挟持溝は、スプール糸巻回転方向と平行に配置された1対の対向壁面によりスリット状に形成されている。このスプールでは、糸巻き胴部に巻かれた釣糸の巻き終わり端末を糸挟持溝に挟持させたのち、糸端部保持体を糸巻き胴部と両側のフランジ部との間に嵌合させて保持するようになっている。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1および、特許文献2のスプールは、糸の端部を確実に係止できるようにはなるものの、いずれも複数部品で構成されることから、複数の成型金型を必要とし、成型に係る工程も多くかかるという問題がある。
【0006】
【特許文献1】特開2000−32895号公報
【特許文献2】登録実用新案第3044900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、簡素で安価な構成により糸の巻き始め端末または巻き終わり端末を確実に係止することのできるスプールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係るスプールは、糸巻き胴部の両側にフランジ部が形成され、糸端末を挟持する糸挟持溝が、少なくとも一方のフランジ部の外周縁からスプール半径方向に切り欠かれているスプールにおいて、前記フランジ部が、前記糸挟持溝の隣接部に、糸挟持溝に向かってフランジ部の他の部分よりテーパ状に薄肉となる薄肉部を備えているものである。
【0009】
また、前記構成において、薄肉部が、フランジ部の内面側を切り欠いて形成されているものである。
【0010】
そして、前記の各構成において、糸挟持溝からの糸を糸巻き胴部に案内する糸案内面が、糸巻き胴部と薄肉部との間のフランジ部に当該内面側を切り欠いて形成されているものである。
【0011】
更に、前記の各構成において、糸として釣糸を適用したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るスプールによれば、フランジ部の糸挟持溝隣接部が、糸挟持溝に向かって薄肉となるテーパ状の薄肉部として形成されているので、薄肉部の糸挟持溝近傍の先細部分は弾性的に撓みやすく、糸をその太さに応じて適切な力で弾性的に挟持して確実に係止することができる。加えて、この発明のスプールは一体に構成され得るので、合成樹脂などを原料として成型により得る場合でも、1つの金型で一度に成型できるとともに、成型工程が特許文献1,2に開示された技術に比べて少なくて済み、安価に提供することができる。
【0013】
また、薄肉部がフランジ部の内面側を切り欠いて形成されているものでは、薄肉部の内面と糸巻き胴部との間に、糸挟持溝からの糸を収める空間が存在する。これにより、巻き始めの糸を、糸巻き胴部の上方位置に突出させることなく薄肉部の内面に沿わせて糸巻き胴部に案内することができる。
【0014】
そして、糸挟持溝からの糸を糸巻き胴部に案内する糸案内面が、糸巻き胴部と薄肉部との間のフランジ部に当該内面側を切り欠いて形成されているものでは、巻き始め時に薄肉部の内面に沿って導かれた糸を、糸案内面が糸巻き胴部上における最もフランジ部側に確実に案内する。その結果、糸を整然と巻き付けることを容易に行なえ、商品価値の高い平行巻きを確実に行なうことができる。
【0015】
一般に釣糸は元の姿勢に復元しようとする弾発力が高く止めにくいとされるが、このような釣糸を巻き取る場合であっても、薄肉部が臨む糸挟持溝により糸を確実に挟持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係るスプールの外観図、図2は前記スプールの要部拡大斜視図、図3は前記スプールの背面図、図4は図3におけるA−A線矢視断面図である。尚、図12に示した従来のスプール51と共通の構成要素には同一の符号を付している。
【0017】
各図において、この実施形態に係るスプール1は、ハリスなどの釣糸である糸20(図6等参照)を巻き取る円筒状の糸巻き胴部2と、糸巻き胴部2のスプール軸心C方向の両端部に全周にわたって形成された周鍔状のフランジ部3,4と、フランジ部4側の糸巻き胴部2の開口を被って形成された円板部5と、円板部5の背面と糸巻き胴部2の内周面とを連結して形成された複数のリブ11とを備えている。円板部5の中央部分には、スプール軸心Cと同軸の軸穴7と、回転駆動軸Dにスプール1を固定するキー(図外)が挿通されるキー溝6とが形成されている。また、フランジ部3には糸渡し用切欠部8が形成され、フランジ部4には糸渡し用切欠部9が形成されている。これらの糸渡し用切欠部8,9は、1つの回転駆動軸Dに複数のスプール1,1,1,・・・を並べて設置したときに、キー溝6の作用により互いに位置合わせされた隣合うスプール1,1間で糸20を渡すために用いられる。このスプール1の素材および製法は特に限定されるものでないが、一例としてポリカーボネートなどを材料として金型で一体成形されている。
