センサ、センサのセンシング方法、及びセンサのフィルタ
別途のチューニング作業なしに所定感度に接触可否を認識することができるセンサ、センサのセンシング方法、及びセンサのフィルタを提供する。
本発明のセンサは、物体の接触または近接の可否によって可変するセンシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、閾値と上記センシングデータとを比較して接触または近接の可否を認識し、上記センシングデータを用いて接触または近接しない状態の上記センシングデータの値を示す第1強度値及び接触または近接した状態の上記センシングデータの値を示す第2強度値を可変させ、上記第1強度値及び上記第2強度値を用いて上記閾値を可変させ、タッチ及び近接の可否を示す出力信号を出力する決定部とを備えることを特徴とする。
本発明のセンサは、物体の接触または近接の可否によって可変するセンシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、閾値と上記センシングデータとを比較して接触または近接の可否を認識し、上記センシングデータを用いて接触または近接しない状態の上記センシングデータの値を示す第1強度値及び接触または近接した状態の上記センシングデータの値を示す第2強度値を可変させ、上記第1強度値及び上記第2強度値を用いて上記閾値を可変させ、タッチ及び近接の可否を示す出力信号を出力する決定部とを備えることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサに関し、特に、所定感度で接触または近接の可否を認識することができるセンサ、センサのセンシング方法、及びセンサのフィルタ(Sensor、sensing method for the sensor、and filter for the sensor)に関する。
【背景技術】
【0002】
指やペンなどの接触物体による接触または近接を感知し、接触または近接の可否を出力するセンサは家電製品や携帯用通信端末機などに多く使用されている。
【0003】
大韓民国特許公報第666699号には、接触物体の静電容量を用いて感知信号と基準信号との遅延時間差を利用して接触物体の接触可否を認識するタッチセンサが開示されていて、大韓民国特許出願公開第2008−50544号には、上記感知信号と上記基準信号との遅延時間差を測定する遅延時間の測定回路が開示されている。
【0004】
すなわち、タッチセンサは、接触可否によって遅延時間が可変しない基準信号と接触可否によって遅延時間が可変する感知信号との遅延時間差が所定の基準時間以上になると接触物体が接触したことに認識し、所定の基準時間以下になると接触物体が接触してないと認識するように構成される。ところが、接触物体が接触した場合であっても、環境、場所、カバーの厚さ、及び/またはタッチパッドによって遅延時間が変わることもあり、これにより上記遅延時間差も変わることになる。よって、従来のタッチセンサにおいて、上記方式で接触可否を認識しようとする場合、上記条件によってタッチ感度が変わることになるので、上記条件を考慮して上記基準時間を調整するチューニング作業が必要である。特に、このようなチューニング作業は製品開発時に必ず必要であり、製品ごとにタッチ位置とタッチセンサとの間の電気的な条件の差があるため、チューニング作業はハードウェアの変更とソフトウェアの修正を繰り返すことで完成される。よって、製品開発時に、このようなチューニング作業が開発期間を長くする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、製品開発時に必ず必要とするチューニング作業を減らして、使用者が製品を使用する際に、環境などとは関係なく所定感度を維持することができるセンサを提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、上記目的を達成するためのセンサのセンシング方法を提供することである。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、上記目的を達成するためのセンサのフィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
信号を入力して基準信号を出力する基準信号発生部と、パッドを備え、該パッドに接触物体が接触または近接されると上記基準クロック信号を遅延させて感知信号を出力する感知信号発生部とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記センシングデータ出力部の第2の態様の上記遅延時間測定部は、複数個の従属接続された遅延素子を備え、上記基準信号に応答して互いに異なる遅延時間を有する複数個の遅延信号及び上記基準信号のフィードバック回数を示す繰り返しカウンティング信号を出力するディレーチェーン部と、上記基準信号に応答してリセット信号を出力し、上記感知信号に応答してカウンティング中止信号を出力し、上記複数個の遅延信号のエッジ数に対応するコード信号を出力するエッジ感知部と、上記繰り返しカウンティング信号及び上記コード信号をデコーディングして上記基準信号と上記感知信号との遅延時間差に対応する上記遅延データを出力するデコーダと、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記センシングデータ出力部の第2の態様の上記遅延時間測定部の上記ディレーチェーン部は、上記遅延信号、上記カウンティング中止信号及びフィードバック信号を論理積して上記複数個の遅延信号のうち最初の遅延信号を出力するスイッチと、上記最初の遅延信号を入力して遅延させて上記複数個の遅延信号のうち該当する遅延信号をそれぞれ出力する上記複数個の遅延素子を備えるディレーチェーンと、上記複数個の遅延素子のうち最後の遅延素子から出力される遅延信号を反転して上記フィードバック信号を出力するインバータと、上記リセット信号に応答してリセットされ、上記フィードバック信号のエッジをカウンティングして上記繰り返しカウンティング信号を発生し、上記カウンティング中止信号に応答して上記繰り返しカウンティング信号を上記デコーダに出力するカウンタと、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部は、上記センシングデータを入力してセンシング値を出力するフィルタ部と、上記センシング値を用いて接触または近接しない状態では上記第2強度値は可変せず、上記第1強度値は可変して出力し、接触または近接した状態では上記第1強度値は可変せず、上記第2強度値は可変して出力する強度決定部と、上記第1強度値及び上記第2強度値を入力して上記閾値を計算し、上記閾値と上記センシング値とを比較して接触または近接の可否を判断し、上記出力信号を出力する判断部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記フィルタ部は、上記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して上記センシング値に出力する第1線形フィルタと、上記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて上記センシング値に出力する非線形フィルタと、上記第2フィルタリングデータを上記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して上記センシング値に出力する第2線形フィルタと、を備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記フィルタ部の上記第1線形フィルタ及び上記第2線形フィルタは、低域通過フィルタまたは帯域通過フィルタであることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記強度決定部は、上記第1強度値が「0」であれば上記第1強度値を上記センシング値に変更し、上記第2強度値が「0」であれば上記第2強度値を上記センシング値に所定の第1値を加算した値に変更することを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記強度決定部第1の態様は、接触または近接しない状態で、上記センシング値が所定の第1時間の間に変化すれば上記第1強度値は変更せず、上記センシング値が上記第1時間の間に変化しなければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、第2の態様は接触または近接しない状態で上記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ上記第1強度値は変更せず、上記第2強度値が上記第2値よりも大きければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、第3の態様は接触または近接しない状態で上記第1強度値と上記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ上記第1強度値は変更せず、上記第1強度値と上記センシング値との差が上記第3値よりも大きければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、上記強度決定部の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様は、上記第1強度値を上記センシング値に変更するか、または上記第1強度値が上記センシング値よりも大きければ上記第1強度値を上記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、上記第1強度値が上記センシング値よりも小さければ上記第1強度値を上記第1強度値に上記第4値を減算した値に変更することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記強度決定部は、接触または近接した状態で上記センシング値が所定の第2時間の間に変化すれば上記第2強度値を可変せず、上記センシング値が上記第2時間の間に変化しなければ上記第2強度値を上記センシング値に変更し、接触または近接された状態で上記第2強度値が上記第1強度値に所定の第5値を加算した値よりも大きければ上記第2強度値を上記センシング値に変更し、上記第2強度値が上記第1強度値に上記第5値を加算した値よりも小さければ上記第2強度値を上記第1強度値に上記第5値を加算した値に変更することを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記判断部は、上記第1強度値及び上記第2強度値を入力して上記閾値を計算する閾値計算部と、上記センシング値と上記閾値とを比較して接触または近接の可否を判断し、判断結果によって上記出力信号を出力するタッチ判断部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記判断部の第1の態様の上記閾値は、第1閾値及び第2閾値で構成され、上記閾値計算部は上記閾値に所定の第1オフセットを加算した第1閾値及び上記閾値に所定の第2オフセットを減算した第2閾値を出力し、上記判断部は接触または近接しない状態で上記センシング値が上記第1閾値より大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接した状態で上記センシング値が上記第2オフセットよりも小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記判断部の第2の態様は、接触または近接しない状態で上記センシング値が上記閾値より第3時間の間に大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接した状態で上記センシング値が上記閾値より上記第3時間より短い第4時間の間に小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記判断部の第3の態様は、上記第1強度値、上記第2強度値、及び上記センシング値を入力して接触または近接しない状態で上記センシング値が上記第1強度値に第6値を加算した値以上に大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接した状態で上記センシング値が上記第2強度値に第7値を減算した値以下に小さくなれば接触または近接しないと判断し、判断結果によって上記出力信号を出力することを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部は、上記センシング値を入力して上記センシング値が所定時間の間に一定範囲内であれば上記タッチセンサが非活動状態と判断し、制御信号を活性化する活動感知部をさらに備え、上記強度決定部及び/または上記判断部は上記制御信号が活性化されると動作を停止することを特徴とし、上記目的を達成するための本発明のセンサは、上記制御信号を外部に出力して外部の入力装置の動作を制御することを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部は、上記出力信号を入力してタッピング可否を感知し、タッピングが感知されたらウェークアップ信号を発生する活動感知部をさらに備えることを特徴とし、上記目的を達成するための本発明のセンサは上記ウェークアップ信号を外部に出力して外部の入力装置をウェークアップさせることを特徴とする。
【0023】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法は、物体の接触または近接の可否によって可変されるセンシング値を計算するセンシング値の計算段階と、第1強度値が「0」であれば上記第1強度値を上記センシング値に変更し、第2強度値が「0」であれば上記第2強度値を上記センシング値に所定の第1値を加算した値に変更する初期化段階と、接触または近接しない状態で上記センシング値を入力して上記第1強度値を可変させる第1強度値の可変段階と、接触または近接した状態で上記センシング値を入力して上記第2強度値を可変させる第2強度値の可変段階と、上記第1強度値及び上記第2強度値を入力して閾値を計算する閾値の計算段階と、上記閾値と上記センシング値とを比較して接触または近接の可否を認識する認識段階と、を備えることを特徴とする。
【0024】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法の上記センシング値は、物体の接触または近接に応じて可変するインピーダンスに対応する値であるか、または基準信号と物体とが接触または近接した場合、上記基準信号よりも所定時間センシングされる感知信号との遅延時間差に対応する値であることを特徴とする。
【0025】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法の上記第1強度値の可変段階の第1の態様は、上記センシング値が所定の第1時間の間に変化すれば上記第1強度値は変更せず、上記センシング値が上記第1時間の間に変化しなければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、第2の態様は上記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ上記第1強度値は変更せず、上記第2強度値が上記第2値よりも大きければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、第3の態様は上記第1強度値と上記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ上記第1強度値は変更せず、上記第1強度値と上記センシング値との差が上記第3値よりも大きければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、上記第1強度値の可変段階の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様は、上記第1強度値を上記センシング値に変更するか、または上記第1強度値が上記センシング値よりも大きければ上記第1強度値を上記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、上記第1強度値が上記センシング値よりも小さければ上記第1強度値を、上記第1強度値に上記第4値を減算した値に変更することを特徴とする。
【0026】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法の上記第2強度値の可変段階の第1の態様は、上記センシング値が所定の第2時間の間に変化すれば上記第2強度値は変更せず、上記センシング値が上記第2時間の間に変化しなければ上記第2強度値を上記センシング値に変更することを特徴とし、第2の態様は上記第2強度値が上記第1強度値に所定の第5値を加算した値よりも大きければ上記第2強度値を上記センシング値に変更し、上記第2強度値が上記第1強度値に上記第5値を加算した値よりも小さければ上記第2強度値を、上記第1強度値に上記第5値を加算した値に変更することを特徴とする。
【0027】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法の上記認識段階の第1の態様は、接触または近接しない状態で上記センシング値が上記閾値より第3時間の間に大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で上記センシング値が上記閾値より上記第3時間より短い第4時間の間に小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とし、第2の態様の上記閾値は第1閾値及び第2閾値で構成され、上記閾値の計算段階は上記閾値に所定の第1オフセットを加算した値を第1閾値に計算し、上記閾値に所定の第2オフセットを減算した値を第2閾値に計算し、上記認識段階は接触または近接しない状態で上記センシング値が上記第1閾値より大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接した状態で上記センシング値が上記第2閾値より小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする。
【0028】
上記さらに他の目的を達成するための本発明のセンサのフィルタは、接触または近接の可否によって可変されるセンシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータを出力する第1線形フィルタと、上記第1線形フィルタに従属接続され、上記第1フィルタリングデータを入力し、フィルタリングして第2フィルタリングデータを出力する第2フィルタと、を備えることを特徴とする。
【0029】
上記さらに他の目的を達成するための本発明のセンサのフィルタの上記第2フィルタの第1の態様は、上記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて上記第2フィルタリングデータに出力する非線形フィルタであることを特徴とし、第2の態様は上記第1フィルタリングデータを上記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して上記第2フィルタリングデータに出力する第2線形フィルタであることを特徴とする。
【0030】
上記さらに他の目的を達成するための本発明のセンサのフィルタは、上記第1線形フィルタ、上記非線形フィルタ、及び上記第2フィルタリングデータを上記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して上記センシング値として出力する第2線形フィルタを備えることを特徴とする。
【0031】
上記さらに他の目的を達成するための本発明のセンサのフィルタの上記第1線形フィルタ及び上記第2線形フィルタは、低域通過フィルタまたは帯域通過フィルタであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
