説明

スライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器

【課題】スライド開閉方式のディスプレイ部を、本体部に対して傾斜状態に起き上がらせる機構を極めて簡易な構成で容易に実現可能とするスライド装置を提供する。
【解決手段】第二部材2を第一部材1の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持する支持部材3を具備し、この支持部材3の一端部を第一部材1に直接若しくは第二部材2に起伏回動自在に設けると共に、他端部を第二部材2に直接若しくは第一部材1に起伏回動自在に設け、且つ、支持部材3の少なくとも一方の端部を第一部材1若しくは第二部材2に重合面方向にスライド自在に設けて、第一部材1に対して第二部材2をスライドした際に、支持部材3が起き回動して第二部材2を第一部材1の上面に対して傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けたスライド装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライド装置並びにスライド装置を用いた携帯電話,モバイル,あるいは電子手帳・小型パソコンなどの電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、従来の折り畳み式の携帯電話は、数字キーやファンクションキーを配列した操作部を下側となる本体部の上面側に設け、この操作部のキー操作などにより所定の表示がなされる液晶パネルなどのディスプレイ部を上側となる重合部の伏面側(重合側)に設け、この本体部と重合部とをヒンジ装置を介して連結して、本体部と重合部とを二つ折り重合して操作部を重合部により隠蔽した折り畳み重合閉塞状態から、ヒンジ装置により重合部を起伏回動して反転し、操作部とディスプレイ部とが露出した開放状態に切り替えできるように構成している。
【0003】
そのため、従来このような起伏回動する重合部で本体部の操作部を覆う電子機器においては、折り畳み重合してコンパクト化できるものの操作部を隠蔽した重合状態ではディスプレイ部も隠蔽してしまう構造となり、コンパクト化した状態での使用が制限されざるを得なく不便である場合も多い。
【0004】
また、操作部を操作する場合には、ディスプレイ部を設けた重い重合部を立ち起こし反転回動させなければならず、この開閉動作(特に開放動作)させづらい欠点もある。
【0005】
そこで、起伏回動により開閉動作するのではなく、重合面に沿って前後方向に重合部をスライドして開閉動作するように構成すれば、重合部の上側面にディスプレイ部を設けることができ、例えば不使用時あるいはキー操作不要時に重合した際においても、言い換えるとたとえディスプレイ部を設けた重合部を本体部に重合して操作部を隠蔽したコンパクト化状態においても、ディスプレイ部が上側に配設され、ディスプレイ部を視認したり、機能させたりすることが可能となり、またこの場合はタッチパネル式に操作して動作表示させるようにしたり、また重合してコンパクト化した状態から操作部も露出した状態に切り替える場合は、重合面に沿って前後方向や左右方向に重合部をスライドすることで行なえるため、この開放動作も非常に容易に行なえ、機器装置として使用用途が広がり、しかも前記開閉動作も容易となる携帯電話,モバイルなどの電子機器となる。
【0006】
しかしながら、従来のこのようなスライド開閉方式は、単に重合面方向(水平方向)に移動することによって開閉する構成のため、スライド重合閉塞位置でもスライド開放位置でも、常に本体部に対して重合部は平行に重合しており、重合部の上面は平坦のままである。
【0007】
一方、前述の起伏回動方式の場合は、重合部を起伏反転回動して開放状態とした際、所定回動以上の開放回動をストッパー機構等により阻止し180°反転にまで至らないようにして回動開放状態では露出面と反転露出面とがフラットにならず、数°から20°以内程度の傾斜状態となるように構成する場合が多い。
【0008】
即ち、特に反転する重合部の反転露出面(伏面である反転上面)にディスプレイ部を設ける場合は、回動開放位置(使用位置)では数°から20°以内程度の起き上がり傾斜状態となって手前からディスプレイ部を見やすいように構成している。
【0009】
これに対して従来のスライド開閉方式では単に平坦のまま平行スライドするだけでこのような角度を付けることはできず、使用用途が制限されたり、取り扱いづらい場合が生じたり、特にディスプレイ部を設ける場合は、この起き上がり傾斜状態とならないために見づらかったりする。
【0010】
そこで、出願人は、スライド開閉方式を実現するスライド構造にチルトアップ機構を設けることで、このスライドに伴って、例えば徐々に角度がついたり、あるいは所定スライド位置までスライドあるいは少なくともスライド終端のスライド開放位置では自動的に起き上がり傾斜(チルトアップ)するように構成して、単にスライドすることで互いに平行でコンパクト重合した状態からスライド開放位置では自動的にやや起き上がり傾斜状態となり、使い易く使用用途が広がり、特にディスプレイ部を上面に設ける場合はコンパクト化した重合閉塞位置からスライド開放位置にスライドすると、自動的にスライド先端側はやや手前に起き上がり傾斜状態となり、非常に見易くなるなど非常に実用性に優れた画期的なスライド装置を用いた電子機器を開発した(特開2007−74411号)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2007−74411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、スライドガイド機構を単に湾曲させてスライド方向を規制することで重合部がこの湾曲するスライドガイド機構に沿ってスライドしてスライド終端で重合部がやや起き上がり傾斜状態となるように構成したのでは、この湾曲させたスライドガイド機構を設ける分どうしても肉厚となり薄型化の妨げになるし、重合部を側方から見るとこの湾曲したスライドガイド部が見え体裁が悪くデザイン性に劣る場合が多い。