【0018】
そして、フランジ部3には、糸20の糸端末を係止する糸挟持溝10が、フランジ部3の外周縁からスプール半径方向に切り欠かれている。正面から見て略V字状に形成された糸挟持溝10の開口角度θは特に限定されるものでない。
【0019】
そして、このスプール1では、フランジ部3の糸挟持溝10の隣接部の一方が、糸挟持溝10に向かって薄くなるテーパ状の薄肉部12として形成されている。この場合、薄肉部12はフランジ部3の内側が切り欠かれた態様に形成されている。すなわち、薄肉部12の内壁面3Cは、平面視で、糸挟持溝10から離れる方向で外壁面3D側から糸巻き胴部2へ徐々に近づくテーパ面に形成されている。また、糸挟持溝10を成す対向壁面15,16のうち、糸渡し用切欠部8側の対向壁面15はフランジ部3の厚さTとほぼ同じ幅に形成されている。薄肉部12側の対向壁面16はフランジ部3の外壁面3Dと隣接した位置にある。
【0020】
糸巻き胴部2と薄肉部12との間のフランジ部3には、糸案内面13がフランジ内面側を切り欠いた態様で形成されている。この糸案内面13は、糸挟持溝10の底部17から離れる方向で糸巻き胴部2に近づくように傾斜している。これらの糸案内面13および段部14は、平面視で、糸挟持溝10に近づく方向に広くなる略三角形状に形成されている。段部14の上面と内壁面3Bとの境である縁部14Aは、糸20を糸案内面13に導きやすくするために、いくぶんRを持たせた曲面として形成されている。
【0021】
上記のように構成されたスプール1の作用を次に説明する。まず、図5に示すように、原料糸ロール(図外)から繰り出された糸20の先端の糸端末20Aをフランジ部3,4間からフランジ部3の外壁面3D側に引き出して糸挟持溝10に押し込む。すると、詳細は後述するが、糸20の糸端末20Aは糸挟持溝10の対向壁面15,16間にいとも簡単に挟持されて係止される。その状態で、回転駆動軸Dを駆動しスプール1を矢印R方向に回転させると、スプール1の回転により糸20が引っ張られて原料糸ロールから引き出される。そして、糸20は先細の対向壁面16において90度よりも小さな角度αで折れ曲がって矢印Rと反対方向に引かれる。この場合、薄肉部12は対向壁面16に近づくほど先細であり、しかも薄肉部12がフランジ部3の内面側を切り欠いた態様で形成されていることにより、対向壁面16が外壁面3D寄りに位置するので、薄肉部12の内壁面3Cと糸巻き胴部2との間には、対向壁面16で曲げられた糸20を収める空間18が存在する。また、薄肉部12の内壁面3Cと対向壁面15とのなす平面視の角度は90度よりも小さい。そのために、弾発力の高い糸20でありながら、対向壁面16に接して折れ曲がることができ薄肉部12の内壁面3Cに沿うので、糸巻き胴部2の上方位置に突出することがない。従って、図12(b)に示すように、糸20が、フランジ部3の内壁面3Aから隙間dをあけて突出することがなく、糸の巻回時にこの糸20が干渉しないので、糸の巻回を容易、かつ、精度よく行なうことができる。
【0022】
また、薄肉部12は糸挟持溝10に最も近い部分が最薄になっているので、他の部分よりも弾性的に撓みやすく、糸20をその太さに応じた適切な力で弾性的に挟持することができる。これらの作用と、上記のように糸20が薄肉部12の対向壁面16に接して折れ曲がる作用とを合わせた複合作用により、糸20の糸端末20Aは糸挟持溝10で粘り強くしっかりと挟持されて巻き始め動作時にも外れない。
【0023】
そうして、薄肉部12の内壁面3Cに沿って引かれた糸20は、段部14の縁部14Aで斜め下向きに折れ曲がって糸案内面13上に載り、更に内壁面3Bに沿って案内され、内壁面3Aと密着する位置(図5、図6、図7中の符号20(1)で示す位置)の糸巻き胴部2上、言い換えれば、糸巻き胴部2上における最もフランジ部3側となる位置に案内される。すなわち、糸20が一般に弾発力が高いとされる釣糸でありながら、従来技術のようにフランジ部3の内壁面3Aから離れることなく、内壁面3Cおよび内壁面3Bに沿って引かれるのである。このようにして、糸20は、図6に示すように、糸巻き胴部2上に整然と並んで巻かれていく。
【0024】
