説明

セルラー方式モバイルネットワークにおけるメディア転送のためのWLANの利用方法

【課題】UMA(Unlicensed Mobile Access)を利用可能な移動端末間における通信を扱う際に、メディアが移動体通信システムのMGWを通して流れることを避ける。
【解決手段】セルラー方式モバイルネットワークにおけるメディア転送のために、WLANを利用する。通信ネットワークは、第一の交換ノードと、第二の交換ノードと、ゲートウェイ交換ノードと、前記WLANを利用可能な第一の移動端末にサービスを提供する第一のWLAN APと、前記WLANを利用可能な第二の移動端末にサービスを提供する第二のWLAN APとを有する。前記第一のWLAN APと前記第二のWLAN APは、例えば、DTAP設定メッセージへ、メディア転送がWLAN APから直接行われても良いことを示すLMT命令を挿入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、WLANを利用可能な第一の移動端末とWLANを利用可能な第二の移動端末との間の呼を設定するための通信ネットワークを操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の通信のすう勢は、移動電話や移動データサービスに対して、無線LAN(Wireless Local Area Network:WLAN)を用いることである。WLANは、電話、データサービスなどに対し、これらに限られないが以下のものを含む、様々な方法で適用されている。
【0003】
−WLANを介したIPマルチメディア・サブシステム(IP Multimedia Subsystem:IMS)アクセス:IMS加入者は、IMSネットワークへのアクセスするために、WLANを介してIP接続を得ることができる。IMSネットワークへのアクセスは、IMSサービスを要求するのに用いられる。ユーザは、従って音声呼や他のIMSサービスを確立することができる。
【0004】
−Unlicensed Mobile Access(UMA)/Generic Access Network(GAN):この方法は、GSM加入者がGSMコアネットワークへのアクセス方法として、GSMコアネットワークへアクセスするため、GSM Radio Access Network(RAN)を用いる代わりに、WLANを用いることを必要とする。
【0005】
上記両方の場合において、WLANアクセスは通常、デジタル加入者回線(Digital Subscriber Line:DSL)やケーブルモデムのような一般的なIP転送メカニズムによって拡張されるであろう。WLANを適用する上述の方法は、移動端末からのシグナリング及びメディア転送と移動端末へのシグナリングとメディア転送の両方において共通点を有し、WLANが転送メディアとして用いられる。シグナリングは、‘制御プレーン’により搬送され、メディアは、‘ユーザプレーン’により搬送される。
【0006】
UMAが適用された際に、UMAが可能なGSM端末に対するシグナリングとメディア転送は、GSMコアネットワークを介して送られる。これは、とりわけ、シグナリング(制御プレーン)が端末とMSCサーバとの間で実行し、メディア搬送(ユーザプレーン)が端末とメディアゲートウェイ(MGW)との間で実行することを要求する。そこでメディア搬送は、UMAを用いる際に、常に対応するGMSオペレータのGSMコアネットワークにおけるMGWを介して実行するであろう。しかしながら、例えば以下の場合では、メディアがGSMコアネットワークを介して転送されることは望ましくない。
【0007】
−企業施設におけるUMAの利用:従業員は、UMAアクセスを備える携帯電話を有する。従業員がお互いの間で呼を確立する際に、メディア搬送がGSMコアネットワークを介して実行することは必ずしも必要ではない。
【0008】
−都市範囲のカバレッジを有するWLANのためのUMAの利用:公共のWLANネットワークのユーザは、近接した人との呼を確立する。メディアは、この場合のMGWを介して伝搬する必要は必ずしも無い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明の目的は、UMAを利用可能な移動端末間における通信を扱う際に、メディアが移動体通信システムのMGWを通して流れることを避けることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、WLANを利用可能な第一の移動端末とWLANを利用可能な第二の移動端末との間の呼を設定するための通信ネットワークを動作させる方法であって、前記通信ネットワークは、第一の交換ノードと、第二の交換ノードと、ゲートウェイ交換ノードと、前記WLANを利用可能な第一の移動端末にサービスを提供する第一のWLAN APと、前記WLANを利用可能な第二の移動端末にサービスを提供する第二のWLAN APとを有し、
前記第一のWLAN APは、DTAP設定メッセージへ、メディア転送が直接前記第一のWLAN APから行われることを示す局所的メディア転送(LMT)指示を挿入し、
前記第一の交換ノードは、前記第一のWLAN APから前記第一のDTAP設定メッセージを受信し、
前記第一の交換ノードは、前記LMT指示を呼確立メッセージに含ませ、前記ゲートウェイ交換ノードへ前記呼確立メッセージを送信し、
前記ゲートウェイ交換ノードは、前記第一の交換ノードから前記呼確立メッセージを受信し、前記第二の交換ノードへ前記呼確立メッセージを送信し、
前記第二の交換ノードは、前記ゲートウェイ交換ノードから前記呼確立メッセージを受信し、
前記第二の交換ノードは、前記LMT指示を第二のDTAP設定メッセージに含ませ、前記第二のDTAP設定メッセージを前記第二のWLAN APへ送信し、
前記第二のWLAN APは、前記第二のDTAP設定メッセージを受信し、
