説明

スロットイン型ディスク装置

【課題】ディスクの挿入・排出時に、ディスクの移動位置を正確にガイドすることで対物レンズへの接触を防止して装置の薄型化を更に図ることができるスロットイン型ディスク装置を提供すること。
【解決手段】本発明のスロットイン型ディスク装置は、ベース本体10と蓋体とからシャーシ外装を構成し、シャーシ外装のフロント面にディスクを直接挿入するディスク挿入口11を形成し、ベース本体10のフロント面側にはトラバースベース30が配置され、トラバースベース30に保持されるピックアップ32がスタンバイ時にはベース本体10の外周側に配置され、トラバースベース30には、トラバースベースカバー30Aが設けられ、トラバースベースカバー30Aの外周側上面に保護カバー30Bを設け、保護カバー30Bを、トラバースベース30上へのディスクの装着時にはディスクと重ならない位置に配置し、保護カバー30Bを蓋体側に変位させる変位手段30Dを設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDやDVDなどのディスク状の記録媒体への記録、または再生を行うディスク装置に関し、特に外部からディスクを直接挿入し、または直接排出できるスロットイン型ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスク装置は、トレイまたはターンテーブル上にディスクを載置し、このトレイやターンテーブルを装置本体内に装着するローディング方式が多く採用されているが、このようなローディング方式では、トレイやターンテーブルが必要な分、ディスク装置本体を薄型化するには限度があった。このため、最近では、ローディングモータによりレバー等でディスクを直接操作するスロットイン型ディスク装置が存在する(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開2002−352498号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、レバー等でディスクを直接操作するスロットイン型ディスク装置であっても、更に装置の薄型化を図るためには、ディスクの挿入・排出時にピックアップの対物レンズにディスクが接触しないように、適切にディスクをガイドしなければならない。
【0004】
そこで本発明は、ディスクの挿入・排出時に、ディスクの移動位置を正確にガイドすることで対物レンズへの接触を防止して装置の薄型化を更に図ることができるスロットイン型ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のスロットイン型ディスク装置は、ベース本体と蓋体とからシャーシ外装を構成し、前記シャーシ外装のフロント面にディスクを直接挿入するディスク挿入口を形成し、前記ベース本体のフロント面側にはトラバースベースが配置され、前記トラバースベースに保持されるピックアップがスタンバイ時には前記ベース本体の外周側に配置され、前記トラバースベースには、トラバースベースカバーが設けられ、前記トラバースベースカバーの外周側上面に保護カバーを設けたスロットイン型ディスク装置であって、前記保護カバーを、前記トラバースベース上への前記ディスクの装着時には前記ディスクと重ならない位置に配置し、前記保護カバーを前記蓋体側に変位させる変位手段を設けたことを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のスロットイン型ディスク装置において、前記変位手段を、前記トラバースベースカバーと前記保護カバーとの間に設けた与圧ばねとしたことを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載のスロットイン型ディスク装置において、前記変位手段を、前記トラバースベースの動作とリンクして移動するスライダーとしたことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載のスロットイン型ディスク装置において、前記変位手段を、前記保護カバー自体の弾性変形としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、保護カバーを蓋体側に変位させることで、ピックアップとの接触を防止することができる。また、変位手段として、トラバースベースカバーと保護カバーとの間に設けた与圧ばねを用いることで、ディスク挿入時には、保護カバーによってディスクを蓋体側に規制することができるので、ディスクのピックアップへの接触を防止することができるとともに、ディスク装着後には、保護カバーが蓋体側に付勢されるので、ピックアップの保護カバーへの接触を防止でき、またディスクの回転時には、ディスクの回転によって発生する風をピックアップに効率よく送ることで冷却を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態によるスロットイン型ディスク装置は、保護カバーを、トラバースベース上へのディスクの装着時にはディスクと重ならない位置に配置し、保護カバーを蓋体側に変位させる変位手段を設けたものである。