説明

スリ・引ったくり・置引き・持去り等の盗難防止装置及び住居侵入検知装置

【課題】 財布や定期入れのような比較的小型の物の監視に適しており、財物が盗難にあったことは所持人や第三者が容易に認識できるスリや引ったくり等の盗難防止装置を提供すること。
【解決手段】 一端が本体20に設けられ、他端が対象物2に接続されるコード10であって、コード10に引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、コード10に第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられたコード10と、引張検出部22によりコード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するアラーム部24と、一端が引張検出手段22と接続され、他端が看視者の着衣60に取付けられる装着部50であって、装着部50に第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、装着部50が看視者の着衣60から外れるように構成された装着部50とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、財布や携行物のような対象物に取り付けられて盗難を防止する盗難防止装置に関し、特にスリや引ったくりのような財物の所持人から直接占有を移転する類型の犯罪行為に対して、所持人が自衛するのに適する盗難防止装置に関する。また、本発明は、鞄や荷物の置き引きや持ち去りのような、所持人に対して有形力を用いることなく財物の占有を移転する類型の犯罪行為に対して所持人が自衛するのに適する盗難防止装置に関する。さらに、本発明は、空き巣のように窓や玄関から住居や建物への侵入のような、建物の管理者の意思に反して住居に入る類型の行為に対して、建物の管理者が自衛するのに適する住居侵入検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代自由主義社会では、多様な価値観を許容している関係で、従来の社会と比較して行為規範が緩んでいる。また、倫理観の欠乏した者や、いわゆるゲーム脳に起因して、他者への加害行為を害悪と認識しない者も増加している。さらに、傷害犯や強盗犯等の凶悪犯の犯罪率が、高度成長期と比較して近年では数倍に増大している。犯罪者の検挙率も、特に窃盗犯において急激に低下しており、窃盗犯の検挙率と日本国における刑罰の重さを考慮すると、犯意に対して充分な抑止力となっていない。そこで、銀行や郵便局などの金融機関のような高価な財物を多量に保持する施設に限らず、単なる通行人や婦女等の市民においても、防犯対策や自衛の必要性が増大している。
【0003】
そこで、窃盗犯に対する防犯対策や自衛のための一例として、特許文献1には、商品に直接取り付けられて盗難を防止する盗難防止装置が提案されている。この盗難防止装置は、ループ状の被膜導電コードを有し、例えば本体が商品から取り外されたときにブザーが鳴るように構成されている。
【0004】
また、特許文献2には、アラーム乃至ブザー等の警報装置が収納ケースにスペースをとらないで内蔵でき、従ってスイッチ機構が外から見ても判らない盗難防止付き収納ケースが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案公報 第3034702号
【特許文献2】実開平7−1821号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の盗難防止装置は、例えば店舗に設置されている比較的高価な商品や見本品が万引きされるのを防止するような態様には適している。他方、スリや引ったくり防止のような態様には、盗難防止装置の形状に関して、監視対象となる物や衣服への着脱が容易であることが望まれる。監視対象となる物は鞄や財布等の携行品であるが、日々変わる可能性がある。また、財物の所持人は、周囲環境が暑かったり寒かったりするのに応じて衣類を着替えるが、このような場合にも盗難防止装置は身につける状態に容易にできることが望ましい。さらに、社会通念上、所持人の身体の安全は財物の持つ財産的な価値よりも大きな価値があるため、盗難防止装置は所持人の身体から外れやすいことが望まれるが、他方で財物が盗難にあったことが所持人や第三者が容易に認識できることが望ましい。
【0007】
また、特許文献2の盗難防止付き収納ケースは、盗難防止装置を監視対象となる物に内蔵させるもので、比較的高価な商品や貴重品には適している。しかし、スリや引ったくり防止のような態様では、監視対象となる物が財布やハンドバックのような人の手を基準とする程度の小型ものであるため、盗難防止装置も小型化する必要がある。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決するもので、第1の目的は、財布や定期入れのような比較的小型の物の監視に適しており、財物が盗難にあったことは所持人や第三者が容易に認識できるスリや引ったくり等の盗難防止装置を提供することである。本発明の第2の目的は、旅行カバンのような比較的大型の物の監視に適しており、財物が盗難にあったことは所持人や第三者が容易に認識できる引ったくり・置引き・持去り等の盗難防止装置を提供することである。