説明

ズームレンズ装置、ズームレンズシステムおよびカメラシステム

【課題】光量維持のために制限された駆動範囲の端点で画角変動補正のためのズーム駆動がリミットされてしまうと、突然画角が変化する。
【解決手段】 ズーム部Zおよびフォーカス部Fを含む光学系の通過光量を可変設定する光量設定手段19と、ズーム部の駆動制御を行う制御手段4とを有するズームレンズにおいて、上記制御手段に、ズーム部の駆動範囲をこのズーム部の駆動によって上記光学系の実通過光量が光量設定手段による設定通過光量より減少しない光量維持範囲に制限させるとともに、ズーム部のズーミングのための駆動範囲を上記光量維持範囲に制限した状態で、ズーム部のフォーカス部の駆動に伴う画角変動を補正するための駆動制御を光量維持範囲にかかわらず行わせるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビカメラ等に使用されるズームレンズ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ズームレンズ装置のズーム部を制御してレンズ位置を移動させることにより撮影画角を増減させることができるが、フォーカス部が制御されたときも、同様にレンズ位置が移動することにより画角が変化してしまう。つまり、ズーム部により所望の画角を設定しても、フォーカス部の制御によってその設定画角が変動してしまう。このため、フォーカス部が制御されたときに、画角変動が生じないようにズーム部を制御する、いわゆる画角変動補正機能を有するズームレンズ装置が提案されている。
【0003】
図3には、レンズの位置を制御する方式のズームレンズ装置における画角補正動作を含むズーム動作のフローチャートを示している。このズームレンズ装置では、ズームデマンドやフォーカスデマンドからデータを入力し(ステップ53,54)、フォーカスデマンドからのデータ入力があった場合には、画角変動補正のためのズーム指令位置を演算する(ステップ58,61)。そして、この演算結果に基づいてズーム部を駆動するモータを駆動する(ステップ62)。
【0004】
ところで、ズームレンズ装置には、ズーム部の駆動により画面の明るさが低下するいわゆるFドロップ現象を避けるため、ズーム部の駆動範囲を制限する機能(いわゆるF値優先機能)を有するものがある。ズームレンズ装置は、年々ワイド化と高倍率化が進んでいるが、レンズの大きさや重量の関係で、ズームレンズ装置の前部に配置されるレンズの大きさが制限される。
【0005】
このため、ズーム全域においてワイド側と同等の明るさを保つことができず、ズーム部をある位置よりテレ側に駆動すると、光量設定装置(絞り)の設定値が一定になっているにもかかわらず、画面の明るさが暗くなるFドロップ現象が発生する。このような場合に、絞りの値からFドロップ現象が発生するズーム位置を演算し、テレ側の駆動範囲を求めたズーム位置で制限することで、ズームの駆動範囲内でFドロップ現象の発生を防止する機能がF値優先機能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなF値優先機能が働き、かつ画角変動補正機能が働くように設定されている場合において、ズーム部がF値優先機能で制限された駆動範囲の端点付近にあってフォーカスデマンドが操作されると、フォーカス部およびズーム部の駆動位置から演算、補正されたズーム位置指令が、制限された駆動範囲を越える場合が生じる。
【0007】
そして、このような場合に、制限された駆動範囲の端点で画角変動補正のためのズーム駆動がリミットされてしまうと、突然画角が変化することになる。このようにF値優先機能と画角変動補正機能を併せ持つズームレンズ装置において、これら2つの機能が同時に働いている場合、2つの機能が相手の効果を打ち消し合う状態が生じ、レンズが操作者の意図しない動作をすることがある。
【0008】
そこで、本発明は、F値優先機能によるズームの駆動許容範囲(光量維持範囲)の端点でフォーカス制御されても、画角を一定に保つことを可能にしたズームレンズ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本願第1の発明では、ズーム部およびフォーカス部を含む光学系の通過光量を可変設定する光量設定手段と、ズーム部の駆動制御を行う制御手段とを有するズームレンズ装置において、上記制御手段に、ズーム部の駆動範囲をこのズーム部の駆動によって上記光学系の実通過光量が光量設定手段による設定通過光量より減少しない光量維持範囲に制限させるとともに、ズーム部のズーミングのための駆動範囲を上記光量維持範囲に制限した状態で、ズーム部のフォーカス部の駆動に伴う画角変動を補正するための駆動制御を光量維持範囲にかかわらず行わせるようにしている。
【0010】
