説明

セラミックス接合体及びその製造方法

【課題】接合強度に優れたセラミックス接合体を提供する。
【解決手段】窒化アルミニウム焼結体同士のセラミックス接合体であって、YAGと酸化アルミニウムを含む接合層を有し、前記接合層のイットリウム成分が島型に拡散した拡散層を備えることを特徴とするセラミックス接合体。前記拡散層における島型形状の最大径は100μm以下である。酸化アルミニウム62.5〜99mol%と酸化イットリウム1〜37.5mol%、好ましくは、酸化アルミニウム77〜82mol%と酸化イットリウム18〜23mol%、を含む接合材を用意し、2つの窒化アルミニウム焼結体間に、前記接合材を挟み込み、1800℃以上、荷重1MPa以上で熱処理する製造方法を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス接合体に関する。
【背景技術】
【0002】
窒化アルミニウムセラミックスは、高熱伝導性、電気絶縁性、ハロゲンに対する高耐食性などの優れた特性を有しており、電子回路基板や半導体製造用装置などに利用応用されている。このような窒化アルミニウムセラミックスの用途拡大に伴って部材の大型化、複雑化が求められているが、一体で成形・焼結して作製することが困難であることから、単純形状の焼結体の接合による部材化技術が必要となってきており、種々の接合技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、窒化アルミニウム焼結体間に、接合材料をはさみ込み、それを加熱処理して接合する窒化アルミニウム焼結体の接合方法において、該接合材料が、25〜80mol%の酸化アルミニウム粉末と20〜75mol%の酸化イットリウム粉末から成る混合粉末であり、該接合材料のはさみ込む量が、接合面1cm当たり0.1g以上であり、該接合材料の加熱処理する方法が、15g/cm以上の荷重をかけながら2000℃以下の温度で熱処理する技術が開示されている。この技術により、耐熱性及び気密性に優れた窒化アルミニウム焼結体同士の接合体が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−349386号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の接合体では、耐熱性及び気密性には優れるものの、接合強度の点では、不十分であった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、接合強度に優れたセラミックス接合体を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、これらの問題を解決するため、以下に示す(1)〜(8)の発明を提供する。
(1)窒化アルミニウム焼結体同士のセラミックス接合体であって、YAGと酸化アルミニウムを含む接合層を有し、前記接合層のイットリウム成分が島型に拡散した拡散層を備えることを特徴とするセラミックス接合体。
(2)前記拡散層における島型形状の最大径は100μm以下である(1)記載のセラミックス接合体。
(3)前記拡散層の厚みは600μm以下である(1)または(2)記載のセラミックス接合体。
(4)前記接合層の厚みは30μm以下である(1)〜(3)記載のセラミックス接合体。
(5)前記接合層は、拡散層側に酸化アルミニウム層を有し、2つの酸化アルミニウム層の間にYAG層を有する(1)〜(4)記載のセラミックス接合体。
(6)2つの窒化アルミニウム焼結体のうち、少なくとも一方に焼結助剤であるイットリウム化合物を含まない窒化アルミニウム焼結体を用いた(5)記載のセラミックス接合体。
(7)接合強度が、窒化アルミニウム焼結体の曲げ強度の60%以上である(1)〜(6)記載のセラミックス接合体。
(8)酸化アルミニウム62.5〜99mol%と酸化イットリウム1〜37.5mol%を含む接合材を用意し、2つの窒化アルミニウム焼結体間に、前記接合材を挟み込み、1800℃以上、荷重1MPa以上で熱処理するセラミックス接合体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