本発明の第3の目的は、旅行カバンのような比較的大型の物の監視に適しており、所持人が直接所持せず、対象物から離れた場所に居ても、財物の占有が奪われたことを所持人や第三者が容易に認識できる引ったくり・置引き・持去り等の盗難防止装置を提供することである。本発明の第4の目的は、本発明の盗難防止装置を用いて、空き巣のような住居侵入を検知する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の目的を達成する第1の発明の盗難防止装置は、例えば図1に示すように、対象物2に取り付けられてスリや引ったくり等の盗難を防止する盗難防止装置であって、一端が本体20に設けられ、他端が対象物2に接続されるコード10であって、コード10に引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、コード10に第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられたコード10と、コード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知する引張検出手段22と、引張検出手段22によりコード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するアラーム手段24と、一端が引張検出手段22と接続され、他端が看視者の着衣60に取付けられる装着部50であって、装着部50に第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、装着部50が看視者の着衣60から外れるように構成された装着部50と、を備えることを特徴とする。
【0010】
このように構成された本発明の盗難防止装置においては、コード10は、一端が本体20に設けられ、他端が対象物2に接続されるものであって、コード10に引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、コード10に第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられている。ここで、第1の長さは、盗難防止装置を対象物2に接続しても、対象物2の所持人の動作に支障を生じない程度に定める。第2の長さは、対象物の占有が所持人から加害者に社会通念上移動したとみなせる程度に定め、例えば0.7m〜1.5mに定める。引張検出手段22は、コード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知するもので、例えば第1の引張荷重でオンオフ動作するスイッチが用いられる。アラーム手段24は、引張検出手段22によりコード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するもので、アラームは音・光・振動等の看視者が認識できるものが用いられる。装着部50は、一端が引張検出手段22と接続され、他端が看視者の着衣60に取付けられる装着部50であって、装着部50に第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、装着部50が看視者の着衣60から外れるように構成されている。
【0011】
好ましくは、本発明の盗難防止装置において、コード10は、ループ状の形状を有し、第1の長さと第2の長さの差は、当該ループ状の形状の伸縮による構成にすると、コード10が第1の長さでは対象物2の所持人の動作に支障を生じることなく、第2の長さになるのは、対象物の占有が所持人から離れた場合に限られるため、盗難防止装置が容易に取扱える。
【0012】
好ましくは、本発明の盗難防止装置において、コード10と本体20との接続は、本体20側又はコード10の他端に設けられた鉤状部材26と、この鉤状部材の先端との間で開放状態と閉鎖状態との間を遷移する開閉部材28と、コード10の他端又は本体20側に設けられる係合部材12を有する。そして、係合部材12を鉤状部材26と閉鎖状態の開閉部材28によって保持する構成にするとよい。鉤状部材26と閉鎖状態の開閉部材28で係合部材12を保持することで、盗難防止装置と対象物2が分離することを防止できる。
【0013】
好ましくは、本発明の盗難防止装置において、さらに、鉤状部材26の先端を覆う状態に設けられるカバー部材30を有し、カバー部材30は、係合部材12が開閉部材28の閉鎖状態から開放状態に遷移することを防止する保護状態と、開放状態に遷移することを可能とする着脱状態とを有する構成にするとよい。カバー部材30を設けることで、保護状態ではコード10に接続された対象物2の監視ができる。また、着脱状態では、対象物2に対してコード10の着脱ができる。
【0014】
好ましくは、本発明の盗難防止装置において、さらに、本体20に設けられたレバー部材32であって、レバー部材32は、カバー部材30の保護状態を保持する第1の位置と、カバー部材30の保護状態から着脱状態への遷移を可能とする第2の位置とを有する構成にするとよい。レバー部材32を設けることで、カバー部材30の保護状態と着脱状態との選択が容易にできる。
【0015】
好ましくは、本発明の盗難防止装置において、さらに、レバー部材32を第1の位置と第2の位置で移動可能とさせるキー部材40を有する構成にするとよい。キー部材40を設けることで、レバー部材32の操作は、キー部材40を所持する者が行える。キー部材40を所持しない占有奪取者は、コード10や本体を損壊して始めて、対象物2をコード10から取り外せる。キー部材40には、錠前の鍵や暗証番号を用いることができる。
