説明

センサの信号の補正方法及び装置

【課題】センサの特性曲線のできる限り精確なドリフト補正を可能にする、センサの信号を補正する方法及び装置を提供する。
【解決手段】センサ(1)の信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータが基準値と比較され、センサ(1)の信号がその比較の結果に応じて補正される、センサ(1)の信号の補正方法において、基準値として、センサ(1)の信号から導き出された、センサ(1)の信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータに関する値が形成される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、センサの信号の補正のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、内燃機関の吸気系統に組み込まれているホットフィルムエアマス計の場合に、その使用期間中に発生したドリフトが、給気圧力、給気温度、及びエンジン回転数に基づいてモデル化された基準値としてのエアマス値との比較によって補正されることが知られている。
【0003】
給気圧力の測定のための給気圧力センサ、給気温度の測定のための温度センサ、及びエンジン回転数の測定のための回転数センサにはそれぞれ許容差が付随しているから、既知の方法を用いて達成可能なドリフト補正の精度は、汚れていないエアマス計の新品の許容差よりも低い。
【0004】
更に、DE 100 63 439 A1 から、例えばホットフィルムエアマス計として作られたセンサの場合には、シグナル・レンジ・チェックに加えて、オフセットドリフト及び/又はセンサの感度ドリフトに係わるオンボード診断がプリセット可能の尤度基準(Plausibilitatskriterium)に関して行われるべきである、ということが知られている。
【発明の開示】
【0005】
独立の請求項のメルクマールを持つ、センサの信号の補正のための本発明に基づく方法及び本発明に基づく装置は、それに対して、センサの信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータ基準値と比較され、センサの信号がその比較の結果に応じて補正され、その際基準値として、センサの信号から導き出された、センサの信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータに関する値が形成される、という利点を持っている。この様にすることによって、センサの信号、或いは少なくとも一つの特徴的なパラメータのモデル化のための代替信号の利用、更にはセンサの信号のモデル化自体、を不要とすることができ、また基準値の形成のためにセンサの信号だけを用いてドリフト補正の高い精度を達成することができる。
【0006】
諸従属請求項に述べられている特徴によって、主請求項に示されている方法の有利な拡張及び改良が可能となる。
基準値が、センサの予め定められた作動状態の下で、特にセンサの最初の使用開始後の予め定められた期間内に形成されると、特に有利である。この様にすることによって、センサの信号のドリフト補正の精度を高めることができる。その際、最も都合の良いケースでは、ドリフト補正の精度は、汚れていないセンサの新品時の許容差による影響しか受けない。
【0007】
センサによって、特に内燃機関の、駆動ユニットの運転パラメータが測定されると、また基準値の形成及び/又はセンサの信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータの形成が駆動ユニットの予め定められた少なくとも運転状態、特にアイドリング状態における基準値との比較のために行われると、もう一つの利点が生まれる。この様にすることによって、特にセンサによる測定値の測定の際に存在している時間定数を考慮することによって、ドリフト補正の精度を更に高めることができる。
【0008】
センサとして、エアマス測定装置、特にホットフィルムエアマス計或いは超音波エアマス計が選ばれると、特に有利である。この様にすることによって、その様なエアマス測定装置にとって可能な最も精確なドリフト補正が行われる。
【0009】
センサの信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータとしては、特に、センサの信号の時間的平均値及び/又は信号振幅が適している。これ等の二つのパラメータを用いると、センサ信号を測定すべき測定パラメータへ変換するためのセンサ特性曲線のオフセットと感度を、簡単且つ信頼性のある手法で補正することができる。
【0010】
センサの信号の補正は、比較の結果に応じて少なくとも一つの補正値を形成し、この補正値を用いてセンサの信号を補正することによって、簡単に行うことができる。
できる限り信頼性が高く且つエラーの無い補正値の測定のためには、その少なくとも一つの補正値が、センサの信号がその時間的変化に関して妥当である(plausibleである)と認められたときにのみ形成されるようにすることが有利となる。
【0011】
センサの信号の補正は、その少なくとも一つの補正値をセンサの信号オフセット値の補正値として及び/又はセンサの信号の感度の補正値として形成することによって、簡単に行うことができる。
