説明

セキュリティシステム及び監視装置

【課題】運営コストの削減によってユーザが低料金でシステムを導入・使用することができ、しかも、ユーザの住宅の所在地等に拘わらずサービスを提供することが可能なセキュリティシステムを得る。
【解決手段】セキュリティシステム1は、サーバ装置12、監視装置8A、及び携帯電話9を備える。監視装置8Aは、モード制御部によって監視モードに設定されることにより、カメラによって撮像した画像を、データ通信部から通信ネットワーク11を介してサーバ装置12に送信する。これにより、携帯電話9は、監視エリアの画像をサーバ装置12から取得して当該画像をディスプレイに表示可能となる。また、監視装置8Aは、モード制御部によって監視解除モードに設定されることにより、データ通信部によるサーバ装置12への画像の送信を停止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の監視エリアを監視するためのセキュリティシステム、及びそれに用いられる監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1には、背景技術に係るホームセキュリティシステムが開示されている。当該ホームセキュリティシステムは、ユーザの住宅内に設置されたホームサーバと、警備会社内に設置された警備センタとが、公衆電話網等のネットワークを介して相互に接続された構成を有している。ホームサーバには、セキュリティ制御器が接続されている。セキュリティ制御器には、防犯センサ及びカメラが接続されている。ユーザは、外出時に、セキュリティ制御器を警戒セットモードに設定し、帰宅時に、セキュリティ制御器を警戒解除モードに設定する。セキュリティ制御器は、警戒セットモードに設定されている時に防犯センサによって異常を検知すると、カメラによって撮影した住宅内の画像を含む通報メールを、ホームサーバに送信する。ホームサーバは、セキュリティ制御器から受信した通報メールを、ユーザが所持する携帯電話機又は警備センタに送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4354206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されたセキュリティシステムによると、ユーザの住宅において異常が検知されると、ホームサーバから警備センタに通報メールが送信される。従って、警備センタに警備員を常駐させる必要があるため、人件費等の運営コストが増大する。また、通報メールを受信した場合に警備員がユーザの住宅に直ちに駆け付けるためには、複数の警備センタを各所に点在させて設置しなければならず、各警備センタに警備員を常駐させる必要があるため、運営コストは著しく増大する。このような運営コストの増大に伴って、ユーザが警備会社に支払う契約料金も上昇するため、ユーザにとっては経済的負担が大きい。
【0005】
また、近隣に警備センタが設置されていない地域においては、警備サービスの対象エリア外であるとして警備会社と契約することさえできない。つまり、警備センタの設置箇所の状況によって警備サービスの提供可能エリアが限定されてしまうため、警備サービスを希望するユーザにとっては不便である。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、運営コストの削減によってユーザが低料金でシステムを導入・使用することができ、しかも、ユーザの住宅の所在地等に拘わらずサービスを提供することが可能なセキュリティシステム、及びそれに用いられる監視装置を得ることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係るセキュリティシステムは、サーバ装置と、所定の監視エリア内に配置され、通信ネットワークを介して前記サーバ装置に接続された監視装置と、前記サーバ装置と通信可能であり、画像を表示する表示部を有する制御端末と、を備え、前記監視装置は、前記監視エリアの画像を撮像する撮像部と、前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置と通信を行うデータ通信部と、前記監視装置の動作モードを、前記監視エリアの監視を行う監視モード及び前記監視エリアの監視を行わない監視解除モードのいずれかに設定するモード制御部と、を有し、前記モード制御部によって前記監視モードに設定されることにより、前記撮像部によって撮像した画像を、前記データ通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信し、前記モード制御部によって前記監視解除モードに設定されることにより、前記データ通信部による前記サーバ装置への画像の送信を停止し、前記制御端末は、前記監視エリアの画像を前記サーバ装置から取得することを特徴とするものである。
【0008】
第1の態様に係るセキュリティシステムによれば、監視装置は、モード制御部によって監視モードに設定されることにより、撮像部によって撮像した画像を、データ通信部から通信ネットワークを介してサーバ装置に送信する。これにより、制御端末は、監視エリアの画像をサーバ装置から取得して当該画像を表示部に表示可能となる。このように、監視装置が監視エリアの画像をサーバ装置に送信し、ユーザは制御端末を用いて当該画像をサーバ装置から取得する、という簡易なシステム構成とすることにより、警備センタの設置や警備員の常駐等が不要となるため、運営コストを削減することができる。その結果、ユーザは低料金でセキュリティシステムを導入・使用することが可能となる。また、警備センタの設置が不要となるため、警備センタの設置箇所の状況によってサービスの提供可能エリアが限定されることはない。その結果、ユーザの住宅の所在地等に拘わらずサービスを提供することが可能となる。また、監視装置は、モード制御部によって監視解除モードに設定されることにより、データ通信部によるサーバ装置への画像の送信を停止する。従って、ユーザが自宅に所在している時には監視解除モードに設定することにより、在宅中のユーザの画像がサーバ装置へ送信されることを回避できるため、ユーザのプライバシーを保護することが可能となる。