また、本願第2の発明では、ズーム部およびフォーカス部を含む光学系の通過光量を可変設定する光量設定手段と、ズーム部の駆動制御を行う制御手段とを有するズームレンズ装置において、上記制御手段に、ズーム部の駆動端としてこのズーム部の駆動によって上記光学系の実通過光量が光量設定手段による設定通過光量より減少しない光量維持端を設定させるとともに、ズーム部のズーミングのための駆動端を上記光量維持端に設定した状態で、ズーム部のフォーカス部の駆動に伴う画角変動を補正するための駆動制御を光量維持端にかかわらず行わせるようにしている。
【0011】
これら第1および第2の発明により、ズーム部のいわゆるF値優先機能と画角変動補正機能とがともに働いている場合において、F値優先機能による光量維持範囲の端点付近又は光量維持端付近でフォーカス部が制御され、これに伴い画角変動補正のためにズーム部が上記光量維持範囲又は光量維持端を超えて駆動されなければならいようなときには、このようなズーム部の駆動が許容されるため、画角を一定に保つことが可能となる。
【0012】
また、本願第3の発明では、フォーカス部のフォーカシングにより基準画角に対して画角が変動するのを補正するためにズーム部を駆動し、画角を基準画角に保持させる画角保持モード及びズーム部の駆動による撮影光学系の光量低下を防止するためにズーム部が基準の値よりもテレ側に移行することを規制する規制機能を有するズームレンズ装置において、画角保持モードが選択されたときに、上記規制機能での制御を禁止するようにしている。これにより、光量維持よりも画角保持を優先した制御を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本願第1および第2の発明によれば、ズーム部のズーミングのための駆動範囲を光量維持範囲又は光量維持端までに制限する機能と画角変動補正機能とがともに働いている場合において、画角変動補正のための上記光量維持範囲又は光量維持端を超えるズーム駆動が許容されるため、例えばズーム部が光量維持範囲の端点付近又は光量維持端付近にある状態でフォーカス部が制御されたときでも、確実に画角を一定に保つことができ、画角変動補正のためにズーム駆動が制限されて突然画角が変動してしまうような事態を防止することができる。
【0014】
また、本願第3の発明によれば、画角保持モードが選択されたときに光量低下を防止する規制機能での制御を禁止するようにしているので、光量維持よりも画角保持を優先した制御を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1には、本発明の実施形態であるズームレンズ装置101の構成を示している。4はCPU(制御手段)であり、このCPU4には、ズームデマンド1およびフォーカスデマンド2が接続されている。ズームデマンド1からは、その操作速度に対応するズーム速度データ(ズーム操作情報)がCPU4に入力される。また、フォーカスデマンド2からは、その操作量に対応するフォーカス制御データ(フォーカス操作情報)が入力される。また、CPU4には、画角補正優先モード設定スイッチ3が接続されている。この画角補正優先モード設定スイッチ3がONのときは、F値優先機能よりも画角変動補正機能を優先し(第1のモード、画角保持モード)、これがOFFのときは画角変動補正機能よりもF値優先機能を優先する(第2のモード)。
【0016】
CPU4の出力の1つは、増幅器5を介してズーム部Zを構成するレンズを駆動するモータ7に接続されている。ズーム部Zには、レンズの絶対位置を検出する位置検出器8が設けられている。この位置検出器8の内部カウンタはCPU4に接続されている。
【0017】
CPU4の他の出力は、増幅器6を介してフォーカス部Fを構成するレンズを駆動するモータ12に接続されている。フォーカス部Fには、レンズの絶対位置を検出する位置検出器13が設けられている。この位置検出器13の内部カウンタはCPU4に接続されている。
【0018】
さらに、19はズーム部Zおよびフォーカス部Fを含む光学系を通過する光量を設定(なしい調節)するための絞り(光量設定手段)である。この絞り19は、光の通過面積を可変設定する遮光部材を有しており、この遮光部材の位置(つまりは、光の通過面積に対応する絞り値)はポテンショメータ20により検出される。ポテンショメータ20は、A/D変換器21を介してCPU4に接続されている。
【0019】
また、CPU4の他の出力は、D/A変換器17を介してテレビカメラ103に接続されている。これにより、ズーム部Zのレンズ位置を示すズームフォローデータや、絞り19の絞り値を示すアイリスフォローデータ等、ズームレンズ装置101の各種状態を示すフォロー信号がカメラ103に通信される。
【0020】
また、CPU4には、画角補正演算のためのデータと、後述するアイリスデータに対応し、光学系を通過する光量が絞り19による設定値より低下しないズーム部Zのテレ側の駆動許容位置を示すF値リミットデータとを記憶している不揮発性メモリ18が接続されている。ここで、画角補正演算のためのデータについて簡単に説明する。
【0021】