本実施の形態によれば、保護カバーを蓋体側に変位させることで、ピックアップとの接触を防止することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるスロットイン型ディスク装置において、変位手段を、トラバースベースカバーと保護カバーとの間に設けた与圧ばねとしたものである。本実施の形態によれば、ディスク挿入時には、保護カバーによってディスクを蓋体側に規制することができるので、ディスクのピックアップへの接触を防止することができるとともに、ディスク装着後には、保護カバーが蓋体側に付勢されるので、ピックアップの保護カバーへの接触を防止でき、またディスクの回転時には、ディスクの回転によって発生する風をピックアップに効率よく送ることで冷却を行うことができる。
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態によるスロットイン型ディスク装置において、変位手段を、トラバースベースの動作とリンクして移動するスライダーとしたものである。本実施の形態によれば、ディスク装着後には、保護カバーが蓋体側に付勢されるので、ピックアップの保護カバーへの接触を防止でき、またディスクの回転時には、ディスクの回転によって発生する風をピックアップに効率よく送ることで冷却を行うことができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態によるスロットイン型ディスク装置において、変位手段を、保護カバー自体の弾性変形としたものである。本実施の形態によれば、ディスク挿入時には、保護カバーによってディスクを蓋体側に規制することができるので、ディスクのピックアップへの接触を防止することができるとともに、ディスク装着後には、保護カバーが蓋体側に付勢されるので、ピックアップの保護カバーへの接触を防止でき、またディスクの回転時には、ディスクの回転によって発生する風をピックアップに効率よく送ることで冷却を行うことができる。
【実施例1】
【0008】
以下本発明の一実施例によるディスク装置について説明する。
図1は本実施例によるディスク装置のベース本体の平面図、図2はディスク挿入前の状態を示す要部側断面、図3はディスク挿入状態を示す要部側断面図である。
本実施例によるディスク装置は、ベース本体と蓋体とからシャーシ外装が構成され、このシャーシ外装のフロント面にベゼルが装着される。また本実施例によるディスク装置は、ベゼルに設けたディスク挿入口からディスクを直接挿入するスロットイン型ディスク装置である。
図1に示すように、ディスクへの記録再生機能やディスクのローディング機能を行う各部品は、ベース本体10に装着される。
ベース本体10は、深底部10Aと浅底部10Bが形成され、浅底部10Bによってフロント面からリア面に至るウイング部が形成されている。
ベース本体10のフロント側にはディスクを直接挿入するディスク挿入口11を形成し、ベース本体10のリア面の端部にはコネクタ12を配設している。ベース本体10のディスク挿入口11側にはトラバースベース30が配置され、ベース本体10のコネクタ12側にはリアベース13が配置されている。トラバースベース30とリアベース13とは互いが重ならないように配置されている。リアベース13のベース本体10面側にはプリント基板14が設けられている。
【0009】
トラバースベース30は、スピンドルモータ31とピックアップ32とピックアップ32を移動させる駆動手段33とを保持している。スピンドルモータ31はトラバースベース30の一端側に設けられ、ピックアップ32はトラバースベース30の一端側から他端側までを移動可能に設けられている。またピックアップ32はスタンバイ時にはトラバースベース30の他端側、すなわちベース本体10の外周側に配置される。
トラバースベース30において、スピンドルモータ31がベース本体10の中央部に位置し、またピックアップ32の往復移動範囲がスピンドルモータ31よりもディスク挿入口11側に位置し、またピックアップ32の往復移動方向がディスクの挿入方向と異なるように配設されている。ここで、ピックアップ32の往復移動方向とディスクの挿入方向とは、40〜45度の角度としている。
トラバースベース30は、一対のインシュレータ34A、34Bによってベース本体10に支持されている。また、トラバースベース30の蓋体側にはトラバースベースカバー30Aが設けられている。そして、トラバースベースカバー30Aの外周側上面には保護カバー30Bを設けている。