前記第二のWLAN APは、前記第二のWLAN APが局所的メディア転送の使用を承諾すれば、肯定応答LMT指示を第一の呼確認メッセージに挿入し、
前記第二のWLAN APは、前記第一の呼確認メッセージを前記第二の交換ノードへ送信し、
前記第二の交換ノードは、前記第一の呼確認メッセージを前記第二のWLAN APから受信し、
前記第二の交換ノードは、前記肯定応答LMT指示を情報メッセージへ含ませ、前記情報メッセージを前記ゲートウェイ交換ノードへ送信し、
前記ゲートウェイ交換ノードは、前記情報メッセージを前記第二の交換ノードから受信し、前記情報メッセージを前記第一の交換ノードへ送信し、
前記第一の交換ノードは、前記情報メッセージを前記ゲートウェイ交換ノードから受信し、
前記第一の交換ノードは、前記肯定応答LMT指示を第二の呼確認メッセージへ挿入し、前記第二の呼確認メッセージを前記第一のWLAN APへ送信し、
前記第一のWLAN APは、前記第二のWLAN APへの、そして、前記第二のWLAN APからのメディア転送のために、前記第二のWLAN APから受信した前記肯定応答LMT指示に含まれた情報を用い、
前記第二のWLAN APは、前記第一のWLAN APへの、そして前記第一のWLAN APからのメディア転送のために、前記第一のWLAN APから受信した前記LMT指示に含まれた情報を用いる
ことを特徴とする方法が提供される。
【0011】
実施形態において、前記LMT指示は、
局所的メディア転送が、前記呼に対して前記第一のWLAN APにより提供されたことを示すブーリアン値と、
前記第一のWLAN APと関連付けられたIPアドレスと、
前記第一のWLAN APと関連付けられたポート番号と
のうち、少なくとも一つを有する。
【0012】
前記肯定応答LMT指示は、
局所的メディア転送が、前記呼に対して前記第二のWLAN APにより受け入れられたことを示すブーリアン値と、
前記第二のWLAN APと関連付けられたIPアドレスと、
前記第二のWLAN APと関連付けられたポート番号と
のうち、少なくとも一つを有する。
【0013】
実施形態によると、前記ゲートウェイ交換ノードが、前記第一の交換ノードと同じPLMNに属する場合に限り、前記第一の交換ノードは、前記LMT指示を前記呼確立メッセージへ含ませる。
【0014】
実施形態によると、前記ゲートウェイ交換ノードが、前記第二の交換ノードと同じPLMNに属する場合に限り、前記第二の交換ノードは、前記LMT指示を前記第二のDTAP設定メッセージへ含ませる。
【0015】
前記通信ネットワークは更に、サービス制御エンティティを有し、
呼び出しノードは、前記LMT指示を有するトリガメッセージを送信することによって前記サービス制御エンティティで実行するINサービスを呼び出し、
INサービスは、前記呼に関連するメディアが、前記第一のWLAN APと前記第二のWLAN APとの間で直接転送されることができるか否かを前記呼び出しノードへ示し、
INサービスは、局所的メディア転送が前記第一のWLAN APと前記第二のWLAN APとの間で起こるか否かの示唆を前記呼び出しノードから受信する。
【0016】
前記呼び出しノードは、前記第一の交換ノード、前記第二の交換ノード、もしくは前記ゲートウェイ交換ノードであってよい。
【0017】
上記に述べられた呼確立メッセージは、BICCプロトコル、もしくはSIPプロトコルを用いて送信されてよい。
【0018】
前記通信ネットワークは、GSM、もしくはUMTSネットワークであってよい。
【0019】
発明の態様によると、WLANを利用可能な第一の移動端末とWLANを利用可能な第二の移動端末との間で呼を設定する通信ネットワークと通信するサービス制御エンティティを動作させる方法であって、
交換ノードからLMT指示を有するINトリガメッセージを受信し、
前記呼に関連したメディアが、第一のWLAN APと第二のWLAN APとの間で直接転送されることができるか否かを、前記交換ノードに指示し、
局所的メディア転送が、前記第一のWLAN APと前記第二のWLAN APとの間で実行するか否かの示唆を、前記交換ノードから受信するようにも提供される。
【0020】
本発明は、移動通信交換局(MSC)のような交換ノードにも関連し、WLANを利用可能な第一の移動端末とWLANを利用可能な第二の移動端末との間の呼を設定する通信ネットワークにおいて用いられる交換ノード(VMSC−A)であって、
前記WLANを利用可能な第一の移動端末は、第一のWLAN APによってサービスを提供され、
前記交換ノードは、
前記第一のWLAN APからLMT指示を有する第一のDTAP設定メッセージを受信し、
前記LMT指示を呼確立メッセージへ含ませ、
前記呼確立メッセージをゲートウェイ交換ノードへ送信するように構成される。
【0021】
本発明は、サービス制御局(SCP)のようなインテリジェント・ネットワークのためのサービス制御エンティティにも関連し、通信ネットワークのユーザにインテリジェント・ネットワークサービスを提供するインテリジェント・ネットワークに対するサービス制御エンティティであって、
交換ノードと接続可能であり、
前記サービス制御エンティティは、
処理部と、
前記処理部に接続された入力部と、
前記処理部に接続された出力部と
を有し、
前記処理部は、
LMT指示を有するINトリガメッセージを交換ノードから受信し、
呼に関連するメディアが、第一のWLAN APと第二のWLAN APとの間で直接転送されることができるか否かを、前記交換ノードに示し、
局所的メディア転送が、前記第一のWLAN APと前記第二のWLAN APとの間で実行するか否かの示唆を前記交換ノードから受信するように構成される。
【0022】
用語“ノード”とは、例えば他の複数の機能ノードと一緒のサーバにおいて実行する機能ノード(機能エンティティ)と同様に、物理的なネットワークノードの両方を含むことを注意されたい。
【0023】