【0016】
好ましくは、本発明の盗難防止装置において、さらに、レバー部材32と一体に設けられたキー部材係合部34を有し、キー部材40はキー部材係合部34と係合して、レバー部材32を第1の位置と第2の位置で移動可能とする構成にするとよい。キー部材係合部34には、例えば錠前の本体が用いられる。
【0017】
上記第2の目的を達成する第2の発明の盗難防止装置は、例えば図7に示すように、対象物4に取り付けられて引ったくり・置引き・持去り等の盗難を防止する盗難防止装置であって、一端が引張検出手段22に設けられ、他端が装着部50に接続されるコード70であって、コード70に引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、コード70に第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられたコード70と、コード70に前記第1の引張荷重が作用する状態を検知する引張検出手段22と、引張検出手段22によりコード70に第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するアラーム手段24と、一端が看視者の着衣60に取付けられると共に、第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、看視者の着衣60から外れるように構成された装着部50と、対象物4に取り付けられる本体20であって、本体20側又は対象物4に設けられた鉤状部材26と、この鉤状部材の先端との間で開放状態と閉鎖状態との間を遷移する開閉部材28と、対象物4又は本体20側に設けられる係合部材を有し、前記係合部材を鉤状部材26と閉鎖状態の開閉部材28によって保持する本体20と、を備えることを特徴とする。
【0018】
このように構成された本発明の盗難防止装置においては、コード70は、一端が本体20に設けられ、他端が装着部50に接続されるものであって、コード70に引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、コード70に第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられている。引張検出手段22は、コード70に第1の引張荷重が作用する状態を検知するもので、例えば第1の引張荷重でオンオフ動作するスイッチが用いられる。アラーム手段24は、引張検出手段22によりコード70に第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するものである。装着部50は、一端が引張検出手段22と接続され、他端が看視者の着衣60に取付けられる装着部50であって、装着部50に第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、装着部50が看視者の着衣60から外れるように構成されている。
【0019】
上記第3の目的を達成する第3の発明の盗難防止装置は、例えば図9に示すように、装着部50が、看視者の着衣60に取付けられることに代えて、対象物の変位を検知するのに適する固定位置部材に取付けられることを特徴とする。
【0020】
上記第4の目的を達成する本発明の住居侵入検知装置は、例えば図10に示すように、住居の対象物に取り付けられて住居侵入を検知する住居侵入検知装置であって、一端が本体に設けられ、他端が対象物2に接続されるコード10であって、コード10に引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、コード10に第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられたコード10と、コード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知する引張検出手段22と、引張検出手段22によりコード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するアラーム手段24とを備える。
【発明の効果】
【0021】
第1の発明の盗難防止装置によれば、監視対象となる物がスリや引ったくりのような態様で盗難されるので、対象物の占有が所持人から加害者に移動する。そこで、コードに第1の引張荷重が作用して、盗難防止装置の本体に接続されたコードも第1の長さから第2の長さまで伸びる。すると引張検出手段が引張荷重の作用を検知して、アラーム手段を作動させて、スリや引ったくりの被害発生を所持人や第三者に知らせる。装着部に第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、装着部が看視者の着衣から外れるように構成されているので、財物に関心のある盗取者によって所持人に無用の身体的加害が加わることを未然に防止する。対象物は財布のような比較的小型のものなので、本体は装着部側に近い場所にあり、所持人による盗難防止装置の所持が簡便になされると共に、対象物にとって盗難防止装置との干渉が少なくて済む。
【0022】