【0010】
ピックアップ32には、対物レンズ32Aと、アクチュエータを覆うACTカバー32Bとが設けられている。
ここで、保護カバー30Bは、ACTカバー32Bの上方にも延出させ、対物レンズ32Aの位置よりもディスク挿入口側にも配置している。また、保護カバー30Bの少なくとも上面はフェルト材によって構成するか、ウレタンフッ素コーティングを施している。なお、コーティング材として、ビーズ径が20ミクロンのウレタン樹脂に、ウレタン樹脂に対する配合比が5%のフッ素と、ウレタン樹脂に対する配合比が1.0〜1.5%のシリコンとを配合したウレタンビーズ配合のフッ素系コーティングを塗布してもよい。コーティング材の摩擦係数は、0.2〜0.6が好ましく、0.55以下がより好ましい。
ACTカバー32Bの上方で対物レンズ32Aの位置よりもディスク挿入口側にも保護カバー30Bを設けることで、ディスク挿入時にディスクとピックアップ32が干渉することを防ぐことができる。
特にACTカバー32B上の保護カバー30Bは、装置内における高さが高くなるため、ディスク挿入時にディスクとこすれて傷つけてしまう可能性がある。そのため、フェルトやコーティングを行い、ディスクに傷つかないようにすることが好ましい。
なお、保護カバー30Bは、ディスクの装着時にはディスクと重ならない位置に配置している。また、保護カバー30Bは、フロント側には保護カバー軸30Cが設けられ、リア側には与圧ばね(変位手段)30Dが設けられている。与圧ばね30Dは、保護カバー30Bのトラバースベースカバー30A側に設けられており、保護カバー30Bを蓋体側に常に付勢している。
【0011】
一対のインシュレータ34A、34Bは、スピンドルモータ31の位置よりもピックアップ32の静止位置側に配設している。本実施例では、インシュレータ34Aはディスク挿入口11の内側近傍の一端側に、インシュレータ34Bはディスク挿入口11の内側近傍の中央部に設けている。インシュレータ34A、34Bは、弾性材料からなるダンパー機構を備えている。トラバースベース30は、インシュレータ34A、34Bを支点として、スピンドルモータ31側をベース本体10と近接離間させるように動作する。
【0012】
以下に、カム機構を備えたメインスライダー40とサブスライダー50について説明する。トラバースベース30を変位させるカム機構は、メインスライダー40とサブスライダー50にそれぞれ設けている。ここで、メインスライダー40とサブスライダー50とは、スピンドルモータ31の側方に位置するように配設されている。メインスライダー40は、その一端がシャーシ本体10のフロント面側、その他端がシャーシ本体10のリア面側となる方向に配設されている。また、サブスライダー50は、トラバースベース30とリアベース13との間に、メインスライダー40と直交する方向に配設されている。
トラバースベース30を変位させるカム機構は、第1のカム機構41と第2のカム機構51によって構成される。第1のカム機構41は、メインスライダー40のスピンドルモータ31側の面に、第2のカム機構51は、サブスライダー50のスピンドルモータ31側の面にそれぞれ設けられている。
なお、メインスライダー40とトラバースベース30との間にはベース部材15が設けられ、サブスライダー50とトラバースベース30との間にはベース部材16が設けられている。ここでベース部材15とベース部材16はベース本体10に固定され、ベース部材15に設けた縦溝によってトラバースベース30のカムピンを位置規制し、ベース部材16に設けた縦溝によってトラバースベース30のカムピンを位置規制している。
【0013】
ここで、ベース部材16とサブスライダー50とは、第3のカム機構(図示せず)によって連結している。そしてこの第3のカム機構は、第2のカム機構51によってトラバースベース30をベース本体10に対して離間する方向に移動させる時に、サブスライダー50をベース本体10に対して離間する方向に移動させる機能を備えている。
【0014】
メインスライダー40の一端側にはローディングモータ60が配設されている。ローディングモータ60の駆動軸とメインスライダー40の一端側とは歯車機構を介して連結されている。
このローディングモータ60の駆動によってメインスライダー40を長手方向に摺動させることができる。またメインスライダー40は、カムレバー70によってサブスライダー50と連結している。
カムレバー70は、回動支点71、ピン72、ピン73、及びピン74を有している。ピン72、73はメインスライダー40の上面に設けたカム溝と係合し、ピン74はサブスライダー50の上面に設けたカム溝と係合し、カムレバー70は、回動支点71を軸として回動する。
【0015】
