説明

スラリー脱水のための装置および方法

本発明は、スラリー脱水システムへ適用され、スラリー流から第一サイズ以上の物体を分離し、第一処理済スラリーを作り出す第一分離装置と、その第一処理済スラリー流を受け入れ、そのスラリー流から第二サイズ以上の物体を分離し、第二処理済スラリーを作り出し、その第二サイズは第一サイズよりも小さい、第二分離装置と、その第二処理済スラリー流を受け入れ、そのスラリー流から第三サイズ以上の物体を分離し、その第三サイズは第二サイズよりも小さい、任意の第三分離装置とを備える。第一態様によると、第一分離装置は、フレキシブルザル状マット部が主支持フレーム部と可動支持フレーム部に交互に接続し、可動支持フレーム部により激しく振動することができる、フレキシブルザル状マット部と、そのフレキシブルザル状マット部を通過した第一処理済スラリーを集める収集部とを備える。第三分離装置の懸濁物を含む流水を供給するダクトは、懸濁物を含む水流を受け入れ、流入方向を決定し、その流入方向に垂直な方向に最大流入幅の最大値を有する流入部と、懸濁物を含む水流を排出し、流出方向を決定し、その流出方向に垂直に流出幅の最大値を有する、その最大流出幅は前記最大流入幅よりも大きい流出部と、前記流入部と流出部を接続するダクト部を備える。ガス供給部は、流入部またはダクト部に備えられており、水流の重量を軽くするため、懸濁物を含む水流へガスを供給する。任意の第4工程では、スラリーから分離された固形物から水は、船舶へ供給さることにより除去され、その船舶は、第一部、第二部、その第一部と第二部を分離するフィルタ膜、第二部から液体を除去し第二部内の圧力を第一部と比べて低減させるホンプ集合部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラリー、特に浚渫泥に起因するスラリーの脱水技術の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
浚渫泥の廃棄は、浚渫受託業者にとっては重大な問題である。浚渫泥はスラリーという形で水中に懸濁している。そのようなスラリーは、直接潟湖または沈殿地に流された場合、深刻な再生の問題を引き起こすこともある。従って、効率的に脱水してこれらスラリーから固形物を再生する必要がある。本発明は、迅速で効果的に固形物から水を分離させるための方法を提供し、それにより経済的に体積を減らし、沈殿物の再生、再利用又は廃棄に対し魅力的な選択肢を提供する。
【0003】
ポンプ浚渫機は、自然又は人工の水路から様々な沈殿物を除去するのに効果的な掘削装置である。浚渫機は、汚染又は有害だと分類される沈殿物と共に無害だと分類される沈殿物も除去する。沈殿物は、砂、砂利、粘土、沈泥などの岩屑、有機物またはそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、粘度、沈泥、有機物を含む、固形物の最も細かい粒子が体積の最も大きな原因となり、この部分が最も再生するのが難しい。ポンプ浚渫の工程で水路から掘削された全ての物質は処理場へ除去されなければならない。従来これらの処理場は、最も細かい微粒子物質がゆっくり沈殿するという特徴に対応して設計されている沈殿地を有する。これらの“汚泥潟湖”は様々な形で周辺の地域社会に負担をかける。それらは土地のかなりの面積を占め、水和した沈殿物が自然消滅するための時間のかかる工程で発せられる有毒ガスの臭いのため、概して不快な近隣物である。
【0004】
それらの従来の沈殿地に関連する問題を解決するために、浚渫スラリー脱水システムが導入された。これらの脱水システムは、水から浚渫固体を、その固体を再利用または処分するために分離するために使用される。このシステムは、例えば、スクリーニング装置、ハイドロサイクロン、遠心分離機、ベルトプレス、除去用船を備える。これらのシステムの多くは、“バッチ処理”工程を行い、それは、一定の間隔で、所定量の浚渫泥のみを処理する。その浚渫泥は最初、保持船にポンプでくみ上げられ、そして、浚渫が沈殿しているときに、スラリーがゆっくりとポンプでくみ上げられ、それぞれの装置で順番に処理され、それはその保持船が再び満たされるまで続く。この脱水システムの個々の装置の処理速度は、浚渫処理の全体の速度を規定する。そのようなバッチシステムに伴う効率の悪さは、処理のコストを上昇させる。
【0005】
本発明者によって、連続脱水システムが提案された。一般に、それらのシステムは、一般スラリー脱水システムの発展と述べればよく、スラリー流から第一サイズ以上の物体を分離し、第一処理済スラリーを作り出す第一分離装置と、
その第一処理済スラリー流を受け入れ、そのスラリー流から第二サイズ以上の物体を分離し、第二処理済スラリーを作り出し、その第二サイズは第一サイズよりも小さい、第二分離装置と、
上記の第二処理済スラリー流を受け入れ、その第二処理済スラリー流から第三サイズ以上の物体を分離し、その第三サイズは第二サイズよりも小さい、第三分離装置を備えるスラリー流脱水装置を与える。
【0006】
処理のさらなる段階、例えば、その処理された水から固形物をさらに除去したり、スラリー流の初期の段階で除去された固形物をさらに脱水することを備えてもよい。
【0007】
米国特許5,656,174号では、連続処理が可能な脱水システムについて開示されている。このシステムでは、一連のろ過スクリーンという形式の第一分離装置と、細かい固形物を集結させる凝集剤と加えた後に、選択的にハイドロサイクロンなどの第二分離装置という手段を用いる。そして、集積された物体は、A形のフレーム上に支持される二つのスクリーンを有するトラッキングスクリーン装置という形式の第三分離装置を通過することによってろ過される。選択的に、その処理された水はさらに固形物を除去するため遠心分離機にかけられる。
【0008】
米国特許6149811号は、スラリー供給流内の固形物を収集するスクリーン装置を開示しており、それは様々な角度で一体に連結されている複数のスクリーンを備える。それは第三分離装置として使用することが可能である。
【0009】
PCT特許出願WO01/85628は、操作が容易で、高い流速で処理可能な汚泥脱水システムを提供する。これは、米国特許5,656,174号で開示された工程の特に最後の段階に適用することができる。スラリー流は一つまたはそれ以上のパラメータを連続的に決定することにより脱水され、その決定されたパラメータに対応してスラリー流に凝集剤が加えられ、その凝集剤がスラリーと混ぜられ凝集されたスラリー流となり、その凝集されたスラリーは拡散装置を通してトラッキングスクリーンに流され、そのトラッキングスクリーンを通してその凝集されたスラリーはろ過され、固形物とろ過された液体となる。上記パラメータとは、スラリーの流速、スラリーのパルプ濃度、ろ過された液体のパルプ濃度である。トラッキングスクリーンは、米国特許5,656,174号の装置で使用される第三分離装置として適している。
【0010】
PCT特許出願WO01/85628は、特にトラッキングスクリーンへ凝集されたスラリー流を送るために設計された拡散装置について開示しており、その拡散装置は、凝集されたスラリー流の流入部を有する底部から立設し、凝集されたスラリー流がトラッキングスクリーンへと流される上部へ向かう垂直に配置された導管を備え、その導管は、一定に保たれるか底部から上部に向かい大きくなる水平な断面と、株から上部に向かい実質的に増える縦横比を持つ。
【0011】
PCT特許出願WO01/85628は、トラッキングにより除去された凝集されたスラリーが、固形物ベルトプレスの使用によりさらに脱水されることをさらに開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者は、装置の動作を改良するために、包括的なスラリー脱水システムのそれぞれの分離装置の段階の改良を求め続けた。
【0013】
移動可動なポンプ浚渫からの水流は頻繁にさまざまな種類の破片を一緒に運んでいることが判明した。この破片とは、貝、岩、プラスチックの買物袋、ショッピングカートまたは沈没した船の金属の部品、電池、木材チップ、木質繊維、ワイヤー、釣り糸、水中植物、生命体の死骸、剥がされたカーペット、人工芝、などのうちのどれでも、あるいは全ての物が含まれる。従来の方法では、2つのタイプの装置(多くの場合一緒に作動する)が、浚渫流から破片を除去する試みに使用されてきた。この二部式システムの第一部は、通常格子状または並列形状に設計された重金属棒から構成された粗スクリーニング装置を備える。通常浚渫流は、自浄化のレベルを促進するために斜めにこの格子上にポンプでくみ上げられる。この重金属の設計が必要であるのは、岩、貝、その他の重い破片がこのスクリーンを塞いでしまうからである。重金属スクリーニング部の後に、通常は、振動スクリーンのようなもっと細かいスクリーンが続く。
【0014】
