説明

セグメント搬送システム

【課題】掘削坑の内径が小さな場合でも、後続台車を越えてトンネル先端部の組立て場所にセグメントを運ぶことが可能な技術を提供する。
【解決手段】セグメント搬送システム1は、シールド掘削機2により掘削された掘削坑300の内壁面にセグメント301を覆工してシールドトンネル220とするためにセグメント301を掘削坑300の所定位置に搬送するシステムであって、掘削坑300の内径とセグメント301の長さ寸法とにさほど差がない程に坑内径が小さな掘削坑に適用され、シールド掘削機2を進行させるために必要な各種機械類を積載した後続台車4の上面4aに、セグメント301を搬送するセグメント搬送台車12を設置し、このセグメント搬送台車12を介してセグメント301を後続台車4の上面4aにおいて前方に移動させ、掘削坑300のうちシールド掘削機2と後続台車4との間にセグメント301を搬送するというものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシールド掘削機により掘削された掘削坑の内壁面にセグメントを覆工するためにセグメントを坑内に搬送するセグメント搬送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
シールド工法は、周知のごとく過密化した都市部においてトンネルを構築する方法として近年主流となっている工法であり、シールド掘削機で地山を掘削した後に掘削坑表面にRC:Reinforced Concrete Construction(鉄筋コンクリート)製などのセグメント(トンネル内壁面を構成するブロック体のこと)を多数組んでトンネル壁を構築する(以下覆工という)ことで、トンネルを形成していく工法である。シールド工法で構築されたトンネルのことをシールドトンネルという。なお、掘削坑にセグメントが覆工された状態の坑をトンネル坑ということにする。
【0003】
図22は、シールドトンネル220の概念図である。
同図から分かるように、シールド掘削機で掘削した掘削坑300の周方向及び軸方向にセグメント301を多数接続して、円筒形状のシールドトンネル220の内壁面を形成する(図面ではシールドトンネルの一部のみ示す。)。
【0004】
セグメント301は、シールドトンネル220の軸方向に対する横断面形状が弧状をなし、同じく縦断面が長方形状をしている曲面体である。セグメント301の横断面には、セグメント301同士を連結する連結棒とこの連結棒が嵌合する嵌合孔が複数対、設けられている(連結棒及び嵌合孔は共に図示せず)。図22に符号229で示すものは地山の一部である。
【0005】
トンネル坑300aを構築する場合は、シールド掘削機内に装備されたリフトでセグメントをシールド掘削機内の所定位置に搬送し、そこで組み立てる。
【0006】
図23はシールド工法の一つである土圧式シールド工法を説明するための図である。シールド掘削機101は、シールド掘削機101を進行(以下特に断らない限り掘進という)させるために必要な各種機械類を搭載した後続台車101aと連結されている。後続台車101aには、シールド運転台車102、パワーユニット台車103、添加材・裏込め注入台車104、ホッパー台車105、トランス台車106が搭載され、これらの台車に続き、第1のバッテリ機関車107aに牽引された複数台のズリ搬出台車108等がある。
【0007】
そして、立坑110内の底面では、第2のバッテリ機関車107bに牽引された複数台のセグメント搬送台車109,109…が待機している。
また、地上に設置されたセグメントヤード116に貯蔵されている未施工のセグメント301は、地上に設置されているクレーン112bにより立坑110内に降ろされてセグメント搬送台車109に積載される。
【0008】
その後セグメント301は、セグメント搬送台車109によりトンネル坑の先端部であり、シールド掘削機101よりも後方のセグメント301がまだ覆工されていない組立て場所(以下セグメント組立て場所)に運ばれる。
【0009】
シールド掘削機101により一回当たりの掘進が終了すると、未施工のセグメント301は、セグメント組み立て装置により組立てられる。組立てられたセグメント301と地
山との間に裏込注入を行い、地山の沈下防止等の作業を行う。こうして、セグメントの搬入・組立てなどの作業を順次繰り返すことで、シールド工法によるトンネル工事が順次進行する。
【0010】
ところで、セグメント301を前記セグメント組み立て場所に運ぶ場合、抗内径が十分大きければ、掘削坑300内を搬送する時のセグメント301の向きは気にせずに、セグメント301を後続台車101aの横側を通してセグメント組み立て場所にまで運ぶことが可能である。
【0011】
しかし、下水道の敷設工事のようにトンネル坑の内径が概ねφ1800未満の場合には、掘削坑300の軸方向に対してセグメント301の中心軸が直交する状態、いわゆる舟形と呼称される状態でなければセグメント301を後続台車の横側を通してセグメント組み立て場所に運ぶことはできない(図24及び図25参照)。
【0012】
またセグメント301は覆工により掘削坑300の軸周りに配置されて筒状になるものであるから、このような舟形の状態でセグメント301を運んでも向きを変えなければ組み立てられない。したがって、この場合、セグメント301を90度回転し、掘削坑300の軸方向とセグメント301との中心軸とが平行になるようにする。狭い構内に適用されるシールド掘削機では、リフト装置や回転作業用機器を小型のものにしても当該装置や機器が設置されることで一層狭くなり、よって坑内での作業がしづらい。
【0013】
そこで、セグメント301を坑内で回転しなくても済むように、予めセグメント301の向きをその中心軸が掘削坑300の軸方向に対して平行になるように設定した状態で坑内に搬送することが考えられる。
【0014】
ところが、トンネル坑の内径とセグメントの長さ寸法とにさほど差がない程に掘削坑300の内径(以下坑内径)が小さな場合においてセグメント301を上記のごとくその中心軸が掘削坑300の軸方向に対して平行になる向きにしてセグメントを後続台車の側方を通すことは、後続台車の側方にできる空間が狭すぎるため不可能である。よって、後続台車の横を追い越してセグメントを前記セグメント組み立て場所にまで運ぶことができない。
【0015】
なお、このようなセグメント搬送技術に関する特許文献としては、例えば特許文献1を挙げられる。
【特許文献1】特開2002−4796号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明はこのような実情に鑑みて為されたものであり、その解決しようとする課題は、掘削坑の内径が小さな場合でも、後続台車を越えてトンネル先端部の組立て場所にセグメントを運ぶことが可能であり、かつ当該組み立て場所にセグメントを搬送した後も掘削坑内でセグメントを回転しなくても組み立てることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記実情に鑑みて、本発明では次の手段を採用した。
【0018】
すなわち、本発明のセグメント搬送システムは、シールド掘削機により掘削された掘削坑の内壁面にセグメントを覆工してシールドトンネルとするためにセグメントを前記掘削坑の所定位置に搬送するセグメント搬送システムであって、シールド掘削機を進行させる
ために必要な各種機械類が搭載されかつ前記シールド掘削機の本体に続く後続台車の上面を、セグメント搬送用の台車の通る走行路とし、この走行路上で前記セグメント搬送用の台車にセグメントを積載した状態で当該台車を走行させることで、掘削坑のうちシールド掘削機と前記後続台車との間に向けてセグメントを搬送するというものである。
【0019】
また前記後続台車は、その高さが、前記セグメント搬送台車の設置される前記後続台車の上面と前記掘削坑に覆工されたセグメントの内表面との間にできる空間部が、前記セグメント搬送台車に前記セグメントを裁置するに十分な大きさとすることが望ましい。
【0020】
本発明によれば、セグメントを裁置した状態でセグメント搬送台車が後続台車の上面を前方に移動できるようになるので、後続台車を追い越してセグメントをトンネル先端部の組立て場所にまで運ぶことができる。
【0021】
そして、トンネル坑の内径とセグメントの長さ寸法とにさほど差がない程に坑内径が小さな状態であっても搬送時のセグメントの向きがセグメントの中心軸とトンネルの軸とで平行状態になるようにセグメントを搬送すれば、セグメントをトンネル先端部のセグメント組立て場所にまで運んだ後にセグメントの向きを変えることなく掘削坑の表面にセグメントを覆工できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、トンネル坑の内径とセグメントの長さ寸法とにさほど差がない程に坑内径が小さな場合でも、効率よいセグメントの覆工作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明のセグメント搬送システムの実施の形態(以下、実施形態)を添付した図面を参照して説明する。なお従来技術で説明したものと同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明に係るセグメント搬送システム1の一例である。セグメント搬送システム1は、シールド掘削機2が掘進して形成された掘削坑300内に構築されるシステムである。