予めズーム部Zのレンズの駆動範囲を任意の数nに分割するとともに、フォーカス部Fのレンズの駆動範囲も同様に任意の数mに分割して、位置検出器8,13内のカウンタの出力データをそれぞれ演算しておく。また、ズームi番目の分割点とフォーカスj番目の分割点における画角を光学的な演算により求めておくとともに、同様にズームのi、フォーカスのj+1番目の分割点、ズームのi+1、フォーカスのj番目の分割点、ズームのi+1、フォーカスのj+1番目の分割点での画角を光学的な演算により求めておき、この4点で囲まれる領域におけるズーム部Zのレンズ位置(以下、ズーム位置という)、フォーカス部Fのレンズ位置(以下、フォーカス位置という)および画角の関係を4点のうちの3点を含む平面の方程式で近似する。この近似平面の方程式を応用して、画角をズーム位置およびフォーカス位置を変数とする関数(1)式で示すことができる。
【0022】
ω=Cz×Pz+Cf×Pf+D …(1)
ここで、ωは画角の大きさを表し、Czは近似平面のズーム位置に対する係数、Pzはズーム位置、Cfは近似平面のフォーカス位置に対する係数、Pfはフォーカス位置、Dは近似平面の定数項を表す。
【0023】
このようにしてズーム位置、フォーカス位置および画角の関係を求めた近似平面方程式の係数Cz,Cf,Dをマップ化してメモリ18に記憶させる。
【0024】
図2のフローチャートには、上記ズームレンズ装置における一連の動作を示している。CPU4は電源投入の直後に、ステップ1に進み、CPU4の内部を初期化する。また、位置検出器8からのカウンタ出力を用いてズーム部Zを構成するレンズの初期化を行うとともに、位置検出器13からのカウンタ出力を用いてフォーカス部Fを構成するレンズの初期化を行う。
【0025】
次に、ステップ2で、ズームデマンド1およびフォーカスデマンド2との通信の初期化を行う。ここで初期化動作を終了し、ズームデマンド1およびフォーカスデマンド2からの出力に応じてズーム部Zおよびフォーカス部Fを制御する通常動作に移る。
【0026】
まず、ステップ3でズームデマンド1から正規化されたズーム速度データZspeedを入力し、さらにステップ4でフォーカスデマンド2から正規化されたフォーカス制御データFdataを入力する。
【0027】
次に、ステップ5でポテンショメータ20の電圧をA/D変換器21を介してアイリスデータとして入力する。
【0028】
次に、ステップ6で、ズームデマンド1から入力したズーム速度データを(2)式を用いて積分し、正規化されたズーム位置データZdataを演算する。
【0029】
Zdata=Zbuf+K×Zspeed …(2)
Zbuf:前サンプリング時のズーム位置データ
K:任意の積分定数
また、ステップ7で、ステップ5で入力したアイリスデータに対応したF値リミットデータをメモリ18から入力する。
【0030】
次に、ステップ8で、画角補正優先モード設定スイッチ3からの出力を取り込み、ステップ9で画角補正優先モード設定スイッチ3の状態を判断する。画角補正優先モード設定スイッチ3がONの場合は、ステップ10Aで画角補正優先フラグをセットし、ステップ11に進む。一方、ステップ9において画角補正優先モード設定スイッチ3がOFFの場合は、ステップ10Bで画角補正優先フラグをクリアし、ステップ11に進む。
【0031】
ステップ11では、画角補正フラグを判断する。画角補正フラグがセットされている場合は、F値優先機能よりも画角変動補正機能を優先するモードに入る。
【0032】
この画角補正優先モードでは、ステップ12Aで、ズーム位置データZdataとフォーカスデマンド2から入力したフォーカス制御データFdataとを用いて画角補正演算を行い、ズーム位置指令を演算する。
【0033】
ここで、画角補正演算について簡単に説明する。まず、(3)式を用いて、正規化されたフォーカス位置データFdataを位置検出器13のカウンタ出力に相当するフォーカス位置指令Focusに変換する。
【0034】
Focus=Far+Fdata/NOM×(Near−Far)…(3)
Far:無限端フォーカス指令
Near:至近端フォーカス位置指令
NOM:正規化されたフォーカス位置データの最大値
次に、位置検出器8,13のカウンタ値を含む領域に対応した近似平面方程式の係数をメモリ18から入力する。そして、入力した係数を(1)式のCz,Cf,Dに、位置検出器8のカウンタ値をPzに、位置検出器13のカウンタ値をPfにそれぞれ代入して基準画角ωorgを演算する。
【0035】
次に、位置検出器8のカウンタ値およびフォーカス位置指令Focusを含む領域に対応した近似平面方程式の係数をメモリ18から入力する。そして、入力した係数Cz’,Cf’,D’と基準画角ωorg、フォーカス位置指令Focusを(4)式に代入して、位置検出器8のカウンタ出力に相当するズーム位置指令Zoomを演算する。
【0036】
Zoom=(ωorg−Cf’×Focus−D’)/Cz’…(4)
