説明

セルのバランスをとるための回路及び方法

【課題】セルのバランスをとるための回路及び方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施例によれば、第1のセル、及び第1のセルに隣接する第2のセルを含む複数のセルのバランスをとるために使用されるセルバランシング回路が提供される。前記セルバランシング回路は、前記第1のセルのシャント電流を使用可能にするための、前記第1のセルに並列に連結された第1のシャント経路と、前記第2のセルのシャント電流を使用可能にするための、前記第2のセルに並列に連結された第2のシャント経路とを備える。前記セルバランシング回路は、更に、前記第1のシャント経路及び前記第2のシャント経路に連結された制御装置を備える。前記制御装置は、もし前記第1のセルと前記第2のセルとが不平衡状態であるならば、前記第1のシャント経路及び前記第2のシャント経路を交互に導通状態にするように動作可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルのバランスをとるための回路及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この出願は、その全体が参照によってここに組み込まれると共に、米国仮特許出願番号60/998,104号に対してそれ自体が優先権を主張する、“Battery Cell Balancing Systems Using Current Regulators”と題名をつけられて2007年12月27日に出願された同時係属中である米国出願シリアル番号12/005,507号の一部継続である。
【0003】
DC電圧電源として使用される、典型的なリチウム−イオン(Li−Ion)電池パックは、通常、直列に連結された一群の電池セルを備えている。通常動作において電池パックを充電及び放電することは、時を経て、セル電圧におけるセル間の偏差になり得る。直列の一続きの状態のセルにおいて、1つ以上のセルを、他のセルより速くまたは遅く充電するとき、不平衡状態が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1は、従来のセルバランシング回路を例証する。直列に接続された複数のセルは、第1のセル102、及び第2のセル103を含む。セル102の正極端子(アノード)は、抵抗器108を通して、端子BAT1において、制御装置110に連結される。セル102の負極端子(カソード)は、抵抗器106を通して、端子BAT0において、制御装置110に連結される。外部のシャント経路(バイパス経路)は、セル102と並列に接続される。シャント経路は、電流制限抵抗器101を含むことができると共に、放出(bleeding)制御スイッチ104が、電流制限抵抗器101と直列に接続される。放出制御スイッチ104は、専用のピンCB1を経由して制御装置110によって制御される。同様に、セル103の正極端子は、抵抗器112を通して、端子BAT2において、制御装置110に連結される。セル103の負極端子は、抵抗器108を通して、端子BAT1において、制御装置110に連結される。外部のシャント経路(バイパス経路)は、セル103と並列に接続される。シャント経路は、電流制限抵抗器114を含むことができると共に、放出制御スイッチ116が、電流制限抵抗器114と直列に接続される。放出制御スイッチ116は、専用のピンCB2を経由して制御装置110によって制御される。
【0005】
不平衡状態が発生するとき、例えばセル102の電圧が電池パック内のその他のセルの電圧より高いとき、制御装置110は、シャント電流が外部のシャント経路を通って流れることを可能にするために、スイッチ104をターンオンすることができ、従って、セル102の充電が減速され得ると共に、電池パックにおいてセル電圧はバランスがとられ得る。この方法の欠点の内の1つは、各セルが、対応する放出制御スイッチを制御するのに余分なピン(例えば、セル102のためのCB1、セル103のためのCB2)を必要とし、それがコストを増大させ得ることである。
【0006】
図2は、別の従来のセルバランシング回路を示す。図1と同じ符号で分類された構成要素は、同様の機能を有している。制御装置210において、内部スイッチ212が、端子BAT1と端子BAT0との間に連結される。内部スイッチ216は、端子BAT2と端子BAT1との間に連結される。内部スイッチ212及び内部スイッチ216は、同様に制御装置210内に配置されている内部スイッチ制御ユニット214の制御下にある。
【0007】
図2において、セル102のシャント経路を導通状態にするために、内部スイッチ212は、電流Iが、セル102の正極端子から、抵抗器108、端子BAT1、及び内部スイッチ212を通って、BAT0まで流れ、そして抵抗器106を通って、セル102の負極端子まで流れることを可能にするために、ターンオンされる必要がある。セル103のシャント経路を導通状態にするために、内部スイッチ216は、電流Iが、セル103の正極端子から、抵抗器112、端子BAT2、及び内部スイッチ216を通って、BAT1まで流れ、そして抵抗器108を通って、セル103の負極端子まで流れることを可能にするために、ターンオンされる必要がある。その結果、抵抗器108を流れる電流に関して、電流方向の衝突が存在し得る。もしIのレベルとIのレベルとが同じであるならば、IとIとが逆方向に流れるので、放出制御スイッチ116がターンオンできないように、抵抗器108を横断する電圧降下がゼロになるであろう。従って、この方法は、直列に接続された一群のセルのバランスをとることには適当でない可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例によれば、第1のセル、及び第1のセルに隣接する第2のセルを含む複数のセルのバランスをとるために使用されるセルバランシング回路が提供される。前記セルバランシング回路は、前記第1のセルのシャント電流を使用可能にするための、前記第1のセルに並列に連結された第1のシャント経路と、前記第2のセルのシャント電流を使用可能にするための、前記第2のセルに並列に連結された第2のシャント経路とを備える。前記セルバランシング回路は、更に、前記第1のシャント経路及び前記第2のシャント経路に連結された制御装置を備える。前記制御装置は、もし前記第1のセルと前記第2のセルとが不平衡状態であるならば、前記第1のシャント経路及び前記第2のシャント経路を交互に導通状態にするように動作可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】シャント経路を使用可能にするか、または使用不能にするために、専用のピンを使用する従来のセルバランシング回路を例証する図である。
【図2】内部スイッチによって制御された放出制御スイッチを備える別の従来のセルバランシング回路を例証する図である。
【図3】本発明の一実施例による電気システムを例証する図である。
【図4】本発明の一実施例によるセルバランシング回路を例証する図である。
【図5】本発明の一実施例によるセルバランシング回路を例証する図である。
【図6】本発明の一実施例による一群のセルのバランスをとるためのセルバランシング回路を例証する図である。
【図7】本発明の一実施例による一群のセルのバランスをとるためのセルバランシング回路を例証する図である。
【図8】本発明の一実施例によるセルのバランスをとるための方法のフローチャートを例証する図である。
【図9】本発明の一実施例によるセルバランシング回路を例証する図である。
【図10】図9における制御装置によって使用される時間多重化アルゴリズムを例証する図である。
【図11】本発明の一実施例による電池管理システムを例証する図である。
【図12】本発明の一実施例による複数のセルのバランスをとるための方法のフローチャートを例証する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特許請求の範囲に記載された主題の実施例の特徴及び利点は、以下の詳細な説明の進行に従って、そして同様の参照符号が同様の構成要素を描写する図面に対する参照によって明白になる。
【0011】