【0009】
本発明の第2の態様に係るセキュリティシステムは、第1の態様に係るセキュリティシステムにおいて特に、前記制御端末は、前記撮像部が撮像しているリアルタイムの画像を、前記サーバ装置から取得可能であることを特徴とするものである。
【0010】
第2の態様に係るセキュリティシステムによれば、制御端末は、撮像部が撮像しているリアルタイムの画像を、サーバ装置から取得可能である。従って、ユーザは、自宅内の様子を制御端末によってリアルタイムで閲覧することができるため、自宅に不審者が侵入しているか否かを事前に確認してから帰宅することができる。
【0011】
本発明の第3の態様に係るセキュリティシステムは、第1又は第2の態様に係るセキュリティシステムにおいて特に、前記制御端末は、前記サーバ装置に蓄積されている過去の画像を、前記サーバ装置から取得可能であることを特徴とするものである。
【0012】
第3の態様に係るセキュリティシステムによれば、制御端末は、サーバ装置に蓄積されている過去の画像を、サーバ装置から取得可能である。従って、ユーザは、自宅に不審者が侵入した形跡がある場合には、不審者が撮影されている過去の画像をサーバ装置から取得して警察等の捜査機関に提出することができ、捜査機関は当該画像を不審者の捜査に利用することができる。また、ユーザは、サーバ装置に蓄積されている過去の画像を帰宅前に閲覧することにより、留守中の自宅に不審者が侵入したか否かを確認することができ、不審者を確認した場合には、帰宅時に警察等に同行を求めることができる。
【0013】
本発明の第4の態様に係るセキュリティシステムは、第1〜第3のいずれか一つの態様に係るセキュリティシステムにおいて特に、前記監視エリア内に所在することによって、前記監視装置との間で無線通信を行う通信装置をさらに備え、前記監視装置は、前記監視エリア内に所在している前記通信装置との間で無線通信を行う無線通信部をさらに有し、前記モード制御部は、前記無線通信部が前記通信装置との間で無線通信を行っていることにより前記監視解除モードに設定し、前記無線通信部が前記通信装置との間で無線通信を行っていないことにより前記監視モードに設定することを特徴とするものである。
【0014】
第4の態様に係るセキュリティシステムによれば、モード制御部は、無線通信部が通信装置との間で無線通信を行っていることにより監視解除モードに設定し、無線通信部が通信装置との間で無線通信を行っていないことにより監視モードに設定する。従って、ユーザが外出時に常に自宅から持ち出す物に通信装置を取り付けることにより(例えば、小型の通信装置を埋め込んだストラップを携帯電話に装着する、カード型の小型の通信装置を財布に収納する、あるいは眼鏡のフレームに小型の通信装置を埋め込む等)、外出時には自動的に監視モードに設定され、帰宅時には自動的に監視解除モードに設定される。従って、外出や帰宅の度にユーザが手動で動作モードを切り換える必要がないため、ユーザの利便性を向上することができる。
【0015】
本発明の第5の態様に係るセキュリティシステムは、第1〜第4のいずれか一つの態様に係るセキュリティシステムにおいて特に、前記監視装置は、フォトフレームの外観形状を有することを特徴とするものである。
【0016】
第5の態様に係るセキュリティシステムによれば、監視装置はフォトフレームの外観形状を有する。従って、ユーザの自宅に侵入した不審者は監視装置の存在に気付きにくいため、不審者によって監視装置が破壊される事態を回避することができる。また、監視装置の設置に伴って部屋の美観が損なわれることを回避することができる。
【0017】
本発明の第6の態様に係る監視装置は、所定の監視エリア内に配置される監視装置であって、前記監視エリアの画像を撮像する撮像部と、通信ネットワークを介してサーバ装置と通信を行うデータ通信部と、前記監視装置の動作モードを、前記監視エリアの監視を行う監視モード及び前記監視エリアの監視を行わない監視解除モードのいずれかに設定するモード制御部と、を備え、前記モード制御部によって前記監視モードに設定されることにより、前記撮像部によって撮像した画像を、前記データ通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信し、前記モード制御部によって前記監視解除モードに設定されることにより、前記データ通信部による前記サーバ装置への画像の送信を停止することを特徴とするものである。
【0018】
第6の態様に係る監視装置によれば、監視装置は、モード制御部によって監視モードに設定されることにより、撮像部によって撮像した画像を、データ通信部から通信ネットワークを介してサーバ装置に送信する。これにより、ユーザは、制御端末を用いて、監視エリアの画像をサーバ装置から取得して当該画像を制御端末の表示部に表示可能となる。このように、監視装置が監視エリアの画像をサーバ装置に送信し、ユーザは制御端末を用いて当該画像をサーバ装置から取得する、という簡易なシステム構成とすることにより、警備センタの設置や警備員の常駐等が不要となるため、運営コストを削減することができる。その結果、ユーザは低料金でセキュリティシステムを導入・使用することが可能となる。また、警備センタの設置が不要となるため、警備センタの設置箇所の状況によってサービスの提供可能エリアが限定されることはない。その結果、ユーザの住宅の所在地等に拘わらずサービスを提供することが可能となる。また、監視装置は、モード制御部によって監視解除モードに設定されることにより、データ通信部によるサーバ装置への画像の送信を停止する。従って、ユーザが自宅に所在している時には監視解除モードに設定することにより、在宅中のユーザの画像がサーバ装置へ送信されることを回避できるため、ユーザのプライバシーを保護することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、運営コストの削減によってユーザが低料金でシステムを導入・使用することができ、しかも、ユーザの住宅の所在地等に拘わらずサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態に係るセキュリティシステムの全体構成を示す図である。
