説明

スライディングノズル装置

【課題】面圧負荷解除作業における作業者の誤操作を確実に防止して安全性の向上が図れるスライディングノズル装置を提供する。
【解決手段】スライディングノズル装置10は、面圧負荷解除操作における作業者の誤操作を防止するフールプルーフ部材23を備えている。フールプルーフ部材23は帯板状とされ、基端部が防熱カバー18の側端部に軸支され、スライド金枠13の移動方向と直交する面内で回動自在とされている。フールプルーフ部材23の中間部には、押圧ブロック14aがフック15で掛止された状態において、連結部材24に設けられた突起部25が挿入する挿入孔26が形成されている。フールプルーフ部材23は、少なくとも先端部がコッター16が挿入されている位置まで達する長さとされ、フールプルーフ部材23をコッター16側に回動した際、下方に倒したコッターレバー16a及び連結部材24にフールプルーフ部材23が接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属容器内の溶融金属の流出量を制御するスライディングノズル装置に関し、特に、面圧の負荷及び解除時に伴ってコッターの抜き差しを行うスライディングノズル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スライディングノズル装置は、溶鋼の流路となるノズル孔が形成された固定プレート及び摺動プレートと、各プレートを保持する保持手段と、摺動プレートを摺動させる摺動手段と、固定プレートと摺動プレートの間に溶鋼が浸入しないようにプレート間に面圧を負荷する面圧負荷手段とを備えている。
【0003】
上記面圧負荷手段としては、圧縮バネの弾発力を利用して摺動プレートを固定プレートに押し付ける方法が一般的である。ここでは、本発明と関連が深い特許文献1に記載されたスライディングノズル装置の面圧負荷解除機構について図7〜図9を用いて説明する。
【0004】
このスライディングノズル装置では、固定金枠51に対して開閉可能に設けられた開閉金枠52によって移動可能に支持されたスライド金枠53を移動させることによって面圧の負荷及び解除が行われる。開閉金枠52には、圧縮コイルスプリング59を収納するスプリングチャンバ60が形成され、連結ロッド58がスプリングチャンバ60を上下に貫通している。連結ロッド58の下端には、圧縮コイルスプリング59に当接する押さえブロック54が連結され、連結ロッド58の上端には、開閉金枠52によって上下方向にシフト可能な面圧ホルダ50が連結されている。面圧ホルダ50には、スライディングノズル装置の中心方向に向けて貫通孔57が形成され、貫通孔57にはコッター56が挿入される。一方、スライド金枠53の側面部には、コッター56の下面に係合する楔状の鍔部61が形成されている。また、スライディングノズル装置の側面部には、固定金枠51に基端部が回動自在に軸支され、押さえブロック54を掛止するフック55が設けられている。
【0005】
このスライディングノズル装置において面圧を負荷する場合は、油圧シリンダ62によりスライド金枠53を一方向に移動させて、鍔部61とコッター56とを係合させ、面圧ホルダ50と一体化した押さえブロック54を上方にシフトさせた後、押さえブロック54をフック55で掛止する。そして、スライド金枠53を他方向に移動させて鍔部61とコッター56との係合を解除すると共に、コッター56を面圧ホルダ50から引き抜く。これにより、圧縮コイルスプリング59の弾発力が開閉金枠52に作用し、開閉金枠52に支持されたスライド金枠53は固定金枠51側に常時押圧される。
面圧を解除する場合は、コッター56を面圧ホルダ50の貫通孔57に挿入した後、スライド金枠53を一方向に移動させる。そして、鍔部61とコッター56とを係合させ、押さえブロック54を上方にシフトさせた後、押さえブロック54からフック55を外す。
【0006】
このスライディングノズル装置では、スライド金枠53の移動によって面圧の負荷及び解除が行われるので、面圧操作のための油圧装置等を付帯する必要がなく、設備を簡略化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−279071号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されたスライディングノズル装置の場合、面圧負荷時に、押さえブロックをフックで掛止すると共に、面圧負荷作業後は必ずコッターを抜いて鍔部との接触を解除しておかなければならない。これらの作業は人間によって行われるため、もしそれらの作業を忘れた場合には、操業時に面圧が解除され、プレート間から溶鋼が漏れるという重大事故が発生することになる。このため、この種のスライディングノズル装置には、誤操作を防止する安全ラッチ等の安全確認の機構が設けられている。