接合強度に優れたセラミックス接合体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のセラミックス接合体の概略断面図である。
【図2】セラミックス接合体の拡散層を示した概略断面図である。
【図3】セラミックス接合体の拡散層を示した概略断面図である。
【図4】セラミックス接合体の接合層を示した概略断面図である。
【図5】セラミックス接合体の接合層を示した概略断面図である。
【図6】実施例2の接合層近傍のSEM写真である。
【図7】実施例2の接合層近傍のEDS像である。
【図8】実施例3の接合層近傍のEDS像である。
【図9】比較例1の接合層近傍のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照してより詳細に説明する。図1は、本発明のセラミックス接合体10の概略断面図である。接合体は、窒化アルミニウム焼結体11aと11bとが、接合層12を介して接合されている。接合層12の両側には、拡散層13a及び13bが形成されている。
【0011】
接合層12は、YAGと酸化アルミニウムを含む。YAGは、イットリウムとアルミニウムの複合酸化物であり、ガーネット型の結晶構造を有する。接合材にYAGと酸化アルミニウムの共晶組成を用い、所定の圧力及び温度条件により、所望の接合構造が得られ、接合強度に優れた接合体を得ることができる。接合層の組成は、YAGと酸化アルミニウムの共晶組成からなることが好ましく、その他の成分を含まないことが好ましい。ただし、不可避的な不純物は含まれていても良い。
【0012】
拡散層13a及び13bには、接合層から拡散したイットリウム成分が含まれ、イットリウム成分が拡散した部分は島型形状を形成している。この島型形状が接合強度を高めていると考えられる。
【0013】
図2は、拡散層を示した概略断面図である。窒化アルミニウム焼結体21a側を例に説明すると、接合層22から窒化アルミニウム焼結体21a側にイットリウム成分が拡散し、拡散層23aが形成された構成を有している。イットリウム成分は、拡散層23aにおいて島型に離散されて存在し、島型形状24aを構成する。このような島型形状にイットリウム成分が拡散することで接合体の強度が高められる。イットリウム成分は、YAGに含まれる形で、窒化アルミニウム粒子間に存在する。
【0014】
このような島型形状は、酸化アルミニウム62.5〜99mol%と酸化イットリウム1〜37.5mol%とを含む接合材を用いて、所定の温度、荷重で接合することにより得られる。図6は、YAGと酸化アルミニウムの共晶組成の接合材を用いたセラミックス接合体の接合層近傍のSEM写真(反射電子像)である。接合層62近傍の拡散層には、島型形状のイットリウム成分が認められる。これに対し、図9に示したYAGと酸化アルミニウムの共晶組成を外れた組成の接合材を用いたセラミックス接合体の接合層近傍のSEM写真を見ると、イットリウム成分が島型ではなく、層状または網状に形成された拡散層を有していることがわかる。このように、上記の接合材を用いることにより、接合時にYAGと酸化アルミニウムの共晶組成が生じ、これが島型形状の形成に関係しているものと思われる。接合材は、酸化アルミニウム77〜82mol%と酸化イットリウム18〜23mol%とを含む配合とすることがより好ましい。
【0015】
接合体断面に現れた拡散層の各島型形状は離散し、少なくとも二次元断面において不連続である。そして、島型形状の最大径は、100μm以下、より好ましくは30μm以下である。ここでいう最大径の測定は、拡散層の写真からイットリウム成分が含まれる島型形状を画像解析で抽出し、各島型形状の面積からの円相当径を算出して最大径を求めた。この最大径が100μmを超えると島型形状の不連続性が損なわれる。島型形状の不連続性が損なわれ、連続したイットリウム成分が含まれる拡散層が形成されると、接合強度が低下する。
【0016】
図2と図3とは、いずれも本発明のセラミックス接合体の拡散層を示したものであるが、図2の島型形状24が長細形状を有しているのに対して、図3の島型形状34は丸形状を有している。この違いは、窒化アルミニウム焼結体に焼結助剤として含まれるイットリウムの量による。無助剤では、図2のように成り易く、助剤が添加されたものは図3のように成り易い。この違いが接合強度に及ぼす影響は定かではないが、いずれの場合であっても、上記のような島型形状を構成することにより接合強度は高くなる。図6は、接合層62を挟んで右側が焼結助剤を含む焼結体であり、左側が焼結助剤を含まない焼結体である。焼結助剤を含む焼結体側では島状形状が比較的大きく丸形状であり、最大径は27μmである。一方、焼結助剤を含まない側は、島状形状が比較的小さく長細形状であり最大径は数μmである。