【0013】
また、スライド終端でスライドガイド機構とは別に設けた回動機構による起き上がり回動を自動作動させてスライド終端で起き上がるように構成することも提案されこれは非常に画期的であるが、構造は複雑となりコスト高となるおそれがある。
【0014】
そこで、本発明は、スライド開閉方式を実現するスライド構造にディスプレイ部を本体部に対して傾斜状態に起き上がらせる機構を極めて簡易な構成で容易に実現可能とすることで製造コストを低減でき、しかも、薄型化を保つことでコンパクト性やデザイン性も低下することが無い生産性及び実用性に優れた画期的なスライド装置を用いた電子機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0016】
第一部材1と、この第一部材1に重合配設した第二部材2とを重合面方向にスライド自在に連結するスライド装置において、前記第一部材1の上面を前記第二部材2が隠蔽する重合閉塞状態から該第一部材1の上面を露出するスライド開放状態にした際に該第二部材2を前記第一部材1の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持する支持部材3を具備し、この支持部材3の一端部を前記第一部材1若しくは前記第二部材2に起伏回動自在に設けると共に、他端部を前記第二部材2若しくは前記第一部材1に起伏回動自在に設け、且つ、前記支持部材3の少なくとも一方の端部を前記第一部材1若しくは前記第二部材2に重合面方向にスライド自在に設けた構成とし、前記第一部材1と前記第二部材2とを前記重合閉塞状態から前記スライド開放状態とする該第一部材1に対して該第二部材2がスライドした際に、前記第二部材2を重合面方向にスライドさせる力により、前記第二部材2と前記支持部材3との連設部を上方に押上げるように前記第一部材1と前記支持部材3との連設部を支点として該支持部材3が起き回動して、前記支持部材3が前記第二部材2を前記第一部材1の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けたことを特徴とするスライド装置に係るものである。
【0017】
また、前記第一部材1若しくは前記第二部材2にスライド止部4を設け、前記第一部材1に対する前記第二部材2のスライドに伴って前記支持部材3の少なくとも一方の端部が重合面方向にスライドして前記スライド止部4に当接した際に、前記第二部材2を重合面方向にスライドさせる力により、前記第二部材2と前記支持部材3との連設部を上方に押上げるように前記第一部材1と前記支持部材3との連設部を支点として該支持部材3が起き回動して、前記支持部材3が前記第二部材2を前記第一部材1の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けたことを特徴とする請求項1記載のスライド装置に係るものである。
【0018】
また、前記支持部材3の一端部に第一回動連設部5を設け他端部に第二回動連設部6を設け、前記第一回動連設部5を前記第一部材1に直接若しくは該第一部材1に設けた第一取付部7にスライド自在に枢着し、前記第二回動連設部6を前記第二部材2に直接若しくは該第二部材2に設けた第二取付部8に枢着し、前記第一部材1に対する前記第二部材2のスライド相対移動に伴って、前記支持部材3が前記第二部材2と同じ重合面方向にスライドし、前記第一回動連設部5が前記第一部材1に直接若しくは前記第一部材1に設けた第一取付部7に設けた前記スライド止部4に当接して前記支持部材3のスライドが停止した際に、前記第二部材2のスライドによって前記第二回動連設部6を上方に押上げるように、前記第一回動連設部5を支点として前記支持部材3が起き回動して、前記支持部材3が前記第二部材2を起き上がり傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けたことを特徴とする請求項2記載のスライド装置に係るものである。
【0019】
また、前記支持部材3の一端部に第二回動連設部6を設け他端部に第一回動連設部5を設け、前記第二回動連設部6を前記第二部材2に直接若しくは該第二部材2に設けた第二取付部8にスライド自在に枢着し、前記第一回動連設部5を前記第一部材1に直接若しくは該第一部材1に設けた第一取付部7に枢着し、前記第一部材1に対する前記第二部材2のスライド相対移動に伴って、前記支持部材3が前記第二部材2に対してスライド相対移動し、前記第二回動連設部6が前記第二部材2に直接若しくは該第二部材2に設けた第二取付部8に設けた前記スライド止部4に当接して前記支持部材3のスライド相対移動が停止した際に、前記第二部材2のスライドによって前記第二回動連設部6を上方に押上げるように、前記第一回動連設部5を支点として前記支持部材3が起き回動して、前記支持部材3が前記第二部材2を起き上がり傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けたことを特徴とする請求項2記載のスライド装置に係るものである。
【0020】
