説明

セル用構造体、その製造方法及びその利用

【課題】SOFCのセル強度を高めてセルを薄くできるSOFCの単セル用構造体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】酸化物イオン伝導性セラミックス材料を含有する緻密質セラミックス材料層を挟んで2つの多孔質セラミックス材料層が対向される積層構造を備える、固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セル用構造体、その製造方法及びその利用に関し、特に、固体酸化物形燃料電池に適した構造体、詳しくは、固体酸化物形燃料電池のセル用構造体、固体酸化物形燃料電池単セル、固体酸化物形燃料電池及びこれらの製造方法に関する。また、本発明はセラミックスデバイスの躯体となるセラミックス構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミックス材料を主体とするデバイス(以下、単にセラミックスデバイスという。)としては、酸素などのガスセンサー、分離フィルター、固体酸化物形燃料電池(以下、単にSOFCともいう。)などが挙げられる。例えば、SOFCは、燃料極、固体電解質及び空気極からなるユニットを単セルと称し、これを積層等することで直列接続を実現し発電システムを構築している。十分な発電量を得るためには、単セルを数十枚から数百枚積層する必要があるが、このような高度な積層状態で長期間安定に発電するためには、単セルの機械的強度が十分に高い必要がある。また、単セルの発電特性ひいてはスタックの発電特性を向上させるためには、単セルの内部抵抗を低く抑えることが不可欠である。
【0003】
単セルの機械的強度を確保するための構造として、電解質支持型セルや電極支持型セルが知られている。電解質支持型セルは、固体電解質の厚さを数百ミクロン以上とし、この固体電解質の両面に数十ミクロンの燃料極と空気極とを焼き付けるものである。また、電極支持型セルは、セル構成要素のなかで最も抵抗が高い固体電解質を薄膜化し、比較的内部抵抗の小さい空気極又は燃料極を数百ミクロンから数ミリの厚さにしてセルを支持する構造である。
【0004】
例えば、電解質支持型セルとして、緻密質である固体電解質層の表面に酸化物イオン伝導体の粉末を多孔質に焼付け、その後電極材料を導入することが開示されている(特許文献1)。この方法によれば、劣化の原因である電解質と各電極層の剥離性を改善できると記載されている。
【0005】
電極支持型セルの一例として、固体電解質膜と空気極の骨格とを同一の材料で一体焼成し、その後、得られた骨格に空気極材料を含浸させ焼成し、その後固体電解質の骨格が形成されていない面に燃料極材料を塗布し焼成することが開示されている(特許文献2)。この方法によれば、固体電解質膜と空気極との収縮過程が同一となるため、収縮過程の厳密な制御が不要となると記載されている。
【0006】
また、電極支持型セルの他の一例として、気孔率が高く連続気孔を有する仮の基質に、ジルコニア等の骨格と導電性を付与する燃料極材料を堆積させたグリーンシートにより燃料極基板を形成し、この燃料極基板に電解質を塗布(グリーンシート、スクリーン印刷)し、焼成することが開示されている(特許文献3)。この方法によれば、燃料極と固体電解質の熱膨張係数の相違によるソリや割れを回避できることが記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−263993号公報
【特許文献2】特開平7−201341号公報
【特許文献3】特開2006−351403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、電解質支持型セルでは、電解質が高抵抗であり内部抵抗を抑制することが困難である。また、上記特許文献1に開示される方法は、固体電解質が支持体となり得る場合にのみ適用できるに過ぎない。
【0009】
電極支持型セルにあっては、多孔質である電極が支持体であるため電極自体に数百μから数ミリの厚さが必要となってしまう。このような厚い電極は、分極特性が著しく低下してしまう。また、内部抵抗を効果的に抑制できるわけではない。また、電極支持型セルでは、プロセス上の問題から片側の電極を支持体としているため、電解質との収縮率の違いからセルの反りが生じ、これを回避するため出力特性に係わる各部材の組成や構造ならびにプロセスが大きく制限されている。
【0010】
すなわち、従来のようなセル支持構造は、強度確保やプロセス上に大きな制約が発生するため、SOFCの特性向上の大きな阻害要因となっていた。
【0011】
また、以上のような問題は、SOFCに限らず他のセラミックスデバイスの強度確保、薄膜化・小型化に関しても同様に存在していた。
【0012】
そこで、本発明は、SOFCのセル強度を容易に高めることのできるSOFCのセル用構造体及びその製造方法を提供することを一つの目的とする。また、本発明は、さらにセルを薄くできるSOFCセル用構造体及びその製造方法を提供することを他の一つの目的とする。さらに、本発明は、こうしたSOFCセル用構造体を用いて内部抵抗を低減できるSOFC単セル及びこれらの製造方法提供することを他の一つの目的とする。本発明は、高出力を実現可能なSOFC及びその製造方法を提供することをさらに他の一つの目的とする。