第2の発明の盗難防止装置によれば、監視対象となる物が引ったくり・置引き・持去り等のような態様で盗難されるので、対象物の占有が所持人から加害者に移動する。そこで、コードに第1の引張荷重が作用して、盗難防止装置の本体に接続されたコードも第1の長さから第2の長さまで伸びる。すると引張検出手段が引張荷重の作用を検知して、アラーム手段を作動させて、スリや引ったくりの被害発生を所持人や第三者に知らせる。装着部に第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、装着部が看視者の着衣から外れるように構成されているので、財物に関心のある盗取者によって所持人に無用の身体的加害が加わることを未然に防止する。対象物は旅行カバンのような比較的大型のものなので、本体は対象物に近い場所にあり、所持人にとって盗難防止装置との干渉が少なくて済む。
【0023】
第3の発明の盗難防止装置によれば、監視対象となる物が置引きや持去り等のような態様で盗難されるので、対象物の置き場所や姿勢が加害者によって移動させられる。そこで、コードに第1の引張荷重が作用して、盗難防止装置の本体に接続されたコードも第1の長さから第2の長さまで伸びる。すると引張検出手段が引張荷重の作用を検知して、アラーム手段を作動させて、置引きや持去り等の被害発生を所持人や第三者に知らせる。対象物は旅行カバンや自動車・自転車のような比較的大型のものなので、本体は対象物に取付けられる。装着部に第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、装着部が対象物から外れるように構成されているので、盗取者によって対象物が損壊されることを未然に防止する。
【0024】
第4の発明の盗難防止装置によれば、本発明の盗難防止装置を用いて、空き巣のような住居侵入を検知する装置を提供できる。即ち、住居侵入が通常行われる窓や扉のような移動可能な部材を対象物として取り扱い、盗難防止装置によって対象物の移動を検出する。より詳しくは、監視対象となる対象物である窓や扉の置き場所や姿勢が侵入者によって移動させられる。そこで、コードに第1の引張荷重が作用して、盗難防止装置の本体に接続されたコードも第1の長さから第2の長さまで伸びる。すると引張検出手段が引張荷重の作用を検知して、アラーム手段を作動させて、住居侵入発生を居住者や第三者に知らせる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、第1の発明の盗難防止装置を説明する構成図で、(A)は全体構成図、(B)は使用状態の説明図である。
【図2】図2は、本発明の盗難防止装置の詳細を説明する構成図で、対象物を装着していない状態を示しており、(A)は側面断面図、(B)は図2(A)B−B面でのレバー部材の移動状態を説明する平面図、(C)は図2(A)C−C面での平面図で、盗難防止装置本体の電子部品配置図を説明している。
【図3】図3は、本発明の盗難防止装置の詳細を説明する構成図で、図2(B)D−D面での底面図を表している。
【図4】図4は、対象物を盗難防止装置に取付ける場合のフローチャートである。
【図5】図5は、所持人によって対象物を盗難防止装置から取外す場合のフローチャートである。
【図6】図6は、所持人の意思に反して窃取者によって対象物が奪取される場合のフローチャートである。
【図7】図7は、第2の発明の盗難防止装置を説明する構成図で、(A)は全体構成図、(B)は使用状態の説明図である。
【図8】図8は、本発明の盗難防止装置の使用態様の説明図である。
【図9】図9は、第3の発明の盗難防止装置を説明する構成図で、(A)は自転車の籠内に置かれた買い物籠に盗難防止装置を取付ける状態、(B)は自動車の窃盗を防止するための盗難防止装置を取付ける状態の説明図である。
【図10】図10は、本発明の住居侵入防止装置を説明する構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、第1の発明の盗難防止装置を説明する構成図で、(A)は全体構成図、(B)は使用状態の説明図である。図において、本発明の盗難防止装置は、対象物2に取り付けられてスリや引ったくり等の盗難を防止する盗難防止装置であって、コード10、本体20、装着部50を有する。対象物2は、典型的には、所持人の手の大きさ程度の比較的小型で100gから300g程度の軽量のもので、例えば財布や定期券入れ、銀行カードやクレジットカード等のカード入れである。しかし、対象物2は、これよりも形状が大型で重量が重くても良い。
【0027】
コード10は、一端が本体20に設けられ、他端が対象物2に接続されるコード10で、本体側用の係合部材12と対象物係止用の係止部材14を有する。コード10は、引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、コード10に第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられるもので、例えばループ状の形状を有する。第1の長さは、盗難防止装置を対象物2に接続しても、対象物2の所持人の動作に支障を生じない程度に定め、例えば0.05〜0.2mに定める。第2の長さは、対象物の占有が所持人から加害者に社会通念上移動したとみなせる程度に定め、例えば0.7m〜1.5mに定める。第1の長さと第2の長さの差は、コード10のループ状の形状の伸縮による構成にする。コード10は、引張荷重に耐えるように、鋼線とこれを被覆するビニール樹脂のようなプラスチック材利用よりなる被覆で構成される。第1の引張荷重は、無負荷状態での誤動作を防止するように定め、例えば1kg重〜3kg重程度に定める。係合部材12は、コード10の他端に設けられるもので、例えばリング状や楕円状にする。係止部材14は、例えばフック形状とストッパを用いて、対象物2の係止用の貫通穴やリング状の突起部に係止される。
