説明

セルロースアシレートフィルムの製造方法

【課題】蒸発した可塑剤による機器の汚染防止を可能にした薄膜TACフィルムなどのフィルムの製造方法を明らかにする。
【解決手段】セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造する方法において、流延用支持体から剥離したウェブを乾燥、必要に応じ熱矯正した後に巻芯に巻き取るに際し、乾燥及び/又は熱矯正工程中に蒸発する可塑剤を除去する手段を配置してウェブの巻き取りを行うことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料や液晶などのベースとして利用されるセルロースアシレートフィルム(以下、単にフィルムと略称することもある。)の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムを製造するための溶液流延製膜方法は、例えば、特開昭62−46625号、同−46646号、特開平4−52125号、同11−90944号、同11−235728号、同11−323017号公報などにより知られている。
【0003】
図10に従って、溶液流延製膜方法によるフィルムの製造を説明する。尚、混合・攪拌などセルロースアシレート溶液(以下、ドープと略称することもある。)の調整工程は省略されている。
【0004】
図10において、10は貯蔵釜であり、導入口11よりドープが、導入口12より添加剤が導入され、保温ジャケット13により所定の温度が維持されており、排出口14を開くことによりギヤポンプ15を介して送液され、流延用ダイ16を通してエンドレス状の支持体17の上に排出されて塗膜が形成される。塗膜は支持体17の走行に伴って冷却され、剥離点18において支持体17から剥離されウェブ19として引き出される。引き出されたウェブ19は、テンター(幅規制装置)20を経て乾燥装置21に送られて乾燥され、巻取装置22によりロール状の元巻き製品となる。
【0005】
上記製造法は一例であり、調整された添加剤ラインをドープ送液ラインに混合し、流延用ダイへ送る製造方法もある。
【0006】
上記した溶液流延製膜方法によりフィルムを製造する方法において、巻き取りを制御する方法ないし装置は知られており、例えば、特開昭63−74850号にはエンボス加工、特開平4−85249号公報などには、エンボスタッチ巻き取りを行うことが開示されている。
【0007】
製品のロール状巻き取りに関して、製品の形態から巻取径自体について言及している先行文献は知られていない。巻取における巻取硬度自体についての測定方法に関しては公知技術がある。
巻き取りと共にロール状製品が帯電していくという帯電電位に関しても知られている。
【0008】
巻芯部のテープ転写に関して、フィルム厚みとテープ厚みの関係についてかつテープを貼る位置について記述されたものはない。
製品の巻き取りに際しての巻き取り部のクリーン度に関しては知られている。
【0009】
乾燥或いは熱矯正工程における可塑剤の蒸発・凝縮及びこれによる汚染については知られているが、これによる機器の汚染抑制方法に関して言及している文献は知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭62−46625号
【特許文献2】特開昭62−46646号
【特許文献3】特開平4−52125号
【特許文献4】特開平11−90944号
【特許文献5】特開平11−235728号
【特許文献6】特開平11−323017号
【特許文献7】特開昭63−74850号
【特許文献8】特開平4−85249号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
近年、セルロースエステルフィルムは、薄膜化の方向に向かっているが、従来の120μm厚フィルムの巻取張力を基に、例えば、40μm厚のフィルムをフィルム断面・張力応力の延長上で巻き取ろうとすると、張力が弱すぎ、ロール状の製品形態が緩巻き状態で馬の背状になり、かつフィルムが多角形に変形した故障状態となり、このような状態では時を経るに従って変形部分のフィルムが固定して変形部分が残り、平面性品質に問題が生じていた。片やこれを解決する対応として、従来の張力応力よりも強めの張力で巻き取りを行っていくと、半径方向応力によりテープ厚に基づくテープ転写或いはフィルムのごくわずかな厚みムラに起因するバンド状の密着フィルム変形、更には、部分的な密着性アップに基づくピラミッド状のベース変形を招く部分的なブロッキングなどが発生し、製造ロスが増大している。
【0012】
上記の問題を解消するような巻取張力条件は、フィルム厚が、85〜20μmへと薄膜化の方向に向かっている中では、ピンポイントの条件となり、製品が多種多様に増加する中では益々難しい状態にある。
【0013】