【0013】
また、本発明は、各種セラミックスデバイスの製造に適した構造躯体となるセラミックス構造体を提供することを他の一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明者らは、従来のセル構造の問題点は、セルの一部の要素を支持体としており、残部をそれに付随させていることにあることに着目した。すなわち、このような一部支持構造を採るために、支持体とする一部の要素の厚みを増大させる必要が生じ、さらに、この一部の要素の厚み、材料組成及び収縮率等のために他の要素の厚みや材料組成について大きな制約が生じていたことを見出した。また、こうした制約のために、本来SOFCとして備えるべきガスの通気性向上、内部抵抗の低減特性が実現されていないことを見出した。そこで、本発明者らは、新規なセル支持構造を提供することで、従来のセル支持構造に起因する種々のSOFCの電池特性向上の阻害要因を排除できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明によれば以下の手段が提供される。
【0015】
本発明によれば、緻密質である酸化物イオン伝導性セラミックス材料層を挟んで2つの多孔質セラミックス材料層が対向される積層構造を備える、固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体が提供される。
【0016】
本発明の単セル用構造体においては、前記緻密質セラミックス材料層が2種類以上のセラミックス材料を含有していてもよいし、前記緻密質セラミックス材料層は2種類以上のセラミックス材料層を有していてもよい。また、前記多孔質セラミックス材料層は、前記緻密質セラミックス材料層に含まれるセラミックス材料と同一のセラミックス材料を含有することができる。
【0017】
本発明によれば、固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体の製造方法であって、緻密質セラミックスを形成可能な緻密質セラミックス原料層を挟んで、2つの多孔質セラミックスを形成可能な多孔質セラミックス原料層が対向される積層構造を有するセラミックス積層体の前駆体を準備する工程と、前記前駆体を焼成する工程と、を備える、固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体の製造方法が提供される。
【0018】
この製造方法においては、前記多孔質セラミックス原料層は、焼成により気孔を形成可能な造孔剤を含有することができ、さらに、分散剤および/または結合剤を焼成により前記造孔剤の凝集に起因する気孔及び/又は焼成により凝集したセラミックス二次粒子間間隙に起因する気孔を形成可能な程度に含有することができる。
【0019】
本発明によれば、上記いずれかに記載の固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体の製造方法によって得られる固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体が提供される。
【0020】
本発明によれば、上記いずれかに記載の固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体の2つの前記多孔質セラミックス材料層にそれぞれ燃料極材料及び空気極材料を備える、固体酸化物形燃料電池用単セルが提供される。
【0021】
本発明によれば、上記の固体酸化物形燃料電池用単セルを備える、固体酸化物形燃料電池が提供される。さらに、本発明によれば、固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、上記いずれかに記載の固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体の前記2つの前記多孔質セラミックス材料層に燃料極材料及び空気極材料をそれぞれ保持させる工程、を備える、製造方法が提供される。
【0022】
本発明によれば、緻密質セラミックス材料層を挟んで2つの多孔質セラミックス材料層が対向される積層構造を備える、セラミックスデバイスの躯体用のセラミックス構造体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明は、SOFC単セル用構造体、その製造方法、SOFC単セル及び当該単セルを備えたSOFC及びその製造方法に関する。
【0024】