【0028】
本体20は、引張検出部22、アラーム部24、鉤状部材26、ばね27、開閉部材28、カバー部材30、ばね31、レバー部材32、キー部材係合部34、キー部材係合案内穴35、電池36、並びにロック状態表示部38を有する。図2は、本発明の盗難防止装置の本体詳細を説明する構成図で、対象物を装着していない状態を示しており、(A)は側面断面図、(B)は図2(A)B−B面でのレバー部材の移動状態を説明する平面図、(C)は図2(A)C−C面での平面図で、盗難防止装置本体の電子部品配置図を説明している。引張検出部22は、コード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知するもので、例えば第1の引張荷重でオンオフ動作するスイッチが用いられる。アラーム部24は、引張検出部22によりコード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するもので、アラームは音・光・振動等の看視者が認識できるものが用いられる。
【0029】
鉤状部材26は、本体20側に設けられているフック状の部材である。開閉部材28は、この鉤状部材の先端との間で開放状態と閉鎖状態との間を遷移するもので、例えばばね27により反発力を有するストッパ部材が用いられる。そして、鉤状部材26と閉鎖状態の開閉部材28によって、係合部材12を保持する。なお、鉤状部材26と開閉部材28は、コード10の他端に設けられていてもよい。この場合は、係合部材12は、本体20側に設けられる。
【0030】
カバー部材30は、鉤状部材26の先端を覆う状態に設けられるもので、矢印H方向に移動可能であり、ばね31により付勢されている。カバー部材30は、ばね31により開閉部材28を閉鎖状態に保持して、係合部材12が外れない状態を保持する。操作者により矢印H方向に移動させて、ばね31を圧縮すると開閉部材28を開放状態に遷移させて、係合部材12を着脱することを可能とする状態になる。レバー部材32は、本体20に設けられるもので、キー部材係合部34と兼用の軸支部を中心として矢印R方向に所定の角度の範囲内で移動可能である。レバー部材32は、カバー部材30の保護状態を保持する第1の位置と、カバー部材30の保護状態から着脱状態への遷移を可能とする第2の位置とを有する。レバー部材32を設けることで、カバー部材30の保護状態と着脱状態との選択が容易にできる。キー部材係合部34は、レバー部材32の軸支部と一体に設けられるもので、キー部材40と係合して、レバー部材32を第1の位置と第2の位置で移動可能とする。キー部材係合部34には、例えば錠前の本体が用いられる。キー部材係合案内穴35は、キー部材係合部34を保護するもので、本体20の筐体上面に設けられる。
【0031】
電池36は、アラーム部24やロック状態表示部38等の本体20の動作に必要な電力を供給するもので、例えばリチウム電池、ニッケルカドミウム電池、マンガン電池が用いられる。ロック状態表示部38は、カバー部材30の移動状態をスイッチにより検知して、カバー部材30が保護状態の位置にあると、点灯するもので、例えばLEDのような発光素子が用いられる。
【0032】
キー部材40は、レバー部材32を第1の位置と第2の位置で移動可能とさせるもので、例えば錠前の鍵を用いることができる。キー部材40を設けることで、レバー部材32の操作は、キー部材40を所持する者が行える。キー部材40を所持しない占有奪取者は、コード10や本体を損壊して始めて、対象物2をコード10から取り外せる。なお、キー部材40として暗証番号を用いる場合は、キー入力に必要な操作部を設ける。
【0033】
装着部50は、一端が引張検出部22と接続され、他端が看視者の着衣60に取付けられるもので、例えばばね力を用いて二本の棒状の部材で挟む留め金やクリップが用いられる。装着部50は、装着部50に第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、装着部50が看視者の着衣60から外れるように構成される。第2の引張荷重は、無負荷状態での離脱を防止すると共に、引っ張られたときに所持人が転倒したり、着衣60が破れることを防止できるように定め、例えば3kg重〜10kg重程度に定める。
【0034】
図3は、本発明の盗難防止装置の詳細を説明する構成図で、図2(B)D−D面での底面図を表している。本体20の筐体底面側には、引張検出部22の装着部50取付け用のピンが設けられていると共に、レバー部材32の底面側ブラケット30aが設けられている。レバー部材32がカバー部材30の保護状態を保持するように、底面側ブラケット30aには付勢用のばねピン42が設けられている。ばねピン42は、両端がピン止め穴43、45によって保持されると共に、中心部がねじ止め44によって底面側ブラケット30aに固定されている。ストッパ46は、底面側ブラケット30aの矢印S方向の移動を抑止して、引張検出部22のピンに衝突するのを防止している。
【0035】