【図2】監視装置の外観を示す図である。
【図3】監視装置の外観を示す図である。
【図4】監視装置のハードウェア構成を示す図である。
【図5】監視装置のハードウェア構成を示す図である。
【図6】制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図7】制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図8】記憶部の記憶内容を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係るセキュリティシステム1の全体構成を示す図である。図1に示した例において、ユーザの住宅2の部屋2A内には、テレビ3A、照明機器4A、空調機器5A、及び監視装置(機器制御装置)8Aが設置されている。部屋2Aは監視装置8Aによって侵入者の有無等の監視を行う監視エリアであり、監視装置8Aは当該監視エリア内に設置されている。照明機器4Aは、付属のリモコン6Aによって、赤外線を用いたリモコン信号による遠隔制御が可能である。空調機器5Aは、付属のリモコン7Aによって、赤外線を用いたリモコン信号による遠隔制御が可能である。
【0023】
同様に、住宅2の部屋2B内には、テレビ3B、照明機器4B、空調機器5B、及び監視装置8Bが設置されている。部屋2Bは監視装置8Bによって侵入者の有無等の監視を行う監視エリアであり、監視装置8Bは当該監視エリア内に設置されている。照明機器4Bは、付属のリモコン6Bによって、赤外線を用いたリモコン信号による遠隔制御が可能である。空調機器5Bは、付属のリモコン7Bによって、赤外線を用いたリモコン信号による遠隔制御が可能である。
【0024】
監視装置8Aは、IPネットワーク等の通信ネットワーク11に接続されている。通信ネットワーク11には、所定のサーバ装置(管理装置)12が接続されている。また、通信ネットワーク11には、図示しないゲートウェイ装置等を介して、携帯電話の基地局13が接続されている。
【0025】
図2,3は、監視装置8A,8Bの外観をそれぞれ示す図である。監視装置8A,8Bは、侵入者によって破壊されたり、部屋2A,2Bの美観が損なわれることを防止すべく、一見してそれが監視装置であることが分かりにくい外観形状を有している。図2,3に示した例において、監視装置8A,8Bは、プリントされた写真を飾るためのフォトフレームの外観形状を有している。他の例として、監視装置8A,8Bは、装飾品、工芸品、又はぬいぐるみ等の外観形状を有していてもよい。
【0026】
図4は、監視装置8Aのハードウェア構成を示す図である。監視装置8Aは、CPU等の制御部20A、データ通信部21A、信号送受信部22A、無線通信部23A、スイッチ24A、CCD等を用いたカメラ25A、マイク26A、及び半導体メモリ等の記憶部27Aを備えて構成されている。監視装置8Aは、部屋2A内のコンセント等から供給される電力によって駆動する。
【0027】
データ通信部21Aは、データ送信部31AT及びデータ受信部31ARを有している。データ送信部31ATは、通信ネットワーク11を介してサーバ装置12に向けて各種のデータを送信する。データ受信部31ARは、通信ネットワーク11を介してサーバ装置12から各種のデータを受信する。
【0028】
信号送受信部22Aは、信号送信部32AT及び信号受信部32ARを有している。信号送信部32ATは、照明機器4A及び空調機器5Aを遠隔制御するための、赤外線を用いたリモコン信号を送信する。信号受信部32ARは、リモコン6A,7Aから送信されたリモコン信号を受信する。
【0029】
無線通信部23Aは、無線送信部33AT及び無線受信部33ARを有している。無線送信部33ATは、Z−Wave等の無線通信プロトコルに則した無線信号を送信する。無線受信部33ARは、Z−Wave等の無線通信プロトコルに則した無線信号を受信する。無線送信部33ATからの送信電波の到達範囲は住宅2の大きさ程度に設定されており、監視装置8Aは、監視装置8Bとの間で無線通信を行う。
【0030】
また、図1を参照して、ユーザが所持する携帯電話9(制御端末)にはストラップが装着されており、当該ストラップには電池駆動式の小型の通信装置10が発信機として内蔵されている。通信装置10からの送信電波の到達範囲は住宅2(又は部屋2A)の大きさ程度に設定されており、ユーザが在宅していることにより携帯電話9が住宅2(又は部屋2A)内に所在している場合には、監視装置8Aは通信装置10との間で無線通信を行う。一方、ユーザが携帯電話9を所持して外出していることにより携帯電話9が住宅2内に所在していない場合には、監視装置8Aは通信装置10との間で無線通信を行わない。なお、通信装置10を携帯電話9のストラップに内蔵する例に限らず、外出時にユーザに携帯又は装着されることが想定される任意の物品(財布、鍵、手帳、眼鏡、入れ歯、かつら等)に通信装置10を収容又は内蔵することもできる。
【0031】
図5は、監視装置8Bのハードウェア構成を示す図である。監視装置8Bは、CPU等の制御部20B、信号送受信部22B、無線通信部23B、スイッチ24B、CCD等を用いたカメラ25B、及びマイク26Bを備えて構成されている。監視装置8Bは、部屋2B内のコンセント等から供給される電力によって駆動する。