更に、糸20は、図7に示すように、糸巻き胴部2上に例えばn回巻かれてフランジ部4の内壁面に密接したのち、n回目の糸20の真上に(n+1)回目の糸20が重ねて巻かれ、矢印Wで示すように、既に巻かれた1層目の糸20,20,20・・・の真上に重ねて巻かれながらフランジ部3に向かうのである。すなわち、このスプール1によれば、糸20を確実に、かつ、精度よく平行巻きすることができる。このように平行巻きされた糸20終端の糸端末20Bは、バンドなどの適宜の手段を用いて最上層の糸20上に留められる。あるいは、複数のスプール1を並列して用いる場合、フランジ部4の糸渡し用切欠部9から、隣に配置された別のスプール1の糸渡し用切欠部8に渡される。
【0025】
ここで、上記とは別の巻き方で糸20をスプール1に巻きつける態様を示す。図8に示すように、糸20先端の糸端末20Aを粘着テープ21などで糸巻き胴部2に固定し、スプール1を矢印R方向に回転させて糸20を巻き取ったのち、巻き終わりの糸端末20Bを糸巻き方向から矢印Fのように90度に折り曲げて糸挟持溝10の対向壁面15,16間に挟持させても、糸端末20Bはしっかりと係止される。
【0026】
一方、図9に示すように、巻き始めの20Aが円板部5に粘着テープ21などで固定された糸20を糸渡し用切欠部9から糸巻き胴部2に導き、スプール1をこれまでの例とは逆の方向(図9中の矢印−R方向)に回転させて糸20を巻き取る例を示す。この場合、糸20の巻き終わりの糸端末20Bは糸案内面13の上面および薄肉部12の内壁面3Cに沿ったのち、対向壁面16で折り曲げられて糸挟持溝10に挟持される。すると、巻き終わりの糸端末20Bは堅く係止されて外れなかった。
これらの例から明らかなように、フランジ部3の糸挟持溝10の隣接部に薄肉部12を形成したことにより、糸挟持溝10から薄肉部12の内側を経て糸巻き胴部2上へと、または、糸巻き胴部2上から薄肉部12の内側を経て糸挟持溝10へと、あるいは、対向壁面15側からの糸20をほぼ90度に曲げて糸挟持溝10へと、糸20を案内しても、糸20の巻き始め端末または巻き終わり端末を糸挟持溝10に確実に係止することができる。
【0027】
尚、上記の実施形態では、フランジ部3の糸挟持溝10の隣接部の一方にのみ薄肉部12を設けた例を示したが、本発明はそれに限定されるものでなく、例えば図10に示すようなスプール1aも含む。このスプール1aは、フランジ部3の糸挟持溝10aの隣接部の一方に形成された薄肉部12、段部14および糸案内面13はもとより、フランジ部3の糸挟持溝10aの隣接部の他方に形成された薄肉部12a、段部14aおよび糸案内面13aも備えている。これらの薄肉部12a、段部14aおよび糸案内面13aは、前記した薄肉部12、段部14および糸案内面13に対し糸挟持溝10aを境に例えば対称形状に形成されている。薄肉部12aも糸挟持溝10aに近づく方向に徐々に薄肉となるように形成されており、糸挟持溝10aを臨む対向壁面16aの近傍部分は最も薄く形成されている。この図10において、符号の3Baは薄肉部12側の内壁面3Bと対称形状に形成された内壁面であり、3Caは薄肉部12の内壁面3Cと対称形状に形成された薄肉部12aの内壁面である。
このスプール1aによれば、糸巻き時のスプール糸巻回転方向が矢印R方向、または矢印Rと反対方向のいずれであっても、糸20を糸挟持溝10aに確実に係止することができ、かつ、糸20を糸巻き胴部2上に確実に、かつ、精度よく平行巻きすることができる。
【0028】
また、上記の各実施形態では、フランジ部3の内面側を切り欠いて形成した態様の薄肉部12,12aを設けた例を示したが、本発明はそれに限定されるものでなく、例えば図11に示すようなスプール1bも含んでいる。このスプール1bにおいて、薄肉部12bはフランジ部3の外面側を切り欠いた態様で形成されている。糸挟持溝10bは薄肉部12bの対向壁面16bと対向壁面15とにより形成される。薄肉部12bの外壁面3Dbは糸挟持溝10bから離れるほど厚肉になるテーパ面として形成されている。
このようなスプール1bも、糸挟持溝10bの対向壁面15と対向壁面16bとの間に糸20をしっかりと挟持することができる。
【0029】
そして、上記した各々の実施形態では、一方のフランジ部3にのみ糸挟持溝および薄肉部を形成した例を示したが、両側のフランジ部3,4に糸挟持溝および薄肉部を形成しても構わない。
更に、糸案内面を形成することなく、フランジ部にテーパ状の薄肉部を形成した構成だけでも、巻き始めまたは巻き終わり時に糸の糸端末を糸挟持溝で確実に係止できることは言うまでもない。
