説明

スライム含有泥水の処理方法及びその処理システム

【課題】スライム含有泥水から砂分を除去して泥水を安定液として再利用可能とするとともに、スライム含有泥水に含まれる砂分を取り出して処理可能とするスライム含有泥水の処理方法及びその処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】掘削孔1から揚泥したスライム含有泥水2を沈殿槽7に供給して貯留することにより、沈殿槽7内に砂分を沈殿させ、沈殿槽7内に沈殿した砂分を連続的に掻き揚げることにより沈殿槽7外に取り出し、振動スクリーン12に供給して固液を分離するとともに、沈殿槽7からのオーバーフロー水16をサイクロン20に供給して分級することにより、砂分を除去した分級水21を安定液貯留槽23に供給し、又サイクロン20によって分級することにより、砂分を濃縮した濃縮水26を振動スクリーン12又は再び沈殿槽7に供給するスライム含有泥水の処理方法とその処理システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建築物の基礎杭としての場所打ち杭工法において、掘削中又は掘削を完了した掘削孔内に残存するスライム含有泥水から砂分を除去して泥水を安定液として再利用可能とするとともに、スライム含有泥水に含まれる砂分を取り出して処理可能とするスライム含有泥水の処理方法及びその処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から建築物の基礎杭としての場所打ち杭工法として、アースドリル工法,ベノト工法,リバースサーキュレーション工法等が提供されている。これらのいずれの工法においても掘削土砂の搬出、掘削機の冷却、地下水等の噴出防止、孔壁の崩壊防止等のため、安定液としてベントナイトを含む泥水を孔内に満して掘削作業を行なっている。そのため、掘削完了後の地中孔から掘削によって生じた堀屑や砂分が泥水と混じったスライムが混入した使用済みの泥水を揚泥して、再利用可能に、或いは環境に負荷を与えないように処理することが求められている。スライムは掘削後の泥水に含まれる微細な泥砂等の残渣であり、このスライムが孔底に沈澱して堆積しているため、孔の掘削状況を確認する超音波測定において孔底の掘削先端部や孔壁が測定できないことがあり、所定の掘削ができているか否かを確認する上での障害となってしまうという問題があるためである。
【0003】
従来、スライム含有泥水を処理する手段としては、図3に示すように、ステップaに示す掘削孔内のスライム含有泥水31を水中サンドポンプを使用して、ステップbに示すように揚泥水して、ステップcに示す沈殿槽32に貯留する。沈殿槽32内でスライム含有泥水31の砂分が沈殿砂分33として沈殿する。この沈殿砂分33を順次ステップdに示すバックホー34等の作業機械を使用して矢印Xに示すように沈殿槽32の外に取り出して撤去し、ステップeに示すように産廃(泥土)として処理している。
【0004】
一方、沈殿槽32内の上澄み液35は、水中サンドポンプを使用して矢印Yに示すようにステップfに示すサイクロン36に供給し、粒径74μm程度を分級点として分級する。サイクロン36で分級され74μm以上の砂分が除去されたステップlに示すサイクロンオーバーの分級水37は、ステップmに示す安定液貯留槽38に貯留され、ステップnに示すように再利用に供される。
【0005】
また、サイクロン36で分級され74μm以上の砂分が濃縮されたステップgに示すサイクロンアンダーの濃縮水39は、ステップhに示す振動スクリーン40に供給されてステップiに示す砂分41と、ステップjに示す水分42とに分離され、水分42はステップkに示す下部貯留槽43に貯留されてから、再びステップhに示す振動スクリーン40に供給されて分級されることを繰り返す。砂分41は残土として、そのまま廃棄又は再利用に供される。
【0006】
また、掘削工事で発生し、土砂成分を含む泥水または泥を工事場所の貯蔵槽を兼ねた処理設備から輸送手段で処理貯蔵設備まで輸送し、処理貯蔵設備によって泥水と、微粒子含有量を減じた土砂分とに分離し、含有土砂分を分離した泥水は新しい掘削操作に使用し、土砂は元のまたは別の掘削工事の埋め戻し用土砂または建設用土砂あるいは農地改良用として使用する泥水系処理において、炭酸ガスを流動する泥水に加えつつまたは加えた後、剪断力をかけつつ粒子分離をすること、微粒子を液体サイクロンによって分別しサイクロン下に得た土砂分をさらに皿状物または槽中を通過または滞留させ泥水と分離して水きり機能を有する置場に堆積し脱水すること、土砂分を分離した泥水を槽に貯蔵し槽内に連続または間歇的循環流れを与えること、からなる操作を行う方法も提供されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3493209号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図3に示す従来の処理手段によれば、簡潔な装置構成によって簡単にスライム含有泥水31を処理することが可能である。