しかしながら、水中植物またはカーペット繊維などがある場合、粗スクリーンと振動スクリーンは共に、両方のスクリーンの表面部分が繊維質または植物によって詰まることにより、塞がれるということが判明した。この種類の閉塞は、この業界ではめつぶしと呼ばれ、深刻な問題である。場合によっては、浚渫流はスクリーンを清掃するために定期的に停止されなければならない。時として、スクリーンの清掃は一分に数回行なわれることもある。
【0015】
本発明の目的は、先行技術の問題を回避するスラリー流脱水装置で使用される第一分離装置を提供することである。
本発明のさらなる目的は、めつぶしという問題を低減することができるスラリー流脱水装置で使用される第一分離装置を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0016】
本発明者は、使用中激しく動かされ“跳躍”運動をする複数のザル状マットを備える分離装置は、破片を除去すること非常に優れており、めつぶしに対して高い抵抗性を有することに気が付いた。
【0017】
それらの分離装置は、物質の水からの分離の分野、特に基質から微細物質を除去する時において、知られている。しかしながら、これらは、スラリーのスクリーニングにおいては取り入れられなかった。それらの分離装置は、スラリーのスクリーニングに利用するためにザル状マット部を通過するスラリーを集めるための、フレキシブルザル状マット部の下に位置する収集部を含むように変更されなければならない。
【0018】
従って、第一態様において、本発明は、スラリー流脱水装置であり、
スラリー流から第一サイズ以上の物体を分離し、第一処理済スラリーを作り出す第一分離装置と、
その第一処理済スラリー流を受け入れ、そのスラリー流から第二サイズ以上の物体を分離し、第二処理済スラリーを作り出し、その第二サイズは第一サイズよりも小さい、少なくとも第二分離装置と、を備え、
前記第一分離装置は、
主支持フレーム部と、その主支持フレーム部上に移動可能に設置された可動支持フレーム部から成るフレーム集合部と、
そのフレーム集合部の長さ方向に沿って横方向に間隔が開けられた複数のザル状マット支持部と、
フレーム集合部の長さ方向に沿って伸び、そのザル状マット支持部に接続しそれによって支持されるフレキシブルザル状マット部と、そのザル状マット支持部は交互に前記主支持フレーム部と前記可動支持フレーム部に接続しており、
前記フレキシブルザル状マット部下に位置し、そのフレキシブルザル状マット部を通過した第一処理済スラリーを集める収集部と、を備えることを特徴とする装置を提供する。
本発明の第一の態様は、さらに、スラリー流脱水方法であり、
スラリー流を第一分離装置へ供給し、そのスラリー流から第一サイズ以上の物体を分離して、第一処理済スラリーを作り出すことと、
その第一処理済スラリー流を少なくとも第二分離装置へ供給し、そのスラリー流から第二サイズ以上の物体を分離し、第二処理済スラリーを作り出すこととを備え、その第二サイズは第一サイズよりも小さく、前記第一分離装置は、主支持フレーム部と、その主支持フレーム部上に移動可能に設置された可動支持フレーム部から成るフレーム集合部を備え、
そのフレーム集合部の長さ方向に沿って横方向に間隔が開けられた複数のザル状マット支持部と、
フレーム集合部の長さ方向に沿って伸び、そのザル状マット支持部に接続しそれによって支持されるフレキシブルザル状マット部と、を備え、そのザル状マット支持部は交互に前記主支持フレーム部と前記可動支持フレーム部に接続しており、
その可動支持フレーム部に接続された前記フレキシブルザル状マット部の一部に連続的に振動を伝えるために、その可動支持フレーム部は激しく振動させられ、処理済スラリーは、そのフレキシブルザル状マット部の下に位置した収集部に接続されている前記フレキシブルザル状マット部を通ることを備える方法を提供する。
【0019】
PCT特許出願WO01/85628は、正面図においては概して扇形であり、相対的に細い底部から、該三角形の中部を介して、相対的に幅広の上部となる拡散装置を示している。側面図では、底部から細い上部へ向けて先細りしている。
【0020】
この拡散装置は、凝集されたスラリー流をトラッキングスクリーンへ均一に分散することを可能にするので、使用される。このような拡散装置なしでは、トラッキングスクリーンに辿り着く前に、凝集されたスラリー流の詰まりが起こったり、トラッキングスクリーンへ凝集されたスラリー流が不均一に分散される。
【0021】
トラッキングスクリーンの表面上の凝集されたスラリーの均一な分散は、浚渫脱水システムが満足に作動するためには、非常に重要である。しかしながら、実際は凝集されたスラリーの均一な分散は時として得られないということが判明している。理論に縛られるつもりはないが、これらは凝集されたスラリーの非ニュートン的性質によると考えられている。特に、ある状況下では、集積されたスラリーは、拡散装置内で凝結して沈殿し始めるため、均一な分散を妨げる。これは、拡散装置を通る水流に取り込まれるには、集積された基質の密度が高すぎる場合に特にそうであると判明した。これは、例えば、重い重力の沈殿物、又は高い質量比の沈殿物がスラリーに混入することによって、引き起こされるかもしれない。
【0022】
さらに問題を悪化させるのは、拡散装置内の水の流速は意図的に変更できないという事であり、なぜならそれは、工程の他の過程が、臨界的な質量平衡状態であるからである。例えば、トラッキングスクリーンは流水のある最大量のみを処理できるかもしれない。過剰な物質は、流出を引き起こすスクリーンのめつぶしにつながることがある。拡散装置の最適な配置は、任意の特定のタイプの沈殿物や沈殿物の流速に対して得ることが可能であるが、多くの種類の環境のスラリーを処理可能であることが望まれる。
【0023】
従って、本発明のさらなる目的は、先行技術の問題を避けることができる、水から懸濁土を分離する装置に使用されるダクトを提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、ダクトの流出部での懸濁土を含む水の不均一な分散という問題を避けることができる、水から懸濁土を分離する装置に使用されるダクトを提供することである。
【0025】
本発明者は、ダクト内の懸濁土を含む水の流速は、その流量を増加させるガスを供給することにより自由にコントロールすることが可能であるということに気がついた。
【0026】
このタイプのダクトは、水から懸濁土を分離するあらゆる装置に適用可能であるが、特に、凝集剤を用いてスラリーを脱水する装置や方法においてスラリーを供給するのに適している。
【0027】
第二態様において、本発明は、水から懸濁物を分離するための装置に使用されるダクトであり、
懸濁物を含む水流を受け入れ、流入方向を決定し、その流入方向に垂直な方向に最大流入幅の最大値を有する流入部と、
懸濁物を含む水流を排出し、流出方向を決定し、その流出方向に垂直な流出幅の最大値を有する、その最大流出幅は前記最大流入幅よりも大きい流出部と、
前記流入部と流出部を接続するダクト部を備え、懸濁物を含む液体流へガスを供給するために、その流入部またはダクト部に少なくとも一つのガス供給部を備えることを特徴とするダクトを提供する。
【0028】
本発明の第二態様は、さらに、水から懸濁物を分離する方法において、懸濁物を含む水を供給する方法であって、その方法は、懸濁物を含む水をダクトに供給することを含み、
そのダクトは、
流入方向を決定し、その流入方向に垂直な方向に最大流入幅を有する流入部と、
流出方向を決定し、その流出方向に垂直な方向に最大流出幅を有し、その最大流出幅は前記最大流入幅よりも大きい流出部と、
前記流入部と流出部を接続するダクト部を備え、その流入部またはダクト部内で、懸濁物を含む水流へガスが供給されることを特徴とする方法を提供する。
【0029】
液体の流れにガスを供給することにより、水とガスが混じる流量は、非常に容易にコントロールすることができる。さらに、ガスの気泡の存在は、水中の凝集された固形物の沈殿を防ぐ傾向がある。単に気泡が上昇し水から分離するため、このガスは水から非常に容易に除去することができる。
【0030】
上記のように、PCT特許出願WO01/85628では、毛管水を除去するさらなる脱水処理により、凝集され分離された固形物から脱水することができるということが指摘されている。PCT特許出願WO01/85628に開示されているトラッキングスクリーンにより分離された凝集された固形物は、20−40重量%の範囲の含水率である。この含まれている水分は主として、凝集された粒子間の狭い隙間に保持され、重力脱水によって除去するのは困難である。これが毛細水と称される。従来、そのような毛細水は、ベルトプレスを使い圧搾または圧迫することにより除去してきた。しかしながら、そのようなベルトプレスには、休止時間という問題が生じてきた。大きなベルトは、時間がたつにつれ引き伸ばされ裂けるため、交換が必要である。水力及び電力のシステムは、悪天候又は電圧変化に対して、敏感で脆弱である。ベルトプレスは、故障しやすい可動部品を多く採用する。複合的なプレスが使用された場合、複雑な問題は倍増し、休止時間が深刻な問題となる。
【0031】