【0017】
図2及び図3において、拡散層23は厚さT1を有する。拡散層の厚さは、600μm以下であることが好ましい。600μmを超える厚さの拡散層を有する場合には、熱処理に伴って同時に島型組織が粗大化して高い接合強度を得ることができなくなる。
【0018】
図4及び図5は、接合層を示した概略断面図である。接合層42、52の両側に拡散層43、53が形成されている。接合層の厚さT2は、30μm以下であることが好ましい。30μmを超える厚さの接合層を有する場合には、接合層から破壊する確率が高くなり、結果として接合強度の低下を引き起こす。
【0019】
図4では、拡散層側に酸化アルミニウム層422a及び422bを有し、この2つの酸化アルミニウム層の間にYAG層421を有している。このような構造は、接合する2つの窒化アルミニウム焼結体のうち少なくとも一方が、焼結助剤であるイットリウム化合物を含まずに得られたものである場合に生じる。これは接合材が加熱されて生成した液相成分により、窒化アルミニウム界面の侵食が起こり、このときイットリウム成分が優位に母材に拡散するためと考えられる。結果、窒化アルミニウム界面に酸化アルミニウムが豊富な層ができるだけでなく、侵食された部分は酸化アルミニウムが豊富となり、酸化アルミニウムのアンカー構造となる。図7は、図6に示した接合体の接合層62近傍のEDS像である。接合層の厚さは30μm以下であり、拡散層側に酸化アルミニウム層722a及び722bを有し、この2つの酸化アルミニウム層の間にYAG層721を有していることがわかる。
【0020】
このような構造により、窒化アルミニウムの界面に酸化アルミニウムがくいこんで、アンカーの役割をしているので、接合強度が高められる。また、熱膨張係数の関係は窒化アルミニウム<酸化アルミニウム<YAGであることから、接合時に加熱冷却を経たときの残留応力が少なくなり、接合強度の高いものとなる。さらに、熱サイクルにも強い構造であるといえる。
【0021】
一方、図5では、図4のように酸化アルミニウム層とYAG層とに分離しておらず、酸化アルミニウムとYAGが一様に混在した接合層となっている。このような構造は、接合する2つの窒化アルミニウム焼結体の両方に焼結助剤であるイットリウム化合物が含まれている場合に生じる。特に、窒化アルミニウム中の酸化イットリウム濃度が0.3質量%以上のときに、顕著に発生する現象である。接合のための熱処理温度は、窒化アルミニウム中の粒界相が液相化する温度であることから、窒化アルミニウムのクリープと関係しているものと考えられる。つまりクリープで粗になった部分に液相が流れ込むことが考えられる。図8に接合する2つの窒化アルミニウム焼結体の両方に焼結助剤が含まれる接合体の接合層近傍のEDS像を示す。上述のように接合層は、酸化アルミニウムとYAGが一様に混在した接合層となっていることがわかる。
【0022】
この場合、熱膨張係数の関係は窒化アルミニウム<YAGであることから、図4の場合と比べて残留応力の影響が大きくなるとも考えられる。しかしながら、拡散層53a及び53bへの拡散は、図4の場合に比べて進んでいることから、拡散層によって残留応力は小さく抑えられる。実際このような構造の違いはあっても、両者とも接合強度は母材である窒化アルミニウム焼結体の曲げ強度の60%以上を示していることから、残留応力が抑えられ接合強度が高められていることがわかる。
【0023】
接合強度の面から、接合層の結晶粒径は0.2〜20μmであることが望ましい。20mmよりも大きな粒径では、熱膨張係数の異方性に起因した歪みによる残留応力によって、強度低下を引き起こす。これは、降温スピードを調整することで制御可能である。
【0024】
次に本発明のセラミックス接合体の製造方法について説明する。
【0025】
