セルラ通信システム、セルラネットワークコントローラ、無線加入者通信ユニット、コンピュータプログラム、および方法
【課題】セルラ通信システム、セルラネットワークコントローラ、無線加入者通信ユニット、コンピュータプログラム、および方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの通信セルを有する無線通信システムにより実行する方法であって、ネットワークコントローラにより応答を要求する要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、前記無線加入者通信ユニットにより、前記要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信され、前記ネットワークコントローラにより、特定の通信セルで前記レイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のうち1つを実行する方法。
【解決手段】少なくとも1つの通信セルを有する無線通信システムにより実行する方法であって、ネットワークコントローラにより応答を要求する要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、前記無線加入者通信ユニットにより、前記要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信され、前記ネットワークコントローラにより、特定の通信セルで前記レイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のうち1つを実行する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブロードキャスト及びマルチキャスト伝送に関するフィードバックを取得するシステム、装置及び方法に関する。本発明は、E−UTRAN(Evolved UMTS(Universal Mobile Telecommunication System) Terrestrial Radio Access Network)でマルチメディアブロードキャスト及びマルチキャストサービス(MBMS:multimedia broadcast and multicast service)を起動したユーザに関するフィードバックを取得することに適用可能であるが、これに限定されない。E−UTRANは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で現在標準化されている。に関する。
【背景技術】
【0002】
無線スペクトルは貴重であり、特に、できるだけ多くのマルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービスをユーザに提供し、これによって広範囲のサービスの選択肢を移動電話ユーザ(しばしば加入者と呼ばれる)に提供するために、スペクトル効率の良い伝送技術が必要である。マルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービスは、通常の地上波テレビ/ラジオ伝送と同様に、セルラネットワークで伝達され得ることが知られている。
【0003】
拡張通信サービスを提供するために、第3世代のセルラ通信システムは、広範囲の異なる拡張サービスをサポートするように設計されている。1つのこのような拡張サービスは、マルチメディアブロードキャスト及びマルチキャストサービス(MBMS)である。移動電話及び他のハンドヘルド装置を介して受信可能なマルチメディアサービスの需要は、今後の数年間で急速に増大することになる。通信されるデータコンテンツの性質のため、マルチメディアサービスは、高帯域を必要とする。
【0004】
UMTSのMBMS(Mobile Broadcast and Multicast Service)のように、セルラシステムでマルチメディアサービスを配信する技術は、過去数年間に開発されている。MBMSサービス及びアプリケーションの例は、マルチメディア放送(すなわち、モバイルTV、オーディオ、ビデオ等)を含む。
【0005】
効率的な伝送を実現するために、3GPP移動通信システムのMBMS配信について2つの配信モードが規定されている。マルチメディアサービスの提供で典型的で最もコスト効率の良い手法は、マルチメディア信号をユニキャスト(すなわち、ポイント・ツー・ポイント)方式で送信するのではなく、マルチメディア信号を‘ブロードキャスト’することである。ユニキャスト方式では、特定のUEへの専用の無線ベアラが提供される。MBMS技術は、セルラ/移動通信システムでコンテンツサーバ(しばしばデータソースと呼ばれる)から複数の宛先ユーザ端末(UE)にデータトラヒックを伝送するように設計される。従って、典型的には、例えば、ニュース、映画、スポーツ等を伝達する数十ものチャネルが通信ネットワークで同時にブロードキャストされ得る。
【0006】
配信モードの決定は、ネットワークコントローラのサービスエリアでサービスを起動したユーザの数に基づいて、ネットワークコントローラで行われる。サービスを起動したUEの数が所定の閾値より大きい場合、p−t−m伝送が選択されて使用される。そうでない場合、サービスは、p−t−p無線ベアラで配信される。これは、参加ユーザの数に従ってMBMSデータコンテンツを配信する効率を最適化するために行われる。或る場合には、選択は、特定のサービスの潜在的な関心で行われることがある。すなわち、ネットワークコントローラがサービス提供されるUEに対して特定のMBMSに関心があるか否かを問い合わせ、応答に応じて、(p−t−p又はp−t−m)伝送配信モードが選択される。従って、サービスに関心のあるユーザの数が所定の閾値未満である場合、p−t−pモードが無線効率が良いため、使用される。しかし、所定の閾値は、主に使用される無線技術の機能であり、ほとんどの実用的な展開シナリオでは、セル内に2又は3人のユーザ未満であるように構成される。
【0007】
サービスエリアでのMBMSサービスの配信モードの選択は、“カウンティング(counting)”手順と呼ばれる。ネットワークコントローラは、MCCH(Main Control Channel)で下りリンク(DL:downlink)チャネルのカウンティング要求メッセージを送信することにより、カウンティング手順を開始する。特に、カウンティング手順の間に、レイヤ3の信号がネットワークコントローラとUEとの間の通信に使用される。UEが起動した特定のMBMSサービスについてカウンティング手順が進行中であることをUEが検出すると、UEは、ランダムアクセスチャネル(RACH:random access channel)でカウンティング応答メッセージをネットワークコントローラに送信することにより、カウンティング要求に応答する。セルで特定のサービスを起動した(又は特定のサービスに関心のある)多くのユーザが存在し得るため、RACHでの同時のカウンティング応答の数がRACHリソースを過負荷にすることがある。これは、他の(非MBMS)ユーザによるRACHアクセスに影響を及ぼし、これは、リソースの効率的な提供に問題になる。
【0008】
RACHは競合型アクセスチャネルであり、RACHに使用される物理チャネルリソースは、ネットワークで規定され、システム情報と共にセルでブロードキャストされる。従って、RACHチャネル情報は、システム内のUEに知られている。UEがネットワークと通信する必要があるが、UEがネットワークにより使用される専用リソースを割り当てられていない場合、UEはRACHチャネルを使用する。従って、RACHでのUEのアクセスはランダムであり、RACHチャネルで衝突/競合を生じることがある。
【0009】
多数のカウンティング応答によるRACHの輻輳を回避するため、ネットワークコントローラは、UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)のカウンティング手順中にアクセス制御を実行してもよい。これは、アクセス確率係数を使用したアクセス優先付け機構を使用する。アクセス確率係数が大きい場合、UEは、カウンティング応答を提示するためのRACHアクセスの高い機会を有する。従って、アクセス確率係数は、カウンティング要求メッセージと共にMCCHでUEに送信される。全てのUEはMCCHを読み取る。2つの異なるアクセス確率係数が以下のように規定されている。
(i)access_probability_factor_idle(アイドル状態のUEにより使用される)
(ii)access_probability_factor_connected(接続状態のUE(すなわち、URA_PCH、CELL_PCH又はCELL_FACH状態でアクティブであるもの)により使用される)
カウンティング応答メッセージはまた、UEの状態(すなわち、RRC_connected又はRRC_Idle)に応じて2つの形式になる。RRC_Idle状態のUEは、ネットワークに接続しておらず、‘MBMS受信(MBMS reception)’に設定された確立理由(指示)で無線リソース接続(RRC:radio resource connection)を確立することにより、カウンティング要求に応答する。RRC_ConnectedのUEは、ネットワークに接続しており、従って、‘MBMS受信’に設定された確立理由(指示)でセル更新メッセージを送信するように構成される。
【0010】
従って、これらの状態に応じて、接続中及びアイドルのUEは、RACHアクセスについてaccess_probability_factor_idle又はaccess_probability_factor_connectedを使用する。通常では、access_probability_factor_connectedは、access_probability_factor_idleより高い確率のアクセスを提供する(接続状態のUEは、既にネットワークに接続しているため、ネットワークへの早い応答を送信することができるため)。
【0011】
図1を参照すると、UMTSにおいてNode−Bを介して無線ネットワークコントローラ(RNC:Radio Network Controller)102からUE150にMBMSリソースを割り当てる既知の機構が示されている。RNC102及びNode−Bは、周知のOSIモデルの様々なレベル(例えば、レイヤ1の無線インタフェースシグナリング112、レイヤ2の媒体アクセス制御シグナリング110、レイヤ2のリソースリンク制御108及びレイヤ3のシグナリング106)でシグナリングを処理することができる複数の論理要素を有するものとして図示されている。同様に、UE150は、通信リンクの加入者エンドで、周知のOSIモデルの様々なレベル(例えば、レイヤ1の無線インタフェースシグナリング152、レイヤ2の媒体アクセス制御シグナリング154、レイヤ2のリソースリンク制御156及びレイヤ3のシグナリング158)でシグナリングを処理することができる論理要素を有する。シグナリング通信に使用される様々なレイヤは、図1から自明であるため、更にここでは説明しない。
【0012】
既知の処理は、無線リソース管理(RRM:radio resource management)104が指示116をレイヤ3のシグナリングに送信することにより、特定のMBMSサービスのカウンティング動作100を開始する決定を行うことで始まる。RRCカウンティング要求(RRC−CR:RRC−counting request)メッセージ118の後に、MMCHでのRRC−CRメッセージ120が続き、次に、MBMSトランスポートチャネル(MCH:MBMS transport channel)でのRRC−CRメッセージ122が続く。
【0013】
RRC−CRメッセージ124は、無線インタフェースを通じてUE150に送信され、UE150で受信されて処理される。無線インタフェース(レイヤ1)のシグナリングメッセージは、MCHでのRRC−CRメッセージ160に変換され、次に、MCCH(MBMS制御チャネル)でのRRC−CRメッセージ162に変換される。UEでのレイヤ3のRRC−CRメッセージ164の受信に続いて、UEがカウンティング手順に関心があるか否かの判定166が行われ得る。
【0014】
これに応じて、UEは、レイヤ3のRRC接続要求(RRC−CoR:RRC−connection request)メッセージを開始し、続いてレイヤ2のRRC−CoRメッセージ170、172が続き、RACHアクセス175を要求する。RRC−CoRメッセージ176は、RACHでレイヤ1のシグナリングに送信され、無線インタフェースのRRC−CoRメッセージ126がネットワークコントローラ102に送信される。ネットワークコントローラ102は、無線インタフェースのRRC−CoRメッセージ126を受信し、CCCHでのレイヤ2のRRC−CoRメッセージ128及びレイヤ2のRRC−CoRメッセージ130を介して、RRM104の許可制御ロジック134への許可制御メッセージ132と共にこれを処理する。
【0015】
RRM104の許可制御134は、指示136をレイヤ3のシグナリングに送信する。RRC接続設定(RRC−CS:RRC−connection setup)メッセージ138に続いて、個別制御チャネル(DCCH:dedicated control channel)140でのRRC−CSメッセージが続き、次に、個別トランスポートチャネル(DCH:dedicated transport channel)142でのRRC−CSメッセージが続く。
【0016】
次に、RRC−CSメッセージ178は、無線インタフェースを通じてUE150に送信され、UE150で受信されて処理される。無線インタフェース(レイヤ1)のシグナリングメッセージは、DCHでのRRC−CSメッセージ180に変換され、次に、DCCHでのRRC−CSメッセージ182に変換される。UEでのレイヤ3のRRC−CSメッセージ184の受信に続いて、UEは、(RRC−CS内で)ネットワークにより指示された無線ベアラを設定し、レイヤ3RRC接続設定完了(RRC−RC:RRC−connection setup complete)メッセージ185を開始し、これに続いてレイヤ2のRRC−CCメッセージ190、192を開始する。無線インタフェースのRRC−CCメッセージ194は、ネットワークコントローラ102に送信される。ネットワークコントローラ102は、無線インタフェースのRRC−CCメッセージ194を受信し、DCH及びDCCHでのレイヤ2のRRC−CCメッセージ144、146及びRRM104へのレイヤ2のRRC−CCメッセージ148を介してこれを処理する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、前述のように、UTRANで使用される既知のカウンティング手順は複雑であり、無線インタフェースでUEとネットワークコントローラとの間で大量のシグナリングを必要とする。これは、非効率な無線リソース使用を生じる。
【0018】
前述の複雑な手順の1つの問題は、UTRANで使用されるカウンティング手順が、所定のセル内のユーザ数に基づいてMBMSサービスの伝送モード(ポイント・ツー・ポイント(p−t−p)及びポイント・ツー・マルチポイント(p−t−m))を決定するように設計されているという事実から生じている。従って、ネットワークコントローラがp−t−mモードから又はp−t−mモードに切り替えてリソースの使用を継続的に最適化するために、セル内のユーザ数が所定の閾値より大きいか否かを正確に示す必要がある。
【0019】
p−t−p伝送モードの使用は、MBMSの提供の複雑性を増加させるだけでなく、実用的な展開シナリオのほとんどでp−t−mモードより限られた性能利得を有し、或いは性能利得が存在しない。特に、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA:orthogonal frequency division multiple access)型の単一周波数ネットワーク(SFN:Single Frequency Network)で当てはまり、OFDMA型SFNは、次世代通信システム(E−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network))のため、現在3GPPで標準化されている。
【0020】
E−UTRANは、単一周波数ネットワークを使用し、全ての基地局は時間同期している。従って、同じ信号は、サービスエリア内の複数のセルから送信され得る。サービスエリアは1つより多くのセルを含んでもよい。時間同期したセルからの同じ信号の送信は、信号の無線上の合成を生じるため、受信信号エネルギーを増加させ、従って、UEで良好な受信を提供する。
【0021】
従って、現在の技術は次善である。従って、セルラネットワークでブロードキャスト伝送をサポートする問題に対処する改善した機構が有利である。特に、UTRA TDDシステムでブロードキャスト伝送の提供を可能にして、既存のUTRA−TDDシステムと共存するシステムが有利である。
【0022】
従って、本発明は、前述の欠点のうち1つ以上を単独で又は何らかの組み合わせで緩和、軽減又は除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの通信セルを有する無線通信システムでブロードキャストサービスに関係する1つ以上の無線加入者通信ユニットからフィードバックを取得する方法が提供される。この方法は、ネットワークコントローラにより、要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、無線加入者通信ユニットにより、要求メッセージを受信して処理し、少なくとも1つの無線加入者通信ユニットにより、要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、ネットワークコントローラにより、特定の通信セルでレイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること及び(ii)その通信セルでブロードキャストサービスの配信を変更することのうち1つを実行する。