本発明のSOFC単セル用構造体は、酸化物イオン伝導性材料を含有する緻密質セラミックス材料層を挟持する多孔質セラミックス材料層を有する少なくとも3層からなる積層構造を備えている。この単セル用構造体は、固体電解質として機能する酸化物イオン伝導性セラミックス材料を含有する緻密質セラミックス材料層を対向するように多孔質セラミックス材料層を備えている。これらの多孔質セラミックス材料層には、それぞれ電極材料を担持させることができる。すなわち、この単セル用構造体はSOFCの固体電解質としての緻密質セラミックス材料層と、正極及び負極の担体(骨格)としての多孔質セラミックス材料層と、を備えている。本発明は、予め、このような単セル用構造体を準備しておき、これらの多孔質セラミックス材料層にそれぞれ電極材料を担持させることでSOFCを作製することを意図している。
【0025】
SOFCの作製にあたって、このような単セル作製の戦略は、従来全くなかったものである。従来は、固体電解質や電極に対して他の要素を順次積層して単セルを作製することが行われていた過ぎない。本発明の単セル用構造体のように、固体電解質層となる緻密質セラミックス材料層に対して電極材料の担体層となる多孔質セラミックス材料層とを備える構造体を予め作製しておき、その後、これらの多孔質セラミックス材料層に電極材料を供給させ担持させることで種々の制約がなく強度や適切な厚みのSOFC単セルを作製できる。このため、単セル設計の自由度が向上され、SOFCの電池特性を容易に向上させることができ、内部抵抗を低減し高出力を実現できるSOFCを提供することができるようになる。
【0026】
本発明の単セル用構造体においては、固体電解質として機能する緻密質セラミックス材料層は、2つの多孔質セラミックス材料層に保持されるとともに、それぞれの多孔質セラミックス材料層は、残り2層(緻密質セラミックス材料層と他方の多孔質セラミックス材料層)とによって保持されている。このため、容易に構造体自体の強度を確保することができる。したがって、従来のように一部の要素の厚みを強度確保のために増大させる必要がなくなり、こうした強度確保ために他の要素の厚みや材質等が規制されることも回避できる。
【0027】
また、本発明の単セル用構造体によれば、容易に構造体自体の強度を確保し、ひいてはSOFCとしての強度を容易に確保できるため、SOFC単セルの各要素やその全体を従来に比較して薄くすることができる。また、本発明の単セル用構造体によれば、予め固体電解質とともに電極用の骨格が一体化されているため、プロセス上の制約も回避又は低減できる。
【0028】
以上のことから、本SOFC用単セル構造体を用いることで、固体電解質や電極の厚みや材質、プロセス上の制約が低減されるため、セルの内部抵抗、ガス流通性、導電パスの拡大、セル内の熱収縮率等の最適化を高い自由度で実現することができる。このため、セルの劣化が抑制され、高出力であるほか、各種電極性能が向上されたSOFC単セル及びSOFCを得ることができる。
【0029】
本発明によれば、緻密質セラミックス材料層を挟んで2つの多孔質セラミックス材料層が対向される積層構造を備える、セラミックスデバイスの躯体用のセラミックス構造体が提供される。
【0030】
本発明のセラミックスデバイスの躯体用のセラミックス構造体によれば、緻密質セラミックス材料層と多孔質セラミックス材料層とを備えるため、機能上緻密質層及び多孔質層のいずれか一方を要するセラミックスデバイスとしての強度を容易に確保できる。また、このセラミックス構造体によれば、予め緻密質セラミックス材料層と多孔質セラミックス材料層とが一体化されているため、このセラミックス用構造体を用いることで容易にセラミックスデバイスを作製できる。
【0031】
以下、本発明の各種実施形態について説明する。
【0032】
(SOFC単セル用構造体)
本発明のセル構造体は、酸化物イオン伝導性セラミックス材料を含有する緻密質セラミックス材料層を挟んで2つの多孔質セラミックス材料層が対向される積層構造を備えることができる。緻密質セラミックス材料層に含まれる酸化物イオン伝導性セラミックス材料は、SOFCの固体電解質として従来公知のセラミックス材料を特に限定しないで用いることができる。例えば、サマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、ストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などの酸化物イオン伝導性セラミックス材料が挙げられる。
【0033】
緻密質セラミックス材料層は、酸化物イオン伝導性セラミックス材料を1種類含有していてもよいし、2種類以上含有していてもよい。また、異なる酸化物イオン伝導性セラミックスを含有する2種類以上の緻密質セラミックス材料層を備えることもできる。緻密質セラミックス材料層を構成するセラミックス材料及び積層構造は、SOFCとして要求される特性に応じて適宜選択することができる。
【0034】
緻密質セラミックス材料層はSOFC単セルとしたときに好ましい厚みや平面形態を備えていることが好ましい。緻密質セラミックス材料層の厚みは特に限定されないが、5μm以上300μm以下とすることができる。この範囲であると、良好な機械的強度と発電特性を得ることができるからである。好ましくは5μm以上100μm以下であり、より好ましくは5μm以上20μm以下である。緻密質セラミックス材料層は、例えば、方形状、長方形状、円形状等の各種の形状の平面形態を備えることができる。
【0035】