また、前記チルトアップ機構は、前記第一部材1の左右両端若しくは前記第一部材1に設けた第一取付部7の左右両端に、一端を枢着するスライドガイド部9を設け、このスライドガイド部9に前記第二部材2の左右両端若しくは前記第二部材2に設けた第二取付部8の左右両端に設けたスライド部20をスライド自在に設け、前記第一部材1若しくは前記第一部材1に設けた第一取付部7の左右両側面に凹条溝部10を設け、この凹条溝部10に前記支持部材3の前記第一回動連設部5をスライド自在に設けて、前記第一部材1に対して前記第二部材2をスライド相対移動自在に設けたことを特徴とする請求項3記載のスライド装置に係るものである。
【0021】
また、前記チルトアップ機構は、前記第一部材1の左右両端若しくは前記第一部材1に設けた第一取付部7の左右両端に、一端を枢着するスライドガイド部9を設け、このスライドガイド部9に前記第二部材2の左右両端若しくは前記第二部材2に設けた第二取付部8の左右両端に設けたスライド部20をスライド自在に設け、前記第二部材2若しくは前記第二部材2に設けた第二取付部8の左右両側面に凹条溝部10を設け、この凹条溝部10に前記支持部材3の前記第二回動連設部4をスライド自在に設けて、前記第一部材1に対して前記第二部材2をスライド相対移動自在に設けたことを特徴とする請求項4記載のスライド装置に係るものである。
【0022】
また、前記チルトアップ機構は、前記第一部材1に直接若しくは該第一部材1に設けた第一取付部7に起伏回動自在に枢着する前記支持部材3の枢着部を、前記第二部材2に直接若しくは該第二部材2に設けた第二取付部8に起伏回動自在に枢着する前記支持部材3の枢着部よりも低い位置に設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスライド装置に係るものである。
【0023】
また、前記支持部材3は、前記第一部材1若しくは前記第二部材2と略同等の幅を有する板状体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスライド装置に係るものである。
【0024】
また、前記第一部材1に対して前記第二部材2が所定量スライドするまでは戻り付勢が生じ所定量以上スライドすると逆に進み付勢が生じるスライド付勢機構11を具備したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスライド装置に係るものである。
【0025】
また、操作部を設けた本体部を第一部材1若しくは第二部材2とし、ディスプレイ部を設けた重合部を前記第二部材2若しくは前記第一部材1とし、本体部と重合部とを重合配設し、この重合した状態から前記重合部を相対的に重合面方向にすれ違うようにスライドして重合面の一部を露出させることができるように前記本体部と前記重合部とを前記請求項1〜9のいずれか1項に記載のスライド装置を用いて連結したことを特徴とするスライド装置を用いた電子機器に係るものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明は上述のように構成したから、第一部材の上面が重合する第二部材により隠蔽された重合閉塞状態から、例えば、重合面方向の前後に第二部材をスライドして第一部材の上面を露出するスライド開放状態とするために、第一部材に対して第二部材をスライドさせるだけで第二部材が自動的に第一部材の上面に対して起き上がり傾斜状態となるので、例えば、第二部材の上面にディスプレイ部を設けた場合は、コンパクト化した重合閉塞状態からスライド開放状態にスライドするだけで、自動的にスライド先端側がやや手前に起き上がり傾斜状態となり、画面が非常に見易くなるなど極めて実用性に優れた画期的なスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器となる。
【0027】
また、請求項5〜7記載の発明においては、極めて簡易な設計で容易にチルトアップ機構を実現可能とする生産性に優れたスライド装置となる。
【0028】
また、請求項8記載の発明においては、第一部材の上面に対して第二部材が傾斜状態になった際に、第一部材と第二部材との間に生じた空間を背面側から見た際に目隠しすることとなり、外観を損ねない実用性に優れたスライド装置となる。
【0029】
また、請求項9記載の発明においては、第一部材と第二部材とのスライド動作をより一層スムーズに行なうことができる操作性に優れたスライド装置となる。
【0030】
また、請求項10記載の発明においては、前述のような作用効果を発揮する画期的なスライド装置を用いた電子機器を提供できることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施例1の動作説明図(重合閉塞状態)である。
【図2】実施例1の動作説明図(スライド途中)である。
【図3】実施例1の動作説明図(スライド開放状態)である。
【図4】実施例1のスライド装置及びスライド付勢体の動作説明図(重合閉塞状態)である。
【図5】実施例1のスライド装置及びスライド付勢体の動作説明図(スライド途中)である。
【図6】実施例1のスライド装置及びスライド付勢体の動作説明図(スライド開放状態)である。
【図7】実施例1のスライド装置の動作説明図(重合閉塞状態)である。
【図8】実施例1のスライド装置の動作説明図(スライド途中)である。
【図9】実施例1のスライド装置の動作説明図(スライド開放状態)である。
【図10】実施例1のスライドガイド部の要部を示す説明斜視図である。
【図11】実施例1のスライド装置を示す説明分解図である。
【図12】実施例1のスライド装置の動作説明図(重合閉塞状態)である。
【図13】実施例1のスライド装置の動作説明図(スライド途中)である。
【図14】実施例1のスライド装置の動作説明図(スライド途中)である。
【図15】実施例1のスライド装置の動作説明図(スライド開放状態)である。
【図16】実施例2の動作説明図(重合閉塞状態)である。
【図17】実施例2の動作説明図(スライド開放状態)である。