本願発明について、添付図面を参照し、いくつかの例の実施形態を用いてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、発明の実施形態に従う通信ネットワークの一部を概略的に示している。
【図2】図2は、MSCやSCPの構造の簡略化した形式を示している。
【図3】図3は、従来技術に従う移動体通信ネットワークの一部を概略的に示している。
【図4】図4は、2つの移動端末が互いにWLAN関連情報を通信する第一の実施形態に準じた通信ネットワークの一部を示している。
【図5】図5は、2つの移動端末が互いにWLAN関連情報を通信する第二の実施形態に従う通信ネットワークの一部を示している。
【図6】図6は、実施形態に従う呼の設定のためのシグナルシーケンスダイアグラムの例を示している。
【図7】図7は、結果として得られるメディアパスと共にシグナルシーケンスダイアグラムの例を示している。
【図8】図8は、2つの移動端末が互いにWLAN関連情報を通信する第三の実施形態に従う通信ネットワークの一部を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願発明は、例えば移動体通信ネットワークのような通信ネットワークに適用される。本願発明に対するそのような通信ネットワークの要部は、図1に概略的に示されている。図1は、Unlicensed Mobile Access(UMA)を備えるGSM/UMTSネットワークが表現している。GSM/UMTSネットワークは、図1の例のネットワークにおいて、MSCサーバ10、無線ネットワーク制御装置(RNC)12、及びノードB14、16を含む。この例において、GSM/UMTSネットワークは更に、Unlicensed Mobile access Controller(UMC)18とWLANアクセスポイント(WLAN AP)20を含む。CAMELアプリケーション部(CAP)もしくはインテリジェント・ネットワーク(IN)アプリケーション部(INAP)を介してMSCサーバ10との通信を行うサービス制御ポイント(SCP)24が、存在する。図1の例において、WLANアクセス機能とUMA機能を備える2つの移動局(MS)30、31はMSCサーバ10にアクセスするためにWLANを用いる。2つの移動局30、31はそれぞれ、ユーザAとユーザBによって用いられる。
【0026】
図1は、回線交換される(CS)呼が端末30と端末31との間に確立されるところの例を表現している。端末30と端末31はいずれも、同じMSCサーバ10によってサービスを提供され、同じWLAN AP20を介してこのMSCサーバ10にアクセスする、UMAを利用可能な端末である。正規のDTAPシグナリングは、端末30とMSCサーバ10との間、および端末31とMSCサーバ10との間で実行される。なお、この例においてMSCサーバ10は、実際には、3つの部分の機能を有している。
【0027】
−端末30に対する在圏MSC、すなわちMSCサーバ10は、端末30に対する移動体通信発信(MO)MSCとして動作する。この機能は、VMSC−Aとも呼ぶ。
【0028】
−端末31に終端する呼を扱うための端末31に対するゲートウェイMSC。この機能は、GMSC−Bとも呼ぶ。
【0029】
−端末31に対する在圏MSC、すなわちMSCサーバ10は、端末31に対する移動体通信終端(MT)MSCとして動作する。この機能は、VMSC−Bとも呼ぶ。
【0030】
従来のUMA方法は、この呼に対するメディアがWLANを介してWLAN AP20へルーティングされ、そこからUMC18へルーティングされることを暗示している。図1によると、それからUMC18は、メディアをCS−MGW19へ中継するであろう。この場合において、端末30からCS−MGW19へのメディアストリームと、CS−MGW19から端末31へのメディアストリームとがあるだろう。CS−MGW19へのこのメディア転送は、しばしば望ましいものではなく、必ずしも必要でない。
【0031】
発明の実施形態によると、SCP24は、ユーザAとユーザBが同じVPNグループもしくは同じ企業に属するか否か、および端末30と端末31が同じWLAN AP20を介してMSCサーバ10へ接続されているかどうか、を判定するよう構成される。例えば、端末30と端末31が同じWLAN AP20を介して接続されていたら、SCP24は、MSCサーバ10にWLAN AP20へメディアパスを少なくなるように指示する。その結果として、メディアは、もはやCS−MGW19を介して中継されず、WLAN AP20を介して局所的にルーティングされる。この方法は、WLAN AP20とUMC18とCS−MGW19との間で不必要なメディア転送を節約する。端末30と端末31とは同じWLAN APによってサービスを受けないので、メディアをWLAN AP20によりさらに他にルーティングする必要はない。その一方で、呼に関係するシグナリング、すなわちDTAPシグナリングは依然として、通常なものとしてMSCサーバ10を介してルーティングされる。結果として、MSCサーバ10は、完全な呼のコントロールを維持する。
【0032】
MSCサーバ10とSCP24は、図2における簡略化した形式にて示された構造であるネットワークユニット201として実装されると良い。ネットワークユニット201は、入力部202と接続された処理部203を含む。更に、処理部203は、出力部204に接続されている。これらは、処理部203が他のネットワークユニットや通信ネットワークにおける他の要素と通信することを可能にする。処理部203は、汎用の中央処理装置(CPU)や相互接続したCPUの組、もしくはその代わりとして専用の処理部、例えば単一処理部を含むことができる。また、メモリモジュール205が備えられ、データを格納することに用いられ、しかし、様々な処理機能に対し処理部203を用いることを可能とする命令を含むソフトウェアプログラムを格納するようにもできる。例えば、ソフトウェアプログラムの制御下にある一つのネットワークユニット201は、MSCサーバ10の機能と同時にサービス交換機能(SSF)を実行する。