【0024】
有利には、前述の方法は、非常に少ない量の更なるシグナリングトラヒックのみでMBMSを起動したユーザを検出する簡単な複雑でない手順を提供し得る。従って、この方法は、効率的な無線リソースの使用方法を提供し得る。
【0025】
前述の方法は、ユーザフィードバックを受信する簡単な複雑でない手順を提供し得る。フィードバックに基づいて、サービス配信は、満たされた知覚品質で複数のユーザへのマルチメディアサービスの提供をサポートするように変更されてもよい。
【0026】
本発明の任意選択の特徴によれば、個別アクセス情報は、カウンティング応答に使用される個別シグニチャ系列(dedicated signature sequence)を有してもよい。
【0027】
本発明の任意選択の特徴によれば、要求メッセージは、1つ以上の無線加入者通信ユニットがブロードキャストサービスを受信しているか否か又は受信することに関心があるか否かを特定するために、ネットワークコントローラにより送信されてもよい。ブロードキャストサービスを受信している場合又は受信することに関心がある場合に、レイヤ1の応答信号は、要求メッセージに応じて無線加入者通信ユニットにより送信されてもよい。
【0028】
本発明の任意選択の特徴によれば、レイヤ1の応答信号は、非同期RACHのプリアンブル部分で送信されるレイヤ1の応答信号を有してもよい。非同期RACHは、一式の指定のRACHリソースからランダムに選択されてもよい。
【0029】
このように、この方法は、E−UTRANの実装でアイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方に共通の手順を提供し得る。
【0030】
本発明の任意選択の特徴によれば、個別アクセス情報は、確率係数を有してもよい。この方法は、要求メッセージでネットワークコントローラから複数の無線加入者通信ユニットに確率係数を送信し、これに応じて非同期RACHを選択することを更に有してもよい。
【0031】
このように、この手順は、かなりの上りリンク負荷を生成しなくてもよい。更に、この手順は、RACHでの輻輳を生成することを回避し、従って、他のRACHユーザに影響を及ぼさなくてもよい。
【0032】
本発明の任意選択の特徴によれば、個別アクセス情報は、マルチキャスト/ブロードキャストサービスに関心のある無線加入者通信ユニットのみが個別アクセス情報を受信することができるように、暗号化又は保護されてもよい。
【0033】
このように、この方法は、何らかの潜在的な無線リソース攻撃に対する保護を提供し得る。
【0034】
本発明の任意選択の特徴によれば、ネットワークコントローラは、レイヤ1の応答信号を受信したことに応じて、肯定応答を送信してもよい。
【0035】
本発明の任意選択の特徴によれば、複数のブロードキャストサービスの間で複数のレイヤ1の複数の応答信号を時間多重することが使用されてもよい。
【0036】
本発明の任意選択の特徴によれば、無線加入者通信ユニットが加入したブロードキャストサービスを復号するのに弱すぎる信号を受信している場合、レイヤ1の応答信号は、無線加入者通信ユニットにより要求メッセージに応じて送信されてもよい。
【0037】
本発明の任意選択の特徴によれば、通信システムは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)セルラ通信システムである。通信システムは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)型Evolved−UTRANセルラ通信システムである。
【0038】
本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つの通信セルと、少なくとも1つの通信セルで動作可能であり、少なくとも1つのネットワークコントローラから信号を受信するように構成された1つ以上の無線加入者通信ユニットとを有するセルラ通信システムが提供される。少なくとも1つのネットワークコントローラは、1つ以上の無線加入者通信ユニットに要求メッセージを送信するように構成される。少なくとも1つの無線加入者通信ユニットは、要求メッセージを受信して処理し、要求メッセージに応じて、レイヤ1の応答信号を送信し、ネットワークコントローラは、特定の通信セルでレイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること及び(ii)その通信セルでブロードキャストサービスの配信を変更することとのうち1つを実行する。
【0039】
本発明の第3の態様によれば、トランシーバと、トランシーバに動作可能に結合され、1つ以上の無線加入者通信ユニットに要求メッセージを送信するように構成された処理ロジックとを有するセルラネットワークコントローラが提供される。トランシーバは、特定の通信セルから要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を受信して処理するように構成され、これに応じて、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること及び(ii)その通信セルでブロードキャストサービスの配信を変更することのうち1つを実行する。
【0040】
本発明の第4の態様によれば、ネットワークコントローラから要求メッセージを受信するように構成されたトランシーバと、トランシーバに動作可能に結合され、要求メッセージを処理するように構成された処理ロジックとを有する無線加入者通信ユニットが提供される。トランシーバは、これに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、レイヤ1の応答信号の送信に応じてブロードキャスト伝送を受信するように構成される。
【0041】
本発明の前記及び他の態様、特徴及び利点は、以下に記載の実施例から明らかになり、実施例を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】UMTSにおけるカウンティング手順の既知の機構
【図2】本発明の或る実施例に従って適合された3GPPセルラ通信システム
【図3】本発明の或る実施例に従って適合された無線通信ユニット
【図4】本発明の或る実施例に従ってE−UTRANでMBMSを起動したユーザを検出する機構
【図5】本発明の或る実施例に従って受信機でのエネルギーを検出する機構
【図6】本発明の或る実施例に従ってMBMSサービスの間でシグニチャ系列を時間多重する例
【図7】本発明の或る実施例に従って使用される物理アクセスリソースのプール
【図8】本発明の或る実施例に従ってカウンティング手順で見られるシグナリングフロー
【図9】本発明の或る実施例に従ったネットワークコントローラの動作
【図10】本発明の或る実施例に従ったUEの動作のフローチャート
【図11】本発明の或る実施例に従ったUEの動作のフローチャート
【図12】本発明の或る実施例に従ったUEの動作のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の実施例について、添付図面を参照して一例のみとして説明する。
【0044】
以下の詳細な説明は、Evolved UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)セルラ通信システム、特に3GPP(3rd generation partnership project)システムのE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)に適用可能な本発明の実施例に焦点を当てる。しかし、本発明は、この特定のセルラ通信システムに限定されず、他のセルラ通信システムにも適用され得ることがわかる。
【0045】
従って、本発明の発明者は、ネットワークコントローラによるカウンティング手順の提供は、必ずしもp−t−p及びp−t−m伝送モードの間の選択又は遷移の決定に必要であるとは限らないことがあることを認識及び評価した。しかし、本発明の発明者はまた、簡単なカウンティング手順が所定のセルに何らかの受信者が存在するか否かを検出するために必要であることも認識及び評価した。従って、ここに記載の本発明の概念は、データは‘空’のセルで送信される必要がないため、受信者の人数がまばらな場合に局所的なMBMSサービスのかなり効率的な伝送を可能にする。
【0046】
本発明に関して、以下で使用される‘ブロードキャストサービス’という用語は、UMTSで規定されている以下のサービスの定義の双方を含むことを意図する。
【0047】
(i)ブロードキャストサービス:関連のブロードキャストサービスエリアでデータが単一のソースから複数のUEに効率的に送信される一方向のポイント・ツー・ポイントサービスである。ブロードキャストサービスは、UEのローカルで特定のブロードキャストサービスを可能にし、サービスで定められたブロードキャストエリアにいる全てのユーザにより受信され得る。
【0048】
(ii)マルチキャストサービス:関連のマルチキャストサービスエリアでデータが単一のソースから複数のグループに効率的に送信される一方向のポイント・ツー・マルチポイントサービスである。マルチキャストサービスは、特定のマルチキャストサービスに加入しており、特定のサービスに関連するマルチキャストグループに参加したユーザのみにより受信され得る。
【0049】
従って、ブロードキャストサービスを受信するために、ユーザは、UEで受信機を起動する必要がある。マルチキャストサービスを受信するために、ユーザはサービスグループに参加する必要がある。
【0050】
まず図3を参照すると、本発明の好ましい実施例に従って、無線通信ユニット(しばしば、セルラ通信に関して移動加入者ユニット(MS)と呼ばれる)が図示されている。
【0051】
MS300は、好ましくはMS300内で受信チェーンと送信チェーンとの間の隔離を提供するデュプレックスフィルタ又はアンテナスイッチ304に結合されたアンテナ302を含む。
【0052】
当業者に既知のように、受信チェーンは、(事実上、受信、フィルタリング及び中間又はベースバンド周波数変換を提供する)受信フロントエンド回路306を含む。フロントエンド回路306は、信号処理機能308に直列に結合される。信号処理機能308からの出力は、スクリーン又は平面パネルディスプレイのような適切な出力装置に提供される。受信チェーンはまた、受信信号強度インジケータ(RSSI:received signal strength indicator)回路312を含み、次に、受信信号強度インジケータ312は、全体の加入者ユニットの制御を維持管理するコントローラ314に結合される。従って、コントローラ314は、回復した情報からビット誤り率(BER:bit error rate)又はフレーム誤り率(FER::frame error rate)を受信してもよい。コントローラ314はまた、受信フロントエンド回路306及び信号処理機能308(一般的にデジタルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processor)により実現される)に結合される。コントローラはまた、動作体制(復号化/符号化機能、同期パターン、コード系列、RSSIデータ、受信信号の到達方向等)を選択的に格納するメモリ装置316に結合される。
【0053】
本発明の好ましい実施例によれば、メモリ装置316は、MS300によりSMS形式で要求され、信号処理機能308により処理された構成/プロファイル情報を格納する。更に、タイマ318は、コントローラ314に動作可能に結合され、特にSMS構成メッセージの送信及び/又は応答に関して、自動的に又はユーザ入力に応じて、MS300内の動作タイミング(時間依存の信号の送信又は受信)を制御する。
【0054】
送信チェーンに関して、これは、送信/変調回路322及び電力増幅器324を通じてアンテナ302に直列に結合された入力装置320(キーパッド等)を基本的に含む。送信/変調回路322及び電力増幅器324は、コントローラ314に動作可能に応答し、従って、MS300の構成で使用される双方向SMSメッセージ/要求の送信で使用される。
【0055】
送信チェーンの信号処理機能308は、受信チェーンのプロセッサと異なるものとして実装されてもよい。代替として、図3に示すように、送信及び受信チェーンの双方の処理を実装するために、単一のプロセッサ308が使用されてもよい。明らかに、MS300内の様々な構成要素は、個別又は統合の構成要素の形式で実現され得るため、最終的な構成は、単に用途に特化したもの又は設計上の選択である。
【0056】
本発明の好ましい実施例によれば、受信フロントエンド回路306は、信号処理機能308、メモリ装置316、タイマ機能318及びコントローラ314と共に、また、これらの制御及び指示のもとで、MS300の構成で双方向SMSメッセージ/要求を受信して処理するように適合される。
【0057】
更に、本発明の好ましい実施例によれば、送信/変調回路322は、信号処理機能308、メモリ装置316、タイマ機能318及びコントローラ314と共に、また、これらの制御及び指示のもとで、MS300の構成で双方向SMSメッセージを処理して送信するように適合される。
【0058】
有利には、本発明の実施例は、MBMSで使用されるカウンティング手順のためにレイヤ1のシグナリングを使用することを提案する。特に、本発明の実施例は、特定のMBMSサービスに関心のあるユーザによるカウンティング応答メッセージの送信手段として、非同期RACHのプリアンブル部分を使用することを提案する。レイヤ1のシグナリングを使用する結果として、UEは、ネットワークへの接続を確立する必要がない。従って、記載の手順は、シグナリング遅延、シグナリングオーバーヘッドを低減し、ネットワークへのUEの接続状態に拘らず適用され得る。
【0059】
一実施例では、カウンティング手順は、ネットワークによる動作要求のユーザフィードバック(応答)として考えられてもよい。ここでは、ネットワークは、ユーザに対して、特定のMBMSサービスを受信する意思についてネットワーク(コントローラ)に通知するように要求する。関心のあるユーザは、レイヤ1のメッセージ内で暗示的に(すなわち、例えば非同期RACHチャネルのプリアンブル部分内で暗示的に)サービスを受信する意思を送信する。従って、この手順は、レイヤ1のシグナリング型ユーザフィードバック機構として一般的に記載されてもよい。
【0060】
本発明は、3GPPで標準化での活動が進行中であるE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)に関して記載されるが、本発明に記載の方法は、何らかのセルラ通信システムで特定のMBMSサービスについて関心のある又は特定のMBMSサービスを起動したユーザを検出することが望ましい場合に常に適用され得ることが考えられる。
【0061】
本発明の一実施例では、ネットワークコントローラは、MCCH又は同様のMBMS関係の制御チャネルでカウンティング要求メッセージを送信することにより、カウンティング手順を開始する必要がある。カウンティング応答メッセージは、非同期ランダムアクセスチャネル(RACH)で関心のあるUEにより送信される。2つの種類のRACHがE−UTRANシステムで規定されている点に留意すべきである。同期RACHは、プリアンブルに続いてメッセージペイロードを含む。非同期RACHでは、シグニチャ系列(signature sequence)のみがプリアンブル部分で送信される。非同期RACHでは、UEはネットワークコントローラに対して上りリンクで時間同期しないが、同期RACHでは、UEはネットワークコントローラと時間同期する。
【0062】
本発明の一実施例では、アイドルモードのUEと接続モードのUEとの双方は、必要な場合に常に、非同期RACHにアクセスすることができる。
【0063】
シグニチャ系列を伝達するプリアンブル部分は、RACHバーストで送信される。RACHバーストは、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)型上りリンクで時間及び周波数に関する物理リソースにより規定される。標準は、システムで使用される複数のRACH時間/周波数チャネルを規定する。UEは、プリアンブルを送信するために、規定されたRACHチャネルセットからRACHチャネルをランダムに選択する。本発明の一実施例では、通常のRACHアクセスの間に、プリアンブルは、一式の利用可能なプリアンブルの1つからUEにより選択されてもよい。
【0064】
本発明の或る実施例によれば、カウンティング要求メッセージは、MBMSサービスIDを含んでもよく、カウンティング手順は、UEによるカウンティング応答に使用される個別アクセス情報も同様に必要としてもよい。カウンティング要求メッセージを受信した後に、特定のMBMSサービスを受信することに関心のあるUEは、割り当てられた個別アクセスを使用してカウンティング応答メッセージを送信することにより、カウンティング要求に応答する。
【0065】
本発明の一実施例によれば、個別アクセス情報は、プリアンブル系列として非同期RACHアクセスに使用される特定のシグニチャ系列の形式になってもよい。従って、この実施例では、カウンティング応答は、単に割り当てられた個別シグニチャ系列(すなわち、非同期RACHのプリアンブル部分)の送信でもよい。全ての関心のあるUEは、非同期RACHプリアンブルバーストで割り当てられたシグニチャ系列を送信する。これは、アイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方がカウンティング応答のために非同期RACHを使用することを意味し、これにより、アイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方に共通のカウンティング手順の使用を可能にする。
【0066】
