説明

セフジトレンピボキシルを含有する非晶性抗菌組成物

本発明によれば、非晶質セフジトレン ピボキシルを懸濁液中で長時間維持することができる固体分散体組成物が提供される。本発明は、セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、ショ糖脂肪酸エステルを少なくとも0.1mg含んでなる、固体分散体組成物である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、セフジトレン ピボキシルを含有する非晶性抗菌組成物に関する。
【0002】
抗菌性化合物であるセフジトレン(Cefditoren)は式(A):
【化1】

で表されるセフェム化合物である。その化学名は、(+)−(6R,7R)−7−〔(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド〕−3−〔(Z)−2−(4−メチルチアゾール−5−イル)エテニル〕−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクト−2−エン−2−カルボン酸である。この化合物は特公平3−64503号公報において、7−〔2−メトキシイミノ−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)アセトアミド〕−3−〔2−(4−メチルチアゾール−5−イル)ビニル〕−3−セフェム−4−カルボン酸(シン異性体、シス異性体)の化学名で記載されている。
【0003】
このセフェム化合物の経口投与時の消化管吸収性(以下、この意味で単に「経口吸収性」ということがある)を高めることを目的として、そのセフェム化合物の2位カルボン酸基がピバロイルオキシメチル基でエステル化させてあるセフジトレンのピバロイルオキシメチルエステルはセフジトレン ピボキシル(Cefditoren Pivoxil)と呼ばれる。このプロドラック化合物は、式(B):
【化2】

で表わされ、その化学名は(−)−(6R,7R)−7−〔(Z)−2−(2−アミノチアゾール−4−イル)−2−メトキシイミノアセトアミド〕−3−〔(Z)−2−(4−メチルチアゾール−5−イル)エテニル〕−8−オキソ−5−チア−1−アザビシクロ〔4.2.0〕オクト−2−エン−2−カルボン酸2,2−ジメチルプロピオニルオキシメチルエステルである。このエステル化合物は酸型の元の薬物と比較して高い経口吸収性を示し得るものと一般に考えられている。しかしながら、セフジトレンのエステル化は必ずしも満足し得る程度に経口吸収性の増強または向上をもたらさなかった。
【0004】
特許第3413406号公報には結晶学的に安定な非晶質セファロスポリン組成物とその製造法が開示され、セファロスポリンを非晶質化することにより経口吸収性の改善が図られることが開示されている。また、特開2001−131071号公報には非晶質セフジトレン ピボキシルの製造法が開示され、セフジトレン ピボキシルを非晶質化することにより経口吸収性の改善が図られることが開示されている。更に、WO02/87588号公報にはセフジトレン ピボキシル結晶に有機高分子を混合し、粉砕して非晶質組成物を製造する方法が開示されている。
【0005】
一方、難溶性薬物の経口吸収性を向上させる手段として、難溶性薬物を高分子基剤および非イオン性界面活性剤の存在下で非晶質化してなる固体組成物がWO96/19239号公報に開示されている。上記組成物は液体に分散したときに粒子径1μm以下の微粒子が形成され、このとき薬物の非晶質が維持されることが記載されている。しかし、薬物と非イオン性界面活性剤の組み合わせによっては非晶質維持効果が見られないことがあった。また、開示された固体組成物は、薬物に対して0.5〜20重量部の高分子基剤および0.1〜3重量部の非イオン性界面活性剤を配合していることから、100mg力価/錠のような抗生剤の場合に製剤が嵩高いものとなり、上記と同様に、錠剤または顆粒剤の製剤が嵩高くなって服用しづらくなるという問題が生じた。
【0006】
更に、セフジトレン ピボキシルの経口吸収性を向上させるべく検討された製剤として、シクロデキストリン、あるいは水溶性のセルロース系高分子誘導体であるヒドロキシプロピルセルロースをセフジトレン ピボキシルに配合した製剤が提案された(特公平6−78234号公報および特開平7−17866号公報)。しかしながらセフジトレン ピボキシルへのシクロデキストリンの添加はセフジトレン ピボキシルに由来の苦味を非常に増強させることになり、またヒドロキシプロピルセルロースの添加により得られる錠剤または顆粒剤の製剤が嵩高くなって服用しづらくなるという問題が生じた。
【0007】
これらの問題を解決すべく、水溶性カゼイン塩をセフジトレン ピボキシルに配合した製剤が近年に提案された(特許第2831135号公報)。しかしながら、カゼインが牛乳由来のタンパク質であるため、牛乳アレルギーを有する患者への投与はできなかった。
【0008】
このように、セフジトレン ピボキシルを患者に安全に投与することが可能で、かつその薬効を期待するに十分な経口吸収性を確保する製剤が求められていた。また、薬物を媒体に溶解または懸濁させて、適宜分割して経口服用するドライシロップ剤またはシロップ剤等の液状製剤においては薬物の溶解状態が数日間に渡って維持されることが求められている。
【発明の開示】
【0009】
これら先行技術における非晶質セフジトレン ピボキシルは溶液中で結晶に変化しやすいことから、非晶質セフジトレン ピボキシルを含んでなる組成物については依然として改良の余地があるといえる。
【0010】
すなわち本発明は、経口吸収性の高い非晶質セフジトレン ピボキシルを懸濁液中で長時間維持することができる、製剤原料として有用なセフジトレン ピボキシル組成物の提供をその目的とする。
【0011】
本発明者等は今般、セフジトレン ピボキシルとショ糖脂肪酸エステルとからなる固体分散体を媒体に懸濁すると、懸濁液中の非晶質セフジトレン ピボキシルの結晶化が抑制されることを見いだした。
【0012】
本発明によれば、セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、ショ糖脂肪酸エステルを少なくとも0.1mg含んでなる、固体分散体組成物(以下「本発明による組成物」という)が提供される。
【0013】
本発明による固体分散体組成物は、セフジトレン ピボキシルの懸濁液中で非晶質状態を長期にわたって維持することができる。従って本発明による固体分散体組成物は、セフジトレン ピボキシルの製剤原料として有用であり、特に、服用時に用時懸濁して投与できる製剤への途を新たに開くものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明による固体分散体組成物の原料となるセフジトレン ピボキシルは市販されているものを使用しても、公知の方法に従って製造したものを使用してもよい。セフジトレン ピボキシルは特公平3−64503号公報に記載される方法に従って製造できる。また、特許第3413406号公報記載の非晶質セフジトレン ピボキシルや特許第3403206号公報記載の結晶セフジトレン ピボキシルも使用することができる。
【0015】
本発明による固体分散体組成物に添加されるショ糖脂肪酸エステルは、市販されているものから選択して使用できる。
【0016】
ショ糖脂肪酸エステルは、薬学上許容され、かつ非晶質セフジトレン ピボキシルの非晶質維持期間を延長するものであればその種類は特に限定されないが、HLB値が高い親水性のものが好ましく、例えば、HLB値が10以上のもの、好ましくはHLB値が11〜20のものを用いることができる。HLB値は日本油化学協会編「基準油脂分析試験法」(1971)に準じて算出することができる。ショ糖脂肪酸エステルは、1種または必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
【0017】
ショ糖脂肪酸エステルの配合量はセフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対して、少なくとも0.1mg、好ましくは少なくとも5mgとすることができる。
【0018】
本発明による固体分散体組成物は製剤原料として主として用いられることから、ショ糖脂肪酸エステルの配合量の上限は製剤的な見地から当業者に自明であり、必要であれば「医薬品添加物辞典2000」(日本医薬品添加剤協会 編集)を参照することができる。例えば、ショ糖脂肪酸エステルの経口投与における最大投与量が600mg/日であることから、配合量の上限は100mg力価×3回/日投与の場合、1回分あたり200mgが上限となるが、100mgを超えて配合すると製剤化する場合に嵩高くなり、服用しづらくなるなどの問題が生じるため、好ましくは100mg、より好ましくは50mgをショ糖脂肪酸エステルの配合量の上限とすることができる。
【0019】
ショ糖脂肪酸エステルの配合量は、セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対して、0.1〜200mg、好ましくは5〜100mg、より好ましくは5〜50mgとすることができる。
【0020】
本発明による固体分散体組成物は、好ましくは、薬学上許容される水溶性高分子を更に含んでいてもよい。薬学上許容される水溶性高分子をショ糖脂肪酸エステルとともにセフジトレン ピボキシルに添加することによりセフジトレン ピボキシルの非晶質維持期間を著しく延長することができる。
【0021】
本発明による固体分散体組成物に添加できる薬学上許容される水溶性高分子は、市販されているものから選択して使用できる。
【0022】
水溶性高分子はセフジトレン ピボキシルの非晶質維持期間の延長を阻害しないもの、あるいは非晶質維持期間をより延長させるものであればその種類は特に限定されないが、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)が挙げられ、好ましくは、HPMC、MC、およびHECである。水溶性高分子は1種または必要に応じて2種以上を混合して使用することができる。
【0023】
セフジトレン ピボキシルへの水溶性高分子の配合量はセフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対して少なくとも1mgとすることができる。本発明による固体分散体組成物は主として製剤原料として用いられることから、水溶性高分子の配合量の上限は製剤的な見地から当業者に自明であろう。例えば、水溶性高分子を100mgを超えて配合すると製剤化する場合に嵩高くなり、服用しづらくなるなどの問題点があるため、100mg、好ましくは50mgを水溶性高分子の配合量の上限とすることができる。
【0024】
水溶性高分子の配合量は、セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対して、1〜100mgとすることができ、好ましくは1〜50mg、より好ましくは40〜50mgである。
【0025】
本発明による固体分散体組成物の好ましい例としては、
− セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、ショ糖脂肪酸エステルを0.1〜200mg、水溶性高分子を1〜100mgそれぞれ含有するもの、
− セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、ショ糖脂肪酸エステルを5〜100mg、水溶性高分子を1〜50mgそれぞれ含有するもの
が挙げられる。
【0026】
本発明による固体分散体組成物は、セフジトレン ピボキシルと、ショ糖脂肪酸エステルと、場合によっては薬学上許容される水溶性高分子および/または1種以上の薬学上許容される添加剤との固体分散体として製造される。
【0027】
本発明において「固体分散体組成物」とは、結晶または非晶質セフジトレン ピボキシルを原料として有効成分およびショ糖脂肪酸エステルを含む他の成分を溶媒に溶解させ、次いで溶媒を留去、乾燥、ろ過などの方法によって除去することにより製造される固体組成物を意味し、有効成分とショ糖脂肪酸エステルを含む他の成分とが分子状態で混合していることを特徴とする。固体分散体組成物は、溶媒沈殿法、噴霧乾燥法、凍結乾燥法、減圧乾燥法、混練法など一般的に用いられている方法により製造することができる。好ましくは、噴霧乾燥法や減圧乾燥法を用いることができ、この場合には、ジクロロメタン、メタノール、エタノールを溶媒として使用することができる。
【0028】
本発明による固体分散体組成物は、更に薬学上許容される添加剤を配合し、常法により製剤化することにより、経口投与に適した種々の製剤とすることができる。従って、本発明によれば、本発明による固体分散体組成物と共に薬学上許容される添加剤を含んでなる、抗菌性製剤が提供される。
【0029】
経口投与に適した製剤としては、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤が挙げられる。薬学上許容される添加剤としては、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などが挙げられる。
【0030】
製剤化に当たっては、ショ糖脂肪酸エステルや水溶性高分子を配合してもよい。ショ糖脂肪酸エステルや水溶性高分子を配合することにより非晶質セフジトレン ピボキシルの非晶質維持時間の更なる延長を図ることができる。
【0031】
本発明による製剤中におけるセフジトレン ピボキシルの含有量はその剤形に応じて異なるが、製剤中5〜90重量%、好ましくは10〜80重量%とすることができる。細菌による感染症などの治療および予防のための投与量は、用法、患者の年齢、性別、症状の程度などを考慮して適宜決定されるが、通常成人1日当り約300mg〜約800mg程度とするのがよく、これを1日1回または数回に分けて投与することができる。
【0032】
本発明による固体分散体組成物または製剤の好ましい態様としては、セフジトレン ピボキシルとしての懸濁濃度10mg/mlで水に懸濁した場合に、セフジトレン ピボキシルの非晶質維持期間が少なくとも3日であるものが挙げられる。
【0033】
本発明の第二の態様によれば、非晶質セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、ショ糖脂肪酸エステルを少なくとも0.1mg、好ましくは少なくとも5mg含んでなる、液状組成物が提供される。この液状組成物は更に薬学上許容される水溶性高分子を含んでいてもよい。液状組成物中に含まれるショ糖脂肪酸エステルおよび水溶性高分子の配合量並びに具体的種類は、本発明による固体分散体組成物および抗菌性製剤のそれに準じて決定することができる。本発明による液状組成物は、本発明による固体分散体組成物または本発明による抗菌性製剤を、媒体(好ましくは、水)に溶解または懸濁させることにより得ることができる。本発明による液状組成物は有効成分であるセフジトレン ピボキシルの非晶質状態が長期間にわたって維持される。従って、本発明による液状組成物は、服用時に用時懸濁して投与できる製剤として使用することができる。
【実施例】
【0034】
以下の例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0035】
参考例1:界面活性剤を含まない固体分散体
特許第3413406号公報に従って、セフジトレン ピボキシルと水溶性高分子とを共沈殿させることにより非晶質セフジトレン ピボキシル組成物を得た。該組成物中、セフジトレン ピボキシルが非晶質であることを粉末X線回折測定により確認した(データ省略)。
【0036】
実施例1、6、7、および8:界面活性剤が配合された固体分散体
表1に示す配合比率で結晶セフジトレン ピボキシルと界面活性剤とをジクロロメタン:メタノール混液(1:1)に溶解した後、溶媒を留去することによって固体分散体である組成物を得た。該組成物中、セフジトレン ピボキシルが非晶質であることを粉末X線回折測定により確認した(データ省略)。結晶セフジトレン ピボキシルは、特許第3403206号公報に従って製造した。
【表1】