以上説明した、コネクタ12、トラバースベース30、リアベース13、プリント基板14、インシュレータ34A、34B、メインスライダー40、サブスライダー50、及びローディングモータ60は、ベース本体10の深底部10Aに設けられ、これらの部材と蓋体との間に、ディスク挿入空間を形成する。
【0016】
次に、ディスクを挿入するときにディスクを支持するガイド部材と、ディスクを挿入するときに動作するレバー部材について説明する。
深底部10Aのディスク挿入口11近傍の一端側には、所定長さの第1のディスクガイド17が設けられている。この第1のディスクガイド17は、ディスク挿入側から見た断面が、「コ」の字状の溝を有している。この溝によってディスクは支持される。
一方、ディスク挿入口11側の浅底部10Bには、引き込みレバー80が設けられ、この引き込みレバー80の可動側端部に第2のディスクガイド81を備えている。第2のディスクガイド81は、円筒状のローラで構成され、引き込みレバー80の可動側端部に回動自在に設けられている。また、第2のディスクガイド81のローラ外周には溝が形成され、この溝によってディスクは支持される。
引き込みレバー80は、可動側端部が固定側端部よりもディスク挿入口11側で動作するように配置され、固定側端部に回動支点を有している。
【0017】
引き込みレバー80は、サブレバー90によって動作する。
サブレバー90は、可動側の一端に凸部を備え、他端側に回動支点92を備えている。サブレバー90の凸部は、引き込みレバー80の長溝内を摺動する。また、サブレバー90の回動支点92は、メインスライダー40上に位置している。なお、回動支点92は、メインスライダー40とは連動せず、ベース本体10に固定されている。またサブレバー90の回動支点92よりも凸部側の下面には、ピン93を備えている。このピン93は、メインスライダー40の上面に設けられたカム溝内を摺動する。従って、サブレバー90は、メインスライダー40の移動にともなって角度が変更され、このサブレバー90の角度の変更によって引き込みレバー80の旋回角度を変更する。すなわち、サブレバー90の動作によって、引き込みレバー80の第2のディスクガイド81がスピンドルモータ31に近接離間するように動作する。
また、ベース本体10のフロント側には、フロントガイダー21が設けられている。フロントガイダー21は、ディスク挿入口11の一端側であって、引き込みレバー80とディスク挿入口11との間に配置されている。またこのフロントガイダー21は、ローディングモータ60や歯車機構、メインスライダー40の一部を覆うように、これらの部材よりも蓋体側に設けられている。
【0018】
以下にカムレバー70の動作について説明する。
ピン73がメインスライダー40のカム溝と係合している間は、カムレバー70は回動しない。この状態はスタンバイ状態である。ディスクがローディングされた後にもしばらくはこの状態であり、トラバースベース30はベース本体10に近接した状態にある。
ディスクの中心がスピンドルモータ31の上方に位置した時点で、ピン73はメインスライダー40のカム溝から外れ、カムレバー70は回動を始める。
メインスライダー40は、カムレバー70のピン72が摺動する溝を有し、カムレバー70の動作によって第1のカム機構41をメインスライダー40と同一の方向に移動させる。カムレバー70の回動によって、サブスライダー50を移動させ、サブスライダー50を移動させることによって第2のカム機構51を動作させる。
すなわち、カムレバー70の回動によって、第1のカム機構41及び第2のカム機構51は、所定距離だけ移動し、トラバースベース30が変位動作する。
そしてチャッキング動作が終了した時点で、カムレバー70の回動は終了する。
【0019】
次に、保護カバー30Bの機能について説明する。
ディスクが挿入される前の状態では、図2に示すように、保護カバー30Bは与圧ばね30Dによって蓋体側に付勢されている。
この状態で、ディスクがディスク挿入口11から挿入されると、ディスクによって保護カバー30Bはベース本体10側に押されるが、ディスクは保護カバー30Bによって蓋体側に押圧される。従って、ディスクがピックアップ32に接触することを防止することができる。
ディスクが所定の位置まで引き込まれると、保護カバー30Bは再び与圧ばね30Dによって蓋体側に付勢される。保護カバー30Bは、ディスクの回転時にも同位置に保持される。従って、ディスク装置の記録、再生時には、ピックアップ32が外周位置に移動しても、ピックアップ32が保護カバー30Bに接触することはない。また、ディスク装置の記録、再生時には、ディスクの回転によって生じる風をピックアップ32に効率よく送ることでピックアップ32を冷却することができる。