【0033】
呼が確立される際、ユーザA(Aパーティとも呼ぶ)から呼を制御しているINサービスは、ユーザB(Bパーティとも呼ぶ)の位置を判定するのに必要である。この情報は、SCP24がWLAN AP20へ呼のメディア転送を少なくするように、MSCサーバ10に指示できるか否かを判定するのに必要とされる。このBパーティの位置の検出は、いくつかの方法にて実施されても良い。
【0034】
実施形態によると、アクティブ・ロケーション・リトリーバル(Active Location Retrieval)が用いられる。VMSC−Bによって、Bパーティが呼び出される前に、ページングシグナルがVMSC−BからBパーティへ送信される。ページングシグナルの送信は、Bパーティ(例えば、端末31)の現在の位置がVMSC−Bへ報告され、SCP24に利用可能とする効果を有する。
【0035】
他の実施形態によると、VMSC−Bは、VMSC−Aへの逆方向のISDNユーザパート(ISUP)シグナリングにおいて、例えばISUPアドレス完了メッセージ(Adress Complete Message:ACM)やISUP応答メッセージ(Answer Message:ANM)においてのBパーティの位置情報を含む。VMSC−AがISUP ACMやISUP ANMを受信する際に、それは、Bパーティの位置を識別する。この位置は、次にAパーティのSCP24へ報告する(ISUP ACMに対する警告通知、もしくはISUO ANMに対する応答通知において)。
【0036】
MSCサーバ10は、SCP24から、WLAN AP20へメディア転送を少なくするための指示を受信した際、MSCサーバ10は、CS−MGW19にAパーティ(例えば端末30)のMSとBパーティ(例えば、端末31)との間のメディア転送がMGWを介して実行される必要が無いことを通知する。結果として、MGW19は、前記メディア転送に対して、メディア転送リソースを割り当てる必要はない。加えて、MSCサーバ10は、メディア転送がこれらのWLAN APの間で直接実行されるべきであることを、端末30にサービスを提供するWLAN AP(すなわち、WLAN AP20)と端末31にサービスを提供するWLAN AP(この場合、同じWLAN AP20)との間で通知しなければならない。WLAN AP20は、MSCサーバ10からこの指示を有効にした際、AパーティとBパーティとの間のメディアストリームに対するIPプロキシとして動作する。なお、その他の呼に関するシグナリングは依然として、適用できるのであれば、MSCサーバ10とSCP24へ通常ルーティングに続く。従って、MSCサーバ10とSCP24は、適用できるのであれば、呼の完全な制御を維持する。
【0037】
実施形態によると、ベアラ非依存呼制御(Bearer Independent Call Control:BICC)は、メディア転送に対するWLANへのフォールバックを制御するのに用いられる。BICCは、呼の確立を制御するための、例えばGSMのような回路交換網にて用いられる呼制御シグナリング標準である。BICCは、機能的にISUPと比肩される。BICCは、最初はITUによって開発され、後に3GPPによって導入される。BICCの特徴の一つは、“据え置きメディアゲートウェイ選択(deferred Media Gateway selection)”である。この特徴は、図3を参照して説明する。図3において、発信元MSCサーバ301は、TSCサーバ302と呼ばれる次のMSCサーバと通信をしている。発信元MSCサーバ301は、矢印303に示されるように、TSCサーバ302へBICC初期アドレスメッセージ(BICC IAM)を送信する。次に、TSCサーバ302は最適なMGW(この場合はMGW305)を選択する。このMGW305は、PSTN/ISDNネットワーク306に接続される。発信元MSCサーバ301はさらに、RAN308へ接続されるMGWと通信している。据え置きMGW選択により、CS呼に対する最適なMGW選択を促進する。次のMSCサーバ(すなわち、TSCサーバ302)はMGW(すなわち、MGW305)が選択されるまで、発信元MSCサーバ301は、MGWの選択を保留する。この方法において、発信元MSCサーバ301は、TSCサーバ302として同じMGW305を選択することを目的としても良い。ここに、MSCサーバ301は、矢印309にて示されているように、TSCサーバ302からBICCアプリケーション転送機構(APM)メッセージを受信する。次に、MSCサーバ301は、矢印310にて示されているように、MGW(すなわち、MGW307)を選択し、MGW307へ設定要求を送信するであろう。最後に、MGW307は、311に示されているように、MGW305に向かってベアラ確立を開始する。理想的な場合では、MSCサーバ301によって選択されたMGW307は、TSCサーバ302によって選択されたMGW305のように同じMGWである。
【0038】
実施形態によると、“据え置きMGW選択(deferred MGW selection)”の新しいタイプは、移動体機器から移動体機器への呼に対する、第一のWLAN APと第二のWLAN APとの間に適用される。これによりそれぞれのWLAN AP(WLAN AP−AおよびWLAN AP−Bと呼ぶ)に、MGWを介して横断することなく、互いにメディアがそれらの間で中継されることを互いに指示することが可能になる。
【0039】
