説明

センサの検知制御器および乗員検知装置

【課題】ラジオノイズの発生を抑制し、検知に必要な最小限の電流値を確保できるセンサの検知制御器および乗員検知装置を提供する。
【解決手段】センサ1の検知制御器2は、振幅が変動する振幅信号を印加する信号印加手段21と、故障検知と通常検知とで接続を切り替える第1切替手段22と、振幅信号の印加時に電圧や電流の変化を検出する信号検出手段23と、第1切替手段22と信号検出手段23とを制御する制御手段24とを備える。振幅信号が伝導する経路に抵抗器R(インピーダンス部Z)を接続する。抵抗器Rの抵抗値(インピーダンス値)は、経路に印加する振幅信号が歪みなく発振可能な限界電流値以下の電流が流れ、かつ、故障検知および通常検知の双方に必要な最小電流値以上の電流が流れる範囲で設定する。この構成によれば、ラジオノイズの発生を抑制し、検知に必要な最小限の電流値を確保できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサの故障検知と通常検知とを行うためのセンサの検知制御器と、当該検知制御器を有する乗員検知装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、乗員判別、被水、故障を検出する機能を担い、静電容量式センサを用いた乗員検知装置に関する技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。この技術によれば、故障検知時は、ガード電極(23)を車両に接地し、電源部(8)から静電容量式センサのメイン電極(21)に正弦波を印加する。検出される電流値や電圧値から演算部(53)でインピーダンスを算出し、静電容量式センサに故障の有無を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−111809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、静電容量式センサのメイン電極とガード電極との間が低インピーダンスである場合、電源部に接続される負荷インピーダンスが小さくなり、電源部が正弦波を歪みなく供給できる限界電流値を超える電流が回路を流れる。これにより正弦波に歪みが生じ、故障検知の際には正弦波歪みに起因したラジオノイズが発生するという問題点がある。
【0005】
ラジオノイズの発生を抑制するには、低インピーダンスの静電容量式センサが回路に接続されていても、当該回路を流れる電流を抑制するべく抵抗器等を接続する方法が考えられる。ところが、回路に接続する抵抗器等の抵抗値によっては、静電容量式センサによる乗員の着座を検知するという通常検知を行う際、検出する電流値が小さすぎて着座の有無を判定できないという問題点がある。
【0006】
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、故障検知を行う際にはラジオノイズの発生を抑制しながらも、通常検知を行う際には検知(判定)に必要な最小限の電流値を確保できるセンサの検知制御器および乗員検知装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、電界の形成や電磁波または音波の放射によって検知を行うセンサの故障検知と通常検知とを行うため、振幅が変動する振幅信号を印加する信号印加手段と、前記故障検知と前記通常検知とで接続を切り替える第1切替手段と、前記振幅信号の印加時に電圧や電流の変化を検出する信号検出手段と、前記第1切替手段と前記信号検出手段とを制御する制御手段とを備えるセンサの検知制御器において、前記振幅信号が伝導する経路にインピーダンス部を接続し、前記インピーダンス部のインピーダンス値は、前記経路に印加する前記振幅信号が歪みなく発振可能な限界電流値以下の電流が流れ、かつ、前記故障検知および前記通常検知の双方に必要な最小電流値以上の電流が流れる範囲で設定することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、限界電流値以下かつ最小電流値以上の電流が流れるようにインピーダンス値を設定したインピーダンス部を共通の経路に接続する。この接続によって、故障検知では経路を流れる電流を限界電流値以下に抑制するので、ラジオノイズの発生を抑制することができる。また、通常検知では経路を流れる電流が最小電流値以上になるように確保するので、センサによる検知を確実に行うことができる。
【0009】
