説明

スラリー配管監視装置およびスラリー搬送設備

【課題】液体と固体とが混濁したスラリーを圧送するスラリー配管内の状態を監視すること。
【解決手段】液体と固体とが混濁したスラリーを圧送するスラリー配管262の所定位置に、前記スラリー配管262内に超音波を送波すると共に当該超音波を受波する超音波送受波器1を設け、当該超音波送受波器1により送受波する超音波の伝搬状態に応じてスラリー配管262内の状態を検知する。このため、スラリーを圧送するスラリー配管262での、スラリー配管262内の状態を監視することで、スラリー配管262が閉塞したり、亀裂が生じたりする以前に、スラリー配管262の清掃や補修を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体と固体とが混濁したスラリーを圧送するスラリー配管内の状態を監視するスラリー配管監視装置、および当該スラリー配管監視装置が適用されるスラリー搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
火力発電所や製鉄所などのプラントでは、排ガスまたは製品を精製する際に発生する固体状の排出物(スラグ)が高温であるため、水で冷却して系外へ排出するスラグ排出システムが設けられている。このスラグ排出システムでは、排出物と冷却水とが混濁されたスラリーは、配管(スラリー配管)内を介し、排出物と冷却水とを分離する分離部に圧送される。
【0003】
しかし、スラリー配管にスラリーを圧送中、何らかの要因で圧力が低下すると、スラリー配管内で水と排出物とが分離して排出物が堆積し、この堆積した排出物によってスラリー配管が閉塞するおそれがある。スラリー配管に閉塞が生じると、これを除去するために設備を停止しなければならないことにもなる。
【0004】
なお、スラリーを圧送するスラリー配管ではないが、特許文献1には、石炭ガス化炉において、スラグホッパ下部のスラグクラッシャー部を効果的に作動させて、スラグクラッシャー部の耐久性と消費電力の低減を図るため、スラグクラッシャー部に、超音波送受波器を水平に複数個並設し、超音波送受波器の受波信号の状態からスラグクラッシャー部の網棚上に堆積するスラグの堆積状況を検知するスラグ監視装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3868153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するものであり、液体と固体とが混濁したスラリーを圧送するスラリー配管内の状態を監視することのできるスラリー配管監視装置およびスラリー搬送設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明のスラリー配管監視装置は、液体と固体とが混濁したスラリーを圧送するスラリー配管の所定位置に、前記スラリー配管内に超音波を送波すると共に当該超音波を受波する超音波送受波器を設け、当該超音波送受波器により送受波する超音波の伝搬状態に応じて前記スラリー配管内の状態を検知することを特徴とする。
【0008】
このスラリー配管監視装置によれば、スラリーを圧送するスラリー配管内の状態を監視することができる。このため、スラリー配管が閉塞したり、亀裂が生じたりする以前に、スラリー配管の清掃や補修を行うことが可能になる。
【0009】
また、本発明のスラリー配管監視装置は、前記超音波送受波器が、超音波送波部と超音波受波部とを一体に備え、前記超音波送波部により送波して前記スラリー配管内で反射した超音波を前記超音波受波部で受波することを特徴とする。
【0010】
このスラリー配管監視装置によれば、超音波送受波器のスラリー配管への設置箇所が減少するため、超音波送受波器の取り付けが容易になり、かつ超音波送受波器の設置のスペース効率を向上することができる。
【0011】
また、本発明のスラリー配管監視装置は、前記超音波送受波器が、前記スラリー配管の同一断面内の高さの異なる位置において超音波を送受波する態様で複数設けられていることを特徴とする。
【0012】
このスラリー配管監視装置によれば、スラリー配管の同一断面内の異なる高さでスラリーの状態を監視することができる。この結果、スラリーから分離した水砕スラグの堆積状態を検知することが可能になる。
【0013】
また、本発明のスラリー配管監視装置は、前記スラリー配管の外周面に連続して設けられ、前記超音波送受波器が超音波を送受波する方向に直行して設けられて前記超音波送受波器が取り付けられる取付面を有する取付座を備えることを特徴とする。
【0014】
このスラリー配管監視装置によれば、超音波の受波感度がより良い位置に超音波送受波器を容易に取り付けることができる。
【0015】
また、本発明のスラリー配管監視装置は、前記スラリー配管の外周面に連続して設けられ、前記超音波送受波器が超音波を送受波する方向に挿入されて取り付けられる挿入穴と、前記挿入穴の内外に貫通する貫通部と、前記貫通部を閉塞する栓部材と、を有した取付部を備え、充填液を注入した前記挿入穴に前記超音波送受波器を挿入して前記貫通部より空気抜きし、前記栓部材により前記貫通部を閉塞することで、前記超音波送受波器を挿入した挿入穴内に前記充填液を充填させることを特徴とする。
【0016】