【0012】
非直線性の特性曲線の場合には、その少なくとも一つの補正値を幾つかの信号値領域内で別々に形成すると有利である。この様にすることによって、非直線性のセンサ特性曲線の場合でも、その特性曲線の複数の領域について、特性曲線全体について、可能な限り精確なドリフト補正が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一つの実施例が図示され、以下で詳しく説明される。
図1には例として、内燃機関として作られたシリンダブロック(シリンダバンク)40を有する駆動ユニットが参照符号5で示されており、このシリンダブロック40には吸気系統35を通じて新気が送り込まれる。駆動ユニット5は、例えば火花点火エンジン或いはディーゼルエンジンを駆動することができる。吸気系統35には、例えばホットフィルムエアマス計或いは超音波エアマス計の形をしたエアマス計1が配置されている。更にシリンダブロック40の領域内には回転数センサ45が配置されており、この回転数センサは、当業者には既に知られている手法でエンジン回転数nmotを予め定められた、特に等間隔の検知時点で測定し、対応する測定値を制御装置50に送り出す。エアマス計1も同じく当業者には既に知られている手法で吸気系統35の中のエアマス流量に応じて信号Sを同じく時間的に分離された測定値の形で生成するが、その際それ等の測定値も又特に等間隔の時点で測定される。エアマス計1の信号Sも、制御装置50に送出される。内燃機関の運転のために、当業者には既に知られている手法で備えられるか或いは必要となるその他の構成要素でも、本発明の理解のために必要でないものは、図を分かり易くするために、図1には描かれていない。
【0014】
制御装置50は、エアマス計1の信号Sを特性曲線によってエアマス流量LMSの物理的パラメータに変換する。図2には、制御装置50に格納されているその様な二つの特性曲線が示されている。その際、エアマス流量LMSは、エアマス計1の信号Sを介して記録されている。ここに示されている二つの特性曲線は、この例の場合には直線状である。このことは、信号Sとエアマス流量LMSとの間の実際の関係が単純化されていることを示しており、これ等の特性曲線は、エアマス計1を超音波エアマス計として作った場合にはより多く、またエアマス計1をホットフィルムエアマス計として作った場合にはより少なく、実際の状態と対応しているが、以下の説明では、本発明に基づく方法と本発明に基づく装置の説明のための基礎として用いることにする。その際、参照符号Rは、第一のオフセット値O1と、第一の特性曲線勾配或いは感度Y1/X1とを持つ基準特性曲線を示している。更に、図2のグラフにはドリフト特性曲線Dが示されているが、このドリフト特性曲線は、第二のオフセットO2と、第二の勾配或いは感度Y2/X2とを持ち、その際、O1≠O2且つ Y1/X1≠Y2/X2 である。ここで、この例の場合には、基準特性曲線Rは、エアマス計1が汚れていない、エアマス計1の新しい状態の下でのエアマス流量LMSで表されたエアマス計1の信号Sのグラフを示している。それに対して、ドリフト特性曲線Dは、エアマス計1が既に或る程度汚されている、より後の時点におけるエアマス流量LMSで表されたエアマス計1の信号Sのグラフを示しており、このグラフは、基準特性曲線と比較するとより大きなオフセットを持ち(即ち、O2>O1)、且つ基準特性曲線Rと比較すると、より小さな感度或いは勾配を持っている(即ち、Y2/X2<Y1/X1)。従って、ドリフト特性曲線Dはエアマス計1の汚れから生まれる。追加として或いは代わりの手法として、ドリフト特性曲線Dはまた、エアマス計1の老化及び老化に伴う損耗から生まれることもある。
【0015】
エアマス計1の信号Sは、シリンダブロック40のシリンダ数及びエンジン回転数nmotに応じて脈動を含み、この脈動は、エアマス計1の信号Sの時間的平均値に重畳されている。エアマス計1の汚れのために、エアマス計1の使用期間中にエアマス計1の特性曲線のオフセットドリフト、及び感度ドリフト或いは勾配ドリフトが発生し、このドリフトは、エアマス計1の信号Sをエアマス流量の物理的パラメータによって表している。それ等のオフセットドリフト及び感度ドリフトは、エアマス流量LMSの上述の特性曲線から生まれる時間的平均値のずれ及びその脈動の振幅の変化をもたらす。
【0016】
目標は、エアマス計1の信号Sを何れの時点においてもできるだけ精確にエアマス流量LMSに変換すること、即ち何れの時点においてもできる限り実際のドリフト特性曲線Dを確定することである。この目的のために、制御装置50は、図3の機能図に示されている装置10を含んでいる。この装置10は、例えばソフトウェア及び/又はハードウェアとして制御装置50に組み込まれていることができる。装置10はまた、制御装置50と同一であることも可能であり、従って装置10は制御装置50或いはそれに対応するコントロール装置を形成することができる。このコントロール装置は、エンジン制御装置と同一であることもできるし或いはそれとは別のものとすることもできる。
【0017】