したがって、本発明のセンサ、センサのセンシング方法、及びセンサのフィルタは、環境、場所、カバーの厚さ及び/またはタッチパッドによるチューニング作業なしに、所定感度に接触可否を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のタッチセンサの実施例の構成を示す図である。
【図2】図1に示す本発明のタッチセンサの感知信号出力部100の実施例の構成を示す図である。
【図3】図1に示す本発明のタッチセンサの遅延時間測定部200の実施例の構成を示す図である。
【図4】図1に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の実施例の構成を示す図である。
【図5】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300のフィルタ部310の実施例の構成を示す図である。
【図6】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の強度決定部320の第1強度値の決定方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示す第1強度値の決定方法を説明するための動作タイミング図である。
【図8】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の強度決定部320の第2強度値の決定方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示す第2強度値の決定方法を説明するための動作タイミング図である。
【図10】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の判断部330の実施例の構成を示す図である。
【図11】図10に示す判断部330の動作を説明するための動作タイミング図である。
【図12】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の他の実施例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付した図面を参照して本発明のセンサ、センサのセンシング方法、及びセンサのフィルタを説明する。
【0035】
図1は本発明のセンサの一実施例の構成を示す図であって、センサはセンシングデータ出力部10及びタッチ決定部300を備えて構成されていて、センシングデータ出力部10は感知信号出力部100及び遅延時間測定部200を備えて構成されている。
【0036】
次に、図1に示すブロックそれぞれの機能を説明する。
センシングデータ出力部10は、接触物体の接触可否により可変するセンシングデータDdataを出力する。感知信号出力部100は、基準信号ref及び接触物体の接触可否によって上記基準信号refより所定時間遅延される感知信号senを出力する。遅延時間測定部200は上記感知信号senと上記基準信号refの遅延時間差を検出して遅延時間差に対応する遅延データをセンシングデータDdataに出力する。
【0037】
タッチ決定部300はセンシングデータDdataを用いて接触可否を認識し、その結果によって接触可否を示すタッチ信号touchを出力する。すなわち、タッチ決定部300は遅延データDdataを用いて閾値(threshold value)を可変させ、遅延データDdataが上記閾値よりも大きければタッチした状態として認識し、遅延データDdataが上記閾値よりも小さければタッチしない状態として認識し、タッチ状態によりタッチ信号touchを出力する。上記閾値はタッチしない状態の強度、すなわち、タッチしない状態での感知信号senと基準信号refとの遅延時間差を示す第1強度値及び/またはタッチした状態の強度、すなわち、タッチした状態での感知信号senと基準信号refとの遅延時間差を示す第2強度値から計算することができ、上記第1強度値及び上記第2強度値は遅延データDdataを用いてタッチ決定部300で計算することができる。また、閾値は第1閾値と第2閾値で構成され、タッチ決定部300は、遅延データDdataが第1閾値より大きければタッチした状態で認識し、遅延データDdataが第2閾値より小さければタッチしない状態に認識するように構成される。
【0038】
図示しないが、センシングデータ出力部10は、接触物体の接触可否によって可変するインピーダンス(例えば、キャパシタンス)を測定し、上記測定されたインピーダンス(例えば、キャパシタンス)に対応する値を上記センシングデータDdataに出力するように構成される。
【0039】
図2は、図1に示す本発明のセンサの感知信号出力部100の実施例を示す図であって、基準クロック発生部110、感知信号発生部120及び基準信号発生部130で構成されていて、感知信号発生部120は抵抗R1及びパッドpadで構成され、基準信号発生部130は抵抗R2で構成される。
【0040】
図2に示すブロックそれぞれの機能を説明する。
基準クロック発生部110は基準クロック信号clkrを出力する。感知信号発生部120は接触物体がパッドpadに接触されると上記基準クロック信号clkrを所定時間遅延させて出力し、接触物体がパッドpadに接触されないと上記基準クロック信号clkrを遅延せず出力する。すなわち、パッドpadに所定の静電容量を有する接触物体が接触されると感知信号発生部120に入力される基準クロック信号clkrは抵抗R1と接触物体の静電容量によって所定時間遅延されて感知信号senに出力され、接触物体が接触されないと基準クロック信号clkrが遅延せず、そのまま感知信号senに出力される。基準信号発生部130は基準クロック発生部110から入力される基準クロック信号clkrを遅延せず、そのまま基準信号refに出力する。
【0041】
図示しないが、基準信号発生部130は、基準信号refが出力される端子と接地電圧との間に接続されるキャパシタをさらに備えて基準クロック信号clkrを接触物体の接触可否とは関係なく所定時間遅延させて基準信号refに出力するように構成することができる。
【0042】
図3は、図1に示す本発明のセンサの遅延時間測定部200の実施例を示す図であって、遅延時間測定部200は、ディレーチェーン部210、エッジ感知部220及びデコーダ230で構成され、ディレーチェーン部210は3入力ANDゲートとして実現されたスイッチASW、複数個の従属接続された遅延素子D1、D2、・・・、Dn、インバータINV及びカウンタCNTで構成されている。
【0043】
図3に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
ディレーチェーン部210は、基準信号refに応答して互いに異なる遅延時間を有する複数個の遅延信号delay0、delay1、・・・、及びディレーチェーン部210をよる基準信号refのフィードバック回数を示す繰り返しカウンティング信号iterを出力する。スイッチASWは、基準信号ref、フィードバック信号fb、及びカウンティング中止信号stopに応答して遅延信号delay0を入力信号として出力する。すなわち、スイッチASWは、基準信号ref、フィードバック信号fb及びカウンティング中止信号stopを論理積して遅延信号delay0を発生させ、遅延信号delay0を入力信号として複数個の遅延素子D1、D2、・・・、Dnを備えるディレーチェーンとして出力する。複数個の遅延素子D1、D2、・・・、Dnのそれぞれは入力された信号を遅延させて該当する遅延信号delay1、delay2、・・・、delaynを出力する。インバータINVはディレーチェーンの最後の遅延素子Dnから出力される遅延信号delaynを反転させてフィードバック信号fbを出力する。カウンタCNTはフィードバック信号fbに応答してディレーチェーン部210による繰り返し回数を表示する繰り返しカウンティング信号iterを出力する。すなわち、カウンタCNTは遅延信号delaynを反転させたフィードバック信号fbのエッジをカウンティングして繰り返しカウンティング信号iterを出力する。また、カウンタCNTはエッジ感知部220から出力されるリセット信号resetに応答してリセットされ、エッジ感知部220から出力されるカウンティング中止信号stopに応答してカウンティングを中止し、上記繰り返しカウンティング信号iterをデコーダ230に出力する。カウンタCNTはエッジ感知部から出力されるカウンティング中止信号stopに応答してリセットされるように構成されることができる。
【0044】
すなわち、ディレーチェーン部210は遅延時間測定開始を示す基準信号refに応答して動作を始める。基準信号ref、フィードバック信号fb及びカウンティング中止信号stopを論理積して発生された遅延信号delay0は入力信号として複数個の遅延素子D1、D2、・・・、Dnを備えるディレーチェーンに入力され、複数個の遅延素子D1、D2、・・・、Dnを備えるディレーチェーンは入力信号を所定時間遅延させて互いに異なる遅延時間を有する複数個の遅延信号delay1、delay2、・・・delaynを出力し、カウンタCNTは繰り返しカウンティング信号iterを出力する。また、ディレーチェーン部210はエッジ感知部220から出力されるカウンティング中止信号stopに応答して動作を中止する。
【0045】
エッジ感知部220は基準信号refに応答してリセット信号resetを出力し、感知信号senに応答してカウンティング中止信号stopを出力し、複数個の遅延信号delay0、delay1、・・・delayn−1のエッジをカウンティングして複数個の遅延信号delay0、delay1、・・・、delayn−1のエッジの個数に対応するコード信号codeを出力する。また、エッジ感知部220は繰り返しカウンティング信号iterに応答してリセットされる。すなわち、繰り返しカウンティング信号iterの値が変わるとエッジ感知部220はリセットされる。
【0046】
デコーダ230は、エッジ感知部220から出力されるコード信号codeとカウンタCNTから出力される繰り返しカウンティング信号iterとをデコーディングして遅延データを発生させ、上記遅延データをセンシングデータDdataに出力する。
【0047】
遅延時間測定部200は、図3の実施例の外に多様な方法で構成されることができる。例えば、スイッチASWは繰り返しカウンティング信号iterに応答して基準信号refとフィードバック信号fbを選択的に出力するスイッチ回路で構成されることができる。また、図3の構成からカウンタCNTとデコーダ230を省略して、エッジ感知部220が基準信号refに応答して遅延信号delay0、delay1、・・・、delayn−1のエッジ個数をカウンティングし、感知信号senに応答してカウンティングを中止してカウンティングされたエッジの個数を遅延データDdataに出力するように構成することができる。また、エッジ感知部220の代わりに繰り返しカウンティング信号iterに応答して遅延信号delay0、delay1、・・・、delayn−1を、そのまま出力したり反転したりして比較信号に出力する複数個の排他的論理合ゲート、及び上記比較信号と感知信号を論理積してコード信号を出力する複数個のANDゲートで構成されたコード発生部を利用することができる。また、図3では、ディレーチェーンがフィードバック構成を有することを例示したが、フィードバック構成を有しないディレーチェーンも利用することができる。
【0048】
図2及び図3では、ディレー方式のタッチセンサを例として説明したが、本発明は接触可否によって可変するインピーダンス(例えば、キャパシタンス)を感知するセンサにも適用することができる。この場合、遅延時間測定部200はパッドを介してインピーダンス(例えば、キャパシタンス)を測定し、測定したインピーダンス(例えば、キャパシタンス)の値をデジタル値に変換して出力するインピーダンス測定部に代替されることができる。上記インピーダンス測定部は多様な形態で実現することができる。例えば、インピーダンス測定部は接触可否によって可変するインピーダンス(例えば、キャパシタンス)によって変わる充放電時間を測定し、上記充放電時間をデジタル値に変換して出力するように構成されることができ、この場合、デルタ−シグマ(delta−sigma)方式のアナログ−デジタルコンバータADCを用いて充放電時間をデジタル値に変換するように構成することができる。
【0049】
図4は本発明のセンサの決定部300の実施例を示す図であって、フィルタ部310、強度決定部320、及び判断部330で構成されている。
【0050】
図4に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
フィルタ部310は遅延時間測定部200から出力されたセンシングデータDdataをフィルタリングして遅延値CDを出力する。フィルタ部310はローパスフィルタで構成され、ノイズなどを除去する。強度決定部320はフィルタ部310から出力される遅延値CDを用いてタッチしない状態ではパッドがその状態の強度、すなわち、タッチしない状態の感知信号senと基準信号refとの遅延時間差を示す第1強度値NTSを可変させ、タッチした状態ではパッドがタッチした状態の強度、すなわち、タッチした状態での感知信号senと基準信号refとの遅延時間差を示す第2強度値TSを可変させ、上記第1強度値NTS及び上記第2強度値TSを出力する。強度決定部320は判断部330から出力されるタッチ信号touchを用いてタッチした状態であるか、タッチしない状態であるかを判断するように構成されることができる。判断部330はフィルタ部310から出力される遅延値CDと強度決定部320から出力される第1強度値NTS及び第2強度値TSを用いて接触可否を認識し、接触可否を示すタッチ信号touchを出力する。すなわち、判断部330は強度決定部320から出力される第1強度値NTS及び第2強度値TSを用いて閾値を決定し、フィルタ部310から出力される遅延値CDを上記閾値と比較して上記遅延値CDが上記閾値以上であればタッチしたものと認識し、上記閾値以下であればばタッチしないものと認識するように構成されることができる。
【0051】
図示しないが、タッチ決定部300のフィルタ部310は、場合によって上記遅延データDdataをフィルタリングしないでそのまま遅延値CDに出力するように構成されることができる。すなわち、タッチ決定部300の強度決定部320及び判断部330は、遅延時間測定部200から出力された遅延データDdataをそのまま遅延値CDとして利用するように構成されることができる。
【0052】
図4ではディレー方式のタッチセンサを例として説明しているが、上述のように、本発明はインピーダンス(例えば、キャパシタンス)を測定する方式のタッチセンサに対しても適用することができる。この場合、フィルタ部310は感知信号と基準信号との遅延時間差を示す遅延データの代わりに測定されたインピーダンス(例えば、キャパシタンス)をデジタル値に変換したセンシングデータDdataとして受けて、センシングデータDdataに含まれたノイズなどを除去したセンシング値を出力するように構成されることができ、強度決定部320はフィルタ部310から出力されたセンシング値を用いて第1強度値NTS及び第2強度値TSを可変させるように構成されることができる。
【0053】
図5は、図4に示す本発明のセンサのタッチ決定部300のフィルタ部310の実施例を示す図であって、第1線形フィルタ311、非線形フィルタ312、及び第2線形フィルタ313で構成されている。
【0054】
図5に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
第1線形フィルタ311は第1サンプリングレート(例えば、100kHz)で遅延データDdataをサンプリングして遅延データDdataのノイズを除去して第1フィルタリングデータdata1を出力する。非線形フィルタ312は所定のサンプリングレートで上記第1フィルタリングデータdata1を入力してサンプル間の変化の大きさを制限して第2フィルタリングデータdata2を出力するか、または第1フィルタリングデータdata1を入力していくつかのサンプル(例えば、8個または64個)を一つに合わせて第2フィルタリングデータdata2を出力する。または、非線形フィルタ312は上述した過程をすべて行って第2フィルタリングデータdata2を出力するように構成されることができる。第2線形フィルタ313は、上記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレート(例えば、1kHz)で第2フィルタリングデータdata2をサンプリングし、第2フィルタリングデータdata2のノイズを除去して遅延値CDを出力する。第2線形フィルタ313のサンプリングレートを第1線形フィルタ311のサンプリングレートよりも低く設定することによって、妨害信号によるうなり(beating)を防止することができる。
【0055】
図5において、第1線形フィルタ311及び第2線形フィルタ313は低域通過フィルタlowpassfilterで構成されてそれぞれ遅延データDdata及び第2フィルタリングデータdata2の高周波成分が除去されるように構成することができ、場合によって、妨害信号の特定周波数を除去するために帯域通過フィルタbandpassfilterで構成することができる。
【0056】
また、図示しないが、タッチ決定部300のフィルタ部310は、場合によって上記第1線形フィルタ311、非線形フィルタ312、及び第2線形フィルタ313のうちの一部だけで構成することができる。この場合、上記第1フィルタリングデータdata1または上記第2フィルタリングデータdata2が上記遅延値CDに出力される。
【0057】
すなわち、図5に示す本発明のセンサのフィルタ部310の実施例を利用することによって、強度決定部320はさらに正確な遅延値CDを利用して第1強度値NTS及び第2強度値TSを決定することができる。また、図5では、ディレー方式のタッチセンサの場合を例として説明したが、インピーダンス(例えば、キャパシタンス)を測定するタッチセンサの場合にも図5に示すフィルタ部310が適用されることができる。この場合、フィルタ部310が出力するセンシング値は基準信号refと感知信号senとの遅延時間差に対応する遅延値CDではない測定されたインピーダンス(例えば、キャパシタンス)に対応する値となることができる。
【0058】
図6は、図4に示す本発明のセンサのタッチ決定部300の強度決定部320の第1強度値NTSの決定方法の実施例を説明するためのフローチャートである。
【0059】
図6を参考して強度決定部320の第1強度値NTSの決定方法を説明する。
まず、強度決定部320は、現在の第1強度値NTSが「0」であるかを判断する(S11段階)。万が一、現在の第1強度値NTSが「0」であれば強度決定部320はフィルタ部310から入力される現在の遅延値CDを第1強度値NTSで保存する(S12段階)。最初電源印加時またはセンサがリセットされた場合に第1強度値NTSが「0」になることができる。よって、このような場合には、第1強度値NTSを現在の遅延値CDに初期化することができる。
【0060】
次に、強度決定部320は、タッチ決定部300の判断部330から出力されるタッチ信号touchを用いてタッチ状態であるか否かを判断する(S13段階)。万が一、タッチ状態であればタッチしない状態の強度を示す第1強度値NTSの値を変更する必要がないので、強度決定部320は現在の第1強度値NTSを維持する(S17段階)。
【0061】
S13段階で判断した結果、タッチ状態でなければ強度決定部320は所定の第1時間(例えば、12ms)の間にフィルタ部310から出力される遅延値CDの変化があるか否かを判断する(S14段階)。第1時間の間に遅延値CDの変化があれば強度決定部320は現在の第1強度値NTSを維持する(S17段階)。よって、強度決定部320は周辺ノイズで遅延値CDが変更されることによって第1強度値NTSが変化することを防止できるとともに、環境の変化(例えば、温度の変化)またはカバー厚さの変化によってタッチしない状態の遅延値CDが変更される場合には第1強度値NTSを変更することができる。
【0062】
次に、強度決定部320はタッチした状態の強度を示す第2強度値TSが所定の第1値D1よりも小さいか否かを判断する(S15段階)。万が一、第2強度値TSが第1値D1よりも小さければ強度決定部320は現在の第1強度値NTSを維持する(S17段階)。よって、強度決定部320は第2強度値TSが第1値D1より大きくなった後のみ、第1強度値NTSを変更するように構成することができる。