なお、本実施例では、変位手段として、保護カバー30Bのトラバースベースカバー30A側に与圧ばね30Dを設けたもので説明したが、与圧ばね30Dを用いることなく、保護カバー30B自体の弾性変形によって、保護カバー30Bのリア側を蓋体側に常に付勢する構成であってもよい。
【実施例2】
【0020】
図4から図7は他の実施例によるディスク装置を示し、図4は同ディスク装置のディスク挿入前の状態を示すベース本体の平面図、図5は同状態の要部側断面図、図6は同ディスク装置のディスク装着状態を示すベース本体の平面図、図7は同状態の要部側断面図である。なお、上記実施例と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
本実施例は、変位手段としてスライダー55を用いたものである。スライダー55は、メインスライダー40とリンクレバー56を介して連結されている。そして、図4に示すように、待機状態ではスライダー55はリア側に配置されており、ディスク装着時には、フロント側に配置されるように移動する。
一方、本実施例においても、保護カバー30Bは、ディスクの装着時にはディスクと重ならない位置に配置している。また、保護カバー30Bは、フロント側には保護カバー軸30Cが設けられ、リア側にはレバー部30Eが設けられている。レバー部30Eは、保護カバー30Bのトラバースベースカバー30A側に設けられており、スライダー55がフロント側に移動すると、スライダー55によって保護カバー30Bは蓋体側に変位する。
【0021】
次に、保護カバー30Bの機能について説明する。
ディスクが挿入される前の状態では、図5に示すように、保護カバー30Bはトラバースベースカバー30A側に配置されている。
ディスクがスピンドルモータ31上に装着されると、スライダー55はフロント側に移動して、レバー部30Eを蓋体側に変位させるため、保護カバー30Bも蓋体側に変位する。保護カバー30Bは、ディスクの回転時にも同位置に保持される。従って、ディスク装置の記録、再生時には、ピックアップ32が外周位置に移動しても、ピックアップ32が保護カバー30Bに接触することはない。また、ディスク装置の記録、再生時には、ディスクの回転によって生じる風をピックアップ32に効率よく送ることでピックアップ32を冷却することができる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、CD、DVD等のディスク状記録媒体の記録または再生を行うディスク装置において、特に家庭用映像機器やコンピュータの周辺装置として用いられる薄型化の必要なディスク装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施例によるディスク装置のベース本体の平面図
【図2】ディスク挿入前の状態を示す要部側断面
【図3】ディスク挿入状態を示す要部側断面図
【図4】他の実施例によるディスク装置のディスク挿入前の状態を示すベース本体の平面図
【図5】同状態の要部側断面図
【図6】同ディスク装置のディスク装着状態を示すベース本体の平面図
【図7】同状態の要部側断面図
【符号の説明】
【0024】
10 ベース本体
11 ディスク挿入口
13 リアベース
30 トラバースベース
30A トラバースベースカバー
30B 保護カバー
30D 変位手段(与圧ばね)
30E レバー部
32 ピックアップ
55 変位手段(スライダー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース本体と蓋体とからシャーシ外装を構成し、
前記シャーシ外装のフロント面にディスクを直接挿入するディスク挿入口を形成し、
前記ベース本体のフロント面側にはトラバースベースが配置され、
前記トラバースベースに保持されるピックアップがスタンバイ時には前記ベース本体の外周側に配置され、
前記トラバースベースには、トラバースベースカバーが設けられ、
前記トラバースベースカバーの外周側上面に保護カバーを設けたスロットイン型ディスク装置であって、
前記保護カバーを、前記トラバースベース上への前記ディスクの装着時には前記ディスクと重ならない位置に配置し、前記保護カバーを前記蓋体側に変位させる変位手段を設けたことを特徴とするスロットイン型ディスク装置。
【請求項2】
前記変位手段を、前記トラバースベースカバーと前記保護カバーとの間に設けた与圧ばねとしたことを特徴とする請求項1に記載のスロットイン型ディスク装置。
【請求項3】
前記変位手段を、前記トラバースベースの動作とリンクして移動するスライダーとしたことを特徴とする請求項1に記載のスロットイン型ディスク装置。
【請求項4】
前記変位手段を、前記保護カバー自体の弾性変形としたことを特徴とする請求項1に記載のスロットイン型ディスク装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate