センサーにおけるターゲットのローカライゼーション向上方法
【課題】容量センサで標的の位置測定を行う際に、角度要素、面積要素、温度要素の補正を行い精度を向上させる。
【解決手段】複数の電極を含有する容量センサーの出力を収集する工程と、前記出力を組み合わせ、前記センサーから標的物が離れている距離を表すシグナルを得る工程とを有する、センサーにおける標的物の位置を測定する方法に関する。複数データから角度要素、面積要素を同定し補正をかける。また、別途用意した温度補正テーブルを用いtw温度補正をかける。
【解決手段】複数の電極を含有する容量センサーの出力を収集する工程と、前記出力を組み合わせ、前記センサーから標的物が離れている距離を表すシグナルを得る工程とを有する、センサーにおける標的物の位置を測定する方法に関する。複数データから角度要素、面積要素を同定し補正をかける。また、別途用意した温度補正テーブルを用いtw温度補正をかける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、センサーの技術分野に関する。
【0002】
より正確には、この発明は、センサーのターゲット(標的物)におけるローカライゼーション(位置測定)システム及び方法に関する。
【0003】
この発明における非限定的な実施態様は、エアバッグの起動を制御するために、自動車シートに着座した乗員を評価することに関する。
【背景技術及び発明の開示】
【0004】
この出願の出願人は、2005年7月28日に、フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)をした。この出願には、標的物によって覆われているか否かにかかわらず検出可能な容量センサーの技術的構造が開示されている。
【0005】
この発明の目的は、容量センサーの標的物(乗員でもよい)の位置測定をより一層正確に行うために、容量センサーのストラクチャ(構造)を改良することに、ある。
【0006】
この発明の具体的な目的は、検出において温度及び/又は湿度の影響を減らすことのできる方法を提供することにある。実際には、温度及び/又は湿度は、特に自動車シートに適用すると、容量検出において非常に大きな影響を及ぼし、間違った結果を導く可能性があることを、発明者は見出した。
【0007】
前記目的は、複数の電極を有する容量センサーの出力を収集する工程と、前記出力を組み合わせ、前記センサーから標的物が離れている距離を表すシグナルを得る工程とを有する方法であるこの発明によって、達成される。
【0008】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、また、前記標的物によって覆われたセンサーの表面量を決定するために、センサーの出力を組み合わせる工程を含む。
【0009】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、2つの安定した画素センサーを形成するために、検知区域の各領域を相補的にカバーする少なくとも2つの電極を含有する容量センサーを使用する。
【0010】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、検出区域の各領域を相補的にカバー2つの主電極、及び、前記相補的な領域の両方をカバーする第3の補助電極、すなわち、3つの電極を含有する容量センサーを使用する。
【0011】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、前記第3の補助電極が前記主電極を包囲している容量センサーを使用する。
【0012】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、電気制御された直流磁界それぞれを前記電極にかける工程と、次いで、電気的出力を発生させるために、直流磁界を遮断した後に、少なくとも1つの選択された電極に蓄積された電気量を測定する工程とを含む。
【0013】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、前記容量センサーから発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記センサーから標的物が離れている距離を表す値を参照表から選択する工程を実施する。
【0014】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、前記容量センサーから発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記標的物で覆われた前記センサーの表面量を表す値を参照表から選択する工程を実施する。
【0015】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、複数の温度及び湿度に対する、前記センサーから標的物が離れている距離を表す値及び/又は前記標的物で覆われた前記センサーの表面量を表す値が記載された参照表を使用し、かつ、この方法は、実際の温度及び湿度を表す前記容量センサーから発せられた出力の組み合せに依存する出力値を前記参照表から選択する工程を含む。
【0016】
この発明は、前記方法を実行するシステム、及び、このようなシステムを含有する自動車用シートに関連する。
【0017】
この発明におけるその他の技術的特徴、目的及び利点は、添付の図面を参照して、以下の説明によって、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
前述したように、この発明は、標的物10とセンサー100とが離れている距離を測定するための方法を提供する。この方法は、温度及び湿度環境によって引き起こされるドリフトを補償する手段を含んでいる。
【0019】
この発明は、とりわけしかし限定的ではなく、自動車の乗員の位置測定及び/又は識別に適用され、その結果、エアバッグの起動を制御する。
【0020】
この発明は、容量センサーの構造100を使用する。
【0021】
この容量センサー100は、複数の実施形態に基づいていてもよい。
【0022】
選択的に、この発明に係る容量センサー100は、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)に開示された内容と同様に、少なくとも2つの電極110及び120とを有し、これらの電極は、検知区域の相補的な各領域をカバーし、2つの安定した画素センサーを形成している。これらの2つの電極110及び120並びに対応する安定した画素センサーの機能は、以下に、より詳細に説明する。
【0023】