【0063】
次に、強度決定部320は、フィルタ部310から出力された遅延値CDと第1強度値NTSとの差が所定の第2値D2よりも小さいか否かを判断する(S16段階)。万が一、遅延値CDと第1強度値NTSとの差が第2値D2よりも小さければ強度決定部320は現在の第1強度値NTSを維持する(S17段階)。すなわち、遅延値CDと第1強度値NTSとの差が所定の第2値D2よりも小さい場合には環境などによる影響が小さいということを意味するので、この場合には強度決定部320が第1強度値NTSを維持するように構成することができる。
【0064】
万が一、遅延値CDと第1強度値NTSとの差が第2値D2よりも大きければ強度決定部320は現在の第1強度値NTSに所定の第3値D3を加算するか、または減算して、これを新たな第1強度値NTSとして保存する(S18段階)。すなわち、強度決定部320は、遅延値CDが第1強度値NTSよりも第2値D2以上に大きければ現在の第1強度値NTSに第3値D3を加算した値を新たな第1強度値NTSとして保存し、もし遅延値D2が第1強度値NTSよりも第2値D2以上小さければ現在の第1強度値NTSに第3値D3を減算した値を新たな第1強度値NTSとして保存する。
【0065】
図6では、強度決定部320が所定の第1時間の間に遅延値CDの変化があるか(S14段階)、第2強度値TSが所定の第1値D1よりも小さいか(S15段階)、遅延値CDと第1強度値NTSとの差が所定の第2値D2よりも小さいか(S16段階)否かを順次にすべて判断する場合を例示したが、強度決定部320はそのうちのいずれか一つだけを判断して第1強度値NTSを維持または変更するように構成することができる。例えば、強度決定部320は、第1時間の間に遅延値CDの変化があるか否かのみを判断して所定時間の間に遅延値CDの変化があれば第1強度値NTSを維持し、遅延値CDが所定時間の間に変化がなければ第1強度値NTSを変更するように構成することができる。また、各段階の順序に変化があってもかまわない。
また、図6では、第1強度値NTSを変更する場合、強度決定部320が現在の第1強度値NTSに所定の第3値D3を加算したり減算したりして新しく第1強度値NTSを変更する場合を例示したが、強度決定部320は遅延値CDを新しく第1強度値NTSに変更するように構成することができる。
【0066】
図7は、図6に示す本発明のセンサのタッチ決定部300の強度決定部320の第1強度値NTSの決定方法を説明するためのタイミング図であって、図6からS15段階及びS16段階を省略し、S18段階で現在の遅延値CDを新しく第1強度値NTSを保存する場合を示しており、点線はフィルタ部310から出力される遅延値CDを、実線は第1強度値NTSをそれぞれ示すものである。
【0067】
図7を参考して強度決定部320の第1強度値NTSの決定方法を説明する。
t1時点において、遅延値CDが第1時間T1の間に変化しなかったので、この場合、強度決定部320は第1強度値NTSをt1時点での遅延値CDとして変更する。以後、t2時点以前には、遅延値CDが第1期間T1中に維持される場合が発生しないので、強度決定部320は第1強度値NTSを変更させない。t2時点で判断すれば、遅延値CDが第1時間T1中に変化しなかったので、強度決定部320は再び第1強度値NTSをt2時点での遅延値CDとして変更する。t2時点の経過以後には遅延値CDが急激に増加する。すなわち、これはタッチ状態であることを意味するので、強度決定部320はt2時点以後には第1強度値NTSを変更させない。
【0068】
図8は、図4に示す本発明のセンサのタッチ決定部300の強度決定部320から第2強度値TSを決定する方法の実施例を説明するためのフローチャートを示す。
【0069】
図8を参考して第2強度値TSを決定する方法を説明する。
まず、強度決定部320は、第2強度値TSが「0」であるか否かを判断する(S21段階)。万が一、第2強度値TSが「0」であれば強度決定部320は第1強度値NTSに所定の第4値D4を加算した値を第2強度値TSとして保存する(S22段階)。最初電源印加時またはセンサがリセットされた場合に、第2強度値TSが「0」となることもある。このような場合には、第2強度値TSを第1強度値NTSに所定の第4値D4を加算した値に初期化することができる。
【0070】
次に、強度決定部320は、判断部330から出力されるタッチ信号touchを用いてタッチセンサがタッチしない状態であるか否かを判断する(S23段階)。万が一、タッチしない状態であればタッチした状態の強度を示す第2強度値TSを変更させる必要がないので、強度決定部320は現在の第2強度値TSを維持する(S26段階)。
【0071】
次に、強度決定部320は、フィルタ部310から出力される遅延値CDが所定の第2時間(例えば、7ms)の間に変化があるか否かを判断する(S24段階)。万が一、遅延値CDが第2時間の間に変化があれば、強度決定部320は現在の第2強度値TSを維持する(S26段階)。よって、強度決定部320は周辺ノイズにより遅延値CDが変更されることによって、第2強度値TSが変化することを防止するとともに、環境の変化(例えば、温度の変化)またはカバー厚さの変化によってタッチした状態の遅延値CDが変更された場合には、第2強度値TSを変更するように構成することができる。上記第2時間は、図6のS14段階の第1時間よりも短く設定されることができる。すなわち、上述のように、第2強度値TSはタッチした状態で変更することになるが、タッチした状態では接触物体によるノイズが発生するので、タッチしない状態で変更される第1強度値NTSを決定する場合よりも特定の遅延値CDを維持する時間が短くなければならないという必要がある。
【0072】
次に、強度決定部320は、第2強度値TSが第1強度値NTSに所定の第5値D5を加算した値よりも小さいか否かを判断する(S25段階)。すなわち、強度決定部320は、第2強度値TSと第1強度値NTSとの差が所定の第5値D5以上であるか否かを判断する。万が一、第2強度値TSが第1強度値NTSに第5値D5を加算した値よりも小さければ、強度決定部320は第2強度値TSを第1強度値NTSに第5値D5を加算した値として変更する(S28段階)。よって、強度決定部320は第1強度値NTSと第2強度値TSとの差が最小限所定の第5値D5以上にあるように、第1強度値NTSと第2強度値TSを決定することができる。
【0073】
万が一、第2強度値TSが、第1強度値NTSに第5値D5を加算した値よりも大きければ強度決定部320は現在の遅延値CDを第2強度値TSとして保存する(S27段階)。
【0074】
強度決定部320で第2強度値TSを決定する場合、図8からS25段階及びS28段階は省略して実施することができる。すなわち、強度決定部320はタッチしない状態であるか否か(S23段階)及び遅延値CDに変化があるか否か(S24段階)だけを判断して現在の第2強度値TSを維持するか、または第2強度値TSを現在の遅延値CDに変更するように構成することができる。
【0075】
図9は、図8に示す第2強度値TSの決定方法を説明するためのタイミング図を示す図であって、図8からS25段階及びS28段階を省略して実施する場合であり、点線はフィルタ部310から出力される遅延値CDを、実線は第2強度値TSをそれぞれ示す。
【0076】
図9を参考して第2強度値TSの決定方法を説明する。
t1時点において、遅延値CDが所定の第2時間T2の間で変化しなかったので、この場合の強度決定部320は第2強度値TSをt1時点での遅延値CDに変更する。以後、t2時点の以前には遅延値CDが第2期間T2の間で変化しない場合がなかったので、強度決定部320は第2強度値TSを変更しない。t2時点で判断した場合、遅延値CDが第2時間T2の間で変化しなかったので、強度決定部320は再び第2強度値TSをt2時点での遅延値CDに変更する。t2時点の経過以後には遅延値CDが急激に減少した。すなわち、これはタッチしない状態であるということを意味するので、強度決定部320はt2時点以後には第2強度値TSを変更させない。
【0077】
また、上述のように、最初電源印加時またはセンサがリセットされた場合には第1強度値NTS及び第2強度値TSが「0」となり、この場合の第1強度値NTSは現在の遅延値CDに初期化され(図6のS12段階)、第2強度値TSは第1強度値NTSに所定の第4値D4を加算した値に初期化される(図8のS22段階)。よって、最初電源印加時またはセンサがリセットされた場合には上記初期化された第1強度値NTS及び第2強度値TSに基づいて閾値を計算し、閾値と遅延値とを比較してタッチした状態であるか否かを把握することができる(図6のS13段階及び図8のS23段階)。
【0078】
また、図6ないし図9では、ディレー方式のタッチセンサの場合を例として説明しているが、上述のようにインピーダンスを測定するタッチセンサの場合にも本発明を適用することができる。この場合、強度決定部320は上述のように基準信号refと感知信号senとの遅延時間差に対応する遅延値の代わりに測定されたインピーダンスに対応する値を用いて第1強度値NTS及び第2強度値TSを決定することになる。
【0079】
図10は、図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の他の実施例を示すブロック図であって、タッチ決定部300は閾値計算部331及びタッチ判断部332で構成されている。
【0080】
次に、図10に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
閾値計算部331は、強度決定部320から出力される第1強度値NTS及び第2強度値TSを入力して閾値Th_valueを計算して出力する。閾値Th_valueは、次のような数式で計算される。
【0081】
【数1】
【0082】
タッチ判断部332は、閾値計算部331から出力された閾値Th_valueとフィルタ部310から出力された遅延値CDを入力して接触可否を判断し、接触可否を示すタッチ信号touchを出力する。
【0083】
例えば、タッチ判断部332は、遅延値CDが所定の第3時間以上の閾値Th_valueよりも大きい場合にはタッチされたものと判断し、所定の第4時間以上の閾値Th_valueよりも小さい場合にはタッチしないものとして判断するように構成される。この場合、ノイズでタッチしない状態をタッチした状態に間違って判断することを防止するために、第3時間は第4時間よりも長く構成することができる。例えば、第3時間は10msであり、第4時間は4msとすることができる。また、タッチ判断部332は、遅延値CDが閾値Th_valueに所定の第1オフセット値Dh1を加算した値よりも大きければタッチしたものと判断し、遅延値CDが閾値Th_valueに所定の第2オフセット値Dh2を減算した値よりも小さければ、タッチしないものと判断するように構成することができる。また、タッチ判断部332は、上述の二つの方法を混用して接触可否を判断するように構成することができる。
【0084】
また、タッチ判断部332は、単純に遅延値CDが閾値Th_valueよりも大きくなればタッチしたものと判断し、閾値Th_valueよりも小さければタッチしないものと判断するように構成することができる。
【0085】
図示しないが、閾値計算部331が上記閾値Th_valueに上記第1オフセット値Dh1を加算した第1閾値Th_value1と上記閾値Th_valueに、上記第2オフセット値Dh2を減算した第2閾値Th_value2をさらに出力するように構成することができ、上記第1オフセット値Dh1と上記第2オフセット値Dh2とは同一値を有することができる。また、第1閾値Th_value1は、第1強度値NTSに所定の第1オフセット値Dh1を加算して計算され、第2閾値Th_value2は第2強度値TSに所定の第2オフセット値Dh2を減算して計算される。
【0086】
また、図示しないが、タッチ判断部332は、強度計算部320から第1強度値NTS及び第2強度値TSが直接入力され、フィルタ部310から遅延値CDが入力されて遅延値CDが第1強度値NTSよりも所定値以上に増加するとタッチした状態として判断し、遅延値CDが第2強度値TSよりも所定値以上に減少すると、タッチしない状態として判断されるように構成することができる。万が一、タッチ判断部332において、このような方法だけを利用して接触可否を判断する場合、タッチ決定部300は、図10から閾値計算部331を省略して構成することができる。また、タッチ判断部332は、この方法と上述の方法とを混用して接触可否が判断できるように構成することができる。
【0087】
図11は、図10に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の動作を説明するための動作タイミング図であって、一点鎖線は第1強度値NTSを、二点鎖線は第2強度値TSを、実線は遅延値CDをそれぞれ示し、タッチ判断部332は遅延値CDが第1閾値Th_value1よりも大きければタッチした状態として判断し、遅延値CDが第2閾値Th_value2よりも小さければタッチしない状態として判断する場合を示している。
【0088】
次に、図11を参考して図10に示すタッチ決定部300の動作を説明する。
t1時点以前までは、遅延値CDが第1閾値Th_value1以下であるので、タッチ決定部300はタッチしない状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。t1時点において遅延値CDが第1閾値Th_value1よりも大きくなるので、タッチ決定部300はタッチした状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。t1からt2までの間では、遅延値CDが第2閾値Th_value2以上であるので、タッチ決定部300はタッチ状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。t2時点において遅延値CDが第2閾値Th_value2よりも小さくなるので、タッチ決定部300はタッチしない状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。t2からt3までの間では、遅延値CDが第1閾値Th_value1以下であるので、タッチ決定部300はタッチしない状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力し、t3時点では、遅延値CDが第1閾値Th_value1よりも大きくなるので、タッチした状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。
【0089】
上記第1閾値Th_value1と上記第2閾値Th_value2は、上記のような方法で第1強度値NTS及び第2強度値TSを用いて計算することができる。
【0090】
図12は本発明のタッチセンサのタッチ決定部の他の実施例を示す図であって、タッチ決定部301は、フィルタ部310、強度決定部320−1、判断部330−1及び活動感知部340で構成されている。
【0091】
次に、図12に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
フィルタ部310は、図4及び図5で説明したことと同一の機能を有する。強度決定部320−1は、図4及び図6ないし図9で説明したことと同一の方法により第1強度値NTS及び第2強度値TSを計算して出力し、活動感知部340から出力される制御信号conに応答して動作する。判断部330−1は、図4、図10及び図11で説明したことと同一の方法で接触可否を判断し、接触可否を示すタッチ信号touchを出力する。活動感知部340は、フィルタ部310から出力された遅延値CDが入力され、遅延値CDの変化を用いてタッチセンサが活動状態であるか否かを判断し、判断結果に制御信号conを出力する。例えば、遅延値CDが所定時間の間に所定範囲内にある場合、非活動状態であると判断し、それに相応する制御信号conを出力するように構成することができる。
【0092】
すなわち、図12に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部の他の実施例は、遅延値CDの変化に応答してタッチセンサが活動状態であるか否かによって制御信号conを出力する活動感知部340をさらに備え、強度決定部320−1及び/または判断部330−1が上記制御信号conに応答してタッチセンサが活動状態の場合のみ動作することで、電力消耗を最小化することができる。
【0093】
図示しないが、活動感知部340は、フィルタ部310の第1線形フィルタ311から出力される第1フィルタリングデータdata1または非線形フィルタ312から出力される第2フィルタリングデータdata2を入力してタッチセンサが活動状態であるか否かを判断するように構成することができる。
【0094】
また、図示しないが、活動感知部340から出力される制御信号conは、タッチセンサ外部に出力されてタッチセンサを備える入力装置の動作を制御するように構成することができる。例えば、活動感知部340は、タッチセンサが非活動状態の場合にタッチセンサを備える入力装置を構成するブロックおうち送受信間のクロックを同期させるために、フリーアンプル(pre−ample)を送信するブロックだけ動作するように制御信号を出力させるように構成することができる。このように構成された場合、入力装置のパワーダウン(power down)による応答速度が低下されることを防止することができるので、入力装置の応答速度を向上することができる。
【0095】
また、図示しないが、活動感知部340は、判断部330−1から出力されるタッチ信号touchを入力してタッチセンサを備える入力装置をウェークアップ(wake up)させるためのウェークアップ信号を出力するように構成することができる。例えば、活動感知部340は、タッチ信号touchを入力してタッピング(tapping)が感知られると、すなわち、タッチした状態とタッチしない状態とが所定繰り返し周期以上に所定回数以上繰り返されると、入力装置をウェークアップさせるためのウェークアップ信号を出力するように構成することができる。
【0096】
また、上記においては、タッチセンサを例として説明したが、近接センサの場合にも本発明を適用することができる。近接センサは接近する物体あるいは近辺に存在する物体の有無を、機械的な接触なしに検出するセンサであって、近接センサのうちインピーダンスの変化を感知して近接可否を判断する近接センサは、構造的にインピーダンスを感知するタッチセンサと非常に類似する。すなわち、インピーダンス感知型タッチセンサの感度を非常に高く設定して近接センサとして使用することができる。また、センシング感度を高く設定しなくでも複数個のタッチセンサを電気的に連結して感知面積を増加させることで、感度を増加させて近接センサとして使用することができる。本発明を近接センサとして適用される場合には、接触可否によって第1強度値NTSまたは第2強度値TSを可変するのではなく、近接可否によって第1強度値NTSまたは第2強度値TSを可変し、第1強度値NTS及び第2強度値TSを利用して計算した閾値を用いて近接可否を判断することになる。
【0097】
上述では、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、添付の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【符号の説明】
【0098】
10 センシングデータ出力部
100 感知信号出力部
200 遅延時間測定部
300 タッチ決定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサに関し、特に、所定感度で接触または近接の可否を認識することができるセンサ、センサのセンシング方法、及びセンサのフィルタ(Sensor、sensing method for the sensor、and filter for the sensor)に関する。
【背景技術】
【0002】