接合に供される窒化アルミニウム焼結体は、焼結助剤無添加のもの、イットリウム化合物を焼結助剤に用いたもの等、種々用いることができる。ただし、Na、Ca等のアルカリ金属やアルカリ土類金属を焼結助剤として用いたものは好ましくない。焼結方法も、常圧焼結、加圧雰囲気焼結、ホットプレス焼結等種々適用することができる。
【0026】
接合材に用いられる酸化イットリウム粉末は、平均粒径5μm以下、純度99.9%以上が好ましい。平均粒径が大きいと接合強度が低下し、純度が低いと拡散が制御できないためである。酸化アルミニウム粉末も同様の理由から、平均粒径1μm以下、純度99.9%以上のものが好ましい。また、酸化イットリウムと酸化アルミニウムとが所定比で含まれていれば良く、YAG等のイットリウムアルミネートの粉末が含まれていても良い。
【0027】
酸化アルミニウム62.5〜99mol%と酸化イットリウム1〜37.5mol%とを含む接合材を用意する。このような配合とするのは、接合時にYAGと酸化アルミニウムの共晶組成を生じさせるためである。このような接合材を用いて、所定の圧力及び温度で熱処理することにより、接合強度に優れたセラミックス接合体を得ることができる。接合材は、酸化アルミニウム77〜82mol%と酸化イットリウム18〜23mol%とを含む配合とすることがより好ましい。
【0028】
接合材は、種々の形態を取ることができる。例えば、これらの粉末に、分散媒、分散剤及びバインダを加えて混合しペースト状にしたものや、粉末と分散媒等と混練した混合物を押し出し成形等により成形したグリーンシート等を用いることができる。分散媒、分散剤等の配合は、所望性状のペーストやグリーンシートを得るために調整できる。
【0029】
用意した接合材を窒化アルミニウム焼結体に塗布したり、挟み込んだりすることにより、窒化アルミニウム焼結体同士を接合材を介してはり合せる。
【0030】
接合の熱処理温度は、1800℃以上が好ましく、1800〜1900℃がより好ましい。温度が低すぎると接合層にYAGと酸化アルミニウムの共晶組成が形成されず、接合強度が低下してしまう。逆に温度が高すぎると、接合材成分が母材の窒化アルミニウム焼結体に拡散しすぎてしまい、接合層にボイドができる結果、接合強度が低下する。
【0031】
接合時に接合面にかけられる荷重は1MPa以上が好ましく、1〜2MPaがより好ましい。低い荷重では緻密な接合層を得ることができない。また、圧力が大きいと母材の窒化アルミニウム焼結体が大きく変形するので好ましくない。
【0032】
熱処理の雰囲気は、真空中または不活性ガス雰囲気とすることができる。
【0033】
以下、実施例及び比較例を示して説明する。
【0034】
[窒化アルミニウム焼結体の作製]
窒化アルミニウム粉末に焼結助剤として酸化イットリウムを3質量%添加したものと、添加しないものとを用意した。この原料粉末にIPA、有機バインダおよび可塑剤を添加し、混合、スプレードライ乾燥をすることで、原料粉末の顆粒を得た。この顆粒をCIP成形し、焼成温度1900および2000℃、焼成時間6時間の常圧焼成した後、加工を行い、25×25×20mmの板状の窒化アルミニウム焼結体を得た。この窒化アルミニウム焼結体について4点曲げ強度(JISR1601)を測定したところ、焼結助剤を添加したものと、添加しないものとで差はなく、310MPaであった。
【0035】
[接合材の作製]
酸化イットリウム粉末(Y:信越化学工業製;RU−P)と窒化アルミニウム粉末(Al:住友化学工業製;AKP−50)にエタノール、分散剤、および有機バインダを添加、混合し、ペーストを作製した。酸化イットリウム粉末と窒化アルミニウム粉末との混合比(mol比)を表1に示す。
【0036】
[接合]
2つの板状の窒化アルミニウム焼結体を用意し、一方の焼結体の25×25mmの面にペーストを塗布し、もう一方の焼結体の25×25mmの面をはり合わせた。これを大気中480℃で1時間保持して脱脂した後、ホットプレス焼成炉を用いて、0.6MPaの窒素雰囲気中で、接合面に荷重を加えながら、または加えず(自重のみ)に1750℃、及び1800℃で熱処理した。
【0037】
[評価]
得られた接合体から、接合層が中央に位置するように曲げ試験片を切り出して4点曲げ試験(JISR1601)により接合強度を測定した。また、接合部の微構造観察を切断面のSEM及びEDSによって行った。結晶粒径の測定は、線インターセプト法によって行った。評価結果を表1に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