このスラリー配管監視装置によれば、スラリー配管側と超音波送受波器との間に充填された充填液によって、スラリー配管側と超音波送受波器との接触面積を十分に確保することで、超音波送受波器の送受波が良好となるので、超音波の送受波感度を向上することができる。
【0017】
上述の目的を達成するために、本発明のスラリー搬送設備は、液体と固体とが混濁したスラリーをスラリー配管に圧送するスラリー搬送設備において、前記スラリー配管に、上記のいずれか一つに記載のスラリー配管監視装置を適用することを特徴とする。
【0018】
このスラリー搬送設備によれば、スラリーを圧送するスラリー配管内の状態を監視することで、スラリー配管が閉塞したり、亀裂が生じたりする以前に、スラリー配管の清掃や補修を行うことができる。すなわち、スラリー配管が閉塞したり、亀裂が生じたりした場合には、スラリー搬送設備や、当該スラリー搬送設備が適用された設備を停止しなければならないことがあるが、そのような事態を回避し、当該設備での影響を低減することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、液体と固体とが混濁したスラリーを圧送するスラリー配管内の状態を監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係るスラリー配管監視装置が適用される一例であるスラグ排出システムの概略図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1に係るスラリー配管監視装置の概略図である。
【図3】図3は、図2のA−A断面図である。
【図4−1】図4−1は、超音波の伝搬状態を示す概略図である。
【図4−2】図4−2は、超音波の伝搬状態を示す概略図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1に係るスラリー配管監視装置の他の例を示す概略図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2に係るスラリー配管監視装置の概略図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2に係るスラリー配管監視装置の他の例を示す概略図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態3に係るスラリー配管監視装置の概略図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態4に係るスラリー配管監視装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0022】
図1は、本実施の形態に係るスラリー配管監視装置が適用される一例であるスラグ排出システムの概略図である。本実施の形態のスラグ排出システム20は、石炭ガス化複合発電プラントに用いられ、ガス化炉30の底部において燃焼物質をガス化した際に生成される溶融スラグ101を排出するものである。ガス化炉30は、石炭などの燃焼物質をガス化し、生成したガスを燃焼炉などに供給する。そして、ガス化炉30の底部では、燃焼物質がガス化される過程で溶融スラグ101が生成される。
【0023】
スラグ排出システム20は、ガス化炉30の底部に、溶融スラグ101を落下させるスラグホール21と、スラグホール21から落下した溶融スラグ101を貯留するスラグホッパ22とを有する。スラグホッパ22は、鉛直方向下側に向かうに従って径が小さくなる漏斗形状に形成され、上側の大径開口部がガス化炉30の底部に配置されると共に、ガス化炉30の底部に貯留されたスラグ冷却水(冷却水)102に浸されている。また、スラグホッパ22は、下側の小径開口部がガス化炉30の外側に配置されている。スラグホッパ22の小径開口部は、開閉弁23により開閉可能に設けられている。
【0024】
スラグ排出システム20は、ガス化炉30で生成された溶融スラグ101を、スラグホール21からスラグ冷却水102中に落下させる。スラグ冷却水102中に落下した溶融スラグ101は、急冷されて数ミリから数十ミリ程度のガラス状の水砕スラグ(スラグ)103の粒子となる。そして、この水砕スラグ103を、スラグホッパ22において、鉛直方向下側に移動させることで、当該スラグホッパ22の下側の1箇所に収集させる。また、開閉弁23は、開閉を切り換えることで、スラグホッパ22に収集されている水砕スラグ103の排出の開始、停止を切り換える。なお、開閉弁23から排出される水砕スラグ103は、スラグ冷却水102を含む流体である。
【0025】
また、スラグ排出システム20は、スラグロックホッパ24と、スラグ溜25と、スラリー搬送部26と、スラグ貯蔵タンク27とを有する。
【0026】
スラグロックホッパ24は、水砕スラグ103を一時的に貯留する貯留部であり、開閉弁23の直下に配置されている。スラグロックホッパ24は、開閉弁23から排出された水砕スラグ103を一時的に貯留し、その後、開閉弁24aを介してスラグ溜25に定期的に供給する。
【0027】
スラグ溜25は、スラグ溜タンク25aと、モータMで駆動するスラグコンベア25bとを有している。スラグ溜タンク25aは、スラグロックホッパ24から排出された水砕スラグ103を水(スラグ冷却水102)と共に溜めるものである。スラグコンベア25bは、その一部がスラグ溜タンク25a内に配置されており、スラグ溜タンク25a中に落下された水砕スラグ103を水(スラグ冷却水102)と共に所定量ずつ移動させて、スラリー搬送部26に排出する。