図4は、本発明の実施形態に係るMS−A401とMS−B402との間のメディア転送の例を示している。この例において、いわゆるWLAN AP−A機能とWLAN AP−B機能は、一つかつ同じWLAN AP403を実装されているとする。MS−A401は、WLAN AP403とUMC405とを介して在圏MSC404(VMSC−Aと呼ぶ)と接続している。第二の移動局402は、図4で示されているように、WLAN403とUMC407とを介して在圏MSC406VMSC−Bと呼ぶ)と接続している。VMSC−A404とVMSC−B406との両方が、ゲートウェイMSC−B(GMSC−B)408と通信する。メディア転送に対するWLANを用いるための、WLAN AP−AとWLAN AP−Bとの間のコミットメントは、DTAPへの機能強化とBICCへの機能強化の手段により達成される。MS−A401は、VMSC−A404に向かってDTAP設定メッセージを送信することによって、呼を確立する際に、このDTAP設定メッセージは、WLAN AP−AとUMC405を通る。WLAN AP−Aは、DTAP設定メッセージへ、メディア転送がWLAN AP−Aから直接行われることを示す指示を挿入することによって、DTAP設定メッセージを拡張する。この指示は、局所的メディア転送(local media transfer:LMT)指示と呼ばれ、TRUE値が設定されるブーリアン値であっても良い。指示は、WLAN AP−Aに対応するIPアドレスやポート番号を含んでいても良い。IPアドレスやポート番号は、WLAN AP−Aへ、あるいはWLAN AP−Aからのメディア転送に対するWLAN AP−Bによって用いられても良い。(機能強化された)DTAP設定メッセージは、UMC−A405を通る。DTAP設定メッセージにおけるLMTの存在のため、メディア転送は、WLAN AP間にて直接中継可能であることがわかっているため、VMSC−A404は、MS−A401へ、あるいはMS−A401からのメディア転送に対してMGWを割り当てる必要はなく(すなわち、VMSC−A404はMGWの選択を保留するだろう)、遠隔のWLAN APからの肯定応答を保留する。VMSC−A404は、GMSC−B408とVMSC−B406に向かってBICC IAMにLMT指示をセットするであろう。VMSC−B406は、MS−B402へ向かうDTAPセットアップメッセージにLMT指示をセットする。メディア転送は、直接WLAN AP間で中継されるだろうから、VMSC−B406は、MS−B402へ、あるいはMS−B402からのメディア転送に対してMGWを割り当てない。VMSC−B406からMS−B402へ送られるDTAP設定メッセージは、UMC−B407とWLAN AP−Bを通る。WLAN AP−Bは、MS−BへDTAP設定を転送するのに先立って、DTAP設定からLMT指示を削除する。WLAN AP−Bは、DTAP設定メッセージのLMT指示を受信することによって、WLAN AP−Aが局所的メディア転送を提供していたことを、このときに知る。この実施形態において、MS−B402は、従来の携帯端末であり、調整を必要としない。MS−B402は、逆方向、すなわちVMSC−B406に向かってDTAP呼確認メッセージを送信することによって、呼確立要求の受信を確認する。DTAP呼確認メッセージは、WLAN AP−BとUMC−B407を通る。WLAN AP−BがWLAN AP−Aから局所的メディア転送を受け付けたなら、次に、WLAN AP−Bは、WLAN AP403にて統合的に具体化された図4の例において、メディア転送が直接WLAN AP−AとWLAN AP−Bとの間で起こることを示す肯定応答LMT指示をDTAP呼確認メッセージに挿入することによって、DTAP呼確認メッセージを拡張する。肯定応答LMT指示は、WLAN AP−Bと関連付けられたIPアドレスとポート番号とを含むこともできる。IPアドレスとポート番号は、WLAN AP−Bへ、あるいはWLAN AP−Bからのメディア転送に対してWLAN AP−Aによって用いられることもできる。VMSC−B406は、拡張されたDTAP呼確認メッセージの受信時に、VMSC−A404にBICCベアラ情報メッセージを渡すGMSC−B408へBICCベアラ情報メッセージを送信する。VMSC−B406は、このBICCベアラ情報メッセージに肯定応答LMT指示を含む。VMSC−A404はWLAN AP−Aに向かってDTAP呼確認メッセージを送信する。このDTAP呼確認メッセージは、DTAP呼確認メッセージにおける前記応答確認LMT指示を受信することによって、UMC−A405を通る。WLAN AP−Aは、WLAN AP−Bが局所的メディア転送を受け付けたことを、このときに認識する。
【0040】
警告メッセージと応答メッセージの次の処理は、当業者に知られるように行われるであろう。応答メッセージは、MS−B402からMS−A401へ送信される際に、以下のメディアパスが確立される。
【0041】
(1)MS−A401は、前記WLAN AP−Aへ、あるいはWLAN AP−Aからのメディア転送のためにWLAN接続を用いる。
【0042】
(2)WLAN AP−Aは、WLAN AP−Bへ、あるいはWLAN AP−Bからのメディア転送のためにWLAN AP−Bから受信した肯定応答LMT指示において含まれるIPアドレスとポート番号を用いる。
【0043】
(3)WLAN AP−Bは、WLAN AP−Aへ、あるいはWLAN AP−Aからのメディア転送のためにWLAN AP−Aから受信したLMT指示に含まれるIPアドレスとポート番号を用いる。
【0044】
(4)MS−B402は、WLAN AP−Bへ、あるいはWLAN AP−Bからのメディア転送のためにWLAN AP−BとのWLAN接続を用いる。
【0045】
VMSC−A404は、GMSC−B408がVMSC−A404と同じPLMNに属していないか、もしくはMS−B402がVMSC−A404と同じPLMNに属していないかを確かめることができる。そのような場合において、VMSC−A404は、BICC IAMにLMT指示を含む。GMSC−B408は、呼がGMSC−B408の呼よりも他のPLMNから発信されるか、もしくはMS−A401がGMSC−B408と同じPLMNに属していないかを確かめることができる。そのような場合において、VMSC−B406は、DTAP設定メッセージにおいてLMT指示を含まないように決定することができる。上記の場合において、局所的メディア転送は、WLAN AP−Bへ提供されることはないだろう。呼確立は、例えば、据え置きMGW選択のような先行技術に定義されているような方法にフォールバックし、これによりメディア転送は依然として、MGWを介して実行する。