指やペンなどの接触物体による接触または近接を感知し、接触または近接の可否を出力するセンサは家電製品や携帯用通信端末機などに多く使用されている。
【0003】
大韓民国特許公報第666699号には、接触物体の静電容量を用いて感知信号と基準信号との遅延時間差を利用して接触物体の接触可否を認識するタッチセンサが開示されていて、大韓民国特許出願公開第2008−50544号には、上記感知信号と上記基準信号との遅延時間差を測定する遅延時間の測定回路が開示されている。
【0004】
すなわち、タッチセンサは、接触可否によって遅延時間が可変しない基準信号と接触可否によって遅延時間が可変する感知信号との遅延時間差が所定の基準時間以上になると接触物体が接触したことに認識し、所定の基準時間以下になると接触物体が接触してないと認識するように構成される。ところが、接触物体が接触した場合であっても、環境、場所、カバーの厚さ、及び/またはタッチパッドによって遅延時間が変わることもあり、これにより上記遅延時間差も変わることになる。よって、従来のタッチセンサにおいて、上記方式で接触可否を認識しようとする場合、上記条件によってタッチ感度が変わることになるので、上記条件を考慮して上記基準時間を調整するチューニング作業が必要である。特に、このようなチューニング作業は製品開発時に必ず必要であり、製品ごとにタッチ位置とタッチセンサとの間の電気的な条件の差があるため、チューニング作業はハードウェアの変更とソフトウェアの修正を繰り返すことで完成される。よって、製品開発時に、このようなチューニング作業が開発期間を長くする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、製品開発時に必ず必要とするチューニング作業を減らして、使用者が製品を使用する際に、環境などとは関係なく所定感度を維持することができるセンサを提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は、上記目的を達成するためのセンサのセンシング方法を提供することである。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、上記目的を達成するためのセンサのフィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
信号を入力して基準信号を出力する基準信号発生部と、パッドを備え、該パッドに接触物体が接触または近接されると上記基準クロック信号を遅延させて感知信号を出力する感知信号発生部とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記センシングデータ出力部の第2の態様の上記遅延時間測定部は、複数個の従属接続された遅延素子を備え、上記基準信号に応答して互いに異なる遅延時間を有する複数個の遅延信号及び上記基準信号のフィードバック回数を示す繰り返しカウンティング信号を出力するディレーチェーン部と、上記基準信号に応答してリセット信号を出力し、上記感知信号に応答してカウンティング中止信号を出力し、上記複数個の遅延信号のエッジ数に対応するコード信号を出力するエッジ感知部と、上記繰り返しカウンティング信号及び上記コード信号をデコーディングして上記基準信号と上記感知信号との遅延時間差に対応する上記遅延データを出力するデコーダと、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記センシングデータ出力部の第2の態様の上記遅延時間測定部の上記ディレーチェーン部は、上記遅延信号、上記カウンティング中止信号及びフィードバック信号を論理積して上記複数個の遅延信号のうち最初の遅延信号を出力するスイッチと、上記最初の遅延信号を入力して遅延させて上記複数個の遅延信号のうち該当する遅延信号をそれぞれ出力する上記複数個の遅延素子を備えるディレーチェーンと、上記複数個の遅延素子のうち最後の遅延素子から出力される遅延信号を反転して上記フィードバック信号を出力するインバータと、上記リセット信号に応答してリセットされ、上記フィードバック信号のエッジをカウンティングして上記繰り返しカウンティング信号を発生し、上記カウンティング中止信号に応答して上記繰り返しカウンティング信号を上記デコーダに出力するカウンタと、を備えることを特徴とする。
【0011】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部は、上記センシングデータを入力してセンシング値を出力するフィルタ部と、上記センシング値を用いて接触または近接しない状態では上記第2強度値は可変せず、上記第1強度値は可変して出力し、接触または近接した状態では上記第1強度値は可変せず、上記第2強度値は可変して出力する強度決定部と、上記第1強度値及び上記第2強度値を入力して上記閾値を計算し、上記閾値と上記センシング値とを比較して接触または近接の可否を判断し、上記出力信号を出力する判断部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記フィルタ部は、上記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して上記センシング値に出力する第1線形フィルタと、上記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて上記センシング値に出力する非線形フィルタと、上記第2フィルタリングデータを上記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して上記センシング値に出力する第2線形フィルタと、を備えることを特徴とする。
【0013】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記フィルタ部の上記第1線形フィルタ及び上記第2線形フィルタは、低域通過フィルタまたは帯域通過フィルタであることを特徴とする。
【0014】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記強度決定部は、上記第1強度値が「0」であれば上記第1強度値を上記センシング値に変更し、上記第2強度値が「0」であれば上記第2強度値を上記センシング値に所定の第1値を加算した値に変更することを特徴とする。
【0015】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記強度決定部第1の態様は、接触または近接しない状態で、上記センシング値が所定の第1時間の間に変化すれば上記第1強度値は変更せず、上記センシング値が上記第1時間の間に変化しなければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、第2の態様は接触または近接しない状態で上記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ上記第1強度値は変更せず、上記第2強度値が上記第2値よりも大きければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、第3の態様は接触または近接しない状態で上記第1強度値と上記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ上記第1強度値は変更せず、上記第1強度値と上記センシング値との差が上記第3値よりも大きければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、上記強度決定部の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様は、上記第1強度値を上記センシング値に変更するか、または上記第1強度値が上記センシング値よりも大きければ上記第1強度値を上記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、上記第1強度値が上記センシング値よりも小さければ上記第1強度値を上記第1強度値に上記第4値を減算した値に変更することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記強度決定部は、接触または近接した状態で上記センシング値が所定の第2時間の間に変化すれば上記第2強度値を可変せず、上記センシング値が上記第2時間の間に変化しなければ上記第2強度値を上記センシング値に変更し、接触または近接された状態で上記第2強度値が上記第1強度値に所定の第5値を加算した値よりも大きければ上記第2強度値を上記センシング値に変更し、上記第2強度値が上記第1強度値に上記第5値を加算した値よりも小さければ上記第2強度値を上記第1強度値に上記第5値を加算した値に変更することを特徴とする。
【0017】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記判断部は、上記第1強度値及び上記第2強度値を入力して上記閾値を計算する閾値計算部と、上記センシング値と上記閾値とを比較して接触または近接の可否を判断し、判断結果によって上記出力信号を出力するタッチ判断部と、を備えることを特徴とする。
【0018】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記判断部の第1の態様の上記閾値は、第1閾値及び第2閾値で構成され、上記閾値計算部は上記閾値に所定の第1オフセットを加算した第1閾値及び上記閾値に所定の第2オフセットを減算した第2閾値を出力し、上記判断部は接触または近接しない状態で上記センシング値が上記第1閾値より大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接した状態で上記センシング値が上記第2オフセットよりも小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする。
【0019】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記判断部の第2の態様は、接触または近接しない状態で上記センシング値が上記閾値より第3時間の間に大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接した状態で上記センシング値が上記閾値より上記第3時間より短い第4時間の間に小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部の上記判断部の第3の態様は、上記第1強度値、上記第2強度値、及び上記センシング値を入力して接触または近接しない状態で上記センシング値が上記第1強度値に第6値を加算した値以上に大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接した状態で上記センシング値が上記第2強度値に第7値を減算した値以下に小さくなれば接触または近接しないと判断し、判断結果によって上記出力信号を出力することを特徴とする。
【0021】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部は、上記センシング値を入力して上記センシング値が所定時間の間に一定範囲内であれば上記タッチセンサが非活動状態と判断し、制御信号を活性化する活動感知部をさらに備え、上記強度決定部及び/または上記判断部は上記制御信号が活性化されると動作を停止することを特徴とし、上記目的を達成するための本発明のセンサは、上記制御信号を外部に出力して外部の入力装置の動作を制御することを特徴とする。
【0022】
上記目的を達成するための本発明のセンサの上記決定部は、上記出力信号を入力してタッピング可否を感知し、タッピングが感知されたらウェークアップ信号を発生する活動感知部をさらに備えることを特徴とし、上記目的を達成するための本発明のセンサは上記ウェークアップ信号を外部に出力して外部の入力装置をウェークアップさせることを特徴とする。
【0023】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法は、物体の接触または近接の可否によって可変されるセンシング値を計算するセンシング値の計算段階と、第1強度値が「0」であれば上記第1強度値を上記センシング値に変更し、第2強度値が「0」であれば上記第2強度値を上記センシング値に所定の第1値を加算した値に変更する初期化段階と、接触または近接しない状態で上記センシング値を入力して上記第1強度値を可変させる第1強度値の可変段階と、接触または近接した状態で上記センシング値を入力して上記第2強度値を可変させる第2強度値の可変段階と、上記第1強度値及び上記第2強度値を入力して閾値を計算する閾値の計算段階と、上記閾値と上記センシング値とを比較して接触または近接の可否を認識する認識段階と、を備えることを特徴とする。
【0024】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法の上記センシング値は、物体の接触または近接に応じて可変するインピーダンスに対応する値であるか、または基準信号と物体とが接触または近接した場合、上記基準信号よりも所定時間センシングされる感知信号との遅延時間差に対応する値であることを特徴とする。
【0025】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法の上記第1強度値の可変段階の第1の態様は、上記センシング値が所定の第1時間の間に変化すれば上記第1強度値は変更せず、上記センシング値が上記第1時間の間に変化しなければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、第2の態様は上記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ上記第1強度値は変更せず、上記第2強度値が上記第2値よりも大きければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、第3の態様は上記第1強度値と上記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ上記第1強度値は変更せず、上記第1強度値と上記センシング値との差が上記第3値よりも大きければ上記第1強度値を変更することを特徴とし、上記第1強度値の可変段階の第1の態様、第2の態様、及び第3の態様は、上記第1強度値を上記センシング値に変更するか、または上記第1強度値が上記センシング値よりも大きければ上記第1強度値を上記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、上記第1強度値が上記センシング値よりも小さければ上記第1強度値を、上記第1強度値に上記第4値を減算した値に変更することを特徴とする。
【0026】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法の上記第2強度値の可変段階の第1の態様は、上記センシング値が所定の第2時間の間に変化すれば上記第2強度値は変更せず、上記センシング値が上記第2時間の間に変化しなければ上記第2強度値を上記センシング値に変更することを特徴とし、第2の態様は上記第2強度値が上記第1強度値に所定の第5値を加算した値よりも大きければ上記第2強度値を上記センシング値に変更し、上記第2強度値が上記第1強度値に上記第5値を加算した値よりも小さければ上記第2強度値を、上記第1強度値に上記第5値を加算した値に変更することを特徴とする。
【0027】
上記他の目的を達成するための本発明のセンサのセンシング方法の上記認識段階の第1の態様は、接触または近接しない状態で上記センシング値が上記閾値より第3時間の間に大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で上記センシング値が上記閾値より上記第3時間より短い第4時間の間に小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とし、第2の態様の上記閾値は第1閾値及び第2閾値で構成され、上記閾値の計算段階は上記閾値に所定の第1オフセットを加算した値を第1閾値に計算し、上記閾値に所定の第2オフセットを減算した値を第2閾値に計算し、上記認識段階は接触または近接しない状態で上記センシング値が上記第1閾値より大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接した状態で上記センシング値が上記第2閾値より小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする。
【0028】
上記さらに他の目的を達成するための本発明のセンサのフィルタは、接触または近接の可否によって可変されるセンシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータを出力する第1線形フィルタと、上記第1線形フィルタに従属接続され、上記第1フィルタリングデータを入力し、フィルタリングして第2フィルタリングデータを出力する第2フィルタと、を備えることを特徴とする。
【0029】
上記さらに他の目的を達成するための本発明のセンサのフィルタの上記第2フィルタの第1の態様は、上記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて上記第2フィルタリングデータに出力する非線形フィルタであることを特徴とし、第2の態様は上記第1フィルタリングデータを上記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して上記第2フィルタリングデータに出力する第2線形フィルタであることを特徴とする。
【0030】
上記さらに他の目的を達成するための本発明のセンサのフィルタは、上記第1線形フィルタ、上記非線形フィルタ、及び上記第2フィルタリングデータを上記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して上記センシング値として出力する第2線形フィルタを備えることを特徴とする。
【0031】
上記さらに他の目的を達成するための本発明のセンサのフィルタの上記第1線形フィルタ及び上記第2線形フィルタは、低域通過フィルタまたは帯域通過フィルタであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
したがって、本発明のセンサ、センサのセンシング方法、及びセンサのフィルタは、環境、場所、カバーの厚さ及び/またはタッチパッドによるチューニング作業なしに、所定感度に接触可否を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のタッチセンサの実施例の構成を示す図である。
【図2】図1に示す本発明のタッチセンサの感知信号出力部100の実施例の構成を示す図である。
【図3】図1に示す本発明のタッチセンサの遅延時間測定部200の実施例の構成を示す図である。
【図4】図1に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の実施例の構成を示す図である。
【図5】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300のフィルタ部310の実施例の構成を示す図である。
【図6】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の強度決定部320の第1強度値の決定方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】図6に示す第1強度値の決定方法を説明するための動作タイミング図である。
【図8】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の強度決定部320の第2強度値の決定方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】図8に示す第2強度値の決定方法を説明するための動作タイミング図である。
【図10】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の判断部330の実施例の構成を示す図である。