このように構成された装置の動作を次に説明する。まず、対象物2を盗難防止装置に取付ける場合を説明する。図4は、対象物を盗難防止装置に取付ける場合のフローチャートである。最初に、カバー部材30を着脱状態の位置に移動させて(S102)、開閉部材28を開放状態にして(S104)、係合部材12を鉤状部材26と開閉部材28によって保持する(S106)。そして、開閉部材28はバネ力等によって閉鎖状態に戻るので、係合部材12に繋がれた対象物2が本体20と接続される。次に、カバー部材30を保護状態の位置に移動させて(S108)、キー部材40をキー部材係合部34と係合させる。そして、レバー部材32を第1の位置に移動させて(S110)、ロック状態にする。このとき、ロック状態表示部38が点灯して(S112)、所持人にロック状態を知らせる。また、装着部50を看視者の着衣60に取り付ける(S114)。これによって、対象物2は盗難防止装置を介して、看視者の着衣60に取り付けられる(S116)。
【0036】
次に、所持人によって対象物2を盗難防止装置から取外す場合を説明する。図5は、所持人によって対象物2を盗難防止装置から取外す場合のフローチャートである。最初に、キー部材40をキー部材係合部34と係合させて(S202)、レバー部材32を第2の位置に移動させて(S204)、ロック状態を解除する。このとき、ロック状態表示部38が消灯して(S206)、所持人にロック状態解除を知らせる。次に、カバー部材30を着脱状態の位置に移動させて(S208)、開閉部材28を開放状態にして、係合部材12と鉤状部材26・開閉部材28の係合を解く(S210)。これによって、対象物2が盗難防止装置から取外される(S212)。そして、必要に応じて、装着部50を看視者の着衣60から取り外す(S214)。なお、対象物2を盗難防止装置に取付けた状態で、装着部50を看視者の着衣60から取り外しても良い。この場合には、対象物2と看視者の着衣60との接続状態が解除されるので、看視者が着衣の着替えをする場合に便利である。
【0037】
続いて、所持人の意思に反して窃取者によって対象物2が奪取される説明する。図6は、所持人の意思に反して窃取者によって対象物が奪取される場合のフローチャートである。窃取者は、スリや引ったくり等の態様で、所持人から対象物2の占有を奪う(S302)。窃取者は、対象物2の占有を奪うと、所持人から離れようとするので、コード10が伸びる。まず、窃取者と所持人との距離が近い場合は、コード10が第1の長さから第2の長さに伸びる(S304)。すると、引張検出部22によりコード10に第1の引張荷重が作用する状態を検知される(S306)ので、アラーム部24がアラームを出力する(S308)。これにより、所持人や周囲の第三者は対象物2の状態に異常が発生したことを知る。
【0038】
そして、コード10が第2の長さに伸びきると(S310)、コード10に作用する引張力が第1の引張荷重から、第2の引張荷重に増大する。今度は、装着部50が看視者の着衣60から外れて(S312)、所持人は対象物2の占有を失う。しかし、窃取者は対象物2の占有を奪っても、対象物2と盗難防止装置とが、係合部材12と鉤状部材26・開閉部材28の係合によって、一体化している。そして、アラーム部24はアラームを出力する状態を維持している(S314)。これにより、所持人や周囲の第三者に対して対象物2の状態に異常が発生したことが、アラーム部24によって報知され続けるので、窃取者にとって周囲に人が居る状態でのスリや引ったくり等が困難になる。
【0039】
アラーム出力を停止するには、キー部材40をキー部材係合部34と係合させて、レバー部材32を第2の位置に移動させて、ロック状態を解除して、次に、カバー部材30を着脱状態の位置に移動させて、開閉部材28を開放状態にして、係合部材12と鉤状部材26・開閉部材28の係合を解く必要がある。しかし、キー部材40は対象物2とは別に所持人が所持しているので、窃取者によるアラーム解除は困難であり、キー部材40の占有を所持人から奪って操作するには更なる時間が掛かる。これによりスリや引ったくり等の遂行時間が増加し、窃取者にとって現行犯逮捕される危険が増し、犯行の抑止力になる。
【0040】
続いて、本発明の他の実施の態様を説明する。図7は、第2の発明の盗難防止装置を説明する構成図で、(A)は全体構成図、(B)は使用状態の説明図である。なお、図2において、前記図1と同一作用をするものには同一の符号を付して説明を省略する。図において、本発明の盗難防止装置は、対象物4に取り付けられて引ったくり・置引き・持去り等の盗難を防止する盗難防止装置であって、本体20、装着部50、コード70を有する。対象物4は、典型的には、シャツやブラウスが入る程度の比較的大型で1kgから10kg程度の重量のもので、例えば旅行カバンやハンドバッグ・買い物篭である。しかし、対象物2は、これよりも形状が大型で重量が重くても良く、逆に小型で軽量でも良い。
【0041】
コード70は、一端が引張検出手段22に設けられ、他端が装着部50に接続されるものであって、コード70に引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、コード70に第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられている。引張検出手段22は、ここではコード70に第1の引張荷重が作用する状態を検知して、アラーム部24に第1の引張荷重検知信号を出力する。本体20側に設けられた鉤状部材26と閉鎖状態の開閉部材28は、対象物4に設けられた係合部材6を保持する。係合部材6は、例えば対象物4である手提げカバンの把持部や肩掛けベルトのベルト部でも良いが、別途設けられたフックとストッパでもよい。なお、鉤状部材26と開閉部材28は、対象物4に設けられていてもよい。この場合は、係合部材6は、本体20側に設けられる。