これから、本発明の実施例について、詳細に言及する。本発明はこれらの実施例に関連して説明されるが、これらの実施例が本発明をこれらの実施例に限定することを意図しないことは、理解されるであろう。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の精神および範囲内に含まれる可能性のある代替物、修正物および同等物を含むことを意図する。
【0012】
ここで説明された実施例は、1つ以上のコンピュータまたは他の装置によって実行されるプログラムモジュールのような、何らかのコンピュータ読み取り可能な媒体上に存在するコンピュータが実行可能な命令の一般的な文脈において論じられ得る。一般的に、プログラムモジュールは、特別なタスクを行うか、もしくは特別な抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等含む。様々な実施例における要求通りに、プログラムモジュールの機能性は、併有され得るか、もしくは分散され得る。
【0013】
以下の詳細な説明のいくらかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する操作の手順、論理ブロック、処理、及び他の記号表現の観点から提示される。これらの記述及び表現は、データ処理技術に熟練した当業者によって、彼らの業績の趣旨を他の当業者に最も効果的に伝達するために使用される手段である。本願において、手順、論理ブロック、プロセス等は、望ましい結果につながるステップまたは命令の首尾一貫した系列であると考えられる。それらのステップは、物理量の物理的操作を必要とするステップである。通常、必ずではないが、これらの量は、コンピュータシステムにおいて、格納されて、転送されて、結合されて、比較されて、そして他の場合は操作されることが可能である電気信号もしくは磁気信号の形式をとる。
【0014】
しかしながら、これら及び同様の用語全ては、適切な物理量と関連付けられるべきであり、そして、単にこれらの量に適用された便利なラベルであるということが留意されるべきである。以下の討論から明白であるので、明確に別の方法で表明されない限り、本願の初めから終わりまで、“分類する”、“監視する”、“可能にする”、“バランスをとる(バランシング)”、“導通状態にする”、“生じさせる”、“ターンオンする”、“判定する”等の用語を使用する討論は、コンピュータシステムまたは同様の電子計算装置の動作または処理のことを指すと共に、コンピュータシステムまたは同様の電子計算装置は、コンピュータシステムのレジスタまたはメモリの中の物理的な(電子的な)量として表されたデータを、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタあるいは他のそのような情報記憶装置、転送装置、または表示装置の中の同様に物理的な量として表された他のデータに、処理して変換する、ということが理解される。
【0015】
限定ではなく、一例として、コンピュータ読み取り可能な媒体は、コンピュータ記憶媒体及び通信媒体を含み得る。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータのような情報の記憶のためのあらゆる方法または技術において実現された、揮発性媒体及び不揮発性媒体、取り外し可能な媒体または取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、コンパクトディスクROM(CDROM)、デジタル汎用ディスク(DVD)または他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、もしくは所望の情報を格納するために使用され得る他の媒体、を含むが、しかしそれに制限されない。
【0016】
通信媒体は、搬送波のような変調されたデータ信号もしくは他の伝送機構において、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを具体化し得ると共に、あらゆる情報送達媒体を含む。用語“変調されたデータ信号”は、信号内の符号化情報に応じるような方法で設定または変更される1つ以上のその特性を有する信号を意味する。限定ではなく、一例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接的な配線接続のような有線媒体、そして音波、無線周波数(RF)、赤外線、及び他の無線媒体のような無線媒体を含む。上記のうちのあらゆるものの組み合わせが、コンピュータ読み取り可能な媒体の範囲内に同様に含まれるべきである。
【0017】
更に、本発明の以下の詳細な説明において、多数の具体的な詳細が本発明の完全な理解を提供するために説明される。しかしながら、本発明はそれらの具体的な詳細がなくても実施され得るということが当業者によって識別されることになる。他の例では、よく知られた方法、手順、コンポーネント、および回路は、本発明の態様を不必要に曖昧にしないように詳細に説明されていない。
【0018】
図3は、機能モジュール302、及び電池パック304を含む電気システム300を例証する。電池パック304は、一群の電池セルを備える。機能モジュール302は、電池パック304によって電力を供給されると共に、1つ以上の機能を実行し得る。電気システム300は、コンピュータシステム、車両、電気自転車、無停電電源装置等を含み得るが、しかしそれに制限されない。一実施例において、機能モジュール302は、コンピュータシステムの中央演算処理装置(CPU)を含む。一実施例において、機能モジュール302は、車両の車両モータを含む。
【0019】
本発明の一実施例によれば、電池パック304のための電池セルバランシング回路が提供されると共に、それは、ピン数を減少させると共に、電池セル電圧が比較的低いとしても、動作可能であり得る。一実施例において、セルバランシング回路は、電池セルのシャント経路を制御するために電流調整器(電流レギュレータ)を使用する。有利に、電池セルのシャント経路を導通状態にするための放出制御スイッチは、様々なタイプを有していることができ、そして、比較的低いしきい値電圧(例えば、1[V])を有するスイッチに限定されない。更に、一実施例において、電池セルバランシング回路は、同時に複数のセルのバランスをとること、例えば同時に隣接したセルのバランスをとることができる。
【0020】
図4は、本発明の一実施例によるセルバランシング回路400を例証する。一実施例において、図4におけるバランシング回路400は、セルCELL−1のシャント経路の導通状態を制御するために、定電流調整器、例えば内部電流シンク414を利用する。一実施例において、電流調整器414は、シャント経路の導通状態を制御するための電流を生じさせるように、シャント経路に連結される。一実施例において、シャント経路は、電流調整器414によって作られた電流に応答して、導通状態にされる(ターンオンされる)。
【0021】
電池パックにおけるセルCELL−1の正極端子(アノード)は、第1の抵抗器408を通して、端子BAT1において、制御装置410に連結される。セルCELL−1の負極端子(カソード)は、第2の抵抗器406を通して、端子BAT0において、制御装置410に連結される。シャント経路は、セルCELL−1のシャント電流を使用可能にするように、セルCELL−1と並列に接続される。
【0022】
一実施例において、シャント経路は、放出(バランス)制御スイッチ404を含むと共に、電流制限抵抗器401が、直列に連結される。一実施例において、放出制御スイッチ404は、Pチャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOSFET)であり得る。放出制御スイッチ404は、電流調整器414によって作られた電流に応答して、シャント経路を導通状態にすることができる。一実施例において、抵抗器408は、シャント経路と電流シンク414との間に連結される。図4の例において、放出制御スイッチ404の導通状態は、抵抗器408上の電圧降下に実質的に等しい、放出制御スイッチ404のゲート−ソース間電圧Vgsによって決定される。一実施例において、制御装置410は、電池パックの充電及び/または放電を制御するために使用され得ると共に、電池パックに関する様々な保護機能(例えば、過電圧保護、過電流保護、不足電圧保護、セルバランシング)を実行するために使用され得る。制御装置410は、電池パック内に統合され得る。制御装置410は、端子BAT1とグランド(アース)との間に連結された電流シンク414として示される電流調整器を含み得る。電流シンク414は、セルCELL−1の正極端子から抵抗器408を通ってグランドに流れるシンク電流を提供するように、そしてシャント経路の導通状態を制御するように動作可能である。すなわち、電流シンク414は、セルCELL−1の正極端子から電流を吸い込む。シンク電流は、抵抗器408を通って流れると共に、それによって抵抗器408上に電圧降下を生じさせる。従って、シャント経路の導通状態は、抵抗器408を横断する電圧降下によって決定され得る。