この手段では、沈殿槽32からの沈殿砂分33の除去をバックホー34等の作業機械を使用して行わなければならない。しかしながら、作業現場では、バックホー34等の作業機械の仕事量が多く、沈殿砂分33の除去が十分にできないことが現状である。そのため、上澄み液35にも砂分が多く混入し、サイクロン36で分級された分級水37にも砂分が混入し、安定液貯留槽38にも砂分が沈殿してしまい、安定液として再利用できなかったり、その品質が低下してしまう問題があった。また、安定液貯留槽38にも砂分が沈殿し、砂分で埋まることにより、安定液貯留槽38の容量を保てない問題があった。
【0009】
更に、サイクロン36で分級され、砂分が濃縮された濃縮水39を供給して振動スクリーン40によって砂分41を分離した水分42に砂分が多く混入し、水分42を貯留する下部貯留槽43内にも砂分が沈殿し、下部貯留槽43から水分42を振動スクリーン40に再供給するためのポンプが閉塞してしまうことがある。スライム含有泥水31の処理時には砂分の含有量が多いため、スライム含有泥水31に瞬時に沈殿することさえある。即ち、施工現場では、沈殿槽32からの沈殿砂分33の処理がおろそかになり、安定液貯留槽38にまで砂分が移送されているのが現状である。
【0010】
上記したように、サイクロン36に供給される砂分が多ければ多いほど、サイクロン36からリークして分級されない砂分も多くなるため、スライム含有泥水31に含まれている粒径74μm以上の砂分はできるだけ沈殿槽32に沈殿させて、この沈殿砂分33が上澄み液35に混入しないように迅速に除去することが必要である。
【0011】
一方、特許文献1によれば、泥水を貯留した貯蔵槽から輸送手段を介して処理貯蔵設備まで輸送しなければならず、揚泥水をした現場での処理ができず、更に、泥水をサイクロンに供給する前処理として、炭酸ガスを流動する泥水に加えたり、剪断力をかけつつ粒子分離をする必要があり、そのための設備を要するため、施工現場で処理するための実用性に欠けている。
【0012】
そこで本発明は上記事情に鑑みて、簡単な構成で施工現場において、スライム含有泥水を貯留する沈殿槽から砂分を除去して泥水を安定液として再利用可能とするとともに、スライム含有泥水に含まれる砂分を取り出して処理可能とするスライム含有泥水の処理方法及びその処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記目的を達成するために、掘削孔から揚泥したスライム含有泥水を沈殿槽に供給して貯留することにより、沈殿槽内に砂分を沈殿させるとともに、沈殿槽内に沈殿した砂分を連続的に掻き揚げることにより沈殿槽外に取り出し、振動スクリーンに供給して固液を分離するスライム含有泥水の処理方法を基本として提供する。また、掘削孔から揚泥したスライム含有泥水を沈殿槽に供給して貯留することにより、沈殿槽内に砂分を沈殿させ、沈殿槽内に沈殿した砂分を連続的に掻き揚げることにより沈殿槽外に取り出し、振動スクリーンに供給して固液を分離するとともに、沈殿槽からのオーバーフロー水をサイクロンに供給して分級することにより、砂分を除去した分級水を安定液貯留槽に供給し、又サイクロンによって分級することにより、砂分を濃縮した濃縮水を振動スクリーンに供給して固液を分離するスライム含有泥水の処理方法を提供する。
【0014】
更に、掘削孔から揚泥したスライム含有泥水を沈殿槽に供給して貯留することにより、沈殿槽内に砂分を沈殿させ、沈殿槽内に沈殿した砂分を連続的に掻き揚げることにより沈殿槽外に取り出し、振動スクリーンに供給して固液を分離するとともに、沈殿槽からのオーバーフロー水をサイクロンに供給して分級することにより、砂分を除去した分級水を安定液貯留槽に供給し、又サイクロンによって分級することにより、砂分を濃縮した濃縮水を再び沈殿槽に供給するスライム含有泥水の処理方法を提供する。
【0015】
そして、沈殿槽内に沈殿した砂分をスクリューコンベアによって沈殿槽の一端部に搬送し、搬送された砂分をバケットで掻き揚げることにより、砂分を連続的に振動スクリーンに供給する方法、サイクロンによって、粒径50μm〜74μmを分級点として分級する方法、及び安定液貯留槽に貯留された分級水を再び掘削用の泥水として再利用する方法、振動スクリーンによって固液分離することにより、砂分を分離して取り出す方法、振動スクリーンによって固液分離された水分を再び沈殿槽に供給する方法を提供する。