緻密質セラミックス材料層は、SOFCの固体電解質として求められる程度の緻密性を有していればよい。緻密質セラミックス材料層における緻密度の制御は当業者であれば容易に材料等に応じて容易に設定することができる。
【0036】
多孔質セラミックス材料層を構成するセラミックス材料は特に限定しないが、緻密質セラミックス材料層に含まれるセラミックス材料と同一のセラミックス材料を含有することが好ましい。こうすることで積層構造の良好な一体性及び強度を確保することができる。したがって、多孔質セラミックス材料層は、緻密質セラミックス材料層に含まれる酸化物イオン伝導性セラミックス材料を含有することが好ましい。緻密質セラミックス材料層と同様、酸化物イオン伝導性セラミックス材料を1種又は2種以上含むことができる。
【0037】
多孔質セラミックス材料層は、多数の気孔を備えている。気孔は、少なくとも一部が連続気孔であることが好ましく、より好ましくは実質的にほとんどが連続気孔である。連続気孔でないと、後述するように電極材料の担持が制限され、また、ガス流通性が確保されないと電極機能が損なわれる。多孔質セラミックス材料層の気孔率は特に限定しないが、例えば、20%以上85%以下程度とすることができる。気孔率の制御は、造孔剤の種類及び量等を調整することにより当業者であれば容易に実施できる。
【0038】
多孔質セラミックス材料層は単一の層であってもよいし2層以上の多孔質セラミックス材料層から構成されていてもよい。気孔率や気孔径をセラミックス材料を単一の層内において異ならせることもできるし、2層以上にわたって異ならせることができる。
【0039】
多孔質セラミックス材料層は、SOFC単セルとしたときに好ましい厚みや平面形態を備えていることが好ましい。多孔質セラミックス材料層の厚みは特に限定されないが、5μm以上1000μm以下とすることができる。この範囲であると、良好な機械的強度と発電特性を得ることができるからである。好ましくは5μm以上300μm以下であり、より好ましくは5μm以上100μm以下である。多孔質セラミックス材料層は、例えば、方形状、長方形状、円形状等の各種の形状の平面形態を備えることができる。多孔質セラミックス材料層は緻密質セラミックス材料層と同一の平面形態を備えていることが好ましい。
【0040】
緻密質セラミックス材料層を挟持して対向される2層の多孔質セラミックス材料層は相互に同一のセラミックス材料で構成されていてもよいし異なっていてもよい、気孔率や気孔径のほか厚みについても相互に同一であってもよいし異なっていてもよい。さらに、緻密質セラミックス材料層の片面において2層以上の多孔質セラミックス材料層を備え、他の片面において単一の多孔質セラミックス材料層を備えるものであってもよい。
【0041】
本発明のSOFC単セル用構造体によれば、このような積層構造を備えることにより、従来の電極支持型セルよりも、一層固体電解質を薄膜化できるとともに、電極の厚みも薄くできる。また、このために、セル内における熱収縮率の差が従来に比べて容易に低減可能なものとなっており反りや剥離が抑制されている。さらに、多孔質セラミックス材料層における気孔率や気孔径の自由度が向上するため、三相界面を確保するのに最適な界面構造を容易に形成することもできる。しかも、少なくとも一方、好ましくは双方の多孔質セラミックス材料層と緻密質セラミックス材料層が同一のセラミックス材料、好ましくは酸化物イオン伝導性セラミックス材料を含有することにより、酸化物イオン伝導パスが拡大されており、電極特性を容易に向上させることができるものとなっている。さらに、同様の理由により熱収縮率の相違が抑制されて単セル用構造体の反りが一層効果的に抑制され、平坦性に優れるSOFCを容易に得られるものとなっている。
【0042】
(単セル用構造体の製造方法)
本発明のSOFC単セル用構造体の製造方法は、本発明の単セル用構造体の前駆体であるセラミックス原料層の積層体を準備する工程と、前記前駆体を焼成する工程と、を備えることができる。
【0043】
(前駆体の準備工程)
前駆体は、酸化物イオン伝導性セラミックスを含有する緻密質セラミックス材料層を形成可能な緻密質セラミックス原料層を挟んで、2つの多孔質セラミックスを形成可能な多孔質セラミックス原料層が対向される積層構造を備えている。このような積層構造は、公知の方法で作製したセラミックスグリーンシートを順次積層したり、順次セラミックススラリーを層状に塗工したりすることによって得ることができる。表面の平滑性に乏しい多孔質原料層上に薄い緻密質原料層を成形させるには高い技術を必要とすることを考慮すると、好ましくは、各原料層に相当するセラミックスグリーンシートを予め準備しておき、これらを積層して前駆体を準備する。
【0044】
以下、緻密質セラミックス材料層及び多孔質セラミックス材料層にそれぞれ対応するセラミックスグリーンシートを予め作製しておき、これらを所望の順序で積層して前駆体を得る工程につき、一例を挙げて説明する。
【0045】