【0009】
しかしながら、従来の安全機構では、面圧負荷作業の操作手順を間違えても、作業者が誤操作を見逃す場合があった。また、従来の安全ラッチは、スライディングノズル装置の側面部に設けられていることから、コッターを抜き忘れたり、フックを掛け忘れた場合、そのまま次の作業工程に移り重大な事故が発生するおそれがあった。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、面圧負荷解除作業における作業者の誤操作を確実に防止して安全性の向上が図れるスライディングノズル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、溶融金属容器の底部に固定された固定金枠に対して開閉可能とされた開閉金枠の側部に装着された圧縮バネを押圧する押圧部材と、前記開閉金枠に移動可能に支持されたスライド金枠の側面部に形成された鍔部と、前記押圧部材に形成された貫通孔に挿入され、前記鍔部と係合するコッターと、前記コッターの後端部に設けられ、前記押圧部材から突出するコッターレバーと、前記固定金枠に基端部が軸支され、前記押圧部材を掛止するフックとを備え、面圧の負荷及び解除に伴って前記コッターの抜き差しを行うスライディングノズル装置において、並設された前記フックを連結する連結部材に設けられた突起部と、前記開閉金枠又は前記開閉金枠を覆う防熱カバーに基端部が軸支され、前記スライド金枠の移動方向と直交する面内で回動するフールプルーフ部材とを備え、前記押圧部材が前記フックで掛止された状態において前記突起部が挿入する挿入孔が前記フールプルーフ部材に形成され、さらに前記フールプルーフ部材は、少なくとも先端部が前記コッターの位置まで達する長さとされていることを特徴としている。
【0012】
本発明に係るスライディングノズル装置において面圧を負荷する場合、スライド金枠を一方向に移動させて鍔部とコッターとを係合させ、押圧部材を固定金枠側にシフトさせた後、押圧部材をフックで掛止する。そして、スライド金枠を他方向に移動させて鍔部とコッターとの係合を解除し、コッターを鍔部と接触しない位置まで引き抜いた後、フールプルーフ部材をコッター側に回動し、連結部材に設けられた突起部をフールプルーフ部材の挿入孔に挿入する。このフールプルーフ部材の操作により、押圧部材がフックで掛止され、コッターと鍔部との係合が解除されていることが担保される。なぜならば、押圧部材がフックで掛止されていない場合は、フールプルーフ部材の挿入孔に突起部が挿入されていない状態になるし、コッターが鍔部と接触しない位置まで引き抜かれていない場合は、コッターレバーが起立しているため、フールプルーフ部材をコッター側に回動させた際に、フールプルーフ部材がコッターレバーに当接し、フールプルーフ部材の挿入孔に突起部を挿入できなくなるからである。
【0013】
また、本発明に係るスライディングノズル装置では、前記フールプルーフ部材をロックするロックピンが挿入される孔が前記突起部に形成されていることが好ましい。
当該構成によれば、フールプルーフ部材をロックピンでロックするので、操業時にフールプルーフ部材が突起部から外れることがない。
【0014】
また、本発明に係るスライディングノズル装置では、前記開閉金枠に形成された下ノズル用の開口部側へ前記フールプルーフ部材を付勢するバネが該フールプルーフ部材に装着されていてもよい。
当該構成によれば、フールプルーフ部材がコッター側にセットされていない場合、バネの付勢力によって、フールプルーフ部材は、その先端部が必ず下ノズル用の開口部の位置に移動する。その結果、フールプルーフ部材が作業者の視界に必ず入ることになり、フールプルーフ部材をセットし忘れることがない。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るスライディングノズル装置では、面圧負荷解除作業において作業者が誤操作した場合、作業者はフールプルーフ部材により誤操作していることを確実に認識する。その結果、面圧負荷解除作業における作業者の誤操作が確実に防止され安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】面圧解除状態における本発明の一実施の形態に係るスライディングノズル装置の縦断面図である。