【0046】
WLAN AP−B403が局所的メディア転送をサポートしないのであれば、DTAP呼確認メッセージに肯定応答LMT指示を含まないであろう。代わりに、WLAN AP−B403は、局所的メディア転送をサポートできるかもしれないが、DTAP呼確認メッセージに肯定応答LMT指示を含まない場合において、何らかの理由で、この呼に対する局所的メディア転送を受け付けできないか、もしくは受け付けないと判定するかもしれない。そのような場合、逆方向DTAPシグナリングとBICCシグナリングとは、肯定応答LMT指示を含んでいない。呼確認は、据え置きMGW選択のような先行技術に定義されているようなMGWへと逆戻りする。
【0047】
更に本願発明の実施形態において、MS−AとMS−Bとの間の呼確立はインテリジェント・ネットワーク(IN)サービスを前提としている。INサービスは、VMSC−A404と、GMSC−B408と、VMSC−Bとのうちの1つ以上でにて呼び出される。メディアがWLAN AP−A403とWLAN AP−B403との間で中継されることを示すLMT指示は、VMSC−A404、GMSC−B408、およびVMSC−B406の間でBICCシグナリングを介して転送される。INサービスが呼の制御をしていた際に、INサービスが要求されたMSCは、LMT指示をINサービスへ報告することができる。これは、INサービスが局所的メディア転送を許可するか否かの判定を手助けする。もしINサービスが、局所的メディア転送は許可されないと決定したら、そのときINサービスは、BICCシグナリングからLMT指示を削除する。呼確立は次に、正規の保留されたMGW選択へフィードバックするであろう。
【0048】
メディアに対するWLANによる中継は、図5に示されているように、AパーティとBパーティが異なるWLAN APへアタッチされている際にも、適用できる。図5において、第一の移動局501は、WLAN AP503とUMC504を介してVMSC−A502に信号を送る。第二の移動局505は、WLAN AP507とUMC508を介してVMSC−B506に信号を送る。VMSC−A502とVMSC−B506のいずれもがGMSC−B509と通信している。PLMNオペレータは、2つのWLAN AP503、507が同じ企業に属する場合に、メディアが2つのWLAN AP503、507の間で転送されるポリシーを適用することができる。他のポリシーは、WLAN AP503、507が同じUMCに接続されなければならないかもしれない。図5において、呼に関するシグナリング(DTAP)は、RANを介して転送される。メディアは、図5の破線にて示されているように、2つのWLAN AP503、507を介して転送される。
【0049】
図6は、実施形態に係る呼を設定するためのシグナルシーケンス図の例を示している。図6を見ても分かるように、LMT指示は、WLAN AP−Bの方向にBICC IAMメッセージとDTAP設定メッセージを送信することによって、転送される。もしWLAN AP−Bが、局所的メディア転送を用いるであろうことを決定していたら、WLAN AP−Aに肯定応答LMT指示を送信するであろう。一度、WLAN AP−AとWLAN AP−Bのいずれもが、局所的メディア転送を用いるとコミットされると、接続は、図6から分かるように、連続メッセージ、警告メッセージ、および応答メッセージの送信によって、確立されるであろう。
【0050】
図7は、図6によって示されたシグナリングの結果であるメディアパスと共にシグナルシーケンス図の例を示している。
【0051】
本願発明は、今までのところ、メディアに対するWLAN中継がUMAと組み合わせて用いられることを提案している。メディアに対するWLAN中継は、しかしながら、図8に示すように、標準RAN/UTRANと組み合わせても用いられる。図8は、標準UMTS UTRANを介して、UE−A801(すなわち、ユーザAのユーザ機器)と呼ばれる第一のUMTS端末とVMSC−B806の間と、UE−B805と呼ばれるUMTS端末とVMSC−B806の間とのDTAPシグナリングを反映している。UE−A801とUE−B805は、WLAN AP810、811に示されているように、WLANアクセスも有する。図8は、ユーザ機器801、805と無線ネットワークとの間のAPを形成するノードB803とノードB807も示している。図8は更に、2つの無線ネットワーク制御装置(RNC)804、808も示し、一つのRNCは1以上のノードBを制御することができる。図4と図5とを参照して述べられた方法と同様で、UE−A801とUE−B805は、LMT指示を互いに交換できる。実施形態において、UE−A801は、WLAN AP−A810を介してIP接続を確立する。UE−A801は、メディアがUE−A801へ転送されるWLAN AP−A810を介して、IPアドレスとポート番号を受信する。UE−Aが呼を確立する際に、IPアドレスとポート番号を有するLMT指示をDTAP設定メッセージに含むであろう。LMT指示ひいてはIPアドレスとポート番号は、UE−B805へ転送され、UE−B805がUE−A801へのメディアの転送に対するIPアドレスとポート番号を用いることを容易にするであろう。
【0052】