選択的に、この発明の容量センサー100は、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)の一般的な開示と同様に、図1に示されるように、3つの電極110、120及び130を備えている。もちろん、この発明において、容量センサー100は、図1に示される具体的な態様及び形状に限定されることはない。
【0024】
2つの電極110及び120は主電極に相当する。これらの電極は検出区域又は検知区域の相補的な各領域をカバーする。より詳細には、2つの電極110及び120は優先的に直線路に形成されている。2つの主電極110及び120は優先的に整列されている。優先的に、2つの電極110及び120は同じ表面を有している。なお、検出するにあたって、2つの主電極110及び120の各表面における比率を考慮すれば、この発明は、同じ表面を有しない主電極110及び120を用いて、実施されることもできる。
【0025】
第3の補助電極は、前記2つの主電極110及び120がカバーする2つの相補的な各領域の両方を少なくとも実質的にカバーする。より正確には、図1に示されるように、選択的に、第3の補助電極は、前記2つの主電極110及び120を包囲している。
【0026】
この第3の電極は、その中間部で横断接続路132に連結されている。同様に、前記2つの主電極110及び120は、それらの隣接する各端部で、各横断接続路112及び122に連結されている。
【0027】
たった3つの出力端子112、122及び132を有するこのようなセンサー100は、前記電極110、120及び130の接続に依存する容量(キャパシタ バリュー)に対応する、3よりも多数の出力情報を送信することができる。例えば、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)には、同様の電極110、120及び130から8の出力情報が送信されることが開示されている。
【0028】
これらの容量は、いくつかの電極110、120、130の間に電気制御された直流磁界を的確にかけ、次いで、直流磁界を遮断した後に、専用の電極110、120、130に蓄積された電気量を測定し、計算することによって、測定される。
【0029】
これらの電気量は、例えばしかし非限定的に、特許文献(国際公開番号WO−A−00/25098号)に規定された処理手段に従って、電圧に変換されることができる。
【0030】
換言すると、この発明に係る方法は、制御されたエレクトリカルボルテージ(直流電界)を選択された電極に好適にかける電界印加手段と、容量切替えシステムを備えた積算手段と、選択された周波数において下記2工程の順序を周期的にかつ好適に決定する制御手段とを有し、選択された電極110又は120に蓄積された前記電気量を、優先的に、電気出力シグナルに変換する。
【0031】
・前記電界印加手段は少なくとも1つの電極に接続され、そして、この電極に電界をかけると共にこの電極に電気量を蓄積させる第1の工程、及び、
・前記電界印加手段は選択された電極に接続されず、この選択された電極は前記積算手段の出力端子に接続されて、前記電気量を前記積算手段に送信する第2の工程
【0032】
より正確には、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)では、同様のセンサーから測定の組み合せ8種を使用することが提言されているが、この発明は、優先的に、前記センサーからの測定の組み合せたった4種で実施することができる。実際に、発明者は、センサーの標的物を正確に位置測定するのに、このような4種の組み合せで十分であることを、明らかにした。図2に概略的に示されたこれらの4種の組み合せを以下に記載する。図2において、「Vf」は直流電位に相当し、「G」は地電位に相当する。
【0033】
(1)フェイズC1は次の工程で得られる。
・電極110及び120に「Vf」をかけ、電極130に「G」をかける。
・電極110及び120から「Vf」を除去し、電極130から「G」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極110に捕獲された電気量を計算する。この結果を「C1」という。
【0034】
(2)フェイズCU1は次の工程で得られる。
・電極110、120及び130に「Vf」をかける。
・電極110、120及び130から「Vf」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極110に捕獲された電気量を計算する。この結果を「CU1」という。
【0035】
(3)フェイズC2は次の工程で得られる。
・電極110及び120に「Vf」をかけ、電極130に「G」をかける。
・電極110及び120から「Vf」を除去し、電極130から「G」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極120に捕獲された電気量を計算する。この結果を「C2」という。
【0036】
(4)フェイズCU2は次の工程で得られる。
・電極110、120及び130に「Vf」をかける。
・電極110、120及び130から「Vf」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極120に捕獲された電気量を計算する。この結果を「CU2」という。
【0037】
図2において、太文字は電気量が測定される電極を示す。
【0038】
完全なセンサーシステムは、各容量分の電気的等価な構成の形式で、図3に示されている。図3において、「CBG」はグラウンド(例えば、車体)と標的物10(例えば、車の座席に着座した乗員)との間における容量分に相当する。「C1B」、「C2B」及び「CUB」はそれぞれ、標的物10と、電極110、120及び130との間における容量分に相当する。「C1G」、「C2G」及び「CUG」はそれぞれ、グラウンドと、電極110、120及び130との間における容量分に相当する。「C1U」、「C12」及び「C2U」はそれぞれ、電極110と130との間、電極110と120との間及び電極120と130との間における容量分に相当する。
【0039】
前記4種の組み合せそれぞれは、図3に示されたセンサーシステムを構成する容量分の下記総和として表現されることができる。
(1)C1=C1U+C1B+C1G
(2)CU1=C1B+C1G
(3)C2=C2U+C2B+C2G
(4)CU2=C2B+C2G
【0040】
莫大な研究及び実験によって、発明者は、前記4種の組み合せから発せられるいくつかの関連ある情報を使用し、これらを組み合わせることによって、連続して、
・1 温度及び湿度によって生じるドリフトに関する情報が得られること、
・2 この情報から、データ上のドリフトを補償することができること、及び、