ネットワークコントローラは、UEからカウンティング応答を受信する。ネットワークコントローラでのシグニチャ系列の受信は、典型的には相関受信機の形式で実装される。既知のシグニチャ系列に対応するエネルギーが検出された場合、これは、ネットワークコントローラのサービスエリア内で少なくとも1人のユーザが特定のMBMSサービスに関心があること又は特定のMBMSサービスを起動したことを示す。
【0067】
本発明の一実施例では、セルラネットワークコントローラは、ブロードキャストサービスの複数のユーザ又は関心のあるユーザを特定するように構成されてもよい。本発明の一実施例では、セルラネットワークコントローラは、誰がブロードキャストサービスのユーザ又は関心のあるユーザであるかを特定するように構成されてもよい。
【0068】
本発明の一実施例では、レイヤ1の応答メッセージは、要求メッセージに応じてセルラネットワークコントローラに送信され、ブロードキャストサービスの特定の信号品質レベルを受信することができる(従って、従って、ブロードキャストサービスを受信し始めようとする又は受信し続ける)セルラネットワークコントローラへのフィードバックを提供してもよいことが考えられる。従って、本発明の一実施例では、加入したブロードキャストサービスを復号するのに弱すぎる信号を受信している場合、レイヤ1の応答信号は、要求メッセージに応じて無線加入者通信ユニットにより送信されてもよい。
【0069】
例えば、UEがブロードキャストサービスに加入しているが、サービス品質(又は信号品質)が非常に低い場合、フィードバック要求及びレイヤ1の応答信号が利用されてもよいことも考えられる。UEがこの情報をセルラネットワークコントローラにフィードバックすることが有利である。その後、セルラネットワークコントローラは、問題を解決するために何らかの動作を行ってもよい(例えば、送信電力を増加させる)。
【0070】
UEが良好な品質の信号を受信しており良好なサービス品質である状況では、UEは、この情報をセルラネットワークコントローラにフィードバックする必要はなく、これによって、貴重な信号リソースを節約してもよいことも考えられる。
【0071】
次に図5を参照すると、ネットワークコントローラで(シグニチャ系列510を伝達する)カウンティング応答に基づいてMBMSを起動したユーザを検出する機構500が、本発明の或る実施例に従って示されている。シグニチャ系列510は、RACHプリアンブル部分で送信されるシグニチャ系列の例を示している。
【0072】
時間間隔524、534で受信機で検出された信号エネルギー522、532は、波形520、530で示されている。図5に示すように、エネルギーは、時間に関して2つの形式の分布になってもよい。
【0073】
波形520で示されるエネルギー分布526は、シグニチャ系列を送信する単一のユーザから生じたものでもよい。この場合、送信機と受信機との間に単一の伝送パスが存在する。代替として、波形520で示されるエネルギー分布526は、信号を送信する複数のユーザから生じたものでもよい。この場合、受信信号は、全てが同時に受信機に到達する。送信機と受信機との間の信号パスは、分散的(dispersive)でなくてもよい。
【0074】
波形530で示されるエネルギー分布536、538、540は、シグニチャ系列を送信する単一のユーザから生じたものでもよい。この場合、送信機と受信機との間にマルチパス反射(チャネル分散)が存在する。代替として、波形530で示されるエネルギー分布536、538、540は、信号を送信する複数のユーザから生じたものでもよい。この場合、受信信号は、異なる時間に受信機に到達する。
【0075】
ユーザ数が正確に決定されない可能性がある場合であっても、これは、受信機で受信した信号の受信信号強度に基づいて、少なくとも1人のユーザが応答したか否かを検出することができる。従って、これは、セルでMBMSを起動したユーザの存在(又は不在)を検出する簡単な物理レイヤのシグナリング型の方法を提供する。
【0076】
この方法は、物理レイヤのシグナリングに基づき、高レイヤの情報又はユーザ識別を必要としないため、この方法は、アイドル状態のUEがMBMSカウンティング応答についてネットワークへの接続を確立することを必要としない。これは、必要なシグナリング量をかなり低減する。更に、この方法は、ネットワークへの接続状態に拘らず、UEからの同じ応答を必要とする。従って、これは、アイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方について共通のカウンティング手順を提供する。
【0077】
無線通信システムで使用されるシグニチャ系列は、それぞれの標準により規定されていることが知られている。シグニチャ系列の設計は、系列の相関特性と、信号を復号する際の受信機の複雑性との双方を考慮する。従って、系列の数は制限され得る。従って、MBMSサービス毎にシグニチャ系列を個別に分けることが可能でない場合がある。本発明の一実施例によれば、限られたシグニチャ系列により生じる潜在的な問題は、図6に示すように、複数のMBMSサービスの間で同じシグニチャ系列を時間多重することにより解決され得る。従って、全てのMBMSサービスのカウンティング応答として使用するために、唯一のシグニチャ系列が確保されればよい。
【0078】
次に図6を参照すると、複数のMBMSサービスの間でシグニチャ系列600を時間多重する例が、本発明の或る実施例に従って示されている。第1のMBMSカウンティングインスタンス610(T1)において、MBMSサービス−1 615にカウンティングが必要になる。MBMSサービスn 625のカウンティング要求は、カウンティングインスタンス2(T2)で要求され、サービス−3 635のカウンティング要求は、カウンティングインスタンス3(T3)で要求され、以下同様である。当業者は、図6のMBMSサービスのカウンティング要求の順序は、一例のみとして提供されていることがわかる。特に、カウンティングインスタンスは、ネットワークコントローラにより異なるMBMSサービスについてスケジューリングされてもよい。従って、2つのMBMSサービスは、同じカウンティングインスタンスで要求されなくてもよい。
【0079】
UEは、RACHプリアンブル640で示されたシグニチャ系列を送信することにより応答する。カウンティングインスタンスは、異なるMBMSサービスを目的とするカウンティング応答の重複を回避するように設計される。特に、本発明の一実施例では、2つの連続するカウンティングインスタンスの間の間隔は、各カウンティングインスタンス645、650、655に示すように、サービスに関心のある全てのUEがカウンティング要求に応答するのに十分に大きく構成される。従って、カウンティングインスタンスの間の間隔は、セル内のUEの最大のDRX長より大きく構成される。
【0080】
1つの形式では、カウンティング応答に使用されるシグニチャ系列は、MBMSサービスIDと共にカウンティング要求メッセージ内に含まれてもよい。代替実施例では、カウンティングを要求したMBMSサービスIDのみがカウンティング要求メッセージで送信される。この場合、使用されるシグニチャ系列は、BCCHでブロードキャストされる、或いは標準で指定される。このように、シグニチャ系列はネットワークとUEとの双方に認識される。有利には、この実施例は、MCCHで送信される情報ビットの数を低減し得る。
【0081】
MBMSサービスに関心のあるユーザの数に応じて、カウンティング要求は、多数のユーザが同時にRACHでカウンティング要求に応答することを生じてもよい。従って、カウンティング応答に割り当てられたシグニチャ系列は、通常のRACHアクセス動作でユーザにより選択された他のRACHシグニチャのエネルギーと比べて、ネットワークコントローラ(すなわち、E Node−B)に過度のエネルギーで到達し得る。信号の検出は、受信機のアーキテクチャに依存してもよく、当業者は、現在の高度な既知の受信機がこの問題を解決し、高エネルギー及び低エネルギーのシグニチャ系列の双方を検出することができることを認識する。
【0082】
しかし、或る受信機のアーキテクチャでは、これは、高エネルギーの信号により低エネルギーの信号をマスクすることを生じることがある。従って、通常のRACHアクセスに使用されるRACHシグニチャの検出は、カウンティング応答に使用されるシグニチャによりブロックされることがある。本発明の一実施例では、これを解決する1つの機構は、確率係数を導入することにより、カウンティング応答のRACHアクセスを制御することによるものである。
【0083】
従って、本発明の他の態様によれば、アクセス情報は、個別シグニチャ系列と確率係数との形式になる。従って、シグニチャ系列に加えて、確率係数がMCCHで送信されるカウンティング要求メッセージに含まれる。確率係数は、RACHバーストでアクセス制御に使用されるため、RACHで動作する他のユーザのMBMSカウンティング応答の影響を低減する。
【0084】
本発明の一実施例では、前述の問題を解決するために第2の機構が使用されてもよい。この機構は、MBMS応答について特定のRACHチャネルインスタンスを確保することを提案する。他の目的でRACHを送信しようとするUEは、これらの特定のRACHチャネルインスタンスで送信するように構成されなくてもよい。
【0085】
従って、本発明の他の実施例によれば、アクセス情報は、シグニチャ系列とカウンティング応答に使用するRACHチャネルインスタンスとの形式になってもよい。ここでは、シグニチャ系列に加えて、RACHチャネルは、カウンティング応答に使用されてもよく、これは、MCCHで送信されるカウンティング要求メッセージに含まれてもよい。この実施例は、MBMSカウンティング応答についてRACHリソースの一部(少なくとも1つのRACHチャネルインスタンス)を確保することを必要とする。
【0086】
個別RACHリソースは、図7に示すように、RACHプリアンブルに割り当てられたリソースの一部でもよい。しかし、個別RACHリソースは、RACH動作に基づく通常の競合でUEによる選択と対照的に、ネットワークコントローラによる割り当てに確保されてもよい。個別及び競合型RACHアクセスの双方に同じプリアンブルフォーマットが使用されてもよい。或る実施例では、ランダムアクセスリソース(RACHチャネル)の情報は、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH:broadcast control channel)でブロードキャストされてもよいが、個別アクセスチャネルのチャネル情報はセルでブロードキャストされない。或る実施例では、この情報は、カウンティング要求メッセージと共にUEに送信されてもよい。
【0087】
図7は、本発明の或る実施例に従って使用される物理アクセスリソースのプール700を示している。RACH物理リソースのプール700が個別アクセスリソース710とランダムアクセスリソース715との双方を含む場合、RACH物理リソースのプール700は、(カウンティング応答メッセージ及び通常のRACHアクセスの双方のために)複数のUEにより共有される。ユーザにより送信されたカウンティング応答が通常のRACHアクセスによりマスクされ得る可能性が存在する。従って、MBMSサービスを受信することに関心のある何人かのユーザがセルに存在しても、ネットワークコントローラは、関心のあるUEの情報を有さない可能性がある。従って、サービスはセルで提供されない可能性がある。
【0088】
この状況を回避する1つの方法は、UEがカウンティング中止を忠告されるまで、カウンティング応答を送信することを要求することである。以下に説明するように、中止メッセージは、レイヤ3のシグナリングとして形成され、MCCHで送信されてもよい。代替として、以下に説明するように、プリアンブルがレイヤ1のシグナリングを使用して肯定応答されてもよい。
【0089】
本発明の或る実施例によれば、単一のUEからのカウンティング応答は、セルで提供するMBMSサービスの決定に影響を及ぼすのに十分になり得る。従って、ネットワークコントローラがRACHプリアンブルで送信されたシグニチャ系列を検出する限り、ネットワークコントローラは、DL−SCH又はプリアンブル肯定応答チャネルを使用して、下りリンクチャネルでプリアンブルの肯定応答を送信する。セル内の全てのUEがこの下りリンク肯定応答を受信することができる。カウンティング応答が肯定応答されると、UEは、それぞれのカウンティング応答手順を中止する。
【0090】
無許可又は偽のUEがMBMSサービスを受信することに関心があると言い、このため、非同期RACHで個別シグニチャ系列を送信することにより、カウンティング要求に応答してもよい。このことは、ネットワークに対して空のセルでMBMSサービスを提供させ得る。UEがサービスを復号することができなくても、これは、無線リソースの無駄(無線リソース攻撃)を生じる。このシナリオは、サービスを起動したユーザのみに個別アクセス情報を提供することにより回避されてもよいことが考えられる。これを処理する1つの方法は、サービス起動手順中にUEに配信された鍵で個別アクセス情報を暗号化又は保護することである。
【0091】
次に図8を参照すると、カウンティング手順800のシグナリングフローが、カウンティング手順における本発明に従って示されている。シグナリングフローは、UE805とe−Node B(又はネットワークコントローラ810)との間で生じる。ネットワークコントローラ810は、所定のMBMSサービスについてカウンティング手順800が必要であるか否かについて決定する。カウンティング手順800が必要であることをネットワークコントローラ810が決定すると、ステップ815において、ネットワークコントローラは、MCCHでカウンティング要求メッセージを送信することによりカウンティング手順を開始する。メッセージは、カウンティングが必要とするMBMSサービスIDと、カウンティング応答に使用される個別アクセス情報とを含む。
【0092】
図10〜図12に関して詳細に説明するように、個別アクセス情報は、以下の1つ以上を含んでもよい。
【0093】
(i)非同期RACHプリアンブルアクセスに使用されるシグニチャ系列
(ii)非同期RACHプリアンブルアクセスに使用されるシグニチャ系列及びRACHアクセス制御に使用される確率係数
(iii)非同期RACHプリアンブルアクセスに使用されるシグニチャ系列及びカウンティング応答に使用される(時間−周波数に関する)個別アクセスリソース
ステップ815においてMCCHでカウンティング要求メッセージを受信した後に、UE805が提供されるサービスに関心がある場合、ステップ820において、UE805は、非同期RACHプリアンブル内で暗示的にカウンティング応答メッセージを送信することによりカウンティング要求815に応答する。UE805は、個別シグニチャ系列で非同期RACHバーストにアクセスする。個別シグニチャ系列は、所定のMBMSサービスのカウンティング要求メッセージ内でUE805にシグナリングされる。従って、カウンティング応答は、シグニチャ系列でネットワークに暗示的に配信される。
【0094】
カウンティング要求メッセージはレイヤ3(L3)のメッセージであるが、カウンティング応答メッセージはレイヤ1(L1)のメッセージであることに注目すべきである。
【0095】
個別シグニチャ系列がネットワークコントローラ810で検出されると、ネットワークコントローラ810は、下りリンクチャネルで個別シグニチャ系列の受信の肯定応答を送信する。ステップ825に示すように、この肯定応答は、UEによりカウンティング中止メッセージとして解釈されてもよい。
【0096】
有利には、レイヤ1のシグナリングのみが関与するため、このことはまた、下りリンクでシグナリングオーバーヘッドの低減を生じる。本発明の或る実施例では、中止カウンティングメッセージ825はまた、MCCHでUE805に送信されてもよいことが考えられる。
【0097】
次に図9を参照すると、ネットワークコントローラの動作900が、本発明の或る実施例に従って示されている。ネットワークコントローラの動作900は、送信機側の動作905及び受信機側の動作910に関して示されている。RRMユニット920が双方の動作にまたがっている。処理はステップ915で始まる。ステップ925に示すように、RRMユニット920の送信機側は、MBMSサービスのカウンティング/再カウンティングの決定を行う。カウンティング/再カウンティング処理が所定のMBMSサービスを開始することであると決定されると、ステップ930で示すように、RRMユニット920は、カウンティング応答に使用される個別アクセスリソースを割り当てる。このように、ステップ935で示すように、所定のMBMSサービスのサービス識別子(ID)及び個別アクセス情報は、符号化されてMCCHで送信される。個別アクセス情報は、個別シグニチャ系列と、確率係数の個別シグニチャ系列と、個別RACHリソースとの形式になってもよい。
【0098】
受信機側910では、ステップ940において、ネットワークコントローラの受信機は、MBMSサービスの個別シグニチャ系列を検出する。個別シグニチャ系列は、UEによるカウンティング応答に使用される。結果はRRM920に渡され、ステップ945で示すように、MBMSサービスを配信するか否かの決定が行われる。ネットワークコントローラでのシグニチャ系列の検出は、少なくとも1人のユーザがネットワークコントローラによりカバーされるエリアで所定のMBMSサービスを受信することに関心があることを示す。従って、サービスは、ネットワークコントローラによりカバーされるエリアで配信される。シグニチャ系列がネットワークコントローラで検出されない場合、サービスはセルで配信されない。
【0099】
個別シグニチャがネットワークコントローラで検出されると、ステップ950で示すように、DL−SCH又はプリアンブル肯定応答に使用される物理チャネルで下りリンクチャネルで肯定応答を送信する。
【0100】
RRMユニット920は、ネットワークコントローラ(すなわち、ENodeB)に存在してもよく、特にマルチセル展開シナリオをサポートする場合にはネットワークのどこかに存在してもよいことが考えられる。
【0101】