【0042】
このように構成された装置も、図1の装置に関して図4〜図6で説明したのと同様な動作を行う。図8は本発明の盗難防止装置の使用態様の説明図である。図8(A)において、スリ被害の対象物をズボンの後ポケット内の財布とする、盗難防止装置の取付状態が示されている。背広の内ポケットの財布も酔っ払いの寝込みを狙うスリの対象物であるから、同様である。図8(B)において、引ったくり被害の対象物であるショルダーバッグに対する、盗難防止装置の取付状態が示されている。図8(C)において、鉄道駅・バス停・空港・客船用港湾等での置き引き・持ち去り防止のための、盗難防止装置の取付状態が示されている。図8(D)において、カウンターでの置き引き・持ち去り防止のための、盗難防止装置の取付状態が示されている。図8(E)において、子供の帰宅や塾帰りの場合に対処するために、盗難防止装置の取付状態が示されている。
【0043】
図9は、第3の発明の盗難防止装置を説明する構成図で、(A)は自転車の籠内に置かれた買い物籠に盗難防止装置を取付ける状態、(B)は自動車の窃盗を防止するための盗難防止装置を取付ける状態の説明図である。第3の発明の盗難防止装置は、装着部50が、看視者の着衣60に取付けられることに代えて、対象物の変位を検知するのに適する固定位置部材に取付けられることを特徴とする。図9(A)において、対象物は自転車の籠内に置かれた買い物籠であり、固定位置部材は自転車の籠や車体である。図9(B)において、対象物は自動車であり、固定位置部材は自動車内の座席のような固定部材である。
【0044】
図10は、本発明の住居侵入防止装置を説明する構成図である。本発明の盗難防止装置を用いて、空き巣のような住居侵入を検知する装置を提供できる。即ち、住居侵入が通常行われる窓や扉のような移動可能な部材を対象物として取り扱い、盗難防止装置によって対象物の移動を検出する。より詳しくは、監視対象となる対象物である窓や扉の置き場所や姿勢が侵入者によって移動させられる。そこで、コードに第1の引張荷重が作用して、盗難防止装置の本体に接続されたコードも第1の長さから第2の長さまで伸びる。すると引張検出手段が引張荷重の作用を検知して、アラーム手段を作動させて、住居侵入発生を居住者や第三者に知らせる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明は、財布や携行物のような対象物に取り付けられて盗難を防止する盗難防止装置に関し、特にスリや引ったくりのような財物の所持人から直接占有を移転する類型の犯罪行為に対して、所持人が自衛するのに適する盗難防止装置として、利用できる。また、本発明は、鞄や荷物の置き引きや持ち去りのような、所持人に対して有形力を用いることなく財物の占有を移転する類型の犯罪行為に対して所持人が自衛するのに適する盗難防止装置として、利用できる。
【符号の説明】
【0046】
2、4 対象物
10、70 コード
12 係合部材(リング)
20 本体
22 引張検出部
24 アラーム部
26 鉤状部材
28 開閉部材
30 カバー部材
32 レバー部材
34 キー部材係合部
40 キー部材
50 装着部
60 着衣

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物に取り付けられてスリや引ったくり等の盗難を防止する盗難防止装置であって、
一端が本体に設けられ、他端が前記対象物に接続されるコードであって、当該コードに引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、当該コードに第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられた前記コードと、
前記コードに前記第1の引張荷重が作用する状態を検知する引張検出手段と、
前記引張検出手段により前記コードに前記第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するアラーム手段と、
一端が前記引張検出手段と接続され、他端が看視者の着衣に取付けられる装着部であって、前記第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、当該装着部が前記看視者の着衣から外れるように構成された当該装着部と、
を備えることを特徴とする盗難防止装置。
【請求項2】
前記コードは、ループ状の形状を有し、前記第1の長さと前記第2の長さの差は、当該ループ状の形状の伸縮によることを特徴とする請求項1記載の盗難防止装置。
【請求項3】
前記コードと前記本体との接続は、前記本体側又は前記コードの他端に設けられた鉤状部材と、この鉤状部材の先端との間で開放状態と閉鎖状態との間を遷移する開閉部材と、前記コードの他端又は前記本体側に設けられる係合部材を有し、前記係合部材を前記鉤状部材と前記閉鎖状態の前記開閉部材によって保持することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の盗難防止装置。
【請求項4】
請求項3記載の盗難防止装置であって、さらに、
前記鉤状部材の先端を覆う状態に設けられるカバー部材を有し、当該カバー部材は、前記係合部材が前記開閉部材の前記閉鎖状態から前記開放状態に遷移することを防止する保護状態と、前記開放状態に遷移することを可能とする着脱状態とを有することを特徴とする盗難防止装置。