なお、「センサ」は、電界の形成や、電磁波の放射、あるいは音波の放射によって、検知が行える任意のセンサが該当する。例えば、電極板に電圧を印加して電界を形成する静電センサ(「静電容量センサ」とも呼ぶ。)、電波発振器から電波を放射する電波センサ(具体的にはレーダー等)、レーザ発振器からレーザ(電磁波)を放射するレーザセンサ、発光体から赤外線(電磁波)を放射する赤外線センサ、音源から音波(超音波を含む。)を放射する音波センサ(具体的にはソナー等)などが該当する。「故障検知」は、センサ自体に故障が発生したか否かや、振幅信号が伝導する経路が故障(例えば断線等)が発生したか否かなどを検知することを意味する。「通常検知」は、センサを用いて検出や測定等を行うための検知を意味する。「第1切替手段」は、制御手段によって接続を切り替え可能な任意の回路素子が該当する。例えば、リレー(具体的には電磁リレーや半導体リレー等)、トランジスタ(具体的にはバイポーラトランジスタや電界効果トランジスタ等)、フォトカプラなどが該当する。「信号検出手段」および「制御手段」は、各々の機能を担う任意の構成が該当する。例えば、CPU(マイコンを含む)によってソフトウェア制御を行うソフトウェア構成や、IC(LSIやゲートアレイ等を含む)やトランジスタ等の回路素子を用いてハードウェア制御を行うハードウェア構成が該当する。「インピーダンス部」は、抵抗器,コンデンサ(キャパシタ),コイル(インダクタ)などの受動素子のうちで一以上を用いて構成する。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記振幅信号の最大電圧値をVとし、前記限界電流値をIlimとし、前記最小電流値をIlowとし、前記センサにかかるインピーダンスの虚数成分をZmgImとするとき、前記インピーダンス部のインピーダンス値を示すZは式(1)で与えられる範囲であることを特徴とする。この構成によれば、故障検知では経路を流れる電流を限界電流値Ilim以下に抑制し、かつ最小電流値Ilow以上を確保するので、ラジオノイズの発生を抑制しつつ故障検知が可能である。
【0011】
【数1】

【0012】
請求項3に記載の発明は、電磁波または音波の放射によって検知を行うセンサの故障検知と通常検知とを行うため、振幅が変動する振幅信号を印加する信号印加手段と、前記故障検知と前記通常検知とで接続を切り替える第1切替手段と、前記振幅信号の印加時に電圧や電流の変化を検出する信号検出手段と、前記第1切替手段と前記信号検出手段とを制御する制御手段とを備えるセンサの検知制御器において、前記振幅信号が伝導する経路に接続されるインピーダンス部と、前記インピーダンス部の両端を短絡するショート回路(短絡回路)とで接続を切り替える第2切替手段とを有し、前記インピーダンス部のインピーダンス値は、前記経路に印加する前記振幅信号が歪みなく発振可能な限界電流値以下の電流が流れ、かつ、前記故障検知に必要な最小の検知電流値以上の電流が流れる範囲で設定し、前記制御手段は、前記故障検知において前記第2切替手段を前記インピーダンス部側に切り替え、前記通常検知において前記第2切替手段を前記ショート回路側に切り替える制御を行うことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、第2切替手段は、故障検知ではインピーダンス部に切り替え、通常検知ではショート回路に切り替える。この切り替えにより、故障検知では経路を流れる電流を限界電流値以下に抑制し、かつ故障検知のための最小電流値以上を確保するのでラジオノイズの発生を抑制しつつ故障検知が可能である。通常検知では切り替えにより経路上にインピーダンス部が存在しなくなるため、センサによる検知には影響しない。なお、「第2切替手段」は上述した第1切替手段と同様に、制御手段によって接続を切り替え可能な任意の回路素子が該当する。第1切替手段と第2切替手段とは同じ回路素子を用いてもよく、異なる回路素子を用いてもよい。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記振幅信号の最大電圧値をVとし、前記限界電流値をIlimとし、前記故障検知に必要な最小電流値をIfailとし、前記センサにかかるインピーダンスの虚数成分をZmgImとするとき、前記インピーダンス部のインピーダンス値を示すZは式(2)で与えられる範囲であることを特徴とする。この構成によれば、故障検知では経路を流れる電流を限界電流値Ilim以下に抑制し、かつ故障検知に必要な最小電流値Ifail以上を確保するのでラジオノイズの発生を抑制しつつ故障検知が可能である。また、通常検知では切り替えにより経路上にインピーダンス部が存在しなくなるため、センサによる検知には影響しない。
【0015】
【数2】

【0016】
請求項5に記載の発明は、前記インピーダンス部は、一以上の抵抗器を用いて構成することを特徴とする。この構成によれば、安価な抵抗器を用いて簡単に構成することができる。したがって、コストが低く抑えられ、検知制御器の製造も素早く簡単に行える。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記センサは、二以上の電極を有し、静電容量の変化に基づいて検知を行う静電センサを用いて構成することを特徴とする。少なくとも1つの静電センサの電極に信号印加手段から検知用の信号(例えば正弦波信号)が印加され、少なくとも1つの電極が接地状態にある故障検知時において、当該静電センサのインピーダンス値が低い場合には高調波(逓倍波)が生じてラジオノイズとなる。