図10は、本発明の或る実施例に従って、個別アクセス情報が、i)シグニチャ系列のみ又はii)シグニチャ系列及び個別RACHチャネルのみを含む場合のUEの動作のフローチャート1000を示している。この処理はステップ1005で始まり、UEは、MCCHを読み取る1010。UEがアイドルモードである場合、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)サイクルにより規定される時間に起動する。ステップ1015において、UEが受信に関心のあるMBMSサービスのカウンティングを実行する必要がある場合、UEは、個別シグニチャ系列を送信することにより、カウンティング応答を実行する。個別シグニチャ系列は、MCCH内でUEに通知されている。ステップ125において、カウンティング応答手順は、UEでプリアンブル送信試行カウンタをインクリメントすることで始まる。
【0102】
ステップ1030において、カウンタが最大カウンタ値以下である場合、ステップ1040において、シグニチャは非同期RACHのプリアンブル部分で送信される。
【0103】
i)使用されるシグニチャ系列のみがMCCHでシグナリングされている場合、UEは、カウンティング応答の送信のために(複数のRACHリソースから)ランダムに物理リソースを選択する。
【0104】
ii)RACH物理チャネルが応答に使用される場合、これはMCCHでUEにシグナリングされ、シグニチャ系列はシグナリングされたRACHチャネルリソースを使用して送信される。
【0105】
ステップ1040において、UEは、ネットワークコントローラにより送信されたプリアンブル肯定応答を待機する。ステップ1045において肯定応答が受信されると、ステップ1055においてUEはカウンティング応答手順を終了する。ステップ1045において肯定応答が受信されない場合、ステップ1050において、UEは次のRACHインスタンスを待機し、ステップ1040において、RACHでシグニチャ系列を再送信する。
【0106】
図11は、本発明の或る実施例に従って、個別アクセス情報がRACHチャネルリソースのみを含む場合のUEの動作のフローチャート1100を示している。特に、この処理はステップ1105で始まり、ステップ1110において、UEはMCCHを読み取る。ステップ1115において、UEはカウンティング応答を送信するか否かを決定する。UEが応答を送信しないことを決定すると、処理はステップ1120で中止する。
【0107】
しかし、UEが応答を送信することを決定すると、UEは、ネットワークによりRACHに使用されるために割り当てられた一式のシグニチャ系列からシグニチャ系列を選択する。この情報は、通常ではネットワークにより規定されており、システム情報と共にブロードキャストされる。選択されたシグニチャは、MCCH内でシグナリングされたRACHチャネルで送信される。シグニチャ系列を送信した後に、ステップ1130において、UEは手順を終了する。このシナリオでは、RACHチャネルは、カウンティング応答に使用されるのに専用である。従って、これは、個別RACHチャネルでUEの衝突を生じない可能性がある。ネットワークコントローラは、下りリンクチャネルでプリアンブル肯定応答を送信する必要がない。従って、UEは、プリアンブル肯定応答を待機する必要がない。
【0108】
次に図12を参照すると、フローチャートは、本発明の或る実施例に従って、個別アクセス情報がシグニチャ系列と確率係数とを含む場合のUEの動作を示している。UEは、ステップ1210において、MCCHを読み取ることにより手順を開始する。ステップ1215において、UEが関心のあるサービスについてカウンティングが必要である場合、ステップ1225において、UEは、UEにローカルに保持されたプリアンブル送信カウンタをインクリメントすることにより手順を開始する。
【0109】
ステップ1230において、カウンタが所定の最大値以下である場合、ステップ1240で示すように、確率状態を検査する。ステップ1230において送信カウンタが最大値より大きい場合、又はステップ1215においてカウンティング応答について決定が存在しない場合、UEは、それぞれステップ1235又はステップ1220で手順を終了する。
【0110】
しかし、ステップ1240において確率状態が通過すると、ステップ1250において、シグニチャ系列がランダムに選択された非同期RACHプリアンブルで送信される。ステップ1240において確率の検査が失敗すると、ステップ1245において、第2の(次の)試行について次のRACHインスタンスを待機する。カウンタの最大値は、2つの連続するMCCHインスタンスの間のRACHインスタンスの数に設定されてもよい。
【0111】
RACHプリアンブルを送信した後に、UEは、ネットワークコントローラにより送信されたプリアンブル肯定応答を待機する。ステップ1255において肯定応答が受信されると、ステップ1260においてUEは手順を終了する。そうでない場合、ステップ1245において、UEは次のRACHインスタンスを待機し、ステップ1225においてRACH手順を再開する。
【0112】
明瞭にするために、前述の説明は、異なる機能ユニット及びプロセッサを参照して本発明の実施例について説明したことがわかる。しかし、本発明を逸脱することなく、例えば、ブロードキャストモードロジック又は管理ロジックに関して、異なる機能ユニット又はプロセッサの間での何らかの適切な機能分散が使用されてもよいことが明らかである。例えば、別のプロセッサ又はコントローラにより実行されるように示されている機能は、同じプロセッサ又はコントローラにより実行されてもよい。従って、特定の機能ユニットへの言及は、厳密な論理的又は物理的構造又は構成を示すのではなく、所望の機能を提供する適切な手段への言及のみとして見なされる。
【0113】
本発明の態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの何らかの組み合わせを含む如何なる適切な形式で実装されてもよい。任意選択で、本発明は、1つ以上のデータプロセッサ及び/又はデジタルシグナルプロセッサで動作するコンピュータソフトウェアとして、少なくとも部分的に実装されてもよい。従って、本発明の実施例の要素及び構成要素は、何らかの適切な方法で物理的、機能的及び論理的に実装されてもよい。実際に、機能は、単一のユニット、複数のユニット又は他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。
【0114】
本発明の概念の一実施例は、E−UTRANでの使用について説明されているが、本発明の概念はこの実施例に限定されないことが考えられる。ここに記載の本発明の概念は、何らかのセルラ通信システムで特定のMBMSサービスについて関心のあるユーザ又は起動したユーザを検出することが望まれる場合に常に適用され得ることが考えられる。
【0115】
前述の本発明の概念は、以下の利点のうち1つ以上を提供することを目的とすることが考えられる。
【0116】
(i)MBMSカウンティング手順についてのレイヤ1(物理リンクレイヤ)のシグナリング
(ii)3GPPでの既存のMBMSカウンティング手順での以下の利点のうち1つ以上
a)セルでMBMSを起動したユーザを検出する簡単な複雑性の低い手順
b)アイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方について共通の手順
c)手順は、非常に少量のシグナリングトラヒックを生成すること
d)手順は、かなりの上りリンク負荷を生成しないこと
e)手順は、RACHでの輻輳を生成せず、他のRACHに影響を及ぼさないこと
f)手順は、アイドル状態のUEがネットワークへの接続を確立することを必要としないこと
このように、例えば同じ原理をWCDMAネットワークに適用したときに比べて、無線加入者通信ユニットの電池寿命のかなりの節約が実現可能である。
【0117】
いくつかの実施例に関して本発明を説明したが、ここに記載の特定の形式に限定されることを意図しない。むしろ、本発明の範囲は特許請求の範囲のみにより限定される。更に、特徴は特定の実施例に関して記載されているように見えることがあるが、前述の実施例の様々な特徴は本発明に従って結合されてもよいことを、当業者はわかる。特許請求の範囲において、‘有する’という用語は、他の要素又はステップの存在を除外しない。
【0118】
更に、個々に記載されているが、複数の手段、要素又は方法のステップは、例えば、単一のユニット又はプロセッサにより実装されてもよい。更に、個々の特徴が異なる請求項に含まれることがあるが、これらは、場合によって有利に結合されてもよく、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でない及び/又は有利でないことを意味するのではない。また、請求項の1つのカテゴリに特徴が含まれることは、このカテゴリへの限定を示すのではなく、この特徴は必要に応じて他の請求項のカテゴリにも同様に適用可能になり得ることを示す。
【0119】
更に、請求項における特徴の順序は、特徴が実行されなければならない特定の順序を示すのではなく、特に、方法の請求項の個々のステップの順序は、ステップがこの順序で実行されなければならないことを示すのではない。むしろ、ステップは如何なる適切な順序で実行されてもよい。更に、単数への言及は複数を除外しない。従って、“1つ”、“第1の”、“第2の”等への言及は複数を除外しない。
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブロードキャスト及びマルチキャスト伝送に関するフィードバックを取得するシステム、装置及び方法に関する。本発明は、E−UTRAN(Evolved UMTS(Universal Mobile Telecommunication System) Terrestrial Radio Access Network)でマルチメディアブロードキャスト及びマルチキャストサービス(MBMS:multimedia broadcast and multicast service)を起動したユーザに関するフィードバックを取得することに適用可能であるが、これに限定されない。E−UTRANは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で現在標準化されている。に関する。
【背景技術】
【0002】
無線スペクトルは貴重であり、特に、できるだけ多くのマルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービスをユーザに提供し、これによって広範囲のサービスの選択肢を移動電話ユーザ(しばしば加入者と呼ばれる)に提供するために、スペクトル効率の良い伝送技術が必要である。マルチメディアブロードキャスト/マルチキャストサービスは、通常の地上波テレビ/ラジオ伝送と同様に、セルラネットワークで伝達され得ることが知られている。
【0003】
拡張通信サービスを提供するために、第3世代のセルラ通信システムは、広範囲の異なる拡張サービスをサポートするように設計されている。1つのこのような拡張サービスは、マルチメディアブロードキャスト及びマルチキャストサービス(MBMS)である。移動電話及び他のハンドヘルド装置を介して受信可能なマルチメディアサービスの需要は、今後の数年間で急速に増大することになる。通信されるデータコンテンツの性質のため、マルチメディアサービスは、高帯域を必要とする。
【0004】
UMTSのMBMS(Mobile Broadcast and Multicast Service)のように、セルラシステムでマルチメディアサービスを配信する技術は、過去数年間に開発されている。MBMSサービス及びアプリケーションの例は、マルチメディア放送(すなわち、モバイルTV、オーディオ、ビデオ等)を含む。
【0005】
効率的な伝送を実現するために、3GPP移動通信システムのMBMS配信について2つの配信モードが規定されている。マルチメディアサービスの提供で典型的で最もコスト効率の良い手法は、マルチメディア信号をユニキャスト(すなわち、ポイント・ツー・ポイント)方式で送信するのではなく、マルチメディア信号を‘ブロードキャスト’することである。ユニキャスト方式では、特定のUEへの専用の無線ベアラが提供される。MBMS技術は、セルラ/移動通信システムでコンテンツサーバ(しばしばデータソースと呼ばれる)から複数の宛先ユーザ端末(UE)にデータトラヒックを伝送するように設計される。従って、典型的には、例えば、ニュース、映画、スポーツ等を伝達する数十ものチャネルが通信ネットワークで同時にブロードキャストされ得る。
【0006】
配信モードの決定は、ネットワークコントローラのサービスエリアでサービスを起動したユーザの数に基づいて、ネットワークコントローラで行われる。サービスを起動したUEの数が所定の閾値より大きい場合、p−t−m伝送が選択されて使用される。そうでない場合、サービスは、p−t−p無線ベアラで配信される。これは、参加ユーザの数に従ってMBMSデータコンテンツを配信する効率を最適化するために行われる。或る場合には、選択は、特定のサービスの潜在的な関心で行われることがある。すなわち、ネットワークコントローラがサービス提供されるUEに対して特定のMBMSに関心があるか否かを問い合わせ、応答に応じて、(p−t−p又はp−t−m)伝送配信モードが選択される。従って、サービスに関心のあるユーザの数が所定の閾値未満である場合、p−t−pモードが無線効率が良いため、使用される。しかし、所定の閾値は、主に使用される無線技術の機能であり、ほとんどの実用的な展開シナリオでは、セル内に2又は3人のユーザ未満であるように構成される。
【0007】
サービスエリアでのMBMSサービスの配信モードの選択は、“カウンティング(counting)”手順と呼ばれる。ネットワークコントローラは、MCCH(Main Control Channel)で下りリンク(DL:downlink)チャネルのカウンティング要求メッセージを送信することにより、カウンティング手順を開始する。特に、カウンティング手順の間に、レイヤ3の信号がネットワークコントローラとUEとの間の通信に使用される。UEが起動した特定のMBMSサービスについてカウンティング手順が進行中であることをUEが検出すると、UEは、ランダムアクセスチャネル(RACH:random access channel)でカウンティング応答メッセージをネットワークコントローラに送信することにより、カウンティング要求に応答する。セルで特定のサービスを起動した(又は特定のサービスに関心のある)多くのユーザが存在し得るため、RACHでの同時のカウンティング応答の数がRACHリソースを過負荷にすることがある。これは、他の(非MBMS)ユーザによるRACHアクセスに影響を及ぼし、これは、リソースの効率的な提供に問題になる。
【0008】
RACHは競合型アクセスチャネルであり、RACHに使用される物理チャネルリソースは、ネットワークで規定され、システム情報と共にセルでブロードキャストされる。従って、RACHチャネル情報は、システム内のUEに知られている。UEがネットワークと通信する必要があるが、UEがネットワークにより使用される専用リソースを割り当てられていない場合、UEはRACHチャネルを使用する。従って、RACHでのUEのアクセスはランダムであり、RACHチャネルで衝突/競合を生じることがある。
【0009】
多数のカウンティング応答によるRACHの輻輳を回避するため、ネットワークコントローラは、UTRAN(UMTS Terrestrial Radio Access Network)のカウンティング手順中にアクセス制御を実行してもよい。これは、アクセス確率係数を使用したアクセス優先付け機構を使用する。アクセス確率係数が大きい場合、UEは、カウンティング応答を提示するためのRACHアクセスの高い機会を有する。従って、アクセス確率係数は、カウンティング要求メッセージと共にMCCHでUEに送信される。全てのUEはMCCHを読み取る。2つの異なるアクセス確率係数が以下のように規定されている。
(i)access_probability_factor_idle(アイドル状態のUEにより使用される)
(ii)access_probability_factor_connected(接続状態のUE(すなわち、URA_PCH、CELL_PCH又はCELL_FACH状態でアクティブであるもの)により使用される)
カウンティング応答メッセージはまた、UEの状態(すなわち、RRC_connected又はRRC_Idle)に応じて2つの形式になる。RRC_Idle状態のUEは、ネットワークに接続しておらず、‘MBMS受信(MBMS reception)’に設定された確立理由(指示)で無線リソース接続(RRC:radio resource connection)を確立することにより、カウンティング要求に応答する。RRC_ConnectedのUEは、ネットワークに接続しており、従って、‘MBMS受信’に設定された確立理由(指示)でセル更新メッセージを送信するように構成される。
【0010】
従って、これらの状態に応じて、接続中及びアイドルのUEは、RACHアクセスについてaccess_probability_factor_idle又はaccess_probability_factor_connectedを使用する。通常では、access_probability_factor_connectedは、access_probability_factor_idleより高い確率のアクセスを提供する(接続状態のUEは、既にネットワークに接続しているため、ネットワークへの早い応答を送信することができるため)。
【0011】