【0016】
また、掘削孔から揚泥したスライム含有泥水を貯留する沈殿槽と、沈殿槽に設置された掻き揚げ装置と、掻き揚げ装置に隣接して設置された振動スクリーンと、沈殿槽のオーバーフロー水が供給されるサイクロンとからなるスライム含有泥水の処理システムを提供する。更に、沈殿槽のオーバーフロー水を貯留するオーバーフロー槽を有する構成、掻き揚げ装置が、沈殿槽内に沈殿した砂分を搬送するスクリューコンベアと、搬送された砂分を掻き揚げるバケットからなる構成、沈殿槽に沈殿した砂分を掻き揚げ装置で掻き揚げて振動スクリーンに供給し固液を分離する構成、サイクロンで分級されて砂分が除去された分級水を貯留する安定液貯留槽を有する構成、サイクロンで分級されて砂分が濃縮された濃縮水を沈殿槽又は振動スクリーンに供給する手段を有する構成、及び振動スクリーンで固液分離された水分を沈殿槽に供給する手段を有する構成を提供する。
【発明の効果】
【0017】
上記構成の本発明によれば、沈殿槽内にスクリューコンベアとバケット装置からなる掻き揚げ装置を使用して沈殿槽から沈殿砂分を連続的に掻き揚げることにより沈殿槽外に取り出しているため、沈殿槽に多量の砂分が沈殿し、利用可能な沈殿槽の容積が減少することがない。また、沈殿槽からのオーバーフロー水に多量の砂分が混入することもなく、その結果サイクロンからリークしてしまう砂分も減少させることができる。そのため、サイクロンによって分級されてアンダフロー水である分級水を安定液として再利用することが可能である。また、除去された砂分は振動スクリーンによって固液分離されているため、産業廃棄物とならず、残土として簡易に処理することが可能である。よって、スライム含有泥水から砂分を除去して泥水を安定液として再利用可能とすることができるとともに、スライム含有泥水に含まれる砂分を取り出して処理可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかるスライム含有泥水の処理方法を概略的に示すシステム図。
【図2】本発明にかかるスライム含有泥水の処理システムを示す要部説明図。
【図3】従来のスライム含有泥水の処理システムを概略的に示すシステム図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下図面に基づいて本発明にかかるスライム含有泥水の処理方法及びその処理システムの実施形態を説明する。本発明が対象とするスライム含有泥水は、掘削中又は掘削を完了した掘削孔内に残存する粒径74μm〜2.0mm程度の細砂や粗砂の砂分を含有する安定液としての泥水であって、ベントナイト,CMC(増粘剤),スライム(微細な砂分や土粒子)が水に懸濁している液体である。このスライム含有泥水を再利用するためには、粒径74μm〜2.0mm程度の細砂や粗砂の砂分、或いは砂分よりも粒径の大きい礫を除去する必要があり、又砂分を廃棄処理するためには砂分から固液を分離して水分を除去することが望ましい。
【0020】
本発明は、掘削孔から揚泥したスライム含有泥水から砂分、或いは礫を除去することにより、安定液として再利用可能とするとともに、除去された砂分を固液分離することによって、環境に負荷を与えることなく最終的な処分を容易とするものである。なお、砂分の粒径は74μm〜2.0mm程度であり、砂分や礫を除去するためには、74μmを分級点とすればよい。
【0021】
図1は、本発明にかかるスライム含有泥水の処理方法を概略的に示すシステム図、図2はその処理システムを示す要部説明図である。先ずステップAに示す掘削中又は掘削済みの掘削孔1内に残存するスライム含有泥水2を、公知のスライム処理装置3に吊支された水中サンドポンプ4を掘削孔1内に降下させて吸引させることにより、ホース5を介してステップBに示すように揚泥水する。地上に揚泥水されたスライム含有泥水2は配管6を介して、ステップCに示す地上に設置された沈殿槽7に連続的に供給されて、貯留されることにより、沈殿槽7内に砂分が沈殿して、ステップDに示す沈殿砂分8が堆積してゆく。なお、この沈殿砂分8には粒径74μm〜2.0mm程度の砂分、或いは砂分以上の粒径を有する礫も含まれる。
【0022】