接合材にYAGと酸化アルミニウムの共晶組成が生じる配合を用いた実施例1〜3では、母材の窒化アルミニウム焼結体の強度に対して60%以上の接合強度を有する接合体が得られた。これらの接合体を観察したところ、接合層が30μmより薄く、接合層におけるYAGおよび酸化アルミニウム粒子の結晶粒径は0.2〜20μmであった。また、接合層近傍にはイットリウム成分の拡散層が観察され、これらの厚さは600μm以下であった。
【0040】
母材が共に焼結助剤を含まない実施例1及び母材の一方が焼結助剤を含まない実施例2では、図4に示したような拡散層側に酸化アルミニウム層を有し、2つの酸化アルミニウム層の間にYAG層を有した接合層の構造が認められた。一方、母材が共に焼結助剤を含む実施例3では、図5に示したような接合層が認められた。図6、図7にそれぞれ実施例2のSEM写真、EDS像を、図8に実施例3のEDS像を示す。
【0041】
さらに、実施例1〜3の接合体の切断面観察により、接合層のイットリウム成分が島型に拡散した拡散層が認められた。この島型形状について、最大径を測定したところいずれも30μm以下であった。なお、最大径の測定は、拡散層の写真からイットリウム成分が含まれる島型形状を画像解析で抽出し、各島型形状の面積からの円相当径を算出して最大径を求めた。
【0042】
一方、比較例1〜9では、接合強度が母材の窒化アルミニウム焼結体の強度に対して60%よりも小さくなった。これらの接合体を観察したところ、比較例6〜9は、接合層が30μmより厚くなった。
【0043】
さらに、比較例1〜9の接合体の切断面観察では、接合層のイットリウム成分が島型に拡散した拡散層が認められず、接合層に沿ってイットリウム成分が層状又は網状に連なった拡散層が形成されていた。図9に比較例1のSEM写真を示す。
【0044】
比較例10〜12では、曲げ試験片に加工する際に剥離した。
【符号の説明】
【0045】
10 セラミックス接合体
11a、11b 窒化アルミニウム焼結体(母材)
12、22 接合層
13a、13b 拡散層
24a、24b 島型形状

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化アルミニウム焼結体同士のセラミックス接合体であって、YAGと酸化アルミニウムを含む接合層を有し、前記接合層のイットリウム成分が島型に拡散した拡散層を備えることを特徴とするセラミックス接合体。
【請求項2】
前記拡散層における島型形状の最大径は100μm以下である請求項1記載のセラミックス接合体。
【請求項3】
前記拡散層の厚みは600μm以下である請求項1または2記載のセラミックス接合体。
【請求項4】
前記接合層の厚みは30μm以下である請求項1〜3記載のセラミックス接合体。
【請求項5】
前記接合層は、拡散層側に酸化アルミニウム層を有し、2つの酸化アルミニウム層の間にYAG層を有する請求項1〜4記載のセラミックス接合体。
【請求項6】
2つの窒化アルミニウム焼結体のうち、少なくとも一方に焼結助剤であるイットリウム化合物を含まない窒化アルミニウム焼結体を用いた請求項5記載のセラミックス接合体。
【請求項7】
接合強度が、窒化アルミニウム焼結体の曲げ強度の60%以上である請求項1〜6記載のセラミックス接合体。
【請求項8】
酸化アルミニウム62.5〜99mol%と酸化イットリウム1〜37.5mol%を含む接合材を用意し、2つの窒化アルミニウム焼結体間に、前記接合材を挟み込み、1800℃以上、荷重1MPa以上で熱処理するセラミックス接合体の製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−57488(P2011−57488A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−207468(P2009−207468)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【出願人】(504182255)国立大学法人横浜国立大学 (429)
【Fターム(参考)】