【0028】
スラリー搬送部26は、スラグ溜25から排出された水砕スラグ103をスラリー状としてスラグ貯蔵タンク27に搬送するものであり、スラリータンク261と、スラリー配管262と、スラリーポンプ263とを有する。スラリータンク261は、スラグ溜25から排出された水砕スラグ103と、スラリー水104とを貯留するタンクである。スラリータンク261は、スラリー水104に水砕スラグ103を分散させた状態で貯留している。スラリー配管262は、スラリータンク261と、スラグ貯蔵タンク27とを接続する配管である。また、スラリーポンプ263は、スラリー配管262に配置され、スラリータンク261内の水砕スラグ103がスラリー水104で水分散されたスラリー105を、スラグ貯蔵タンク27に向けてスラリー配管262に圧送させる。このように、スラリー搬送部26は、スラリータンク261内のスラリー水104に分散された水砕スラグ103をスラリー105にし、スラリーポンプ263によりスラリー配管262を通じてスラグ貯蔵タンク27まで圧送する。
【0029】
また、スラリー搬送部26は、液位調整手段264を有している。液位調整手段264は、貯水槽264aと、供給配管264bと、給水ポンプ264cと、循環配管264dと、オーバーフロー管264eと、開閉弁264fと、レベル計264gと、液面制御部264hとを有する。
【0030】
貯水槽264aは、スラリー水104を貯留するタンクである。供給配管264bは、貯水槽264aとスラリータンク261とを接続する配管である。給水ポンプ264cは、供給配管264bに配置され、貯水槽264aに貯留されているスラリー水104を、スラリータンク261に向けて供給配管264bに圧送させる。循環配管264dは、供給配管264bの給水ポンプ264cよりもスラリータンク261側の部分と、貯水槽264aとを接続する配管である。オーバーフロー管264eは、スラリータンク261の所定の液位の壁面と、貯水槽264aとを接続する配管である。このオーバーフロー管264eは、スラリータンク261への接続位置に対してスラリータンク261の液位が越えたら、スラリータンク261内のスラリー水104が貯水槽264aへ流れ込む態様で配置されている。開閉弁264fは、供給配管264bの循環配管264dが設けられている部分よりもスラリータンク261側に配置されており、供給配管264bの管路の開閉を切り換える。レベル計264gは、スラリータンク261のスラリー水104の液位を検出するセンサである。液面制御部264hは、レベル計264gで検出した液位に基づいて、開閉弁264fの開閉動作を制御することで、貯水槽264aに貯留されているスラリー水104をスラリータンク261に供給するか否かを切り換える。
【0031】
このスラリー搬送部26の液位調整手段264は、レベル計264gで検出した液位が規定より低下した場合、開閉弁264fが開状態となることで、供給配管264bを流れるスラリー水104がスラリータンク261に供給される。一方、液位調整手段264は、レベル計264gで検出した液位が規定より上昇した場合、開閉弁264fが閉状態となることで、供給配管264bを流れるスラリー水104がスラリータンク261に供給されない。なお、開閉弁264fが閉状態のときは、給水ポンプ264cにより供給配管264bを流れているスラリー水104は、循環配管264dにより貯水槽264aに戻される。これにより、給水ポンプ264cを常に駆動させた状態とすることができ、応答性が高い制御が可能となる。
【0032】
スラグ貯蔵タンク27は、スラリー搬送部26のスラリー配管262を通じて圧送されたスラリー105を貯蔵するタンクである。スラグ貯蔵タンク27は、本体271と、フィルタ272とを有する。本体271は、中空の塔、本実施の形態では、水平断面が四角形となる角筒形状であり、鉛直方向下側に、径が徐々に小さくなる端部が設けられている。フィルタ272は、水砕スラグ103は通過させず、スラリー水104は通過させる部材であり、本体271の側面(壁面)に鉛直方向で複数配置され、かつ本体271の側面(壁面)の径が徐々に小さくなる部分に配置されている。スラグ貯蔵タンク27は、以上のような構成であり、スラリー搬送部26からスラリー105が供給されると、フィルタ272からスラリー水104のみを排出して排出水106とする一方、本体271の下側の端部に水砕スラグ103を貯蔵する。
【0033】
また、スラグ貯蔵タンク27は、本体271の側面(壁面)に複数配置されたフィルタ272の下側、および本体271の側面(壁面)の径が徐々に小さくなる部分に配置されたフィルタ272の下側に、水受部273a,273bを有する。この水受部273a,273bは、回収管274を介してスラリータンク261に接続されている。水受部273a,273bは、フィルタ272によって分離・排出される排出水106を回収する。そして、回収管274は、水受部273a,273bに回収された排出水106を、スラリータンク261に流す。
【0034】