【0032】
信号送受信部22Bは、信号送信部32BT及び信号受信部32BRを有している。信号送信部32BTは、照明機器4B及び空調機器5Bを遠隔制御するための、赤外線を用いたリモコン信号を送信する。信号受信部32BRは、リモコン6B,7Bから送信されたリモコン信号を受信する。
【0033】
無線通信部23Bは、無線送信部33BT及び無線受信部33BRを有している。無線送信部33BTは、Z−Wave等の無線通信プロトコルに則した無線信号を送信する。無線受信部33BRは、Z−Wave等の無線通信プロトコルに則した無線信号を受信する。無線送信部33BTからの送信電波の到達範囲は住宅2の大きさ程度に設定されており、監視装置8Bは、監視装置8Aとの間で無線通信を行う。
【0034】
また、図1を参照して、ユーザが在宅していることにより携帯電話9が住宅2(又は部屋2B)内に所在している場合には、監視装置8Bは通信装置10との間で無線通信を行う。一方、ユーザが携帯電話9を所持して外出していることにより携帯電話9が住宅2内に所在していない場合には、監視装置8Bは通信装置10との間で無線通信を行わない。
【0035】
図6は、制御部20Aの機能構成を示すブロック図である。制御部20Aは、命令取得部41A、信号生成部42A、機器特定部43A、画像処理部44A、及びモード制御部45Aを有している。
【0036】
図7は、制御部20Bの機能構成を示すブロック図である。制御部20Bは、信号生成部42B、機器特定部43B、画像処理部44B、及びモード制御部45Bを有している。
【0037】
図6を参照して、命令取得部41Aは、例えば外出先の携帯電話9から送信された照明機器4A,4Bに対する制御命令(点灯命令、消灯命令等)を、基地局13、通信ネットワーク11、及びデータ受信部31ARを介して取得する。また、命令取得部41Aは、例えば外出先の携帯電話9から送信された空調機器5A,5Bに対する制御命令(電源オン命令、電源オフ命令、温度設定命令等)を、基地局13、通信ネットワーク11、及びデータ受信部31ARを介して取得する。命令取得部41Aが取得した制御命令は、命令取得部41Aから信号生成部42Aに入力される。
【0038】
信号生成部42Aは、命令取得部41Aから入力された制御命令の内容に応じたリモコン信号を生成する。具体的には、照明機器4A,4B及び空調機器5A,5Bの各々の制御内容に応じたリモコン信号に関するデータ(フォーマット及びコード等。以下「リモコンデータ」と称す)が、図4に示した記憶部27Aに記憶されている。信号生成部42Aは、命令取得部41Aから入力された制御命令の内容に応じたリモコンデータを、記憶部27Aから読み出す。
【0039】
また、信号生成部42Aは、命令取得部41Aから入力された制御命令が照明機器4A又は空調機器5Aを対象とする命令である場合には、記憶部27Aから読み出したリモコンデータに基づいて、照明機器4A又は空調機器5Aを制御するための赤外線のリモコン信号を生成し、生成したリモコン信号を信号送信部32ATから送信する。これにより、携帯電話9から送信された制御命令の内容に応じて照明機器4A又は空調機器5Aの動作が制御される。なお、同様の手法によって、外出先の携帯電話9からテレビ3Aの動作を制御することもできる。
【0040】
一方、信号生成部42Aは、命令取得部41Aから入力された制御命令が照明機器4B又は空調機器5Bを対象とする命令である場合には、記憶部27Aから読み出したリモコンデータを無線送信部33ATから監視装置8Bに向けて送信する。図7を参照して、無線送信部33ATから送信されたリモコンデータは、無線受信部33BRによって受信された後、信号生成部42Bに入力される。信号生成部42Bは、入力されたリモコンデータに基づいて、照明機器4B又は空調機器5Bを制御するための赤外線のリモコン信号を生成し、生成したリモコン信号を信号送信部32BTから送信する。これにより、携帯電話9から送信された制御命令の内容に応じて照明機器4B又は空調機器5Bの動作が制御される。なお、同様の手法によって、外出先の携帯電話9からテレビ3Bの動作を制御することもできる。
【0041】
ここで、照明機器や空調機器等の電気機器としては、様々なメーカから様々な製品が販売されており、製品によってリモコン信号のフォーマットやコード等が異なる。そのため、監視装置8A,8Bから送信されるリモコン信号によって照明機器4A,4B及び空調機器5A,5Bの動作を制御するためには、住宅2内に設置されている電気機器の種別(メーカ名や型番等)を特定し、特定した種別に応じたリモコン信号を生成する必要がある。以下、住宅2内に設置されている電気機器を特定する手法について説明する。
【0042】
図8は、記憶部27Aの記憶内容を示す図である。記憶部27Aには、様々な電気機器に関する複数のリモコンデータQが登録されている。例えば、監視装置8Aの出荷時点において既知である全ての照明機器及び空調機器に関するリモコンデータQが、記憶部27Aに登録されている。
【0043】
監視装置8Aのスイッチ24Aが長押しされること等によって、監視装置8Aは、部屋2A内に設置されている電気機器を特定するための処理を開始する。
【0044】
機器特定部43Aは、記憶部27Aに登録されている全てのリモコンデータQを読み出し、各リモコンデータQに基づいて信号生成部42Aで生成したリモコン信号を、図8の矢印Y1で示すように信号送信部32ATから一定の微小な時間間隔T1で連続的に送信する。
【0045】