【図11】図10に示す判断部330の動作を説明するための動作タイミング図である。
【図12】図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の他の実施例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付した図面を参照して本発明のセンサ、センサのセンシング方法、及びセンサのフィルタを説明する。
【0035】
図1は本発明のセンサの一実施例の構成を示す図であって、センサはセンシングデータ出力部10及びタッチ決定部300を備えて構成されていて、センシングデータ出力部10は感知信号出力部100及び遅延時間測定部200を備えて構成されている。
【0036】
次に、図1に示すブロックそれぞれの機能を説明する。
センシングデータ出力部10は、接触物体の接触可否により可変するセンシングデータDdataを出力する。感知信号出力部100は、基準信号ref及び接触物体の接触可否によって上記基準信号refより所定時間遅延される感知信号senを出力する。遅延時間測定部200は上記感知信号senと上記基準信号refの遅延時間差を検出して遅延時間差に対応する遅延データをセンシングデータDdataに出力する。
【0037】
タッチ決定部300はセンシングデータDdataを用いて接触可否を認識し、その結果によって接触可否を示すタッチ信号touchを出力する。すなわち、タッチ決定部300は遅延データDdataを用いて閾値(threshold value)を可変させ、遅延データDdataが上記閾値よりも大きければタッチした状態として認識し、遅延データDdataが上記閾値よりも小さければタッチしない状態として認識し、タッチ状態によりタッチ信号touchを出力する。上記閾値はタッチしない状態の強度、すなわち、タッチしない状態での感知信号senと基準信号refとの遅延時間差を示す第1強度値及び/またはタッチした状態の強度、すなわち、タッチした状態での感知信号senと基準信号refとの遅延時間差を示す第2強度値から計算することができ、上記第1強度値及び上記第2強度値は遅延データDdataを用いてタッチ決定部300で計算することができる。また、閾値は第1閾値と第2閾値で構成され、タッチ決定部300は、遅延データDdataが第1閾値より大きければタッチした状態で認識し、遅延データDdataが第2閾値より小さければタッチしない状態に認識するように構成される。
【0038】
図示しないが、センシングデータ出力部10は、接触物体の接触可否によって可変するインピーダンス(例えば、キャパシタンス)を測定し、上記測定されたインピーダンス(例えば、キャパシタンス)に対応する値を上記センシングデータDdataに出力するように構成される。
【0039】
図2は、図1に示す本発明のセンサの感知信号出力部100の実施例を示す図であって、基準クロック発生部110、感知信号発生部120及び基準信号発生部130で構成されていて、感知信号発生部120は抵抗R1及びパッドpadで構成され、基準信号発生部130は抵抗R2で構成される。
【0040】
図2に示すブロックそれぞれの機能を説明する。
基準クロック発生部110は基準クロック信号clkrを出力する。感知信号発生部120は接触物体がパッドpadに接触されると上記基準クロック信号clkrを所定時間遅延させて出力し、接触物体がパッドpadに接触されないと上記基準クロック信号clkrを遅延せず出力する。すなわち、パッドpadに所定の静電容量を有する接触物体が接触されると感知信号発生部120に入力される基準クロック信号clkrは抵抗R1と接触物体の静電容量によって所定時間遅延されて感知信号senに出力され、接触物体が接触されないと基準クロック信号clkrが遅延せず、そのまま感知信号senに出力される。基準信号発生部130は基準クロック発生部110から入力される基準クロック信号clkrを遅延せず、そのまま基準信号refに出力する。
【0041】
図示しないが、基準信号発生部130は、基準信号refが出力される端子と接地電圧との間に接続されるキャパシタをさらに備えて基準クロック信号clkrを接触物体の接触可否とは関係なく所定時間遅延させて基準信号refに出力するように構成することができる。
【0042】
図3は、図1に示す本発明のセンサの遅延時間測定部200の実施例を示す図であって、遅延時間測定部200は、ディレーチェーン部210、エッジ感知部220及びデコーダ230で構成され、ディレーチェーン部210は3入力ANDゲートとして実現されたスイッチASW、複数個の従属接続された遅延素子D1、D2、・・・、Dn、インバータINV及びカウンタCNTで構成されている。
【0043】
図3に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
ディレーチェーン部210は、基準信号refに応答して互いに異なる遅延時間を有する複数個の遅延信号delay0、delay1、・・・、及びディレーチェーン部210をよる基準信号refのフィードバック回数を示す繰り返しカウンティング信号iterを出力する。スイッチASWは、基準信号ref、フィードバック信号fb、及びカウンティング中止信号stopに応答して遅延信号delay0を入力信号として出力する。すなわち、スイッチASWは、基準信号ref、フィードバック信号fb及びカウンティング中止信号stopを論理積して遅延信号delay0を発生させ、遅延信号delay0を入力信号として複数個の遅延素子D1、D2、・・・、Dnを備えるディレーチェーンとして出力する。複数個の遅延素子D1、D2、・・・、Dnのそれぞれは入力された信号を遅延させて該当する遅延信号delay1、delay2、・・・、delaynを出力する。インバータINVはディレーチェーンの最後の遅延素子Dnから出力される遅延信号delaynを反転させてフィードバック信号fbを出力する。カウンタCNTはフィードバック信号fbに応答してディレーチェーン部210による繰り返し回数を表示する繰り返しカウンティング信号iterを出力する。すなわち、カウンタCNTは遅延信号delaynを反転させたフィードバック信号fbのエッジをカウンティングして繰り返しカウンティング信号iterを出力する。また、カウンタCNTはエッジ感知部220から出力されるリセット信号resetに応答してリセットされ、エッジ感知部220から出力されるカウンティング中止信号stopに応答してカウンティングを中止し、上記繰り返しカウンティング信号iterをデコーダ230に出力する。カウンタCNTはエッジ感知部から出力されるカウンティング中止信号stopに応答してリセットされるように構成されることができる。
【0044】
すなわち、ディレーチェーン部210は遅延時間測定開始を示す基準信号refに応答して動作を始める。基準信号ref、フィードバック信号fb及びカウンティング中止信号stopを論理積して発生された遅延信号delay0は入力信号として複数個の遅延素子D1、D2、・・・、Dnを備えるディレーチェーンに入力され、複数個の遅延素子D1、D2、・・・、Dnを備えるディレーチェーンは入力信号を所定時間遅延させて互いに異なる遅延時間を有する複数個の遅延信号delay1、delay2、・・・delaynを出力し、カウンタCNTは繰り返しカウンティング信号iterを出力する。また、ディレーチェーン部210はエッジ感知部220から出力されるカウンティング中止信号stopに応答して動作を中止する。
【0045】
エッジ感知部220は基準信号refに応答してリセット信号resetを出力し、感知信号senに応答してカウンティング中止信号stopを出力し、複数個の遅延信号delay0、delay1、・・・delayn−1のエッジをカウンティングして複数個の遅延信号delay0、delay1、・・・、delayn−1のエッジの個数に対応するコード信号codeを出力する。また、エッジ感知部220は繰り返しカウンティング信号iterに応答してリセットされる。すなわち、繰り返しカウンティング信号iterの値が変わるとエッジ感知部220はリセットされる。
【0046】
デコーダ230は、エッジ感知部220から出力されるコード信号codeとカウンタCNTから出力される繰り返しカウンティング信号iterとをデコーディングして遅延データを発生させ、上記遅延データをセンシングデータDdataに出力する。
【0047】
遅延時間測定部200は、図3の実施例の外に多様な方法で構成されることができる。例えば、スイッチASWは繰り返しカウンティング信号iterに応答して基準信号refとフィードバック信号fbを選択的に出力するスイッチ回路で構成されることができる。また、図3の構成からカウンタCNTとデコーダ230を省略して、エッジ感知部220が基準信号refに応答して遅延信号delay0、delay1、・・・、delayn−1のエッジ個数をカウンティングし、感知信号senに応答してカウンティングを中止してカウンティングされたエッジの個数を遅延データDdataに出力するように構成することができる。また、エッジ感知部220の代わりに繰り返しカウンティング信号iterに応答して遅延信号delay0、delay1、・・・、delayn−1を、そのまま出力したり反転したりして比較信号に出力する複数個の排他的論理合ゲート、及び上記比較信号と感知信号を論理積してコード信号を出力する複数個のANDゲートで構成されたコード発生部を利用することができる。また、図3では、ディレーチェーンがフィードバック構成を有することを例示したが、フィードバック構成を有しないディレーチェーンも利用することができる。
【0048】
図2及び図3では、ディレー方式のタッチセンサを例として説明したが、本発明は接触可否によって可変するインピーダンス(例えば、キャパシタンス)を感知するセンサにも適用することができる。この場合、遅延時間測定部200はパッドを介してインピーダンス(例えば、キャパシタンス)を測定し、測定したインピーダンス(例えば、キャパシタンス)の値をデジタル値に変換して出力するインピーダンス測定部に代替されることができる。上記インピーダンス測定部は多様な形態で実現することができる。例えば、インピーダンス測定部は接触可否によって可変するインピーダンス(例えば、キャパシタンス)によって変わる充放電時間を測定し、上記充放電時間をデジタル値に変換して出力するように構成されることができ、この場合、デルタ−シグマ(delta−sigma)方式のアナログ−デジタルコンバータADCを用いて充放電時間をデジタル値に変換するように構成することができる。
【0049】
図4は本発明のセンサの決定部300の実施例を示す図であって、フィルタ部310、強度決定部320、及び判断部330で構成されている。
【0050】
図4に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
フィルタ部310は遅延時間測定部200から出力されたセンシングデータDdataをフィルタリングして遅延値CDを出力する。フィルタ部310はローパスフィルタで構成され、ノイズなどを除去する。強度決定部320はフィルタ部310から出力される遅延値CDを用いてタッチしない状態ではパッドがその状態の強度、すなわち、タッチしない状態の感知信号senと基準信号refとの遅延時間差を示す第1強度値NTSを可変させ、タッチした状態ではパッドがタッチした状態の強度、すなわち、タッチした状態での感知信号senと基準信号refとの遅延時間差を示す第2強度値TSを可変させ、上記第1強度値NTS及び上記第2強度値TSを出力する。強度決定部320は判断部330から出力されるタッチ信号touchを用いてタッチした状態であるか、タッチしない状態であるかを判断するように構成されることができる。判断部330はフィルタ部310から出力される遅延値CDと強度決定部320から出力される第1強度値NTS及び第2強度値TSを用いて接触可否を認識し、接触可否を示すタッチ信号touchを出力する。すなわち、判断部330は強度決定部320から出力される第1強度値NTS及び第2強度値TSを用いて閾値を決定し、フィルタ部310から出力される遅延値CDを上記閾値と比較して上記遅延値CDが上記閾値以上であればタッチしたものと認識し、上記閾値以下であればばタッチしないものと認識するように構成されることができる。
【0051】
図示しないが、タッチ決定部300のフィルタ部310は、場合によって上記遅延データDdataをフィルタリングしないでそのまま遅延値CDに出力するように構成されることができる。すなわち、タッチ決定部300の強度決定部320及び判断部330は、遅延時間測定部200から出力された遅延データDdataをそのまま遅延値CDとして利用するように構成されることができる。
【0052】
図4ではディレー方式のタッチセンサを例として説明しているが、上述のように、本発明はインピーダンス(例えば、キャパシタンス)を測定する方式のタッチセンサに対しても適用することができる。この場合、フィルタ部310は感知信号と基準信号との遅延時間差を示す遅延データの代わりに測定されたインピーダンス(例えば、キャパシタンス)をデジタル値に変換したセンシングデータDdataとして受けて、センシングデータDdataに含まれたノイズなどを除去したセンシング値を出力するように構成されることができ、強度決定部320はフィルタ部310から出力されたセンシング値を用いて第1強度値NTS及び第2強度値TSを可変させるように構成されることができる。
【0053】
図5は、図4に示す本発明のセンサのタッチ決定部300のフィルタ部310の実施例を示す図であって、第1線形フィルタ311、非線形フィルタ312、及び第2線形フィルタ313で構成されている。
【0054】
図5に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
第1線形フィルタ311は第1サンプリングレート(例えば、100kHz)で遅延データDdataをサンプリングして遅延データDdataのノイズを除去して第1フィルタリングデータdata1を出力する。非線形フィルタ312は所定のサンプリングレートで上記第1フィルタリングデータdata1を入力してサンプル間の変化の大きさを制限して第2フィルタリングデータdata2を出力するか、または第1フィルタリングデータdata1を入力していくつかのサンプル(例えば、8個または64個)を一つに合わせて第2フィルタリングデータdata2を出力する。または、非線形フィルタ312は上述した過程をすべて行って第2フィルタリングデータdata2を出力するように構成されることができる。第2線形フィルタ313は、上記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレート(例えば、1kHz)で第2フィルタリングデータdata2をサンプリングし、第2フィルタリングデータdata2のノイズを除去して遅延値CDを出力する。第2線形フィルタ313のサンプリングレートを第1線形フィルタ311のサンプリングレートよりも低く設定することによって、妨害信号によるうなり(beating)を防止することができる。
【0055】
図5において、第1線形フィルタ311及び第2線形フィルタ313は低域通過フィルタlowpassfilterで構成されてそれぞれ遅延データDdata及び第2フィルタリングデータdata2の高周波成分が除去されるように構成することができ、場合によって、妨害信号の特定周波数を除去するために帯域通過フィルタbandpassfilterで構成することができる。
【0056】
また、図示しないが、タッチ決定部300のフィルタ部310は、場合によって上記第1線形フィルタ311、非線形フィルタ312、及び第2線形フィルタ313のうちの一部だけで構成することができる。この場合、上記第1フィルタリングデータdata1または上記第2フィルタリングデータdata2が上記遅延値CDに出力される。
【0057】
すなわち、図5に示す本発明のセンサのフィルタ部310の実施例を利用することによって、強度決定部320はさらに正確な遅延値CDを利用して第1強度値NTS及び第2強度値TSを決定することができる。また、図5では、ディレー方式のタッチセンサの場合を例として説明したが、インピーダンス(例えば、キャパシタンス)を測定するタッチセンサの場合にも図5に示すフィルタ部310が適用されることができる。この場合、フィルタ部310が出力するセンシング値は基準信号refと感知信号senとの遅延時間差に対応する遅延値CDではない測定されたインピーダンス(例えば、キャパシタンス)に対応する値となることができる。
【0058】
図6は、図4に示す本発明のセンサのタッチ決定部300の強度決定部320の第1強度値NTSの決定方法の実施例を説明するためのフローチャートである。
【0059】
図6を参考して強度決定部320の第1強度値NTSの決定方法を説明する。
まず、強度決定部320は、現在の第1強度値NTSが「0」であるかを判断する(S11段階)。万が一、現在の第1強度値NTSが「0」であれば強度決定部320はフィルタ部310から入力される現在の遅延値CDを第1強度値NTSで保存する(S12段階)。最初電源印加時またはセンサがリセットされた場合に第1強度値NTSが「0」になることができる。よって、このような場合には、第1強度値NTSを現在の遅延値CDに初期化することができる。
【0060】
次に、強度決定部320は、タッチ決定部300の判断部330から出力されるタッチ信号touchを用いてタッチ状態であるか否かを判断する(S13段階)。万が一、タッチ状態であればタッチしない状態の強度を示す第1強度値NTSの値を変更する必要がないので、強度決定部320は現在の第1強度値NTSを維持する(S17段階)。
【0061】
S13段階で判断した結果、タッチ状態でなければ強度決定部320は所定の第1時間(例えば、12ms)の間にフィルタ部310から出力される遅延値CDの変化があるか否かを判断する(S14段階)。第1時間の間に遅延値CDの変化があれば強度決定部320は現在の第1強度値NTSを維持する(S17段階)。よって、強度決定部320は周辺ノイズで遅延値CDが変更されることによって第1強度値NTSが変化することを防止できるとともに、環境の変化(例えば、温度の変化)またはカバー厚さの変化によってタッチしない状態の遅延値CDが変更される場合には第1強度値NTSを変更することができる。
【0062】
次に、強度決定部320はタッチした状態の強度を示す第2強度値TSが所定の第1値D1よりも小さいか否かを判断する(S15段階)。万が一、第2強度値TSが第1値D1よりも小さければ強度決定部320は現在の第1強度値NTSを維持する(S17段階)。よって、強度決定部320は第2強度値TSが第1値D1より大きくなった後のみ、第1強度値NTSを変更するように構成することができる。
【0063】
次に、強度決定部320は、フィルタ部310から出力された遅延値CDと第1強度値NTSとの差が所定の第2値D2よりも小さいか否かを判断する(S16段階)。万が一、遅延値CDと第1強度値NTSとの差が第2値D2よりも小さければ強度決定部320は現在の第1強度値NTSを維持する(S17段階)。すなわち、遅延値CDと第1強度値NTSとの差が所定の第2値D2よりも小さい場合には環境などによる影響が小さいということを意味するので、この場合には強度決定部320が第1強度値NTSを維持するように構成することができる。
【0064】
万が一、遅延値CDと第1強度値NTSとの差が第2値D2よりも大きければ強度決定部320は現在の第1強度値NTSに所定の第3値D3を加算するか、または減算して、これを新たな第1強度値NTSとして保存する(S18段階)。すなわち、強度決定部320は、遅延値CDが第1強度値NTSよりも第2値D2以上に大きければ現在の第1強度値NTSに第3値D3を加算した値を新たな第1強度値NTSとして保存し、もし遅延値D2が第1強度値NTSよりも第2値D2以上小さければ現在の第1強度値NTSに第3値D3を減算した値を新たな第1強度値NTSとして保存する。
【0065】