また、スラグ貯蔵タンク27は、径が徐々に小さくなった下端に、排出口275を有している。排出口275は、スラグ貯蔵タンク27に貯蔵されている水砕スラグ103の排出の実行、停止を制御する。排出口275から排出された水砕スラグ103は、直下に待機している搬送車両40に排出される。なお、搬送車両40は、スラグ排出システム20から排出された水砕スラグ103を所定の位置まで運ぶ車両である。搬送車両40としては、トラックを用いることができる。なお、本実施の形態では、水砕スラグ103を搬送車両40に排出する構成としたが、これに限定されず、種々の対象に排出することができる。
【0035】
スラグ排出システム20は、以上のような構成であり、ガス化炉30の底部で生成された溶融スラグ101をスラグ冷却水102で冷却することで水砕スラグ103としてスラグホッパ22で回収する。そして、スラグ排出システム20は、スラグホッパ22の下端の開閉弁23から排出された水砕スラグ103をスラグ冷却水102と共にスラグロックホッパ24に一時的に貯留する。さらに、スラグ排出システム20は、スラグロックホッパ24に貯留した水砕スラグ103をスラグ溜25のスラグ溜タンク25aに所定時間毎に所定量落下させ、スラグ溜タンク25aに設置したスラグコンベア25bでスラリータンク261に搬送する。また、スラグ排出システム20は、スラリータンク261に貯留された水砕スラグ103をスラリー水104によりスラリー105とし、スラリー配管262とスラリーポンプ263とによりスラグ貯蔵タンク27に圧送する。また、スラグ排出システム20は、スラグ貯蔵タンク27に水砕スラグ103と共に圧送されたスラリー水104を、フィルタ272から排出し、水受部273a,273bで排出水106として回収する。水受部273a,273bで回収された排出水106は、回収管274を介してスラリータンク261に流され、再度スラリー水104として再利用される。また、液位調整手段264は、スラリータンク261の液位を一定範囲に維持する。
【0036】
このようなスラグ排出システム20において、スラリー配管262にスラリー105を圧送中、例えば、スラリーポンプ263でのシール部の破損や、インペラの一部破損などの機械的要因、またはスラリーポンプ263のモータに供給される電圧が低下してモータ回転数が低下するなどの電気的要因によって圧力が低下する場合がある。このような場合、スラリー配管262内でスラリー105がスラリー水104と水砕スラグ103とに分離して水砕スラグ103が堆積し、この堆積した水砕スラグ103によってスラリー配管262が閉塞するおそれがある。スラリー配管262に閉塞が生じると、これを除去するためにスラグ排出システム20を停止することとなり、場合によってはスラグ排出システム20が設けられたガス化炉30(石炭ガス化複合発電設備)を停止しなければならないことにもなる。
【0037】
このため、本実施の形態では、スラリー配管262の所定位置において、当該スラリー配管262内の状態を検知するスラリー配管監視装置を設置している。
【0038】
[実施の形態1]
図2は、実施の形態1に係るスラリー配管監視装置の概略図であり、図3は、図2のA−A断面図であり、図4−1および図4−2は、超音波の伝搬状態を示す概略図である。
【0039】
図2に示すように、スラリー配管監視装置は、超音波送受波器1を有する。超音波送受波器1は、超音波送波部11と超音波受波部12とで構成される。超音波送波部11は、超音波を発生し送波するものである。超音波受波部12は、超音波を受波するものである。この超音波送受波器1は、スラリー配管262の所定位置において、スラリー配管262の外壁面に設けられ、スラリー配管262を通過してスラリー105の流れに交差する超音波を送受波するように、超音波送波部11と超音波受波部12とが対向して配置されている。
【0040】
ここで、スラリー配管262の所定位置とは、スラリー105を圧送するスラリー配管262内の圧力が低下した場合に、スラリー水104から分離した水砕スラグ103が重力によりスラリー配管262内で堆積し易いと想定される部分を言い、例えば、図2に示すように、スラリー配管262が水平に配置された部分や、スラリー配管262が曲がっている部分(特に上方に曲がっている部分)などがある。
【0041】
また、スラリー配管監視装置は、図3に示すように、監視部2と表示部3とを有する。監視部2は、超音波送波部11によって発生した超音波と、超音波受波部12によって受波した超音波とから、超音波送波部11と超音波受波部12との間で送受波した超音波の受波振幅を検出する。また、監視部2は、スラリー配管262にスラリー105が圧送されている通常時(水砕スラグ103が堆積していない状態)での前記受波振幅のデータが予め記憶されている。そして、監視部2は、記憶している受波振幅と、超音波受波部12で受波した超音波の受波振幅とを比較し、相互の受波振幅に差がある場合、この差に応じてスラリー配管262内の状態を判定する。また、監視部2は、スラリー配管262内の状態の判定結果を表示部3に表示する。
【0042】