照明機器4Aに関するリモコンデータが記憶部27Aに登録されていた場合には、当該リモコンデータに対応するリモコン信号が信号送信部32ATから送信されたタイミングで、照明機器4Aは何らかの応答をする。例えば、点灯命令に関するリモコン信号が送信されたタイミングで、照明機器4Aが点灯する。従って、機器特定部43Aは、照明機器4Aの点灯に伴って部屋2Aの照度が変化したことをカメラ25Aの撮像画像に基づいて検知することにより、応答検知の直前に照明機器4Aに対応するリモコン信号が信号送信部32ATから送信されたことを検出することができる。つまり、図8に示すように、応答検知タイミングの直前数秒間の範囲Rに、部屋2A内の照明機器4Aに対応するリモコンデータが含まれていることを検出する。
【0046】
そこで次に機器特定部43Aは、範囲Rに含まれるリモコンデータQを読み出し、各リモコンデータQに基づいて信号生成部42Aで生成したリモコン信号を、図8の矢印Y2で示すように信号送信部32ATから一定の時間間隔T2(時間間隔T1より長い間隔。例えば数秒間隔)で連続的に送信する。そして、上記と同様に照度変化等に基づいて照明機器の応答を検知することにより、部屋2A内に設置されている照明機器4Aを特定する。
【0047】
また、空調機器5Aに関するリモコンデータが記憶部27Aに登録されていた場合には、当該リモコンデータに対応するリモコン信号が信号送信部32ATから送信されたタイミングで、空調機器5Aは何らかの応答をする。例えば、電源オン命令に関するリモコン信号が送信されたタイミングで、空調機器5Aから「ピッ」という応答音が発生する。従って、機器特定部43Aは、発生した応答音をマイク26Aによって検知することにより、応答検知の直前に空調機器5Aに対応するリモコン信号が信号送信部32ATから送信されたことを検出することができる。つまり、図8に示すように、応答検知タイミングの直前数秒間の範囲Rに、部屋2A内の空調機器5Aに対応するリモコンデータが含まれていることを検出する。
【0048】
そこで次に機器特定部43Aは、範囲Rに含まれるリモコンデータQを読み出し、各リモコンデータQに基づいて信号生成部42Aで生成したリモコン信号を、図8の矢印Y2で示すように信号送信部32ATから一定の時間間隔T2で連続的に送信する。そして、上記と同様に応答音等に基づいて空調機器の応答を検知することにより、部屋2A内に設置されている空調機器5Aを特定する。
【0049】
なお、監視装置8Bは、監視装置8Aと同様の手法によって、部屋2B内に設置されている照明機器4B及び空調機器5Bを特定することができる。その際、信号生成部42Aは、記憶部27Aから読み出した複数のリモコンデータQを、無線送信部33ATから監視装置8Bに向けて送信する。当該リモコンデータQは無線受信部33BRによって受信された後、機器特定部43Bに入力される。機器特定部43Bは、各リモコンデータQに基づいて信号生成部42Bで生成したリモコン信号を、信号送信部32BTから連続的に送信する。そして、上記と同様に、電気機器の応答をカメラ25B及びマイク26Bによって検知することにより、部屋2B内に設置されている照明機器4B及び空調機器5Bを特定する。機器特定部43Bは、照明機器4B及び空調機器5Bの特定結果を、無線送信部33BTから監視装置8Aに向けて送信する。
【0050】
また、監視装置8Aと照明機器4A又は空調機器5Aとの位置関係次第では、信号送信部32ATから送信したリモコン信号が照明機器4A又は空調機器5Aによって受信されず、監視装置8Aからのリモコン信号の連続送信によっては電気機器の特定が困難な状況が生じ得る。そこで、リモコン信号の連続送信による電気機器の特定処理が失敗した場合には、監視装置8AのLED(図示しない)等を用いてエラーを報知する。
【0051】
例えば空調機器5Aの特定処理が失敗した場合には、ユーザは、リモコン7Aの赤外線送信部を監視装置8Aに向けて、リモコン7Aからリモコン信号を送信する。当該リモコン信号は信号受信部32ARによって受信された後、信号受信部32ARから機器特定部43Aに入力される。機器特定部43Aは、記憶部27Aから全てのリモコンデータQを読み出し、信号受信部32ARから入力されたリモコン信号に関するリモコンデータと、記憶部27Aから読み出したリモコンデータQとを比較することにより、空調機器5Aの種別を特定する。つまり、記憶部27Aから読み出したリモコンデータQの中に、信号受信部32ARから入力されたリモコン信号に関するリモコンデータと一致するものがある場合には、機器特定部43Aはその比較結果に基づいて空調機器5Aの種別を特定する。
【0052】
なお、監視装置8Bは、監視装置8Aと同様の手法によって、部屋2B内に設置されている照明機器4B及び空調機器5Bを特定することができる。例えば、リモコン信号の連続送信による空調機器5Bの特定処理が失敗した場合には、ユーザは、リモコン7Bの赤外線送信部を監視装置8Bに向けて、リモコン7Bからリモコン信号を送信する。当該リモコン信号は信号受信部32BRによって受信された後、信号受信部32BRから機器特定部43Bに入力される。機器特定部43Bは、信号受信部32BRから入力されたリモコン信号に関するリモコンデータと、監視装置8Aから受信した、記憶部27Aに登録されているリモコンデータQとを比較することにより、空調機器5Bの種別を特定する。機器特定部43Bは、空調機器5Bの特定結果を、無線送信部33BTから監視装置8Aに向けて送信する。
【0053】
ここで、例えば空調機器5Aが監視装置8Aよりも後に発売された最新の機器である場合等には、空調機器5Aのリモコンデータは記憶部27Aに登録されていないため、信号受信部32ARから入力されたリモコン信号に関するリモコンデータは、記憶部27Aから読み出したリモコンデータQに一致しない。従ってこの場合には、機器特定部43Aは、信号受信部32ARから入力されたリモコン信号に関するリモコンデータを、データ送信部31ATから通信ネットワーク11を介してサーバ装置12に向けて送信する。
【0054】