緻密質セラミックス原料層となるセラミックスグリーンシートは、既に説明した緻密質セラミックス材料層に用いられるセラミックス材料を含むセラミックススラリーを塗工等してシート状に成形することによって得ることができる。スラリーは、例えば、酸化物イオン伝導性セラミックス材料を主成分として、さらにバインダー樹脂、有機溶媒などを適量加えて均一に混合することにより得ることができる。こうして作製したスラリーを、ナイフコート、ドクターブレードなどの塗工装置を用いるシート成形法により成形することでシート状成形体を得ることができる。得られたシートを、常法に従い、乾燥後、必要に応じて加熱処理することで緻密質セラミックス原料層となるセラミックスグリーンシートを得ることができる。
【0046】
既に説明したように、緻密質セラミックス材料層はセラミックス材料等において相違する2層以上の緻密質セラミックス材料層で構成することもできるため、組成等において相違する2種類以上の緻密質セラミックス原料層用のセラミックスグリーンシートを準備してもよい。また、セラミックスグリーンシートの形状や厚みは、意図する緻密質セラミックス材料層を考慮して適宜決定される。
【0047】
また、多孔質セラミックス原料層となるセラミックスグリーンシートは、例えば、緻密質セラミックス原料層と同一の酸化物イオン伝導性材料を主成分としたスラリーから緻密質セラミックス原料層用のセラミックスグリーンシートと同様にして得ることができる。多孔質セラミックス原料層用のスラリーは、気孔を形成可能な組成を有している点において多孔質セラミックス原料層用のスラリーと相違する。
【0048】
多孔質セラミックス原料層用のスラリーは、例えば、後段での焼成工程により気孔を形成可能な造孔剤を含むことができる。造孔剤としては、公知の造孔剤の中から、単セル用構造体の焼成温度で焼失する有機材料などからなるものであればよい。造孔剤の材料としては、例えば、ポリメタクリル酸樹脂やポリスチレン樹脂などの樹脂材料やカーボンなどを用いることができる。また、造孔剤の形状は特に限定しないが、気孔の分散性や結果として得られるガス拡散効果を考慮すると等方性の粒子を用いることが好ましく、より好ましくは真球状粒子を用いる。
【0049】
多孔質セラミックス材料層における気孔率や気孔径は、造孔剤の量や粒子径を調節することで容易に調整することができる。例えば、造孔剤の粒子径に応じた気孔を多孔質セラミックス材料層内に形成するには、スラリー中に造孔剤の凝集が回避されて良好に分散された状態で含有されるようにする。すなわち、造孔剤の量や分散剤の添加が考慮される。また、造孔剤の二次粒子径に応じた気孔や、セラミックス粒子の二次粒子間間隙に基づく気孔を形成するには、分散剤及び結合剤の双方又はいずれか一方のスラリー中の含有量を調節することによって実現できる。例えば、分散剤の量を最適量(スラリーが良分散する量)に対し低下させるか又は過剰にすることで、造孔剤やセラミックス粒子の分散性を低下させ、上記のような気孔を形成することができる。また、結合剤の量を増加させることで、造孔剤及びセラミックス粒子につきそれぞれの二次粒子を形成しやすくして上記のような気孔を形成することができる。この他、気孔の分散性の制御については、特開2008−004422号に準じて実施することができる。
【0050】
なお、以上のような分散剤による気孔率や気孔径制御は、セラミックススラリーを用いるセラミックス成形法である鋳込み成形法やテープ成形法において有用である。
【0051】
既に説明したように、気孔径や気孔率について、緻密質セラミックス材料層を挟んで対向される多孔質セラミックス材料層間において相互に相違していてもよいしほぼ同程度となるようにしてもよい。また、同じ側(同じ極側)において気孔径や気孔率の異なる2層以上の多孔質セラミックス材料層を形成するように2種類以上のセラミックスグリーンシートを作製してもよい。また、セラミックスグリーンシートの形状や厚みは、意図する緻密質セラミックス材料層を考慮して適宜決定される。
【0052】
こうしてそれぞれ準備したセラミックスグリーンシートを積層することによって、前駆体を得ることができる。前駆体は、焼成に先立って適度に加圧されてもよい。
【0053】
(前駆体の焼成工程)
前駆体の焼成工程は、前駆体を焼成して、本発明の単セル用構造体の積層構造を形成する工程である。焼成温度、焼成時間、昇温条件及び焼成雰囲気等は、各セラミックスグリーンシートの組成のほか、前駆体における積層構造や前駆体の大きさ等を考慮して適宜決定される。
【0054】
こうした前駆体準備工程及び焼成工程を経て得られる単セル用構造体は、緻密質セラミックス材料層を挟んで2つの多孔質セラミックス材料層が対向された積層構造を備えるとともに、これらが一体に焼成されている。このために、セル構造体は良好な一体性を有するものとなっている。また一体焼成により、多孔質セラミックス材料層と緻密質セラミックス材料層との界面も良好に密着され、多孔質セラミックス材料層が酸化物イオン伝導性セラミックス材料を含有するときには、酸化物イオン伝導パスが拡大されたものとなっている。また、こうした積層構造を有するためにそれ自体の強度が確保されハンドリング性も良好である。
【0055】
本発明のSOFC単セル用構造体の製造方法によって得られるSOFCの単セル用構造体は、上記のよう特徴を有しており、一体焼成でないものとは区別される。