UE−B805は、WLAN AP−B811を介してIP接続を確立する。UE−B805は、メディアがUE−B805へ転送されるWLAN AP−B811を介して、IPアドレスとポート番号を受信する。UE−B805は呼を受信する際に、IPアドレルとポート番号とを有する肯定応答LMT指示をDTAP呼確認メッセージへ含める。肯定応答LMT指示ひいてはIPアドレスとポート番号は、UE−A801へ転送され、UE−A801がUE−B805へのメディアの転送に対するIPアドレスとポート番号を用いることを容易にするであろう。呼のメディアコンポーネント、すなわちユーザプレーンは現在、WLAN AP810、811それぞれを介して中継されることが可能である。この実施形態によると、呼に関するシグナリング(DTAP)は、図8の太線に示されているように、UTRANを介して転送され、メディアは、図8の破線に示されているように、WLAN APを介して転送される。もしWLANインフラが、例えば企業自身のWLANインフラである場合、その結果、これはより低い通話料へと導くことになる。さらにこの実施形態の利点は、オペレータがUMAを展開する必要がない。従って、WLANを介するメディア転送の利点は、少ない投資で実現することができる。
【0053】
一つのWLAN APにおける局所的、もしくは2つのWLAN間のメディアストリームの接続は、メディアストリームとの対話が要求されないことが必要である。対話が要求されることができる例は、以下の通りである。
【0054】
・合法的遮断:まず、企業の施設内におけるユーザ間で確立される呼は、合法的遮断がなされるべきではない。とはいえ、必要であれば、合法的遮断は常にこれらの場合に対して可能とされるべきである。次に、(1)合法的遮断が適用されるための呼は、WLAN APにおいて局所的に接続されるべきでなく、(2)合法的遮断が呼に対し要求される際に、例えば、MSCサーバ10がドロップバック(drop back)を取り消すようにWLAN APへ指示するべきであり(言い換えれば、WLAN APが再度MGWを介して呼をルーティングするように指示されるべきであり)、(3)WLAN APは、AパーティとBパーティからメディアストリームを二重化し、エンティティを記録する合法的遮断にこれらのメディアストリームを送信する指示を取得すべきである。
【0055】
・ユーザ対話:告知が、呼の間に行われることを必要であるかもしれない。この場合、MSCサーバ10は、WLAN APへ、CS−MGW19を介して一時的に呼を接続するための指示を与えることができる。
【0056】
本願発明は、いくつかの例の実施形態を参照して上記に述べた。当業者に対し明らかであるように、添付した請求項に定義されている本願発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更や補正を行うことができる。
【0057】
[略語の説明]
ACM アドレス完了メッセージ
BICC ベアラ非依存呼制御
CAMEL 移動体網高度ロジック向けカスタム化アプリケーション
CAP CAMEL応用部
CS 回線交換される
GMSC 関門移動通信交換局
GSM Global System for Mobile Communications
IAM 初期アドレスメッセージ
IN インテリジェント・ネットワーク
INAP INアプリケーション部
ISDN サービス総合デジタル網
ISUP ISDNユーザ部
LAN ローカル・エリア・ネットワーク
MS 移動局
MSC 移動通信交換局
SCP サービス制御局
SIP セッション開始プロトコル
SSF サービス交換機能
UE ユーザ機器
UMA Unlicensed Mobile Access
UMC Unlicensed Mobile access Controller
WLAN 無線LAN


【特許請求の範囲】
【請求項1】
WLANを利用可能な第一の移動端末とWLANを利用可能な第二の移動端末との間の呼を設定するための通信ネットワークを動作させる方法であって、
前記通信ネットワークは、
第一の交換ノード(404、502、802)と、
第二の交換ノード(406、509、806)と、
ゲートウェイ交換ノード(408、509、809)と、
前記WLANを利用可能な第一の移動端末にサービスを提供する第一のWLAN APと、
前記WLANを利用可能な第二の移動端末にサービスを提供する第二のWLAN APと
を有し、
前記第一のWLAN APは、DTAP設定メッセージへ、メディア転送が直接前記第一のWLAN APから行われることを示す局所的メディア転送(LMT)指示を挿入し、
前記第一の交換ノードは、前記第一のWLAN APから前記第一のDTAP設定メッセージを受信し、
前記第一の交換ノードは、前記LMT指示を呼確立メッセージに含ませ、前記ゲートウェイ交換ノードへ前記呼確立メッセージを送信し、
前記ゲートウェイ交換ノードは、前記第一の交換ノードから前記呼確立メッセージを受信し、前記第二の交換ノードへ前記呼確立メッセージを送信し、
前記第二の交換ノードは、前記ゲートウェイ交換ノードから前記呼確立メッセージを受信し、
前記第二の交換ノードは、前記LMT指示を第二のDTAP設定メッセージに含ませ、前記第二のDTAP設定メッセージを前記第二のWLAN APへ送信し、
前記第二のWLAN APは、前記第二のDTAP設定メッセージを受信し、
前記第二のWLAN APは、前記第二のWLAN APが局所的メディア転送の使用を承諾すれば、肯定応答LMT指示を第一の呼確認メッセージに挿入し、
前記第二のWLAN APは、前記第一の呼確認メッセージを前記第二の交換ノードへ送信し、
前記第二の交換ノードは、前記第一の呼確認メッセージを前記第二のWLAN APから受信し、
前記第二の交換ノードは、前記肯定応答LMT指示を情報メッセージへ含ませ、前記情報メッセージを前記ゲートウェイ交換ノードへ送信し、
前記ゲートウェイ交換ノードは、前記情報メッセージを前記第二の交換ノードから受信し、前記情報メッセージを前記第一の交換ノードへ送信し、
前記第一の交換ノードは、前記情報メッセージを前記ゲートウェイ交換ノードから受信し、
前記第一の交換ノードは、前記肯定応答LMT指示を第二の呼確認メッセージへ挿入し、前記第二の呼確認メッセージを前記第一のWLAN APへ送信し、