こうして画角補正演算を行った後、ステップ15に進み、補正演算後のズーム位置指令Zoomと位置検出器8のカウンタ値とを用いてズームの位置制御演算を行い、ステップ16に進んで、ステップ15の演算結果を増幅器5に出力し、モータ7を駆動する。
【0037】
これにより、例えば画角変動補正のためのズーム位置指令がF値リミットデータを超えてテレ側にあるような場合でも、F値リミットデータによりズーム位置指令がリミットされることなく、ズーム位置が画角変動補正のためのズーム位置指令に対応する位置に達するまでズーム部Zが駆動され、画角が一定に保たれる。したがって、F値リミット点で画角補正機能が働かなくなり、突然、画角が変動してしまうことを防止することができる。
【0038】
一方、ステップ11で画角補正フラグがクリアされている場合は、画角変動補正機能よりもF値優先機能を優先するモードに入る。
【0039】
このF値リミット優先モードでは、ステップ12Bで、ズーム位置データZdataとフォーカスデマンド2から入力したフォーカス制御データFdataとを用いて画角補正演算を行い、ズーム位置指令を演算する。ここでの画角補正演算は、ステップ12Aでの画角補正演算と同じである。
【0040】
そして、次にステップ13で、補正演算後のズーム位置指令がF値リミットデータを超えてテレ側か、F値リミットデータよりもワイド側かを判断する。
【0041】
ここで、F値リミットデータを超えてテレ側である場合には、ステップ14に進んで、ズーム位置指令をF値リミットデータでリミットし、ステップ15に進む。また、F値リミットデータよりもワイド側である場合には、そのままステップ15に進む。
【0042】
そして、ステップ14でリミットされたズーム位置指令又はF値リミットデータよりもワイド側であるためにそのまま有効とされたズーム位置指令と位置検出器8のカウンタ値とを用いてズームの位置制御演算を行い、ステップ16に進んで、ステップ15の演算結果を増幅器5に出力し、モータ7を駆動する。
【0043】
このように、F値リミット優先モードでは、画角変動補正のためのズーム位置指令がF値リミットデータを超えてテレ側にある場合には、F値リミットデータによりズーム位置指令がリミットされ、画角変動補正のためのズーム駆動範囲がF値リミット範囲(光量維持範囲)内に制限される。したがって、画角よりも撮影光量を一定に保つことを優先したい場合には、画角変動補正のためにズーム部ZがF値リミット位置を超えてさらにテレ側に駆動されることによる撮影光量の低下を防止することができる。
【0044】
なお、ステップ16によるモータ駆動の以後、電源が切られるまでステップ3からステップ16までを繰り返し実行する。
【0045】
上記実施形態では、ズーム位置指令がF値リミットデータ、すなわちズーム部の光量維持端を超えているか否かを判断してズーム部の画角変動補正制御を行う場合について説明したが、本発明は、ズーム位置指令が所定の光量維持範囲外か否かを判別してズーム部の画角変動補正制御を行う場合にも適用することができる。
【0046】
また、上記実施形態では、テレビカメラに装着されるズームレンズ装置について説明したが、本発明は、銀塩カメラやビデオカメラ等、種々のカメラに装着されるズームレンズ装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施形態であるズームレンズ装置の構成図である。
【図2】上記ズームレンズ装置の動作フローチャートである。
【図3】従来のズームレンズ装置の動作フローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
1 ズームデマンド
2 フォーカスデマンド
3 画角補正優先スイッチ
4 CPU
5,6 増幅器
7,12モータ
8,13位置検出器
18 不揮発性メモリ
19 絞り
20 ポテンショメータ
21 A/D変換器
Z ズーム部
F フォーカス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ズーム部およびフォーカス部を含む光学系の通過光量を可変設定する光量設定手段と、前記ズーム部の駆動制御を行う制御手段とを有するズームレンズ装置において、
前記制御手段は、前記ズーム部の駆動範囲をこのズーム部の駆動によって前記光学系の実通過光量が前記光量設定手段による設定通過光量より減少しない光量維持範囲に制限可能であるとともに、
前記ズーム部のズーミングのための駆動範囲を前記光量維持範囲に制限した状態で、前記ズーム部の前記フォーカス部の駆動に伴う画角変動を補正するための駆動制御を前記光量維持範囲にかかわらず行うことを特徴とするズームレンズ装置。
【請求項2】
ズーム部およびフォーカス部を含む光学系の通過光量を可変設定する光量設定手段と、前記ズーム部の駆動制御を行う制御手段とを有するズームレンズ装置において、
前記制御手段は、前記ズーム部の駆動端としてこのズーム部の駆動によって前記光学系の実通過光量が前記光量設定手段による設定通過光量より減少しない光量維持端を設定可能であるとともに、