【0023】
制御装置410は、更に、電流シンク414を制御する(例えば有効にする/無効にする)ように動作可能である電流シンク制御ユニット412を備え得る。一実施例において、電流シンク制御ユニット412は、セルCELL−1を監視すると共に、もしセルCELL−1が不平衡状態であるならば、電流シンク414を有効にする。一実施例において、もしセルCELL−1の電圧が所定のしきい値より大きいならば、セルCELL−1は不平衡状態である。代替実施例において、もしセルCELL−1の電圧と同じ電池パックにおける別のセル(簡潔にすると共に明確にする目的のために図4には図示されない)の電圧との間の差異が所定のしきい値より大きいならば、セルCELL−1は不平衡状態である。代替実施例において、セルCELL−1のシャント経路は、制御装置410の中に構築され得る。
【0024】
例示の目的のために、抵抗器408の抵抗値が1[KΩ]であり、電流シンク414によって提供されるシンク電流が3[mA]であり、そして放出制御スイッチ404のしきい値電圧が−1[V]であるということが仮定される。しかしながら、本開示におけるセルバランシング回路は、そのような特定の値に限定されない。
【0025】
動作中、(例えば、電池パックの充電/放電/スタンバイ段階の間に、)もし不平衡状態が発生するならば、電流シンク414は、シンク電流、例えばセルCELL−1の正極端子から抵抗器408を通ってグランドに流れる3[mA]の電流を提供するために、電流シンク制御ユニット412によって有効にされ得る。従って、抵抗器408上の電圧降下は、3[V]である。それ故に、一実施例において、放出制御スイッチ404のゲート−ソース間電圧Vgsは、−3[V]になり、そして放出制御スイッチ404は、ターンオンされる。一度、放出制御スイッチ404がターンオンされれば、対応するシャント経路が導通状態にされる(ターンオンされる)。その結果、シャント電流(バランシング電流)がシャント経路を通って流れ得ると共に、従って、セルCELL−1と他のセルとのバランスがとられる。例えば、電池充電段階の間、もしシャント電流がセルCELL−1に関して使用可能にされるならば、セルCELL−1の充電電流の一部分は、シャント経路を経由して分流させられることができ、従って、セルCELL−1の充電が減速され得ると共に、一定期間の間バランスをとった後で、セルの不平衡は縮小され得る/取り除かれ得る。一実施例において、そのような期間は、電流シンク制御ユニット412によって決定され得る。
【0026】
図5は、本発明の一実施例によるセルバランシング回路500を例証する。図4と同じ符号で分類された構成要素は、同様の機能を有している。一実施例において、図5におけるバランシング回路500は、電池パックにおけるセルCELL−1のシャント経路の導通状態を制御するために、定電流調整器、例えば内部電流ソース514を利用する。一実施例において、電流調整器514は、シャント経路の導通状態を制御するための電流を生じさせるように、シャント経路に連結される。一実施例において、シャント経路は、電流調整器514によって作られた電流に応答して、導通状態にされる(ターンオンされる)。
【0027】
一実施例において、放出制御スイッチ504は、Nチャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(NMOSFET)であり得る。放出制御スイッチ504は、電流調整器514によって作られた電流に応答して、シャント経路を導通状態にすることができる。セルCELL−1の正極端子は、第1の抵抗器408を通して、端子BAT1において、制御装置510に連結される。セルCELL−1の負極端子は、第2の抵抗器406を通して、端子BAT0において、制御装置510に連結される。図5の例において、放出制御スイッチ504の導通状態は、抵抗器406上の電圧降下に実質的に等しい、放出制御スイッチ504のゲート−ソース間電圧Vgsによって決定される。一実施例において、制御装置510は、電池パックの充電及び/または放電を制御するために使用され得ると共に、電池パックに関する様々な保護機能(例えば、過電圧保護、過電流保護、不足電圧保護、セルバランシング)を実行するために使用され得る。制御装置510は、電池パック内に統合され得る。一実施例において、制御装置510は、端子BAT0と電源Vcc513との間に連結された電流ソース514として示される電流調整器を含み得る。電流ソース514は、電源513から抵抗器406を通ってセルCELL−1の負極端子に流れるソース電流を提供するように、そしてシャント経路の導通状態を制御するように動作可能である。すなわち、電流ソース514は、セルCELL−1の負極端子に電流を供給する。ソース電流は、抵抗器406を通って流れると共に、それによって抵抗器406上に電圧降下を生じさせる。従って、シャント経路の導通状態は、抵抗器406を横断する電圧降下によって決定され得る。
【0028】
制御装置510は、更に、電流ソース514を制御する(例えば有効にする/無効にする)ように動作可能である電流ソース制御ユニット512を備え得る。一実施例において、電流ソース制御ユニット512は、セルCELL−1を監視すると共に、もしセルCELL−1が不平衡状態であるならば、電流ソース514を有効にする。一実施例において、もしセルCELL−1の電圧が所定のしきい値より大きいならば、セルCELL−1は不平衡状態である。代替実施例において、もしセルCELL−1の電圧と同じ電池パックにおける別のセル(簡潔にすると共に明確にする目的のために図5には図示されない)の電圧との間の差異が所定のしきい値より大きいならば、セルCELL−1は不平衡状態である。代替実施例において、セルCELL−1のシャント経路は、制御装置510の中に構築され得る。
【0029】
例示の目的のために、抵抗器406の抵抗値が1[KΩ]であり、電流ソース514によって提供されるソース電流が3[mA]であり、そして放出制御スイッチ504のしきい値電圧が1[V]であるということが仮定される。しかしながら、本開示におけるセルバランシング回路は、そのような特定の値に限定されない。
【0030】
もし不平衡状態が発生するならば、電流ソース514は、ソース電流、例えば電源513から抵抗器406を通ってセルCELL−1の負極端子に流れる3[mA]の電流を提供するために、電流ソース制御ユニット512によって有効にされ得る。従って、抵抗器406を横断する電圧降下は、3[V]である。それ故に、一実施例において、放出制御スイッチ504のゲート−ソース間電圧Vgsは、3[V]になり、そして放出制御スイッチ504は、ターンオンされる。一度、放出制御スイッチ504がターンオンされれば、対応するシャント経路が導通状態にされる(ターンオンされる)。その結果として、シャント電流(バランシング電流)がシャント経路を通って流れ得ると共に、従って、セルCELL−1と他のセルとのバランスがとられる。一実施例において、放出の期間は、電流ソース制御ユニット512によって決定され得る。
【0031】