つまり、薄膜フィルムの巻き取りに伴う問題は、巻取張力を低めにしようと高めにしようと非常な困難を伴っている。上記した特開平4−85249号公報が教えているエンボスタッチ巻取方法は、初期巻取張力を低めに設定することが可能であり、薄膜フィルムの巻き取りに適している。然しながら、この方法を行うには、種々様々な幅サイズのフィルムに対応して数種のタッチロールを用意して交換する必要があり、交換作業に伴う時間ロス、数種のタッチロールを用意するための生産コストが上昇するという問題がある。
【0014】
また、ロール状に巻き取った製品(元巻き)に対する除電が十分でないと、このような元巻きからフィルムを繰り出して二次加工を行おうとすると、例えば、機能性膜を形成するための塗布を行うと、帯電量ムラが原因で塗布面に班が生じてしまうことがあり、製造ロスが増大する。特に近年、生産性向上を目的として高速塗布の方向に向かっており、元巻きからフィルムの繰り出しを行う際の繰り出し帯電電位は益々高くなり、これによる帯電ムラがより発生し易く、塗布ムラ故障の発生に繋がっている。
【0015】
ロール状の元巻フィルムに微少な異物が付着していること自体、二次加工を行うのに好ましくないことであるが、特に乾燥・熱矯正(冷却を含む)工程において、微少な異物が搬送用ロール或いはフィルムに付着していると、工程入り口部でのフィルム表面温度は100〜160℃でありフィルムが軟化状態にあるので、搬送用対ロールに挟まれたフィルムが異物により変形を受けて火ぶくれ状となり製造ロスとなってしまうので極めて好ましくない。
【0016】
乾燥や熱矯正(冷却を含む)の工程では、高温下で行われるため、フィルム可塑剤が蒸発するが、これが壁面や機器などの低温部分に接触すると、可塑剤の種類により凝縮して液状態或いは粉状態となり、壁面や機器の汚染となる。このような汚染部分から液状態や粉状態の可塑剤が滴下してフィルム面に付着すると品質上問題となるので製造ロスとなる。このため、工程の稼動を停止させて壁面や機器の汚染を清掃することが必要であり、メ
ンテナンス負荷が増大するだけでなく、製造効率も低下させている。また、例えば乾燥工程において循環風を利用した場合に、気体状態の可塑剤の濃度が高くなり、機器の汚染の問題はより顕著に発生する。
【0017】
製膜されたフィルムの巻き取りに際し、巻き芯(コア)に対してフィルムの先端を接着するテープは、従来、作業の取り扱い性を考慮して厚みが100〜150μmのテープを利用しているが、厚みが120〜100μmから20〜85μmのように薄膜化されたフィルムの場合には、テープ厚み分によるフィルム面への転写の問題が顕著となり、解決が要請される。
【0018】
また、巻取終了と共に、巻き取り仕上がり品(元巻き)の巻き上げ速度は減速され、やがてゼロとなるが、この搬送速度変化に伴い、フィルム搬送位置は、エッジポジションコントロール(E.P.C.)の制御が働いたとしても、わずかながら変化する。新しいコアに変更された後においても同様に急激な増速に伴いフィルムの搬送位置がわずかながら変化する。このため、特に巻き取り開始時における搬送位置が急激に変わることによりフィルム上に皺が発生し、製造ロスとなる現象が発生していた。これは、この増加減速時の巻き位置の変化を修正するために急激な制御が働くため、かえってフィルムに皺を発生させる事態を招いていた。このような事態の発生も製造ロスにつながるので解決が要請されている。
【0019】
上記から明らかな如く、本発明は、フィルムを緩みなく巻き取り、馬の背状、ピラミッド状のブロッキング故障などの変形防止、巻き取ったフィルムからの除電、帯電量の軽減、異物の混入を阻止するフィルム面のクリーン化、蒸発した可塑剤による機器の汚染防止、などを可能にした薄膜TACフィルムなどのフィルムの製造方法を明らかにすることを課題とし、特に、蒸発した可塑剤による機器の汚染防止を可能にした薄膜TACフィルムなどのフィルムの製造方法を明らかにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の上記課題は、下記構成によって達成できる。
1.セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造する方法において、流延用支持体から剥離したウェブを乾燥、必要に応じ熱矯正した後に巻芯に巻き取るに際し、乾燥及び/又は熱矯正工程中に蒸発する可塑剤を除去する手段を配置してウェブの巻き取りを行うことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0021】
2.可塑剤を除去する手段が、乾燥及び/又は熱矯正工程中において可塑剤の蒸気圧を下げる手段であることを特徴とする上記1に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0022】
3.可塑剤を除去する手段が、乾燥及び/又は熱矯正工程中における全供給風量の5%〜50%の新鮮空気を加える手段であることを特徴とする上記1又は2に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0023】