・3 補償されたデータから、信頼性のある基準に基づいて、センサーを覆う標的物の表面と共に、標的物からセンサーが離れている距離を測定することができることを、明らかにした。
【0041】
より正確には、発明者は、表面被覆量、距離、温度及び湿度変化に対するこれら4種の組み合せの挙動を認識するために、それらを特徴付けるための測定を実行する必要があることを、明らかにした。
【0042】
このため、発明者は、センサー100の長さに等しい(すなわち、図4に示されるように、電極130の長さと等しく、2つの電極110及び120の合計長さの等しい)長さを有する導電性参照標的物10を選択した。
【0043】
発明者は、前記参照標的物10をセンサーに対して引き続き段階的にセンサー100の長手方向に平行に移動する。発明者は、この移動用及び表面変化用として、センサー長さの1/4の解像度、及び、m段階、非限定的な例においてm=7を任意に選択した。しかし、もちろん、その他の解像度及び/又は段階数mが選択されてもよい。
【0044】
この移動は、左側から任意に始まり、表面の長さの1/4ずつ追加していく方法によって、連続m段階で、センサー100を覆う。
【0045】
図4において、
・1/4Lは、センサーの長さの1/4が左側で覆われたことを意味する。
・1/2Lは、センサーの長さの1/2が左側で覆われたことを意味する。
・3/4Lは、センサーの長さの3/4が左側で覆われたことを意味する。
・C(「中心」)は、標的物がセンサー100を完全に覆うことを意味する。
・3/4Rは、センサーの長さの3/4が右側で覆われたことを意味する。
・1/2Rは、センサーの長さの1/2が右側で覆われたことを意味する。
・1/4Rは、センサーの長さの1/4が右側で覆われたことを意味する。
【0046】
さらに、この関連する移動におけるm段階の各段階において、発明者は、参照標的物10をセンサー100から次第に、距離Zが0mm(接触状態)から100mm(無限距離に相当)まで、段階的に遠ざける。非限定的な例において任意に、発明者は、センサー100から標的物10を0mmから100mmまでn=38段階で動かした。
【0047】
そして、相対的な表面被覆(m段階)及び距離(n段階)の各段階に対して、発明者は、温度及び湿度を変化させる。発明者は、任意に、温度に関するo=4の種々の値(25℃、40℃、55℃及び70℃)と、湿度に関するp=3の種々の値(RH=50%、70%及び95%)とを組み合わせ、温度と湿度との組み合わせをo.p=4×3=12の組み合わせにした。
【0048】
前記4種の識別されたフェイズ(C1、CU1、C2及びCU2)に対応するすべての応答は、図4に示されたm=7の相対的な位置のそれぞれに対して記録され、n=38の各距離Zのそれぞれに対して記録され、かつ、o×p=12通りの温度と湿度との組み合わせのそれぞれに対して記録される。
【0049】
発明者は、前記4フェイズC1、CU1、C2及びCU2から3通りの代表的な組み合わせが導かれることを、究明した。
・その第1は、CU1=f(C1)である。
・その第2は、CU2=f(C2)である。
・その第3は、CU1=f(CU2)である。
【0050】
CU1=f(C1)(ピクセル1)とCU2=f(C2)(ピクセル2)とを考慮して(図5参照)、発明者は、センサー表面被覆量、距離、温度及び湿度にかかわらず、傾きα1=ΔCU1/ΔC1及びα2=ΔCU2/ΔC2は実質的に一定であることに気がついた。
【0051】
しかし、無限大に近づく距離に対する各曲線CU0の始点は、温度と湿度に追随し、すなわち、これらに依存する。
【0052】
前記4種のフェイズから温度(T℃)と湿度(RH%)との組:(T℃、RH%)=f(CU0)に関する情報が得られるので、発明者らのこの観察結果によって際立った特徴が導かれる。
【0053】
この特徴は、フェイズレシオCU1/C1=(C1B+C1G)/(C1U+C1B+C1G)によって説明することができる可能性がある。
【0054】
電極110と電極130との間に配置された、温度と湿度とに敏感な特定のコンデンサーを表している項C1U(電極支持体の誘電率の温度及び湿度への影響)が分母にさらに含まれている以外は、同じ項が分子と分母とに含まれている。
【0055】
CU2/C2=(C2B+C2G)/(C2U+C2B+C2G)であるから、前記特徴と同じ特徴がピクセル2にも当てはまる。
【0056】
ところで、CU2=f(CU1)(図6参照)を考慮して、発明者らは、以下の点に注目した。
・CU2とCU1とが成す角度αは、距離、温度及び湿度にかかわらず、参照標的物10によって覆われたセンサー100の表面を表す関数(ここで、解像度の段階はセンサー長さの1/4である。)である。
・曲線CU2及びCU1の始点Oは、わずかに温度と湿度とに影響されるが、発明者らはこのようなオフセットがCU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から得られる情報を用いることによって相殺される可能性があることを、究明した。
・図面CU2=f(CU1)における点Pの位置は、標的物10からセンサー100までの距離Zの関数である。
【0057】
CU2/CU1=(C2B+C2G)/(C1B+C1G)であるから、この特徴は、フェイズレシオCU2/CU1によって説明することができる可能性がある。
【0058】
標的物10がセンサー100の正面にない場合(距離=ほぼ無限大)には、同じ項がCU2/CU1の分子と分母とに含まれる。すなわち、C2G#C1G、C1B=C2B=0である。
【0059】
標的物10がセンサー100を部分的にカバーしている場合には、これらのコンデンサーは各画素電極110又は120をカバーする標的物10の表面に依存するから、C1BはC2Bと異なる。これらの2つのコンデンサーはピクセル110及びピクセル120を覆う不均衡な表面を測定する。
【0060】
発明者らは、これらの3つの顕著な特徴によって、
・温度及び湿度によるセンサードリフトを補償することができ、
・センサー100に対面している標的物によって覆われた表面を計算することができ、そして、
・センサー100と標的物との距離を算出することができる
ことを、見出した。
【0061】
より正確には、前記の確立された事実に基づいて、発明者らによって、2つの部分すなわち「準備」部分と「検出」部分とに分割された方法が提案される。これらの2つの部分を以下に詳細に説明する。
【0062】
1.準備部分
この準備部分は、3つの主要工程に分割され、これらの主要工程は、1)温度及び湿度参照表「LookTRH」の創出工程、2)角度(「LookAngle」)及び曲線Cu=f(C)における始点(OCU1、OCU2)(「LookOCU1」及び「LookOCU2」)に対応する3つの参照表の創出工程、及び、3)距離参照表(「Lookabs」)の創出工程である。