沈殿槽7内には、スクリューコンベア9とスクリューコンベア9に隣接して設置されたバケット装置10からなるステップEに示す掻き揚げ装置11が設置されている。このスクリューコンベア9は沈殿槽7内の長手方向に軸9aを介して回転自在に軸支されており、このスクリューコンベア9が回転することにより、沈殿砂分8及び沈殿槽7に貯留されたスライム含有泥水2に含まれる砂分(以下、併せて沈殿砂分8という)は矢印Z方向の沈殿槽7の一端部に搬送される。バケット装置10は、複数のバケットを有して沈殿槽7の幅方向に回転自在に軸支されており、スクリューコンベア9で沈殿槽7の一端部に搬送された沈殿砂分8をバケットで順次掻き揚げて、ステップFに示す振動スクリーン12に連続的に供給する。
【0023】
沈殿砂分8は、ステップFで振動スクリーン12によって固液が分離され、ステップGに示す除去された砂分13が排出されるとともに、ステップHに示す分離された水分14は、ステップIに示す下部貯留槽15に貯留され、再びステップCに示す沈殿槽7に供給される。以上のようにしてスライム含有泥水2から除去された砂分13は、残土として廃棄又は再利用される。
【0024】
一方、沈殿槽7からオーバーフローしたステップJに示すオーバーフロー水16は、ステップKに示すオーバーフロー槽17に供給され、オーバーフロー槽17に設置された水中サンドポンプ18によって、配管19を介してステップLに示すサイクロン20に供給される。サイクロン20では、粒径50μm〜74μmを分級点として分級される。粒径74μm以下の土粒子はシルトや粘土となるため、スライム含有泥水2から砂分を除去するための分級点としては粒径74μmでよいが、更に使用するサイクロン20の能力によっては50μmを分級点とすることも可能である。なお、分級点とはサイクロン20の分級されたオーバーフロー水と、濃縮されたアンダーに含まれる割合が50:50となる粒子の大きさを指す。
【0025】
サイクロン20で分級され粒径50μm〜74μm以上の砂分が除去されたステップMに示すサイクロンオーバーの分級水21は、配管22を介してステップNに示す安定液貯留槽23に貯留され、安定液貯留槽23から水中サンドポンプ24を介して配管25によって、ステップOに示すように安定液として再利用に供される。
【0026】
また、サイクロン20で分級され粒径50μm〜74μm以上の砂分が濃縮されたステップPに示すサイクロンアンダーの濃縮水26は、配管27を介してステップFに示す振動スクリーン12に供給されてステップGに示す除去された砂分13と、ステップHに示す水分14に分離され、水分14はステップIに示す下部貯留槽15に貯留されてから、再びステップCに示す沈殿槽7に供給されて分級されることを繰り返す。或いは濃縮水26を配管28を介してステップCに示す沈殿槽7に戻すようにしてもよい。
【0027】
安定液としての掘削用泥水のファンネル粘性が25秒/500ccを超えると砂分が浮遊することとなり、沈殿しないこととなる。ファンネル粘性は地層によって使い分けるため、処理すべきスライム含有泥水2のファンネル粘性が25秒/500cc以下であれば、沈殿槽7に戻して沈殿させることができ、又25秒/500ccを超えれば沈殿しないため、振動スクリーン12に供給することとなる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明にかかるスライム含有泥水の処理方法及びその処理システムによれば、沈殿槽,掻き揚げ装置,サイクロン,振動スクリーンを組み合わせることにより、沈殿槽内に沈殿する沈殿砂分をバックホー等の作業機械を使用することなく連続して処理することができる。そのため、サイクロンに供給される砂分の量を減らし、泥水を安定液として再利用可能とするとともに砂溜めのための沈殿槽を不要とすることができる。
【0029】
即ち、本発明によれば、沈殿槽内にスクリューコンベアとバケット装置からなる掻き揚げ装置を使用して沈殿槽から沈殿砂分を連続的に掻き揚げることにより沈殿槽外に取り出しているため、沈殿槽に多量の砂分が沈殿し、利用可能な沈殿槽の容積が減少することがない。また、沈殿槽からのオーバーフロー水に多量の砂分が混入することもなく、その結果サイクロンからリークしてしまう砂分も減少させることができる。そのため、サイクロンによって分級されてアンダフロー水である分級水を安定液として再利用することが可能である。また、除去された砂分は振動スクリーンによって固液分離されているため、産業廃棄物とならず、残土として簡易に処理することが可能である。よって、スライム含有泥水から砂分を除去して泥水を安定液として再利用可能とすることができるとともに、スライム含有泥水に含まれる砂分を取り出して処理可能とすることができる。
【符号の説明】
【0030】
1…掘削孔
2…スライム含有泥水
3…スライム処理装置
4,18,24…水中サンドポンプ
5…ホース
6,19,22,25,27,28…配管
7…沈殿槽
8…沈殿砂分