図6は、本発明の一実施例による、電池パック内の一群の直列に接続されたセルCELL−1〜CELL−Nのバランスをとるためのセルバランシング回路を例証する。セルCELL−1〜CELL−Nは、直列に連結される。簡潔にすると共に明確にする目的のために、全てのセルが図6において示されるとは限らない。複数のシャント経路が、それぞれ並列にセルCELL−1〜CELL−Nに連結されると共に、シャント経路のそれぞれは、対応するセルのシャント電流を使用可能にするように動作可能である。一実施例において、各シャント経路は、対応する放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nと、直列に連結された対応する抵抗器Rc−1〜Rc−Nとを含み得る。従って、シャント経路の導通状態は、対応する放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nの導通状態によって決定される。放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nのそれぞれは、PMOSFETであり得る。簡潔にすると共に明確にする目的のために、全ての放出制御スイッチ及び抵抗器が図6において示されるとは限らない。
【0032】
制御装置610は、複数のセルCELL−1〜CELL−Nのバランスをとるために、複数のセルCELL−1〜CELL−Nに連結される。制御装置610は、複数の電流調整器、例えば複数のシャント経路にそれぞれ連結される電流シンク614−1〜614−Nを備える。電流調整器614−1〜614−Nのそれぞれは、対応するシャント経路の導通状態を制御するために、対応するセルの正極端子からグランドに流れる電流を生じさせるように動作可能であると共に、対応するシャント経路は、電流に応答して導通状態にされる(ターンオンされる)。各放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nは、対応する電流調整器614−1〜614−Nから作られた電流に応答して、対応するシャント経路を導通状態にする(ターンオンする)ことができる。セルCELL−1〜CELL−Nの端子は、抵抗器R0−0〜R0−Nを通して、それぞれ端子BAT0〜BATNにおいて、制御装置610に連結される。一実施例において、端子BAT1〜BATNは、制御装置610内で、電流シンク614−1〜614−Nを通してグランドに連結される。簡潔にすると共に明確にする目的のために、全ての端子、抵抗器、及び電流シンクが図6において示されるとは限らない。一実施例において、電流調整器614−1〜614−Nのそれぞれは、対応する抵抗器R0−1〜R0−Nを流れる電流を生じさせるように動作可能であると共に、抵抗器R0−1〜R0−Nを流れる電流は、対応する抵抗器R0−1〜R0−N上で電圧降下を生じさせる。一実施例において、対応する放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nの導通状態は、対応する抵抗器R0−1〜R0−N上の電圧降下によって決定される。
【0033】
一実施例において、制御装置610は、電流シンク614−1〜614−Nを制御するように動作可能である電流シンク制御ユニット612を備え得る。一実施例において、制御装置610における電流シンク制御ユニット612は、もし対応するセルCELL−1〜CELL−Nが不平衡状態であるならば、対応する電流シンク614−1〜614−Nを有効にする。電流シンク614−1〜614−Nは、電流シンク制御ユニット612によって、独立して、もしくは同時に、有効にされ得るか、もしくは無効にされ得る。その結果として、バランシング回路は、各セルの状態に従って、一群のセルのバランスをとるように動作可能であり得る。
【0034】
図7は、本発明の一実施例による、電池パック内の一群の直列に接続されたセルCELL−1〜CELL−Nのバランスをとるためのセルバランシング回路を例証する。セルCELL−1〜CELL−Nは、直列に連結される。簡潔にすると共に明確にする目的のために、全てのセルが図7において示されるとは限らない。複数のシャント経路が、それぞれ並列にセルCELL−1〜CELL−Nに連結されると共に、シャント経路のそれぞれは、対応するセルのシャント電流を使用可能にするように動作可能である。一実施例において、各シャント経路は、対応する放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nと、直列に連結された対応する抵抗器Rc−1〜Rc−Nとを含み得る。従って、シャント経路の導通状態は、対応する放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nの導通状態によって決定される。放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nのそれぞれは、NMOSFETであり得る。簡潔にすると共に明確にする目的のために、全ての放出制御スイッチ及び抵抗器が図7において示されるとは限らない。
【0035】
制御装置710は、複数のセルCELL−1〜CELL−Nのバランスをとるために、複数のセルCELL−1〜CELL−Nに連結される。制御装置710は、複数の電流調整器、例えば複数のシャント経路にそれぞれ連結される電流ソース714−1〜714−Nを備える。電流調整器714−1〜714−Nのそれぞれは、対応するシャント経路の導通状態を制御するために、電源718から対応するセルの負極端子に流れる電流を生じさせるように動作可能であると共に、対応するシャント経路は、電流に応答して導通状態にされる(ターンオンされる)。各放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nは、対応する電流調整器714−1〜714−Nから作られた電流に応答して、対応するシャント経路を導通状態にする(ターンオンする)ことができる。セルCELL−1〜CELL−Nの端子は、抵抗器R0−0〜R0−Nを通して、それぞれ端子BAT0〜BATNにおいて、制御装置710に連結される。一実施例において、端子BAT0〜BATN−1は、制御装置710内で、電流ソース714−1〜714−Nを通して電源Vcc718に連結される。簡潔にすると共に明確にする目的のために、全ての端子、抵抗器、及び電流ソースが図7において示されるとは限らない。一実施例において、電流調整器714−1〜714−Nのそれぞれは、対応する抵抗器R0−0〜R0−N−1を流れる電流を生じさせるように動作可能であると共に、抵抗器R0−0〜R0−N−1を流れる電流は、対応する抵抗器R0−0〜R0−N−1上で電圧降下を生じさせる。一実施例において、対応する放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nの導通状態は、対応する抵抗器R0−0〜R0−N−1上の電圧降下によって決定される。
【0036】
一実施例において、制御装置710は、電流ソース714−1〜714−Nを制御するように動作可能である電流ソース制御ユニット712を備え得る。一実施例において、制御装置710における電流ソース制御ユニット712は、もし対応するセルCELL−1〜CELL−Nが不平衡状態であるならば、対応する電流ソース714−1〜714−Nを有効にする。電流ソース714−1〜714−Nは、電流ソース制御ユニット712によって、独立して、もしくは同時に、有効にされ得るか、もしくは無効にされ得る。その結果として、バランシング回路は、各セルの状態に従って、一群のセルのバランスをとるように動作可能であり得る。
【0037】
図8は、本発明の一実施例によるセルのバランスをとるための方法のフローチャート800を例証する。図8は、図4及び図5と組み合わせて説明される。ブロック802において、もしセルCELL−1が不平衡状態であるならば、電流が、電流調整器、例えば電流シンク414または電流ソース514によって生成される。従って、シャント経路と電流調整器との間に連結された抵抗器408/406上に電圧降下が生じ得る(図8にステップは示されない)。一実施例において、放出制御スイッチ404/504は、抵抗器408/406上の電圧降下に応答して、ターンオンにされ得る(図8にステップは示されない)。それ故に、ブロック804において、セルCELL−1に連結されたシャント経路は、電流調整器によって生成された電流に応答して、導通状態にされる(ターンオンされる)。ブロック806において、シャント電流がシャント経路を通って流れることを可能にされる。
【0038】