【図2】押圧部材がフックで掛止された状態の同スライディングノズル装置の縦断面図である。
【図3】コッターを引き抜いた状態の同スライディングノズル装置の縦断面図である。
【図4】フールプルーフ部材を回動させた状態の同スライディングノズル装置の縦断面図である。
【図5】ロックピンをセットした状態の同スライディングノズル装置の縦断面図である。
【図6】ロックピンをセットした状態における同スライディングノズル装置の部分側面図である。
【図7】従来のスライディングノズル装置の部分縦断面図である。
【図8】従来のスライディングノズル装置における面圧負荷解除機構の側断面図である。
【図9】スライディングノズル装置の駆動機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の説明では、油圧シリンダが設置されている側をスライディングノズル装置の「後」側、ノズル孔を挟んでその反対側をスライディングノズル装置の「前」側と便宜上、呼ぶことにする。ただし、コッターについては、差し込む方向を「前」方向、引き抜く方向を「後」方向とする。また、固定金枠側を「上」側、開閉金枠側を「下」側とする。
【0018】
図1〜図5、図9に示すように、本発明の一実施の形態に係るスライディングノズル装置10は、固定プレート31及び摺動プレート32と、固定プレート31を保持する固定金枠11及び摺動プレート32を保持するスライド金枠13と、摺動プレート32を摺動させる摺動手段の一例である油圧シリンダ22と、固定プレート31と摺動プレート32との間に面圧を負荷する面圧負荷手段(面圧負荷解除機構)とを備えている。
【0019】
図2に示すように、固定プレート31及び摺動プレート32には、それぞれノズル孔31a、32aが形成されている。固定プレート31は、固定金枠11を介して溶融金属容器29の底面に固定され、ノズル孔31aには上ノズル33が接続されている。一方、摺動プレート32は、固定金枠11に対して開閉可能に設けられた開閉金枠12の内側に移動可能に配置されたスライド金枠13上に固定され、固定プレート31の下面に沿って摺動する。また、摺動プレート32のノズル孔32aには下ノズル34が接続される。
【0020】
固定金枠11は、スライド金枠13の移動方向に延在し、延在方向の後端には油圧シリンダ22(摺動手段)が設置されている(図9参照)。そして、スライド金枠13の後端部に油圧シリンダ22のロッド22aの先端部が接続されている。
【0021】
次に、スライディングノズル装置10の面圧負荷解除機構について図1〜図6を用いて説明する。
面圧負荷解除機構は、スプリングチャンバ20内に収納された圧縮バネ19と、圧縮バネ19を押圧する押圧部材14と、押圧部材14をロックするフック15と、押圧部材14を貫通し、スライド金枠13に形成された鍔部21と係合するコッター16とを備えている。以下、面圧負荷解除機構について詳細に説明する。
【0022】
開閉金枠12の両側部には、下方に開口するスプリングチャンバ20が形成されており、スプリングチャンバ20内には、開閉金枠12を上方へ押圧する複数の圧縮バネ19が、スライド金枠13の移動方向に沿って配置されている。また、連結ロッド14bがスプリングチャンバ20を上下に貫通し、連結ロッド14bの下端には、圧縮バネ19に当接する押圧ブロック14aが連結され、連結ロッド14bの上端には、スライド金枠13の移動方向と直交する方向に延在する貫通孔17が形成された保持ブロック14cが連結されている。押圧ブロック14aと、連結ロッド14bと、保持ブロック14cとは一体化され、圧縮バネ19を押圧する押圧部材14を構成している。連結ロッド14bはスプリングチャンバ20に対して固定されていないため、押圧部材14は上下方向に自由に動くことができる。
【0023】
なお、飛散する溶融金属から面圧負荷解除機構を保護するため、開閉金枠12の下方には、開閉金枠12の下面を覆う防熱カバー18が設置されている。
【0024】
押圧ブロック14aの前端面及び後端面には、スライド金枠13の移動方向に延出する円柱状のピン14dがそれぞれ形成されている。各ピン14dには、固定金枠11の側面部に基端部が軸支され、スライド金枠13の移動方向と直交する面内で回動するフック15が掛止される。フック15は、スライド金枠13の移動方向に並設されており、フック15の背部に架設された連結部材24によって連結されている。
【0025】