図6では、強度決定部320が所定の第1時間の間に遅延値CDの変化があるか(S14段階)、第2強度値TSが所定の第1値D1よりも小さいか(S15段階)、遅延値CDと第1強度値NTSとの差が所定の第2値D2よりも小さいか(S16段階)否かを順次にすべて判断する場合を例示したが、強度決定部320はそのうちのいずれか一つだけを判断して第1強度値NTSを維持または変更するように構成することができる。例えば、強度決定部320は、第1時間の間に遅延値CDの変化があるか否かのみを判断して所定時間の間に遅延値CDの変化があれば第1強度値NTSを維持し、遅延値CDが所定時間の間に変化がなければ第1強度値NTSを変更するように構成することができる。また、各段階の順序に変化があってもかまわない。
また、図6では、第1強度値NTSを変更する場合、強度決定部320が現在の第1強度値NTSに所定の第3値D3を加算したり減算したりして新しく第1強度値NTSを変更する場合を例示したが、強度決定部320は遅延値CDを新しく第1強度値NTSに変更するように構成することができる。
【0066】
図7は、図6に示す本発明のセンサのタッチ決定部300の強度決定部320の第1強度値NTSの決定方法を説明するためのタイミング図であって、図6からS15段階及びS16段階を省略し、S18段階で現在の遅延値CDを新しく第1強度値NTSを保存する場合を示しており、点線はフィルタ部310から出力される遅延値CDを、実線は第1強度値NTSをそれぞれ示すものである。
【0067】
図7を参考して強度決定部320の第1強度値NTSの決定方法を説明する。
t1時点において、遅延値CDが第1時間T1の間に変化しなかったので、この場合、強度決定部320は第1強度値NTSをt1時点での遅延値CDとして変更する。以後、t2時点以前には、遅延値CDが第1期間T1中に維持される場合が発生しないので、強度決定部320は第1強度値NTSを変更させない。t2時点で判断すれば、遅延値CDが第1時間T1中に変化しなかったので、強度決定部320は再び第1強度値NTSをt2時点での遅延値CDとして変更する。t2時点の経過以後には遅延値CDが急激に増加する。すなわち、これはタッチ状態であることを意味するので、強度決定部320はt2時点以後には第1強度値NTSを変更させない。
【0068】
図8は、図4に示す本発明のセンサのタッチ決定部300の強度決定部320から第2強度値TSを決定する方法の実施例を説明するためのフローチャートを示す。
【0069】
図8を参考して第2強度値TSを決定する方法を説明する。
まず、強度決定部320は、第2強度値TSが「0」であるか否かを判断する(S21段階)。万が一、第2強度値TSが「0」であれば強度決定部320は第1強度値NTSに所定の第4値D4を加算した値を第2強度値TSとして保存する(S22段階)。最初電源印加時またはセンサがリセットされた場合に、第2強度値TSが「0」となることもある。このような場合には、第2強度値TSを第1強度値NTSに所定の第4値D4を加算した値に初期化することができる。
【0070】
次に、強度決定部320は、判断部330から出力されるタッチ信号touchを用いてタッチセンサがタッチしない状態であるか否かを判断する(S23段階)。万が一、タッチしない状態であればタッチした状態の強度を示す第2強度値TSを変更させる必要がないので、強度決定部320は現在の第2強度値TSを維持する(S26段階)。
【0071】
次に、強度決定部320は、フィルタ部310から出力される遅延値CDが所定の第2時間(例えば、7ms)の間に変化があるか否かを判断する(S24段階)。万が一、遅延値CDが第2時間の間に変化があれば、強度決定部320は現在の第2強度値TSを維持する(S26段階)。よって、強度決定部320は周辺ノイズにより遅延値CDが変更されることによって、第2強度値TSが変化することを防止するとともに、環境の変化(例えば、温度の変化)またはカバー厚さの変化によってタッチした状態の遅延値CDが変更された場合には、第2強度値TSを変更するように構成することができる。上記第2時間は、図6のS14段階の第1時間よりも短く設定されることができる。すなわち、上述のように、第2強度値TSはタッチした状態で変更することになるが、タッチした状態では接触物体によるノイズが発生するので、タッチしない状態で変更される第1強度値NTSを決定する場合よりも特定の遅延値CDを維持する時間が短くなければならないという必要がある。
【0072】
次に、強度決定部320は、第2強度値TSが第1強度値NTSに所定の第5値D5を加算した値よりも小さいか否かを判断する(S25段階)。すなわち、強度決定部320は、第2強度値TSと第1強度値NTSとの差が所定の第5値D5以上であるか否かを判断する。万が一、第2強度値TSが第1強度値NTSに第5値D5を加算した値よりも小さければ、強度決定部320は第2強度値TSを第1強度値NTSに第5値D5を加算した値として変更する(S28段階)。よって、強度決定部320は第1強度値NTSと第2強度値TSとの差が最小限所定の第5値D5以上にあるように、第1強度値NTSと第2強度値TSを決定することができる。
【0073】
万が一、第2強度値TSが、第1強度値NTSに第5値D5を加算した値よりも大きければ強度決定部320は現在の遅延値CDを第2強度値TSとして保存する(S27段階)。
【0074】
強度決定部320で第2強度値TSを決定する場合、図8からS25段階及びS28段階は省略して実施することができる。すなわち、強度決定部320はタッチしない状態であるか否か(S23段階)及び遅延値CDに変化があるか否か(S24段階)だけを判断して現在の第2強度値TSを維持するか、または第2強度値TSを現在の遅延値CDに変更するように構成することができる。
【0075】
図9は、図8に示す第2強度値TSの決定方法を説明するためのタイミング図を示す図であって、図8からS25段階及びS28段階を省略して実施する場合であり、点線はフィルタ部310から出力される遅延値CDを、実線は第2強度値TSをそれぞれ示す。
【0076】
図9を参考して第2強度値TSの決定方法を説明する。
t1時点において、遅延値CDが所定の第2時間T2の間で変化しなかったので、この場合の強度決定部320は第2強度値TSをt1時点での遅延値CDに変更する。以後、t2時点の以前には遅延値CDが第2期間T2の間で変化しない場合がなかったので、強度決定部320は第2強度値TSを変更しない。t2時点で判断した場合、遅延値CDが第2時間T2の間で変化しなかったので、強度決定部320は再び第2強度値TSをt2時点での遅延値CDに変更する。t2時点の経過以後には遅延値CDが急激に減少した。すなわち、これはタッチしない状態であるということを意味するので、強度決定部320はt2時点以後には第2強度値TSを変更させない。
【0077】
また、上述のように、最初電源印加時またはセンサがリセットされた場合には第1強度値NTS及び第2強度値TSが「0」となり、この場合の第1強度値NTSは現在の遅延値CDに初期化され(図6のS12段階)、第2強度値TSは第1強度値NTSに所定の第4値D4を加算した値に初期化される(図8のS22段階)。よって、最初電源印加時またはセンサがリセットされた場合には上記初期化された第1強度値NTS及び第2強度値TSに基づいて閾値を計算し、閾値と遅延値とを比較してタッチした状態であるか否かを把握することができる(図6のS13段階及び図8のS23段階)。
【0078】
また、図6ないし図9では、ディレー方式のタッチセンサの場合を例として説明しているが、上述のようにインピーダンスを測定するタッチセンサの場合にも本発明を適用することができる。この場合、強度決定部320は上述のように基準信号refと感知信号senとの遅延時間差に対応する遅延値の代わりに測定されたインピーダンスに対応する値を用いて第1強度値NTS及び第2強度値TSを決定することになる。
【0079】
図10は、図4に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の他の実施例を示すブロック図であって、タッチ決定部300は閾値計算部331及びタッチ判断部332で構成されている。
【0080】
次に、図10に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
閾値計算部331は、強度決定部320から出力される第1強度値NTS及び第2強度値TSを入力して閾値Th_valueを計算して出力する。閾値Th_valueは、次のような数式で計算される。
【0081】
【数1】
【0082】
タッチ判断部332は、閾値計算部331から出力された閾値Th_valueとフィルタ部310から出力された遅延値CDを入力して接触可否を判断し、接触可否を示すタッチ信号touchを出力する。
【0083】
例えば、タッチ判断部332は、遅延値CDが所定の第3時間以上の閾値Th_valueよりも大きい場合にはタッチされたものと判断し、所定の第4時間以上の閾値Th_valueよりも小さい場合にはタッチしないものとして判断するように構成される。この場合、ノイズでタッチしない状態をタッチした状態に間違って判断することを防止するために、第3時間は第4時間よりも長く構成することができる。例えば、第3時間は10msであり、第4時間は4msとすることができる。また、タッチ判断部332は、遅延値CDが閾値Th_valueに所定の第1オフセット値Dh1を加算した値よりも大きければタッチしたものと判断し、遅延値CDが閾値Th_valueに所定の第2オフセット値Dh2を減算した値よりも小さければ、タッチしないものと判断するように構成することができる。また、タッチ判断部332は、上述の二つの方法を混用して接触可否を判断するように構成することができる。
【0084】
また、タッチ判断部332は、単純に遅延値CDが閾値Th_valueよりも大きくなればタッチしたものと判断し、閾値Th_valueよりも小さければタッチしないものと判断するように構成することができる。
【0085】
図示しないが、閾値計算部331が上記閾値Th_valueに上記第1オフセット値Dh1を加算した第1閾値Th_value1と上記閾値Th_valueに、上記第2オフセット値Dh2を減算した第2閾値Th_value2をさらに出力するように構成することができ、上記第1オフセット値Dh1と上記第2オフセット値Dh2とは同一値を有することができる。また、第1閾値Th_value1は、第1強度値NTSに所定の第1オフセット値Dh1を加算して計算され、第2閾値Th_value2は第2強度値TSに所定の第2オフセット値Dh2を減算して計算される。
【0086】
また、図示しないが、タッチ判断部332は、強度計算部320から第1強度値NTS及び第2強度値TSが直接入力され、フィルタ部310から遅延値CDが入力されて遅延値CDが第1強度値NTSよりも所定値以上に増加するとタッチした状態として判断し、遅延値CDが第2強度値TSよりも所定値以上に減少すると、タッチしない状態として判断されるように構成することができる。万が一、タッチ判断部332において、このような方法だけを利用して接触可否を判断する場合、タッチ決定部300は、図10から閾値計算部331を省略して構成することができる。また、タッチ判断部332は、この方法と上述の方法とを混用して接触可否が判断できるように構成することができる。
【0087】
図11は、図10に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部300の動作を説明するための動作タイミング図であって、一点鎖線は第1強度値NTSを、二点鎖線は第2強度値TSを、実線は遅延値CDをそれぞれ示し、タッチ判断部332は遅延値CDが第1閾値Th_value1よりも大きければタッチした状態として判断し、遅延値CDが第2閾値Th_value2よりも小さければタッチしない状態として判断する場合を示している。
【0088】
次に、図11を参考して図10に示すタッチ決定部300の動作を説明する。
t1時点以前までは、遅延値CDが第1閾値Th_value1以下であるので、タッチ決定部300はタッチしない状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。t1時点において遅延値CDが第1閾値Th_value1よりも大きくなるので、タッチ決定部300はタッチした状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。t1からt2までの間では、遅延値CDが第2閾値Th_value2以上であるので、タッチ決定部300はタッチ状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。t2時点において遅延値CDが第2閾値Th_value2よりも小さくなるので、タッチ決定部300はタッチしない状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。t2からt3までの間では、遅延値CDが第1閾値Th_value1以下であるので、タッチ決定部300はタッチしない状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力し、t3時点では、遅延値CDが第1閾値Th_value1よりも大きくなるので、タッチした状態であると判断し、それに相応するタッチ信号touchを出力する。
【0089】
上記第1閾値Th_value1と上記第2閾値Th_value2は、上記のような方法で第1強度値NTS及び第2強度値TSを用いて計算することができる。
【0090】
図12は本発明のタッチセンサのタッチ決定部の他の実施例を示す図であって、タッチ決定部301は、フィルタ部310、強度決定部320−1、判断部330−1及び活動感知部340で構成されている。
【0091】
次に、図12に示すブロックのそれぞれの機能を説明する。
フィルタ部310は、図4及び図5で説明したことと同一の機能を有する。強度決定部320−1は、図4及び図6ないし図9で説明したことと同一の方法により第1強度値NTS及び第2強度値TSを計算して出力し、活動感知部340から出力される制御信号conに応答して動作する。判断部330−1は、図4、図10及び図11で説明したことと同一の方法で接触可否を判断し、接触可否を示すタッチ信号touchを出力する。活動感知部340は、フィルタ部310から出力された遅延値CDが入力され、遅延値CDの変化を用いてタッチセンサが活動状態であるか否かを判断し、判断結果に制御信号conを出力する。例えば、遅延値CDが所定時間の間に所定範囲内にある場合、非活動状態であると判断し、それに相応する制御信号conを出力するように構成することができる。
【0092】
すなわち、図12に示す本発明のタッチセンサのタッチ決定部の他の実施例は、遅延値CDの変化に応答してタッチセンサが活動状態であるか否かによって制御信号conを出力する活動感知部340をさらに備え、強度決定部320−1及び/または判断部330−1が上記制御信号conに応答してタッチセンサが活動状態の場合のみ動作することで、電力消耗を最小化することができる。
【0093】
図示しないが、活動感知部340は、フィルタ部310の第1線形フィルタ311から出力される第1フィルタリングデータdata1または非線形フィルタ312から出力される第2フィルタリングデータdata2を入力してタッチセンサが活動状態であるか否かを判断するように構成することができる。
【0094】
また、図示しないが、活動感知部340から出力される制御信号conは、タッチセンサ外部に出力されてタッチセンサを備える入力装置の動作を制御するように構成することができる。例えば、活動感知部340は、タッチセンサが非活動状態の場合にタッチセンサを備える入力装置を構成するブロックおうち送受信間のクロックを同期させるために、フリーアンプル(pre−ample)を送信するブロックだけ動作するように制御信号を出力させるように構成することができる。このように構成された場合、入力装置のパワーダウン(power down)による応答速度が低下されることを防止することができるので、入力装置の応答速度を向上することができる。
【0095】
また、図示しないが、活動感知部340は、判断部330−1から出力されるタッチ信号touchを入力してタッチセンサを備える入力装置をウェークアップ(wake up)させるためのウェークアップ信号を出力するように構成することができる。例えば、活動感知部340は、タッチ信号touchを入力してタッピング(tapping)が感知られると、すなわち、タッチした状態とタッチしない状態とが所定繰り返し周期以上に所定回数以上繰り返されると、入力装置をウェークアップさせるためのウェークアップ信号を出力するように構成することができる。
【0096】
また、上記においては、タッチセンサを例として説明したが、近接センサの場合にも本発明を適用することができる。近接センサは接近する物体あるいは近辺に存在する物体の有無を、機械的な接触なしに検出するセンサであって、近接センサのうちインピーダンスの変化を感知して近接可否を判断する近接センサは、構造的にインピーダンスを感知するタッチセンサと非常に類似する。すなわち、インピーダンス感知型タッチセンサの感度を非常に高く設定して近接センサとして使用することができる。また、センシング感度を高く設定しなくでも複数個のタッチセンサを電気的に連結して感知面積を増加させることで、感度を増加させて近接センサとして使用することができる。本発明を近接センサとして適用される場合には、接触可否によって第1強度値NTSまたは第2強度値TSを可変するのではなく、近接可否によって第1強度値NTSまたは第2強度値TSを可変し、第1強度値NTS及び第2強度値TSを利用して計算した閾値を用いて近接可否を判断することになる。
【0097】
上述では、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、添付の特許請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲で、本発明を多様に修正及び変更させることができる。
【符号の説明】
【0098】
10 センシングデータ出力部
100 感知信号出力部
200 遅延時間測定部
300 タッチ決定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体の接触または近接の可否によって可変するセンシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、
閾値と前記センシングデータとを比較して接触または近接可否を認識し、前記センシングデータを用いて接触または近接しない状態の前記センシングデータの値を示す第1強度値及び接触または近接した状態の前記センシングデータの値を示す第2強度値を可変させ、前記第1強度値及び前記第2強度値を用いて前記閾値を可変させ、タッチ及び近接可否を示す出力信号を出力する決定部と、
を備えることを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記センシングデータ出力部は、
前記物体の接触または近接の可否によって可変するインピーダンスを測定し、前記測定されたインピーダンスに対応する値を前記センシングデータに出力することを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記センシングデータ出力部は、
基準信号及び物体の接触または近接の可否によって前記基準信号よりも所定時間遅延される感知信号を出力する感知信号出力部と、
前記感知信号と前記基準信号との遅延時間差を検出し、前記遅延時間差に対応する遅延データを前記センシングデータに出力する遅延時間測定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
前記感知信号出力部は、
基準クロック信号を発生する基準クロック発生部と、
前記基準クロック信号を入力して前記基準信号を出力する基準信号発生部と、
パッドを備え、前記パッドに接触物体が接触または近接されると前記基準クロック信号を遅延させて前記感知信号を出力する感知信号発生部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記遅延時間測定部は、
複数個の従属接続された遅延素子を備え、前記基準信号に応答して互いに異なる遅延時間を有する複数個の遅延信号及び前記基準信号のフィードバック回数を示す繰り返しカウンティング信号を出力するディレーチェーン部と、