前述の実施例において使用されるPMOSFET及びNMOSFETは、本開示の範囲からはずれずに、その導通状態が電圧降下によって制御され得るあらゆる他のタイプのスイッチと交換され得る。その抵抗器は、同様に、本開示の範囲からはずれずに、電流の流れによってそれを横断する電圧降下が生み出され得る、抵抗成分またはインピーダンスを有するあらゆる他のタイプの構成要素に交換され得る。本発明は、それらの同等の実施例を包含することを意図する。
【0039】
有利に、本発明によれば、そのコストが削減され得るように、シャント経路を制御するための余分なピンは必要とされない。更に、本発明におけるセルバランシング回路は、放出制御スイッチの導通状態がセル電圧によって影響を受けないので、様々なタイプの電池セルに対してに適用でき得る。一実施例において、本発明は、更に、同時に隣接するセルのバランスをとることが可能である。本発明の一実施例によれば、電流調整器は、制御装置に流れ込む(図6のように電流シンクが使用された場合)か、または制御装置から流れ出す(図7のように電流ソースが使用された場合)、同じ方向を有する電流を生成する。従って、そこには電流方向の衝突が存在しない。その結果として、一実施例において、隣接するセルまたは隣接しないセルを問わず、複数のセルが、単一の制御装置によって、同時にバランスがとられ得る。一実施例において、セルバランシング回路は、電池の充電状態、電池の放電状態、及びスタンバイ状態において、使用され得る。
【0040】
図9は、本発明の一実施例による、電池パック内の一群の直列に接続されたセルCELL−1〜CELL−Nのバランスをとるためのセルバランシング回路900を例証する。簡潔にすると共に明確にする目的のために、全てのセルが図9において示されるとは限らない。図9の例におけるバランシング回路900は、図2において発生する可能性がある電流方向の衝突を回避するために、時間多重化アルゴリズムを使用してセルCELL−1〜CELL−Nのバランスをとるように動作可能である制御装置910を備える。
【0041】
セルバランシング回路900は、それぞれ並列にセルCELL−1〜CELL−Nに連結された複数のシャント経路を備える。各シャント経路は、対応するセルのシャント電流を使用可能にするように動作可能である。一実施例において、各シャント経路は、対応する放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nと、直列に連結された対応する抵抗器Rc−1〜Rc−Nとを含み得る。例えば、セルCELL−1に連結されたシャント経路は、放出制御スイッチQ1−1、及び抵抗器Rc−1を含む。簡潔にすると共に明確にする目的のために、全ての放出制御スイッチ及び抵抗器が図9において示されるとは限らない。シャント経路の導通状態は、対応する放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nの導通状態によって決定され得る。一実施例において、放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nのそれぞれは、Pチャンネル金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(PMOSFET)であり得る。放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nの導通状態は、対応する抵抗器R0−0〜R0−N上の電圧降下に実質的に等しい、放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nのゲート−ソース間電圧Vgsによって決定される。
【0042】
セルCELL−1〜CELL−Nの端子は、抵抗器R0−0〜R0−Nを通して、それぞれ端子BAT0〜BATNにおいて、制御装置910に連結される。一実施例において、制御装置910は、複数の内部スイッチQ2−1〜Q2−Nを備える。内部スイッチQ2−1〜Q2−Nのそれぞれは、制御装置910の2つの対応する端子の間に連結される。例えば、内部スイッチQ2−1は、端子BAT0と端子BAT1との間に連結される。内部スイッチQ2−2は、端子BAT1と端子BAT2との間に連結される。内部スイッチQ2−Nは、端子BATN−1と端子BATNとの間に連結される。内部スイッチQ2−1〜Q2−Nのそれぞれのオン/オフの状態は、対応するシャント経路の導通状態を決定し得る。簡潔にすると共に明確にする目的のために、全ての内部スイッチが図9において示されるとは限らない。一実施例において、制御装置910は、更に、内部スイッチQ2−1〜Q2−Nのそれぞれのオン/オフ状態を制御するための内部スイッチ制御ユニット912を備え得る。
【0043】
動作中、もしセルCELL−1のバランスがとられる必要があるならば(例えば、セルCELL−1の電圧と別のセルの電圧との間の差異が所定のしきい値より大きいならば)、対応する内部スイッチQ2−1は、セルCELL−1の正極端子から内部スイッチQ2−1を通ってセルCELL−1の負極端子に流れる第1の制御電流を使用可能にするために、(例えば内部スイッチ制御ユニット912によって)ターンオンされ得る。その結果、放出制御スイッチQ1−1が電圧降下に応答してターンオンされ得るように、電圧降下が抵抗器R0−1を横断して生成され得る。放出制御スイッチQ1−1がターンオンされるとき、セルCELL−1に連結された対応するシャント経路が導通状態にされる。シャント電流がシャント経路を通って流れ得ると共に、従って、セルCELL−1と他のセルとのバランスがとられる。例えば、電池充電段階の間、もしシャント電流がセルCELL−1に関して使用可能にされるならば、セルCELL−1の充電電流の一部分は、シャント経路を経由して分流させられることができ、従って、セルCELL−1の充電が減速され得る。
【0044】
同様に、もしセルCELL−2のバランスがとられる必要があるならば、対応する内部スイッチQ2−2は、セルCELL−2の正極端子から内部スイッチQ2−2を通ってセルCELL−2の負極端子に流れる第2の制御電流を使用可能にするために、(例えば内部スイッチ制御ユニット912によって)ターンオンされ得る。その結果、放出制御スイッチQ1−2が電圧降下に応答してターンオンされ得るように、電圧降下が抵抗器R0−2を横断して生成され得る。
【0045】
一実施例において、時間多重化アルゴリズムを使用して制御装置910によってセルCELL−1〜CELL−Nのバランスをとるために、セルCELL−1〜CELL−Nは、複数のグループ、例えば第1のグループ及び第2のグループに分類され得る。図9の例において、セルの総数(数N)は偶数であると仮定する。第1のグループは、奇数の番号が付与されたセルCELL−1、CELL−3、CELL−5、・・・及びCELL−N−1を含むことができる。第2のグループは、偶数の番号が付与されたセルCELL−2、CELL−4、CELL−6、・・・及びCELL−Nを含むことができる。従って、第1のグループが提供する各セルは、第2のグループが提供する少なくとも1つのセルに隣接する。同様に、第2のグループが提供する各セルは、第1のグループが提供する少なくとも1つのセルに隣接する。
【0046】
動作中、制御装置910は、第1のグループが提供する不平衡状態のセルと第2のグループが提供する不平衡状態のセルのバランスを交互にとることができる。更に具体的には、第1の一連の離散時刻スロットにおいて、第1のグループが提供する不平衡状態のセルに連結されたシャント経路を導通状態にするように、そして、第2の一連の離散時刻スロットにおいて、第2のグループが提供する不平衡状態のセルに連結されたシャント経路を導通状態にするように、制御装置910は、内部スイッチ制御ユニット912を通して、内部スイッチQ2−1〜Q2−Nのオン/オフの状態を制御し得る。一実施例において、第1の一連の離散時刻スロットと第2の一連の離散時刻スロットは、相互に排他的である。有利に、第1のグループが提供する不平衡状態のセルと第2のグループが提供する不平衡状態のセルのバランスを交互にとることによって、図2におけるセルバランシング回路で発生する可能性がある制御電流の電流方向の衝突は回避され得る。
【0047】