【0056】
(SOFC単セル及びSOFC)
本発明のSOFC単セルは、本発明の単セル用構造体の緻密質セラミックス材料層を挟んで対向される2つの多孔質セラミックス材料層にそれぞれ燃料極材料及び空気極材料を備えることができる。このようなSOFC単セルによれば、上記した本発明の単セル用構造体が発揮する作用効果をSOFC単セルにおいて得ることができる。すなわち、薄くても強度が十分に確保されており、しかも優れた電極特性を発揮できて高出力が期待でき、反りも抑制されたセルとなている。なお、多孔質セラミックス材料層においては、内壁表面に電極材料があっても、通気性が確保されている。
【0057】
多孔質セラミックス材料層に備えられる電極材料としては、特に限定しないで公知のSOFCにおいて燃料極材料として用いられているものを用いることができる。例えば、金属触媒と酸化物イオン伝導体からなるセラミックス粉末材料との混合物又はその複合粉末が挙げられる。その他、粉末材料のほかに、焼成により燃料極材料と成る前駆体溶液を用いることもできる。このとき用いられる金属触媒としては、ニッケル、鉄、コバルトや、貴金属(白金、ルテニウム、パラジウム等)等の還元性雰囲気中で安定であって水素酸化活性を有する材料を用いることができる。前駆体としては、硝酸ニッケル溶液、酢酸ニッケル溶液などを用いることができる。また、酸化物イオン伝導体としては、蛍石型構造又はペロブスカイト型構造を有するものを好ましく用いることができる。蛍石型構造を有するものとしては、例えばサマリウムやガドリニウム等をドープしたセリア系酸化物、スカンジウムやイットリウムを含むジルコニア系酸化物などを挙げることができる。また、ペロブスカイト型構造を有するものとしてはストロンチウムやマグネシウムをドープしたランタン・ガレード系酸化物が挙げられる。上記材料の中では、酸化物イオン伝導体とニッケルとの混合物で、燃料極を形成することが好ましい。燃料極材料は、1種類を単独で又は2種類以上を混合して使用することができる。また、燃料極材料は、金属触媒を単体で用いて構成することもできる。
【0058】
また、空気極材料としては、特に限定しないで公知のSOFCにおいて空気極材料として用いられているものを用いることができる。例えば、ペロブスカイト型構造等を有するCo、Fe、Ni、Cr又はMnなどからなる金属酸化物を用いることができる。具体的には(Sm、Sr)CoO、(La、Sr)MnO、(La、Sr)CoO、(La、Sr)(Fe、Co)O、(La、Sr)(Fe、Co、Ni)Oなどの酸化物が挙げられ、好ましくは、(La、Sr)MnOである。空気極材料は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0059】
これらの電極材料は、多孔質セラミックス材料層の気孔内壁に膜状若しくは層状に備えられていることが好ましい。また、必ずしも多孔質セラミックス材料層全体に均一でなくともよく、分散して備えられていてもよい。電極材料の保持方法については後述する。
【0060】
SOFCは、このように構成されたSOFC単セルに対して、SOFCとして必要な要素(例えば、集電体やセパレータ)とが組み合わされて構成される。必要な要素や電池構成は、当業者において周知であって、当業者であれば本発明のSOFC単セルを用いて容易にSOFCを作製することができる。
【0061】
(SOFC単セル及びSOFCの製造方法)
本発明のSOFC単セル及びSOFCの製造方法は、本発明の単セル用構造体の緻密質セラミックス材料層を挟んで対向される2つの多孔質セラミックス材料層に燃料極材料及び空気極材料をそれぞれ供給して保持させる工程を備えることができる。本発明の製造方法によれば、予め固体電解質を備えるとともに燃料極及び空気極の骨格を備えているため、強度確保や異種材料のためのプロセス上の制約も回避又は低減されており、セル作製の工程を簡略化することができる。また、電極に求められる多孔質性が、単セル用構造体に既に備える多孔質セラミックス材料層においてある程度確保されているため、電極材料中に別途造孔剤等を添加することも省略できる。多孔質セラミックス材料層に酸化物イオン伝導性セラミックス材料を含有するときには、良好な酸化物イオン伝導パスが構築されている。
【0062】
本発明の単セル用構造体に対して電極材料を供給し保持させるには、特に限定しないで公知のセラミックス材料の膜形成方法等を採用できる。例えば、電極材料を、グリセリン、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ポリエチレングリコールなどの有機物を加えてペースト又はスラリーとして、スクリーン印刷法、ナイフコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート(含浸)等により、それぞれの多孔質セラミックス材料層に供給することができる。そして、その後、乾燥・焼成等することで多孔質セラミックス材料層、具体的にはその気孔内壁に電極材料が付与される。燃料極材料は、SOFCの運転条件にて還元され燃料極として機能するようになる。
【0063】