前記第一のWLAN APは、前記第二のWLAN APへの、そして、前記第二のWLAN APからのメディア転送のために、前記第二のWLAN APから受信した前記肯定応答LMT指示に含まれた情報を用い、
前記第二のWLAN APは、前記第一のWLAN APへの、そして前記第一のWLAN APからのメディア転送のために、前記第一のWLAN APから受信した前記LMT指示に含まれた情報を用いる
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記LMT指示は、
局所的メディア転送が、前記呼に対して前記第一のWLAN APにより提供されたことを示すブーリアン値と、
前記第一のWLAN APと関連付けられたIPアドレスと、
前記第一のWLAN APと関連付けられたポート番号と
のうち、少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記肯定応答LMT指示は、
局所的メディア転送が、前記呼に対して前記第二のWLAN APにより受け入れられたことを示すブーリアン値と、
前記第二のWLAN APと関連付けられたIPアドレスと、
前記第二のWLAN APと関連付けられたポート番号と
のうち、少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ゲートウェイ交換ノードが、前記第一の交換ノードと同じPLMNに属する場合に限り、前記第一の交換ノードは、前記LMT指示を前記呼確立メッセージへ含ませることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ゲートウェイ交換ノードが、前記第二の交換ノードと同じPLMNに属する場合に限り、前記第二の交換ノードは、前記LMT指示を前記第二のDTAP設定メッセージへ含ませることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記通信ネットワークは更に、サービス制御エンティティを有し、
呼び出しノードは、前記LMT指示を有するトリガメッセージを送信することによって前記サービス制御エンティティで実行するINサービスを呼び出し、
前記INサービスは、前記呼に関連するメディアが、前記第一のWLAN APと前記第二のWLAN APとの間で直接転送されることができるか否かを前記呼び出しノードへ示し、
前記INサービスは、局所的メディア転送が前記第一のWLAN APと前記第二のWLAN APとの間で起こるか否かの示唆を前記呼び出しノードから受信する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記呼び出しノードは、前記第一の交換ノード、前記第二の交換ノード、もしくは前記ゲートウェイ交換ノードであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記呼確立メッセージは、BICCプロトコル、もしくはSIPプロトコルを用いて送信されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記通信ネットワークは、GSM、もしくはUMTSネットワークであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
WLANを利用可能な第一の移動端末とWLANを利用可能な第二の移動端末との間で呼を設定する通信ネットワークと通信するサービス制御エンティティを動作させる方法であって、
交換ノードからLMT指示を有するINトリガメッセージを受信し、
前記呼に関連したメディアが、第一のWLAN APと第二のWLAN APとの間で直接転送されることができるか否かを、前記交換ノードに指示し、
局所的メディア転送が、前記第一のWLAN APと前記第二のWLAN APとの間で実行されるか否かの示唆を、前記交換ノードから受信する
ことを特徴とする方法。
【請求項11】
WLANを利用可能な第一の移動端末とWLANを利用可能な第二の移動端末との間の呼を設定する通信ネットワークにおいて用いられる交換ノード(VMSC−A)であって、
前記WLANを利用可能な第一の移動端末は、第一のWLAN APによってサービスを提供され、
前記交換ノードは、
前記第一のWLAN APからLMT指示を有する第一のDTAP設定メッセージを受信し、
前記LMT指示を呼確立メッセージへ含ませ、
前記呼確立メッセージをゲートウェイ交換ノードへ送信する
ように構成されることを特徴とする交換ノード。
【請求項12】
通信ネットワークのユーザにインテリジェント・ネットワークサービスを提供するインテリジェント・ネットワークに対するサービス制御エンティティであって、
交換ノード(10)と接続可能であり、
前記サービス制御エンティティは、
処理部(24)と、
前記処理部(203)に接続された入力部(203)と、
前記処理部(203)に接続された出力部(204)と
を有し、
前記処理部(203)は、
LMT指示を有するINトリガメッセージを交換ノードから受信し、
呼に関連するメディアが、第一のWLAN APと第二のWLAN APとの間で直接転送されることができるか否かを、前記交換ノードに示し、
局所的メディア転送が、前記第一のWLAN APと前記第二のWLAN APとの間で実行されるか否かの示唆を前記交換ノードから受信する
ように構成されることを特徴とするサービス制御エンティティ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−239215(P2012−239215A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−167543(P2012−167543)
【出願日】平成24年7月27日(2012.7.27)
【分割の表示】特願2010−522833(P2010−522833)の分割
【原出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】