【0025】
セグメント搬送システム1は、シールド掘削機2と、シールド掘削機2の後方に位置するセグメント組立て部3と、シールド掘削機2を進行させるために必要な各種機械類を積載した後続台車4とを有する。また図1において、符号5が示唆するものは、図示しない立坑と後続台車4との間を往復動して未施工のセグメント301をシールド掘削機2に搬送するためのセグメント坑内搬送装置であり、セグメント搬送システム1に含まれる。
【0026】
シールド掘削機2は、シールドトンネル220の内径とセグメント301の長さ寸法(覆工した時にトンネルの円周方向に延びる方向における寸法)とにさほど差がない程に坑内径が小さな掘削坑を形成するのに用いられる。この実施形態では、トンネル坑300aの内径Diは、φ1650であり、セグメント301の長さ寸法Lはφ1326である(図2参照)。
【0027】
セグメント組立て部3は、シールド掘削機2によって形成された掘削坑300の内壁面(以下、坑内壁面)にセグメント301を覆工するための領域であり、その軸方向には、ローラコンベヤ7が敷設されている。ローラコンベヤ7は、後で詳しく述べるように後続台車4経由で供給されて来た複数のセグメント301を直列するに十分な長さを有する。
【0028】
また、ローラコンベヤ7の先端からそれよりもさらに前方の所定領域には、ローラコン
ベヤ7によって移動されてきたセグメント301を掘削坑300に覆工することを目的としたセグメント301のローラコンベヤ7からの移動や、前記後続台車4およびセグメント坑内搬送装置5を走行させるためのレール11をセグメント301に敷設するためのリフト9を有する。
【0029】
シールド掘削機2の後続台車4は、シールド掘削機2に後続してシールド掘削機2と共に走行する複数の台車であって、既述のようにシールド掘削機2を進行させるために必要な各種機器類を搭載している。後続台車4の上面4aは(図1および後述の図16乃至図21参照)、その長手方向において、セグメント301が裁置された状態で移動するセグメント搬送台車12が走行するための走行路とされている。
【0030】
なおセグメント搬送台車12の走行路は、後続台車4だけでなく、セグメント坑内搬送装置5の後述するセグメント運搬台車50にも形成されている。
【0031】
図3乃至図7を参照してセグメント搬送台車12を説明する。セグメント搬送台車12は、ローラコンベヤ13が一対、軸方向に平行に配列されかつ連結棒14で一体に組み合わせてなるものである。
【0032】
ローラコンベヤ13は、組み合わされた一対の対向基板13a,13aと、これらの基板13a間に枢着され、セグメント301を基板13a上で搬送する複数の搬送ローラ13uと、ローラコンベヤ13自体が移動するための複数の移動ローラ13dとから構成される。
【0033】
また連結棒14の両端部には連結棒14の軸方向と直交方向でかつローラコンベヤ13の外側に向けて延在し、ローラコンベヤ13同士を連結するための連結部14aが設けられている。連結部14aには連結孔14bが形成されている。連結部14aを介してローラコンベヤ13を連結するには、連結部14aの連結孔14bに対向するように両端部に対向孔15aが形成された接続板15と、連結孔14bおよび対向孔15aに貫通されるリベット17とを用いる。
【0034】
搬送ローラ13uは、基板13aの上部に配置され、セグメント301の外表面との接触率を高めるためにセグメント301の曲率に合うように傾斜されている(図6参照)。
移動ローラ13dは、接地車であり、基板13a,13aの下部において接地面に対し回転軸が平行になるように配置されている(図3、図4及び図7参照)。
【0035】
セグメント搬送台車12の高さは、セグメントの高さ寸法H(図2参照)と比べかなり小さい。よって、この明細書では後続台車4の上面4aにセグメント搬送台車12を搭載しなかった場合とした場合とで後続台車4の実質上の上面を区別せず同じものとして説明する。
【0036】
よってこの明細書ではいずれの場合にしろ後続台車4にあっては、その上面と前記掘削坑300に覆工されたセグメントの内表面との間にできる空間部S(図1参照)が、前記セグメント搬送台車に前記セグメントを裁置するに十分な大きさとする(図10参照)。なお、セグメント搬送台車12にはそのローラ13aの逸走を防止するローラ逸走防止装置12aが設けられている(図10参照)。ローラ逸走防止装置12aは、セグメント搬送台車12からセグメント301を移送するときに解除される。
【0037】