(セラミックスデバイスの躯体用セラミックス構造体)
本発明のセラミックスデバイスの躯体用セラミックス構造体は、緻密質セラミックス材料層を挟んで2つの多孔質セラミックス材料層が対向される積層構造を備えることができる。
本発明のセラミックス構造体は、各種セラミックスデバイス、例えば、酸素等のガスセンサーや分離用フィルターに用いることができる。これらはいずれも、緻密質セラミックス層及び/又は多孔質セラミックス層を機能上の必須構成要素とすることができる。本発明のセラミックス構造体は、こうしたセラミックスデバイスの機能上の必須構成要素の少なくとも一部を構成するとともに、セラミックスデバイスの躯体となる部分も提供することができる。
【0064】
本発明のセラミックス構造体においては、その緻密質セラミックス材料層や多孔質セラミックス材料層に用いるセラミックス材料やその厚み等は、それぞれセラミックデバイスの用途に応じて決定することができる。
【0065】
例えば、本発明セラミックス構造体を酸素センサなどのガスセンサーの一部及びその躯体に用いる場合には、緻密質セラミックス材料層は、ガス分離膜及びイオン伝導性体として機能し、多孔質セラミックス材料層は反応場及び支持体として機能する。この場合、緻密質セラミックス材料層として、ジルコニア系セラミックスやセリア系セラミックスなどの酸化物イオン伝導性材料を用い、多孔質セラミックス材料層としては、特に限定されないが、強度や一体性等の観点から緻密質セラミックス材料層と同一のセラミックス材料を用いることができる。
【0066】
また、本発明のセラミックス構造体を分離用フィルターの一部及びその躯体に用いる場合には、緻密質セラミックス材料層は、分離膜として機能し、多孔質セラミックス材料層は支持体として機能する。この場合、緻密質セラミックス材料層としては、アルミナ、ジルコニア、コージエライト、シリカなどの酸化物セラミックスを用いることができ、多孔質セラミックス材料層としては、特に限定されないが、強度や一体性等の関連から緻密質セラミックス材料層と同一のセラミックス材料を用いることができる。
【0067】
本発明のセラミックス構造体は、セラミックスデバイスの種類に応じたセラミックス材料を用いる以外は、上記したSOFC単セル用構造体及びその製造方法における各種実施態様をそのまま適用することができる。
【0068】
なお、本発明のセラミックス構造体において、緻密質セラミックス材料層及び多孔質セラミックス材料層における緻密質及び多孔質とは、当該セラミックス構造体において相対的に決定されるものである。すなわち、本発明のセラミックス構造体において、緻密質セラミックス材料層の気孔率等は特に限定されないでセラミックスデバイスの用途に応じた緻密度であればよく、当該緻密質セラミックス材料よりも多孔質であるのが多孔質セラミックス材料層であればよい。したがって、緻密質セラミックス材料層も、気孔を有する多孔質であってもよい。
【0069】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0070】
以下、発明を、実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定するものではない。
【実施例1】
【0071】
セラミックス材料としてGd0.2Ce0.8(GDC)、造孔剤としてポリメタクリル酸メチルビーズ(PMMA、平均径:20μm)を用いた。エタノール、マレイン酸ポリエーテル共重合体(分散剤)、ポリビニルブチラール(結合剤)、フタル酸ベンジルブチル(可塑剤)から成る緻密部用GDCスラリー(表1)を用い、ドクターブレードにより15−30mmの薄膜グリーンシートを成形した(緻密部用シート)。別に、良分散系GDC/PMMAスラリーを調製し(表1、単位:g)、同様に150−300mmの多孔部用のグリーンシートを成形した。多孔部用シート/緻密用シート/多孔部用シートの順に重ねたグリーンシート積層体を1450℃で8時間焼成し、多孔部にPMMA由来の気孔を有するセラミックス積層体1を得た。断面の写真を図1に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
図1に示すように、本実施例によれば、良好な一体性を有するSOFC単セル用構造体を得ることができた。すなわち、緻密質セラミックス材料層については、厚さが30μmで十分に緻密質であり、多孔質セラミックス材料層については、厚さが140μmで意図した多孔性を有していた。
【実施例2】
【0074】
表1に示す組成において凝集系のGDC/PMMAスラリーを調製し、同様に150−300mmの多孔部用のグリーンシートを成形した。多孔部用シート/緻密用シート/多孔部用シートの順に重ねたグリーンシート積層体を1450℃で8時間焼成し、PMMA由来の気孔に加え、GDC凝集体の粒子間隙および凝集したPMMA由来の気孔が導入されたセラミックス積層体2を得た。断面の写真を図2に示す。
【0075】
図2に示すように、多孔質セラミックス材料層は厚さが180μmで非常に高い多孔度を有していた。また、多孔質セラミックス材料層との界面に凹凸があるにもかかわらず、緻密質セラミックス材料層は一体性よく単セル用構造体に保持されていた。