前記基準信号に応答してリセット信号を出力し、前記感知信号に応答してカウンティング中止信号を出力し、前記複数個の遅延信号のエッジの個数に対応するコード信号を出力するエッジ感知部と、
前記繰り返しカウンティング信号及び前記コード信号をデコーディングして前記基準信号と前記感知信号との遅延時間差に対応する前記遅延データを出力するデコーダと、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のセンサ。
【請求項6】
前記ディレーチェーン部は、
前記遅延信号、前記カウンティング中止信号及びフィードバック信号を論理積して前記複数個の遅延信号のうち最初の遅延信号を出力するスイッチと、
前記最初の遅延信号を入力し遅延させて前記複数個の遅延信号のうちの該当する遅延信号をそれぞれ出力する前記複数個の遅延素子を備えるディレーチェーンと、
前記複数個の遅延素子のうちの最後の遅延素子から出力される遅延信号を反転して前記フィードバック信号を出力するインバータと、
前記リセット信号に応答してリセットされ、前記フィードバック信号のエッジをカウンティングして前記繰り返しカウンティング信号を発生し、前記カウンティング中止信号に応答して前記繰り返しカウンティング信号を前記デコーダに出力するカウンタと、
を備えることを特徴とする請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記決定部は、
前記センシングデータを入力してセンシング値を出力するフィルタ部と、
前記センシング値を用いて接触または近接しない状態では前記第2強度値は可変させないで前記第1強度値は可変させて出力し、接触または近接された状態では前記第1強度値は可変させないで前記第2強度値は可変させて出力する強度決定部と、
前記第1強度値及び前記第2強度値を入力して前記閾値を計算し、前記閾値と前記センシング値とを比較して接触または近接の可否を判断し、前記出力信号を出力する判断部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項8】
前記フィルタ部は、
前記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記センシング値として出力する線形フィルタを備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記フィルタ部は、
前記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータとして出力する線形フィルタと、
前記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて前記センシング値として出力する非線形フィルタと、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項10】
前記フィルタ部は、
前記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータとして出力する線形フィルタと、
前記第1フィルタリングデータを前記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記センシング値として出力する第2線形フィルタと、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項11】
前記フィルタ部は、
前記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータとして出力する第1線形フィルタと、
前記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて第2フィルタリングデータとして出力する非線形フィルタと、
前記第2フィルタリングデータを前記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記センシング値として出力する第2線形フィルタと、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項12】
前記第1線形フィルタ及び前記第2線形フィルタは、
低域通過フィルタであることを特徴とする請求項11に記載のセンサ。
【請求項13】
前記第1線形フィルタ及び前記第2線形フィルタは、
帯域通過フィルタであることを特徴とする請求項11に記載のセンサ。
【請求項14】
前記強度決定部は、
前記第1強度値が「0」であれば前記第1強度値を前記センシング値に変更し、前記第2強度値が「0」であれば前記第2強度値を前記センシング値に所定の第1値を加算した値に変更することを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項15】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記センシング値が所定の第1時間の間に変化すれば前記第1強度値は変更せず、前記センシング値が前記第1時間の間に変化しなければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項16】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第2強度値が前記第2値よりも大きければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項17】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記第1強度値と前記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第1強度値と前記センシング値との差が前記第3値よりも大きければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項18】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記センシング値が所定の第1時間の間に変化すれば前記第1強度値は変更せず、前記センシング値が前記第1時間の間に変化しない場合に前記第1強度値が前記センシング値よりも大きければ前記第1強度値を前記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、前記第1強度値が前記センシング値よりも小さければ前記第1強度値を、前記第1強度値に前記第4値を減算した値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項19】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第2強度値が前記第2値よりも大きい場合に前記第1強度値が前記センシング値よりも大きければ前記第1強度値を、前記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、前記第1強度値が前記センシング値よりも小さければ前記第1強度値を前記第1強度値に前記第4値を減算した値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項20】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記第1強度値と前記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第1強度値と前記センシング値との差が前記第3値よりも大きい場合に前記第1強度値が前記センシング値よりも大きければ前記第1強度値を前記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、前記第1強度値が前記センシング値よりも小さければ前記第1強度値を、前記第1強度値に前記第4値を減算した値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項21】
前記強度決定部は、
接触または近接された状態で前記センシング値が所定の第2時間の間に変化すれば前記第2強度値は可変せず、前記センシング値が前記第2時間の間に変化しなければ前記第2強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項22】
前記強度決定部は、
接触または近接された状態で前記第2強度値が前記第1強度値に所定の第5値を加算した値よりも大きければ前記第2強度値を前記センシング値に変更し、前記第2強度値が前記第1強度値に前記第5値を加算した値よりも小さければ前記第2強度値を前記第1強度値に前記第5値を加算した値に変更することを特徴とする請求項21に記載のセンサ。
【請求項23】
前記判断部は、
前記第1強度値及び前記第2強度値を入力して前記閾値を計算する閾値計算部と、
前記センシング値と前記閾値とを比較して接触または近接の可否を判断し、判断結果によって前記出力信号を出力する判断部と、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項24】
前記閾値は、
第1閾値及び第2閾値で構成され、
前記閾値計算部は前記閾値に所定の第1オフセットを加算した第1閾値及び前記閾値に所定の第2オフセットを減算した第2閾値を出力し、
前記判断部は接触または近接しない状態で前記センシング値が前記第1閾値よりも大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記第2オフセットよりも小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項23に記載のセンサ。
【請求項25】
前記判断部は、
接触または近接しない状態で前記センシング値が前記閾値より第3時間の間大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記閾値より前記第3時間より短い第4時間の間小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項23に記載のセンサ。
【請求項26】
前記判断部は、
前記第1強度値、前記第2強度値、及び前記センシング値を入力して接触または近接しない状態で前記センシング値が前記第1強度値に第6値を加算した値以上に大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記第2強度値に第7値を減算した値以下に小さければ接触または近接しないと判断し、判断結果に従って前記出力信号を出力することを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項27】
前記決定部は、
前記センシング値を入力して前記センシング値が所定時間の間に一定範囲内にあれば前記タッチセンサが非活動状態と判断して制御信号を活性化する活動感知部をさらに備え、
前記強度決定部及び/または前記判断部は前記制御信号が活性化されると動作を停止することを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項28】
前記制御信号を外部に出力して外部の入力装置の動作を制御することを特徴とする請求項27に記載のセンサ。
【請求項29】
前記決定部は、
前記出力信号を入力してタッピング可否を感知し、タッピングが感知されたらウェークアップ信号を発生する活動感知部をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項30】
前記ウェークアップ信号を外部に出力して外部の入力装置をウェークアップさせることを特徴とする請求項29に記載のセンサ。
【請求項31】
物体の接触または近接の可否によって可変するセンシング値を計算するセンシング値の計算段階と、
第1強度値が「0」であれば前記第1強度値を前記センシング値に変更し、第2強度値が「0」であれば前記第2強度値を前記センシング値に、所定の第1値を加算した値に変更する初期化段階と、
接触または近接しない状態で前記センシング値を入力して前記第1強度値を可変させる第1強度値の可変段階と、
接触または近接された状態で前記センシング値を入力して前記第2強度値を可変させる第2強度値の可変段階と、
前記第1強度値及び前記第2強度値を入力して閾値を計算する閾値の計算段階と、
前記閾値と前記センシング値とを比較して接触または近接の可否を認識する認識段階と、
を備えることを特徴とするセンシング方法。
【請求項32】
前記センシング値は、
物体の接触または近接によって可変するインピーダンスに対応する値であることを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項33】
前記センシング値は、
基準信号と物体が接触または近接された場合、前記基準信号より所定時間センシングされる感知信号の遅延時間差に対応する値であることを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項34】
前記第1強度値の可変段階は、
前記センシング値が所定の第1時間の間に変化すると前記第1強度値は変更せず、前記センシング値が前記第1時間の間に変化しないと前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項35】
前記第1強度値の可変段階は、
前記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第2強度値が前記第2値よりも大きければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項36】
前記第1強度値の可変段階は、
前記第1強度値と前記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第1強度値と前記センシング値との差が前記第3値よりも大きければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項37】
前記第1強度値の可変段階は、
前記センシング値が所定の第1時間の間に変化すると前記第1強度値は変更せず、前記センシング値が前記第1時間の間に変化しない場合に前記第1強度値が前記センシング値よりも大きければ前記第1強度値を前記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、前記第1強度値が前記センシング値よりも小さければ前記第1強度値を前記第1強度値に前記第4値を減算した値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項38】
前記第2強度値の可変段階は、
前記センシング値が所定の第2時間の間に変化すると前記第2強度値は変更せず、前記センシング値が前記第2時間の間に変化しないと前記第2強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項39】
前記第2強度値の可変段階は、
前記第2強度値が前記第1強度値に所定の第5値を加算した値よりも大きければ前記第2強度値を前記センシング値に変更し、前記第2強度値が前記第1強度値に前記第5値を加算した値よりも小さければ前記第2強度値を前記第1強度値に前記第5値を加算した値に変更することを特徴とする請求項38に記載のセンシング方法。
【請求項40】
前記認識段階は、
接触または近接しない状態で前記センシング値が前記閾値より第3時間の間大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記閾値よりも前記第3時間より短い第4時間の間小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項41】
前記閾値は、
第1閾値及び第2閾値で構成され、
前記閾値の計算段階は前記閾値に所定の第1オフセットを加算した値を第1閾値として計算し、前記閾値に所定の第2オフセットを減算した値を第2閾値として計算し、
前記認識段階は接触または近接しない状態で前記センシング値が前記第1閾値よりも大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記第2閾値よりも小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項40に記載のセンシング方法。
【請求項42】
前記閾値は、
第1閾値及び第2閾値で構成され、
前記閾値の計算段階は前記第1強度値に所定の第1オフセットを加算した値を第1閾値として計算し、前記第2強度値に所定の第2オフセットを減算した値を第2閾値として計算し、
前記認識段階は、接触または近接しない状態で前記センシング値が前記第1閾値よりも大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記第2閾値よりも小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項43】
接触または近接の可否によって可変するセンシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータを出力する第1線形フィルタと、
前記第1線形フィルタに従属接続され、前記第1フィルタリングデータを入力してフィルタリングして第2フィルタリングデータを出力する第2フィルタと、
を備えることを特徴とするセンサのフィルタ。
【請求項44】
前記第2フィルタは、
前記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて前記第2フィルタリングデータに出力する非線形フィルタであることを特徴とする請求項43に記載のセンサのフィルタ。
【請求項45】
前記第2フィルタは、
前記第1フィルタリングデータを前記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記第2フィルタリングデータとして出力する第2線形フィルタであることを特徴とする請求項43に記載のセンサのフィルタ。
【請求項46】
前記センサのフィルタは、
前記第2フィルタリングデータを前記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記センシング値として出力する第2線形フィルタをさらに備えることを特徴とする請求項44に記載のセンサのフィルタ。
【請求項47】
前記第1線形フィルタ及び前記第2線形フィルタは、
低域通過フィルタであることを特徴とする請求項46に記載のセンサのフィルタ。
【請求項48】
前記第1線形フィルタ及び前記第2線形フィルタは、
帯域通過フィルタであることを特徴とする請求項46に記載のセンサのフィルタ。
【請求項1】
物体の接触または近接の可否によって可変するセンシングデータを出力するセンシングデータ出力部と、
閾値と前記センシングデータとを比較して接触または近接可否を認識し、前記センシングデータを用いて接触または近接しない状態の前記センシングデータの値を示す第1強度値及び接触または近接した状態の前記センシングデータの値を示す第2強度値を可変させ、前記第1強度値及び前記第2強度値を用いて前記閾値を可変させ、タッチ及び近接可否を示す出力信号を出力する決定部と、
を備えることを特徴とするセンサ。
【請求項2】
前記センシングデータ出力部は、
前記物体の接触または近接の可否によって可変するインピーダンスを測定し、前記測定されたインピーダンスに対応する値を前記センシングデータに出力することを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記センシングデータ出力部は、
基準信号及び物体の接触または近接の可否によって前記基準信号よりも所定時間遅延される感知信号を出力する感知信号出力部と、
前記感知信号と前記基準信号との遅延時間差を検出し、前記遅延時間差に対応する遅延データを前記センシングデータに出力する遅延時間測定部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
前記感知信号出力部は、
基準クロック信号を発生する基準クロック発生部と、
前記基準クロック信号を入力して前記基準信号を出力する基準信号発生部と、