保持ブロック14cに形成された貫通孔17には、コッター16が挿入されており、コッター16の後端部に取り付けられた回動式のコッターレバー16aにより抜き差し可能とされている。一方、図9に示すように、スライド金枠13の側面部には、コッター16の下面と係合し、前方に向けて下方に傾斜する傾斜部21aを有する鍔部21が形成されている。
【0026】
また、図1〜図6に示すように、本スライディングノズル装置10は、面圧負荷解除操作における作業者の誤操作を防止するフールプルーフ部材23を備えている。本実施の形態におけるフールプルーフ部材23は、貫通孔17に挿入された状態のコッター16に先端部が達する長さを少なくとも備えた帯板状とされ、基端部が防熱カバー18の側端部に蝶番23aにより軸支され、スライド金枠13の移動方向と直交する面内で回動自在とされている。また、フールプルーフ部材23の中間部には、押圧ブロック14aがフック15で掛止された状態において、連結部材24に設けられた突起部25を挿入する挿入孔26が形成されている。
【0027】
そして、保持ブロック14cの貫通孔17からコッター16を抜いた状態(鍔部21と接触しない位置までコッター16を引き抜いた状態)で、フールプルーフ部材23をコッター16側に回動した際には、図5に示すように、連結部材24の背面にフールプルーフ部材23が接触し、挿入孔26に突起部25が挿入されるように設計されている。一方、コッター16が保持ブロック14cの貫通孔17に挿入された状態(コッター16と鍔部21が係合している状態)で、フールプルーフ部材23をコッター16側に回動した際には、挿入孔26への突起部25の挿入がコッターレバー16aによって遮られる。
また、連結部材24に設けられた突起部25には、フールプルーフ部材23をロックするクリップ状のロックピン27が挿入される孔28が形成されている(図5参照)。
【0028】
次に、上記スライディングノズル装置10における面圧負荷解除操作について説明する。
先ず、面圧負荷時の操作について説明する。
(1)図1は面圧解除状態を示したものである。先ず、下ノズル34用の開口部35に下ノズル34を挿入して、摺動プレート32に下ノズル34を装着した後、スライド金枠13の鍔部21と接触可能な位置までコッター16を貫通孔17に差し込む。この操作により、コッターレバー16aは起立状態となって、押圧部材14より突出している。
(2)油圧シリンダ22を駆動してスライド金枠13を前方に移動させ、鍔部21をコッター16に係合させる。コッター16が鍔部21の傾斜部21aに沿って移動することで、コッター16を保持している保持ブロック14cが上方にシフトする。これに伴い、押圧部材14が上方にシフトし、押圧ブロック14aが圧縮バネ19を押圧する。なお、この状況下では、圧縮バネ19は過圧縮状態にある。
【0029】
(3)フック15を回動させ、押圧ブロック14aから延出するピン14dをフック15で掛止し(図2参照)、油圧シリンダ22を駆動してスライド金枠13を後方に移動させ、鍔部21とコッター16との係合を解除する。これにより、圧縮バネ19は過圧縮状態を脱し、適正に圧縮された状態となる。
(4)起立状態にあるコッターレバー16aを引張り、鍔部21と接触しない位置までコッター16を引き抜く(図3参照)。これら一連の操作により、開閉金枠12が圧縮バネ19の弾発力によって固定金枠11側に押圧され、固定プレート31と摺動プレート32との間に面圧力が負荷される。
なお、コッターレバー16aは回動させ、下方に向けて倒れた状態にしておく。
【0030】
(5)先端部が下ノズル34の位置にあるフールプルーフ部材23をコッター16側に回動させる。そして、フールプルーフ部材23に形成された挿入孔26に、連結部材24に設けられた突起部25を挿入する(図4参照)。この操作により、下方に倒したコッターレバー16a及び連結部材24の背面にフールプルーフ部材23が接触する。
(6)突起部25に形成された孔28にロックピン27を挿入して、フールプルーフ部材23が外れないようにロックする(図5参照)。
【0031】
上記一連の操作により、押圧部材14がフック15で掛止され、コッター16と鍔部21との係合が解除されていることが担保される。なぜならば、押圧部材14がフック15で掛止されていない場合は、フールプルーフ部材23の挿入孔26に突起部25が挿入されていない状態になるし、コッター16が鍔部21と接触しない位置まで引き抜かれていない場合は、コッターレバー16aが起立しているため、フールプルーフ部材23をコッター16側に回動させた際に、フールプルーフ部材23がコッターレバー16aに当接し、フールプルーフ部材23の挿入孔26に突起部25を挿入できなくなるからである。