装置10は、評価ユニット55、第一の制御機能付きスイッチ60、及び第二の制御機能付きスイッチ65を備えた、基準値形成ユニット30を含んでいる。装置10は更に、運転状態測定ユニット95を含んでおり、この運転状態測定ユニット95には、回転数センサ45によって測定されたエンジン回転数nmotと、時間測定ユニット90によって測定されたエアマス計1の最初の使用開始からの経過時間tとが送り込まれる。その際、駆動ユニット(内燃機関)5の最初の運転開始からの経過時間がエアマス計1の最初の使用開始からの経過時間と一致する時には、この時間tは、駆動ユニット5の最初の運転開始からの経過時間とすることもできる。時間測定ユニット90は、装置10の部分とすることもできるし或いは図3に示されているように装置10の外部に配置されることもできる。第一の制御付きスイッチ60と第二の制御付きスイッチ65の切り換え位置は、それぞれ運転状態測定ユニット95によって制御される。その際、この制御は、経過時間tと、駆動ユニット5の運転状態の特徴を示しているエンジン回転数nmotとに応じて行われる。装置10は更に、参照符号110によって示されている実際のドリフト特性曲線Dを含んでいる。エアマス計1の信号Sは、評価ユニット55にもドリフト特性曲線110にも、その入力側に送り込まれる。ドリフト特性曲線Dは、装置10の補正ユニット25によって補正される。この補正は、ドリフト特性曲線110のオフセットのための第一の補正値KOと、ドリフト特性曲線110の勾配或いは感度のための第二の補正値KSとを用いて行われる。補正の結果、ドリフト特性曲線110の出力側にはエアマス流量LMSが現れ、このエアマス流量LMSが、装置10から更なる内部及び/又は外部処理のために送り出される。補正ユニット25には、第三の制御付きスイッチ100を介して第一の比較ユニット15の出力信号を、また第四の制御付きスイッチ105を介して第二の比較ユニット20の出力信号を、送り込むことができる。これらの二つの比較ユニット15、20もまた、装置10の部分である。第一の比較ユニット15では、第一の基準値メモリ70の出力信号が第一の比較値メモリ80の出力信号と比較され、また第二の比較ユニット20では、第二の基準値メモリ75の出力信号が第二の比較値メモリ85の出力信号と比較される。二つの基準値メモリ70、75と二つの比較値メモリ80、85は、図3の例では何れも装置10の中に配置されている。第一の制御付きスイッチ60は、評価ユニット55の第一の出力端115を、第一の基準値メモリ70の入力端或いは第一の比較値メモリ80の入力端と接続する。第二の制御付きスイッチ65は、評価ユニット55の第二の出力端120を、第二の基準値メモリ75の入力端或いは第二の比較値メモリ85の入力端と接続する。第三の制御付きスイッチ100の制御と第四の制御付きスイッチ105の制御も、駆動ユニット5の運転状態に応じて運転状態測定ユニット95によって行われる。
【0018】
第一の制御付きスイッチ60は、経過時間tが予め定められた限界時間tgrenzよりも小さく且つエンジン回転数nmotが予め定められたエンジン回転数nmotgrenzよりも小さいときには、運転状態測定ユニット95によって評価ユニット55の第一の出力端115の接続のために第一の基準値メモリ70の入力端と接続される。そうではないときには、運転状態測定ユニット95が、第一の制御付きスイッチ60を制御して、評価ユニット55の第一の出力端115を第一の比較値メモリ80の入力端と接続する。同様にして、第二の制御付きスイッチ65は、t<tgrenzで且つ nmot<nmotgrenz であるときには、運転状態測定ユニット95によって評価ユニット55の第二の出力端120の接続のために第二の基準値メモリ75の入力端と接続される。そうではないときには、運転状態測定ユニット95が、第二の制御付きスイッチ65を制御して、評価ユニット55の第二の出力端120を第二の比較値メモリ85の入力端と接続する。
【0019】
予め定められた時間tgrenzは、例えば試験台の上で、時間t<tgrenz の場合には、未だエアマス計1が汚れていないと考えることができるように、適切に定めることができる。その際、tgrenzは、同じ形式のエアマス計の経験値から導き出すことができる。エンジン回転数に関する限界値nmotgrenzもまた、例えば試験台の上で、エンジン回転数nmot<nmotgrenz の場合には、駆動ユニット5のアイドリング状態の特徴が示されるように、適切に定めることができる。原則としては、このエンジン回転数に関する限界値nmotgrenzは、エアマス計1の時間定数が、例えば15ミリ秒までとなることのできるエアマス測定の際に、考慮されるように定めると有利である。その際、エンジン回転数に関する限界値nmotgrenzは、エンジン回転数nmot<nmotgrenz のときに、エアマス計1によるエアマスの測定がエアマス計1の時間定数によってほとんど全く狂わせられないか或いはほんの僅かしか狂わせられないように定めることができる。但し、エンジン回転数nmot>nmotgrenz の場合には、エアマス測定の狂いは望ましくない程大きくなる。
【0020】
このようにすることによって、エアマス計1にひどい汚れが無いことが推定されるので、第一の基準値メモリ70又は第二の基準値メモリ75が、駆動ユニット(内燃機関)5の運転状態の下でのみ書き込まれるか或いは上書きされるということが保証される。更に、エアマス計1の測定結果が限界回転数nmotgrenzの上方にあるか或いは限界回転数nmotgrenzに達している高過ぎるエンジン回転数nmotによって狂わされることが無いので、第一の基準値メモリ70又は第二の基準値メモリ75が、駆動ユニット5の運転状態の下でのみ書き込まれるか或いは上書きされるということが保証される。