パッドを備え、前記パッドに接触物体が接触または近接されると前記基準クロック信号を遅延させて前記感知信号を出力する感知信号発生部と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記遅延時間測定部は、
複数個の従属接続された遅延素子を備え、前記基準信号に応答して互いに異なる遅延時間を有する複数個の遅延信号及び前記基準信号のフィードバック回数を示す繰り返しカウンティング信号を出力するディレーチェーン部と、
前記基準信号に応答してリセット信号を出力し、前記感知信号に応答してカウンティング中止信号を出力し、前記複数個の遅延信号のエッジの個数に対応するコード信号を出力するエッジ感知部と、
前記繰り返しカウンティング信号及び前記コード信号をデコーディングして前記基準信号と前記感知信号との遅延時間差に対応する前記遅延データを出力するデコーダと、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のセンサ。
【請求項6】
前記ディレーチェーン部は、
前記遅延信号、前記カウンティング中止信号及びフィードバック信号を論理積して前記複数個の遅延信号のうち最初の遅延信号を出力するスイッチと、
前記最初の遅延信号を入力し遅延させて前記複数個の遅延信号のうちの該当する遅延信号をそれぞれ出力する前記複数個の遅延素子を備えるディレーチェーンと、
前記複数個の遅延素子のうちの最後の遅延素子から出力される遅延信号を反転して前記フィードバック信号を出力するインバータと、
前記リセット信号に応答してリセットされ、前記フィードバック信号のエッジをカウンティングして前記繰り返しカウンティング信号を発生し、前記カウンティング中止信号に応答して前記繰り返しカウンティング信号を前記デコーダに出力するカウンタと、
を備えることを特徴とする請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記決定部は、
前記センシングデータを入力してセンシング値を出力するフィルタ部と、
前記センシング値を用いて接触または近接しない状態では前記第2強度値は可変させないで前記第1強度値は可変させて出力し、接触または近接された状態では前記第1強度値は可変させないで前記第2強度値は可変させて出力する強度決定部と、
前記第1強度値及び前記第2強度値を入力して前記閾値を計算し、前記閾値と前記センシング値とを比較して接触または近接の可否を判断し、前記出力信号を出力する判断部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のセンサ。
【請求項8】
前記フィルタ部は、
前記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記センシング値として出力する線形フィルタを備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記フィルタ部は、
前記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータとして出力する線形フィルタと、
前記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて前記センシング値として出力する非線形フィルタと、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項10】
前記フィルタ部は、
前記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータとして出力する線形フィルタと、
前記第1フィルタリングデータを前記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記センシング値として出力する第2線形フィルタと、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項11】
前記フィルタ部は、
前記センシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータとして出力する第1線形フィルタと、
前記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて第2フィルタリングデータとして出力する非線形フィルタと、
前記第2フィルタリングデータを前記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記センシング値として出力する第2線形フィルタと、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項12】
前記第1線形フィルタ及び前記第2線形フィルタは、
低域通過フィルタであることを特徴とする請求項11に記載のセンサ。
【請求項13】
前記第1線形フィルタ及び前記第2線形フィルタは、
帯域通過フィルタであることを特徴とする請求項11に記載のセンサ。
【請求項14】
前記強度決定部は、
前記第1強度値が「0」であれば前記第1強度値を前記センシング値に変更し、前記第2強度値が「0」であれば前記第2強度値を前記センシング値に所定の第1値を加算した値に変更することを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項15】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記センシング値が所定の第1時間の間に変化すれば前記第1強度値は変更せず、前記センシング値が前記第1時間の間に変化しなければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項16】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第2強度値が前記第2値よりも大きければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項17】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記第1強度値と前記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第1強度値と前記センシング値との差が前記第3値よりも大きければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項18】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記センシング値が所定の第1時間の間に変化すれば前記第1強度値は変更せず、前記センシング値が前記第1時間の間に変化しない場合に前記第1強度値が前記センシング値よりも大きければ前記第1強度値を前記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、前記第1強度値が前記センシング値よりも小さければ前記第1強度値を、前記第1強度値に前記第4値を減算した値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項19】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第2強度値が前記第2値よりも大きい場合に前記第1強度値が前記センシング値よりも大きければ前記第1強度値を、前記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、前記第1強度値が前記センシング値よりも小さければ前記第1強度値を前記第1強度値に前記第4値を減算した値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項20】
前記強度決定部は、
接触または近接しない状態で前記第1強度値と前記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第1強度値と前記センシング値との差が前記第3値よりも大きい場合に前記第1強度値が前記センシング値よりも大きければ前記第1強度値を前記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、前記第1強度値が前記センシング値よりも小さければ前記第1強度値を、前記第1強度値に前記第4値を減算した値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項21】
前記強度決定部は、
接触または近接された状態で前記センシング値が所定の第2時間の間に変化すれば前記第2強度値は可変せず、前記センシング値が前記第2時間の間に変化しなければ前記第2強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項14に記載のセンサ。
【請求項22】
前記強度決定部は、
接触または近接された状態で前記第2強度値が前記第1強度値に所定の第5値を加算した値よりも大きければ前記第2強度値を前記センシング値に変更し、前記第2強度値が前記第1強度値に前記第5値を加算した値よりも小さければ前記第2強度値を前記第1強度値に前記第5値を加算した値に変更することを特徴とする請求項21に記載のセンサ。
【請求項23】
前記判断部は、
前記第1強度値及び前記第2強度値を入力して前記閾値を計算する閾値計算部と、
前記センシング値と前記閾値とを比較して接触または近接の可否を判断し、判断結果によって前記出力信号を出力する判断部と、
を備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項24】
前記閾値は、
第1閾値及び第2閾値で構成され、
前記閾値計算部は前記閾値に所定の第1オフセットを加算した第1閾値及び前記閾値に所定の第2オフセットを減算した第2閾値を出力し、
前記判断部は接触または近接しない状態で前記センシング値が前記第1閾値よりも大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記第2オフセットよりも小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項23に記載のセンサ。
【請求項25】
前記判断部は、
接触または近接しない状態で前記センシング値が前記閾値より第3時間の間大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記閾値より前記第3時間より短い第4時間の間小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項23に記載のセンサ。
【請求項26】
前記判断部は、
前記第1強度値、前記第2強度値、及び前記センシング値を入力して接触または近接しない状態で前記センシング値が前記第1強度値に第6値を加算した値以上に大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記第2強度値に第7値を減算した値以下に小さければ接触または近接しないと判断し、判断結果に従って前記出力信号を出力することを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項27】
前記決定部は、
前記センシング値を入力して前記センシング値が所定時間の間に一定範囲内にあれば前記タッチセンサが非活動状態と判断して制御信号を活性化する活動感知部をさらに備え、
前記強度決定部及び/または前記判断部は前記制御信号が活性化されると動作を停止することを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項28】
前記制御信号を外部に出力して外部の入力装置の動作を制御することを特徴とする請求項27に記載のセンサ。
【請求項29】
前記決定部は、
前記出力信号を入力してタッピング可否を感知し、タッピングが感知されたらウェークアップ信号を発生する活動感知部をさらに備えることを特徴とする請求項7に記載のセンサ。
【請求項30】
前記ウェークアップ信号を外部に出力して外部の入力装置をウェークアップさせることを特徴とする請求項29に記載のセンサ。
【請求項31】
物体の接触または近接の可否によって可変するセンシング値を計算するセンシング値の計算段階と、
第1強度値が「0」であれば前記第1強度値を前記センシング値に変更し、第2強度値が「0」であれば前記第2強度値を前記センシング値に、所定の第1値を加算した値に変更する初期化段階と、
接触または近接しない状態で前記センシング値を入力して前記第1強度値を可変させる第1強度値の可変段階と、
接触または近接された状態で前記センシング値を入力して前記第2強度値を可変させる第2強度値の可変段階と、
前記第1強度値及び前記第2強度値を入力して閾値を計算する閾値の計算段階と、
前記閾値と前記センシング値とを比較して接触または近接の可否を認識する認識段階と、
を備えることを特徴とするセンシング方法。
【請求項32】
前記センシング値は、
物体の接触または近接によって可変するインピーダンスに対応する値であることを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項33】
前記センシング値は、
基準信号と物体が接触または近接された場合、前記基準信号より所定時間センシングされる感知信号の遅延時間差に対応する値であることを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項34】
前記第1強度値の可変段階は、
前記センシング値が所定の第1時間の間に変化すると前記第1強度値は変更せず、前記センシング値が前記第1時間の間に変化しないと前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項35】
前記第1強度値の可変段階は、
前記第2強度値が所定の第2値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第2強度値が前記第2値よりも大きければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項36】
前記第1強度値の可変段階は、
前記第1強度値と前記センシング値との差が所定の第3値よりも小さければ前記第1強度値は変更せず、前記第1強度値と前記センシング値との差が前記第3値よりも大きければ前記第1強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項37】
前記第1強度値の可変段階は、
前記センシング値が所定の第1時間の間に変化すると前記第1強度値は変更せず、前記センシング値が前記第1時間の間に変化しない場合に前記第1強度値が前記センシング値よりも大きければ前記第1強度値を前記第1強度値に所定の第4値を加算した値に変更し、前記第1強度値が前記センシング値よりも小さければ前記第1強度値を前記第1強度値に前記第4値を減算した値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項38】
前記第2強度値の可変段階は、
前記センシング値が所定の第2時間の間に変化すると前記第2強度値は変更せず、前記センシング値が前記第2時間の間に変化しないと前記第2強度値を前記センシング値に変更することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項39】
前記第2強度値の可変段階は、
前記第2強度値が前記第1強度値に所定の第5値を加算した値よりも大きければ前記第2強度値を前記センシング値に変更し、前記第2強度値が前記第1強度値に前記第5値を加算した値よりも小さければ前記第2強度値を前記第1強度値に前記第5値を加算した値に変更することを特徴とする請求項38に記載のセンシング方法。
【請求項40】
前記認識段階は、
接触または近接しない状態で前記センシング値が前記閾値より第3時間の間大きければ接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記閾値よりも前記第3時間より短い第4時間の間小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項41】
前記閾値は、
第1閾値及び第2閾値で構成され、
前記閾値の計算段階は前記閾値に所定の第1オフセットを加算した値を第1閾値として計算し、前記閾値に所定の第2オフセットを減算した値を第2閾値として計算し、
前記認識段階は接触または近接しない状態で前記センシング値が前記第1閾値よりも大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記第2閾値よりも小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項40に記載のセンシング方法。
【請求項42】
前記閾値は、
第1閾値及び第2閾値で構成され、
前記閾値の計算段階は前記第1強度値に所定の第1オフセットを加算した値を第1閾値として計算し、前記第2強度値に所定の第2オフセットを減算した値を第2閾値として計算し、
前記認識段階は、接触または近接しない状態で前記センシング値が前記第1閾値よりも大きくなれば接触または近接したと判断し、接触または近接された状態で前記センシング値が前記第2閾値よりも小さければ接触または近接しないと判断することを特徴とする請求項31に記載のセンシング方法。
【請求項43】
接触または近接の可否によって可変するセンシングデータを第1サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して第1フィルタリングデータを出力する第1線形フィルタと、
前記第1線形フィルタに従属接続され、前記第1フィルタリングデータを入力してフィルタリングして第2フィルタリングデータを出力する第2フィルタと、
を備えることを特徴とするセンサのフィルタ。
【請求項44】
前記第2フィルタは、
前記第1フィルタリングデータを入力してサンプル間の変化の大きさを制限するか、または複数個のサンプルを合わせて前記第2フィルタリングデータに出力する非線形フィルタであることを特徴とする請求項43に記載のセンサのフィルタ。
【請求項45】
前記第2フィルタは、
前記第1フィルタリングデータを前記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記第2フィルタリングデータとして出力する第2線形フィルタであることを特徴とする請求項43に記載のセンサのフィルタ。
【請求項46】
前記センサのフィルタは、
前記第2フィルタリングデータを前記第1サンプリングレートよりも低い第2サンプリングレートとして入力し、ノイズを除去して前記センシング値として出力する第2線形フィルタをさらに備えることを特徴とする請求項44に記載のセンサのフィルタ。
【請求項47】
前記第1線形フィルタ及び前記第2線形フィルタは、
低域通過フィルタであることを特徴とする請求項46に記載のセンサのフィルタ。
【請求項48】
前記第1線形フィルタ及び前記第2線形フィルタは、
帯域通過フィルタであることを特徴とする請求項46に記載のセンサのフィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−503402(P2012−503402A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527730(P2011−527730)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000824
【国際公開番号】WO2010/032906
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(507248435)エーティーラブ・インコーポレーテッド (30)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000824
【国際公開番号】WO2010/032906
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(507248435)エーティーラブ・インコーポレーテッド (30)
【Fターム(参考)】
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