また後続台車4は、その最前列の台車の先端部にセグメント昇降装置20を搭載してある(図11乃至図13参照)。
【0038】
セグメント昇降装置20は二本一組の油圧ジャッキ16a,16bによりリフト台18を昇降するものであり、その構造自体は周知である。リフト台18には複数の搬送ローラ19aを有するローラコンベヤ19が設けられている。ローラコンベヤ19は前記セグメント搬送台車12のローラコンベヤ13と違い、移動ローラはついておらず固定式であり、リフト台18に固定されている。ローラコンベヤ19は、搬送ローラ19aによりリフト台18に移送されて来たセグメント301をセグメント組立て部3に敷設されたローラコンベヤ7に向けて搬送する。
【0039】
油圧ジャッキ16a,16bの作動により、リフト台18はその上位置と下位置との間を昇降する(図12,図13参照)。上位置はリフト台18が後続台車4の上面4aをセグメント搬送台車12が走行して来た時にセグメント搬送台車12と面一になる位置であり、下位置は、セグメント組立て部3において敷設される前記ローラコンベヤ7と面一になる位置である。
【0040】
また、セグメント昇降装置20近傍には、ウインチワイヤ23aを有するウインチ23を有する。
【0041】
セグメント坑内搬送装置5は、図1に示すように、未施工のセグメント301を運搬するセグメント運搬台車50と、その後続車であり前記レール11を運搬するレール運搬台車53と、これらの台車を移動するバッテリィ機関車55とからなる。なお、背景技術で説明したズリ搬出台車を移動する第1のバッテリ機関車107aに代わるものとして、ズリ搬送管がある。
【0042】
セグメント運搬台車50の上面50dもセグメント搬送台車12が前方又は後方に移動できるように走行路とされている(図8及び図9参照)。走行路としての、後続台車4の上面4aおよびセグメント運搬台車50の上面50dには搬送ローラ13uの脱輪防止のためにその横断面を上方に開口するチャネル状にするとよい。なお、セグメント運搬台車50には、長寸および短寸の2種類あり、図8〜図10に短寸のセグメント運搬台車50を示すが、長寸のセグメント運搬台車はその外形のみ図面に示す(図1参照)。
【0043】
このようなセグメント搬送システム1を用いて未施工のセグメント301を掘削坑300のうちシールド掘削機2と後続台車4との間に搬送するまでの手順を図15乃至図21及び図1を用いて説明する。説明の便宜上セグメント組立て場所A(図1参照)の手前箇所にまでレール11は敷設されているものとする。図中白抜き矢印は進行方向を示す。
【0044】
バッテリィ機関車55により運行されるセグメント運搬台車50に未施工のセグメント301が積載されたセグメント搬送台車12を搭載した状態で、セグメント運搬台車50を後続台車4の後端部に向けて搬送する(図15参照)。セグメント運搬台車50に搭載されたセグメント搬送台車12は、複数あり、それらは連結されている。
【0045】
後続台車4の先端部に設けられているウインチ23から作業員が前もって引き延ばしておいたウインチワイヤ23aをセグメント運搬台車50の上面50dに載っているセグメント搬送台車12に掛けた後、ウインチ23によりウインチワイヤ23aを巻き上げて後続台車4の後端部から後続台車4の上面4aにセグメント搬送台車12ごとセグメント301を乗り上げ、後続台車4の先端部に向けて移動する(図15〜図17参照)。
【0046】
後続台車4の先端部にセグメント301を積載したセグメント搬送台車12を移動したら、セグメント搬送台車12上のセグメント301を先頭から順次セグメント昇降装置20に向けて移動させる(図18,図19参照)。この時セグメント昇降装置20は、油圧ジャッキ16a,16bによりリフト台18が上位置にある。
【0047】
また、リフト台18に向けたセグメント搬送台車12上でのセグメント301の移動には、セグメント搬送台車12の複数の搬送ローラ13uが回転することにより実現する。やがてセグメント301は上位置にあるリフト台18に移動されリフト台18に載置される(図12,図19参照)。セグメント昇降装置20には、セグメント301は一つのみ載る。
【0048】
その後リフト台18は上位置から下位置にまで下降し、ローラコンベヤ7と面一になる(図13,図20参照)。リフト台18上のセグメント301は、リフト台18からローラコンベヤ7に移動される。当該移動は、作業員がリフト台18のセグメント301を前方へ移動することでリフト台18のローラコンベヤ19の搬送ローラ19aが回転することにより実現する(図11,図14,図21参照)。ローラコンベヤ7に移動されたセグメント301は、リフト9に向けて作業員により移動され、その後はリフト9により掘削坑300のうちシールド掘削機と前記後続台車との間のセグメント組立て場所Aに移動される(図1参照)。