前述の実施例において使用されるPMOSFETは、本開示の範囲からはずれずに、その導通状態が電圧降下によって制御され得るあらゆる他のタイプのスイッチと交換され得る。その抵抗器は、同様に、本開示の範囲からはずれずに、電流の流れによってそれを横断する電圧降下が生み出され得る、抵抗成分またはインピーダンスを有するあらゆる他のタイプの構成要素に交換され得る。本発明は、それらの同等の実施例を包含することを意図する。
【0048】
図10は、第1のグループが提供する不平衡状態のセルと第2のグループが提供する不平衡状態のセルのバランスを交互にとるために図9における制御装置によって使用される時間多重化アルゴリズムの例を例証する。図10は、図9と組み合わせて説明される。
【0049】
セルCELL−1、CELL−2、CELL−3、CELL−4が不平衡状態であると仮定する。セルCELL−1及びCELL−3は、第1のグループに属していると共に、セルCELL−2及びCELL−4は、第2のグループに属している。一実施例において、TS1という符号で分類された時刻スロットを含む第1の一連の離散時刻スロットは、第1のグループに割り当てられ得ると共に、TS2という符号で分類された時刻スロットを含む第2の一連の離散時刻スロットは、第2のグループに割り当てられ得る。図10において示されたように、第1の一連の離散時刻スロットと第2の一連の離散時刻スロットは、相互に排他的である。
【0050】
更に具体的には、TS1という符号で分類された時刻スロットにおいて、制御装置910は、バランスをとるために第1のグループを選択すると共に、第2のグループのバランスをとるのを止める。一実施例において、制御装置910は、時刻スロットTS1の間に、セルCELL−1とCELL−3のバランスをとるために、セルCELL−1とCELL−3に連結されたシャント経路を導通状態にすることができ、そして、セルCELL−2とCELL−4のバランスをとるのを止めるために、セルCELL−2とCELL−4に連結されたシャント経路を遮断状態にすることができる。一実施例において、制御装置910は、セルCELL−1とCELL−3に連結されたシャント経路をそれぞれ導通状態にするために、内部スイッチQ2−1とQ2−3をターンオンし得る。
【0051】
内部スイッチQ2−1がターンオンされるとき、制御電流は、セルCELL−1の正極端子から抵抗器R0−1、内部スイッチQ2−1、及び抵抗器R0−0を通ってセルCELL−1の負極端子に流れることを可能にされ得る。従って、電圧降下が、抵抗器R0−1を横断して生成され得る。放出制御スイッチQ1−1は、セルCELL−1に関するシャント電流が使用可能にされ得るように、抵抗器R0−1を横断する電圧降下に応答してターンオンされ得る。
【0052】
内部スイッチQ2−3がターンオンされるとき、制御電流は、セルCELL−3の正極端子から抵抗器R0−3、内部スイッチQ2−3、及び抵抗器R0−2を通ってセルCELL−3の負極端子に流れることを可能にされ得る。従って、電圧降下が、抵抗器R0−3を横断して生成され得る。放出制御スイッチQ1−3は、セルCELL−3に関するシャント電流が使用可能にされ得るように、抵抗器R0−3を横断する電圧降下に応答してターンオンされ得る。
【0053】
TS2という符号で分類された時刻スロットにおいて、制御装置910は、バランスをとるために第2のグループを選択すると共に、第1のグループのバランスをとるのを止める。一実施例において、制御装置910は、セルCELL−2とCELL−4のバランスをとるために、セルCELL−2とCELL−4に連結されたシャント経路を導通状態にすることができ、そして、セルCELL−1とCELL−3のバランスをとるのを止めるために、セルCELL−1とCELL−3に連結されたシャント経路を遮断状態にすることができる。一実施例において、制御装置910は、セルCELL−2とCELL−4に連結されたシャント経路をそれぞれ導通状態にするために、内部スイッチQ2−2とQ2−4をターンオンし得る。
【0054】
内部スイッチQ2−2がターンオンされるとき、制御電流は、セルCELL−2の正極端子から抵抗器R0−2、内部スイッチQ2−2、及び抵抗器R0−1を通ってセルCELL−2の負極端子に流れることを可能にされ得る。従って、電圧降下が、抵抗器R0−2を横断して生成され得る。放出制御スイッチQ1−2は、セルCELL−2に関するシャント電流が使用可能にされ得るように、抵抗器R0−2を横断する電圧降下に応答してターンオンされ得る。
【0055】
内部スイッチQ2−4がターンオンされるとき、制御電流は、セルCELL−4の正極端子から抵抗器R0−4、内部スイッチQ2−4、及び抵抗器R0−3を通ってセルCELL−4の負極端子に流れることを可能にされ得る。従って、電圧降下が、抵抗器R0−4を横断して生成され得る。放出制御スイッチQ1−4は、セルCELL−4に関するシャント電流が使用可能にされ得るように、抵抗器R0−4を横断する電圧降下に応答してターンオンされ得る。
【0056】
この時間多重アルゴリズムを使用することによって、隣接のセルのシャント電流は、交互に使用可能にされ得る。従って、電流方向の衝突は、回避され得る。例えば、抵抗器R0−1を流れる制御電流を考察する。TS1という符号で分類された時刻スロットにおいて、制御電流は、セルCELL−1のシャント経路を導通状態にするように、セルCELL−1の正極端子から抵抗器R0−1を通ってセルCELL−1の負極端子に流れる(制御装置901に流れ込む)。TS2という符号で分類された時刻スロットにおいて、制御電流は、セルCELL−2のシャント経路を導通状態にするように、セルCELL−2の正極端子から抵抗器R0−1を通ってセルCELL−2の負極端子に流れる(制御装置901から流れ出す)。
【0057】
一実施例において、各時刻スロットの長さは、5[ms]のように、比較的短くて良い。その結果、制御電流の電流方向の衝突が回避され得る一方、第1のグループが提供する不平衡状態のセルと第2のグループが提供する不平衡状態のセルは、実質的に同時にバランスがとられ得る。
【0058】
上述の時間多重化アルゴリズムは、異なる構成を有することができる様々な種類のセルバラシング回路によって使用され得ると共に、図9の例において示された構成に限定されない。
【0059】
図11は、本発明の一実施例による電池管理システム1100を例証する。図9と同じ符号で分類された構成要素は、同様の機能を有している。
【0060】
電池管理システム1100は、電池パック1106内の複数のセルCELL−1〜CELL−Nを充電するための充電器1102と、セルCELL−1〜CELL−Nを監視すると共に、不平衡状態を検出するための監視回路1104と、図10において例証された時間多重アルゴリズムを使用してセルCELL−1〜CELL−Nのバランスをとるための制御装置910とを備える。セルCELL−1〜CELL−Nは、複数のグループ、例えば奇数の番号が付与されたセルを含む第1のグループ及び偶数の番号が付与されたセルを含む第2のグループに分類され得る。一実施例において、制御装置910は、更に、セルCELL−1〜CELL−Nにそれぞれ連結された複数のシャント経路を導通状態にするように複数の内部スイッチQ2−1〜Q2−Nを制御するための内部スイッチ制御ユニット912を備え得る。図11の例において、監視回路1104は、制御装置910の外に実装される。別の実施例において、監視回路1104は、制御装置910の中側に構築され得る。
【0061】
動作中、充電器1102は、セルCELL−1〜CELL−Nを充電する。不平衡状態は、充電中に発生する可能性がある。監視回路1104は、状態、例えば各セルのセル電圧を監視すると共に、監視された情報を制御装置910に送信する。一実施例において、もしセルの電圧が所定のしきい値より大きいならば、セルは不平衡状態である。代替実施例において、もしセルの電圧と同じ電池パックにおける別のセルの電圧との間の差異が所定のしきい値より大きいならば、セルは不平衡状態である。
【0062】