サーバ装置12は、その時点で最新のリモコンデータを全て保持しており、監視装置8Aから受信したリモコンデータに対応する電気機器は空調機器5Aであることを特定する。サーバ装置12は、特定した空調機器5Aの種別に関するデータ(メーカ名、型番、空調機器5Aのオン/オフ等の動作を制御するためのリモコンデータ等)を、通信ネットワーク11を介して監視装置8Aに向けて送信する。サーバ装置12から送信されたデータは、データ受信部31ARによって受信された後、データ受信部31ARから機器特定部43Aに入力される。機器特定部43Aは、当該データに基づいて部屋2A内に設置されている空調機器5Aを特定するとともに、空調機器5Aに関するリモコンデータを記憶部27Aに登録する。なお、サーバ装置12が電気機器の特定を行う代わりに、監視装置8Aが最新のリモコンデータをサーバ装置12からダウンロードして記憶部27Aの記憶内容を更新することによって、機器特定部43Aが電気機器の特定を行ってもよい。また、最新のリモコンデータのダウンロードは、監視装置8Aによって定期的に行ってもよい。
【0055】
なお、同様の手法によって、部屋2B内に設置されている照明機器4B及び空調機器5Bを特定することもできる。例えば空調機器5Bが監視装置8Aよりも後に発売された最新の機器である場合等には、機器特定部43Bは、信号受信部32BRから入力されたリモコンデータを、無線送信部33BTから監視装置8Aに向けて送信する。当該リモコンデータは、無線受信部33ARによって受信された後、機器特定部43Aに入力される。機器特定部43Aは、無線受信部33ARから入力されたリモコンデータを、データ送信部31ATからサーバ装置12に向けて送信する。サーバ装置12は、監視装置8Aから受信したリモコンデータに対応する電気機器は空調機器5Bであることを特定し、空調機器5Bの種別に関するデータを監視装置8Aに向けて送信する。サーバ装置12から送信されたデータは、データ受信部31ARによって受信された後、機器特定部43Aに入力される。機器特定部43Aは、当該データに基づいて部屋2B内に設置されている空調機器5Bを特定するとともに、空調機器5Bに関するリモコンデータを記憶部27Aに登録する。
【0056】
さて次に、監視装置8A,8Bによる部屋2A,2Bの監視動作について説明する。
【0057】
図6,7を参照して、モード制御部45A,45Bは、監視装置8A,8Bの動作モードを、監視エリアの監視を行う監視モード及び監視エリアの監視を行わない監視解除モードのいずれかに設定する。モード制御部45A,45Bによる動作モードの設定手法については後述する。
【0058】
監視装置8A,8Bが監視モードに設定されている場合には、監視エリアである部屋2A,2B内の様子がカメラ25A,25Bによって撮影される。カメラ25Aによって撮影された部屋2Aの画像(動画でも静止画でもよい)は画像処理部44Aに入力され、画像処理部44Aは、入力された部屋2Aの画像を、データ送信部31ATから通信ネットワーク11を介してサーバ装置12に向けて送信する。また、カメラ25Bによって撮影された部屋2Bの画像(動画でも静止画でもよい)は画像処理部44Bに入力され、画像処理部44Bは、入力された部屋2Bの画像を、無線送信部33BTから監視装置8Aに向けて送信する。送信された部屋2Bの画像は、無線受信部33ARによって受信された後、画像処理部44Aに入力される。画像処理部44Aは、監視装置8Bから受信した部屋2Bの画像を、データ送信部31ATから通信ネットワーク11を介してサーバ装置12に向けて送信する。サーバ装置12は、監視装置8Aから受信した部屋2A,2Bの画像を保存する。
【0059】
監視装置8Aからサーバ装置12への画像の送信は、通信データ量の削減のために、一定の時間間隔で定期的に行われる。例えば、1時間毎に撮影した部屋2A,2Bの画像が、監視装置8Aから通信ネットワーク11を介してサーバ装置12に向けて送信され、サーバ装置12は当該画像を保存する。サーバ装置12は、監視装置8Aから画像が送信されてくる度に当該画像を保存し、これにより、部屋2A,2Bの過去の画像がサーバ装置12に蓄積される。
【0060】
携帯電話9は、基地局13及び通信ネットワーク11を介してサーバ装置12にアクセスすることにより、サーバ装置12に保存されている画像をダウンロードすることができる。ダウンロードした画像は、携帯電話9のディスプレイに表示される。これにより、ユーザは、外出先から部屋2A,2Bの様子を確認することができる。
【0061】
また、部屋2A,2Bのリアルタイムの画像を携帯電話9のディスプレイに表示することもできる。ユーザは、携帯電話9からサーバ装置12にアクセスすることにより、監視エリアのリアルタイムの画像を要求する。サーバ装置12は、監視装置8Aに対して監視エリアの現在の画像を要求する。監視装置8Aは、カメラ25Aによって部屋2Aの現在の画像を撮影するとともに、カメラ25Bによって部屋2Bの現在の画像を撮影させる撮影命令を、無線送信部33ATから監視装置8Bに送信する。監視装置8Bは、撮影命令を受信することにより、カメラ25Bによって部屋2Bの現在の画像を撮影する。上記と同様に監視装置8Aは、カメラ25A,25Bによって撮影された部屋2A,2Bの現在の画像を、通信ネットワーク11を介してサーバ装置12に向けて送信する。サーバ装置12は、監視装置8Aから受信した部屋2A,2Bの現在の画像を、通信ネットワーク11及び基地局13を介して携帯電話9に向けて送信する。これにより、部屋2A,2Bのリアルタイムの画像が携帯電話9のディスプレイに表示される。
【0062】
監視装置8A,8Bが監視解除モードに設定されている場合には、カメラ25A,25Bによる部屋2A,2Bの撮影は行われず、監視装置8Aからサーバ装置12への画像の送信は行われない。但し、監視装置8A,8Bが監視解除モードに設定されている場合であっても、カメラ25A,25Bによる部屋2A,2Bの撮影を行ってもよい。この場合、監視装置8Aからサーバ装置12への画像の送信は行わず、撮影した画像は記憶部27Aに保存される。