【0063】
11−工程1:温度及び湿度参照表「LookTRH」の創出工程
この参照表の目的は、温度及び湿度によるドリフトを補償するために、実際の容量測定と温度変数及び湿度変数とを一致させることにある。
【0064】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図7における工程1として説明される。
【0065】
2つの曲線:CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から、傾き:α1=ΔC1/ΔCU1、及び、α2=ΔC2/ΔCU2が算出される。
【0066】
その後、これらの2つの曲線における横座標との切片B1及びB2が計算される。
【0067】
・式 CU1=α1C1+β1 横座標 B1=β1/α1
・式 CU2=α2C2+β2 横座標 B2=β2/α2
【0068】
算出された2つの横座標の平均B=(B1+B2)/2を求める。
【0069】
次いで、温度と湿度との各o×p組に対して、B=(B1+B2)/2の参照表を図7に示されるように作成する。温度と湿度との組み合わせo×pによって、参照表「LookTRH」はもちろんo×pの入力(インプット)を有している。換言すると、「LookTRH」参照表の形態は、o×pに対して2、すなわち、各o×p入力それぞれに対する出力(アウトプット)Bになっている。
【0070】
もちろん、図7に示される特定の表は、単なる例であり、限定的に考えられるべきではない。
【0071】
12−工程2:角度及びOCU1、OCU2の参照表の創出工程(図8参照)
角度参照表の目的は、複数の温度変数及び湿度変数に対して、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせとセンサーを覆う標的物の表面量とを一致させることにある。
【0072】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図8について説明する。
【0073】
角度参照表「LookAngle」を構築するためには、温度湿度参照表「LookTRH」の温度と湿度との各組に対して、かつ、参照標的物10と図8bに示されたセンサー100との相対的な各m位置に対して、角度Δm=ΔCU2/ΔCU1が図8aに示された曲線CU2=f(CU1)から算出される。図8bには、参照標的物10の長さに対して1/4の長さずつ変化させたm=7の相対的な位置が示されている。温度と湿度との組み合わせo×p及び相対的な位置mによって、角度参照表「LookAngle」は、o×p×mの入力を有している。換言すると、「LookAngle」参照表の形態は、o×p×mに対して2、すなわち、各o×p×m入力それぞれに対する出力Δmになっている。実際には、このような参照表は、例えば、各m入力を有する、単純なo×p参照表に分割されていてもよい。
【0074】
もちろん、この発明においては、この特定の態様に限定されない。
【0075】
次いで、複数の温度変数及び湿度変数に対して、曲線CU1及びCU2における横座標の始点と縦座標の始点とを一致させることを目的として、発明者らは、「LookOCU1」及び「LookOCU2」の2つの参照表を作成することを計画する。
【0076】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図9について説明される。
【0077】
より正確には、発明者らは、a)m=C(T/RHにおける全てのo×p点)に対して直線CU2=f(CU1)を計算し追跡すること、b)T/RHにおける全てのo×p点に対する各mに対して直線を計算し追跡すること、及び、c)傾きCと、T/RHにおける全てのo×p点に対する他の全ての直線mとの交差点を算出することを、計画する。
【0078】
次いで、各T/RHインデックスに対して、曲線CU2=f(CU1)(図9参照)の横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2における点位置平均を、図9bに示されているように、いわゆる「LookOCU1」及び「LookOCU2」の2つの参照表に記録する。
【0079】
温度と湿度との組み合わせo×pによって、参照表「LookOCU1」及び「LookOCU2」はo×pの入力を有している。換言すると、「LookOCU1」及び「LookOCU2」参照表の形態は、o×pに対して2、すなわち、各o×p入力それぞれに対する「始点OCU1又はOCU2の平均値」になっている。
【0080】
13−工程3:距離参照表「Lookabs」の創出工程
この参照表の目的は、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせと容量センサーから標的物が離れている距離とを一致させることにある。
【0081】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図10における工程3として説明される。
【0082】
この工程は、ピタゴラスの定理として知られる定理に基づく計算工程を必要とする。
【0083】
発明者らは、センサー100から標的物10が離れている距離を、特定の横座標始点OCU1(TRH)及び縦座標始点OCU2(TRH)で補正されたCU1値及びCU2値に関与する三角関数に基づいて、計算することを計画する。
【0084】
CU2=f(CU1)並びに前記参照表「LookTRH」、「LookAngle」、「LookOCU1」及び「LookOCU2」を考慮して、各表面位置m(図示された特定の場合にはm=1〜7)、始点OCU1及びOCU2を決定するT/RHの各組み合わせ(前記の場合には12組)、かつ、各距離(特定のかつ非限定的な場合には38通り)それぞれに対して、下記ABS値が算出される。
【0085】
【数1】
【0086】
このABS値は、標的物10とセンサー100との距離に一致する。
【0087】
ABSとして算出された値は、いわゆる「LookAbs」と称される参照表に記録される。
【0088】
温度と湿度との組み合わせo×p、相対的な移動におけるm工程、及び、距離におけるn工程によって、参照表「LookAbs」はo×p×m×nの入力を有している。換言すると、この参照表の形態は、o×p×m×nに対して2、すなわち、各o×p×m×n入力それぞれに対する出力ABSになっている。実際には、このような参照表は、例えば、各m×n入力を有する、単純なo×p参照表に分割されていてもよい。
【0089】