監視部2におけるスラリー配管262内の状態の判定について説明する。例えば、図4−1において、実線は、スラリー配管262にスラリー105が圧送されている通常時での超音波であって、監視部2に予め記憶されている超音波の波形を示す。また、破線は、通常時に対して受波振幅が大きい場合の超音波の波形を示す。また、二点鎖線は、通常時に対して受波振幅が小さい場合の超音波の波形を示す。すなわち、監視部2は、通常時の超音波の振幅y0を基準とし、破線で示すように、基準の振幅y0と比較して小さい振幅y1であれば、通常時に対して超音波を減衰させる異物が存在する、すなわち水砕スラグ103が堆積していると判定する。一方、監視部2は、二点鎖線で示すように、基準の振幅y0と比較して大きい振幅y2であれば、通常時に対して超音波を減衰させる異物が存在せず超音波の伝搬に影響を与えるものが減少した、すなわち水砕スラグ103がスラリー配管262の内壁面に接触した摩擦によって当該内壁面が削れたと判定する。
【0043】
なお、監視部2は、上記振幅y1,y2の増減の度合い、すなわち受波振幅の増減値が、スラリー配管262の状態(スラリー配管262の外径寸法および内径寸法)に合わせたデータとして予め記憶されていることにより、振幅y1,y2の増減の度合いに応じ、水砕スラグ103の堆積度合いや、スラリー配管262の壁厚の減少度合いを判定することが可能である。
【0044】
表示部3は、判定結果を、文字、記号、色など、オペレータが見て識別できる情報として表示するものである。なお、図には明示しないが、表示部3に加え、アラームや音声により判定結果を知らせる報知部を設けてもよい。
【0045】
このように、本実施の形態のスラリー配管監視装置は、スラリー水(液体)104と水砕スラグ(固体)103とが混濁したスラリー105を圧送するスラリー配管262の所定位置に、スラリー配管262内に超音波を送波すると共に当該超音波を受波する超音波送受波器1を設け、当該超音波送受波器1により送受波する超音波の受波振幅(伝搬状態)に応じてスラリー配管262内の状態を検知する。
【0046】
このスラリー配管監視装置によれば、スラリー105を圧送するスラリー配管262内の状態を監視することが可能である。このため、スラリー配管262が閉塞したり、亀裂が生じたりする以前に、スラリー配管262の清掃や補修を行うことが可能になる。すなわち、スラリー配管262が閉塞したり、亀裂が生じたりした場合には、このスラリー配管監視装置が適用されたシステム(例えば、上述したスラグ排出システム)を停止しなければならないことがあるが、そのような事態を回避し、当該システムへの影響を低減することが可能になる。
【0047】
図5は、実施の形態1に係るスラリー配管監視装置の他の例を示す概略図である。上述したスラリー配管監視装置は、超音波送受波器1として、スラリー配管262を通過してスラリー105の流れに交差する超音波を送受波するように、超音波送波部11と超音波受波部12とが対向して配置されている構成について説明した。その他の形態として、図5に示すように、超音波送受波器1は、超音波送波部11と超音波受波部12とを一体に備え、超音波送波部11により送波してスラリー配管262内で反射した超音波を超音波受波部12で受波する。
【0048】
この場合、監視部2は、超音波送波部11によって発生した超音波と、超音波受波部12によって受波した超音波とから、超音波送波部11と超音波受波部12との間で送受波した超音波の伝搬時間(伝搬状態)を検出する。また、監視部2は、スラリー配管262にスラリー105が圧送されている通常時(水砕スラグ103が堆積していない状態)での前記伝搬時間のデータが予め記憶されている。そして、監視部2は、記憶している伝搬時間と、超音波受波部12で受波した超音波の伝搬時間とを比較し、相互の伝搬時間に差がある場合、この差に応じてスラリー配管262内の状態を判定する。また、監視部2は、スラリー配管262内の状態の判定結果を表示部3に表示する。
【0049】
監視部2におけるスラリー配管262内の状態の判定について説明する。例えば、図4−2に示すように、実線は、スラリー配管262にスラリー105が圧送されている通常時での超音波であって、監視部2に予め記憶されている超音波の波形を示す。また、破線は、通常時に対して伝搬時間が遅い場合の超音波の波形を示す。また、二点鎖線は、通常時に対して伝搬時間が早い場合の超音波の波形を示す。すなわち、監視部2は、二点鎖線で示すように、基準の伝搬時間t0と比較して早い伝搬時間t2であれば、超音波が伝搬する距離が短くなった、すなわち水砕スラグ103が堆積していると判定する。そして、監視部2は、基準の伝搬時間t0を超える伝搬時間t1の場合に、超音波の伝搬時間が遅くなっていることから、超音波が伝搬する距離が長くなった、すなわち水砕スラグ103がスラリー配管262の内壁面に接触した摩擦によって当該内壁面が削れたと判定する。
【0050】
なお、監視部2は、上記振幅y1,y2の増減の度合い、すなわち伝搬時間の増減値が、スラリー配管262内の状態に合わせたデータとして予め記憶されていることにより、振幅y1,y2の増減の度合いに応じ、水砕スラグ103の堆積度合いや、スラリー配管262の壁厚の減少度合いを判定することが可能である。
【0051】