制御装置910は、第1のグループが提供する不平衡状態のセルと第2のグループが提供する不平衡状態のセルのバランスを交互にとるために、図10において例証された時間多重化アルゴリズムを使用し得る。一実施例において、不平衡状態のセルのバランスをとるために、制御装置910は、シャント電流を使用可能にするように、対応するシャント経路を導通状態にすることができる。一実施例において、制御装置910は、抵抗器を横断する電圧降下を生成するために、抵抗器、例えば抵抗器R0−1〜R0−Nを通って流れる制御電流を使用可能にするように、内部スイッチ、例えば内部スイッチQ2−1〜Q2−Nをターンオンし得る。対応する放出制御スイッチ、例えばシャント経路内の放出制御スイッチQ1−1〜Q1−Nは、シャント経路が導通状態にされ得るように、電圧降下に応答してターンオンされ得る。
【0063】
図12は、本発明の一実施例による複数のセルのバランスをとるための方法のフローチャート1200を例証する。図12は、図10及び図11と組み合わせて説明される。図12の例において、電池充電中のセルバランシングが例証される。しかしながら、本発明におけるセルバランシングは、電池の放電段階及び電池のスタンバイ段階のような多くの他の動作段階で使用され得る。
【0064】
ブロック1202において、充電器1102は、複数のセルCELL−1〜CELL−Nを充電し始める。不平衡状態は、充電中に発生する可能性がある。ブロック1204において、各セルが、例えば監視回路1104によって監視される。監視された情報は、制御装置910に送信される。ブロック1206において、制御装置910は、セルが他のセルと不平衡状態にあるかどうかを判定し得る。一実施例において、もしセルの電圧が所定のしきい値より大きいならば、セルは不平衡状態である。別の実施例において、もしセルの第1のセル電圧と別のセルの第2のセル電圧との間の電圧差異が所定のしきい値より大きいならば、セルは不平衡状態である。
【0065】
もしバランスをとる必要があるセルが存在しないならば、フローチャート1200は、各セルを監視し続けるように、ブロック1204に戻る。もしセル、例えばセルCELL−iのバランスをとる必要があるならば、フローチャート1200は、セルCELL−iが、第1のグループに属しているか、または第2のグループに属しているかを判定するために、ブロック1208に進行する。制御装置910は、セルCELL−iが、第1のグループに属しているか、または第2のグループに属しているかの判定に基づいて、図10において例証された時間多重化アルゴリズムを使用してセルのバランスをとることができる。ブロック1208において、もしセルCELL−iが第1のグループに属しているならば(例えば、iが奇数であるとき)、フローチャート1200は、ブロック1210に進行すると共に、セルCELL−iのためのバランス用時刻TBALANCEに、図10においてTS1という符号で分類された時刻スロットのような、第1の一連の離散時刻スロットが割り当てられる。ブロック1208において、もしセルCELL−iが第2のグループに属しているならば(例えば、iが偶数であるとき)、フローチャート1200は、ブロック1212に進行すると共に、セルCELL−iのためのバランス用時刻TBALANCEに、図10においてTS2という符号で分類された時刻スロットのような、第2の一連の離散時刻スロットが割り当てられる。第1の一連の離散時刻スロットと第2の一連の離散時刻スロットは、相互に排他的である。フローチャート1200は、バランス用時刻TBALANCEにおいてセルCELL−iのバランスをとるために、ブロック1214に進行する。
【0066】
一実施例において、セルCELL−iのバランスをとるために、セルCELL−iに連結されたシャント経路は、シャント経路を流れるシャント電流を使用可能にするように、導通状態にされる。ブロック1216において、セルCELL−iは、セルCELL−iに関するバランシングが終了したかどうかを判定するために、例えば監視回路1104によって監視される。もしセルCELL−iがまだバランスをとる必要があるならば、フローチャート1200は、各セルを監視し続けるためにブロック1204に戻る。もしセルCELL−iが他のセルとバランスがとられたならば、フローチャート1200は、セルCELL−iに関するバランシングを終了するためにブロック1218に進行する。続いて、フローチャート1200は、各セルを監視し続けるために、ブロック1204に戻ることができる。
【0067】
有利に、本発明の一実施例によれば、そのコストが削減され得るように、シャント経路を制御するための余分なピンは省略される。更に、電流方向の衝突は、時間多重化アルゴリズムを使用することによって回避され得る。その結果として、一実施例において、複数のセルは、単一の制御装置によって、実質的に同時にバランスがとられ得る。一実施例において、セルバランシング回路は、電池の充電状態、電池の放電状態、またはスタンバイ状態において、使用され得る。
【0068】
ここで使用されたそれらの用語及び表現は、限定ではなく、記述の用語として使用され、そのような用語及び表現の使用において、示されると共に説明されたあらゆる特徴(またはその一部分)と同等なものを除外する意図はなく、そして様々な修正物が請求項の範囲内で可能であることが認識される。他の修正物、変化物、及び代替物が、同様に可能である。従って、請求項は、全てのそのような等価物を包含することを意図している。
【符号の説明】
【0069】
102 第1のセル
103 第2のセル
106、108、112 抵抗器
110 制御装置
101、114 電流制限抵抗器
104、116 放出(bleeding)制御スイッチ
210 制御装置
212、216 内部スイッチ
214 内部スイッチ制御ユニット
300 電気システム
302 機能モジュール
304 電池パック
400 セルバランシング回路
401 電流制限抵抗器
404 放出(バランス)制御スイッチ
406 第2の抵抗器
408 第1の抵抗器
410 制御装置
412 電流シンク制御ユニット
414 電流調整器(内部電流シンク)
500 セルバランシング回路
504 放出制御スイッチ
510 制御装置
512 電流ソース制御ユニット
513 電源Vcc
514 定電流調整器(内部電流ソース)
610 制御装置
612 電流シンク制御ユニット
614−1〜614−N 電流調整器(電流シンク)
710 制御装置
712 電流ソース制御ユニット
714−1〜714−N 電流調整器(電流ソース)
718 電源Vcc
900 セルバランシング回路
910 制御装置
912 内部スイッチ制御ユニット
1100 電池管理システム
1102 充電器
1104 監視回路
1106 電池パック
CELL−1〜CELL−N セル
Q1−1〜Q1−N 放出制御スイッチ
Q2−1〜Q2−N 内部スイッチ
Rc−1〜Rc−N 抵抗器
R0−0〜R0−N 抵抗器
BAT0〜BATN 端子
CB1、CB2 専用のピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセル、及び前記第1のセルに隣接する第2のセルのバランスをとるためのセルバランシング回路であって、前記セルバランシング回路が、
前記第1のセルのシャント電流を使用可能にするための、前記第1のセルに並列に連結された第1のシャント経路と、
前記第2のセルのシャント電流を使用可能にするための、前記第2のセルに並列に連結された第2のシャント経路と、
前記第1のシャント経路及び前記第2のシャント経路に連結されると共に、もし前記第1のセルと前記第2のセルとが不平衡状態であるならば、前記第1のシャント経路及び前記第2のシャント経路を交互に導通状態にするように動作可能な制御装置と
を備えることを特徴とするセルバランシング回路。
【請求項2】
前記制御装置が、
第1の一連の離散時刻スロットにおいて、前記第1のシャント経路を導通状態にするように動作可能であると共に、
第2の一連の離散時刻スロットにおいて、前記第2のシャント経路を導通状態にするように動作可能であり、
前記第1の一連の離散時刻スロットと前記第2の一連の離散時刻スロットが、相互に排他的である
ことを特徴とする請求項1に記載のセルバランシング回路。
【請求項3】
前記制御装置が、
第1の時刻スロットにおいて、前記第1のシャント経路を導通状態にし、前記第2のシャント経路を遮断状態にするように動作可能であると共に、
第2の時刻スロットにおいて、前記第1のシャント経路を遮断状態にし、前記第2のシャント経路を導通状態にするように動作可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のセルバランシング回路。