【実施例3】
【0076】
表1に示す組成のイットリア安定化ジルコニア(YSZ)スラリーを用い、ドクターブレードにより緻密部用YSZの薄膜グリーンシートを成形した。多孔部用シート/緻密用GDCシート/緻密用YSZシート/多孔部用シートの順に積層させ1450℃で8時間焼成することで、緻密部が2種類の酸化物イオン伝導材料から構成されるセラミックス積層体3を得た。断面の写真を図3に示す。
【0077】
図3に示すように、緻密質セラミックス材料層を異種のセラミックス材料を用いて積層したにも関わらず良好な一体性で緻密質セラミックス材料層が形成されていた。また、いずれの緻密質セラミックス材料層も多孔質セラミックス材料層と一体性よく結合されていた。
【実施例4】
【0078】
GDCから構成されるセラミックス積層体(直径16mm、緻密部の厚さ:30μm、多孔部の厚さ:150μm)の多孔部に白金電極を導入し、SOFC用単セルを作製した。断面の写真を図4に示す。燃料として3%加湿水素(50ml/min)、酸化剤として空気(50ml/min)を用いて700℃で発電試験を行ったところ、100mW/cmの出力が得られた。結果を図5に示す。
【0079】
図4に示すように、白金は単セル用構造体の両多孔部全体に分散し固定されていた。また、図5に示すように、良好な出力を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】セラミックス積層体の一例(写真)を示す図である。
【図2】セラミックス積層体の他の一例(写真)を示す図である。
【図3】セラミックス積層体の他の一例(写真)を示す図である。
【図4】白金電極が担持されたGDC積層体の写真を示す図である。
【図5】白金電極が担持されたGDC積層体の発電結果(グラフ)を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物イオン伝導性セラミックス材料を含有する緻密質セラミックス材料層を挟んで2つの多孔質セラミックス材料層が対向される積層構造を備える、固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体。
【請求項2】
緻密質セラミックス材料層が2種類以上のセラミックス材料を含有する、請求項1に記載の単セル用構造体。
【請求項3】
前記緻密質セラミックス材料層は2種類以上のセラミックス材料層を有する、請求項2に記載の単セル用構造体。
【請求項4】
前記多孔質セラミックス材料層は、前記緻密質セラミックス材料層に含まれるセラミックス材料と同一のセラミックス材料を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の単セル用構造体。
【請求項5】
固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体の製造方法であって、
緻密質セラミックスを形成可能な緻密質セラミックス原料層を挟んで、2つの多孔質セラミックスを形成可能な多孔質セラミックス原料層が対向される積層構造を有するセラミックス積層体の前駆体を準備する工程と、前記前駆体を焼成する工程と、
を備える、固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体の製造方法。
【請求項6】
前記多孔質セラミックス原料層は、焼成により気孔を形成可能な造孔剤を含有する、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記多孔質セラミックス原料層は、さらに、分散剤および/または結合剤を焼成により前記造孔剤の凝集に起因する気孔及び/又は焼成により凝集したセラミックス二次粒子間間隙に起因する気孔を形成可能な程度に含有する、請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池のセル用構造体の製造方法によって得られる、固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体の2つの前記多孔質セラミックス材料層にそれぞれ燃料極材料及び空気極材料を備える、固体酸化物形燃料電池用単セル。
【請求項10】
請求項9に記載の燃料電池用単セルを備える、固体酸化物形燃料電池。
【請求項11】
固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
請求項1〜4のいずれかに記載の固体酸化物形燃料電池の単セル用構造体の前記2つの前記多孔質セラミックス材料層に燃料極材料及び空気極材料をそれぞれ保持させる工程、を備える、製造方法。
【請求項12】
緻密質セラミックス材料層を挟んで2つの多孔質セラミックス材料層が対向される積層構造を備える、セラミックスデバイスの躯体用のセラミックス構造体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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