【0063】
以下、モード制御部45A,45Bによる監視装置8A,8Bの動作モードの設定手法について説明する。
【0064】
上記の通り、携帯電話9が住宅2内に所在している場合には、監視装置8A又は監視装置8Bは通信装置10との間で無線通信を行い、一方、携帯電話9が住宅2内に所在していない場合には、監視装置8A及び監視装置8Bは通信装置10との間で無線通信を行わない。
【0065】
具体的には、携帯電話9が部屋2A内に所在している場合には、通信装置10からの送信電波は無線受信部33ARによって受信される。無線受信部33ARは、通信装置10からの送信電波を受信していることを示す信号(以下「電波受信信号」と称す)を、モード制御部45Aに入力する。
【0066】
また、携帯電話9が部屋2B内に所在している場合には、通信装置10からの送信電波は無線受信部33BRによって受信される。無線受信部33ARは、電波受信信号をモード制御部45Bに入力する。モード制御部45Bは、当該電波受信信号を無線送信部33BTから監視装置8Aに向けて送信する。当該電波受信信号は無線受信部33ARによって受信された後、無線受信部33ARからモード制御部45Aに入力される。
【0067】
モード制御部45Aは、携帯電話9が部屋2A又は部屋2B内に所在していることにより無線受信部33ARから電波受信信号が入力されている場合には、ユーザが在宅していると判定して監視装置8A,8Bを監視解除モードに設定する。一方、携帯電話9が部屋2A及び部屋2B内に所在していないことにより無線受信部33ARから電波受信信号が入力されていない場合には、ユーザが外出していると判定して監視装置8A,8Bを監視モードに設定する。
【0068】
モード制御部45Aは、動作モードの設定情報を、画像処理部44Aに入力するとともに、無線送信部33ATから監視装置8Bに向けて送信する。送信された当該設定情報は無線受信部33BRによって受信された後、無線受信部33BRからモード制御部45Bに入力される。モード制御部45Bは、当該設定情報を画像処理部44Bに入力する。
【0069】
なお、携帯電話9が住宅2内に所在している場合であっても、通信装置10の電池切れ等によって監視装置8A,8Bが通信装置10と無線通信を行わない状況も想定される。従って、通信装置10の電池の電圧値をモニタする電圧モニタ回路を通信装置10内に実装し、当該電圧値が所定値未満に低下した場合には、通信装置10から監視装置8Aにその旨を通知するように制御してもよい。通知を受けた監視装置8Aは、電池交換を促すメッセージを記述したE−mailを携帯電話9に向けて送信し、当該メッセージが携帯電話9のディスプレイに表示される。
【0070】
また、ユーザが携帯電話9を住宅2内に置き忘れて外出する状況も想定される。従って、外出時にユーザに携帯又は装着されることが想定される複数の物品(例えば携帯電話と財布)に通信装置10をそれぞれ収容又は内蔵し、監視装置8A,8Bが少なくとも一つの通信装置10と無線通信をしていない場合には監視モードに設定し、監視装置8A,8Bが全ての通信装置10と無線通信をしている場合には監視解除モードに設定するように制御してもよい。
【0071】
また、住宅2に複数のユーザが居住している場合には、通信装置10は、各ユーザが所持する携帯電話9にそれぞれ装着される。いずれかのユーザが在宅している場合には、当該ユーザの所持する携帯電話9は住宅2内に所在しているため、モード制御部45Aには無線受信部33ARから電波受信信号が入力される。従って、モード制御部45Aは、監視装置8A,8Bを監視解除モードに設定する。一方、全てのユーザが外出している場合には、全ての携帯電話9は住宅2内に所在していないため、モード制御部45Aには無線受信部33ARから電波受信信号が入力されない。従って、モード制御部45Aは、監視装置8A,8Bを監視モードに設定する。
【0072】
このように本実施の形態に係るセキュリティシステム1によれば、監視装置8Aは、モード制御部45Aによって監視モードに設定されることにより、カメラ25Aによって撮像した画像を、データ通信部21Aから通信ネットワーク11を介してサーバ装置12に送信する。これにより、携帯電話9(制御端末)は、監視エリアの画像をサーバ装置12から取得して当該画像をディスプレイに表示可能となる。このように、監視装置8Aが監視エリアの画像をサーバ装置12に送信し、ユーザは携帯電話9を用いて当該画像をサーバ装置12から取得する、という簡易なシステム構成とすることにより、警備センタの設置や警備員の常駐等が不要となるため、運営コストを削減することができる。その結果、ユーザは低料金でセキュリティシステム1を導入・使用することが可能となる。また、警備センタの設置が不要となるため、警備センタの設置箇所の状況によってサービスの提供可能エリアが限定されることはない。その結果、ユーザの住宅の所在地等に拘わらずサービスを提供することが可能となる。また、監視装置8Aは、モード制御部45Aによって監視解除モードに設定されることにより、データ通信部21Aによるサーバ装置12への画像の送信を停止する。従って、ユーザが自宅に所在している時には監視解除モードに設定することにより、在宅中のユーザの画像がサーバ装置12へ送信されることを回避できるため、ユーザのプライバシーを保護することが可能となる。
【0073】
また、本実施の形態に係るセキュリティシステム1によれば、携帯電話9は、カメラ25Aが撮像しているリアルタイムの画像を、サーバ装置12から取得可能である。従って、ユーザは、自宅内の様子を携帯電話9によってリアルタイムで閲覧することができるため、自宅に不審者が侵入しているか否かを事前に確認してから帰宅することができる。
【0074】