図1を参照すると、UMTSにおいてNode−Bを介して無線ネットワークコントローラ(RNC:Radio Network Controller)102からUE150にMBMSリソースを割り当てる既知の機構が示されている。RNC102及びNode−Bは、周知のOSIモデルの様々なレベル(例えば、レイヤ1の無線インタフェースシグナリング112、レイヤ2の媒体アクセス制御シグナリング110、レイヤ2のリソースリンク制御108及びレイヤ3のシグナリング106)でシグナリングを処理することができる複数の論理要素を有するものとして図示されている。同様に、UE150は、通信リンクの加入者エンドで、周知のOSIモデルの様々なレベル(例えば、レイヤ1の無線インタフェースシグナリング152、レイヤ2の媒体アクセス制御シグナリング154、レイヤ2のリソースリンク制御156及びレイヤ3のシグナリング158)でシグナリングを処理することができる論理要素を有する。シグナリング通信に使用される様々なレイヤは、図1から自明であるため、更にここでは説明しない。
【0012】
既知の処理は、無線リソース管理(RRM:radio resource management)104が指示116をレイヤ3のシグナリングに送信することにより、特定のMBMSサービスのカウンティング動作100を開始する決定を行うことで始まる。RRCカウンティング要求(RRC−CR:RRC−counting request)メッセージ118の後に、MMCHでのRRC−CRメッセージ120が続き、次に、MBMSトランスポートチャネル(MCH:MBMS transport channel)でのRRC−CRメッセージ122が続く。
【0013】
RRC−CRメッセージ124は、無線インタフェースを通じてUE150に送信され、UE150で受信されて処理される。無線インタフェース(レイヤ1)のシグナリングメッセージは、MCHでのRRC−CRメッセージ160に変換され、次に、MCCH(MBMS制御チャネル)でのRRC−CRメッセージ162に変換される。UEでのレイヤ3のRRC−CRメッセージ164の受信に続いて、UEがカウンティング手順に関心があるか否かの判定166が行われ得る。
【0014】
これに応じて、UEは、レイヤ3のRRC接続要求(RRC−CoR:RRC−connection request)メッセージを開始し、続いてレイヤ2のRRC−CoRメッセージ170、172が続き、RACHアクセス175を要求する。RRC−CoRメッセージ176は、RACHでレイヤ1のシグナリングに送信され、無線インタフェースのRRC−CoRメッセージ126がネットワークコントローラ102に送信される。ネットワークコントローラ102は、無線インタフェースのRRC−CoRメッセージ126を受信し、CCCHでのレイヤ2のRRC−CoRメッセージ128及びレイヤ2のRRC−CoRメッセージ130を介して、RRM104の許可制御ロジック134への許可制御メッセージ132と共にこれを処理する。
【0015】
RRM104の許可制御134は、指示136をレイヤ3のシグナリングに送信する。RRC接続設定(RRC−CS:RRC−connection setup)メッセージ138に続いて、個別制御チャネル(DCCH:dedicated control channel)140でのRRC−CSメッセージが続き、次に、個別トランスポートチャネル(DCH:dedicated transport channel)142でのRRC−CSメッセージが続く。
【0016】
次に、RRC−CSメッセージ178は、無線インタフェースを通じてUE150に送信され、UE150で受信されて処理される。無線インタフェース(レイヤ1)のシグナリングメッセージは、DCHでのRRC−CSメッセージ180に変換され、次に、DCCHでのRRC−CSメッセージ182に変換される。UEでのレイヤ3のRRC−CSメッセージ184の受信に続いて、UEは、(RRC−CS内で)ネットワークにより指示された無線ベアラを設定し、レイヤ3RRC接続設定完了(RRC−RC:RRC−connection setup complete)メッセージ185を開始し、これに続いてレイヤ2のRRC−CCメッセージ190、192を開始する。無線インタフェースのRRC−CCメッセージ194は、ネットワークコントローラ102に送信される。ネットワークコントローラ102は、無線インタフェースのRRC−CCメッセージ194を受信し、DCH及びDCCHでのレイヤ2のRRC−CCメッセージ144、146及びRRM104へのレイヤ2のRRC−CCメッセージ148を介してこれを処理する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、前述のように、UTRANで使用される既知のカウンティング手順は複雑であり、無線インタフェースでUEとネットワークコントローラとの間で大量のシグナリングを必要とする。これは、非効率な無線リソース使用を生じる。
【0018】
前述の複雑な手順の1つの問題は、UTRANで使用されるカウンティング手順が、所定のセル内のユーザ数に基づいてMBMSサービスの伝送モード(ポイント・ツー・ポイント(p−t−p)及びポイント・ツー・マルチポイント(p−t−m))を決定するように設計されているという事実から生じている。従って、ネットワークコントローラがp−t−mモードから又はp−t−mモードに切り替えてリソースの使用を継続的に最適化するために、セル内のユーザ数が所定の閾値より大きいか否かを正確に示す必要がある。
【0019】
p−t−p伝送モードの使用は、MBMSの提供の複雑性を増加させるだけでなく、実用的な展開シナリオのほとんどでp−t−mモードより限られた性能利得を有し、或いは性能利得が存在しない。特に、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA:orthogonal frequency division multiple access)型の単一周波数ネットワーク(SFN:Single Frequency Network)で当てはまり、OFDMA型SFNは、次世代通信システム(E−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network))のため、現在3GPPで標準化されている。
【0020】
E−UTRANは、単一周波数ネットワークを使用し、全ての基地局は時間同期している。従って、同じ信号は、サービスエリア内の複数のセルから送信され得る。サービスエリアは1つより多くのセルを含んでもよい。時間同期したセルからの同じ信号の送信は、信号の無線上の合成を生じるため、受信信号エネルギーを増加させ、従って、UEで良好な受信を提供する。
【0021】
従って、現在の技術は次善である。従って、セルラネットワークでブロードキャスト伝送をサポートする問題に対処する改善した機構が有利である。特に、UTRA TDDシステムでブロードキャスト伝送の提供を可能にして、既存のUTRA−TDDシステムと共存するシステムが有利である。
【0022】
従って、本発明は、前述の欠点のうち1つ以上を単独で又は何らかの組み合わせで緩和、軽減又は除去することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の態様によれば、少なくとも1つの通信セルを有する無線通信システムでブロードキャストサービスに関係する1つ以上の無線加入者通信ユニットからフィードバックを取得する方法が提供される。この方法は、ネットワークコントローラにより、要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、無線加入者通信ユニットにより、要求メッセージを受信して処理し、少なくとも1つの無線加入者通信ユニットにより、要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、ネットワークコントローラにより、特定の通信セルでレイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること及び(ii)その通信セルでブロードキャストサービスの配信を変更することのうち1つを実行する。
【0024】
有利には、前述の方法は、非常に少ない量の更なるシグナリングトラヒックのみでMBMSを起動したユーザを検出する簡単な複雑でない手順を提供し得る。従って、この方法は、効率的な無線リソースの使用方法を提供し得る。
【0025】
前述の方法は、ユーザフィードバックを受信する簡単な複雑でない手順を提供し得る。フィードバックに基づいて、サービス配信は、満たされた知覚品質で複数のユーザへのマルチメディアサービスの提供をサポートするように変更されてもよい。
【0026】
本発明の任意選択の特徴によれば、個別アクセス情報は、カウンティング応答に使用される個別シグニチャ系列(dedicated signature sequence)を有してもよい。
【0027】
本発明の任意選択の特徴によれば、要求メッセージは、1つ以上の無線加入者通信ユニットがブロードキャストサービスを受信しているか否か又は受信することに関心があるか否かを特定するために、ネットワークコントローラにより送信されてもよい。ブロードキャストサービスを受信している場合又は受信することに関心がある場合に、レイヤ1の応答信号は、要求メッセージに応じて無線加入者通信ユニットにより送信されてもよい。
【0028】
本発明の任意選択の特徴によれば、レイヤ1の応答信号は、非同期RACHのプリアンブル部分で送信されるレイヤ1の応答信号を有してもよい。非同期RACHは、一式の指定のRACHリソースからランダムに選択されてもよい。
【0029】
このように、この方法は、E−UTRANの実装でアイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方に共通の手順を提供し得る。
【0030】
本発明の任意選択の特徴によれば、個別アクセス情報は、確率係数を有してもよい。この方法は、要求メッセージでネットワークコントローラから複数の無線加入者通信ユニットに確率係数を送信し、これに応じて非同期RACHを選択することを更に有してもよい。
【0031】
このように、この手順は、かなりの上りリンク負荷を生成しなくてもよい。更に、この手順は、RACHでの輻輳を生成することを回避し、従って、他のRACHユーザに影響を及ぼさなくてもよい。
【0032】
本発明の任意選択の特徴によれば、個別アクセス情報は、マルチキャスト/ブロードキャストサービスに関心のある無線加入者通信ユニットのみが個別アクセス情報を受信することができるように、暗号化又は保護されてもよい。
【0033】
このように、この方法は、何らかの潜在的な無線リソース攻撃に対する保護を提供し得る。
【0034】
本発明の任意選択の特徴によれば、ネットワークコントローラは、レイヤ1の応答信号を受信したことに応じて、肯定応答を送信してもよい。
【0035】
本発明の任意選択の特徴によれば、複数のブロードキャストサービスの間で複数のレイヤ1の複数の応答信号を時間多重することが使用されてもよい。
【0036】
本発明の任意選択の特徴によれば、無線加入者通信ユニットが加入したブロードキャストサービスを復号するのに弱すぎる信号を受信している場合、レイヤ1の応答信号は、無線加入者通信ユニットにより要求メッセージに応じて送信されてもよい。
【0037】
本発明の任意選択の特徴によれば、通信システムは、3GPP(3rd Generation Partnership Project)セルラ通信システムである。通信システムは、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)型Evolved−UTRANセルラ通信システムである。
【0038】
本発明の第2の態様によれば、少なくとも1つの通信セルと、少なくとも1つの通信セルで動作可能であり、少なくとも1つのネットワークコントローラから信号を受信するように構成された1つ以上の無線加入者通信ユニットとを有するセルラ通信システムが提供される。少なくとも1つのネットワークコントローラは、1つ以上の無線加入者通信ユニットに要求メッセージを送信するように構成される。少なくとも1つの無線加入者通信ユニットは、要求メッセージを受信して処理し、要求メッセージに応じて、レイヤ1の応答信号を送信し、ネットワークコントローラは、特定の通信セルでレイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること及び(ii)その通信セルでブロードキャストサービスの配信を変更することとのうち1つを実行する。
【0039】
本発明の第3の態様によれば、トランシーバと、トランシーバに動作可能に結合され、1つ以上の無線加入者通信ユニットに要求メッセージを送信するように構成された処理ロジックとを有するセルラネットワークコントローラが提供される。トランシーバは、特定の通信セルから要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を受信して処理するように構成され、これに応じて、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること及び(ii)その通信セルでブロードキャストサービスの配信を変更することのうち1つを実行する。
【0040】
本発明の第4の態様によれば、ネットワークコントローラから要求メッセージを受信するように構成されたトランシーバと、トランシーバに動作可能に結合され、要求メッセージを処理するように構成された処理ロジックとを有する無線加入者通信ユニットが提供される。トランシーバは、これに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、レイヤ1の応答信号の送信に応じてブロードキャスト伝送を受信するように構成される。
【0041】
本発明の前記及び他の態様、特徴及び利点は、以下に記載の実施例から明らかになり、実施例を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】UMTSにおけるカウンティング手順の既知の機構
【図2】本発明の或る実施例に従って適合された3GPPセルラ通信システム
【図3】本発明の或る実施例に従って適合された無線通信ユニット
【図4】本発明の或る実施例に従ってE−UTRANでMBMSを起動したユーザを検出する機構
【図5】本発明の或る実施例に従って受信機でのエネルギーを検出する機構
【図6】本発明の或る実施例に従ってMBMSサービスの間でシグニチャ系列を時間多重する例
【図7】本発明の或る実施例に従って使用される物理アクセスリソースのプール
【図8】本発明の或る実施例に従ってカウンティング手順で見られるシグナリングフロー
【図9】本発明の或る実施例に従ったネットワークコントローラの動作
【図10】本発明の或る実施例に従ったUEの動作のフローチャート
【図11】本発明の或る実施例に従ったUEの動作のフローチャート
【図12】本発明の或る実施例に従ったUEの動作のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明の実施例について、添付図面を参照して一例のみとして説明する。
【0044】
以下の詳細な説明は、Evolved UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)セルラ通信システム、特に3GPP(3rd generation partnership project)システムのE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)に適用可能な本発明の実施例に焦点を当てる。しかし、本発明は、この特定のセルラ通信システムに限定されず、他のセルラ通信システムにも適用され得ることがわかる。
【0045】
従って、本発明の発明者は、ネットワークコントローラによるカウンティング手順の提供は、必ずしもp−t−p及びp−t−m伝送モードの間の選択又は遷移の決定に必要であるとは限らないことがあることを認識及び評価した。しかし、本発明の発明者はまた、簡単なカウンティング手順が所定のセルに何らかの受信者が存在するか否かを検出するために必要であることも認識及び評価した。従って、ここに記載の本発明の概念は、データは‘空’のセルで送信される必要がないため、受信者の人数がまばらな場合に局所的なMBMSサービスのかなり効率的な伝送を可能にする。
【0046】
本発明に関して、以下で使用される‘ブロードキャストサービス’という用語は、UMTSで規定されている以下のサービスの定義の双方を含むことを意図する。
【0047】
(i)ブロードキャストサービス:関連のブロードキャストサービスエリアでデータが単一のソースから複数のUEに効率的に送信される一方向のポイント・ツー・ポイントサービスである。ブロードキャストサービスは、UEのローカルで特定のブロードキャストサービスを可能にし、サービスで定められたブロードキャストエリアにいる全てのユーザにより受信され得る。
【0048】
(ii)マルチキャストサービス:関連のマルチキャストサービスエリアでデータが単一のソースから複数のグループに効率的に送信される一方向のポイント・ツー・マルチポイントサービスである。マルチキャストサービスは、特定のマルチキャストサービスに加入しており、特定のサービスに関連するマルチキャストグループに参加したユーザのみにより受信され得る。
【0049】
従って、ブロードキャストサービスを受信するために、ユーザは、UEで受信機を起動する必要がある。マルチキャストサービスを受信するために、ユーザはサービスグループに参加する必要がある。
【0050】
まず図3を参照すると、本発明の好ましい実施例に従って、無線通信ユニット(しばしば、セルラ通信に関して移動加入者ユニット(MS)と呼ばれる)が図示されている。
【0051】
MS300は、好ましくはMS300内で受信チェーンと送信チェーンとの間の隔離を提供するデュプレックスフィルタ又はアンテナスイッチ304に結合されたアンテナ302を含む。
【0052】
当業者に既知のように、受信チェーンは、(事実上、受信、フィルタリング及び中間又はベースバンド周波数変換を提供する)受信フロントエンド回路306を含む。フロントエンド回路306は、信号処理機能308に直列に結合される。信号処理機能308からの出力は、スクリーン又は平面パネルディスプレイのような適切な出力装置に提供される。受信チェーンはまた、受信信号強度インジケータ(RSSI:received signal strength indicator)回路312を含み、次に、受信信号強度インジケータ312は、全体の加入者ユニットの制御を維持管理するコントローラ314に結合される。従って、コントローラ314は、回復した情報からビット誤り率(BER:bit error rate)又はフレーム誤り率(FER::frame error rate)を受信してもよい。コントローラ314はまた、受信フロントエンド回路306及び信号処理機能308(一般的にデジタルシグナルプロセッサ(DSP:digital signal processor)により実現される)に結合される。コントローラはまた、動作体制(復号化/符号化機能、同期パターン、コード系列、RSSIデータ、受信信号の到達方向等)を選択的に格納するメモリ装置316に結合される。
【0053】
本発明の好ましい実施例によれば、メモリ装置316は、MS300によりSMS形式で要求され、信号処理機能308により処理された構成/プロファイル情報を格納する。更に、タイマ318は、コントローラ314に動作可能に結合され、特にSMS構成メッセージの送信及び/又は応答に関して、自動的に又はユーザ入力に応じて、MS300内の動作タイミング(時間依存の信号の送信又は受信)を制御する。
【0054】
送信チェーンに関して、これは、送信/変調回路322及び電力増幅器324を通じてアンテナ302に直列に結合された入力装置320(キーパッド等)を基本的に含む。送信/変調回路322及び電力増幅器324は、コントローラ314に動作可能に応答し、従って、MS300の構成で使用される双方向SMSメッセージ/要求の送信で使用される。
【0055】
送信チェーンの信号処理機能308は、受信チェーンのプロセッサと異なるものとして実装されてもよい。代替として、図3に示すように、送信及び受信チェーンの双方の処理を実装するために、単一のプロセッサ308が使用されてもよい。明らかに、MS300内の様々な構成要素は、個別又は統合の構成要素の形式で実現され得るため、最終的な構成は、単に用途に特化したもの又は設計上の選択である。
【0056】
本発明の好ましい実施例によれば、受信フロントエンド回路306は、信号処理機能308、メモリ装置316、タイマ機能318及びコントローラ314と共に、また、これらの制御及び指示のもとで、MS300の構成で双方向SMSメッセージ/要求を受信して処理するように適合される。
【0057】
更に、本発明の好ましい実施例によれば、送信/変調回路322は、信号処理機能308、メモリ装置316、タイマ機能318及びコントローラ314と共に、また、これらの制御及び指示のもとで、MS300の構成で双方向SMSメッセージを処理して送信するように適合される。
【0058】
有利には、本発明の実施例は、MBMSで使用されるカウンティング手順のためにレイヤ1のシグナリングを使用することを提案する。特に、本発明の実施例は、特定のMBMSサービスに関心のあるユーザによるカウンティング応答メッセージの送信手段として、非同期RACHのプリアンブル部分を使用することを提案する。レイヤ1のシグナリングを使用する結果として、UEは、ネットワークへの接続を確立する必要がない。従って、記載の手順は、シグナリング遅延、シグナリングオーバーヘッドを低減し、ネットワークへのUEの接続状態に拘らず適用され得る。
【0059】
一実施例では、カウンティング手順は、ネットワークによる動作要求のユーザフィードバック(応答)として考えられてもよい。ここでは、ネットワークは、ユーザに対して、特定のMBMSサービスを受信する意思についてネットワーク(コントローラ)に通知するように要求する。関心のあるユーザは、レイヤ1のメッセージ内で暗示的に(すなわち、例えば非同期RACHチャネルのプリアンブル部分内で暗示的に)サービスを受信する意思を送信する。従って、この手順は、レイヤ1のシグナリング型ユーザフィードバック機構として一般的に記載されてもよい。
【0060】
本発明は、3GPPで標準化での活動が進行中であるE−UTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)に関して記載されるが、本発明に記載の方法は、何らかのセルラ通信システムで特定のMBMSサービスについて関心のある又は特定のMBMSサービスを起動したユーザを検出することが望ましい場合に常に適用され得ることが考えられる。
【0061】
本発明の一実施例では、ネットワークコントローラは、MCCH又は同様のMBMS関係の制御チャネルでカウンティング要求メッセージを送信することにより、カウンティング手順を開始する必要がある。カウンティング応答メッセージは、非同期ランダムアクセスチャネル(RACH)で関心のあるUEにより送信される。2つの種類のRACHがE−UTRANシステムで規定されている点に留意すべきである。同期RACHは、プリアンブルに続いてメッセージペイロードを含む。非同期RACHでは、シグニチャ系列(signature sequence)のみがプリアンブル部分で送信される。非同期RACHでは、UEはネットワークコントローラに対して上りリンクで時間同期しないが、同期RACHでは、UEはネットワークコントローラと時間同期する。
【0062】
本発明の一実施例では、アイドルモードのUEと接続モードのUEとの双方は、必要な場合に常に、非同期RACHにアクセスすることができる。
【0063】
シグニチャ系列を伝達するプリアンブル部分は、RACHバーストで送信される。RACHバーストは、シングルキャリアFDMA(SC−FDMA)型上りリンクで時間及び周波数に関する物理リソースにより規定される。標準は、システムで使用される複数のRACH時間/周波数チャネルを規定する。UEは、プリアンブルを送信するために、規定されたRACHチャネルセットからRACHチャネルをランダムに選択する。本発明の一実施例では、通常のRACHアクセスの間に、プリアンブルは、一式の利用可能なプリアンブルの1つからUEにより選択されてもよい。
【0064】
本発明の或る実施例によれば、カウンティング要求メッセージは、MBMSサービスIDを含んでもよく、カウンティング手順は、UEによるカウンティング応答に使用される個別アクセス情報も同様に必要としてもよい。カウンティング要求メッセージを受信した後に、特定のMBMSサービスを受信することに関心のあるUEは、割り当てられた個別アクセスを使用してカウンティング応答メッセージを送信することにより、カウンティング要求に応答する。
【0065】
本発明の一実施例によれば、個別アクセス情報は、プリアンブル系列として非同期RACHアクセスに使用される特定のシグニチャ系列の形式になってもよい。従って、この実施例では、カウンティング応答は、単に割り当てられた個別シグニチャ系列(すなわち、非同期RACHのプリアンブル部分)の送信でもよい。全ての関心のあるUEは、非同期RACHプリアンブルバーストで割り当てられたシグニチャ系列を送信する。これは、アイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方がカウンティング応答のために非同期RACHを使用することを意味し、これにより、アイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方に共通のカウンティング手順の使用を可能にする。
【0066】
ネットワークコントローラは、UEからカウンティング応答を受信する。ネットワークコントローラでのシグニチャ系列の受信は、典型的には相関受信機の形式で実装される。既知のシグニチャ系列に対応するエネルギーが検出された場合、これは、ネットワークコントローラのサービスエリア内で少なくとも1人のユーザが特定のMBMSサービスに関心があること又は特定のMBMSサービスを起動したことを示す。
【0067】
本発明の一実施例では、セルラネットワークコントローラは、ブロードキャストサービスの複数のユーザ又は関心のあるユーザを特定するように構成されてもよい。本発明の一実施例では、セルラネットワークコントローラは、誰がブロードキャストサービスのユーザ又は関心のあるユーザであるかを特定するように構成されてもよい。
【0068】
本発明の一実施例では、レイヤ1の応答メッセージは、要求メッセージに応じてセルラネットワークコントローラに送信され、ブロードキャストサービスの特定の信号品質レベルを受信することができる(従って、従って、ブロードキャストサービスを受信し始めようとする又は受信し続ける)セルラネットワークコントローラへのフィードバックを提供してもよいことが考えられる。従って、本発明の一実施例では、加入したブロードキャストサービスを復号するのに弱すぎる信号を受信している場合、レイヤ1の応答信号は、要求メッセージに応じて無線加入者通信ユニットにより送信されてもよい。
【0069】
例えば、UEがブロードキャストサービスに加入しているが、サービス品質(又は信号品質)が非常に低い場合、フィードバック要求及びレイヤ1の応答信号が利用されてもよいことも考えられる。UEがこの情報をセルラネットワークコントローラにフィードバックすることが有利である。その後、セルラネットワークコントローラは、問題を解決するために何らかの動作を行ってもよい(例えば、送信電力を増加させる)。
【0070】
UEが良好な品質の信号を受信しており良好なサービス品質である状況では、UEは、この情報をセルラネットワークコントローラにフィードバックする必要はなく、これによって、貴重な信号リソースを節約してもよいことも考えられる。
【0071】
次に図5を参照すると、ネットワークコントローラで(シグニチャ系列510を伝達する)カウンティング応答に基づいてMBMSを起動したユーザを検出する機構500が、本発明の或る実施例に従って示されている。シグニチャ系列510は、RACHプリアンブル部分で送信されるシグニチャ系列の例を示している。
【0072】
時間間隔524、534で受信機で検出された信号エネルギー522、532は、波形520、530で示されている。図5に示すように、エネルギーは、時間に関して2つの形式の分布になってもよい。
【0073】
波形520で示されるエネルギー分布526は、シグニチャ系列を送信する単一のユーザから生じたものでもよい。この場合、送信機と受信機との間に単一の伝送パスが存在する。代替として、波形520で示されるエネルギー分布526は、信号を送信する複数のユーザから生じたものでもよい。この場合、受信信号は、全てが同時に受信機に到達する。送信機と受信機との間の信号パスは、分散的(dispersive)でなくてもよい。
【0074】
波形530で示されるエネルギー分布536、538、540は、シグニチャ系列を送信する単一のユーザから生じたものでもよい。この場合、送信機と受信機との間にマルチパス反射(チャネル分散)が存在する。代替として、波形530で示されるエネルギー分布536、538、540は、信号を送信する複数のユーザから生じたものでもよい。この場合、受信信号は、異なる時間に受信機に到達する。
【0075】
ユーザ数が正確に決定されない可能性がある場合であっても、これは、受信機で受信した信号の受信信号強度に基づいて、少なくとも1人のユーザが応答したか否かを検出することができる。従って、これは、セルでMBMSを起動したユーザの存在(又は不在)を検出する簡単な物理レイヤのシグナリング型の方法を提供する。
【0076】
この方法は、物理レイヤのシグナリングに基づき、高レイヤの情報又はユーザ識別を必要としないため、この方法は、アイドル状態のUEがMBMSカウンティング応答についてネットワークへの接続を確立することを必要としない。これは、必要なシグナリング量をかなり低減する。更に、この方法は、ネットワークへの接続状態に拘らず、UEからの同じ応答を必要とする。従って、これは、アイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方について共通のカウンティング手順を提供する。
【0077】
無線通信システムで使用されるシグニチャ系列は、それぞれの標準により規定されていることが知られている。シグニチャ系列の設計は、系列の相関特性と、信号を復号する際の受信機の複雑性との双方を考慮する。従って、系列の数は制限され得る。従って、MBMSサービス毎にシグニチャ系列を個別に分けることが可能でない場合がある。本発明の一実施例によれば、限られたシグニチャ系列により生じる潜在的な問題は、図6に示すように、複数のMBMSサービスの間で同じシグニチャ系列を時間多重することにより解決され得る。従って、全てのMBMSサービスのカウンティング応答として使用するために、唯一のシグニチャ系列が確保されればよい。
【0078】
次に図6を参照すると、複数のMBMSサービスの間でシグニチャ系列600を時間多重する例が、本発明の或る実施例に従って示されている。第1のMBMSカウンティングインスタンス610(T1)において、MBMSサービス−1 615にカウンティングが必要になる。MBMSサービスn 625のカウンティング要求は、カウンティングインスタンス2(T2)で要求され、サービス−3 635のカウンティング要求は、カウンティングインスタンス3(T3)で要求され、以下同様である。当業者は、図6のMBMSサービスのカウンティング要求の順序は、一例のみとして提供されていることがわかる。特に、カウンティングインスタンスは、ネットワークコントローラにより異なるMBMSサービスについてスケジューリングされてもよい。従って、2つのMBMSサービスは、同じカウンティングインスタンスで要求されなくてもよい。
【0079】
UEは、RACHプリアンブル640で示されたシグニチャ系列を送信することにより応答する。カウンティングインスタンスは、異なるMBMSサービスを目的とするカウンティング応答の重複を回避するように設計される。特に、本発明の一実施例では、2つの連続するカウンティングインスタンスの間の間隔は、各カウンティングインスタンス645、650、655に示すように、サービスに関心のある全てのUEがカウンティング要求に応答するのに十分に大きく構成される。従って、カウンティングインスタンスの間の間隔は、セル内のUEの最大のDRX長より大きく構成される。
【0080】
1つの形式では、カウンティング応答に使用されるシグニチャ系列は、MBMSサービスIDと共にカウンティング要求メッセージ内に含まれてもよい。代替実施例では、カウンティングを要求したMBMSサービスIDのみがカウンティング要求メッセージで送信される。この場合、使用されるシグニチャ系列は、BCCHでブロードキャストされる、或いは標準で指定される。このように、シグニチャ系列はネットワークとUEとの双方に認識される。有利には、この実施例は、MCCHで送信される情報ビットの数を低減し得る。
【0081】
MBMSサービスに関心のあるユーザの数に応じて、カウンティング要求は、多数のユーザが同時にRACHでカウンティング要求に応答することを生じてもよい。従って、カウンティング応答に割り当てられたシグニチャ系列は、通常のRACHアクセス動作でユーザにより選択された他のRACHシグニチャのエネルギーと比べて、ネットワークコントローラ(すなわち、E Node−B)に過度のエネルギーで到達し得る。信号の検出は、受信機のアーキテクチャに依存してもよく、当業者は、現在の高度な既知の受信機がこの問題を解決し、高エネルギー及び低エネルギーのシグニチャ系列の双方を検出することができることを認識する。
【0082】
しかし、或る受信機のアーキテクチャでは、これは、高エネルギーの信号により低エネルギーの信号をマスクすることを生じることがある。従って、通常のRACHアクセスに使用されるRACHシグニチャの検出は、カウンティング応答に使用されるシグニチャによりブロックされることがある。本発明の一実施例では、これを解決する1つの機構は、確率係数を導入することにより、カウンティング応答のRACHアクセスを制御することによるものである。
【0083】
従って、本発明の他の態様によれば、アクセス情報は、個別シグニチャ系列と確率係数との形式になる。従って、シグニチャ系列に加えて、確率係数がMCCHで送信されるカウンティング要求メッセージに含まれる。確率係数は、RACHバーストでアクセス制御に使用されるため、RACHで動作する他のユーザのMBMSカウンティング応答の影響を低減する。
【0084】
本発明の一実施例では、前述の問題を解決するために第2の機構が使用されてもよい。この機構は、MBMS応答について特定のRACHチャネルインスタンスを確保することを提案する。他の目的でRACHを送信しようとするUEは、これらの特定のRACHチャネルインスタンスで送信するように構成されなくてもよい。
【0085】
従って、本発明の他の実施例によれば、アクセス情報は、シグニチャ系列とカウンティング応答に使用するRACHチャネルインスタンスとの形式になってもよい。ここでは、シグニチャ系列に加えて、RACHチャネルは、カウンティング応答に使用されてもよく、これは、MCCHで送信されるカウンティング要求メッセージに含まれてもよい。この実施例は、MBMSカウンティング応答についてRACHリソースの一部(少なくとも1つのRACHチャネルインスタンス)を確保することを必要とする。
【0086】
個別RACHリソースは、図7に示すように、RACHプリアンブルに割り当てられたリソースの一部でもよい。しかし、個別RACHリソースは、RACH動作に基づく通常の競合でUEによる選択と対照的に、ネットワークコントローラによる割り当てに確保されてもよい。個別及び競合型RACHアクセスの双方に同じプリアンブルフォーマットが使用されてもよい。或る実施例では、ランダムアクセスリソース(RACHチャネル)の情報は、ブロードキャスト制御チャネル(BCCH:broadcast control channel)でブロードキャストされてもよいが、個別アクセスチャネルのチャネル情報はセルでブロードキャストされない。或る実施例では、この情報は、カウンティング要求メッセージと共にUEに送信されてもよい。
【0087】
図7は、本発明の或る実施例に従って使用される物理アクセスリソースのプール700を示している。RACH物理リソースのプール700が個別アクセスリソース710とランダムアクセスリソース715との双方を含む場合、RACH物理リソースのプール700は、(カウンティング応答メッセージ及び通常のRACHアクセスの双方のために)複数のUEにより共有される。ユーザにより送信されたカウンティング応答が通常のRACHアクセスによりマスクされ得る可能性が存在する。従って、MBMSサービスを受信することに関心のある何人かのユーザがセルに存在しても、ネットワークコントローラは、関心のあるUEの情報を有さない可能性がある。従って、サービスはセルで提供されない可能性がある。
【0088】
この状況を回避する1つの方法は、UEがカウンティング中止を忠告されるまで、カウンティング応答を送信することを要求することである。以下に説明するように、中止メッセージは、レイヤ3のシグナリングとして形成され、MCCHで送信されてもよい。代替として、以下に説明するように、プリアンブルがレイヤ1のシグナリングを使用して肯定応答されてもよい。
【0089】
本発明の或る実施例によれば、単一のUEからのカウンティング応答は、セルで提供するMBMSサービスの決定に影響を及ぼすのに十分になり得る。従って、ネットワークコントローラがRACHプリアンブルで送信されたシグニチャ系列を検出する限り、ネットワークコントローラは、DL−SCH又はプリアンブル肯定応答チャネルを使用して、下りリンクチャネルでプリアンブルの肯定応答を送信する。セル内の全てのUEがこの下りリンク肯定応答を受信することができる。カウンティング応答が肯定応答されると、UEは、それぞれのカウンティング応答手順を中止する。
【0090】
無許可又は偽のUEがMBMSサービスを受信することに関心があると言い、このため、非同期RACHで個別シグニチャ系列を送信することにより、カウンティング要求に応答してもよい。このことは、ネットワークに対して空のセルでMBMSサービスを提供させ得る。UEがサービスを復号することができなくても、これは、無線リソースの無駄(無線リソース攻撃)を生じる。このシナリオは、サービスを起動したユーザのみに個別アクセス情報を提供することにより回避されてもよいことが考えられる。これを処理する1つの方法は、サービス起動手順中にUEに配信された鍵で個別アクセス情報を暗号化又は保護することである。
【0091】
次に図8を参照すると、カウンティング手順800のシグナリングフローが、カウンティング手順における本発明に従って示されている。シグナリングフローは、UE805とe−Node B(又はネットワークコントローラ810)との間で生じる。ネットワークコントローラ810は、所定のMBMSサービスについてカウンティング手順800が必要であるか否かについて決定する。カウンティング手順800が必要であることをネットワークコントローラ810が決定すると、ステップ815において、ネットワークコントローラは、MCCHでカウンティング要求メッセージを送信することによりカウンティング手順を開始する。メッセージは、カウンティングが必要とするMBMSサービスIDと、カウンティング応答に使用される個別アクセス情報とを含む。
【0092】
図10〜図12に関して詳細に説明するように、個別アクセス情報は、以下の1つ以上を含んでもよい。
【0093】
(i)非同期RACHプリアンブルアクセスに使用されるシグニチャ系列
(ii)非同期RACHプリアンブルアクセスに使用されるシグニチャ系列及びRACHアクセス制御に使用される確率係数
(iii)非同期RACHプリアンブルアクセスに使用されるシグニチャ系列及びカウンティング応答に使用される(時間−周波数に関する)個別アクセスリソース
ステップ815においてMCCHでカウンティング要求メッセージを受信した後に、UE805が提供されるサービスに関心がある場合、ステップ820において、UE805は、非同期RACHプリアンブル内で暗示的にカウンティング応答メッセージを送信することによりカウンティング要求815に応答する。UE805は、個別シグニチャ系列で非同期RACHバーストにアクセスする。個別シグニチャ系列は、所定のMBMSサービスのカウンティング要求メッセージ内でUE805にシグナリングされる。従って、カウンティング応答は、シグニチャ系列でネットワークに暗示的に配信される。
【0094】
カウンティング要求メッセージはレイヤ3(L3)のメッセージであるが、カウンティング応答メッセージはレイヤ1(L1)のメッセージであることに注目すべきである。
【0095】
個別シグニチャ系列がネットワークコントローラ810で検出されると、ネットワークコントローラ810は、下りリンクチャネルで個別シグニチャ系列の受信の肯定応答を送信する。ステップ825に示すように、この肯定応答は、UEによりカウンティング中止メッセージとして解釈されてもよい。
【0096】
有利には、レイヤ1のシグナリングのみが関与するため、このことはまた、下りリンクでシグナリングオーバーヘッドの低減を生じる。本発明の或る実施例では、中止カウンティングメッセージ825はまた、MCCHでUE805に送信されてもよいことが考えられる。
【0097】
次に図9を参照すると、ネットワークコントローラの動作900が、本発明の或る実施例に従って示されている。ネットワークコントローラの動作900は、送信機側の動作905及び受信機側の動作910に関して示されている。RRMユニット920が双方の動作にまたがっている。処理はステップ915で始まる。ステップ925に示すように、RRMユニット920の送信機側は、MBMSサービスのカウンティング/再カウンティングの決定を行う。カウンティング/再カウンティング処理が所定のMBMSサービスを開始することであると決定されると、ステップ930で示すように、RRMユニット920は、カウンティング応答に使用される個別アクセスリソースを割り当てる。このように、ステップ935で示すように、所定のMBMSサービスのサービス識別子(ID)及び個別アクセス情報は、符号化されてMCCHで送信される。個別アクセス情報は、個別シグニチャ系列と、確率係数の個別シグニチャ系列と、個別RACHリソースとの形式になってもよい。
【0098】
受信機側910では、ステップ940において、ネットワークコントローラの受信機は、MBMSサービスの個別シグニチャ系列を検出する。個別シグニチャ系列は、UEによるカウンティング応答に使用される。結果はRRM920に渡され、ステップ945で示すように、MBMSサービスを配信するか否かの決定が行われる。ネットワークコントローラでのシグニチャ系列の検出は、少なくとも1人のユーザがネットワークコントローラによりカバーされるエリアで所定のMBMSサービスを受信することに関心があることを示す。従って、サービスは、ネットワークコントローラによりカバーされるエリアで配信される。シグニチャ系列がネットワークコントローラで検出されない場合、サービスはセルで配信されない。
【0099】
個別シグニチャがネットワークコントローラで検出されると、ステップ950で示すように、DL−SCH又はプリアンブル肯定応答に使用される物理チャネルで下りリンクチャネルで肯定応答を送信する。
【0100】
RRMユニット920は、ネットワークコントローラ(すなわち、ENodeB)に存在してもよく、特にマルチセル展開シナリオをサポートする場合にはネットワークのどこかに存在してもよいことが考えられる。
【0101】
図10は、本発明の或る実施例に従って、個別アクセス情報が、i)シグニチャ系列のみ又はii)シグニチャ系列及び個別RACHチャネルのみを含む場合のUEの動作のフローチャート1000を示している。この処理はステップ1005で始まり、UEは、MCCHを読み取る1010。UEがアイドルモードである場合、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)サイクルにより規定される時間に起動する。ステップ1015において、UEが受信に関心のあるMBMSサービスのカウンティングを実行する必要がある場合、UEは、個別シグニチャ系列を送信することにより、カウンティング応答を実行する。個別シグニチャ系列は、MCCH内でUEに通知されている。ステップ125において、カウンティング応答手順は、UEでプリアンブル送信試行カウンタをインクリメントすることで始まる。
【0102】
ステップ1030において、カウンタが最大カウンタ値以下である場合、ステップ1040において、シグニチャは非同期RACHのプリアンブル部分で送信される。
【0103】
i)使用されるシグニチャ系列のみがMCCHでシグナリングされている場合、UEは、カウンティング応答の送信のために(複数のRACHリソースから)ランダムに物理リソースを選択する。
【0104】
ii)RACH物理チャネルが応答に使用される場合、これはMCCHでUEにシグナリングされ、シグニチャ系列はシグナリングされたRACHチャネルリソースを使用して送信される。
【0105】
ステップ1040において、UEは、ネットワークコントローラにより送信されたプリアンブル肯定応答を待機する。ステップ1045において肯定応答が受信されると、ステップ1055においてUEはカウンティング応答手順を終了する。ステップ1045において肯定応答が受信されない場合、ステップ1050において、UEは次のRACHインスタンスを待機し、ステップ1040において、RACHでシグニチャ系列を再送信する。
【0106】
図11は、本発明の或る実施例に従って、個別アクセス情報がRACHチャネルリソースのみを含む場合のUEの動作のフローチャート1100を示している。特に、この処理はステップ1105で始まり、ステップ1110において、UEはMCCHを読み取る。ステップ1115において、UEはカウンティング応答を送信するか否かを決定する。UEが応答を送信しないことを決定すると、処理はステップ1120で中止する。
【0107】
しかし、UEが応答を送信することを決定すると、UEは、ネットワークによりRACHに使用されるために割り当てられた一式のシグニチャ系列からシグニチャ系列を選択する。この情報は、通常ではネットワークにより規定されており、システム情報と共にブロードキャストされる。選択されたシグニチャは、MCCH内でシグナリングされたRACHチャネルで送信される。シグニチャ系列を送信した後に、ステップ1130において、UEは手順を終了する。このシナリオでは、RACHチャネルは、カウンティング応答に使用されるのに専用である。従って、これは、個別RACHチャネルでUEの衝突を生じない可能性がある。ネットワークコントローラは、下りリンクチャネルでプリアンブル肯定応答を送信する必要がない。従って、UEは、プリアンブル肯定応答を待機する必要がない。
【0108】
次に図12を参照すると、フローチャートは、本発明の或る実施例に従って、個別アクセス情報がシグニチャ系列と確率係数とを含む場合のUEの動作を示している。UEは、ステップ1210において、MCCHを読み取ることにより手順を開始する。ステップ1215において、UEが関心のあるサービスについてカウンティングが必要である場合、ステップ1225において、UEは、UEにローカルに保持されたプリアンブル送信カウンタをインクリメントすることにより手順を開始する。
【0109】
ステップ1230において、カウンタが所定の最大値以下である場合、ステップ1240で示すように、確率状態を検査する。ステップ1230において送信カウンタが最大値より大きい場合、又はステップ1215においてカウンティング応答について決定が存在しない場合、UEは、それぞれステップ1235又はステップ1220で手順を終了する。
【0110】
しかし、ステップ1240において確率状態が通過すると、ステップ1250において、シグニチャ系列がランダムに選択された非同期RACHプリアンブルで送信される。ステップ1240において確率の検査が失敗すると、ステップ1245において、第2の(次の)試行について次のRACHインスタンスを待機する。カウンタの最大値は、2つの連続するMCCHインスタンスの間のRACHインスタンスの数に設定されてもよい。
【0111】
RACHプリアンブルを送信した後に、UEは、ネットワークコントローラにより送信されたプリアンブル肯定応答を待機する。ステップ1255において肯定応答が受信されると、ステップ1260においてUEは手順を終了する。そうでない場合、ステップ1245において、UEは次のRACHインスタンスを待機し、ステップ1225においてRACH手順を再開する。
【0112】
明瞭にするために、前述の説明は、異なる機能ユニット及びプロセッサを参照して本発明の実施例について説明したことがわかる。しかし、本発明を逸脱することなく、例えば、ブロードキャストモードロジック又は管理ロジックに関して、異なる機能ユニット又はプロセッサの間での何らかの適切な機能分散が使用されてもよいことが明らかである。例えば、別のプロセッサ又はコントローラにより実行されるように示されている機能は、同じプロセッサ又はコントローラにより実行されてもよい。従って、特定の機能ユニットへの言及は、厳密な論理的又は物理的構造又は構成を示すのではなく、所望の機能を提供する適切な手段への言及のみとして見なされる。
【0113】
本発明の態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの何らかの組み合わせを含む如何なる適切な形式で実装されてもよい。任意選択で、本発明は、1つ以上のデータプロセッサ及び/又はデジタルシグナルプロセッサで動作するコンピュータソフトウェアとして、少なくとも部分的に実装されてもよい。従って、本発明の実施例の要素及び構成要素は、何らかの適切な方法で物理的、機能的及び論理的に実装されてもよい。実際に、機能は、単一のユニット、複数のユニット又は他の機能ユニットの一部として実装されてもよい。
【0114】
本発明の概念の一実施例は、E−UTRANでの使用について説明されているが、本発明の概念はこの実施例に限定されないことが考えられる。ここに記載の本発明の概念は、何らかのセルラ通信システムで特定のMBMSサービスについて関心のあるユーザ又は起動したユーザを検出することが望まれる場合に常に適用され得ることが考えられる。
【0115】
前述の本発明の概念は、以下の利点のうち1つ以上を提供することを目的とすることが考えられる。
【0116】
(i)MBMSカウンティング手順についてのレイヤ1(物理リンクレイヤ)のシグナリング
(ii)3GPPでの既存のMBMSカウンティング手順での以下の利点のうち1つ以上
a)セルでMBMSを起動したユーザを検出する簡単な複雑性の低い手順
b)アイドル状態のUEと接続状態のUEとの双方について共通の手順
c)手順は、非常に少量のシグナリングトラヒックを生成すること
d)手順は、かなりの上りリンク負荷を生成しないこと
e)手順は、RACHでの輻輳を生成せず、他のRACHに影響を及ぼさないこと
f)手順は、アイドル状態のUEがネットワークへの接続を確立することを必要としないこと
このように、例えば同じ原理をWCDMAネットワークに適用したときに比べて、無線加入者通信ユニットの電池寿命のかなりの節約が実現可能である。
【0117】
いくつかの実施例に関して本発明を説明したが、ここに記載の特定の形式に限定されることを意図しない。むしろ、本発明の範囲は特許請求の範囲のみにより限定される。更に、特徴は特定の実施例に関して記載されているように見えることがあるが、前述の実施例の様々な特徴は本発明に従って結合されてもよいことを、当業者はわかる。特許請求の範囲において、‘有する’という用語は、他の要素又はステップの存在を除外しない。
【0118】
更に、個々に記載されているが、複数の手段、要素又は方法のステップは、例えば、単一のユニット又はプロセッサにより実装されてもよい。更に、個々の特徴が異なる請求項に含まれることがあるが、これらは、場合によって有利に結合されてもよく、異なる請求項に含まれることは、特徴の組み合わせが実現可能でない及び/又は有利でないことを意味するのではない。また、請求項の1つのカテゴリに特徴が含まれることは、このカテゴリへの限定を示すのではなく、この特徴は必要に応じて他の請求項のカテゴリにも同様に適用可能になり得ることを示す。
【0119】
更に、請求項における特徴の順序は、特徴が実行されなければならない特定の順序を示すのではなく、特に、方法の請求項の個々のステップの順序は、ステップがこの順序で実行されなければならないことを示すのではない。むしろ、ステップは如何なる適切な順序で実行されてもよい。更に、単数への言及は複数を除外しない。従って、“1つ”、“第1の”、“第2の”等への言及は複数を除外しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの通信セルを有する無線通信システムでブロードキャストサービスに関係する1つ以上の無線加入者通信ユニットからフィードバックを取得する方法であって、
ネットワークコントローラにより、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、
無線加入者通信ユニットにより、前記要求メッセージを受信して処理し、
前記無線加入者通信ユニットにより、前記要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信され、
前記ネットワークコントローラにより、特定の通信セルで前記レイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び
(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のうち1つを実行する方法。
【請求項2】
前記要求メッセージは、1つ以上の無線加入者通信ユニットがブロードキャストサービスを受信することに関心があるか又はブロードキャストサービスを受信しているか否かを特定するために、前記ネットワークコントローラにより送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブロードキャストサービスを受信することに関心がある場合又は前記ブロードキャストサービスを受信している場合に、レイヤ1の応答信号は、前記要求メッセージに応じて前記無線加入者通信ユニットにより送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
レイヤ1の応答信号を送信することは、前記要求メッセージで示された個別アクセスリソースでレイヤ1の応答信号を送信することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
レイヤ1の応答信号を送信することは、(i)前記非同期RACHのプリアンブル部分、(ii)一式の指定のRACHリソースからランダムに選択された非同期RACH、のうち少なくとも1つでレイヤ1の応答信号を送信することを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記個別アクセスリソースは、確率係数を有し、
前記方法は、前記要求メッセージで前記ネットワークコントローラから前記複数の無線加入者通信ユニットに前記確率係数を送信し、これに応じて前記非同期RACHを選択することを更に有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記個別アクセスリソースを示す情報は、前記ブロードキャストサービスに関心のある無線加入者通信ユニットのみが前記個別アクセスリソースを示す情報を受信することができるように、暗号化又は保護される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
複数のブロードキャストサービスの間で複数のレイヤ1の複数の応答信号を時間多重することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記無線加入者通信ユニットが前記ブロードキャストサービスを復号するのに弱すぎる信号を受信している場合、レイヤ1の応答信号は、前記無線加入者通信ユニットにより前記要求メッセージに応じて送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの通信セルと、
前記少なくとも1つの通信セルで動作可能であり、少なくとも1つのネットワークコントローラから信号を受信するように構成された1つ以上の無線加入者通信ユニットと、
前記1つ以上の無線加入者通信ユニットに(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを送信するように構成された少なくとも1つのネットワークコントローラと
を有するセルラ通信システムであって、
少なくとも1つの無線加入者通信ユニットは、前記要求メッセージを受信して処理し、前記要求メッセージに応じて、レイヤ1の応答信号を送信し、ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信され、
前記ネットワークコントローラは、特定の通信セルで前記レイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、前記通信セルでブロードキャストサービスについてポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入るセルラ通信システム。
【請求項11】
トランシーバと、
前記トランシーバに動作可能に結合され、1つ以上の無線加入者通信ユニットに(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを送信するように構成された処理ロジックと
を有するセルラネットワークコントローラであって、
前記トランシーバは、前記要求メッセージに応じて特定の通信セルからレイヤ1の応答信号を受信して処理するように構成され、これに応じて、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び
(ii)前記通信セルでブロードキャストサービスの配信態様を変更すること
のうち1つを実行し、
前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信されるセルラネットワークコントローラ。
【請求項12】
ネットワークコントローラから(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを受信するように構成されたトランシーバと、
前記トランシーバに動作可能に結合され、前記要求メッセージを処理するように構成された処理ロジックと
を有する無線加入者通信ユニットであって、
前記トランシーバは、これに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、前記レイヤ1の応答信号の送信に応じてブロードキャスト伝送を受信するように構成され、ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信される、無線加入者通信ユニット。
【請求項13】
ブロードキャストサービスに関係する1つ以上の無線加入者通信ユニットからフィードバックを取得するように構成されたセルラ通信システムのネットワークコントローラであって、
前記ネットワークコントローラは、実行可能プログラムコードを有するロジックを有し、
前記プログラムコードは、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、
前記ネットワークコントローラにより、特定の通信セルで前記要求メッセージに応答するレイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び
(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のうち1つを実行するように動作可能であり、
前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信される、ネットワークコントローラ。
【請求項14】
ブロードキャストサービスに関係する1つ以上の無線加入者通信ユニットからフィードバックを取得するプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、
ネットワークコントローラにより、特定の通信セルで前記要求メッセージに応答するレイヤ1の応答信号を検出し、
ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信され、
前記応答信号の検出に応じ、前記セルで前記ブロードキャストサービスについてポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入るプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【請求項15】
ブロードキャストサービスを受信するプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、
無線加入者通信ユニットで(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを受信して処理し、
無線加入者通信ユニットが前記ブロードキャストサービスを受信することに関心がある場合、または、無線加入者通信ユニットが加入したブロードキャストサービスを復号するのに弱すぎる信号を受信している場合、前記要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、
これに応じて前記ブロードキャストサービスを受信するプログラムコードを有し、
ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信されるコンピュータプログラム。
【請求項1】
少なくとも1つの通信セルを有する無線通信システムでブロードキャストサービスに関係する1つ以上の無線加入者通信ユニットからフィードバックを取得する方法であって、
ネットワークコントローラにより、(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、
無線加入者通信ユニットにより、前記要求メッセージを受信して処理し、
前記無線加入者通信ユニットにより、前記要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信され、
前記ネットワークコントローラにより、特定の通信セルで前記レイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び
(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のうち1つを実行する方法。
【請求項2】
前記要求メッセージは、1つ以上の無線加入者通信ユニットがブロードキャストサービスを受信することに関心があるか又はブロードキャストサービスを受信しているか否かを特定するために、前記ネットワークコントローラにより送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ブロードキャストサービスを受信することに関心がある場合又は前記ブロードキャストサービスを受信している場合に、レイヤ1の応答信号は、前記要求メッセージに応じて前記無線加入者通信ユニットにより送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
レイヤ1の応答信号を送信することは、前記要求メッセージで示された個別アクセスリソースでレイヤ1の応答信号を送信することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
レイヤ1の応答信号を送信することは、(i)前記非同期RACHのプリアンブル部分、(ii)一式の指定のRACHリソースからランダムに選択された非同期RACH、のうち少なくとも1つでレイヤ1の応答信号を送信することを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記個別アクセスリソースは、確率係数を有し、
前記方法は、前記要求メッセージで前記ネットワークコントローラから前記複数の無線加入者通信ユニットに前記確率係数を送信し、これに応じて前記非同期RACHを選択することを更に有する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記個別アクセスリソースを示す情報は、前記ブロードキャストサービスに関心のある無線加入者通信ユニットのみが前記個別アクセスリソースを示す情報を受信することができるように、暗号化又は保護される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
複数のブロードキャストサービスの間で複数のレイヤ1の複数の応答信号を時間多重することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記無線加入者通信ユニットが前記ブロードキャストサービスを復号するのに弱すぎる信号を受信している場合、レイヤ1の応答信号は、前記無線加入者通信ユニットにより前記要求メッセージに応じて送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの通信セルと、
前記少なくとも1つの通信セルで動作可能であり、少なくとも1つのネットワークコントローラから信号を受信するように構成された1つ以上の無線加入者通信ユニットと、
前記1つ以上の無線加入者通信ユニットに(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを送信するように構成された少なくとも1つのネットワークコントローラと
を有するセルラ通信システムであって、
少なくとも1つの無線加入者通信ユニットは、前記要求メッセージを受信して処理し、前記要求メッセージに応じて、レイヤ1の応答信号を送信し、ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信され、
前記ネットワークコントローラは、特定の通信セルで前記レイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、前記通信セルでブロードキャストサービスについてポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入るセルラ通信システム。
【請求項11】
トランシーバと、
前記トランシーバに動作可能に結合され、1つ以上の無線加入者通信ユニットに(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを送信するように構成された処理ロジックと
を有するセルラネットワークコントローラであって、
前記トランシーバは、前記要求メッセージに応じて特定の通信セルからレイヤ1の応答信号を受信して処理するように構成され、これに応じて、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び
(ii)前記通信セルでブロードキャストサービスの配信態様を変更すること
のうち1つを実行し、
前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信されるセルラネットワークコントローラ。
【請求項12】
ネットワークコントローラから(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを受信するように構成されたトランシーバと、
前記トランシーバに動作可能に結合され、前記要求メッセージを処理するように構成された処理ロジックと
を有する無線加入者通信ユニットであって、
前記トランシーバは、これに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、前記レイヤ1の応答信号の送信に応じてブロードキャスト伝送を受信するように構成され、ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信される、無線加入者通信ユニット。
【請求項13】
ブロードキャストサービスに関係する1つ以上の無線加入者通信ユニットからフィードバックを取得するように構成されたセルラ通信システムのネットワークコントローラであって、
前記ネットワークコントローラは、実行可能プログラムコードを有するロジックを有し、
前記プログラムコードは、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、
前記ネットワークコントローラにより、特定の通信セルで前記要求メッセージに応答するレイヤ1の応答信号を検出し、これに応じて、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び
(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のうち1つを実行するように動作可能であり、
前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信される、ネットワークコントローラ。
【請求項14】
ブロードキャストサービスに関係する1つ以上の無線加入者通信ユニットからフィードバックを取得するプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、
(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを1つ以上の無線加入者通信ユニットに送信し、
ネットワークコントローラにより、特定の通信セルで前記要求メッセージに応答するレイヤ1の応答信号を検出し、
ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信され、
前記応答信号の検出に応じ、前記セルで前記ブロードキャストサービスについてポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入るプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【請求項15】
ブロードキャストサービスを受信するプログラムコードを有するコンピュータプログラムであって、
無線加入者通信ユニットで(i)ポイント・ツー・マルチポイントのブロードキャスト動作モードに入ること、及び(ii)前記通信セルで前記ブロードキャストサービスの配信態様を変更すること、のいずれかを実行するか否かに関する応答を要求する要求メッセージを受信して処理し、
無線加入者通信ユニットが前記ブロードキャストサービスを受信することに関心がある場合、または、無線加入者通信ユニットが加入したブロードキャストサービスを復号するのに弱すぎる信号を受信している場合、前記要求メッセージに応じてレイヤ1の応答信号を送信し、
これに応じて前記ブロードキャストサービスを受信するプログラムコードを有し、
ここで、前記レイヤ1の応答信号は、前記ブロードキャストサービスについての特定の個別シグニチャ系列であり、かつ、非同期RACHで送信されるコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−110003(P2012−110003A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−84(P2012−84)
【出願日】平成24年1月4日(2012.1.4)
【分割の表示】特願2009−524991(P2009−524991)の分割
【原出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年1月4日(2012.1.4)
【分割の表示】特願2009−524991(P2009−524991)の分割
【原出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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