【0049】
以上の動作を繰り返し行い、一回当たりにつき搬送されて来た複数のセグメント301により掘削坑300を覆工する。
【0050】
次にこのようなセグメント搬送システム1の作用効果を述べる。
セグメント搬送システム1は、シールド掘削機2により掘削された掘削坑300の内壁面にセグメント301を覆工してシールドトンネル220とすることを目的としてセグメント301を掘削坑300の所定位置に搬送するシステムである。
【0051】
本システム1は、掘削坑300の内径とセグメント301の長さ寸法とにさほど差がない程に坑内径が小さな掘削坑300に適用される。また、後続台車4の上面4aを、セグメント301を搬送するセグメント搬送台車12が走行する走行路とし、当該上面4aでセグメント301が積載されたセグメント搬送台車12を走行させる。
【0052】
このようにすることで、セグメント搬送台車12を介してセグメント301を後続台車4の上面4aにおける前方に向けて移動させ、最終的に掘削坑300のうちシールド掘削機2と後続台車4との間のセグメント組立て場所Aにセグメント301を搬送するというものである。
【0053】
また空間部S(図1参照)が、セグメント搬送台車12にセグメント301を裁置するに十分な大きさを有するため、セグメント301を裁置された状態でセグメント搬送台車12が後続台車4の上面4aを前方に移動できるようになる。よって、後続台車4を追い越してセグメント301をトンネル先端部の組立て場所にまで運ぶことができる。
【0054】
さらに、トンネル坑300aの内径とセグメント301の長さ寸法とにさほど差がない程に坑内径が小さな状態であってもセグメント301の向きがセグメント301の中心軸とトンネルの軸とで平行状態になるようにセグメント301を搬送するので、セグメント301をセグメント組立て場所Aにまで運んだ後にセグメント301の向きを変えることなく掘削坑300の表面にセグメントを覆工できる。
【0055】
なお、本発明は上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種種変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係るセグメント搬送システムの全体側断面図であり、紙面のスペースの関係で本システムを分断して示す図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】セグメント搬送台車の平面図である。
【図4】図3の矢印IV方向から見た図である。
【図5】図3の矢印V方向から見た図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿った要部断面図である。
【図7】図4のVII−VII線に沿った要部断面図である。
【図8】セグメント搬送台車を搭載したセグメント運搬台車の正面図である。
【図9】図8の矢印IX方向から見た図である。
【図10】図8の矢印X方向から見た図である。
【図11】セグメント昇降装置の平面図である。
【図12】セグメント昇降装置のリフト台にセグメントが裁置された状態でリフト台が上位置にある状態を示す拡大図である。
【図13】セグメント昇降装置のリフト台にセグメントが裁置された状態でリフト台が下位置にある状態を示す拡大図である。
【図14】セグメント昇降装置のリフト台からセグメント組立て部のローラコンベヤにセグメントを移動している状態を示す拡大図である。
【図15】本発明に係るセグメント搬送システムによるセグメントの流れを順を追って説明するための図であって、セグメントが積載されたセグメント搬送台車を搭載した状態でセグメント運搬台車がバッテリ機関車によって立坑から後続台車に向けて移動されている状態を示す図である。
【図16】図15に連続する図であって、セグメント運搬台車が後続台車に到達している状態を示す図である。
【図17】図16に連続する図であって、セグメント運搬台車から後続台車にセグメント搬送台車ごとセグメントが移動した状態を示す図である。
【図18】図17に連続する図であって、後続台車上をセグメントを積載したセグメント搬送台車が移動し、後続台車の先頭にセグメントが搬送された状態を示す図である。
【図19】図18に連続する図であって、後続台車の先頭にあるセグメント昇降装置のリフト台にセグメントを移動した状態を示す図である。
【図20】図19に連続する図であって、後続台車の先頭にあるセグメント昇降装置のセグメントが載せられたリフト台を上位置から下位置に降ろした状態を示す図である。