【請求項5】
請求項4記載の盗難防止装置であって、さらに、
前記本体に設けられたレバー部材であって、当該レバー部材は、前記カバー部材の前記保護状態を保持する第1の位置と、前記カバー部材の前記保護状態から前記着脱状態への遷移を可能とする第2の位置とを有することを特徴とする盗難防止装置。
【請求項6】
請求項5記載の盗難防止装置であって、さらに、
前記レバー部材を前記第1の位置と前記第2の位置で移動可能とさせるキー部材を有することを特徴とする盗難防止装置。
【請求項7】
請求項6記載の盗難防止装置であって、さらに、
前記レバー部材と一体に設けられたキー部材係合部を有し、
前記キー部材は当該キー部材係合部と係合して、前記レバー部材を前記第1の位置と前記第2の位置で移動可能とすることを特徴とする盗難防止装置。
【請求項8】
対象物に取り付けられて引ったくり・置引き・持去り等の盗難を防止する盗難防止装置であって、
一端が引張検出手段に設けられ、他端が装着部に接続されるコードであって、当該コードに引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、当該コードに第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられた前記コードと、
前記コードに前記第1の引張荷重が作用する状態を検知する引張検出手段と、
前記引張検出手段により前記コードに前記第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するアラーム手段と、
一端が看視者の着衣に取付けられると共に、前記第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、前記看視者の着衣から外れるように構成された前記装着部と、
前記対象物に取り付けられる本体であって、前記本体側又は前記対象物に設けられた鉤状部材と、この鉤状部材の先端との間で開放状態と閉鎖状態との間を遷移する開閉部材と、前記対象物又は前記本体側に設けられる係合部材を有し、前記係合部材を前記鉤状部材と前記閉鎖状態の前記開閉部材によって保持する前記本体と、
を備えることを特徴とする盗難防止装置。
【請求項9】
前記コードは、ループ状の形状を有し、前記第1の長さと前記第2の長さの差は、当該ループ状の形状の伸縮によると共に、
ことを特徴とする請求項8記載の盗難防止装置。
【請求項10】
請求項8又は請求項9に記載の盗難防止装置であって、さらに、
前記鉤状部材の先端を覆う状態に設けられるカバー部材を有し、当該カバー部材は、前記係合部材が前記開閉部材の前記閉鎖状態から前記開放状態に遷移することを防止する保護状態と、前記開放状態に遷移することを可能とする着脱状態とを有することを特徴とする盗難防止装置。
【請求項11】
請求項10記載の盗難防止装置であって、さらに、
前記本体に設けられたレバー部材であって、当該レバー部材は、前記カバー部材の前記保護状態を保持する第1の位置と、前記カバー部材の前記保護状態から前記着脱状態への遷移を可能とする第2の位置とを有することを特徴とする盗難防止装置。
【請求項12】
請求項11記載の盗難防止装置であって、さらに、
前記レバー部材を前記第1の位置と前記第2の位置で移動可能とさせるキー部材を有することを特徴とする盗難防止装置。
【請求項13】
請求項12記載の盗難防止装置であって、さらに、
前記レバー部材と一体に設けられたキー部材係合部を有し、
前記キー部材は当該キー部材係合部と係合して、前記レバー部材を前記第1の位置と前記第2の位置で移動可能とすることを特徴とする盗難防止装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13の何れか1項に記載の盗難防止装置であって、
前記装着部が、看視者の着衣に取付けられることに代えて、前記対象物の変位を検知するのに適する固定位置部材に取付けられることを特徴とする盗難防止装置。
【請求項15】
住居の対象物に取り付けられて住居侵入を検知する住居侵入検知装置であって、
一端が本体に設けられ、他端が前記対象物に接続されるコードであって、当該コードに引張荷重が作用しない状態での第1の長さと、当該コードに第1の引張荷重が作用する状態での第2の長さの間で、伸縮自在に設けられた前記コードと、
前記コードに前記第1の引張荷重が作用する状態を検知する引張検出手段と、
前記引張検出手段により前記コードに前記第1の引張荷重が作用する状態を検知すると、アラームを出力するアラーム手段と、
一端が前記引張検出手段と接続され、他端が前記対象物の変位を検知するのに適する固定位置部材に取付けられる装着部であって、当該装着部に前記第1の引張荷重よりも大きな第2の引張荷重が作用すると、当該装着部が前記対象物の変位を検知するのに適する固定位置部材から外れるように構成された当該装着部と、
を有することを特徴とする住居侵入検知装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−203877(P2011−203877A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−69009(P2010−69009)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(504098484)
【Fターム(参考)】