9…スクリューコンベア
10…バケット装置
11…掻き揚げ装置
12…振動スクリーン
13…除去された砂分
14…水分
15…下部貯留槽
16…オーバーフロー水
17…オーバーフロー槽
20…サイクロン
21…分級水
23…安定液貯留槽
26…濃縮水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
掘削孔から揚泥したスライム含有泥水を沈殿槽に供給して貯留することにより、沈殿槽内に砂分を沈殿させるとともに、沈殿槽内に沈殿した砂分を連続的に掻き揚げることにより沈殿槽外に取り出し、振動スクリーンに供給して固液を分離することを特徴とするスライム含有泥水の処理方法。
【請求項2】
掘削孔から揚泥したスライム含有泥水を沈殿槽に供給して貯留することにより、沈殿槽内に砂分を沈殿させ、沈殿槽内に沈殿した砂分を連続的に掻き揚げることにより沈殿槽外に取り出し、振動スクリーンに供給して固液を分離するとともに、沈殿槽からのオーバーフロー水をサイクロンに供給して分級することにより、砂分を除去した分級水を安定液貯留槽に供給し、又サイクロンによって分級することにより、砂分を濃縮した濃縮水を振動スクリーンに供給して固液を分離することを特徴とするスライム含有泥水の処理方法。
【請求項3】
掘削孔から揚泥したスライム含有泥水を沈殿槽に供給して貯留することにより、沈殿槽内に砂分を沈殿させ、沈殿槽内に沈殿した砂分を連続的に掻き揚げることにより沈殿槽外に取り出し、振動スクリーンに供給して固液を分離するとともに、沈殿槽からのオーバーフロー水をサイクロンに供給して分級することにより、砂分を除去した分級水を安定液貯留槽に供給し、又サイクロンによって分級することにより、砂分を濃縮した濃縮水を再び沈殿槽に供給することを特徴とするスライム含有泥水の処理方法。
【請求項4】
沈殿槽内に沈殿した砂分をスクリューコンベアによって沈殿槽の一端部に搬送し、搬送された砂分をバケットで掻き揚げることにより、砂分を連続的に振動スクリーンに供給する請求項1,2又は3記載のスライム含有泥水の処理方法。
【請求項5】
サイクロンによって、粒径50μm〜74μmを分級点として分級する請求項2,3,又は4記載のスライム含有泥水の処理方法。
【請求項6】
安定液貯留槽に貯留された分級水を再び掘削用の泥水として再利用する請求項2,3,4又は5記載のスライム含有泥水の処理方法。
【請求項7】
振動スクリーンによって固液分離することにより、砂分を分離して取り出す請求項1,2,3,4,5又は6記載のスライム含有泥水の処理方法。
【請求項8】
振動スクリーンによって固液分離された水分を再び沈殿槽に供給する請求項1,2,3,4,5又は6記載のスライム含有泥水の処理方法。
【請求項9】
掘削孔から揚泥したスライム含有泥水を貯留する沈殿槽と、沈殿槽に設置された掻き揚げ装置と、掻き揚げ装置に隣接して設置された振動スクリーンと、沈殿槽のオーバーフロー水が供給されるサイクロンとからなることを特徴とするスライム含有泥水の処理システム。
【請求項10】
沈殿槽のオーバーフロー水を貯留するオーバーフロー槽を有する請求項9記載のスライム含有泥水の処理システム。
【請求項11】
掻き揚げ装置が、沈殿槽内に沈殿した砂分を搬送するスクリューコンベアと、搬送された砂分を掻き揚げるバケットから構成されている請求項9又は10記載のスライム含有泥水の処理システム。
【請求項12】
沈殿槽に沈殿した砂分を掻き揚げ装置で掻き揚げて振動スクリーンに供給し固液を分離する請求項9,10又は11記載のスライム含有泥水の処理システム。
【請求項13】
サイクロンで分級されて砂分が除去された分級水を貯留する安定液貯留槽を有する請求項9,10,11又は12記載のスライム含有泥水の処理システム。
【請求項14】
サイクロンで分級されて砂分が濃縮された濃縮水を沈殿槽又は振動スクリーンに供給する手段を有する請求項9,10,11,12又は13記載のスライム含有泥水の処理システム。
【請求項15】
振動スクリーンで固液分離された水分を沈殿槽に供給する手段を有する請求項9,10,11,12,13又は14記載のスライム含有泥水の処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−38344(P2011−38344A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−187656(P2009−187656)
【出願日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(509134569)友弘エコロジー株式会社 (4)
【Fターム(参考)】