【図18】実施例2のスライド装置及びスライド付勢体の動作説明図(重合閉塞状態)である。
【図19】実施例2のスライド装置及びスライド付勢体の動作説明図(スライド開放状態)である。
【図20】実施例2のスライド装置を示す説明分解図である。
【図21】実施例2のスライド装置の動作説明図(重合閉塞状態)である。
【図22】実施例2のスライド装置の動作説明図(スライド途中)である。
【図23】実施例2のスライド装置の動作説明図(スライド途中)である。
【図24】実施例2のスライド装置の動作説明図(スライド開放状態)である。
【図25】実施例3の動作説明図(重合閉塞状態)である。
【図26】実施例3の動作説明図(スライド途中)である。
【図27】実施例3の動作説明図(スライド開放状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0033】
第一部材1(例えば、キーボードなどの操作ボタンを重合面となる上面に設けた操作部)に対して第二部材2(例えば、文字や画像などを表示するディスプレイ部を上面に設けた表示部)を重合面方向にスライドする。即ち、第一部材1の上面が重合する第二部材2により隠蔽された重合閉塞状態から、例えば、重合面方向の前後に第二部材2をスライドして第一部材1の上面を露出するスライド開放状態とする。
【0034】
この第一部材1に対する第二部材2のスライドに伴って、第一部材1若しくは第二部材2に起伏回動自在且つスライド自在に設けた支持部材3の少なくとも一方の端部がスライドする。即ち、支持部材3が第一部材1若しくは第二部材2に対して相対的に重合面方向にスライドし、例えば、支持部材3の一端部を第一部材1に起伏回動自在且つスライド自在に設け他端部を第二部材2に起伏回動自在に設けた場合は、第二部材2のスライドに伴って支持部材3も第一部材1に対して相対的に重合面方向にスライドし、また、例えば、支持部材3の一端部を第二部材2に起伏回動自在且つスライド自在に設け他端部を第一部材1に起伏回動自在に設けた場合は、支持部材3は第二部材2に対して相対的にスライドし、また、例えば、支持部材3の両端部を第一部材1と第二部材2の夫々に起伏回動自在且つスライド自在に設けた場合は、支持部材3は第一部材1及び第二部材2の両方に対して相対的にスライドする。
【0035】
更に、第二部材2を重合面方向にスライドさせる力によって、第二部材2と支持部材3との連設部が上方に押上げられるが、この第二部材2と支持部材3との連設部及び第一部材1と支持部材3との連設部は夫々起伏回動自在に設けられているので、第一部材1と支持部材3との連設部が支点となり、第二部材2と支持部材3との連設部は折曲しながら支持部材3が起き回動することとなる。
【0036】
即ち、例えば、スライドしている支持部材3が、少なくとも第一部材1若しくは第二部材2に設けたスライド止部4に当接してスライドが停止した際に、第二部材2を重合面方向にスライドさせる力が第二部材2と支持部材3との連設部を上方に押上げると共に、第一部材1と前記支持部材3との連設部が支点となって支持部材3が起き回動する。
【0037】
更に具体的には、例えば、第一部材1と前記支持部材3との連結部の位置を、第二部材2と支持部材3との連設部よりも低い位置に設定し、第二部材2と支持部材3との連設部と、第一部材1と前記支持部材3との連設部とを重合面方向に対して水平線上に設けない構成とすれば、第二部材2と支持部材3との連設部に作用する第二部材2を重合面方向にスライドさせる力の作用方向、即ち、重合面方向に対して水平方向に、この力を受ける重心(第一部材1と前記支持部材3との連結部)がなく、この第二部材2と支持部材3との連設部に作用する第二部材2を重合面方向にスライドさせる力によって、支持部材3は回転することとなる。このとき、第一部材1と前記支持部材3との連設部の位置を、第二部材2と支持部材3との連設部よりも低い位置としたので、第二部材2と支持部材3との連設部を上方に押上げる回転が生ずることとなり、更に、第二部材2と支持部材3との連設部に作用する第二部材2を重合面方向にスライドさせる力を受け止める第一部材1と前記支持部材3との連設部が支点となり、支持部材3はこの支点を中心として起き回動することとなる。
【0038】
この支持部材3が起き回動することで、第二部材2の先端部が第一部材1から離れ、この支持部材3が第二部材2を第一部材1の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持した状態となる極めて簡易な構成で容易に第二部材2のチルトアップを実現できる生産性及び実用性に優れた画期的なスライド装置となる。
【実施例1】
【0039】
本発明の具体的な実施例1について図1〜図15に基づいて説明する。
【0040】
本実施例は、重合コンパクト化の図れる携帯電話と携帯情報端末の機能を備えた情報機器に本発明を適用したもので、回路基板,電源などの電子部品をケースに内装した縦長厚板状の第一部材1の上面側にキーボードなどの操作ボタンを設けた操作部を設け、この第一部材1に重合して操作部を覆う略同形の縦長厚板状の第二部材2を長さ方向と平行に前後方向にスライド自在となるスライド装置により連結した構成としている。
【0041】
この第二部材2の上面側には予め設定した画面やタッチパネル式によるタッチ操作あるいは並設した操作部の操作や着信などにより所定の表示や映像を表示でき、また操作部をキーボードとしたパソコン画面としても機能する液晶パネルなどのディスプレイ部を設けている。
【0042】