また、上記各実施形態では、スプールに巻き取られる糸として、ハリスなどの釣糸を例示したが、本発明はそれに限定されるものでなく、天然繊維や合成繊維から成る汎用の糸に用いることも可能である。例えば、合成繊維糸として、マルチフィラメントからなる糸を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係るスプールの外観図である。
【図2】前記スプールの要部拡大斜視図である。
【図3】前記スプールの背面図である。
【図4】図3におけるA−A線矢視断面図である。
【図5】前記スプールにより糸を巻き始める態様を示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【図6】前記スプールにより糸を巻いている態様を示す平面図である。
【図7】前記スプールにより糸を巻いている態様を示す部分側断面図である。
【図8】前記スプールの参考的な使用態様を示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【図9】前記スプールにより逆向きに巻いた糸の糸端末を止める別の態様を示す外観図である。
【図10】本発明の別の実施形態に係るスプールを示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【図11】本発明の更に別の実施形態に係るスプールを示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【図12】従来のスプールにより糸を巻き始める態様を示す図であって、(a)は一部断面を含む部分正面図、(b)は部分平面図である。
【符号の説明】
【0031】
1,1a,1b スプール
2 糸巻き胴部
3,4 フランジ部
3A,3B,3Ba 内壁面
3D,3Db 外壁面
10,10a,10b 糸挟持溝
12,12a,12b 薄肉部
13,13a 糸案内面
16,16a,16b 対向壁面
20 糸
20A 糸端末
20B 糸端末
C スプール軸心
R 矢印
【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸巻き胴部の両側にフランジ部が形成され、糸端末を挟持する糸挟持溝が、少なくとも一方のフランジ部の外周縁からスプール半径方向に切り欠かれているスプールにおいて、
前記フランジ部が、前記糸挟持溝の隣接部に、糸挟持溝に向かってフランジ部の他の部分よりテーパ状に薄肉となる薄肉部を備えていることを特徴とするスプール。
【請求項2】
薄肉部は、フランジ部の内面側を切り欠いて形成されている請求項1に記載のスプール。
【請求項3】
糸挟持溝からの糸を糸巻き胴部に案内する糸案内面が、糸巻き胴部と薄肉部との間のフランジ部に当該内面側を切り欠いて形成されている請求項1または請求項2に記載のスプール。
【請求項4】
糸が釣糸である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスプール。
【請求項1】
糸巻き胴部の両側にフランジ部が形成され、糸端末を挟持する糸挟持溝が、少なくとも一方のフランジ部の外周縁からスプール半径方向に切り欠かれているスプールにおいて、
前記フランジ部が、前記糸挟持溝の隣接部に、糸挟持溝に向かってフランジ部の他の部分よりテーパ状に薄肉となる薄肉部を備えていることを特徴とするスプール。
【請求項2】
薄肉部は、フランジ部の内面側を切り欠いて形成されている請求項1に記載のスプール。
【請求項3】
糸挟持溝からの糸を糸巻き胴部に案内する糸案内面が、糸巻き胴部と薄肉部との間のフランジ部に当該内面側を切り欠いて形成されている請求項1または請求項2に記載のスプール。
【請求項4】
糸が釣糸である請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスプール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−178051(P2009−178051A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17344(P2008−17344)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(505430975)株式会社ヤシマ精工 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【出願人】(505430975)株式会社ヤシマ精工 (9)
【Fターム(参考)】
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