このように、図5に示すスラリー配管監視装置によれば、スラリー105を圧送するスラリー配管262内の状態を監視することが可能である。このため、スラリー配管262が閉塞したり、亀裂が生じたりする以前に、スラリー配管262の清掃や補修を行うことが可能になる。すなわち、スラリー配管262が閉塞したり、亀裂が生じたりした場合には、このスラリー配管監視装置が適用されたシステム(例えば、上述したスラグ排出システム)を停止しなければならないことがあるが、そのような事態を回避し、当該システムへの影響を低減することが可能になる。しかも、図5に示すスラリー配管監視装置によれば、超音波送受波器1が、超音波送波部11と超音波受波部12とを一体に備えていることから、超音波送受波器1のスラリー配管262への設置箇所が減少するため、超音波送受波器1の取り付けが容易になり、かつ超音波送受波器1の設置のスペース効率を向上することが可能になる。
【0052】
[実施の形態2]
図6は、実施の形態2に係るスラリー配管監視装置の概略図であり、図7は、実施の形態2に係るスラリー配管監視装置の他の例を示す概略図である。なお、以下に説明する実施の形態2において、上述した実施の形態1と同等の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0053】
本実施の形態のスラリー配管監視装置は、複数(本実施の形態では3つ)の超音波送受波器1A,1B,1Cが、スラリー配管262の同一断面内の高さの異なる位置において超音波を送受波する態様で設けられている。
【0054】
図6に示すように、1つの超音波送受波器1Aは、鉛直方向でスラリー配管262の管中心Sを超音波が通過する態様で、超音波送波部11Aと超音波受波部12Aとが対向して配置されている。もう1つの超音波送受波器1Bは、超音波送受波器1Aと同一断面内で、斜め方向(例えば、45度)でスラリー配管262の管中心Sを超音波が通過する態様で、超音波送波部11Bと超音波受波部12Bとが対向して配置されている。また、もう1つの超音波送受波器1Cは、超音波送受波器1A,1Bと同一断面内で、水平方向でスラリー配管262の管中心Sを超音波が通過する態様で、超音波送波部11Cと超音波受波部12Cとが対向して配置されている。
【0055】
各超音波送受波器1A,1B,1Cは、図には明示しないが、監視部2に接続されている。監視部2は、それぞれの超音波送受波器1A,1B,1Cについて、上述したようにスラリー配管262内の状態を判定し、その判定結果を表示部3に表示する。
【0056】
すなわち、超音波送受波器1Aによりスラリー配管262の底部で堆積した水砕スラグ103aの有無を検出する。また、超音波送受波器1A,1Bによりスラリー配管262の底から30%を超えて堆積した水砕スラグ103bを検出する。また、超音波送受波器1A,1B,1Cによりスラリー配管262の底から50%を超えて堆積した水砕スラグ103cを検出する。
【0057】
また、図7に示すように、1つの超音波送受波器1Aは、水平方向でスラリー配管262の底部近傍を超音波が通過する態様で、超音波送波部11Aと超音波受波部12Aとが対向して配置されている。もう1つの超音波送受波器1Bは、超音波送受波器1Aと同一断面内で、水平方向でスラリー配管262の高さ方向の中央を超音波が通過する態様で、超音波送波部11Bと超音波受波部12Bとが対向して配置されている。また、もう1つの超音波送受波器1Cは、超音波送受波器1A,1Bと同一断面内で、水平方向でスラリー配管262の上部近傍を超音波が通過する態様で、超音波送波部11Cと超音波受波部12Cとが対向して配置されている。
【0058】
各超音波送受波器1A,1B,1Cは、図には明示しないが、監視部2に接続されている。監視部2は、それぞれの超音波送受波器1A,1B,1Cについて、上述したようにスラリー配管262内の状態を判定し、その判定結果を表示部3に表示する。
【0059】
すなわち、超音波送受波器1Aによりスラリー配管262の底部で堆積した水砕スラグ103aの有無を検出する。また、超音波送受波器1A,1Bによりスラリー配管262の底から50%を超えて堆積した水砕スラグ103bを検出する。また、超音波送受波器1A,1B,1Cによりスラリー配管262の底から80%を超えて堆積した水砕スラグ103cを検出する。
【0060】
このように、本実施の形態のスラリー配管監視装置によれば、複数(本実施の形態では3つ)の超音波送受波器1A,1B,1Cが、スラリー配管262の同一断面内の高さの異なる位置において超音波を送受波する態様で設けられていることにより、スラリー配管262の同一断面内の異なる高さでスラリー配管262内の状態を監視することが可能である。この結果、水砕スラグ103a、103b、103cの堆積状態を検知することが可能になる。
【0061】
なお、上述した実施の形態2において、各超音波送受波器1A,1B,1Cは、図5で示すように、超音波送波部11と超音波受波部12とが一体とされた構成であってもよい。
【0062】
[実施の形態3]
図8は、実施の形態3に係るスラリー配管監視装置の概略図である。なお、以下に説明する実施の形態3において、上述した実施の形態1および実施の形態2と同等の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
図8に示すように、本実施の形態のスラリー配管監視装置は、超音波送受波器1(1A,1B,1C)が取り付けられる取付座4を備えている。
【0064】