4.可塑剤を除去する手段が、乾燥及び/又は熱矯正工程中において可塑剤が接触する金属面に対する加熱手段であることを特徴とする上記1に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0024】
5.可塑剤を除去する手段が、乾燥及び/又は熱矯正工程中に供給する空気を循環させ、その循環過程において蒸発している可塑剤を除去する手段であることを特徴とする上記1に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0025】
6.セルロースアシレートフィルの厚みが20〜85μmであることを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0026】
本発明の参考発明として、下記構成が挙げられる。
(1)セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造する方法において、流延用支持体から剥離したウェブを乾燥、必要に応じ熱矯正した後に巻芯に巻き取るに際し、ウェブにエンボス加工を施すと共に、初期巻取開始時において、280N/m幅>タッチロール巻取による押圧力(N/m幅)+巻取初期張力(N/m幅)>60N/m幅となるように巻き取ることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0027】
(2)タッチロールとして実質的にウェブに形成されているエンボスだけに接触する平ロールを利用することを特徴とする上記(1)に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0028】
(3)ウェブに形成されるエンボスは、高さがウェブ膜厚の0.05〜0.3、幅がフィルム巾の0.005〜0.02に設定されていることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0029】
(4)ウェブの両端部に形成されているエンボスに対するタッチロールの押圧力が、両端で単独にて調整できることを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0030】
(5)セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造する方法において、流延用支持体から剥離したウェブを乾燥、必要に応じ熱矯正した後に巻芯に巻き取るに際し、巻き取り後の製品元巻の直径が、両端において異なるように巻き取ることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0031】
(6)製品元巻の両端部の半径差が5mm以内であることを特徴とする上記(5)に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0032】
(7)セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造する方法において、流延用支持体から剥離したウェブを乾燥、必要に応じ熱矯正した後に巻芯に巻き取るに際し、巻き取り後の製品元巻の巻き硬度が、(エンボス部硬度−フィルム端部と中央部との中間点の硬度)<170であるように巻き取ることを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0033】
(8)セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造する方法において、流延用支持体から剥離したウェブを乾燥、必要に応じ熱矯正した後に巻芯に巻き取るに際し、ウェブを巻芯に接着するテープ厚を50μm以下とし、本テープを巻芯巾手全幅に亘り接着させる、或いはウェブ両端に施されたエンボスの片側上のみに接着テープを貼り、ウェブ巻き取りを行うことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0034】
(9)セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造する方法において、流延用支持体から剥離したウェブを乾燥、必要に応じ熱矯正した後に巻芯に巻き取るに際し、除電装置或いは強制帯電装置を配置して、元巻からフィルムを再繰り出しした際のフィルムの帯電電位が±2kV以内となるようウェブ巻き取りを行うことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0035】
(10)セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造する方法において、流延用支持体から剥離したウェブを乾燥、必要に応じ熱矯正した後に巻芯に巻き取るに際し
、乾燥装置、或いは熱矯正装置への導入前及び/又は搬出後にフィルムクリーン化装置を配置して、ウェブに付着している粉塵などを除去することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【0036】
(11)セルロースアシレートフィルの厚みが20〜85μmであることを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、蒸発した可塑剤による機器の汚染防止、などを可能にした薄膜TACフィルムなどのフィルムの製造方法が提供される。そして、本発明の参考発明の方法によるフィルムの巻き取りでは、巻芯の両面接着テープがエンボス部上にあり、タッチロールをエンボス部にタッチさせ、中央部はタッチさせず、元巻でのフィルムの密着は巻き張力支配となっているので、テープ転写発生を軽減することができる。また、低張力の巻き取りでも上下の半径比率差のない元巻製品が供給でき、バンド状故障、テープ転写故障などによる生産ロスが削減され、結果として生産収率が向上する。更に、元巻の巻き径は左右均一となり、且つ、緩る巻き状態になっていないために、馬の背故障を発生させることがない。
【0038】
除電対応、マット剤添加ドープにより元巻の再繰り出し時のフィルム帯電電位を抑制でき、フィルム帯電に起因する塗布ムラの発生を抑制することができ、ロス削減・収率向上が達成可能である。
【0039】
熱矯正、フィルムのクリーン化によって異物に起因するフィルムの火ぶくれ変形の発生が防止され、また、最終工程に異物除去装置を設置することにより、最も効率良く異物の巻き込みを防止することができ、再繰り出しによる機能性層膜の新規塗布時における塗布故障の発生を未然に防止することができる。
【0040】
特に本発明によれば、可塑剤のコンデンスを抑えることにより、コンデンス液体によるフィルム上への汚染、乾燥、熱矯正工程での壁の汚染などを抑制することができ、これらに伴う清掃業務の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明を適用した装置の概略図
【図2】乾燥工程部の概略図
【図3】クリーン化装置の概略図
【図4】巻取装置の要部概略断面図
【図5】ウェブ(フィルム)の拡大断面図
【図6】巻芯とフィルム元巻の概略断面図
【図7】巻取装置の概略側面図
【図8】巻芯へのフィルムの接続を示す概略正面図
【図9】巻芯へのフィルムの接続を示す概略正面図
【図10】従来の装置を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0042】
添付の図面に従って本発明に係るフィルムの製造方法を説明する。併せて、参考発明についても説明する。
図1は、本発明に係るフィルムの製造方法を実施する装置を概略図で示すものであり、基本的な構成においては、図10に従って説明した従来の溶液流延製膜装置と変わらない。
【0043】
本発明を実施する装置において特徴的な点は、発明が解決しようとする課題として提示した諸点のための装置・機器が備えられている点であり、次の通りである。
【0044】
第1に、製品のロール状巻き取りに関しての課題のための装置・機器は、エンボス加工装置30及び巻取装置70に具体化されており、第2に、帯電並びに除電については、ドープの調整並びに巻取装置70に関連して設けられており、第3に、フィルム面のクリーン化については、クリーン化装置50に具体化されており、第4に、乾燥或いは熱矯正工程における可塑剤の蒸発・凝縮による機器の汚染に関しては、乾燥装置40及び熱矯正装置(冷却手段を含む)60に具体化されている。以下、順次具体的に説明する。
【0045】
第1のフィルム巻き取りに関しての課題の解決を説明する。
取り扱うフィルムは、セルロースアシレートフィルムで厚みが20〜85μmであるセルロースアシレートフィルムである。
【0046】
エンボスについて説明する。
乾燥装置40、必要に応じ熱矯正装置60を経たフィルムに対し、巻取工程に導入する前段において、エンボス加工装置30によりエンボス31を形成する加工が行われる。エンボス加工装置30としては、特開昭63−74850号公報に記載されている装置が利用できる。
【0047】
エンボス31は、図5−Aに示すように形成される。即ち、エンボス31の高さH(μm)はフィルム膜厚Tの0.05〜0.3の範囲、幅Wはフィルム幅Lの0.005〜0.02の範囲に設定する。例えば、フィルム膜厚40μm、フィルム幅100cmであるとき、エンボス31の厚みは2〜12μm、エンボス幅は5〜30mmに設定する。タッチロール72との関係については後述する。
【0048】
図5−Bに示すように、エンボス31はフィルムの両面に形成してもよい。この場合、エンボス31の高さH1+H2(μm)はフィルム膜厚Tの0.05〜0.3の範囲、幅Wはフィルム幅Lの0.005〜0.02の範囲に設定する。例えば、フィルム膜厚40μmであるとき、エンボス31の高さH1+H2(μm)は2〜12μmに設定する。エンボス幅は5〜30mmに設定する。
【0049】
エンボス高さ下限については、フィルム間の部分的な密着ムラを防ぐために必要な高さから、一方、上限は、これ以上にするとエンボスが高すぎるため、ロール状製品形態が馬の背状に多角形状に、変形し故障を誘発するからである。
【0050】
エンボスの幅については、エンボス部は、最終的にはロス部分となるため、少なくしたいが、例えばフィルム厚みを80μmから40μmへと薄膜化していった際、フィルム〜ロール間の摩擦力が、50μmを境にグリップ力が極端に減少することが判明、更にフィルム製膜速度を30m/min以上に高速化していった際、特に50m/min以上でフィルム〜ロール間の摩擦力が極端に減少することが判明した。このため、特に50μm以内の薄膜フィルムで、50m/min以上の高速製膜時において、フィルムのすべりを抑えるための最低限必要なエンボス幅である。但し、前述のエンボスの高さともリンクしており、ピラミッド状、馬の背、多角形状、巻きずれ故障を全てクリアーするエンボス高さ×エンボス幅を決定したものである。
【0051】
尚、エンボス31は、フィルムの両端部だけでなく中央部部分にも配置することができる。
フィルム端部の巻芯への接続について:
フィルムの巻き取りを行うには、まず、その先端を巻芯71に接続するする必要がある
。その構成を図8、図9に従って説明する。
【0052】
図8に示す態様は、巻芯71の略全長にわたって両面接着テープ75を配設して行う態様である。この態様では、膜厚(糊厚込み)が20〜55μmで、幅5〜50mmの両面接着テープ75をコア幅手方向に全面に貼りフィルムを巻芯に接着させる。両面接着テープ75の長さは、フィルム幅±50mmに設定する。
【0053】
なお、ウェブを巻芯に接着するテープ75は両面接着テープではなく、片面接着テープにより、ウェブと巻芯を接着する方法でもよい。
【0054】
図9−Aに示す態様では、巻芯71の一方の端部に、一方のエンボス31にかかる位置に幅5〜50mm、長さ10〜50cmの両面接着テープ75を貼り、フィルムの先端の一方だけを接続する。この態様では、巻芯71に接続するフィルムの先端はθ=10〜60度の範囲で斜めにカットする。
【0055】
図9−Bは、比較例として挙げる態様であり、巻芯71の中央部だけに両面接着テープ75を配設する。幅5〜50mm、長さ10〜50cmの両面接着テープ75を利用した。また、フィルムの先端は逆放物線状にカットした。
【0056】
例えば、80μmフィルムから40μmへと薄膜化することにより、巻き芯テープによるフィルムへのテープ転写は想定以上の3倍まで増加した。テープ厚を従来の100μm厚みから20〜55μmへと極端に薄膜化することにより巻き芯テープの転写は、80μm厚フィルムから40μmに薄膜化してもフィルムへのテープ転写は、従来の80μmフィルムで、100厚テープを使用していた以上に減少し、ロス削減につながることが判明した。
【0057】
又、比較例のフィルムセット方法に比較し、ここで述べた本方式に変えることによりテープの転写距離は極端に減少することが判明した。特に、片側エンボス上にセットする方法では、このテープ転写によるロスはほとんどない状態にすることができる。横一直線上にテープセットする方式でもテープ薄膜化により、従来ロス以内に収めることができた。
【0058】
図4に示すように、巻芯71に対するフィルムの巻き取りは、タッチロール72による押さえ込みの下で行われるが、タッチロール72による押さえ込みは、エンボス31の部分に対してのみ行われる(エンボス31の不存在部分のフィルム面とタッチロール72との間には間隙がある)。
【0059】
巻取部の空調・雰囲気は、温度20〜45℃、湿度40〜80%RHに設定する。
【0060】
初期巻取開始時での巻取張力、タッチロール押圧力が、以下の条件を満たすように巻き上げる。
【0061】
280N/m幅>エンボス部のみタッチロール巻取の押圧力+巻取初期張力>60N/m幅となるように巻き取る。
【0062】
この巻き取り条件範囲については、280N/m以上では、巻取時の張力、及びタッチロール押圧力によりエンボス部にかかる半径方向圧力が大きすぎ、以下で述べるように機能性膜塗布加工のため再繰り出した際、フィルム剥離帯電量が大きすぎ、フィルムの帯電量が±2KV以上になり、塗布ムラを誘発することがあるからである。一方、60N/m以内では、巻取張力が弱すぎ、特に2000m以上の長尺巻取の際、仕上がった製品ロール輸送時に巻きずれたり、再繰り出し時の繰り出し張力により巻きずれを起こすからであ
る。
【0063】
タッチロール72の押し圧は、押し圧検出器を設置して監視し、3〜100N/m幅に設定する。
【0064】
タッチロール72の押圧手段としては、例えば、複動式低摩擦シリンダ或いは張力フィードバックをかけるためにサーボモータを利用する。
【0065】
両サイドからそれぞれ単独にて制御できるように押圧する。押圧検出機にて両サイドの押圧を測定するのが好ましい。
【0066】
巻取初期の張力を、例えば60〜180N/m幅のように低張力に設定する。
【0067】
タッチロール72の形状は、巻き始めはフィルムの全幅が接触する平ロールとし、実質的にはエンボスによりエンボス部のみを接触するロールとなる。或いはエンボスのみを接圧する方式もよいが、この場合はフィルム幅が変わるとエンボス位置に合わせタッチロール位置をずらす必要がある。
【0068】
張力を制御するには、テーパー張力設定、関数制御張力設定などの方法による。その手段・方法は、公知の技術を用いればよい。
【0069】
前述したように、エンボス幅は5〜30mmに設定され、全幅フラットロールで、ロール幅=フィルム幅+(0〜+400)mmとすることが好ましい。或いは、エンボス部のみでタッチするロール72との接触幅としては10〜40mmとするのが好ましい。
【0070】
タッチロール72の材質は、金属或いは硬質合成樹脂とする。タッチさせる位置は、フィルムが製品ロールと接する接線直後の位置とすることが好ましい。
【0071】
巻き上がるにつれタッチロール72の移動する方向は、巻取芯からの法線方向がより好ましい。
【0072】
巻取終了前0〜5秒及び巻き取り開始後の0〜5秒間において、巻取部のエッジポイントコントロール(EPC)の制御を自動から固定になるように設定して巻き取りを行うのが好ましい。
【0073】
次に、弛みのない巻き形状について説明する。
【0074】
図6に示すように、コア71の上下端部の巻き径差が、(Y1−X1)<5mm、且つ或いは、コア下巻き径の左右差が、(Y2−Y1)<5mmとなるように巻き取りを行う。図面では、巻き径差或いは左右差がゼロの場合が仮想線で示されている。
【0075】
尚、上記の数値は、巻き上がり時の製品ロール直径が1000mm以内を想定した場合である。巻き上がり直径の違いに応じて上記数値は実験的に求められる。
【0076】
上記5mmの以内にする理由は、鋭意検討の結果、まず上下端部の巻き径差が5mmを超えると巻き自体がゆる巻き状態にあり、製品ロールの輸送時に巻きずれを起こしロスを招くからである。又、コア下巻き径の左右差を5mm以内にするのは、これ以上では、フィルム間の隙間が多くなり、多角形状、或いは馬の背状故障が発生し始しめるし、かつ、半径が小さい側に半径方向応力が偏っているため、再繰り出し時エンボス部での剥離帯電が大きくなり、機能性膜塗工時、帯電による塗布ムラを誘発するからである。上下端部の
巻き径差を5mm以内にする方法としては、初期巻取張力、エンボスタッチ押し圧力を前述範囲内にもっていくこと、一方、コア下巻き径の左右差を5mm以内にする調整方法としては、左右エンボス厚の調整、或いは、左右タッチロール押圧力の調整によって行われる。
【0077】
上記のような巻き径差ないし左右差を形成させるには、タッチロール72のエンボス31に対する左右の接触圧の調整による。タッチロール圧は、左右の巻き径を左右に設置した測定手段、一例として光学系変位測定器により検出し、或いは、巻取後にメジャーにより計測して算出し、左右の巻き径差が上記の式を満足するように押し圧を調整する。このため、タッチロール72の左右の押し圧は独立して制御できるように構成されているのである。
【0078】
(巻芯下の半径−巻芯上の半径)<5mm
を満たすように巻き取るには、下記巻き硬度を満たす範囲にて巻き取る必要があ
る。
【0079】
巻取時の巻き硬度について説明する。
(エンボス31部の巻き硬度−フィルム端部から中央部の中間位置の巻き硬度)<170となるように巻き取る。
【0080】
硬度が170以上である場合、エンボス部の密着力が大きすぎ、製品ロールの再繰り出し時、剥離帯電量が高すぎ、前述のフィルム帯電量を±2KV以内にもっていけないからである。又、元巻き中間部の巻き状態がぶかぶか状態であり、製品ロールが多角形状故障を招くからである。
【0081】
又、環境対応も考慮し従来80μmフィルムから半分厚の40μmへと薄膜を行っていく際、生産効率化から巻き上がり時の巻き径は従来の80μmフィルムと同じクラスとするため、巻取長は約倍巻き上げることになり、このため巻き数が倍近くに増えることから前述のエンボス厚、エンボス幅、巻取張力、タッチ押圧力、巻き径、巻き硬度を規定内に管理してゆくのが重要となるのである。
【0082】
硬度は、JIS規格のビスカス硬度計、或いは、スイス国、PROCEQ S.A.社製の電子式フィルム硬さ試験機・エコーチップ、或いはパロテスター2などを利用することができる。インパクト装置はD型を利用する。
【0083】
硬さ値Lは、反発速度V/打撃速度Vで計測する。反発速度Vは、インパクトボディの供試体からの反発速度、打撃速度Vは、インパクトボディの供試体からの打撃速度であり、10点測定の平均値を算定した。尚、元巻における硬度測定点は、中央部の硬度はバラツキが大きいため、エンボス加工部の上面とエンボス加工部と中央部との中間部とした。
【0084】
第2の帯電並びに除電についてであるが、帯電防止対応のドープ調整については公知の方法を特別の制限なく用いることができる。
【0085】
次に、図7に従って、巻取装置70に配置される除電手段について説明する。巻取前及び巻取部直後に除電器74を設置する。特に、巻取元巻接線内に巻き込む位置に除電器74Aを設置することが好ましい。
【0086】
この除電器74は、元巻を再繰り出しした際の帯電電位が<±2KVとなるように巻取時に除電装置或いは強制帯電装置により逆電位を与える構成で行なうことができるが、強
制帯電電位が、1〜150Hzで正負交互に変換される除電器により除電する構成とすることもできる。
【0087】
上記の除電器74に代えて、イオン風を発生させるイオナイザーや除電バーを利用することができる。
【0088】
イオナイザー除電は、エンボス加工装置30から案内ローラ73を経て巻芯71への送り込まれるウェブに対してイオン風を吹き付けることによって行われる。イオン風は、除電器74により発生される。除電器74としては、公知のものを制限なく用いることができる。
【0089】
製品ロールを再繰り出し時、フィルム帯電が±2KV以上では、機能性膜塗工時、塗布ムラを誘発することがあるためであり、これを防ぐためには、製膜巻取時の徐電は必須となるのである。特に薄膜、高速化を追求した場合、再繰り出し時のフィルム剥離帯電が高くなるため、製膜時徐電は必須となる。
【0090】
次に、帯電量の軽減についてであるが、元巻製品の再繰り出し時の剥離帯電の軽減対応については、マット剤を添加し、フィルム面間の接触面積の減少を行うことで対応できる。
【0091】
図3に従って、第3のフィルム面のクリーン化について説明する。
クリーン化装置50は、乾燥装置及び/又は熱矯正装置60の前段及び/又は後段に配置され、搬送途中のウェブに対しクリーン化手段51によりフィルムに超音波振動を与えると共に表面に高圧風を吹き当てて付着物を吹き飛ばして吸引し、付着している粉塵などを除去するものである。尚、配置するクリーン化手段は、単一であってもよいし、2以上の複数であってもよい。
【0092】
クリーン化手段として、振動・高圧風供給・吸引方法以外の方法として、火炎処理(コロナ処理、プラズマ処理)を行なう方式、粘着ロールを設置する方式など、公知の手段・方法を特別の制限なく用いることができる。
【0093】
ウェブに対する粉塵などの付着は、静電気の作用による場合が多いので、上記したクリーン化手段51の前段に除電手段、例えば、除電バー52を配置してウェブの静電気を除去することが好ましい。除電バー52としては、公知のものを特別の制限なく用いることができる。
【0094】
次に、可塑剤のコンデンス対応について説明するが、先ず、乾燥・熱矯正工程における可塑剤の蒸発・凝縮による機器の汚染を防止する構成について説明する。
【0095】
高温がかかる乾燥・矯正工程において可塑剤が蒸発し、ロールや壁面においてコンデンスする現象を抑制する対策として、単位時間当たり供給風量に対して特定量以上の新鮮空気を流入させることで対応する。そして、供給する新鮮空気の量は、全供給風量の5%〜50%に設定することが好ましい。
【0096】
新鮮空気供給量を5%〜50%にしているのは、5%未満では、新鮮空気量が少なすぎ可塑剤コンデンスを抑制しきれないためである、50%を超えると、新鮮空気量が多すぎ、ランニングコストで無駄が多くなる最適範囲であるからである。
【0097】
上記の対策の外、例えば、次のような構成が採用可能である。第1に、乾燥・矯正工程室内の空気を一部循環させ、クーラーコイルなどに通すことにより可塑剤を強制的に除去
した後、ヒーターで規定温度に上昇させる構成、第2に、可塑剤が金属面に接触する部分の温度を上げる構成、例えば、蒸気・面ヒーターなどにより金属面弥接触する部分の温度を上げる構成である。第3に、ロール面上での可塑剤の蒸気圧を下げるために、新鮮空気を供給する構成である。新鮮空気を供給する手段としては、ロールの近傍に幅手方向にスリットを設け、パンチ板箱からエア風を供給し、供給空気の風速分布を抑えるこ構成などが採用されるが、これに限定されるものではない。
【0098】
矯正工程室或いは冷却工程からフィルムを出す際のフィルムの温度は、60℃以下とすることが好ましい。
【0099】
ここで60℃を超える温度で矯正、冷却工程ボックスから搬出した場合には、可塑剤のコンデンスがまだ起きる条件下にあるからである。
【0100】
マット剤の添加による帯電の防止については、最上層にマット剤を添加したドープにてフィルムを製膜し巻き取ることによって可能となる。
【実施例】
【0101】
以下、本発明の参考発明の実施例を比較例と共に説明する。
参考実施例1
図1から8に示す装置により巻き取りを行なった。巻き取りに際しては、エンボスタッチロールを利用する。このタッチロールは、フィルム全体を押すタッチロールであるが、基本的には、エンボス部のみを軽く押している。
【0102】
TACフィルムの厚みは40μm、エンボスの厚みは5μmに設定した。巻芯上に厚みが40μm、30mm幅の両面接着テープを100mm長さにて片側エンボス部のみに接着させ、ウェブを固定させ、巻取初期張力は、160N/m、テーパー50%、押し圧は左右計で20Nに設定した。以上の条件で、フィルムの巻き取りを行なった。結果を表1に示す。
【0103】
比較例1
図1から8に示す装置により巻き取りを行なった。巻き取り初期張力を250N/mに設定した外は、参考実施例1と同様の条件でフィルムの巻取を行った。結果を表1に示す。
【0104】
比較例2
図1から8に示す装置により巻き取りを行なった。巻き取り初期張力を100N/mに設定した外(但し、タッチロールは行なわず。)は、参考実施例1と同様の条件でフィルムの巻取を行った。結果を表1に示す。
【0105】
比較例3
基本的には図1から図8に示した装置によりフィルムの巻き取りを行なったが、フィルムのエンボス部にのみ接触する凸ロール部を設けた構成のタッチロールを利用した外、エンボスの厚み13μm、巻取初期張力180N/mに設定し、これら以外は、参考実施例1と同様の条件でフィルムの巻取を行った。結果を表1に示す。
【0106】
【表1】

【0107】
注1:馬の背故障=緩る巻き起因による馬の背状の変形故障
注2:多角形故障=緩る巻き起因による多角形状の変形故障
注3:夫々の評価は次の符号で示した。
○:故障なし。
【0108】
△:実用上の問題はないものの故障が見られる。
×:実用上の故障あり。
【符号の説明】
【0109】
10−貯蔵釜
11−ドープ導入口
12−添加剤導入口
13−保温ジャケット
14−排出口
15−ギヤポンプ
16−加圧型ダイ
17−支持体
18−剥離点
19−ウェブ
20−テンター
21−乾燥装置
22−巻取装置
30−エンボス加工装置
31−エンボス
40−乾燥装置
50−クリーン化装置
51−クリーン化手段
52−除電バー
60−熱矯正装置
70−巻取装置
71−巻芯(コア)
72−タッチロール
73−案内ローラ
74−除電器
75−両面接着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法で製造する方法において、流延用支持体から剥離したウェブを乾燥、必要に応じ熱矯正した後に巻芯に巻き取るに際し、乾燥及び/又は熱矯正工程中に蒸発する可塑剤を除去する手段を配置してウェブの巻き取りを行うことを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項2】
可塑剤を除去する手段が、乾燥及び/又は熱矯正工程中において可塑剤の蒸気圧を下げる手段であることを特徴とする請求項1に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項3】
可塑剤を除去する手段が、乾燥及び/又は熱矯正工程中における全供給風量の5%〜50%の新鮮空気を加える手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項4】
可塑剤を除去する手段が、乾燥及び/又は熱矯正工程中において可塑剤が接触する金属面に対する加熱手段であることを特徴とする請求項1に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項5】
可塑剤を除去する手段が、乾燥及び/又は熱矯正工程中に供給する空気を循環させ、その循環過程において蒸発している可塑剤を除去する手段であることを特徴とする請求項1に記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項6】
セルロースアシレートフィルの厚みが20〜85μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載したセルロースアシレートフィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−102044(P2011−102044A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30880(P2011−30880)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【分割の表示】特願2001−85467(P2001−85467)の分割
【原出願日】平成13年3月23日(2001.3.23)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】