【0037】
参考例2および実施例2、3、4、および5:界面活性剤および水溶性高分子が配合された固体分散体
表2に示す配合比率で結晶セフジトレン ピボキシルと界面活性剤と水溶性高分子とをジクロロメタン:メタノール混液(1:1)に溶解した後、溶媒を留去することによって固体分散体である組成物を得た。該組成物中、セフジトレン ピボキシルが非晶質であることを粉末X線回折測定により確認した(データ省略)。結晶セフジトレン ピボキシルは、特許第3403206号公報に従って製造した。
【表2】

【0038】
試験例1:非晶質維持期間の評価
セフジトレン ピボキシルの懸濁濃度が10mg/mLとなるよう、参考例1、2および実施例1〜8で得られた組成物の懸濁液を調製した。具体的には、水350mLを3.5g力価相当量のセフジトレン ピボキシル組成物に加え、懸濁液とした。調製した懸濁液について、非晶質維持期間を評価した。
【0039】
非晶質維持期間は次のように測定した。すなわち、懸濁液を25℃(気密)条件下で保存し、調製直後、1、2、3、4、7、10日後にサンプリングした。サンプリングした懸濁液を遠心分離し、残渣を減圧乾燥したものについて、粉末X線回折測定を行った。結果を表3に示す。
【表3】

【0040】
ショ糖脂肪酸エステル以外の界面活性剤では、非晶質セフジトレン ピボキシルの結晶化が促進されているのに対し、ショ糖脂肪酸エステルでは、非晶質維持期間が延長された。ショ糖脂肪酸エステルは僅か0.1mgの添加により非晶質維持期間の延長が認められた。また、各高分子の添加により、非晶質維持期間の更なる延長が認められた。
【0041】
製剤例1
実施例1で得られた組成物130gと、トウモロコシデンプン260gとを混合して、散剤を製造した。
【0042】
製剤例2
実施例4で得られた組成物130gと、噴霧乾燥した乳糖260gと、クロスカルメロースナトリウム130gと、ステアリン酸マグネシウム3gとを加えて混合し、これをカプセルに充填して1000個のカプセル錠を製造した。
【0043】
製剤例3
実施例1で得られた組成物130gと、トウモロコシデンプン390gと、D−マンニトール480gとを混合して均一粉末とした。この均一粉末を常法により湿式造粒して顆粒化し、顆粒剤を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、ショ糖脂肪酸エステルを少なくとも0.1mg、好ましくは少なくとも5mg含んでなる、固体分散体組成物。
【請求項2】
ショ糖脂肪酸エステルを0.1〜200mg、好ましくは5〜l00mg、より好ましくは5〜50mg含んでなる、請求項1に記載の固体分散体組成物。
【請求項3】
薬学上許容される水溶性高分子を更に含んでなる、請求項1または2に記載の固体分散体組成物。
【請求項4】
セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、水溶性高分子を少なくとも1mg、好ましくは1〜100mg、より好ましくは1〜50mg含有する、請求項3に記載の固体分散体組成物。
【請求項5】
セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、ショ糖脂肪酸エステルを0.1〜200mg、水溶性高分子を1〜100mgそれぞれ含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体分散体組成物。
【請求項6】
セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、ショ糖脂肪酸エステルを5〜100mg、水溶性高分子を1〜50mgそれぞれ含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固体分散体組成物。
【請求項7】
薬学上許容される水溶性高分子が、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、およびヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択される1種または2種以上の水溶性高分子である、請求項3〜6のいずれか一項に記載の固体分散体組成物。
【請求項8】
セフジトレン ピボキシルとしての懸濁濃度10mg/mlで水に懸濁した場合に、セルジトレン ピボキシルの非晶質維持期間が少なくとも3日である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固体分散体組成物。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物と共に薬学上許容される添加剤を含んでなる、抗菌性製剤。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の固体分散体組成物または請求項9に記載の製剤を、媒体に溶解または懸濁させることにより得ることができる、非晶質セフジトレン ピボキシル100mg力価相当量に対し、ショ糖脂肪酸エステルを少なくとも0.1mg、好ましくは少なくとも5mg含んでなる、液状組成物。

【国際公開番号】WO2005/034957
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【発行日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514596(P2005−514596)
【国際出願番号】PCT/JP2004/014840
【国際出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(000006091)明治製菓株式会社 (180)
【Fターム(参考)】