この本体部1と重合部2との連結は、双方の重合部分の互いの伏面にチルトアップを実現するチルトアップ機構を組み込み且つ途中でスライド付勢向きが変更するスライド付勢機構11を組み込んだスライド装置により連結して、第一部材1に対して第二部材2をスライド自在に開閉できるように構成し、第一部材1の操作部を第二部材2で隠蔽した重合閉塞位置と、第二部材2を位置ズレするように前後方向へ直線スライドさせて操作部を露出させ、この操作部をキーボードとして使用でき、後述するチルトアップ機構によって、第二部材2は第一部材1と平行な状態のままスライドするのでなく、徐々にあるいは所定スライド位置から徐々に起き上がり、スライド終端のスライド開放位置までスライドさせると、第二部材2のスライド先端側がスライド基端側に対して例えば10°〜15°程度起き上がって傾斜状態となり、ディスプレイ部が見易くなるようにチルトアップする構成としている。
【0043】
以下、このチルトアップ機構を備えたスライド装置の構成について説明する。
【0044】
本実施例は、第一部材1と、この第一部材1に重合配設した第二部材2とを重合面方向にスライド自在に連結するスライド装置において、第一部材1の上面を第二部材2が隠蔽する重合閉塞状態から第一部材1の上面を露出するスライド開放状態にした際に第二部材2を第一部材1の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持する支持部材3を具備し、この支持部材3の一端部を第一部材1若しくは第二部材2に起伏回動自在に設けると共に、他端部を第二部材2若しくは第一部材1に起伏回動自在に設け、且つ、支持部材3の少なくとも一方の端部を第一部材1若しくは第二部材2に重合面方向にスライド自在に設けた構成とし、第一部材1と第二部材2とを重合閉塞状態からスライド開放状態とする第一部材1に対して第二部材2がスライドした際に、第二部材2を重合面方向にスライドさせる力により、第二部材2と支持部材3との連設部を上方に押上げるように第一部材1と支持部材3との連設部を支点として支持部材3が起き回動して、支持部材3が第二部材2を第一部材1の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けた構成としている。
【0045】
具体的には、支持部材3は、第一部材1(第二部材2)のスライド方向側の端部(本実施例では縦長厚板状の第一部材1若しくは第二部材2の短手部側)の幅と略同等の幅を有する板材を略長方形状に形成し、この支持部材3の先端部端面(第一部材1の上面に設けた操作部を露出する第二部材2のスライド方向側の面)の左右両側に、第一部材1に設けられる第一取付部7にスライド自在に枢着する第一回動連設部5を重合面方向(水平方向)に突設状態に設け、基端部端面(前記第一部材1の上面に設けた操作部を隠蔽する第二部材2のスライド方向側の面)の左右両側に、第二部材2に設けられる第二取付部8と枢着する第二回動連設部6を重合面方向(水平方向)に突設状態に設け、これら第一回動連設部5及び第二回動連設部6の夫々に挿通孔12を形成し、この挿通孔12に枢着軸13を挿入し夫々が第一取付部7及び第二取付部8に枢着する構成としている。
【0046】
また、支持部材3は、第一部材側回動連結部5と第二部材側回動連結部6とを夫々第一取付部7と第二取付部8とに枢着し、この支持部材3が第一部材1及び第二部材2と重合している状態である際に、先端側の第一回動連設部5の重心が基端側の第二回動連設部6の重心よりも低い位置に配設した構成としている。即ち、第一回動連設部5に形成した挿通孔12に挿入する枢着軸13の軸心部と、第二回動連設部6に形成した挿通孔12に挿入する枢着軸13の軸心部との位置関係は、第一回動連設部5側の枢着軸13の軸心部を第二回動連設部6側の枢着軸13の軸心部よりも低い位置となるように構成している。
【0047】
また、この支持部材3の先端側に設けた第一回動連設部5がスライド自在に枢着する第一部材1に設けられた第一取付部7は、先端側の両側面に支持部材3の第一回動連設部5に設けた挿通孔12に挿入する枢着軸13が嵌合する凹条溝部10を設け、この凹条溝部10の先端部、即ち、第一取付部7の先端部であり、スライド終端部となる位置にスライド止部4を設け、前記枢着軸13が前記凹条溝10を先端方向にスライドした際にこのスライド止部4に当接してスライドを停止する構成としている。
【0048】
更に、この第一取付部7の基端側の左右両側には、後述するスライドガイド体14と嵌合する嵌合側壁部15を突設し、この嵌合側壁部15の基端側に貫通孔16を形成し、また更に、この嵌合側壁部15と嵌合する上面側左右両端に対向するスライドガイド部9を有するスライドガイド体14を設けた構成としている。
【0049】
このスライドガイド体14は、所定形状に形成した金属板材の左右両端部を内側に向けて断面視コ字状に折曲し、このコ字状部の内面に凹条溝を有する合成樹脂製のスライドガイド部9を設けた構成としている。
【0050】
更に、このスライドガイド体14は、基端部に嵌合側壁部15と枢着する貫通孔17を設け、このスライドガイド体14と嵌合側壁部15との夫々の貫通孔16,17に枢着軸18を挿入し枢着した構成としている。
【0051】
また、支持部材3の基端側に設けた第二回動連設部6が枢着する第二部材2に設けられる第二取付部8は、略長方形状の板材の先端部端面に第二取付部側連設部19を重合面方向(水平方向)に突設し、長手部側の左右側面に薄板状のスライド部20を、この長手部の先端部から基端部にかけて突設した形状に構成し、第二取付部側連設部19は、第二回動連設部6と枢着する枢着軸13を挿通する挿通孔28を形成している。
【0052】
また、本実施例は、第一部材1の上面の操作部が重合する第二部材2により隠蔽された重合閉塞状態から、重合面方向の前方(先端側)に第二部材2をスライドして第一部材1の上面を露出するスライド開放状態とするために第一部材1に対して第二部材2をスライドさせた際に、第二部材2が所定量スライドするまではこの第二部材2に戻り付勢が生じ所定量以上スライドすると逆に進み付勢が生じるスライド付勢機構11を具備した構成としている。