また、本実施の形態に係るセキュリティシステム1によれば、携帯電話9は、サーバ装置12に蓄積されている過去の画像を、サーバ装置12から取得可能である。従って、ユーザは、自宅に不審者が侵入した形跡がある場合には、不審者が撮影されている過去の画像をサーバ装置12から取得して警察等の捜査機関に提出することができ、捜査機関は当該画像を不審者の捜査に利用することができる。また、ユーザは、サーバ装置12に蓄積されている過去の画像を帰宅前に閲覧することにより、留守中の自宅に不審者が侵入したか否かを確認することができ、不審者を確認した場合には、帰宅時に警察等に同行を求めることができる。
【0075】
また、本実施の形態に係るセキュリティシステム1によれば、モード制御部45Aは、無線通信部23Aが通信装置10との間で無線通信を行っていることにより監視解除モードに設定し、無線通信部23Aが通信装置10との間で無線通信を行っていないことにより監視モードに設定する。従って、ユーザが外出時に常に自宅から持ち出す物に通信装置10を取り付けることにより(例えば、小型の通信装置を埋め込んだストラップを携帯電話9に装着する、カード型の小型の通信装置を財布に収納する、あるいは眼鏡のフレームに小型の通信装置を埋め込む等)、外出時には自動的に監視モードに設定され、帰宅時には自動的に監視解除モードに設定される。従って、外出や帰宅の度にユーザが手動で動作モードを切り換える必要がないため、ユーザの利便性を向上することができる。
【0076】
また、本実施の形態に係るセキュリティシステム1によれば、監視装置8Aはフォトフレームの外観形状を有する。従って、ユーザの自宅に侵入した不審者は監視装置8Aの存在に気付きにくいため、不審者によって監視装置8Aが破壊される事態を回避することができる。また、監視装置8Aの設置に伴って部屋の美観が損なわれることを回避することができる。
【0077】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0078】
1 セキュリティシステム
2A 部屋
4A 照明機器
5A 空調機器
6A,7A リモコン
8A 監視装置
9 携帯電話
10 通信装置
21A データ通信部
22A 信号送受信部
23A 無線通信部
25A カメラ
26A マイク
27A 記憶部
41A 命令取得部
42A 信号生成部
43A 機器特定部
44A 画像処理部
45A モード制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバ装置と、
所定の監視エリア内に配置され、通信ネットワークを介して前記サーバ装置に接続された監視装置と、
前記サーバ装置と通信可能であり、画像を表示する表示部を有する制御端末と、
を備え、
前記監視装置は、
前記監視エリアの画像を撮像する撮像部と、
前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置と通信を行うデータ通信部と、
前記監視装置の動作モードを、前記監視エリアの監視を行う監視モード及び前記監視エリアの監視を行わない監視解除モードのいずれかに設定するモード制御部と、
を有し、
前記モード制御部によって前記監視モードに設定されることにより、前記撮像部によって撮像した画像を、前記データ通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信し、
前記モード制御部によって前記監視解除モードに設定されることにより、前記データ通信部による前記サーバ装置への画像の送信を停止し、
前記制御端末は、前記監視エリアの画像を前記サーバ装置から取得する、セキュリティシステム。
【請求項2】
前記制御端末は、前記撮像部が撮像しているリアルタイムの画像を、前記サーバ装置から取得可能である、請求項1に記載のセキュリティシステム。
【請求項3】
前記制御端末は、前記サーバ装置に蓄積されている過去の画像を、前記サーバ装置から取得可能である、請求項1又は2に記載のセキュリティシステム。
【請求項4】
前記監視エリア内に所在することによって、前記監視装置との間で無線通信を行う通信装置をさらに備え、
前記監視装置は、前記監視エリア内に所在している前記通信装置との間で無線通信を行う無線通信部をさらに有し、
前記モード制御部は、前記無線通信部が前記通信装置との間で無線通信を行っていることにより前記監視解除モードに設定し、前記無線通信部が前記通信装置との間で無線通信を行っていないことにより前記監視モードに設定する、請求項1〜3のいずれか一つに記載のセキュリティシステム。
【請求項5】
前記監視装置は、フォトフレームの外観形状を有する、請求項1〜4のいずれか一つに記載のセキュリティシステム。
【請求項6】
所定の監視エリア内に配置される監視装置であって、
前記監視エリアの画像を撮像する撮像部と、
通信ネットワークを介してサーバ装置と通信を行うデータ通信部と、
前記監視装置の動作モードを、前記監視エリアの監視を行う監視モード及び前記監視エリアの監視を行わない監視解除モードのいずれかに設定するモード制御部と、
を備え、
前記モード制御部によって前記監視モードに設定されることにより、前記撮像部によって撮像した画像を、前記データ通信部から前記通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信し、
前記モード制御部によって前記監視解除モードに設定されることにより、前記データ通信部による前記サーバ装置への画像の送信を停止する、監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−150592(P2012−150592A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−7780(P2011−7780)
【出願日】平成23年1月18日(2011.1.18)
【出願人】(502312498)住友電工ネットワークス株式会社 (212)
【Fターム(参考)】