従って、本発明のさらなる目的は、さらに定常状態での操作が簡単で費用効率が高く容易である、ろ過処理された固形物から水を除去する方法及び装置を提供することである。
【0032】
本発明者は、トラッキングスクリーンから得られたろ過処理された固形物(又は、フィルタケーキ)はフィルタ膜上に広がり、フィルタ膜下の圧力が減少させることにより脱水処理にさらされることに気がついた。そのケーキは効果的なシールを形成するので、適切な膜が使用される場合は、とても効果的な脱水処理が得られる。
【0033】
従って、本発明の第三態様は、スラリーから分離された固形物から水を除去するための装置であり、その装置は、
第一部と第二部を有する船舶を備え、その第一部と第二部はフィルタ膜によって分離されており、そのフィルタ膜は水を通し固形物を残すような構造をしており、
第一部はスラリーから分離された固形物を受け、第二部はポンプ集合部に接続されており、そのポンプ集合部は第二部から水を除去し、また第二部内の圧力を第一部と比べて低減させることを特徴とする装置を提供する。
【0034】
本発明は、さらに、スラリーから分離された固形物から水を除去するための方法であり、その方法は、
第一部と第二部を有する船舶を備え、その第一部と第二部はフィルタ膜によって分離されており、そのフィルタ膜は水を通し固形物を残すような構造をしている工程と、
第一部にスラリーから分離された固形物を供給し、前記フィルタ膜上で層を形成する工程と、
前記ポンプ集合部を用い、第一部と比べて第二部内の圧力を低減させ、また第二部から水を除去し、前記固形物の層から水を除去する工程を有する方法を提供する。
【0035】
本発明の望ましく選択的された特徴が、以下に説明される。
【0036】
本発明の第一態様の方法と装置は、一般的なスラリー脱水システムの第一分離工程で利用できる。本発明の第二態様の方法と装置は、一般的なスラリー脱水システムの第三分離工程で利用できる。本発明の第三態様の方法と装置は、一般的なスラリー脱水システムのさらなる処理工程で利用できる。
【0037】
本発明の第一、二、三の態様の装置は、米国特許5656174号の方法で利用できる。
【0038】
PCT特許出願WO01/85628の装置及び方法は、本発明の第一態様の装置の選択された第三分離工程で使用することができる。
【0039】
米国特許6149811号のスクリーンと装置は、本発明の第一態様の第三分離工程に従った方法と装置で使用することができる。
【0040】
望ましくは、本発明の第一態様のスラリー流脱水装置は、前記の第二処理済スラリー流を受け入れ、その第二処理済スラリー流から第三サイズ以上の物体を分離し、第三分離装置をさらに備え、その第三サイズは第二サイズよりも小さいことを特徴とするのが好ましい。本発明の第一態様の方法では、さらにその第二処理済スラリー流を第三分離装置へ供給し、そのスラリー流から第二サイズ以上の物体を分離し、第三処理済スラリーを作り出す工程をさらに備え、その第三サイズは第二サイズよりも小さいことを特徴とするのが好ましい。
【0041】
本発明の第一態様の第一分離装置では、主支持フレーム部は底部に立設されるのが好ましい。
【0042】
駆動力をそこに加えるために主支持フレーム部に接続される偏心動力機械装置があるのが好ましい。例えば振動する駆動力のような周期的な駆動力が好ましい。それは、回転自在に取り付けられた偏心分銅を備えることもできる。
【0043】
本発明の第一態様の第一分離装置の構造により、可動支持フレーム部によりフレキシブルザル状マット部が連続的に動き、そのフレキシブルザル状マット部上に集まった物質を除去することができるということが判明した。
【0044】
ザル状マット部が、“反転”及び“跳躍”という動きを行なうことができるように設計されることが好ましい。つまり、可動支持フレーム部により動かされた時、ザル状マット部の各部品は、第一位置から第二位置へ非常に早く移動するように設計されているのが好ましい。単振動を行なう場合よりも、早く移動することが好ましい。これは、集まった物質を除去するのに特に有効だと判明した。この動作は、フレキシブルザル状マット部が上向きに婉曲する側面を有すれば得られる。その婉曲する側面は、十分な力が加えられるまで安静位から離れる初動はせず、加えられるとすぐ、その側面は迅速に上向きに婉曲する形状になるよう反れる。
【0045】
望ましくは、フレキシブルザル状マット部は、垂直ではない徐々に婉曲する形状である上向きに婉曲する側面を備える。その徐々に婉曲する形状は、最大立ち上がり比率y/xは1.0である事が適している。
【0046】
ザル状マット部の上向きに婉曲する側面は、物質をスクリーニングするための目を含むことが好ましい。
【0047】
ザル状マット部は傾いた方向に配置されることが好ましい。これにより、ザル状マット部上で集まった物質が下方に移動し、除去され収集される。ザル状マット部は、水平から5°から30°の傾斜角を持つよう配置するのが適している。
【0048】
その傾斜角はザル状マット部の長さ方向に関して略一定であるのが好ましい。しかしながら、傾斜角は、ザル状マット部の長さ方向に関し、流入部から流出部に向かい角度が減少するように変化してもよい。
【0049】
本発明の第一態様のフレーム集合部、ザル状マット支持部、ザル状マット部は、PCT特許出願WO2005/123278及び米国特許出願2005/0274652に述べられているものでよい。しかしながら、収集部を組み入れるために、この装置を変更する必要がある。
【0050】
収集部は、タンクを備えてもよい。収集部が、ザル状マット部の長さ方向全体に渡って伸びて、フレキシブルザル状マット部を通り第一処理済スラリーが集められることが好ましい。
【0051】
本発明の全ての態様で、各工程で処理済スラリーを供給するポンプなどの供給装置があることが好ましい。例えば、収集部から第二分離装置へ第一処理済スラリーをポンプでくみ上げるための第一ポンプがあってもよい。第二分離装置から第三分離装置へ第二処理済スラリーを供給するための第二ポンプがあってもよい。
【0052】
一般的なスラリー脱水システムの第二分離装置は、フィルタ膜又はサイクロンバンクを備えてもよい。しかしながら、砂分離装置を備えることが特に好ましい。
【0053】
砂分離装置の好適な設計は、マクラナハン(MacLanahan)社から入手することができる。
【0054】
この分離装置は、ハイドロサイクロンを備える。それは、第一処理済スラリーのための第一半径の流入部を備え、その分離装置はタンクを備え、その内径は下方に向かって小さくなる。第一処理済スラリーは、分離装置上部の第一半径における接線方向に供給される。これにより、回転運動が生まれる。スラリーが、分離装置を通って下降してゆくにつれ、その半径が小さくなることにより、この回転運動は加速する。一般的にボルテックスファインダーと呼ばれる収集部は、第二処理済スラリーを集めるためにサイクロンの中心に備えられる。
【0055】
スラリーの回転速度が上昇するにつれ、懸濁していた砂が遠心分離効果により放射状に外向きに移動し、サイクロンの底部に溜まる。
【0056】
上記分離装置は、ポンプなどの吸引源に接続された上部に空気バルブを備える。そのバルブは、空気抽出率及び分離装置内と外気との圧力差をコントロールするように操作可能である。
【0057】
サイクロンの底部にはバルブがある。そのバルブはゴム製でよい。そのバルブは重さにより作動するのが好ましい。そのバルブは閉じた状態に付勢されている。そのバルブはバルブにかけられた砂の重量により開くことができる。そのバルブはさらに、分離装置内と外気との間に存在する圧力差により閉じた状態に付勢されている。使用される場合、分離装置内と外気との圧力差は、沈殿した砂の脱水を高めるために利用され、排出される砂はかなり水分が除去され得る。排出は、その下部のバルブに付勢されている力が砂の重量を十分超えるように分離装置内の圧力を上げることによりなされる。
【0058】
一般的なスラリー脱水システムの第三分離装置は、本発明の第二様態によるダクトを備えてもよい。本発明の第二様態のダクトは、PCT特許出願WO01/85628に記載されている装置の分離装置として利用されることが特に適している。それは、スラリー又はそこに懸濁する沈殿物を含む水のためのダクトとして、特に有用である。
【0059】
それは、スラリー脱水装置内で使用するのに適している。その装置の他の特徴はPCT特許出願WO01/85628に記載されている。
【0060】
本発明によると、スラリー脱水装置は、それぞれに関連した脱水装置を有する複数のダクトを有してもよい。本発明によると、少なくとも4つのダクトがあることが好ましい。これらは、互いに任意の配置の構造をとってよい。本発明のダクトは、一列に配置していることが好ましい。
【0061】
そのダクトは、PCT特許出願WO01/85628に記載されているダクトと形状であってもよい。
【0062】
そのダクトは、また拡散装置と呼ばれることもある。
【0063】