【0053】
具体的には、このスライド付勢機構11は、第一取付部7(スライドガイド体14)に回動自在に連結する扁平薄板状の第一連結部21と、この第一連結部21の対向位置に配され第二取付部8に回動自在に連結する扁平薄板状の第二連結部22とを有し、第一枢着部21に水平方向に突出状態に並設した複数本(本実施例では4本に設定)の第一スライド突体23を第二枢着部22に設けた第二ガイド部24(本実施例では4箇所に設定)にスライド自在に設けるとともに、第二連結部22における第二ガイド部24を設けた部位の側方近傍部位に水平方向に突出状態に並設した複数本(本実施例では4本に設定)の第二スライド突体25を、第一連結部21における第一スライド突体23を設けた部位の側方近傍部位に設けた第一ガイド部26(本実施例では4箇所に設定)にスライド自在に設け、第一スライド突体23及び第二スライド突体25に被嵌した例えば、コイル状のバネなどの付勢体27の付勢に抗して第一連結部21と第二連結部22とを接近移動させることで互いに離反方向(正逆反対方向)に付勢する相対移動付勢が生じるように構成している。
【0054】
本実施例は上述のように構成したので、以下のような作用効果を有する。
【0055】
本実施例は、第二取付部8の先端部に設けた第二取付部側連設部19と支持部材3の基端部に設けた第二回動連設部6とを回動自在に連結し、これを第一取付部7にスライド自在に設けた構成、即ち、支持部材3の先端部に設けた第一回動連設部5を凹条溝部10にスライド自在に設け、第二取付部8の長手部側の左右側面に薄板状のスライド部20をスライドガイド部9にスライド自在に設けただけの極めて簡易な構成で、この第一取付部7が設けられた第一部材1と、第二取付部8が設けられた第二部材2との重合面方向へのスライドを実現すると共に、この第一部材1の上面を露出するスライド開放状態とするために第一部材1に対して第二部材2を先端側(前方)にスライドさせた際に、支持部材3が起き回動し、この支持部材3の起き回動によって第二部材2の先端側が上方側に持ち上げられ、第二部材3が自動的に起き上がり第一部材の上面に対して傾斜状態となる。
【0056】
更に、スライド付勢機構11によって第二部材2が所定量スライドするまではこの第二部材2に戻り付勢が生じているので、第一部材1と第二部材2とが重合閉塞状態では、第二部材2が勝手にスライドして開放状態にならず重合閉塞状態を保持し、使用時(第一部材1の操作部を露出するスライド開放状態にする時)に第二部材2を所定量以上スライドすると逆に進み付勢が生じることで、スライド開放状態を保持する。
【0057】
また、本実施例のチルトアップ動作について、図12〜図15を用いて、更に詳しく説明する。
【0058】
図12は、第一部材1の上面を第二部材2が隠蔽する重合閉塞状態を示したものであり、図13は、この重合閉塞状態から第二部材2を第一部材1に対して、この第一部材1の上面に設けた操作部を露出する方向にスライドした際に、第一回動連設部5が第一取付部7に設けた凹条溝部10に沿ってスライドした後、この凹条溝部10のスライド終端部となるスライド止部4に当接して、支持部材3のスライドが終了した状態を示す(この時点ではまだ、第二部材2のスライドは終了していない。)。
【0059】
更に第二部材2がスライドすることで、支持部材3の基端側に設けた第二回動連設部6が第二部材2によってスライド方向に押圧された状態となる。このとき、第二部材2が第二回動連設部6を押圧するスライド方向に作用する力を受ける重心が、この第二回動連設部6のスライド方向の水平線上に無い状態、即ち、支持部材3の先端側に設けた第一回動連設部5の枢着軸の設置位置が第二回動連設部6の枢着軸の設置位置よりも低い位置に設置したことで、第二回動連設部6は第二部材2のスライドする力によって、図14に示すように、上方に押上げられる。
【0060】
また、第二回動連設部6が上方に押上げられる際には、重心となる第一回動連設部5にも第二部材2のスライドする力が作用し第一回動連設部5はスライド止部4に押圧状態となり、即ち、スライド不可能な固定状態となることで、この第一回動連設部5が支点となって支持部材3が起き回動することとなる。
【0061】
また、この支持部材3が起き回動する際、第二部材2のスライドをガイドするスライドガイド部9の先端側が浮きあがり、第二部材2が第一部材1の上面に対して傾斜状態となっても、第二部材2はスライドガイド部9から離脱することなく、このスライドガイド部9に沿ってスライドを継続し、図示していないが、第二取付部8のスライド部20の基端側に設けた突設部がスライドガイド部9に当接してスライドが終了し、図15に示すように、第二部材2が第一部材1の上面に対して傾斜状態となり、この第二部材2を支持部材3が支持する状態となる。
【0062】
このように、本実施例は、第一部材1の上面の操作部が重合する第二部材により隠蔽された重合閉塞状態から、第一部材1の上面を露出するスライド開放状態とするために第一部材1に対して第二部材2を重合面方向の前方にスライドさせるだけで、第二部材2が自動的に起き上がり第一部材1の上面に対して傾斜状態となるので、例えば、第二部材1の上面にディスプレイ部を設けた場合は、コンパクト化した重合閉塞状態からスライド開放状態にスライドするだけで、自動的にスライド先端側がやや手前に起き上がり傾斜状態となり、画面が非常に見易くなるなど極めて実用性に優れた画期的なスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器となる。
【0063】