この構成によれば、静電センサのインピーダンス値が低くても、インピーダンス部が経路を流れる電流を限界電流値Ilim以下に抑制する。よって、ラジオノイズの発生を抑制することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、乗員検知装置において、車両用シートの表面側に配置されて乗員の着座による静電容量の変化を検知し、前記乗員の着座を検知(および乗員を判別)するための一以上の前記センサと、請求項1から6のいずれか一項に記載のセンサの検知制御器とを有することを特徴とする。この構成によれば、センサの故障検知が容易になり、かつ、センサによる乗員の着座を確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】検知制御器の第1構成例を示す模式図である。
【図2】インピーダンス値の範囲を説明するグラフ図である。
【図3】振幅信号(正弦波信号)の歪みを説明する図である。
【図4】センサから生じるラジオノイズの一例を示すグラフ図である。
【図5】検知制御器の第2構成例を示す模式図である。
【図6】検知制御器の第3構成例を示す模式図である。
【図7】検知制御器の第4構成例を示す模式図である。
【図8】乗員検知装置の構成例を示す模式図である。
【図9】検知制御器の第5構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的な接続を意味する。
【0021】
〔実施の形態1〕
実施の形態1は、振幅信号が伝導する経路にインピーダンス部を接続する例であって、図1〜図5を参照しながら説明する。図1には検知制御器の第1構成例を模式図で示す。具体的には、故障検知を行う接続形態を図1(A)に示し、通常検知を行う接続形態を図1(B)に示す。図2にはインピーダンス値の範囲をグラフ図で示す。図3には振幅信号(正弦波信号)の歪みを示す。図4にはセンサから生じるラジオノイズの一例をグラフ図で示す。図5には検知制御器の第2構成例を模式図で示す。なお、実施の形態1では、センサに「静電センサ」を適用し、信号印加手段21が印加する振幅信号に「正弦波信号」を適用する例を説明する。
【0022】
図1(A)および図1(B)に示す検知制御器2は、信号印加手段21,第1切替手段22,信号検出手段23,制御手段24,抵抗器Rなどを有する。信号印加手段21は、センサ1の故障検知や通常検知を行う際に正弦波信号を一端側から出力し、他端側は共通電位Nに接続する。共通電位Nは検知制御器2の全体で共通する電位(すなわち車両ボディ等のような機器全体の電位)であって、接地された場合には0[V]である。正弦波信号は、検知目的に応じて所定の振幅(例えば2.5[V]中心とするピーク・ツー・ピーク幅が1.0[V]など)および所定の周波数(例えば50〜90[KHz]など)が設定される。上記のセンサ1(静電センサ)は、電極板11を検出用電極とし、電極板11の裏面に配置される電極板12は電極板11に対するガード電極とする。
【0023】
第1切替手段22は、信号印加手段21と、直列接続される抵抗器Rおよびセンサ1との間に介在して接続される。この第1切替手段22は、制御手段24によって個別に切り替えが制御される切替素子SW1,SW2などを有し、上記正弦波信号(電流I,I)が伝導する経路を切り替える。切替素子SW1,SW2には、例えばリレー,トランジスタ,フォトカプラ等を用いる。図1や図5等では切り替え形態を分かり易くするために、便宜的に接点スイッチを代用して示す。故障検知を行う際には、図1(A)に示すように切替素子SW2を端子b側に切り替える。当該端子bは共通電位Nに接続されている。通常検知を行う際には、図1(B)に示すように切替素子SW2を端子a側に切り替える。これらの切り替えは制御手段24から伝達される切替信号に基づいて行われる。切替素子SW1は、後述する実施の形態3で説明するように、複数のセンサ1がある場合において故障検知や通常検知の対象となるセンサ1を選択する。
【0024】
信号検出手段23は、正弦波信号の印加時に電圧や電流の変化を検出し、故障の検知やセンサ1を用いた静電容量等の検知などを行う。具体的には、切替素子SW1の一方側端子と、切替素子SW2の端子aとの間における電圧や電流の変化を検出する。例えば図1(A)に示す故障検知では、電極板12が共通電位Nに接続されるとともに、電極板11に正弦波信号を印加することで電極板11と電極板12との間に電流が流れる。このとき信号検出手段23により、電流または電圧に基づいてセンサ1のインピーダンス値を算出し、故障を検知する。図1(B)に示す通常検知では、電極板11、12が正弦波信号を印加することで、電極板12は電極板11に対してガード電極として機能する。これにより電極板11の表面側にある対象(物体)のみを検出対象とすることができる。いま、所定の比誘電率を有する人体がセンサ1に接近すると、二点鎖線で示すコンデンサCh(インピーダンスZh)が電極板11と共通電位Nに接続されるのと同等に作用する。よって、正弦波信号を印加して検出される電流および電圧に基づいてセンサ1および人体のインピーダンス値を算出し、目的に応じた検知(静電容量の変化やオン/オフ等)を行う。
【0025】
制御手段24は、検知制御器2の全体を司り、特に第1切替手段22や信号検出手段23などの作動を制御する。上述した信号検出手段23や制御手段24は、いずれもソフトウェア構成またはハードウェア構成をなす。
【0026】
インピーダンス部Zに相当する抵抗器Rは、第1切替手段22とセンサ1との間、すなわち正弦波信号が伝導する経路に接続される。抵抗器Rのインピーダンス値(抵抗値)「Z」は、以下に説明する範囲内に設定する。
【0027】
まず、信号印加手段21からセンサ1に印加する電圧Vの電圧値を「V」とし、破線で示すように経路を流れる電流Iの電流値を「I」とし、センサ1(静電センサ)のインピーダンス値を「Zmg」とすると、下記の式(3)が成立する。この式(3)をインピーダンス値「Z」について整理すると、式(4)のようになる。なお、式(3)および式(4)のV,I,Zmgについては右側にフェーザ表示で示す。なお下記に示す「電極間」とは、電極板11と電極板12との間を意味する。
【0028】
【数3】

【0029】
センサ1(静電センサ)のインピーダンス値「Zmg」について検討する。キャパシタンス成分が支配的である場合には、実数成分が無視できるので(ZmgRe≒0)、虚数成分(ZmgIm)のみに近似できる。さらに、抵抗器Rのインピーダンス値「Z」よりも十分に小さいと仮定すれば(|Z|≫|Zmg|)、電圧・電流の位相差もほぼ0となる。したがって、抵抗器Rのインピーダンス値(抵抗値)「Z」は、下記の式(5)が成立する。
【0030】
【数4】

【0031】
図1(A)に示す故障検知において、信号印加手段21で歪みなく正弦波信号を発振できる限界電流値を「Ilim」とする。また図1(B)に示す通常検知において、センサ1による検知(故障検知と通常検知の双方)に必要な最小電流値を「Ilow」とする。これらの条件下でラジオノイズを抑制し、かつ検知性能に影響を与えない抵抗器Rのインピーダンス値(抵抗値)「|Z|」は、上記式(5)に示す「I」に「Ilim」および「Ilow」を代入すると、下記の式(6)で示す範囲内である。式(6)に示す各値をグラフ形式で示すと図2のようになる。図2には、縦軸を電流値とし、横軸を抵抗値としたときの関係を示す。
【0032】
【数5】

【0033】
図1(A)および図1(B)に示す抵抗器Rを接続しない場合における正弦波信号の一例を図3(A)に示す。一方、図1(A)および図1(B)に示すように抵抗器Rを接続する場合における正弦波信号の一例を図3(B)に示す。図3(A)および図3(B)に示す正弦波信号を比較すると、明らかに図3(B)に示す正弦波信号は歪みが抑制されていることが分かる。
【0034】
ここで、Ilim=700[μA],Ilow=250[μA],V=0.5[V],ZmgIm=220[Ω]の場合におけるラジオノイズの特性を図4に示す。図4には、縦軸をノイズピーク値とし、横軸を周波数とし、抵抗器Rのインピーダンス値(抵抗値)を0[Ω](抵抗器Rなし),500[Ω],750[Ω],3.0[KΩ]にした場合の各特性について線種を変えて示す。図中上部に示す「f」,「2f」,…,「9f」は、正弦波信号の周波数が100[KHz]を基本周波数「f」としたときの高調波(逓倍波)周波数を示す。すなわち、「2f」は第2次高調波、「3f」は第3次高調波、…、「9f」は第9次高調波を示す。
【0035】
ところで、式(6)を満足する抵抗器Rのインピーダンス値(抵抗値)は、747[Ω]≦|Z|≦2012[Ω]の範囲内である。一点鎖線で示す抵抗値の500[Ω]では、抵抗器Rなしに比べるとラジオノイズが低減されている。しかしながら、実線で示す抵抗値の750[Ω]や、太線で示す抵抗値の3.0[KΩ]よりは抑制率が低い。
【0036】
一方、抵抗値の750[Ω]と3.0[KΩ]の特性を比較すると、ラジオノイズに大きな変化はみられない。しかしながら、太線で示す抵抗値の3.0[KΩ]を抵抗器Rとして接続すると、センサ1による故障検知に必要な最小電流値「Ilow」の250[μA]を確保できないため、正確な検知を行えない。したがって、抵抗器Rのインピーダンス値(抵抗値)が747[Ω]≦|Z|≦2012[Ω]の範囲内である場合に限り、検知性能に影響を与えず、かつラジオノイズを最大限に抑制できる。なお、実線で示す抵抗値の750[Ω]を抵抗器Rとして接続すると、最大で15[dB]のラジオノイズを抑制することができた。
【0037】
上述した形態では、切替素子SW1の他端側と電極板11との間に抵抗器Rを接続する構成とした(図1(A)を参照)。この構成に代えて、電流Iが流れる経路であれば、任意の位置に接続してもよい。例えば、図示しないが切替素子SW2の端子cと電極板12との間に抵抗器Rを接続してもよく、図5に示すように複数の抵抗器R11,R12を接続してもよい。図5の接続例は図1(A)に対応する。この場合、抵抗器Rの抵抗値(インピーダンス値|Z|)と、抵抗器R11,R12の抵抗値(インピーダンス値|Z11|,|Z12|)とが一致すればよい。すなわち、|Z|=|Z11|+|Z12|であればよい。
【0038】
上述した実施の形態1によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項1に対応し、検知制御器2は、正弦波信号(振幅信号)を印加する信号印加手段21と、故障検知と通常検知とで接続を切り替える第1切替手段22と、正弦波信号の印加時に電圧や電流の変化を検出する信号検出手段23と、第1切替手段22と信号検出手段23とを制御する制御手段24と、正弦波信号が伝導する経路に接続するインピーダンス部Zとを備える構成とした(図1,図5を参照)。また、抵抗器R(インピーダンス部Z)の抵抗値(インピーダンス値|Z|)は、正弦波信号が歪みなく発振可能な限界電流値Ilim以下の電流が流れ、かつ、故障検知および通常検知の双方に必要な最小電流値Ilow以上の電流が流れる範囲で設定した(式(6)を参照)。この構成によれば、故障検知では経路を流れる電流Iを限界電流値Ilim以下に抑制するので、ラジオノイズの発生を抑制することができる。また、通常検知では経路を流れる電流Iが最小電流値Ilow以上になるように確保するので、センサ1による検知を確実に行うことができる。
【0039】
請求項2に対応し、正弦波信号の最大電圧値をVとし、限界電流値をIlimとし、最小電流値をIlowとし、センサ1にかかるインピーダンスの虚数成分をZmgImとするとき、抵抗器R(インピーダンス部Z)の抵抗値(インピーダンス値|Z|)は式(1)で与えられる範囲とした。この構成によれば、故障検知では経路を流れる電流を限界電流値Ilim以下に抑制するので、ラジオノイズの発生を抑制することができる。また、通常検知では経路を流れる電流が最小電流値Ilow以上になるように確保するので、センサ1による検知を確実に行うことができる。
【0040】
請求項5に対応し、インピーダンス部Zは、一の抵抗器Rを用いて構成するか(図1を参照)、複数の抵抗器R11,R12を用いて構成した(図5を参照)。この構成によれば、安価な抵抗器を用いて簡単に構成することができる。したがって、コストが低く抑えられ、検知制御器2の組み立ても素早く行える。なお、図5では2つの抵抗器R11,R12を用いて構成したが、3つ以上の抵抗器を用いて構成する場合も同様に適用でき、同様の作用効果を得ることができる。
【0041】
請求項6に対応し、センサ1は、二以上の電極を有し、静電容量の変化に基づいて検知を行う静電センサを用いて構成した(図1,図5を参照)。この構成によれば、静電センサのインピーダンス値(|Zmg|)が低くても、抵抗器R(インピーダンス部Z)が経路を流れる電流を限界電流値Ilim以下に抑制する。したがって、ラジオノイズの発生を抑制することができる。
【0042】
〔実施の形態2〕
実施の形態2は、振幅信号が伝導する経路において、インピーダンス部とショート回路とを切り替え可能に接続する例であって、図6を参照しながら説明する。図6には検知制御器の第3構成例を模式図で示す。図1と同様に、故障検知を行う接続形態を図6(A)に示し、通常検知を行う接続形態を図6(B)に示す。なお、図示および説明を簡単にするために実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。よって実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
図6(A)および図6(B)に示す検知制御器2は、さらに第2切替手段25を備える点で、図1に示す検知制御器2と相違する。第2切替手段25は、第1切替手段22の切替素子SW2と同等の構成であり、当該切替素子SW2と電極板12との間に接続される。具体的には、第2切替手段25の端子cを切替素子SW2の端子cに接続し、端子aはショート回路Scを経て電極板12に接続し、端子bを抵抗器Rの一端側に接続する。抵抗器Rの他端側は電極板12に接続する。なお、信号印加手段21からセンサ1に印加する電圧を「V」とする。V=Vであってもよく、V≠Vであってもよい。
【0044】
図6(A)に示す故障検知では、切替素子SW2を端子b側に切り替え、第2切替手段25を抵抗器R側に切り替える。図6(B)に示す通常検知では、切替素子SW2を端子a側に切り替え、第2切替手段25をショート回路Sc側に切り替える。これらの切り替えは制御手段24から伝達される切替信号に基づいて行われる。
【0045】
抵抗器Rは、インピーダンス部Zに相当する。抵抗器Rのインピーダンス値(抵抗値)「Z」は、以下に説明する範囲内に設定する。ただし、式(5)が成立するまでの過程は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
【0046】
図6(A)に示す故障検知において、信号印加手段21で歪みなく正弦波信号を発振できる限界電流値を「Ilim」とする。また、図6(B)に示す故障検知において、センサ1による故障検知に必要な最小電流値を「Ifail」とする。この「Ifail」はセンサ1による検知(故障検知と通常検知の双方)に必要な最小電流値「Ilow」と同じか、より小さい値をとる。これらの条件下でラジオノイズを抑制し、かつ検知性能に影響を与えない抵抗器Rのインピーダンス値(抵抗値)「|Z|」は、上記式(5)に示す「I」に「Ilim」および「Ifail」を代入すると、下記の式(7)で示す範囲内である。
【0047】
【数6】

【0048】
上述した形態では、切替素子SW2と電極板12との間に、ショート回路Scと抵抗器Rとを切り替え可能に接続する構成とした(図6を参照)。この構成に代えて、電流Iが流れる経路であれば、任意の位置に接続してもよい。例えば、図示しないが切替素子SW1の他端側と電極板11との間に、上述した第2切替手段25,ショート回路Scおよび抵抗器Rを接続してもよく、図7に示すような接続構成としてもよい。図7の接続例は図1(A)に対応し、切替素子SW2の端子bと共通電位との間に抵抗器Rを接続する。第2切替手段25やショート回路Scが不要になるので、コストを低減できる。
【0049】
上述した実施の形態2によれば、以下に示す各効果を得ることができる。なお、請求項5,6の対応については実施の形態1と同様である。図示しないが、抵抗器Rを図5に示す2つの抵抗器R11,R12を用いて構成してもよく、3つ以上の抵抗器を用いて構成してもよく、同様の作用効果が得られる。
【0050】
請求項3に対応し、検知制御器2は、正弦波信号(振幅信号)を印加する信号印加手段21と、故障検知と通常検知とで接続を切り替える第1切替手段22と、正弦波信号の印加時に電圧や電流の変化を検出する信号検出手段23と、第1切替手段22と信号検出手段23とを制御する制御手段24と、正弦波信号が伝導する経路に接続されるインピーダンス部Zと、インピーダンス部Zの両端を短絡するショート回路Scとで接続を切り替える第2切替手段25とを備える構成とした(図6を参照)。また、抵抗器R(インピーダンス部Z)の抵抗値(インピーダンス値|Z|)は、正弦波信号が歪みなく発振可能な限界電流値Ilim以下の電流が流れ、かつ、故障検知時に必要な最小電流値Ifail以上(通常検知で必要な電流値より小さくても良い)の電流が流れる範囲で設定した(式(7)を参照)。この構成によれば、故障検知では経路を流れる電流を限界電流値Ilim以下に抑制し、かつ故障検知に必要な最小電流値Ifail以上を確保するので、ラジオノイズの発生を抑制しつつ故障検知が可能である。また、通常検知は抵抗器Rを介さないため検知性能に影響がなくセンサ1による検知を確実に行うことができる。
【0051】
請求項4に対応し、正弦波信号の最大電圧値をVとし、限界電流値をIlimとし、故障検知に必要な最小電流値をIfailとし、センサ1にかかるインピーダンスの虚数成分をZmgImとするとき、インピーダンス部Zのインピーダンス値を示すZは式(2)で与えられる範囲とした。この構成によれば、故障検知では経路を流れる電流を限界電流値Ilim以下に抑制し、かつ故障検知に必要な最小電流値Ifail以上を確保するのでラジオノイズの発生を抑制しつつ故障検知が可能である。また、通常検知は抵抗器Rを介さないため検知性能に影響がなくセンサ1による検知を確実に行うことができる。
【0052】
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、上述した実施の形態1,2に示す検知制御器2を備える乗員検知装置の一例であって、図8を参照しながら説明する。図8には乗員検知装置の構成例を模式図で示す。具体的には、ブロック図を図8(A)に示し、車両用シートへの装着例を図8(B)に示す。なお、図示および説明を簡単にするために実施の形態3では実施の形態1,2と異なる点について説明する。よって実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
図8(A)に示す乗員検知装置3は、コネクタ31,配線部材32,静電センサ33,検知制御器2などを有する。配線部材32は、コネクタ31と静電センサ33とを接続する部材である。静電センサ33は、実施の形態1,2に示す「センサ1」に相当する。これらの各要素は、車両用シートの形状や検知箇所等に応じて、要素数は個別かつ任意に備えることができる。検知制御器2は、ECU(あるいは他の制御装置)の一部として構成してもよく、ECUとは別個に構成してもよい。
【0054】
乗員検知装置3は、検知制御器2を除いて車両用シートに装着する。図8(B)に示す車両用シート4は、クッションパッド41,43やシートフレーム44などを有する。クッションパッド41は主に乗員の臀部や大腿部が収まる座面部として用いられ、その表面は二点鎖線で示すカバー42(表皮)で覆われる。静電センサ33および配線部材32は、図示するようにカバー42とクッションパッド41との間に配置される。詳細は図示しないが、静電センサ33(センサ1)は、電極板11が座面部側(図面上側)に位置し、電極板12が底面側(図面下側)に位置するように配置する。図8(B)に示す配線部材32の場合は、クッションパッド41に備えられた貫通穴41aを通り、クッションパッド41の底面に備えられたコネクタ31に接続されている。
【0055】
クッションパッド43は、主に乗員の背中が収まる背面部(背もたれ,シートバック)として用いられる。図示しないが、クッションパッド41と同様にカバーで覆われる場合が多い。シート底部に備えられるシートフレーム44は、静電センサ33と隔離して配置される。このシートフレーム44は、車両ボディ5を通じて共通電位N(接地G)に導通している。この構成では、乗員の着座に伴って、図1(B)や図6(B)に示すコンデンサCh(インピーダンスZh)が静電センサ33内の電極板11と接地Gとの間に生じる。よって、検知制御器2は静電センサ33の静電容量の変化を検知することで、乗員の着座を検知(および乗員を判別)することができる。なお、図8では一の静電センサ33を備えた乗員検知装置3を示すが、二以上の静電センサ33を備える場合も同様である。
【0056】
上述した実施の形態3によれば、請求項7に対応し、乗員検知装置3は、車両用シート4の表面側に配置されて乗員の着座による静電容量の変化を検知し、乗員の着座を検知するための一以上の静電センサ33と、検知制御器2とを有する構成とした(図8を参照)。この構成によれば、静電センサ33の故障検知が容易になり、かつ、静電センサ33による乗員の着座を確実に検知することができる。請求項1〜6については実施の形態1,2と同様である。
【0057】
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜3に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い替えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
【0058】
実施の形態1,2では、一の検知制御器2は一のセンサ1に対応して故障検知と通常検知とを行う構成とした(図1,図5〜図7を参照)。この形態に代えて、一の検知制御器2が複数のセンサ1に対応して故障検知と通常検知とを行う構成としてもよい。例えば、2つのセンサ1に対して故障検知と通常検知とを行う構成を図9に示す。当該図9に示す検知制御器2は、次の三点について図1に示す検知制御器2と相違する。第1点は、第1切替手段22がさらに切替素子SW3,SW4を備えることである。第2点は、検知対象を複数のセンサ1(図9では2つのセンサ1A,1B)とすることである。第3点は、センサ1ごとに対してそれぞれセンサ1と第1切替手段22との間に抵抗器R(インピーダンス部Z)を接続することである。
【0059】
図9に示す検知制御器2は、第1切替手段22に備える切替素子SW1,SW3によって故障検知と通常検知とを行うセンサ1を選択する。図9の切り替え形態は、切替素子SW1がオフであり、切替素子SW3がオンであるので、故障検知と通常検知とを行う対象としてセンサ1Bを選択している。そのため、故障検知の際に印加する正弦波信号(振幅信号)が伝導する経路は、破線で示す電流Iが流れる経路の通りになる。よって、正弦波信号が伝導する経路に抵抗器R(インピーダンス部Z)を接続しているので、実施の形態1,2と同様の作用効果を得ることができる。なお、図9では2つのセンサ1A,1Bを対象としたが、3つ以上のセンサ1を対象とする場合でも数の相違に過ぎないので、実施の形態1,2と同様の作用効果を得ることができる。この形態は、以下に示す他の形態(変形例)についても同様に適用できる。
【0060】
実施の形態1〜3では、センサ1として静電センサを適用した(図1〜図8を参照)。この形態に代えて、静電センサ以外のセンサであって、電磁波または音波の放射によって検知が行える他のセンサを適用することができる。他のセンサには、電波発振器から電波を放射する電波センサ(具体的にはレーダー等)、レーザ発振器からレーザ(電磁波)を放射するレーザセンサ、発光体から赤外線(電磁波)を放射する赤外線センサ、音源から音波(超音波を含む。)を放射する音波センサ(具体的にはソナー等)などが該当する。いずれのセンサも低インピーダンスであれば、正弦波信号等の振幅信号の印加に伴ってラジオノイズ(基本波に対する高調波)が生ずる場合がある。このような場合でも、インピーダンス部が接続されているのでラジオノイズが抑制される。一方、検知に必要な最小電流値を確保するので、センサによる検知を確実に行うことができる。
【0061】
実施の形態1〜3では、振幅信号として正弦波信号を適用した(図3,図4を参照)。この形態に代えて、他の振幅信号を適用することができる。他の振幅信号には、パルス波信号,三角波信号,のこぎり波信号などが該当する。検知の際に他の振幅信号を印加しても、ラジオノイズの発生が抑制され、センサ1による検知を確実に行うことができる。
【0062】
実施の形態1〜3では、インピーダンス部Z,Zとして抵抗器R(R11,R12),Rを適用した(図1,図5〜図7を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、コンデンサ(キャパシタ)を適用してもよく、コイル(インダクタ)を適用してもよい。さらには、RLC回路やLC回路等で代表されるように抵抗器,コンデンサ,コイルを混在させる構成(直列接続や並列接続等)としてもよい。抵抗器,コンデンサ,コイルで構成されるインピーダンス部Z,Z全体のインピーダンス値Z,Zが上述した式(1)や式(2)を満たせばよい。こうして様々の受動素子を用いる場合でも、ラジオノイズの発生が抑制され、センサ1による検知を確実に行うことができる。
【符号の説明】
【0063】
1(1A,1B,1C,…) センサ
2 検知制御器
21 信号印加手段
22 第1切替手段
23 信号検出手段
24 制御手段
25 第2切替手段
3 乗員検知装置
33 静電センサ(センサ)
4 車両用シート
,Z インピーダンス部
(R11,R12),R 抵抗器(インピーダンス部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界の形成や電磁波または音波の放射によって検知を行うセンサの故障検知と通常検知とを行うため、振幅が変動する振幅信号を印加する信号印加手段と、前記故障検知と前記通常検知とで接続を切り替える第1切替手段と、前記振幅信号の印加時に電圧や電流の変化を検出する信号検出手段と、前記第1切替手段と前記信号検出手段とを制御する制御手段と、を備えるセンサの検知制御器において、
前記振幅信号が伝導する経路にインピーダンス部を接続し、
前記インピーダンス部のインピーダンス値は、前記経路に印加する前記振幅信号が歪みなく発振可能な限界電流値以下の電流が流れ、かつ、前記故障検知および前記通常検知の双方に必要な最小電流値以上の電流が流れる範囲で設定することを特徴とするセンサの検知制御器。
【請求項2】
前記振幅信号の最大電圧値をVとし、前記限界電流値をIlimとし、前記最小電流値をIlowとし、前記センサにかかるインピーダンスの虚数成分をZmgImとするとき、前記インピーダンス部のインピーダンス値を示すZは式(1)で与えられる範囲であることを特徴とする請求項1に記載のセンサの検知制御器。
【数1】

【請求項3】
電界の形成や電磁波または音波の放射によって検知を行うセンサの故障検知と通常検知とを行うため、振幅が変動する振幅信号を印加する信号印加手段と、前記故障検知と前記通常検知とで接続を切り替える第1切替手段と、前記振幅信号の印加時に電圧や電流の変化を検出する信号検出手段と、前記第1切替手段と前記信号検出手段とを制御する制御手段と、を備えるセンサの検知制御器において、
前記振幅信号が伝導する経路に接続されるインピーダンス部と、
前記インピーダンス部と、前記インピーダンス部の両端を短絡するショート回路と、で接続を切り替える第2切替手段と、を有し、
前記インピーダンス部のインピーダンス値は、前記経路に印加する前記振幅信号が歪みなく発振可能な限界電流値以下の電流が流れ、かつ、前記故障検知に必要な最小の検知電流値以上の電流が流れる範囲で設定し、
前記制御手段は、前記故障検知において前記第2切替手段を前記インピーダンス部側に切り替え、前記通常検知において前記第2切替手段を前記ショート回路側に切り替える制御を行うことを特徴とするセンサの検知制御器。
【請求項4】
前記振幅信号の最大電圧値をVとし、前記限界電流値をIlimとし、前記故障検知に必要な最小電流値をIfailとし、前記センサにかかるインピーダンスの虚数成分をZmgImとするとき、前記インピーダンス部のインピーダンス値を示すZは式(2)で与えられる範囲であることを特徴とする請求項3に記載のセンサの検知制御器。
【数2】

【請求項5】
前記インピーダンス部は、一以上の抵抗器を用いて構成することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のセンサの検知制御器。
【請求項6】
前記センサは、二以上の電極を有し、静電容量の変化に基づいて検知を行う静電センサを用いて構成することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のセンサの検知制御器。
【請求項7】
車両用シートの表面側に配置されて乗員の着座による静電容量の変化を検知し、前記乗員の着座を検知するための一以上の前記センサと、請求項1から6のいずれか一項に記載のセンサの検知制御器と、を有することを特徴とする乗員検知装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−58145(P2012−58145A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203378(P2010−203378)
【出願日】平成22年9月10日(2010.9.10)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】