【0021】
第三のスイッチ100は、nmot<nmotgrenzで且つ t>tgrenz のときに、運転状態測定ユニット95によって、第一の比較ユニット15の出力端を補正ユニット25と接続するために閉じられる。そうでないときには、この第三のスイッチ100は運転状態測定ユニット95によって開かれる。第四の制御付きスイッチ105は、nmot<nmotgrenzで且つ t>tgrenz のときに、運転状態測定ユニット95によって、第二の比較ユニット20の出力端を補正ユニット25と接続するために閉じられる。そうでないときには、この第四のスイッチ105は運転状態測定ユニット95によって開かれる。
【0022】
第一の比較値メモリ80と第二の比較値メモリ85は、第一の比較値メモリ80と第二の比較値メモリ85が第一の制御付きスイッチ60と第二の制御付きスイッチ65の切り換え位置のために書き込まれたり上書きされたりすることができない運転状態の下でしか、書き込まれたり或いは上書きされたりすることはできない。代わりの手法として、第一の比較値メモリ80と第二の比較値メモリ85は、原則として駆動ユニット5の何れか任意の状態の下で書き込み或いは上書きされるようにすることもできる。補正ユニット25の二つの補正値KO及びKSの更新は、二つの制御付きスイッチ100、105が図3に示されているように閉じられた位置にある間だけしか行なわれない。二つのスイッチ100、105が開かれているときには、補正ユニット25による補正値KO、KSの更新は行われない。ドリフト特性曲線110の補正は常に、最後に更新された補正値KO、KSを用いて行われる。図3に示されているように、二つのスイッチ60、65は、運転状態測定ユニット95によって同期的に制御される。同じことは、二つの制御付きスイッチ100、105についても当てはまる。二つの制御付きスイッチ100、105によって、補正ユニット25は、エンジン回転数nmot<nmotgrenz 且つ経過時間 t>tgrenzであるときにしか、二つの補正値KO、KSの更新を行わないということが保証される。その際、ドリフト特性曲線110は、例えばエアマス計1のメーカーのデータに従って或いは校正測定に基づいて、最初は基準特性曲線Rの形で事前設定され、次いで装置10に格納することができる。その際、このドリフト特性曲線110の補正は、エアマス計1或いは駆動ユニット5の最初の使用或いは運転の後、予め定められた時間tgrenzが経過した後で且つエンジン回転数nmotが予め定められている限界回転数nmotgrenzの下側にあり、従って補正が限界回転数nmotgrenzよりも大きいか或いは限界回転数に等しい高い回転数によって狂わされることがないという条件の下で、はじめて実行される。換言すれば、ドリフト特性曲線110の補正の際にも、ドリフト特性曲線110の補正の際のエラーを避けるために、エアマス計1によるエアマスの測定の際にも時間定数が考慮される。
【0023】
評価ユニット55は、エアマス計1の信号Sの少なくとも一つの特徴的なパラメータに関してこの信号Sの評価を行う。ここで説明されている例の場合には、評価ユニット55は、エアマス計1の信号Sの二つの特徴的なパラメータに関してこの信号Sの評価を行う。その際、評価ユニット55は、信号Sの第一の特徴的なパラメータとしてこの信号Sの時間平均値を定め、この時間平均値をスライド平均値として評価ユニット55の第一の出力端115に送り出す。更に、評価ユニット55は、信号Sの第二の特徴的なパラメータとして信号Sの信号振幅の正にその時の実際値を求めて、この値を評価ユニットの第二の出力端120に送り出す。
【0024】
次いで、第一の制御付きスイッチ60の切り換え位置に従って、信号Sの実際のスライドする時間的平均値が第一の基準値メモリ70或いは第一の比較値メモリ80に格納される。同様にして、第二の制御付きスイッチ65の位置に従って、信号Sの信号振幅に関する実際の値が第二の基準値メモリ75或いは第二の比較値メモリ85に格納される。第一の比較ユニット15は、第一の基準値メモリ70に格納されている信号Sのスライド平均値を第一の比較値メモリ80に格納されているスライド時間平均値と、例えば差の形成によって或いは除算によって比較し、第三の制御付きのスイッチ100が閉じられている場合には、この比較の結果を、従って差或いは商を、補正ユニット25に送り出す。同様にして、第二の比較ユニット20は、第二の基準値メモリ75に格納されている信号振幅に関する値を、第二の比較値メモリ85の信号振幅に関する値と、例えば差の形成によって或いは除算によって比較し、第四の制御付きのスイッチ105が閉じられた位置にあれば、差或いは商の形をしたこの比較の結果を、補正ユニット25に送り出す。
【0025】