【0032】
なお、開閉金枠12に形成された下ノズル34用の開口部35側へフールプルーフ部材23を付勢するバネ(図示省略)をフールプルーフ部材23に装着してもよい。フールプルーフ部材23がコッター16側にセットされていない場合、バネの付勢力によって、フールプルーフ部材23は、その先端部が必ず下ノズル34用の開口部35の位置に移動する。その結果、フールプルーフ部材23が作業者の視界に必ず入ることになり、フールプルーフ部材23をセットし忘れることがない。
【0033】
一方、面圧を解除する場合は以下の手順になる。
(1)突起部25からロックピン27を抜いて、フールプルーフ部材23を下ノズル34側に回動させた後(図3参照)、コッターレバー16aを起こして、スライド金枠13の鍔部21と接触可能な位置までコッター16を貫通孔17に差し込む。
(2)油圧シリンダ22を駆動してスライド金枠13を前方に移動させ、鍔部21をコッター16に係合させる(図2参照)。これにより、押圧部材14が上方にシフトする。
(3)フック15を回動させ、押圧ブロック14aから延出するピン14dからフック15を外す(図1参照)。これにより、押圧部材14が下方にシフトし、圧縮バネ19が伸張する。その結果、開閉金枠12が固定金枠11側に押圧されなくなり、固定プレート31と摺動プレート32との間の面圧力が解除される。
【0034】
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、上記実施の形態では、フールプルーフ部材は帯板状としたが、それに限定されるものではなく、他の形状でもよいことは言うまでもない。また、上記実施の形態では、フールプルーフ部材の基端部が防熱カバーに軸支されているが、開閉金枠に軸支されていてもよい。
【符号の説明】
【0035】
10:スライディングノズル装置、11:固定金枠、12:開閉金枠、13:スライド金枠、14:押圧部材、14a:押圧ブロック、14b:連結ロッド、14c:保持ブロック、14d:ピン、15:フック、16:コッター、16a:コッターレバー、17:貫通孔、18:防熱カバー、19:圧縮バネ、20:スプリングチャンバ、21:鍔部、21a:傾斜部、22:油圧シリンダ、22a:ロッド、23:フールプルーフ部材、23a:蝶番、24:連結部材、25:突起部、26:挿入孔、27:ロックピン、28:孔、29:溶融金属容器、31:固定プレート、31a:ノズル孔、32:摺動プレート、32a:ノズル孔、33:上ノズル、34:下ノズル、35:開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属容器の底部に固定された固定金枠に対して開閉可能とされた開閉金枠の側部に装着された圧縮バネを押圧する押圧部材と、前記開閉金枠に移動可能に支持されたスライド金枠の側面部に形成された鍔部と、前記押圧部材に形成された貫通孔に挿入され、前記鍔部と係合するコッターと、前記コッターの後端部に設けられ、前記押圧部材から突出するコッターレバーと、前記固定金枠に基端部が軸支され、前記押圧部材を掛止するフックとを備え、面圧の負荷及び解除に伴って前記コッターの抜き差しを行うスライディングノズル装置において、
並設された前記フックを連結する連結部材に設けられた突起部と、前記開閉金枠又は前記開閉金枠を覆う防熱カバーに基端部が軸支され、前記スライド金枠の移動方向と直交する面内で回動するフールプルーフ部材とを備え、
前記押圧部材が前記フックで掛止された状態において前記突起部が挿入する挿入孔が前記フールプルーフ部材に形成され、さらに前記フールプルーフ部材は、少なくとも先端部が前記コッターの位置まで達する長さとされていることを特徴とするスライディングノズル装置。
【請求項2】
請求項1記載のスライディングノズル装置において、前記フールプルーフ部材をロックするロックピンが挿入される孔が前記突起部に形成されているスライディングノズル装置。
【請求項3】
請求項1及び2のいずれか1項に記載のスライディングノズル装置において、前記開閉金枠に形成された下ノズル用の開口部側へ前記フールプルーフ部材を付勢するバネが該フールプルーフ部材に装着されているスライディングノズル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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