取付座4は、スラリー配管262の外周面262aに連続して設けられている。スラリー配管262の外周面262aに連続して設けられているとは、取付座4が、スラリー配管262の外周面262aに一致する形状の固定面4aを有し、当該固定面4aがスラリー配管262の外周面262aに接触して固定されていることを示す。また、スラリー配管262の外周面262aに連続して設けられているとは、取付座4が、スラリー配管262の外周面262aの一部をなして突出形成されていることも示す。
【0065】
また、取付座4は、取付面4bを有している。取付面4bは、超音波送受波器1(1A,1B,1C)が超音波を送受波する方向(図8に一点鎖線で示す)に直交して設けられ、超音波送受波器1(1A,1B,1C)が取り付けられる。
【0066】
このように、本実施の形態のスラリー配管監視装置によれば、スラリー配管262の外周面262aに連続して設けられ、超音波送受波器1(1A,1B,1C)が超音波を送受波する方向に直交して設けられて超音波送受波器1(1A,1B,1C)が取り付けられる取付面4bを有する取付座4を備えることにより、超音波の受波感度がより良い位置に超音波送受波器1(1A,1B,1C)を容易に取り付けることが可能になる。
【0067】
[実施の形態4]
図9は、実施の形態4に係るスラリー配管監視装置の概略図である。なお、以下に説明する実施の形態4において、上述した実施の形態1および実施の形態2と同等の構成には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0068】
図9に示すように、本実施の形態のスラリー配管監視装置は、超音波送受波器1(1A,1B,1C)が取り付けられる取付部5を備えている。
【0069】
取付部5は、スラリー配管262の外周面262aに連続して設けられている。スラリー配管262の外周面262aに連続して設けられているとは、取付部5が、スラリー配管262の外周面262aに接触して溶接などにより固定されていることを示す。また、スラリー配管262の外周面262aに連続して設けられているとは、取付部5が、スラリー配管262の外周面262aの一部をなして突出形成されていることも示す。
【0070】
また、取付部5は、挿入穴5aと、貫通部5b、栓部材5cとを有している。挿入穴5aは、超音波送受波器1(1A,1B,1C)が超音波を送受波する方向(図9に一点鎖線で示す)に挿入されて取り付けられるものである。この挿入穴5aは、取付部5がスラリー配管262の外周面262aに接触して溶接などで固定されている場合、取付部5を貫通して設けられている。なお、取付部5がスラリー配管262の外周面262aに接触して溶接などで固定されている場合、挿入穴5aのスラリー配管262側の開口は、溶接などにより密閉される。また、挿入穴5aは、取付部5がスラリー配管262の外周面262aの一部をなして突出形成されている場合、スラリー配管262を貫通しないように有底に形成されている。
【0071】
超音波送受波器1(1A,1B,1C)は、挿入穴5aにパッキン(図示せず)を介して挿入され、これにより挿入穴5aに取り付けられると共に、挿入穴5aを閉塞する。挿入穴5aに超音波送受波器1(1A,1B,1C)を取り付ける構成は、本実施の形態では、図9(a)に示すように、挿入穴5aに雌ネジ部5dを設け、当該雌ネジ部5dに螺合する雄ネジ部5eを超音波送受波器1(1A,1B,1C)に設けている。なお、図には明示しないが、雌ネジ部5dおよび雄ネジ部5eの構成以外に、嵌め込みにより挿入穴5aに超音波送受波器1(1A,1B,1C)を取り付けてもよい。
【0072】
貫通部5bは、取付部5の側部において、挿入穴5aの内外に貫通して設けられている。栓部材5cは、貫通部5bを閉塞するものである。栓部材5cは、貫通部5bにパッキン(図示せず)を介して挿入され、これにより貫通部5bを閉塞する。貫通部5bに栓部材5cを挿入する構成は、嵌め込み、またはねじ込みなどがある。
【0073】
上述した取付部5は、栓部材5cを外した状態で、図9(b)に示すように、挿入穴5aに充填液5f(例えば、粘性を有する油など)を注入し、この充填液5fが注入された挿入穴5aに超音波送受波器1(1A,1B,1C)を挿入する。すると、貫通部5bを介して挿入穴5aが空気抜きされる。この空気抜きされた状態で、栓部材5cにより貫通部5bを閉塞することで、超音波送受波器1(1A,1B,1C)を挿入した挿入穴5a内に充填液5fを充填させる。
【0074】
このように、本実施の形態のスラリー配管監視装置は、スラリー配管262の外周面262aに連続して設けられ、超音波送受波器1(1A,1B,1C)が超音波を送受波する方向に挿入される挿入穴5aと、挿入穴5aの内外に貫通する貫通部5bと、貫通部5bを閉塞する栓部材5cと、を有した取付部5を備え、充填液5fを注入した挿入穴5aに超音波送受波器1(1A,1B,1C)を挿入して貫通部5bより空気抜きし、栓部材5cにより貫通部5bを閉塞することで、超音波送受波器1(1A,1B,1C)を挿入した挿入穴5a内に充填液5fを充填させる。
【0075】
このスラリー配管監視装置によれば、スラリー配管262側と超音波送受波器1(1A,1B,1C)との間に充填された充填液5fによって、スラリー配管262側と超音波送受波器1(1A,1B,1C)との接触面積を十分に確保することで、超音波送受波器1(1A,1B,1C)の送受波が良好となるので、監視部2での超音波の送受波感度を向上することが可能になる。