そのダクトは底部及び上部を備えることが好ましい。その底部は比較的低アスペクト比、例えば1:1から4:1である水平断面を持つことが好ましい。その上部は比較的高アスペクト比、例えば40:1から100:1である水平断面を持つことが好ましく、前記上部と底部の水平断面積比が1:1から3:1であることが好ましい。前記ダクトは、概扇形であり、正面から見ると相対的に幅の狭い底部から該三角形の中央部を経て相対的に幅の広い上部へとなるよう立設しており、側面から見ると底部から上部に向かって徐々に細くなっていることが好ましい。上記底部と上部は、正面及び側面両方から見ても、該長方形であることが好ましい。
【0064】
流入部と流出部では、流入最大幅と流出最大幅は、それぞれの場合において、流れ方向に垂直な平面を考慮し、その平面の最大幅を決定することにより決定される。
【0065】
その流入部は、懸濁固形物を含む水の供給部に接続するための接続部を備えることが好ましい。その供給部は、従来のパイプまたはダクトを備えてもよい。その供給部は、同様にポンプに接続されてもよい。
【0066】
本発明のダクトの流入部は、2つ以上の懸濁固形物を含む水の供給部に接続可能である接続部を備えてもよい。それらの接続部は交代に置き換わることが望ましい。この場合、それぞれの供給部からの水流が交互に流れ、過剰なズレもなく、凝集剤が水に作用しなければならない時間を増加させる効果を持つ渦が発生する。
【0067】
本発明のダクトは、上記流入部が上記流出部の垂直下方に位置する構造であることが好ましい。そのダクト部は、その流入部から流出部へのダクト部を通る流れの方向は略垂直であるという構造であることが好ましい。
【0068】
これは、ダクト内でガスが流動流体と共に、流出部で上昇し、そこで水から容易に分離可能である本発明において、特に有益である。
【0069】
この流出部が、水がそこに流れる少なくとも一つの直線状の端部を有する開口部として配置されることが適している。使用時は、その直線状の端部が該平行に位置することにより、その直線状の端部上ではその長さ全体に沿って均一な流れが得られることが好ましい。流出部は概して上部が開いていることにより、ガスが自由に流出できることが好ましい。
【0070】
本発明のダクトは、少なくとも2つの順に並んだダクト部を備え、それらは一つのダクトを形成する。これらのダクト部は異なる形でもよい。たとえば、第一ダクト部はパイプ又は導管の一部から成り、第二ダクト部は、流れの方向に対して垂直な方向に幅を増加させる形状から成ってもよい。ガスは片方または両方のダクト部から供給されてもよい。第一ダクト部は、概して流れの方向に対して垂直な方向に一定の幅を有すればよい。
【0071】
上記ダクトは、上記直線状の端部に対して平行であり、わずかに低い位置に設置され、水平から30°から60°の角度に下方に伸びるフランジを備える。この角度は、そのダクトと共に使用されるフレームトラッキングスクリーンの角度と一致することが好ましい。その角度は、水平から40°から55°であることが好ましく、45°から50°であることがさらに好ましい。
【0072】
ガスは以下のうちの一つから供給される。
1.少なくとも一つのガス供給口を有する少なくとも一つのガス管であり、そのガス管は上記ダクト部または流入部の少なくとも一部に沿って伸びる。
2.前記ダクト部または流入部の壁部に形成されているガス供給口。
3.前記ダクト部または流入部の壁部を通って延びる管に形成されているガス供給口。
【0073】
ガス供給部は、任意の好適な場所に位置してよい。複数のガス供給部がダクト部の異なる位置にあることが好ましい。ガス供給部は、ダクト部の中心部に位置してもよく、またダクト部の壁部に隣接する位置でもよい。ガス供給部は、流入部と流出部の間の任意の好適な場所に位置してよい。
【0074】
少なくとも4つのガス供給部がダクト部の異なる位置にあることが好ましく、少なくとも6つのガス供給部がダクト部の異なる位置にあることがさらに好ましい。
【0075】
ダクト部が流れ方向に対して垂直の断面形状が、長辺と短辺を有する該長方形であるとき、上記ガス供給部は、少なくともその短辺の一辺、好ましくは両方の短辺に隣接して配置されることが好ましい。
【0076】
上記ダクト部は、少なくとも2つの向かい合った拡開壁部を有する扇形であり、上記ガス供給部は、その拡開壁部に沿うか隣接して位置する複数のガス供給口を備える。これには、ガスを流れ方向に垂直な広い幅に渡り供給することが可能であるため、ほぼ流れの幅全体に均一な流速が得られるという利点がある。
【0077】
上記ガス供給部は、少なくとも一つの、好ましくは2つの、上記流入部から流出部に伸び複数のガス供給口を有するガス供給管を備えることが、特に好ましい。上記ダクトは扇形をしており、そのガス供給管の少なくとも一つは、少なくとも一つの扇形ダクトの拡開壁部に隣接して配置されることが好ましい。
【0078】
上記ガス供給部はガス供給源を備えることが好ましい。これは、上記ダクト内でその静水圧以上の圧力であるガス源を備えなくてはならない。例えば、そのガスはガス貯蔵器又はポンプから供給されてもよい。
【0079】
上記ガスは、任意の好適なガスを含み、最も便利なのは空気である。
【0080】
空気ポンプが使用されるのが好ましい。
【0081】
本発明によると二つ以上のダクトがある場合、それぞれが、個別のガス源又は上記ダクトの一部または全てのガスを供給する一つのガス源を備えてもよい。
【0082】
ガス管が使用される場合、その直径はガスの流速によるが、例えば直径約12.7mm(0.5インチ)である。
【0083】
ガスがコントロールされた速度で確実に供給されるように、ガス供給コントロール部を備えても良い。このコントロール部は、ポンプ、バルブ、またはそれら両方の組み合わせの操作の速度をコントロールする手段を備えてもよい。
【0084】
上記ダクト部内の異なる位置に複数のガス供給口がある場合、又はそのダクト部は流入部が流出部の下にあるという構造である場合、そのダクト内のそれら供給口の高さが異なっていても、そのガス供給速度が概して同じとなるように、下にある開口のほうが大きい口径であるとされることが好ましい。それらの開口が同形である場合は、そのダクト部の下部の静水圧が高くなるため、下部のガス供給口の流速が低減し、不均一な流れの原因となりえる。
【0085】
上記ダクト部へのガスの全体積の供給速度は、そのダクト部内の懸濁固形物を含む水の満足すべき均一な流速を得るために当業者によって決められるとすればいい。
【0086】
その体積流速は、ガス供給口の数でバランスを取ってもよい。ガス供給口が一定の間隔距離で配置されることにより、その水全体に均一にガスが分配されることが好ましい。例えば、ガス供給口は互いに1cmから20cm、より好ましくは5cmから10cmの範囲の間隔を空けて配置されることが好ましい。その水中に形成されたガスの気泡は比較的小さく、気泡によって作り出される乱流を最低限に抑えるため直径は約1cm以下であることが好ましい。
【0087】
上記ガス供給部内のガスの圧力は、100×10から1500×10 Pa(15−225psi)ゲージ、より好ましくは300×10から1000×10 Pa(45−150psi)ゲージ、最も好ましくは600×10から800×10 Pa(90−120psi)ゲージの範囲にあることが適している。ガス供給速度は、1ダクト当たり0.02−0.1mであることが適しており、最も好ましくは0.08−0.1mであり、4つのダクトで11−15立方フィート/分に相当する。
【0088】
ガス供給管が複数ある場合、各自別々の圧力コントロール部を備えてもよい。これは、ダクト全体の流速を確実に均一にするために、ガスの流速を調整するのに役立つ。各圧力コントロール部は他から独立して操作可能であることが好ましい。
【0089】
操作中、ダクト部が詰まった場合、そのガス流速は局部的に上昇し、他の部分がパージされる。
【0090】
上記ダクト内の水の流速は使用状態に依存するが、2m/分から10m/分の範囲が適しており、さらに好ましくは、約8m/分から12m/分(約2000−3000USガロン/分)である。この水の流速は、前記のガス流速と併用されるのに適している。
【0091】
本発明のダクトは、凝集されたスラリーを脱水することに使用するのに適している。そのような方法では、凝集剤はそのスラリーにスラリーの固形物質1トンあたり1−10kgの割合で加えられるのが適しており、スラリーの固形物質1トンあたり約2.3−3.2kg(5−7lb)がさらに適している。スラリーは、ゼロ近くから25重量%までの固形物を含むことが望ましい。
【0092】
本発明のダクトは、その内容が任意に目的に応じて参照することにより本発明に組み込まれるPCT特許出願WO01/85628の装置に使用してもよい。
【0093】
本発明の第三態様の装置は、米国特許US5656174号の方法と装置に使用されてもよい。それは、PCT特許出願WO01/85628の装置の後に、スラリーからトラッキングスクリーンによって分離される凝集された固体物から毛管水を除去するために使用されてもよい。
【0094】
本発明の第三態様の船舶は、任意の適切な形状でよい。その船舶は上部が開いていてもよい。その船舶の側壁部と底部は空気及び水を通さず、固形物が漏れることを防ぎ、第二部の圧力を低減可能であることが好ましい。