また、第一部材1と第二部材2とをスライド開放状態とした際に、第二部材2が傾斜状態となることで第一部材1の表面側と第二部材2の裏面側に空間部が生じ、この空間部に納められている、例えば、FPCなどの配線が露出してしまうが、本実施例では、支持部材3を第一部材1若しくは第二部材2の短手部側の幅を有する長方形状の板材で形成したことで、背面側(先端側)から見た際に、この空間部を支持部材3で目隠しすることとなり、従って、外観を損ねることが無く、更に、支持部材3が盾となって、この空間部に異物が入り込むことを防止する役割も果たすので、異物によって配線などが傷つけられることが無い実用性に優れたスライド装置並びにスライド装置を用いた電子機器となる。
【実施例2】
【0064】
本発明の具体的な実施例2について図16〜図24に基づいて説明する。
【0065】
本実施例は、実施例1と同様の作用効果を有するスライド装置であるが、実施例1とは構成が異なったものである。具体的には、実施例1ではスライド開放状態で第二部材2が傾斜状態となった際に支持部材3が第一部材1と第二部材2との夫々の先端部に配設するように構成しているが、本実施例では、この支持部材3の配設位置を内側に設けた構成としている。即ち、支持部材3の基端部に設けた第二回動連設部6を、第二取付部8の長手方向の略中間位置に設け、支持部材3の先端側に設けた第一回動連設部5のスライド終端部となるスライド止部4を第一取付部7の先端側よりも内側に設けた構成としている。
【0066】
また、実施例1では支持部材3の第一回動連設部5を第一部材1に設けた凹条溝部10にスライド自在に枢着した構成としているが、本実施例では、凹条溝部10及び枢着構造を要しない構成としている。
【0067】
また、実施例1では第一取付部7側にスライドガイド部9を設けて、このスライドガイド部9に、第二取付部8に設けたスライド凸部20が嵌合してスライドする構成としているが、本実施例では、第二取付部8に設けたスライド凸部20の代わりに第一取付部7の左右縁部が、第二取付部8に設けたスライドガイド部9と嵌合してスライドする構成としている。
【0068】
その余の構成は、実施例1と同様である。
【実施例3】
【0069】
本発明の具体的な実施例3について図25〜図27に基づいて説明する。
【0070】
本実施例は、実施例1と同様の作用効果を有するスライド装置であるが、実施例1とは構成が異なったものである。具体的には、実施例1では、支持部材3の一端部に第一回動連設部5を設け、他端部に第二回動連設部6を設け、第一回動連設部5を第一部材1に設けた第一取付部7にスライド自在に枢着し、第二回動連設部6を第二部材2に設けた第二取付部8に枢着し、第一部材1に対する第二部材2のスライド相対移動に伴って、支持部材3が第二部材2と同じ重合面方向にスライドする構成としているが、本実施例では、支持部材3の一端部に第一回動連設部5を設け、他端部に第二回動連設部6を設け、第一回動連設部5を第一部材1に設けた第一取付部7に枢着し、第二回動連設部6を第二部材2に設けた第二取付部8にスライド自在に枢着し、第一部材1に対する第二部材2のスライド相対移動した際に、この第二部材2は支持部材3に対しても相対的にスライドする構成としている。
【0071】
即ち、実施例1では、凹条溝部10を第一回動連設部5の先端側に設けた構成としたが、本実施例では、第二部材2に設けられた第二取付部8に凹条溝部10を設け、この凹条溝部10に支持部材3の基端部に設けた第二回動連設部6をスライド自在に枢着し、一方の支持部材3の先端部に設けた第一回動連設部5は第一部材1に設けられた第一回動連設部5に枢着した構成とすることで、この支持部材3は第一回動連設部5に固定した状態とり、従って、第一部材1に対して第二部材2がスライド移動した際に、支持部材3はスライドせず、第二部材2は支持部材3に対しても相対的にスライドする構成となる。
【0072】
その余の構成は、実施例1と同様である。
【0073】
尚、本発明は、本実施例1,2,3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0074】
1 第一部材
2 第二部材
3 支持部材
4 スライド止部
5 第一回動連設部
6 第二回動連設部
7 第一取付部
8 第二取付部
9 スライドガイド部
10 凹条溝部
11 スライド付勢機構
20 スライド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一部材と、この第一部材に重合配設した第二部材とを重合面方向にスライド自在に連結するスライド装置において、前記第一部材の上面を前記第二部材が隠蔽する重合閉塞状態から該第一部材の上面を露出するスライド開放状態にした際に該第二部材を前記第一部材の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持する支持部材を具備し、この支持部材の一端部を前記第一部材若しくは前記第二部材に起伏回動自在に設けると共に、他端部を前記第二部材若しくは前記第一部材に起伏回動自在に設け、且つ、前記支持部材の少なくとも一方の端部を前記第一部材若しくは前記第二部材に重合面方向にスライド自在に設けた構成とし、前記第一部材と前記第二部材とを前記重合閉塞状態から前記スライド開放状態とする該第一部材に対して該第二部材がスライドした際に、前記第二部材を重合面方向にスライドさせる力により、前記第二部材と前記支持部材との連設部を上方に押上げるように前記第一部材と前記支持部材との連設部を支点として該支持部材が起き回動して、前記支持部材が前記第二部材を前記第一部材の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けたことを特徴とするスライド装置。
【請求項2】
前記第一部材若しくは前記第二部材にスライド止部を設け、前記第一部材に対する前記第二部材のスライドに伴って前記支持部材の少なくとも一方の端部が重合面方向にスライドして前記スライド止部に当接した際に、前記第二部材を重合面方向にスライドさせる力により、前記第二部材と前記支持部材との連設部を上方に押上げるように前記第一部材と前記支持部材との連設部を支点として該支持部材が起き回動して、前記支持部材が前記第二部材を前記第一部材の上面に対して起き上がり傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けたことを特徴とする請求項1記載のスライド装置。
【請求項3】
前記支持部材の一端部に第一回動連設部を設け他端部に第二回動連設部を設け、前記第一回動連設部を前記第一部材に直接若しくは該第一部材に設けた第一取付部にスライド自在に枢着し、前記第二回動連設部を前記第二部材に直接若しくは該第二部材に設けた第二取付部に枢着し、前記第一部材に対する前記第二部材のスライド相対移動に伴って、前記支持部材が前記第二部材と同じ重合面方向にスライドし、前記第一回動連設部が前記第一部材に直接若しくは前記第一部材に設けた第一取付部に設けた前記スライド止部に当接して前記支持部材のスライドが停止した際に、前記第二部材のスライドによって前記第二回動連設部を上方に押上げるように、前記第一回動連設部を支点として前記支持部材が起き回動して、前記支持部材が前記第二部材を起き上がり傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けたことを特徴とする請求項2記載のスライド装置。
【請求項4】
前記支持部材の一端部に第二回動連設部を設け他端部に第一回動連設部を設け、前記第二回動連設部を前記第二部材に直接若しくは該第二部材に設けた第二取付部にスライド自在に枢着し、前記第一回動連設部を前記第一部材に直接若しくは該第一部材に設けた第一取付部に枢着し、前記第一部材に対する前記第二部材のスライド相対移動に伴って、前記支持部材が前記第二部材に対してスライド相対移動し、前記第二回動連設部が前記第二部材に直接若しくは該第二部材に設けた第二取付部に設けた前記スライド止部に当接して前記支持部材のスライド相対移動が停止した際に、前記第二部材のスライドによって前記第二回動連設部を上方に押上げるように、前記第一回動連設部を支点として前記支持部材が起き回動して、前記支持部材が前記第二部材を起き上がり傾斜状態に支持するチルトアップ機構を設けたことを特徴とする請求項2記載のスライド装置。
【請求項5】
前記チルトアップ機構は、前記第一部材の左右両端若しくは前記第一部材に設けた第一取付部の左右両端に、一端を枢着するスライドガイド部を設け、このスライドガイド部に前記第二部材の左右両端若しくは前記第二部材に設けた第二取付部の左右両端に設けたスライド部をスライド自在に設け、前記第一部材若しくは前記第一部材に設けた第一取付部の左右両側面に凹条溝部を設け、この凹条溝部に前記支持部材の前記第一回動連設部をスライド自在に設けて、前記第一部材に対して前記第二部材をスライド相対移動自在に設けたことを特徴とする請求項3記載のスライド装置。
【請求項6】
前記チルトアップ機構は、前記第一部材の左右両端若しくは前記第一部材に設けた第一取付部の左右両端に、一端を枢着するスライドガイド部を設け、このスライドガイド部に前記第二部材の左右両端若しくは前記第二部材に設けた第二取付部の左右両端に設けたスライド部をスライド自在に設け、前記第二部材若しくは前記第二部材に設けた第二取付部の左右両側面に凹条溝部を設け、この凹条溝部に前記支持部材の前記第二回動連設部をスライド自在に設けて、前記第一部材に対して前記第二部材をスライド相対移動自在に設けたことを特徴とする請求項4記載のスライド装置。
【請求項7】
前記チルトアップ機構は、前記第一部材に直接若しくは該第一部材に設けた第一取付部に起伏回動自在に枢着する前記支持部材の枢着部を、前記第二部材に直接若しくは該第二部材に設けた第二取付部に起伏回動自在に枢着する前記支持部材の枢着部よりも低い位置に設定したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のスライド装置。
【請求項8】
前記支持部材は、前記第一部材若しくは前記第二部材と略同等の幅を有する板状体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスライド装置。
【請求項9】
前記第一部材に対して前記第二部材が所定量スライドするまでは戻り付勢が生じ所定量以上スライドすると逆に進み付勢が生じるスライド付勢機構を具備したことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のスライド装置。
【請求項10】
操作部を設けた本体部を第一部材若しくは第二部材とし、ディスプレイ部を設けた重合部を前記第二部材若しくは前記第一部材とし、本体部と重合部とを重合配設し、この重合した状態から前記重合部を相対的に重合面方向にすれ違うようにスライドして重合面の一部を露出させることができるように前記本体部と前記重合部とを前記請求項1〜9のいずれか1項に記載のスライド装置を用いて連結したことを特徴とするスライド装置を用いた電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−199668(P2011−199668A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65039(P2010−65039)
【出願日】平成22年3月19日(2010.3.19)
【出願人】(396019022)株式会社ストロベリーコーポレーション (88)
【Fターム(参考)】