【図21】図20に連続する図であって、下位置にあるリフト台からセグメント組立て部のローラコンベヤにセグメントを移動し、当該ローラコンベヤの先頭に向けてセグメントを移動している状態を示す図である。
【図22】シールドトンネルの概念図である。
【図23】土圧式シールド工法を説明するための図である。
【図24】従来技術を説明するための図である。
【図25】従来技術を説明するための他の図である。
【符号の説明】
【0057】
1 セグメント搬送システム
2 シールド掘削機
3 シールド掘削機2のセグメント組立て部
4 後続台車
4a 後続台車4の上面
5 セグメント坑内搬送装置
7 ローラコンベヤ
9 リフト
11 レール
12 セグメント搬送台車
12a ローラ逸走防止装置
13 ローラコンベヤ
13a ローラ
14 連結棒
16a,16b 油圧ジャッキ
18 リフト台
19 ローラコンベヤ
19a 搬送ローラ
20 セグメント昇降装置
23 セグメント搬送用ウインチ
23a ウインチワイヤ
50 セグメント運搬台車
50c1 走行路
50d セグメント運搬台車50の上面
53 レール運搬台車
55 バッテリィ機関車
101 シールド掘削機
102 シールド運転台車
103 パワーユニット台車
104 添加材・裏込め注入台車
105 ホッパー台車
106 トランス台車
107a 第1のバッテリ機関車
107b 第2のバッテリ機関車
108 ズリ搬出台車
109 セグメント搬送台車
110 立坑
112b クレーン
116 セグメントヤード
220 シールドトンネル
229 地山の一部
300 掘削坑
301 セグメント
Di シールドトンネル220の内径
L セグメント301の長さ寸法
S 空間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド掘削機により掘削された掘削坑の内壁面にセグメントを覆工してシールドトンネルとするためにセグメントを前記掘削坑の所定位置に搬送するセグメント搬送システムであって、
シールド掘削機を進行させるために必要な各種機械類が搭載されかつ前記シールド掘削機の本体に続く後続台車の上面を、セグメント搬送用の台車の通る走行路とし、この走行路上で前記セグメント搬送用の台車にセグメントを積載した状態で当該台車を走行させることで、掘削坑のうちシールド掘削機と前記後続台車との間に向けてセグメントを搬送することを特徴とするセグメント搬送システム。
【請求項2】
トンネル坑の内径とセグメントの長さ寸法とにさほど差がない程に坑内径が小さな掘削坑に適用され、セグメントの向きがセグメントの中心軸とトンネルの軸とで平行状態になるようにセグメントを前記台車に積載することを特徴とする請求項1に記載のセグメント搬送システム。
【請求項3】
前記後続台車の先端部には、前記セグメント搬送用の台車が前記走行路を走行することにより搬送されたセグメントを前記後続台車から掘削坑上に降下させるリフトが搭載されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のセグメント搬送システム。
【請求項4】
シールド掘削機により掘削された掘削坑の内壁面にセグメントを覆工してシールドトンネルとするためにセグメントを前記掘削坑の所定位置に搬送するセグメント搬送システムに用いられ、シールド掘削機の本体の後方に位置すると共にシールド掘削機を進行させるために必要な各種機械類が搭載される後続台車であって、
この後続台車の上面が、前記セグメントを搬送するためのセグメント搬送台車が走行可能な走行路とされていることを特徴とする後続台車。
【請求項5】
前記トンネル坑の内径とセグメントの長さ寸法とにさほど差がない程に坑内径が小さな掘削坑の掘削に用いられるシールド掘削機に適用されることを特徴とする請求項4に記載の後続台車。
【請求項6】
前記後続台車の先端部には、セグメント搬送台車により搬送されてきたセグメントを降下させるリフトが搭載されていることを特徴とする請求項5に記載の後続台車。
【請求項7】
前記後続台車は、前記上面と前記掘削坑に覆工されたセグメントの内表面との間にできる空間部が、前記セグメント搬送台車に前記セグメントを裁置するに十分な大きさとされていることを特徴とする請求項6に記載の後続台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−188907(P2006−188907A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2405(P2005−2405)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【Fターム(参考)】