要約すると、準備部分によって、5つの参照表、すなわち、「LookTRH」、「LookAngle」、「LookOCU1」、「LookOCU2」及び「LookAbs」、並びに、2つの特徴的な変数、すなわち、α1及びα2(曲線CU1=f(C1)及び曲線CU2=f(C2)の傾き)が、得られる。
【0090】
これらの5つの参照表及び2つの特徴的な変数α1及びα2によって、センサー100を覆う標的物10の表面、及び、センサー100と標的物10とを離間する距離が、「検出部分」において「リアルタイム」で算出されることができる。
【0091】
2.検出部分
この検出部分は、4つの主要工程に分割され、これらの主要工程は、1)「LookTRH」用のインデックスポインターの算出工程、2)始点OCU1及びOCU2の算出工程、3)位置mの算出工程、及び、表面被覆に関する情報が得られる角度の算出工程、並びに、4)標的物10とセンサー100との距離の算出工程である。
【0092】
21−工程1:「LookTRH」用のインデックスポインターの算出工程
シグナルCU1、C1、CU2及びC2はリアルタイムでセンサー100に捕捉される。
【0093】
次いで、2つの関係式CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)、α1、α2、並びに、横座標の切片から、対応するインデックスポインター(B1+B2)/2が算出される。このインデックスを用いて(直接又は内挿法によって)、T/RH組み合せの情報が参照表「LookTRH」から選択される。
【0094】
22−工程2:始点OCU1及びOCU2の算出工程
前記T/RH組み合せの情報を用いて、曲線CU2=f(C2)における始点OCU1及びOCU2がそれぞれ参照表「LookOCU1」及び「LookOCU2」から(直接又は内挿法によって)選択される。
【0095】
23−工程3:位置mの算出工程、及び、表面被覆が得られる角度の算出工程
傾きa=(CU2−OCU2)/(CU1−OCU1)が計算され、算出された傾き及び前記工程1で得られたT/RH組み合せの情報から、位置を表す値が参照表「LookAngle」から選択される。この値は、センサー100の正面に位置する標的物10、例えば、乗員によって被覆された表面を表す値である。
【0096】
24−工程4:標的物10とセンサー100との距離の算出工程
【0097】
値Dは、下記式から算出される。
【0098】
【数2】
【0099】
次いで、この値D、並びに、前記工程1で得られたT/RH組み合せの情報、及び、前記工程3で得られた角度値に基づいて、推定距離が参照表「LookAbs」から(直接又は内挿法によって)選択される。
【0100】
要するに、CU1、C1、CU2及びC2のデータ収集から、この発明に係る方法によれば、センサー100の正面に位置する標的物10によって被覆された表面及び前記センサー100からの距離をそれぞれ計算し、決定することができる。
【0101】
この発明に係る完全な検出方法が図11に示されている。
【0102】
すべての温度及び湿度範囲において表面を変化させて、発明者らがこの方法を実行することによって得られた結果は、図12に示されている。図12において、X軸又は横軸は実際の表面に対応し、Y軸は推定表面(算出表面)に対応している。
【0103】
これらの結果に基づいて、1インチまで算出された距離が図13に示されている。
【0104】
図12及び図13には、この発明によれば、センサー100から標的物10が離れている距離とセンサー100を被覆している標的物10の表面との確実な決定法が提供されることが、示されている。
【0105】
特に、この発明によれば、温度及び湿度によって生じるドリフトを補償することができる。
【0106】
もちろん、この発明は、図のみに示された前記説明に限定されるものではない。この発明は、添付の特許請求の範囲に基づくいかなる変形例をも包含する。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1は、この発明に係る容量センサーの非限定的な態様を示す図である。
【図2】図2は、この発明に係る検出実施の初期工程において、前記容量センサーの電極にかける電位の例を示す図である。
【図3】図3は、この発明におけるセンサーシステムにおいて作用する容量分それぞれを概略的に示す図である。
【図4】図4は、この発明における準備部分において、センサーに対する参照標的物の段階的な移動を示す図である。
【図5】図5は、この発明において、センサーから発信された電気出力の相対的な漸進的変化を概略的に示す図であって、温度及び湿度を表す変数を測定するのに使用される図である。より正確には、図5aは曲線CU1=f(C1)を示す図であり、図5bは曲線CU2=f(C2)を示す図である。
【図6】図6は、この発明において、センサーから発信された他の電気出力の相対的な漸進的変化を概略的に示す図であって、センサーから標的物が離れている距離及び/又は前記標的物によって覆われたセンサーの表面量を測定するのに使用される図である。
【図7】図7は、温度変数及び湿度変数を考慮した参照表の構成を示す図であり、より正確には、図7aは曲線CU=f(C)を示す図であり、図7bは曲線の始点を定義する図であり、図7cは対応する参照表を示す図である。
【図8】図8は、センサーから発信された電気出力の相対的な漸進的変化がセンサーにおける参照標的物の相対的な位置に依存することを示す図であり、より正確には、図8aは曲線CU2=f(CU1)を示す図であり、図8bはセンサーに対する参照標的物の相対的な移動の順序を示す図である。
【図9】図9は、温度変数及び湿度変数に関する、曲線反応の初期オフセットを決定する参照表の構成を示す図であり、より正確には、図9aは曲線CU2=f(CU1)のいくつかの点を示す図であり、図9bは対応する参照表を示す図である。
【図10】図10は、容量センサーから発信された出力の組み合せに基づいて、センサーから標的物が離れている距離を測定することを示す図である。
【図11】図11は、この発明に係る完全な検出方法を概略的に示す図である。
【図12】図12は、標的物によって覆われたセンサーの表面量を測定することにおける、この発明の実績を示す図である。
【図13】図13は、センサーから標的物が離れている距離を測定することにおける、この発明の実績を示す図である。
【技術分野】
【0001】
この発明は、センサーの技術分野に関する。
【0002】
より正確には、この発明は、センサーのターゲット(標的物)におけるローカライゼーション(位置測定)システム及び方法に関する。
【0003】
この発明における非限定的な実施態様は、エアバッグの起動を制御するために、自動車シートに着座した乗員を評価することに関する。
【背景技術及び発明の開示】
【0004】
この出願の出願人は、2005年7月28日に、フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)をした。この出願には、標的物によって覆われているか否かにかかわらず検出可能な容量センサーの技術的構造が開示されている。
【0005】
この発明の目的は、容量センサーの標的物(乗員でもよい)の位置測定をより一層正確に行うために、容量センサーのストラクチャ(構造)を改良することに、ある。
【0006】
この発明の具体的な目的は、検出において温度及び/又は湿度の影響を減らすことのできる方法を提供することにある。実際には、温度及び/又は湿度は、特に自動車シートに適用すると、容量検出において非常に大きな影響を及ぼし、間違った結果を導く可能性があることを、発明者は見出した。
【0007】
前記目的は、複数の電極を有する容量センサーの出力を収集する工程と、前記出力を組み合わせ、前記センサーから標的物が離れている距離を表すシグナルを得る工程とを有する方法であるこの発明によって、達成される。
【0008】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、また、前記標的物によって覆われたセンサーの表面量を決定するために、センサーの出力を組み合わせる工程を含む。
【0009】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、2つの安定した画素センサーを形成するために、検知区域の各領域を相補的にカバーする少なくとも2つの電極を含有する容量センサーを使用する。
【0010】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、検出区域の各領域を相補的にカバー2つの主電極、及び、前記相補的な領域の両方をカバーする第3の補助電極、すなわち、3つの電極を含有する容量センサーを使用する。
【0011】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、前記第3の補助電極が前記主電極を包囲している容量センサーを使用する。
【0012】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、電気制御された直流磁界それぞれを前記電極にかける工程と、次いで、電気的出力を発生させるために、直流磁界を遮断した後に、少なくとも1つの選択された電極に蓄積された電気量を測定する工程とを含む。
【0013】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、前記容量センサーから発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記センサーから標的物が離れている距離を表す値を参照表から選択する工程を実施する。
【0014】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、前記容量センサーから発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記標的物で覆われた前記センサーの表面量を表す値を参照表から選択する工程を実施する。
【0015】
他の選択的な特徴によれば、この発明に係る方法は、複数の温度及び湿度に対する、前記センサーから標的物が離れている距離を表す値及び/又は前記標的物で覆われた前記センサーの表面量を表す値が記載された参照表を使用し、かつ、この方法は、実際の温度及び湿度を表す前記容量センサーから発せられた出力の組み合せに依存する出力値を前記参照表から選択する工程を含む。
【0016】
この発明は、前記方法を実行するシステム、及び、このようなシステムを含有する自動車用シートに関連する。
【0017】
この発明におけるその他の技術的特徴、目的及び利点は、添付の図面を参照して、以下の説明によって、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
前述したように、この発明は、標的物10とセンサー100とが離れている距離を測定するための方法を提供する。この方法は、温度及び湿度環境によって引き起こされるドリフトを補償する手段を含んでいる。
【0019】
この発明は、とりわけしかし限定的ではなく、自動車の乗員の位置測定及び/又は識別に適用され、その結果、エアバッグの起動を制御する。
【0020】
この発明は、容量センサーの構造100を使用する。
【0021】
この容量センサー100は、複数の実施形態に基づいていてもよい。
【0022】
選択的に、この発明に係る容量センサー100は、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)に開示された内容と同様に、少なくとも2つの電極110及び120とを有し、これらの電極は、検知区域の相補的な各領域をカバーし、2つの安定した画素センサーを形成している。これらの2つの電極110及び120並びに対応する安定した画素センサーの機能は、以下に、より詳細に説明する。
【0023】
選択的に、この発明の容量センサー100は、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)の一般的な開示と同様に、図1に示されるように、3つの電極110、120及び130を備えている。もちろん、この発明において、容量センサー100は、図1に示される具体的な態様及び形状に限定されることはない。
【0024】
2つの電極110及び120は主電極に相当する。これらの電極は検出区域又は検知区域の相補的な各領域をカバーする。より詳細には、2つの電極110及び120は優先的に直線路に形成されている。2つの主電極110及び120は優先的に整列されている。優先的に、2つの電極110及び120は同じ表面を有している。なお、検出するにあたって、2つの主電極110及び120の各表面における比率を考慮すれば、この発明は、同じ表面を有しない主電極110及び120を用いて、実施されることもできる。
【0025】
第3の補助電極は、前記2つの主電極110及び120がカバーする2つの相補的な各領域の両方を少なくとも実質的にカバーする。より正確には、図1に示されるように、選択的に、第3の補助電極は、前記2つの主電極110及び120を包囲している。
【0026】
この第3の電極は、その中間部で横断接続路132に連結されている。同様に、前記2つの主電極110及び120は、それらの隣接する各端部で、各横断接続路112及び122に連結されている。
【0027】
たった3つの出力端子112、122及び132を有するこのようなセンサー100は、前記電極110、120及び130の接続に依存する容量(キャパシタ バリュー)に対応する、3よりも多数の出力情報を送信することができる。例えば、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)には、同様の電極110、120及び130から8の出力情報が送信されることが開示されている。
【0028】
これらの容量は、いくつかの電極110、120、130の間に電気制御された直流磁界を的確にかけ、次いで、直流磁界を遮断した後に、専用の電極110、120、130に蓄積された電気量を測定し、計算することによって、測定される。
【0029】
これらの電気量は、例えばしかし非限定的に、特許文献(国際公開番号WO−A−00/25098号)に規定された処理手段に従って、電圧に変換されることができる。
【0030】
換言すると、この発明に係る方法は、制御されたエレクトリカルボルテージ(直流電界)を選択された電極に好適にかける電界印加手段と、容量切替えシステムを備えた積算手段と、選択された周波数において下記2工程の順序を周期的にかつ好適に決定する制御手段とを有し、選択された電極110又は120に蓄積された前記電気量を、優先的に、電気出力シグナルに変換する。
【0031】
・前記電界印加手段は少なくとも1つの電極に接続され、そして、この電極に電界をかけると共にこの電極に電気量を蓄積させる第1の工程、及び、
・前記電界印加手段は選択された電極に接続されず、この選択された電極は前記積算手段の出力端子に接続されて、前記電気量を前記積算手段に送信する第2の工程
【0032】
より正確には、前記フランス特許出願(出願番号FR−0508072号)では、同様のセンサーから測定の組み合せ8種を使用することが提言されているが、この発明は、優先的に、前記センサーからの測定の組み合せたった4種で実施することができる。実際に、発明者は、センサーの標的物を正確に位置測定するのに、このような4種の組み合せで十分であることを、明らかにした。図2に概略的に示されたこれらの4種の組み合せを以下に記載する。図2において、「Vf」は直流電位に相当し、「G」は地電位に相当する。
【0033】
(1)フェイズC1は次の工程で得られる。
・電極110及び120に「Vf」をかけ、電極130に「G」をかける。
・電極110及び120から「Vf」を除去し、電極130から「G」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極110に捕獲された電気量を計算する。この結果を「C1」という。
【0034】
(2)フェイズCU1は次の工程で得られる。
・電極110、120及び130に「Vf」をかける。
・電極110、120及び130から「Vf」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極110に捕獲された電気量を計算する。この結果を「CU1」という。
【0035】
(3)フェイズC2は次の工程で得られる。
・電極110及び120に「Vf」をかけ、電極130に「G」をかける。
・電極110及び120から「Vf」を除去し、電極130から「G」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極120に捕獲された電気量を計算する。この結果を「C2」という。
【0036】
(4)フェイズCU2は次の工程で得られる。
・電極110、120及び130に「Vf」をかける。
・電極110、120及び130から「Vf」を除去する。
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、電極110、120及び130を高インピーダンス状態におく(全体的に開放しておく)。
・電極120に捕獲された電気量を計算する。この結果を「CU2」という。
【0037】
図2において、太文字は電気量が測定される電極を示す。
【0038】
完全なセンサーシステムは、各容量分の電気的等価な構成の形式で、図3に示されている。図3において、「CBG」はグラウンド(例えば、車体)と標的物10(例えば、車の座席に着座した乗員)との間における容量分に相当する。「C1B」、「C2B」及び「CUB」はそれぞれ、標的物10と、電極110、120及び130との間における容量分に相当する。「C1G」、「C2G」及び「CUG」はそれぞれ、グラウンドと、電極110、120及び130との間における容量分に相当する。「C1U」、「C12」及び「C2U」はそれぞれ、電極110と130との間、電極110と120との間及び電極120と130との間における容量分に相当する。
【0039】
前記4種の組み合せそれぞれは、図3に示されたセンサーシステムを構成する容量分の下記総和として表現されることができる。
(1)C1=C1U+C1B+C1G
(2)CU1=C1B+C1G
(3)C2=C2U+C2B+C2G
(4)CU2=C2B+C2G
【0040】
莫大な研究及び実験によって、発明者は、前記4種の組み合せから発せられるいくつかの関連ある情報を使用し、これらを組み合わせることによって、連続して、
・1 温度及び湿度によって生じるドリフトに関する情報が得られること、
・2 この情報から、データ上のドリフトを補償することができること、及び、
・3 補償されたデータから、信頼性のある基準に基づいて、センサーを覆う標的物の表面と共に、標的物からセンサーが離れている距離を測定することができることを、明らかにした。
【0041】
より正確には、発明者は、表面被覆量、距離、温度及び湿度変化に対するこれら4種の組み合せの挙動を認識するために、それらを特徴付けるための測定を実行する必要があることを、明らかにした。
【0042】
このため、発明者は、センサー100の長さに等しい(すなわち、図4に示されるように、電極130の長さと等しく、2つの電極110及び120の合計長さの等しい)長さを有する導電性参照標的物10を選択した。
【0043】
発明者は、前記参照標的物10をセンサーに対して引き続き段階的にセンサー100の長手方向に平行に移動する。発明者は、この移動用及び表面変化用として、センサー長さの1/4の解像度、及び、m段階、非限定的な例においてm=7を任意に選択した。しかし、もちろん、その他の解像度及び/又は段階数mが選択されてもよい。
【0044】
この移動は、左側から任意に始まり、表面の長さの1/4ずつ追加していく方法によって、連続m段階で、センサー100を覆う。
【0045】
図4において、
・1/4Lは、センサーの長さの1/4が左側で覆われたことを意味する。
・1/2Lは、センサーの長さの1/2が左側で覆われたことを意味する。