最初は第一の基準値メモリ70と第一の比較値メモリ80には同じ値を格納しておくことができるので、第一の比較ユニット15は、その出力端に比較の結果として差の形成の際には値“ゼロ”を送り出す。同様に、第二の基準値メモリ75と第二の比較値メモリ85には、最初は同じ値を格納しておくことができるので、第二の比較ユニット20は、その出力端に商の形成の場合には値“1”を送り出す。この場合一般に、それぞれ二つの入力値が同じ大きさである場合には、第一の比較ユニット15は、その出力端に値“ゼロ”を、また第二の比較ユニット20は、その出力端に値“1”を出力するようにすることができる。補正ユニット25が、第一の比較ユニット15から値“ゼロ”を、また第二の比較ユニット20から値“1”を受取ると、補正ユニット25は、二つの補正値KO、KSの更新は行わない。この状態は、スイッチ100、105が開かれている状態に対応する。その際、オフセットのための補正値KOは最初は値“ゼロ”に、また勾配或いは感度に関する補正値KSは最初は値“1”に設定されていることができる。その際、ドリフト特性曲線110の補正は、ドリフト特性曲線110のオフセットに第一の補正値KOを加算することによって、またドリフト特性曲線110の勾配の補正は、第二の補正値KSを乗算することによって行われる。代わりの手法として、オフセットの補正はまた、任意の別の手法で、例えば乗算、除算、或いは減算によって行うことができ、同様に、ドリフト特性曲線110の勾配の修正も代わりの手法として任意の別の形で、例えば加算、減算、或いは除算によって行うことができる。しかしながら、ドリフト特性曲線110のオフセット及び勾配の補正の手法は、予め定められ且つ好ましい手法で保持されるべきであろう。最初にドリフト特性曲線110を修正しなくても良いようにするために、選ばれた補正操作、従って加算、減算、除算、或いは乗算に応じて、補正値KO、KSが初期化されるべきである。
【0026】
第一の基準値メモリ70の出力は、図3ではR1で、第一の比較値メモリ80の出力はV1で、第二の基準値メモリ75の出力はR2で、第二の比較値メモリ85の出力はV2で示されている。以下の説明では、例として、第一の比較ユニット15は、差Δ=R1−V1を作り、第三の制御付きスイッチ100が閉じられているときには、補正ユニット25に送り出すと仮定する。更に、第二の比較ユニット20は、商Q=R2/V2を作り、これを比較の結果として、第四の制御付きスイッチ105が閉じられているときには、補正ユニット25に送り出すと仮定する。補正ユニット25は、差Δ、商Q、及びエアマス計の基準特性曲線の第一のオフセット値O1から、連立方程式を用いてドリフト特性曲線110のオフセットに関する第一の補正値KOとドリフト特性曲線110の勾配に関する第二の補正値KSとを形成する。前記の連立方程式は次の通りである。
【0027】
【数1】

【0028】
次いで、ドリフト特性曲線110は、第一の補正値KOと第二の補正値KSとを用いて次のように修正される。即ち、ドリフト特性曲線110のための新しいオフセットを作るために、ドリフト特性曲線110の実際のオフセットに第一の補正値KOが加算され、また特性曲線110のための新しい勾配を作るために、ドリフト特性曲線110の実際の勾配に第二の補正値KSが掛けられる。このようにすることによって、二つの補正値KO、KSを用いた補正の後に新しいドリフト特性曲線110ができ、この新しいドリフト特性曲線がエアマス計1の信号Sをエアマス流量LMSの物理的値に変換する。
【0029】
代わりの手法として、基準特性曲線が直線状である場合には、第一のオフセット値O1を、エアマス計1が新しい状態にあるときの、最早エアマス流が存在していない制御装置余動での測定によっても、確定することができる。第一のオフセット値O1は、装置10のオフセット値メモリ1000に格納され、そこから補正ユニット25に送り込まれる。第一の基準値メモリ70の出力も又補正ユニット25に送り込まれる。
【0030】
図4には、装置10によって実行される本発明に基づく方法の流れの一例を示した流れ図が描かれている。プログラムのスタートの後、運転状態測定ユニット95は、プログラムポイント200で、エアマス計1或いは駆動ユニット(内燃機関)5の最初の使用(或いは運転)開始以降に経過した実際の時間tを時間測定ユニット90から受取るが、この実際の経過時間tは、エアマス計1或いは駆動ユニット5の最初の使用(或いは運転)開始の際に、値t=0に初期化されている。運転状態測定ユニット95は更に、プログラムポイント200で、回転数センサ45から駆動ユニット5の実際のエンジン回転数nmotを受取る。次いで、プログラムポイント205へ送られる。
【0031】
プログラムポイント205では、第一の基準値メモリ70と第二の基準値メモリ75に既にそれぞれ一つの値が評価ユニット55から受取られ且つ格納されているか否かがチェックされる。このチェックは、第一の比較ユニット15が、差Δ≠ゼロであるか否かをチェックし、また第二の比較ユニット20が、商Q≠1 であるか否かをチェックすることによって行われる。このチェックの結果が“y(肯定)”であれば、プログラムポイント210へ送られ、そうでない場合には(“n(否定)”)プログラムポイント225へ分岐される。
【0032】
プログラムポイント225では、運転状態測定ユニット95が、t<tgrenz且つnmot<nmotgrenz であるか否かをチェックする。このチェックの結果が“y”であれば、プログラムポイント230へ送られ、そうでない場合にはプログラムポイント200へ戻される。
【0033】
プログラムポイント230では、運転状態測定ユニット95が、第一の制御付きスイッチ60を操作して評価ユニット55の第一の出力115を第一の基準値メモリ70と接続させ、また第二の制御付きスイッチ65を操作して評価ユニット55の第二の出力120を第二の基準値メモリ75と接続させる。これによって、続くプログラムポイント235で、第一の基準値メモリ70にエアマス計1の信号Sの実際のスライドする時間的平均値が書き込まれ、また第二の基準値メモリ75に信号Sの実際の信号振幅が書き込まれる。次いで、再びプログラムポイント200へ戻される。
【0034】
プログラムポイント210では、運転状態測定ユニット95が、nmot<nmotgrenzであるか否かをチェックする。チェックの結果が“y”であれば、プログラムポイント215へ送られ、そうでない場合にはプログラムポイント200へ戻される。プログラムポイント215へ移るためには、追加として「tがtgrenzよりも大きいか又は等しい」と云うことは必ずしも必要ではない。ドリフト特性曲線110の補正は、時間t<trenzの場合にも実行することができる。
【0035】
プログラムポイント215では、運転状態測定ユニット95が二つの制御付きスイッチ100、105を閉じさせる。次いで、プログラムポイント220へ送られる。
プログラムポイント220では、補正ユニット25が送られて来た入力値Δ、Qから既に述べられた手法で第一の補正値KOと第二の補正値KSを求め、これ等の補正値を用いてドリフト特性曲線110を既に述べられた手法で修正する。次いで、プログラムが終了される。
【0036】
本発明の一つの拡張例によれば、補正値KO、KSは、特に信号Sの時間的変化に基づいて、エアマス計1の信号Sが妥当である(尤度)と認知された場合にだけ形成される、というようにすることができる。この目的のために、評価ユニット55によって信号Sの尤度チェックが行われる。その際に、評価ユニット55は、例えば信号Sの一様でない振幅変化が、例えばシリンダバンク40の何れかのシリンダの気密性不良によって起きているか否かをチェックすることができる。その様な一様でない振幅変化は、評価ユニット55によって、信号Sの振幅が二回のクランクシャフト回転を含んでいるシリンダの作動サイクルの間に既定の値を越える変動を示しているときに確認されるが、その際この既定の値は、例えば試験台上で、シリンダバンク40の何れかのシリンダの気密性不良に基づく信号Sの振幅変化を、シリンダの気密性不良が無く、組立て許容差や劣化の影響だけによって生じる、より小さな振幅変化から区別することができるように、適切に適応させることができる。次いで、評価ユニット55はこの尤度チェックに応じて尤度信号Pを運転状態測定ユニット95に送り出す。この尤度情報Pが送られて来れば、信号Sが妥当であるということを示しており、そうでない場合、即ち信号Pが送られて来なければ、信号Sが妥当ではないということを示している。信号Sが妥当ではない場合には、運転状態測定ユニット95は、ドリフト特性曲線110の誤った補正を防止するために、二つの制御付きスイッチ100、105を開かせる。これに対して尤度情報Pが送られて来た場合には、二つの制御付きスイッチ100、105の開閉状態は、既に説明されたように、時間tとエンジン回転数nmotに或いはエンジン回転数nmotだけに依存する。
【0037】
以上の説明では、例示として、ドリフト特性曲線110が直線状であるということが仮定されていた。しかしながら、特性曲線110は一般に直線状ではなく、特に超音波エアマス計の場合には大まかな近似によって直線状の特性曲線に近づけられていることがある。ホットフィルムエアマス計の場合には、ドリフト特性曲線110のそのような直線化は場合によっては最早目的に合致しないので、そのような場合にはドリフト特性曲線110は少なくとも幾つかの領域に分けて別々に直線化されなければならない。この場合には、特性曲線のどの領域にエアマス計1の受信された信号Sがあるのか評価ユニット55が追加チェックされ、その際、この情報も又信号Bによって運転状態測定ユニット95に伝えられる、というようにすることができる。この場合、別々に直線化されドリフト特性曲線110によって描かれた信号値の上述の領域の各々について、第一の基準値メモリ、第一の比較値メモリ、第一の比較ユニット、及び第二の基準値メモリ、第二の比較値メモリ、第二の比較ユニット、並びに補正ユニットを備え、ドリフト特性曲線110の信号値のそれぞれの直線化された領域をそれぞれオフセットのための補正値と勾配のための補正値を用いて修正する装置を備えることができる。その場合には、二つの基準値メモリ、二つの比較値メモリ、二つの比較ユニット、及び一つの補正ユニットを備えたそれ等の装置と装置との間は、実際に存在している信号領域に応じて運転状態測定ユニット95によって切り換えられなければならず、その際、運転状態測定ユニット95には実際の信号領域が既に説明されたように信号Bによって知らせられる。対応して取り付けられるべきスイッチの場所は、図3に参照符号125によって示されているように、第一の制御付きスイッチ60と第一の基準値メモリ70との間、第一の制御付きスイッチ60と第一の比較値メモリ80との間、第二一の制御付きスイッチ65と第二の基準値メモリ75との間、及び第二の制御付きスイッチ65と第二の比較値メモリ85との間、にある。これ等の追加スイッチ125の制御は、運転状態測定ユニット95によって行われ、図3には同じく破線で示されている。
【0038】
補正値ユニット25によるドリフト特性曲線110の補正或いはエアマス計1の実際に受信された信号値に対する、対応して配置されている補正ユニットによるドリフト特性曲線110の領域の補正が、次のときに、即ち予め対応する比較値メモリ80、85がこの実際の信号値Sに応じて満たされており、比較ユニット15、20によって対応する比較結果Δ、Qが形成されており、且つこれ等の比較結果が対応する補正ユニット25によって対応する補正値KO、KSへ既に変換されているときに、初めて実行されることは云うまでもない。この目的のために、比較値メモリ80、85への比較値の読み込み、比較ユニット15、20、及び割り当てられている補正ユニット25の適切な時間的タイミング制御が、例えば運転状態測定ユニット95の側で実行され、その際、第一のタイミングで比較値メモリ80、85が上書きされ、それに続く第二のタイミングで比較ユニット15、20が比較結果Δ、Qを求めて送出し、且つそれに続く第三のタイミングで補正ユニット25が補正値KO、KSを求め且つ補正のためにドリフト特性曲線110に対して送り出すと、いうようにすることもできる。その際、比較値メモリ80、85の上書きからドリフト特性曲線110の補正に至るまでのタイミング系列は、エアマス計1の直接連続して求められた二つの測定値の間の時間間隔内に収められるべきであろう。
【0039】
ここに説明された方法とここに説明された装置は、例示としてエアマス計1のドリフト補正の場合について説明された。駆動ユニット(内燃機関)5のその他の任意のセンサ、例えば圧力センサ、温度センサ、或いは回転数センサ、だけではなく、駆動ユニット5に組み込まれてはいない、例えば圧力、温度、質量流量、回転数等の物理的値を測定するセンサについても、全く同様の手法でそれぞれのドリフト補正を行うことができる。
【0040】
その際、用いられるセンサに応じて、センサの信号の少なくとも一つの特性値が基準値と比較され、その比較の結果に応じてセンサの信号が修正される。その際、基準値としてはセンサの信号の少なくとも一つの特性値に関してセンサの信号から導き出された値が形成される。エアマス計1の信号の特性値としては、先に説明された例では時間的平均値と信号振幅が選ばれた。例えばセンサの特性曲線が唯一つのパラメータ値だけに依存しており、それ故、例えば常に一つの固定のオフセット値を持ち、勾配についてのみドリフトするか、或いは常に固定の勾配を持ち、オフセットについてのみドリフトするという場合には、基準値としてセンサの信号の唯一つの特性値、例えば時間的平均値或いは信号振幅に関してセンサの信号から導き出された値が形成される。しかしながら、特に非直線性のセンサ特性曲線の場合には、基準値としてセンサの信号の二つ以上の特性値に関してセンサの信号から導き出された値を形成することが必要となることがある。そのような値として、時間的平均値に加えて、また信号振幅に加えて、更に例えば信号の時間的二次導関数が用いられることがある。
【0041】
図2には、四つの直線化された領域に分割された、そのような非直線性の特性曲線Xが示されている。ここでは、信号Sはその大きさに応じてこれ等の四つの領域の中の何れかの中にある。四つの領域は次の様に定義されている。
【0042】
【数2】

【0043】
これ等の四つの領域の各々には、図3に示されているように、第一の基準値メモリ、第一の比較値メモリ、第一の比較ユニット、第二の基準値メモリ、第二の比較値メモリ、第二の比較ユニット、及び補正ユニットから成る装置が割り当てられており、且つ図3に示唆されているスイッチ位置125を通じて切り換えることができる。
【0044】
先の説明では、例示として、基準値メモリ70、75が、t<tgrenzの場合についてだけ説明された。しかしながら、基準値メモリ70、75は、追加として或いは代わりの手法として、エアマス計の別の既定の作動状態で書き込まれ或いは上書きされることもできる。そのような既定の作動状態の一つは、エアマス計1がその作動状態の下で汚れておらず且つ老化の影響或いは損耗を受けていないということによって特徴付けられる。これは、エアマス計1の整備の後にも当てはまる状態である。そこで、tgrenzは、エアマス計1の対応する整備以降に経過した限界時間と解釈することもできる。汚れや老化の影響或いは損耗の無いエアマス計1の既定の作動状態はまた、例えば余分のエアマス計によってエアマス計1の尤度チェックによって、或いは当業者には既に知られているその他の任意の手法で、例えば駆動ユニット(内燃機関)5の他の運転パラメータからエアマス計の信号をモデル化することによって、定めることができ、その際には、基準値メモリ70、75の書き込み或いは上書きは、エンジン回転数nmot<nmotgrenz という条件が満たされている限り、エアマス計1のそのような既定の作動状態の下でも可能となるであろう。
【0045】
駆動ユニット5も、先述のような内燃機関として作られる必要はなく、例えば内燃機関と電動モータから成るハイブリッド駆動装置として或いは電動モータとして或いは当業者には既に知られているその他の任意の手法で作ることができ、その際には、この駆動ユニットのセンサは先述のようにしてそのドリフトを補正することができる。
【0046】