【0095】
特に好ましい実施例では、上記船舶は、荷船などの水上船から成る。スラリーは多くの場合は、例えば湖などのような水域から得られるため、荷船を係留するのに便利な場所はある。その本来の性質により、水上船は耐水性である。
【0096】
その船舶は任意の適切な物質から形成されればよく、例えば、金属又はガラス強化プラスチックなどの複合材料である合成物質でもよい。従来の鋼船は、安価で製造しやすいため特に好ましい。
【0097】
第一部と第二部は、第一部からの水がフィルタ膜を通り第二部に流れることができるのであれば、互いにどんな構造で配置されてもよい。第一部と第二部は互いの隣に配置されてもよい。しかしながら、使用される時は第一部が第二部の上に位置することが、水の重力を除去するという付加的な効果をもたらすため特に好ましい。
【0098】
第一部と第二部は、好ましくはフィルタ膜を含む構造によりそれぞれ分割されている。フィルタ膜が第一部と第二部とを分割する高い面積比を占めることにより、大きなフィルタ膜表面積をもたらすことが好ましい。それは構造の少なくとも50%の面積を占めることが好ましく、さらに好ましくは75%以上、最も好ましくは90−100%である。
【0099】
フィルタ膜は、水が通過することは可能であるが、固形物の比率をほぼ維持することも可能でなければならない。フィルタ膜の微細孔の大きさは処理される凝集された固形物の性質に依存する。
【0100】
その多孔率(微細孔によって表される面積の割合)は、水分の高速移動が可能なため高いほうが好ましい。
【0101】
好ましい実施例では、そのフィルタ膜の媒体は、例えばゴム製織布ジオテキスタイルなどの道路基盤工事で地盤の強化に使用されることで知られている種類の織布または不織の熱可塑性ジオテキスタイルから成る。
【0102】
そのフィルタ膜の媒体は、ガラス繊維またはウッドチップ又は砂などの物材質の層から成る。密着性のある骨組みを形成しないフィルタ膜の媒体が使用されるとき、そのフィルタ膜媒体を支持するためにフィルタ膜支持媒体があるときもある。
【0103】
脱水された固形物はそこから容易に取り除くことができ、再度利用することができるため、固体フィルタ膜媒体が好ましい。骨組みを持たない媒体は脱水された固形物を取り除くと同時に処分しなければならい。
【0104】
そのフィルタ膜は、支持フレームによって支持されることが好ましい。その支持フレームは、例えば鉄など、任意の好適な材質から形成されてよい。例えば格子型又は同様の構造のように、任意の適する構造であってよい。
【0105】
第二部の高さは、集水区域としての機能を果たすためには、100−400mmの範囲が好ましく、200−300mmがさらに好ましい。
【0106】
ポンプ集合部は、水を除去すると同時に、第一部に対して第二部の圧力を減少させる一つのポンプを備えればよい。しかしながら、そのポンプ集合部は、第二部の下部から水をポンプでくみ上げる送水ポンプと、第一部下の圧力を減少させる空気ポンプを備え、その空気ポンプは第二部の上部に接続されていることが好ましいということが判明した。
【0107】
第二部の水位を測定するためにセンサを備えてもよい。もし、その水位が所定の位置よりも低い場合は、探知機がその送水ポンプをスイッチオフするという構造としてもよい。探知機は水位が第二の所定の位置よりも高いかどうか測定し、その位置よりも水位が高い場合は、空気ポンプのスイッチをオフするという構造としてもよい。その探知機は、フラッパバルブと浮きを備えてもよい。
【0108】
本発明の第三態様の方法では、分離フィルタ工程で、スラリーからろ過された固形物は第一部に供給され、完全な層ができるまでフィルタ膜上に広がる。この完全な層は自然に第二部を塞ぎ、その中の圧力を低減させることができる。
【0109】
ろ過によりスラリーから分離された固形物は、生来揺変性であることが判明した。従って、それらがフィルタ膜上に層を形成するとき、それらは効果的に硬くなり優れたフタを形成する。
【0110】
一旦圧力が低減すると、固形物の塊中の毛管水が高速で排出される。
【0111】
理論に縛られるつもりはないが、圧力の減少は、固形物の塊内の孔での水流速度の加速に関連しているというベルヌーイ効果によると理解することができる。
【0112】
一旦その水位が第二部の所定の位置に達すると、ポンプ集合部又は送水ポンプは水を除去するためにスイッチが入れられる。安定した状況下で、送水ポンプは第二部から水を除去し、空気ポンプ又はポンプ集合部が第一部より第二部の圧力が低くなるよう保持をする間、スラリーから除去された固形物は連続的に第一部へ供給される。
【0113】
第一部が脱水された固形物を含まなくなるまで、これは続く。
【0114】
この段階で、ろ過された固形物の供給が止まる。十分な量の水が取り除かれるまで、ポンプ集合部又は空気ポンプと送水ポンプによる脱水は継続されてもよい。脱水された固形物は、任意の好適な方法、例えばスコップやシャベルなどの機械的手段によって、第一部から除去されることができる。
【0115】
第一部は、固形物が0.5m以上、さらに好ましくは0.5m−1.5mの範囲に、最も好ましくは、約1m前後の深さに、堆積できる構造とすることが好ましい。
【0116】
そのフィルタ膜の媒体は、微細孔を塞ぐ損傷あるいは劣化した綿状の物質を取り除くために、定期的な清掃が必要であるとしてもよい。この清掃は、高圧ホースを使用して行なうことができる。
【0117】
送水ポンプとポンプ集合部は、1分あたり約100ガロンまたはそれ以上の速度で操作可能であることが好ましい。
【0118】
スラリーからろ過された固形物は、20−60重量%の水分含有量であり、本発明の第三態様の脱水工程前は20−40重量%が好ましい。
【0119】
複数の船舶が用意されて、一艘の荷が降ろされて清掃されている間に、もう一艘に荷が積まれるとしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0120】
本発明は、添付の図面を参照としつつ、例示のみを目的として、さらに説明される。
【0121】
図1は、本発明によるスラリー流脱水装置1の概念図である。その装置は、米国特許5656174号及びPCT特許出願WO01/85628の方法に使用できる。その装置は一般のスラリー脱水システムに対応しており、本発明の第一態様による第一工程のための分離装置を備えている。
【0122】
浚渫装置2が設けられており、沈殿物4を切り取る切削ヘッド3、切り取られた沈殿物を取り除く吸引線5と荷船による副装置を備える。その服荷船による副装置は、モーター、動力伝達装置、吸上げポンプ(図示しない)、操縦室6を備える。その浚渫装置2は、図1に示されたポンプ浚渫装置又はディッパ浚渫又は昇降浚渫装置でもよい。
【0123】
スラリーパイプライン7は、スラリーを脱水するための前記装置1へ浚渫スラリーを送るために設けられる。
【0124】
その装置1は、スラリー流を受け入れ第一サイズ以上の物体と分離するための第一分離装置8を備える。第一分離装置8は、通常大きな物体、例えば、貝、岩、プラスチックの買い物袋、鉄片、電池、木材チップ、ワイヤー、釣り糸、水中植物、剥がされたカーペット、人工芝などを取り除く。
【0125】
第一分離装置8は、米国オレゴン州ニューバーグのアクション・イクイプメント(Action Equipment)社製の、商標ビブラ・スナップ(VIBRA−SNAP)として販売されているスクリーニング装置を備えることが適している。
【0126】
それは、望ましくはPCT特許出願WO2005/123278及び米国特許出願20050274652に、記述されているようであればよい。
【0127】
スクリーニング装置は、図2を参照して以下で説明されているようにタンクと組み合わされている。第一処理済スラリーはそのタンクに集められ、パイプラインとポンプ(図示しない)により砂分離装置39へ砂を除去するために送られる。好適な構造である砂分離機は、LPT統合砂処理システム(LPT Integrated Sand Processing System)という名でマクラナハン(MacLanahan)コーポレーションという会社から得られる。
【0128】
第二分離装置9は第一処理済スラリー流を受け取り、それから砂を除去し、第二処理済スラリー流を作りだす。もちろん、この砂の粒子は、第一分離装置8で取り除かれた大きい粒子よりも小さい大きさである。
【0129】
第二処理済みスラリーは集められ、任意にさらなるポンプ(図示しない)で第三分離装置10に供給される。第三分離装置10は実質的に、PCT特許出願WO01/85628に記述されているものでよい。それは図3〜6又は7に図解されているようなダクトを備えるのが好ましい。
【0130】