前記ズーム部のズーミングのための駆動端を前記光量維持端に設定した状態で、前記ズーム部の前記フォーカス部の駆動に伴う画角変動を補正するための駆動制御を前記光量維持端にかかわらず行うことを特徴とするズームレンズ装置。
【請求項3】
前記光量設定手段が、光の通過面積を可変設定する遮光部材を有しており、
前記制御手段は、前記遮光部材の状態に応じて前記光量維持範囲を設定することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記ズーム部を前記画角変動補正のために駆動制御するためのズーム制御指令情報を演算するズーム指令情報演算部と、
前記光量設定手段の設定状態に基づいて前記光量維持範囲を演算する駆動範囲演算部と、
前記光量維持範囲と前記ズーム制御指令情報とに基づいて前記ズーム部の駆動制御を行う駆動制御部とを有することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ装置。
【請求項5】
前記ズーム指令情報演算部は、前記フォーカス部を駆動制御するためのフォーカス指令情報と前記フォーカス部および前記ズーム部をそれぞれ構成するレンズの位置に関する情報とに基づいて前記ズーム制御指令情報を演算することを特徴とする請求項4に記載のズームレンズ装置。
【請求項6】
前記駆動範囲演算部は、前記光量設定手段の設定状態に対応して記憶手段に記憶された情報に基づいて前記光量維持範囲を演算することを特徴とする請求項4又は5に記載のズームレンズ装置。
【請求項7】
前記光量設定手段が、光の通過面積を可変設定する遮光部材を有しており、
前記制御手段は、前記遮光部材の状態に応じて前記光量維持端を設定することを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記ズーム部を前記画角変動補正のために駆動制御するためのズーム制御指令情報を演算するズーム指令情報演算部と、
前記光量設定手段の設定状態に基づいて前記光量維持端を演算する駆動端演算部と、
前記光量維持端と前記ズーム制御指令情報とに基づいて前記ズーム部の駆動制御を行う駆動制御部とを有することを特徴とする請求項2に記載のズームレンズ装置。
【請求項9】
前記ズーム指令情報演算部は、前記フォーカス部を駆動制御するためのフォーカス指令情報と前記フォーカス部および前記ズーム部をそれぞれ構成するレンズの位置に関する情報とに基づいて前記ズーム制御指令情報を演算することを特徴とする請求項8に記載のズームレンズ装置。
【請求項10】
前記駆動端演算部は、前記光量設定手段の設定状態に対応して記憶手段に記憶された情報に基づいて前記光量維持端を演算することを特徴とする請求項8又は9に記載のズームレンズ装置。
【請求項11】
前記制御手段は、使用者操作に応じて前記フォーカス部を駆動制御することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のズームレンズ装置。
【請求項12】
フォーカス部のフォーカシングにより基準画角に対して画角が変動するのを補正するためにズーム部を駆動し、画角を基準画角に保持させる画角保持モード及びズーム部の駆動による撮影光学系の光量低下を防止するためにズーム部が基準の値よりもテレ側に移行することを規制する規制機能を有するズームレンズ装置において、
前記画角保持モードが選択されたときに、前記規制機能での制御を禁止することを特徴とするズームレンズ装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載のズームレンズ装置と、使用者操作に応じて前記フォーカス部を駆動制御するためのフォーカス制御指令情報を演算するのに必要なフォーカス操作情報を出力する操作装置とを有することを特徴とするズームレンズシステム。
【請求項14】
請求項1から12のいずれかに記載のズームレンズ装置と、使用者操作に応じて前記ズーム部をズーミングのために駆動制御するためのズーム制御指令情報を演算するのに必要なズーム操作情報を出力する操作装置とを有することを特徴とするズームレンズシステム。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のズームレンズシステムと、前記ズームレンズ装置が装着されるカメラとを有することを特徴とするカメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−64046(P2009−64046A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−326250(P2008−326250)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【分割の表示】特願平11−181409の分割
【原出願日】平成11年6月28日(1999.6.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】