更に、これまでは、例示として信号Sの尤度チェックはその時間的変化に基づいて説明された。しかしながら、この尤度チェックはまた、当業者には既に知られている別の手法で、例えば、センサの信号の特性値、例えば時間的平均値或いは信号振幅の尤度チェックをすることによって、行うこともできる。このチェックによっても、シリンダブロック40のシリンダの何れか一つの非気密性に基づく不均一な振幅の変化があれば、信号Sの特性値、例えば時間的平均値或いは信号振幅、が妥当性が無いということが分かるであろう。即ち、これ等の特性値は、この場合には許されない程期待値からずれてしまうであろう。それ故、例えば信号Sの時間的平均値が期待される時間的平均値から許されない程、或いは信号Sの信号振幅が期待される信号振幅から許されない程、ずれてしまうであろう。
【0047】
基準値メモリ70、75及び比較値メモリ80、85は、例えばEEPROM(消去可能EPROM)として作ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】内燃機関として作られた駆動ユニットの一部のブロック図である。
【図2】エアマス計の基準特性曲線とドリフト特性曲線を示す。
【図3】本発明に基づく方法と本発明に基づく装置の説明のための機能図である。
【図4】本発明に基づく方法の流れの一例を示した流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ(1)の信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータが基準値と比較され、センサ(1)の信号がその比較の結果に応じて補正される、センサ(1)の信号の補正方法において、
基準値として、センサ(1)の信号から導き出された、センサ(1)の信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータに関する値が形成されることを特徴とするセンサの信号の補正方法。
【請求項2】
前記基準値が、センサ(1)の予め定められた作動状態の下で、特にセンサ(1)の最初の使用開始後の予め定められた期間内に形成されることを特徴とする請求項1に記載の補正方法。
【請求項3】
センサ(1)によって、特に内燃機関の、駆動ユニット(5)の運転パラメータが測定されること、及び基準値の形成及び/又はセンサ(1)の信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータの形成が駆動ユニット(5)の予め定められた少なくとも運転状態、特にアイドリング状態における基準値との比較のために行われることを特徴とする請求項1または2に記載の補正方法。
【請求項4】
センサ(1)として、エアマス測定装置、特にホットフィルムエアマス計或いは超音波エアマス計が選ばれることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の補正方法。
【請求項5】
センサ(1)の信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータとして、時間的平均値及び/又は信号振幅が選ばれることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の補正方法。
【請求項6】
比較の結果に応じて少なくとも一つの補正値が形成され、この補正値を用いてセンサ(1)の信号が補正されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の補正方法。
【請求項7】
少なくとも一つの補正値が、センサ(1)の信号が特にその時間的変化に関して妥当であると認められたときにのみ形成されることを特徴とする請求項6に記載の補正方法。
【請求項8】
少なくとも一つの補正値が、センサ(1)の信号オフセット値の補正値として及び/又はセンサの信号の感度の補正値として形成されることを特徴とする請求項6または7に記載の補正方法。
【請求項9】
少なくとも一つの補正値が、幾つかの信号値領域内で別々に形成されることを特徴とする請求項6ないし8のいずれかに記載の補正方法。
【請求項10】
センサ(1)の信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータを基準値と比較する少なくとも一つの比較ユニット(15、20)と、センサ(1)の信号を比較の結果に応じて補正する補正ユニット(25)とを備えた、センサ(1)の信号の補正装置(10)において、
前記基準値として、センサ(1)の信号から導き出された、センサ(1)の信号の少なくとも一つの特徴的なパラメータに関する値を形成する、基準値の形成のための手段(30)を備えたことを特徴とするセンサの信号の補正装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2008−542776(P2008−542776A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515170(P2008−515170)
【出願日】平成18年5月15日(2006.5.15)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062305
【国際公開番号】WO2006/131435
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】