第一分離装置8は図2にさらに詳しく示されている。それは、上記のとおりスクリーニング装置12を備え、タンク16の形の収集部の上に設けられる。スクリーニング装置12は米国出願2005/0274652に実質的には説明されているので、さらに以下記載はしない。しかしながら、それは、主支持フレーム部と、その主支持フレーム部上に移動可能に設置された可動支持フレーム部から成るフレーム集合部を備えることは理解され得る。そのフレーム集合部に長さ方向に沿って横方向に間隔が開けられた複数のザル状マット支持部がある。フレキシブルザル状マット部13は、フレーム集合部の長さ方向に沿って伸び、そのザル状マット支持部に接続しそれによって支持される。そのザル状マット支持部は、交互に上記主支持フレーム部と上記可動支持フレーム部に接続している。シャフト14の形の振動器は、偏心して設置された錘15を備える。シャフト14と、偏心して設置された錘15を好適な低回転速度で回転させるために、50−hzのモーターを備えることが好ましい(図示しない)。偏心して設置された錘15は、後者が低周波振動で可動されるように、可動支持フレーム部に接続されている。その結果、フレキシブルマット13は、激しく投げられる又はスナップするような動きをし、フレキシブルスクリーンを連続的に激しく動かす。
【0131】
水平に対して角度を持つように上記フレキシブルマット13は設置される。
【0132】
フレキシブルスクリーンは、水とある一定のサイズ以下の物体を通すスクリーン開口部を備えることにより、第一処理済スラリー流が集められる。
【0133】
スクリーンが振動している間、浚渫からのスラリーは、パイプ11を通してスクリーン12の一番高い位置の端に供給される。その結果、物質が混入しているスラリーは、左端方向に絶えず流れる。液体とフレキシブルマット13の開口部の大きさ以下の大きさである物体はマットを通り抜け、タンク16へ集められる。開口部の大きさ以上の物体はフレキシブルマット上に残される。その激しく振動しスナップするような動きにより、フレキシブルマットの開口部が塞がれるのを防ぐために、それらは激しく動かされ続ける。流れと扇動力、重力の一体となった効果により、固形物は左端方向へ送られ、スクリーンの端ではじき出され、別に処分するために集められる。
【0134】
タンク16に集められた第一処理済スラリー17はポンプ(図示しない)とパイプ18によって上記の砂分離装置9へくみ上げられてもよい。
【0135】
図3は、本発明によるダクト19を示している。それは、円形パイプの一部から成る第一ダクト部20を備える。円形パイプの一部は、垂直に配置された扇形である第二ダクト部21に接続する。第一ダクト部20は流れ方向と流れ方向に直角の最大幅aを定める。第二ダクト部3の上部では、流れ方向と垂直な幅はA(矢印で表示)であり、それは幅aよりはるかに大きいことがわかる。このようにして、ダクト部は混濁物を含む水流を広げることができるため、例えばPCT特許出願WO01/85628 に示されているように、流れはその水から懸濁物をろ過処理するためのトラッキングスクリーン(図示しない)に送られる。
【0136】
第一ダクト部20は流入部を定める。その流入部は、概長方形角柱形であり拡開部23へと接続されている底部22へと直接通じている。拡開部23が底部22と接続している点では、流れの断面の面内は、第一アスペクト比を有する概長方形である。その拡開ダクト23の流れの断面のアスペクト比は、上部から下部へと増加する。その拡開部は、流れ方向に垂直である方向から見て短い拡開壁部24と、流れ方向に垂直である方向から見て拡開壁部24より長い縮閉壁部25により定まる。壁部24の拡開の度合いは、壁部25の縮閉の度合いとバランスが取られているため、流れ断面積は拡開壁部24の上部から下部まで均一であるが、そのアスペクト比は増加する。ダクト19の上端には、上部がある。その上部は、底部22とほぼ同様であるが、それよりかなり高いアスペクト比である流れの断面積を定める長方形型角柱の本体を備える。その上部は、水が溢れる周縁部26を定める直線状に伸びる2つの端部を含む。一対の直立した端上げ部27が設けられている。上部の側面と隣接している一対のフランジ28が備えられており、周縁部26へ平行に伸びている。フランジ28はそれぞれ概V形の断面であり、周縁部8下に約3インチ(7.6cm)に設けられた堰板を備える。フランジ10は、約4インチ(10.2cm)の距離下方へ伸びる。フランジ10は、PCT特許出願WO01/85628に記載されているように、トラッキングスクリーン(図示しない)を支持するために備えられている。ダクトは最上部11で外気に開かれている。フランジ10は水平に対して約30°から約60°の角度で定められている。好ましい実施例では、この角度は、トラッキングスクリーン(図示しない)の角度と合致し、通常約45°から55°の角度であり、最も好ましくは、約45°から50°である。
【0137】
ダクト19は、約0.05mmの厚さである10ゲージの金属シートから構成されるのが好ましい。第一ダクト部22は、カーボン・スチール(SCH.40)から構成される好ましくは約10インチ(25.4cm)の直径であるパイプから成るのが好ましい。フランジ28は、ダクト19と同様の材質の10ゲージのシートから構成されることが好ましい。
【0138】
空気供給部が備えられる。空気供給部は、左手側にポンプ30、調整バルブ31と空気供給管32を備える。また、右手側には空気供給管33が備えられ、それはさらなるポンプと調整バルブ35、又は空気主管を通りポンプ30へ接続されてもよい。それぞれの空気管32、33は、選択された箇所に、複数の空気供給口34を備える。
【0139】
空気供給管32及び33は、1インチ(25.4mm)の直径のPVCパイプから成るのが好ましく、以下さらに説明される。
【0140】
使用される際、例えば米国特許5656174号又はPCT特許出願WO01/85628の方法にて製造された凝集スラリーなど、懸濁固形物を含む水は、第一ダクト部20に供給された後、矢印で示すように、ダクト部21を通って上方へ向けて流れ、周縁部26に達すると、トラッキングスクリーン(図示しない)上を通るために、周縁部26上から均一な分布であふれる。ダクト部21を通り水が供給されている間、空気は、導管32及び33を通りポンプ30によってポンプでくみ上げられ、細かい気泡の塊として空気供給口34を通り供給される。これには、さまざまな効果がある。第一に、ダクト部22の水の平均密度が低下することにより、水柱の重さと静水圧が低下する。水の体積流速は、質量流速を上げることなく調整することができる。
【0141】
上端において、気泡は単純な方法で割れ、トラッキングスクリーン上の水の流れを妨げない。凝集された固形物が沈殿し始めた場合、気泡の流れにより一掃される。
【0142】
空気の流速は、ポンプ30、またはバルブ31と35(またはこれら全て)を使い、ダクトを通る水の正確な質量流速と体積流量率を得るために調整でき、トラッキングスクリーン上に十分な流れが得ることができ、凝集物が沈殿することを防ぐために、ダクト内の最適な流速を保つことが可能である。
【0143】
図6は、空気供給管32の詳細を図示している。気圧調整バルブ31はその管中の気圧を、0から150psi(0.1×106Pa)ゲージの範囲に調整するために使用することができる。さらに遮断バルブ36を備えてもよい。その供給管32は、135°の屈曲接続部37によって接続された複数の1インチ(25.4mm)の内径のPVC部を備える。第一管部38は24インチ(61cm)の長さであり、そこに形成される空気口を持たない。第二管部39は、60インチ(152cm)の長さであり、順に、2つの直径1/8インチ(3.2mm)の空気口40と、さらに2つの直径3/16インチ(4.8mm)の空気口41を備え、それらは互いに、そして隣接する屈曲接続部37から10インチ(25.4cm)の間隔が開けられている。末管部42は、16インチ(40.6cm)の長さの第一区間部と13インチ(33cm)の長さの第二区間部と、端からガスが流れ出るのを防ぐために、端にプラグ43を備える。1/4インチ(6.4mm)の直径であり右側の屈折部から5.5インチ(14cm)離れた第一空気口44と、1と1/4インチ(6.4mm)の直径であり右側の屈折部から4インチ(10.2cm)離れた第二空気口45が設けられている。
【0144】
空気口の直径は、ダクト部21の下方になるにつれて小さくなることがわかる。これは、静水圧は使用中ダクトの下方になるにつれて上がり、より下方にある供給口からほぼ同じ量の空気を確実に供給し、気泡を均一に分布することを保証するには、上方の供給口より大きな口が必要となるからである。
【0145】
図3,4,5、または6に示される4つのダクトは、それらの長端部268が互いに平行であり一直線に配置されており、4つのダクト全てに、一つの同じポンプにより圧縮空気が供給されるが好ましい。
【0146】
4つのダクトは、全部で8m3/分から12m3/分(2000−3000USガロン/分)で、ほぼ0から25体積%の固形物を含有する凝集されたスラリーを運ぶ構造をしている。空気は、600×103Paから800×103Pa(90−120psi)で、及び0.31−0.43m3(11−15立方フィート)/分の流速で、4つのダクト間で均一に分配されて、供給される。
【0147】
凝集剤は、スラリーの固形物1トン当たり約2.3−3.2kg(5−7lb)の割合でスラリーに添加される。スラリーは、ほぼ0から25容量%の固形物を含有するのが好ましい。空気流速は、上記の範囲内で調整され、ダクト内に凝集された固形物の沈殿のない優れた均一なスラリー流を供給する。
【0148】
図5は、使用中のダクト19の概念断面図であり、ダクト21内の水の全容量に渡っての均一な気泡の発生を示している。
【0149】
図7は、本発明によるダクト46の第2実施例の概略等角図である。上記で説明されたダクト19とほぼ同様であるため、さらなる説明はされないが、流入部20へ単一の接続部有する代わりに、互いに離れた位置に配置されて反対側の位置から流入部49へ接続された2つの接続部47、48を有する。この結果、接続部47と48からの流れは、流入部49で相互作用し、過剰なせん断をすることなく、凝集剤が水に作用する時間を向上させ、ダクト46内の流れの特性をさらに向上させる効果を持つ渦を作る。ダクト46は、図に関する説明ではガス供給部を含むが、図7では明確化のために省略されている。
【0150】
図8は、本発明の第三態様による、スラリーから分離された固形物から水分を除去するための装置の概念断面図を示す。
【0151】
上記装置は、鉄製荷船の形の船舶を備える。それは、例えば湖などに、係留される。
【0152】
上記荷船は、側壁により規定され、上部が開いている第一部50を備える。第一部の底部は、ゴム製織布ジオテキスタイルを含むフィルタ膜51により規定される。フィルタ膜51は、骨組み52上に支持されている。骨組み52はフレームによって支持される格子状の横棒として示されているが、固形物とフィルタ膜の重量を支持するのに適するどんな骨組みとしてもよい。
【0153】
第二部53の上部表面はフィルタ膜によって規定され、第二部は、さらに、壁面と船舶49の底板54によって定められる。
【0154】
スラリーから取り除かれた固形物の供給部55が図示されている。例えば、ここに説明された、または米国特許5656174号又はPCT特許出願WO85628に説明された装置を利用して、固形物はスラリーから取り除かれる。
【0155】
そこの水を取り除くために、第二部の底部まで伸びるチューブ58により繋がる送水ポンプ57を備えるポンプ集合部56が設えられている。そこの空気を取り除き、第一部と比べて第二部の圧力を減少させるために、第二部の上部から第二パイプ66により繋がる第二ポンプ59が備えられている。
【0156】
ポンプ57によりくみ上げられた水は、さらなる処理、廃棄、または任意の適切なさらなる処置のために60に送られる。
【0157】
浮遊センサ62は、第二部の水位を感知するために備えられる。それが低すぎる場合は、コントローラ63に信号が送信され、第一ポンプ67のスイッチが切られる。高すぎる場合は、コントローラ63に信号が送信され、第二ポンプ59のスイッチが切られる。
【0158】
利用される場合、ろ過された固形物はダクト55を通り供給され、フィルタ媒体51上に完全な層を形成する。チキソトロピー性のため、固形物は空気を通さない堅い層を形成する。この段階では、第二ポンプ59は、第二部の圧力を減少させるために、スイッチが入れられている。その結果、フィルタ媒体51を通る固体塊からの水流は加速され、第二部53の底部に水は集まる。
【0159】
一旦、ポンプでくみ上げるのに安全な水位に達すると、第一ポンプ57はスイッチが入れられ、その水は、さらなる廃棄のために61へポンプでくみ上げられる。
【0160】
工程は続き、脱水された固形物の層はフィルタ媒体51上に蓄積される。第二部の水位が高すぎる場合は、第一ポンプで過剰な水がくみ上げられている間、第二ポンプ59の作動が一時的に中断される。その水位が低すぎる場合は、再び水が増える間、第一ポンプは中断される。第一部50の固形物が所定の高さに達するまで、この工程は続けられる。この時点では、固形物の層の水分のレベルが望まれるレベルに達するまで、55でのろ過された固形物の供給は中断され、脱水は継続される。この段階で、船舶は脱水された固形物を取り除くために移動してもよい。
【0161】
第一船舶の固形物が下ろされている間、55でのろ過された固形物の供給先とできる第二船舶を備えればよい。
【0162】
図面9は、本発明の第三態様による固形物から水を除去するための装置の第二実施例の部分断面図である。
この実施例の多くの特徴は、図8に示されたものと同様であるため、説明されない。しかしながら、船舶64は、ジオテキスタイルの格子の形である、フィルタ膜66を支持する複数のI形梁断面を有する支持構造65を備えることは理解されている。沈殿物の層67は格子66の上に蓄積され、その格子下の場所に一緒に作用する送水ポンプ68と空気ポンプ69の操作により脱水される。ポンプ68を保護するために、船舶64の底部の水位が所定の水位より下に下がっているか検出するためのセンサ(図示しない)が備えられている。
【0163】
本発明は、単純に例示として上で説明されたのであり、本発明を逸脱することなく変更することができ、それは記載された特徴に相当するものにまで及ぶ。本発明はまた、ここでの明記の有無また図面での明示の有無にかかわらず、いかなる個々の特徴、またはそれらの特徴の組み合わせ、それらの特徴または組み合わせの一般化をも含む。
【図面の簡単な説明】
【0164】
【図1】本発明によるスラリー流脱水装置の概念図。
【図2】本発明の第一態様による第一分離装置の概念図。
【図3】本発明の第二態様によるダクトの概念断面図。
【図4】図3のIV-IV線に沿った概念断面図。
【図5】図3の使用中のダクトの概念断面図。
【図6】図3のダクトに使用されるガス供給管の拡大説明図。
【図7】本発明の第二態様によるダクトの第二実施例の等角図。
【図8】本発明の第三態様による装置の第一実施例の概念断面図。
【図9】本発明の第三態様による装置の第二実施例の概念断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水から懸濁物を分離するための装置に使用されるダクトであり、
懸濁物を含む水流を受け入れ、流入方向を決定し、その流入方向に垂直な方向に最大流入幅の最大値を有する流入部と、
懸濁物を含む水流を排出し、流出方向を決定し、その流出方向に垂直に流出幅の最大値を有する、その最大流出幅は前記最大流入幅よりも大きい流出部と、
前記流入部と流出部を接続するダクト部を備え、懸濁物を含む液体流へガスを供給するために、その流入部またはダクト部に少なくとも一つのガス供給部を備えることを特徴とするダクト。
【請求項2】
底部及び上部を備え、その底部は相対的に低アスペクト比である水平断面を持ち、その上部は相対的に高アスペクト比である水平断面を持つことを特徴とする請求項1に記載のダクト。
【請求項3】
前記底部はアスペクト比が1:1から4:1の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載のダクト。
【請求項4】
前記上部はアスペクト比が40:1から100:1の範囲にある水平断面を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のダクト。
【請求項5】
前記上部と底部の水平断面積比が1:1から3:1の範囲にあることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項6】
概扇形であり、正面から見ると相対的に幅の狭い底部から該三角形の中央部を経て相対的に幅の広い上部へとなるよう立設しており、側面から見ると底部から幅の狭い上部に向かって徐々に細くなっていることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項7】
前記流入部は、前記流出部の垂直下方に位置することを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項8】
前記ガス供給部は、少なくとも一つのガス供給口を有する少なくとも一つのガス管を備え、そのガス管は前記ダクト部または流入部の少なくとも一部に沿って伸びることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項9】
ガス供給部は、前記ダクト部または流入部の壁部に形成されているガス供給口を備えることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項10】
ガス供給部は、前記ダクト部または流入部の壁部を通って延びる管に形成されているガス供給口を備えることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項11】
複数のガス供給部がダクト部の異なる位置にあることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項12】
少なくとも4つのガス供給部がダクト部の異なる位置にあることを特徴とする請求項11に記載のダクト。
【請求項13】
少なくとも6つのガス供給部がダクト部の異なる位置にあることを特徴とする請求項11に記載のダクト。
【請求項14】
少なくとも2つの向かい合った拡開壁部を有する扇形であり、前記ガス供給部は、その拡開壁部に沿うか隣接して位置する複数のガス供給口を備えることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項15】
ガス供給源を備えることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項16】
前記ガス供給源はポンプを備えることを特徴とする請求項15に記載のダクト。
【請求項17】
前記ガス供給源はガス貯蔵器を備えることを特徴とする請求項15に記載のダクト。
【請求項18】
前記ガスは空気を含むことを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項19】
前記ガス供給部はガス供給コントロール部を備えることを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項20】
前記ダクト部内に異なる高さの複数のガス供給口備え、そのダクト部の下部の供給口は上部の供給口よりも大きい口径を有することを特徴とする前記いずれかの請求項に記載のダクト。
【請求項21】
水から懸濁物を分離する方法において、懸濁物を含む水を供給する方法であって、その方法は、懸濁物を含む水をダクトに供給することを含み、
そのダクトは、
流入方向を決定し、その流入方向に垂直な方向に最大流入幅を有する流入部と、
流出方向を決定し、その流出方向に垂直な方向に最大流出幅を有し、その最大流出幅は前記最大流入幅よりも大きい流出部と、
前記流入部と流出部を接続するダクト部を備え、その流入部またはダクト部内で、懸濁物を含む水流へガスが供給されることを特徴とする方法。
【請求項22】
スラリー流脱水装置であり、請求項1ないし20のいずれかに記載のダクトを備えることを特徴とする装置。
【請求項23】
スラリー流脱水方法であり、請求項21に記載の方法に従い、懸濁物を含む水を供給することを含む方法。
【請求項24】
スラリー流脱水装置であり、
スラリー流から第一サイズ以上の物体を分離し、第一処理済スラリーを作り出す第一分離装置と、
その第一処理済スラリー流を受け入れ、そのスラリー流から第二サイズ以上の物体を分離し、第二処理済スラリーを作り出し、その第二サイズは第一サイズよりも小さい、少なくとも第二分離装置と、を備え、
前記第一分離装置は、
主支持フレーム部と、その主支持フレーム部上に移動可能に設置された可動支持フレーム部から成るフレーム集合部と、
そのフレーム集合部の長さ方向に沿って横方向に間隔が開けられた複数のザル状マット支持部と、
フレーム集合部の長さ方向に沿って伸び、そのザル状マット支持部に接続しそれによって支持されるフレキシブルザル状マット部と、そのザル状マット支持部は交互に前記主支持フレーム部と前記可動支持フレーム部に接続しており、
前記フレキシブルザル状マット部下に位置し、そのフレキシブルザル状マット部を通過した第一処理済スラリーを集める収集部と、を備えることを特徴とする装置。
【請求項25】
主支持フレーム部に接続し、駆動力を加えるための電気駆動装置をさらに備える請求項24に記載のスラリー流脱水装置。
【請求項26】
前記ザル状マット部は、“反転”又は“跳躍”の動きを行なうことが可能な構造であることを特徴とする請求項24又は25に記載のスラリー流脱水装置。
【請求項27】
前記フレキシブルザル状マット部は、上方向に婉曲する側面を備えることを特徴とする請求項24ないし26のいずれかに記載のスラリー流脱水装置。
【請求項28】
前記ザル状マット部は、非垂直な徐々に婉曲する形で上方向に婉曲する側面を備えることを特徴とする請求項27に記載のスラリー流脱水装置。
【請求項29】
前記ザル状マット部は下降方向に配置されることを特徴とする請求項24ないし28のいずれかに記載のスラリー流脱水装置。
【請求項30】
前記収集部はタンクを備えることを特徴とする請求項24ないし29のいずれかに記載のスラリー流脱水装置。
【請求項31】
前記の第二処理済スラリー流を受け入れ、その第二処理済スラリー流から第三サイズ以上の物体を分離する第三分離装置をさらに備え、その第三サイズは第二サイズよりも小さいことを特徴とする請求項24ないし30のいずれかに記載のスラリー流脱水装置。
【請求項32】
スラリー流脱水方法であり、
スラリー流を第一分離装置へ供給し、そのスラリー流から第一サイズ以上の物体を分離して、第一処理済スラリーを作り出すことと、
その第一処理済スラリー流を少なくとも第二分離装置へ供給し、そのスラリー流から第二サイズ以上の物体を分離し、第二処理済スラリーを作り出すこととを備え、その第二サイズは第一サイズよりも小さく、前記第一分離装置は、主支持フレーム部と、その主支持フレーム部上に移動可能に設置された可動支持フレーム部から成るフレーム集合部とを備え、
そのフレーム集合部の長さ方向に沿って横方向に間隔が開けられた複数のザル状マット支持部と、
フレーム集合部の長さ方向に沿って伸び、そのザル状マット支持部に接続しそれによって支持されるフレキシブルザル状マット部と、を備え、そのザル状マット支持部は交互に前記主支持フレーム部と前記可動支持フレーム部に接続しており、
その可動支持フレーム部に接続された前記フレキシブルザル状マット部の一部に連続的に振動を伝えるために、その可動支持フレーム部は激しく振動させられ、処理済スラリーは、そのフレキシブルザル状マット部の下に位置した収集部に接続されている前記フレキシブルザル状マット部を通ることを備える方法。
【請求項33】
スラリー流脱水方法であり、その第二処理済スラリー流を第三分離装置へ供給し、そのスラリー流から第二サイズ以上の物体を分離し、第三処理済スラリーを作り出す工程をさらに備え、その第三サイズは第二サイズよりも小さいことを特徴とする方法。
【請求項34】
スラリーから分離された固形物から水を除去するための装置であり、その装置は、
第一部と第二部を有する船舶を備え、その第一部と第二部はフィルタ膜によって分離されており、そのフィルタ膜は水を通し固形物を残すような構造をしており、
第一部はスラリーから分離された固形物を受け、第二部はポンプ集合部に接続されており、そのポンプ集合部は第二部から水を除去し、また第二部内の圧力を第一部と比べて低減させることを特徴とする装置。
【請求項35】
前記船舶は耐水性船から成ることを特徴とする請求項34記載の装置。
【請求項36】
前記第一部は使用される時第二部の上に位置することを特徴とする請求項34または35記載の装置。
【請求項37】
前記フィルタ膜の材質は織布または不織の熱可塑性ジオテキスタイルから成ることを特徴とする請求項34、35または36記載の装置。
【請求項38】
前記ポンプ集合部は 第二部下部から水を送る送水ポンプと、第一部下の圧力を低減させる空気ポンプとを備え、その空気ポンプは第二部上部に接続されていることを特徴とする請求項34、35、36または37記載の装置。
【請求項39】
信号に依存してコントロールされている前記第二部の水位、前記空気ポンプ、常時送水ポンプの操作またはそれら両方に依存する信号を発するセンサを備えることを特徴とする請求項38記載の装置。
【請求項40】
スラリーから分離された固形物から水を除去するための方法であり、その方法は、
第一部と第二部を有する船舶を備え、その第一部と第二部はフィルタ膜によって分離されており、そのフィルタ膜は水を通し固形物を残すような構造をしている工程と、
第一部にスラリーから分離された固形物を供給し、前記フィルタ膜上で層を形成する工程と、
前記ポンプ集合部を用い、第一部と比べて第二部内の圧力を低減させ、また第二部から水を除去し、前記固形物の層から水を除去する工程を有する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−526643(P2009−526643A)
【公表日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554848(P2008−554848)
【出願日】平成19年2月16日(2007.2.16)
【国際出願番号】PCT/GB2007/000544
【国際公開番号】WO2007/093809
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(508247763)ジェネシス フルーイド ソリューションズ エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】GENESIS FLUID SOLUTIONS LLC
【住所又は居所原語表記】6660 Delmonico Drive, Suite 242D, Colorado Springs, Colorado 80919, United States Of America
【Fターム(参考)】