【請求項4】
前記制御装置が、
その中を通って第1の制御電流が流れることを可能にすることによって、前記第1のシャント経路の導通状態を制御するための、前記第1のシャント経路に連結された第1のスイッチと、
その中を通って第2の制御電流が流れることを可能にすることによって、前記第2のシャント経路の導通状態を制御するための、前記第2のシャント経路に連結された第2のスイッチとを備え、
前記制御装置が、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとを交互にターンオンするように動作可能である
ことを特徴とする請求項1に記載のセルバランシング回路。
【請求項5】
前記第1のシャント経路と前記第1のスイッチとの間に連結された第1の抵抗器を更に備え、
前記第1の抵抗器に電圧降下を生じさせるように、前記第1の制御電流が、前記第1の抵抗器を通って流れると共に、
前記第1のシャント経路の導通状態が、前記電圧降下によって決定される
ことを特徴とする請求項4に記載のセルバランシング回路。
【請求項6】
前記第1のシャント経路が、放出制御スイッチを備えると共に、
前記放出制御スイッチの導通状態が、前記電圧降下によって決定される
ことを特徴とする請求項5に記載のセルバランシング回路。
【請求項7】
第1のセル、及び前記第1のセルに隣接する第2のセルを含む複数のセルを充電するための充電器と、
前記セルを監視すると共に、前記セルの不平衡状態を検出するための、前記セルに連結された監視回路と、
前記セルのバランスをとるための、前記監視回路に連結されたセルバランシング回路とを備え、
前記セルバランシング回路が、
前記第1のセルのシャント電流を使用可能にするための、前記第1のセルに並列に連結された第1のシャント経路と、
前記第2のセルのシャント電流を使用可能にするための、前記第2のセルに並列に連結された第2のシャント経路と、
前記第1のシャント経路及び前記第2のシャント経路に連結されると共に、もし前記第1のセルと前記第2のセルとが不平衡状態であるならば、前記第1のシャント経路及び前記第2のシャント経路を交互に導通状態にするように動作可能な制御装置とを備える
ことを特徴とする電池管理システム。
【請求項8】
前記制御装置が、
第1の一連の離散時刻スロットにおいて、前記第1のシャント経路を導通状態にするように動作可能であると共に、
第2の一連の離散時刻スロットにおいて、前記第2のシャント経路を導通状態にするように動作可能であり、
前記第1の一連の離散時刻スロットと前記第2の一連の離散時刻スロットが、相互に排他的である
ことを特徴とする請求項7に記載の電池管理システム。
【請求項9】
前記制御装置が、
第1の時刻スロットにおいて、前記第1のシャント経路を導通状態にし、前記第2のシャント経路を遮断状態にするように動作可能であると共に、
第2の時刻スロットにおいて、前記第1のシャント経路を遮断状態にし、前記第2のシャント経路を導通状態にするように動作可能である
ことを特徴とする請求項7に記載の電池管理システム。
【請求項10】
前記制御装置が、
その中を通って第1の制御電流が前記第1のセルの正極端子から前記第1のセルの負極端子へ流れることを可能にすることによって、前記第1のシャント経路の導通状態を制御するための、前記第1のシャント経路に連結された第1のスイッチと、
その中を通って第2の制御電流が前記第2のセルの正極端子から前記第2のセルの負極端子へ流れることを可能にすることによって、前記第2のシャント経路の導通状態を制御するための、前記第2のシャント経路に連結された第2のスイッチとを更に備え、
前記制御装置が、前記第1のスイッチと前記第2のスイッチとを交互にターンオンするように動作可能である
ことを特徴とする請求項7に記載の電池管理システム。
【請求項11】
前記第1のシャント経路と前記第1のスイッチとの間に連結された第1の抵抗器を更に備え、
前記第1の抵抗器に電圧降下を生じさせるように、前記第1の制御電流が、前記第1の抵抗器を通って流れると共に、
前記第1のシャント経路の導通状態が、前記電圧降下によって決定される
ことを特徴とする請求項10に記載の電池管理システム。
【請求項12】
前記第1のシャント経路が、放出制御スイッチを備えると共に、
前記放出制御スイッチの導通状態が、前記電圧降下によって決定される
ことを特徴とする請求項11に記載の電池管理システム。
【請求項13】
複数のセルのバランスをとるための方法であって、
前記複数のセルを第1のグループと第2のグループに分類するステップと、
前記複数のセルの不平衡状態を監視するステップと、
前記第1のグループが提供する第1の複数の不平衡状態のセルに関するシャント電流と、前記第2のグループが提供する第2の複数の不平衡状態のセルに関するシャント電流とを、交互に使用可能にするステップと
を含み、
前記第1のグループが提供する各セルが、前記第2のグループが提供する少なくとも1つのセルに隣接する
ことを特徴とする方法。
【請求項14】
第1の一連の離散時刻スロットにおいて、前記第1のグループが提供する前記第1の複数の不平衡状態のセルのバランスをとるステップと、
第2の一連の離散時刻スロットにおいて、前記第2のグループが提供する前記第2の複数の不平衡状態のセルのバランスをとるステップとを更に含み、
前記第1の一連の離散時刻スロットと前記第2の一連の離散時刻スロットが、相互に排他的である
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1の一連の離散時刻スロットにおいて、それぞれが前記第1のグループが提供する前記第1の複数の不平衡状態のセルに連結された複数のシャント経路を導通状態にするステップと、
第2の一連の離散時刻スロットにおいて、それぞれが前記第2のグループが提供する前記第2の複数の不平衡状態のセルに連結された複数のシャント経路を導通状態にするステップとを更に含み、
前記第1の一連の離散時刻スロットと前記第2の一連の離散時刻スロットが、相互に排他的である
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
第1のセルに対応する第1の制御電流と、第2のセルに対応する第2の制御電流を、交互に使用可能にするステップと、
前記第1の制御電流に応答して、前記第1のセルに連結された第1のシャント経路を導通状態にするステップと、
前記第2の制御電流に応答して、前記第2のセルに連結された第2のシャント経路を導通状態にするステップと
を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の制御電流によって前記第1のシャント経路に連結された抵抗器に電圧降下を生じさせるステップを更に含み、
前記第1の制御電流が、前記抵抗器を通って流れる
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1のシャント経路を導通状態にするために、前記電圧降下に応答して、前記第1のシャント経路内の放出制御スイッチをターンオンするステップを更に含む
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
もし前記セルの電圧が所定のしきい値より大きいならば、セルが不平衡状態であると判定するステップを更に含む
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
もし前記セルの第1のセル電圧と別のセルの第2のセル電圧との間の電圧差が所定のしきい値より大きいならば、セルが不平衡状態であると判定するステップを更に含む
ことを特徴とする請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−187534(P2010−187534A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−27845(P2010−27845)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(500521843)オーツー マイクロ, インコーポレーテッド (138)
【Fターム(参考)】