【0076】
ところで、上述した各実施の形態のスラリー配管監視装置においては、液体と固体とが混濁するスラリーをスラリー配管に圧送するスラリー搬送設備(例えば、図1に示すスラリー搬送部26)に適用される。また、上述した各実施の形態のスラリー配管監視装置が適用されるスラリー搬送設備は、上述したスラリー搬送部26に限らず、例えば、火力発電所においてボイラから排出される石炭灰、ボトムアッシュ、またはフライアッシュが液体に混濁したスラリーを搬送するスラリー搬送設備や、工事現場において土砂が液体に混濁したスラリーを搬送するスラリー搬送設備や、下水処理時において汚泥が液体に混濁したスラリーを搬送するスラリー搬送設備がある。
【0077】
このように、液体と固体とが混濁したスラリーをスラリー配管262に圧送するスラリー搬送設備において、スラリー配管262に、各実施の形態のいずれか一つに記載のスラリー配管監視装置を適用する。
【0078】
このスラリー搬送設備によれば、スラリー105を圧送するスラリー配管262内の状態を監視することで、スラリー配管262が閉塞したり、亀裂が生じたりする以前に、スラリー配管262の清掃や補修を行うことが可能になる。すなわち、スラリー配管262が閉塞したり、亀裂が生じたりした場合には、スラリー搬送設備や、当該スラリー搬送設備が適用された設備を停止しなければならないことがあるが、そのような事態を回避し、当該設備での影響を低減することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上のように、本発明に係るスラリー配管監視装置およびスラリー搬送設備は、液体と固体とが混濁したスラリーを圧送するスラリー配管内の状態を監視することに適している。
【符号の説明】
【0080】
1(1A,1B,1C) 超音波送受波器
11(11A,11B,11C) 超音波送波部
12(12A,12B,12C) 超音波受波部
2 監視部
3 表示部
4 取付座
4a 固定面
4b 取付面
5 取付部
5a 挿入穴
5b 貫通部
5c 栓部材
5d 雌ネジ部
5e 雄ネジ部
5f 充填液
26 スラリー搬送部(スラリー搬送設備)
261 スラリータンク
262 スラリー配管
262a 外周面
263 スラリーポンプ
103(103a,103b,103c) 水砕スラグ
105 スラリー
S 管中心
y0,y1,y2 超音波の振幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体と固体とが混濁したスラリーを圧送するスラリー配管の所定位置に、前記スラリー配管内に超音波を送波すると共に当該超音波を受波する超音波送受波器を設け、当該超音波送受波器により送受波する超音波の伝搬状態に応じて前記スラリー配管内の状態を検知することを特徴とするスラリー配管監視装置。
【請求項2】
前記超音波送受波器が、超音波送波部と超音波受波部とを一体に備え、前記超音波送波部により送波して前記スラリー配管内で反射した超音波を前記超音波受波部で受波することを特徴とする請求項1に記載のスラリー配管監視装置。
【請求項3】
前記超音波送受波器が、前記スラリー配管の同一断面内の高さの異なる位置において超音波を送受波する態様で複数設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のスラリー配管監視装置。
【請求項4】
前記スラリー配管の外周面に連続して設けられ、前記超音波送受波器が超音波を送受波する方向に直行して設けられて前記超音波送受波器が取り付けられる取付面を有する取付座を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のスラリー配管監視装置。
【請求項5】
前記スラリー配管の外周面に連続して設けられ、前記超音波送受波器が超音波を送受波する方向に挿入されて取り付けられる挿入穴と、前記挿入穴の内外に貫通する貫通部と、前記貫通部を閉塞する栓部材と、を有した取付部を備え、充填液を注入した前記挿入穴に前記超音波送受波器を挿入して前記貫通部より空気抜きし、前記栓部材により前記貫通部を閉塞することで、前記超音波送受波器を挿入した挿入穴内に前記充填液を充填させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のスラリー配管監視装置。
【請求項6】
液体と固体とが混濁したスラリーをスラリー配管に圧送するスラリー搬送設備において、
前記スラリー配管に、請求項1〜5のいずれか一つに記載のスラリー配管監視装置を適用することを特徴とするスラリー搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4−1】
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【図4−2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−108002(P2012−108002A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257291(P2010−257291)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】