・3/4Lは、センサーの長さの3/4が左側で覆われたことを意味する。
・C(「中心」)は、標的物がセンサー100を完全に覆うことを意味する。
・3/4Rは、センサーの長さの3/4が右側で覆われたことを意味する。
・1/2Rは、センサーの長さの1/2が右側で覆われたことを意味する。
・1/4Rは、センサーの長さの1/4が右側で覆われたことを意味する。
【0046】
さらに、この関連する移動におけるm段階の各段階において、発明者は、参照標的物10をセンサー100から次第に、距離Zが0mm(接触状態)から100mm(無限距離に相当)まで、段階的に遠ざける。非限定的な例において任意に、発明者は、センサー100から標的物10を0mmから100mmまでn=38段階で動かした。
【0047】
そして、相対的な表面被覆(m段階)及び距離(n段階)の各段階に対して、発明者は、温度及び湿度を変化させる。発明者は、任意に、温度に関するo=4の種々の値(25℃、40℃、55℃及び70℃)と、湿度に関するp=3の種々の値(RH=50%、70%及び95%)とを組み合わせ、温度と湿度との組み合わせをo.p=4×3=12の組み合わせにした。
【0048】
前記4種の識別されたフェイズ(C1、CU1、C2及びCU2)に対応するすべての応答は、図4に示されたm=7の相対的な位置のそれぞれに対して記録され、n=38の各距離Zのそれぞれに対して記録され、かつ、o×p=12通りの温度と湿度との組み合わせのそれぞれに対して記録される。
【0049】
発明者は、前記4フェイズC1、CU1、C2及びCU2から3通りの代表的な組み合わせが導かれることを、究明した。
・その第1は、CU1=f(C1)である。
・その第2は、CU2=f(C2)である。
・その第3は、CU1=f(CU2)である。
【0050】
CU1=f(C1)(ピクセル1)とCU2=f(C2)(ピクセル2)とを考慮して(図5参照)、発明者は、センサー表面被覆量、距離、温度及び湿度にかかわらず、傾きα1=ΔCU1/ΔC1及びα2=ΔCU2/ΔC2は実質的に一定であることに気がついた。
【0051】
しかし、無限大に近づく距離に対する各曲線CU0の始点は、温度と湿度に追随し、すなわち、これらに依存する。
【0052】
前記4種のフェイズから温度(T℃)と湿度(RH%)との組:(T℃、RH%)=f(CU0)に関する情報が得られるので、発明者らのこの観察結果によって際立った特徴が導かれる。
【0053】
この特徴は、フェイズレシオCU1/C1=(C1B+C1G)/(C1U+C1B+C1G)によって説明することができる可能性がある。
【0054】
電極110と電極130との間に配置された、温度と湿度とに敏感な特定のコンデンサーを表している項C1U(電極支持体の誘電率の温度及び湿度への影響)が分母にさらに含まれている以外は、同じ項が分子と分母とに含まれている。
【0055】
CU2/C2=(C2B+C2G)/(C2U+C2B+C2G)であるから、前記特徴と同じ特徴がピクセル2にも当てはまる。
【0056】
ところで、CU2=f(CU1)(図6参照)を考慮して、発明者らは、以下の点に注目した。
・CU2とCU1とが成す角度αは、距離、温度及び湿度にかかわらず、参照標的物10によって覆われたセンサー100の表面を表す関数(ここで、解像度の段階はセンサー長さの1/4である。)である。
・曲線CU2及びCU1の始点Oは、わずかに温度と湿度とに影響されるが、発明者らはこのようなオフセットがCU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から得られる情報を用いることによって相殺される可能性があることを、究明した。
・図面CU2=f(CU1)における点Pの位置は、標的物10からセンサー100までの距離Zの関数である。
【0057】
CU2/CU1=(C2B+C2G)/(C1B+C1G)であるから、この特徴は、フェイズレシオCU2/CU1によって説明することができる可能性がある。
【0058】
標的物10がセンサー100の正面にない場合(距離=ほぼ無限大)には、同じ項がCU2/CU1の分子と分母とに含まれる。すなわち、C2G#C1G、C1B=C2B=0である。
【0059】
標的物10がセンサー100を部分的にカバーしている場合には、これらのコンデンサーは各画素電極110又は120をカバーする標的物10の表面に依存するから、C1BはC2Bと異なる。これらの2つのコンデンサーはピクセル110及びピクセル120を覆う不均衡な表面を測定する。
【0060】
発明者らは、これらの3つの顕著な特徴によって、
・温度及び湿度によるセンサードリフトを補償することができ、
・センサー100に対面している標的物によって覆われた表面を計算することができ、そして、
・センサー100と標的物との距離を算出することができる
ことを、見出した。
【0061】
より正確には、前記の確立された事実に基づいて、発明者らによって、2つの部分すなわち「準備」部分と「検出」部分とに分割された方法が提案される。これらの2つの部分を以下に詳細に説明する。
【0062】
1.準備部分
この準備部分は、3つの主要工程に分割され、これらの主要工程は、1)温度及び湿度参照表「LookTRH」の創出工程、2)角度(「LookAngle」)及び曲線Cu=f(C)における始点(OCU1、OCU2)(「LookOCU1」及び「LookOCU2」)に対応する3つの参照表の創出工程、及び、3)距離参照表(「Lookabs」)の創出工程である。
【0063】
11−工程1:温度及び湿度参照表「LookTRH」の創出工程
この参照表の目的は、温度及び湿度によるドリフトを補償するために、実際の容量測定と温度変数及び湿度変数とを一致させることにある。
【0064】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図7における工程1として説明される。
【0065】
2つの曲線:CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から、傾き:α1=ΔC1/ΔCU1、及び、α2=ΔC2/ΔCU2が算出される。
【0066】
その後、これらの2つの曲線における横座標との切片B1及びB2が計算される。
【0067】
・式 CU1=α1C1+β1 横座標 B1=β1/α1
・式 CU2=α2C2+β2 横座標 B2=β2/α2
【0068】
算出された2つの横座標の平均B=(B1+B2)/2を求める。
【0069】
次いで、温度と湿度との各o×p組に対して、B=(B1+B2)/2の参照表を図7に示されるように作成する。温度と湿度との組み合わせo×pによって、参照表「LookTRH」はもちろんo×pの入力(インプット)を有している。換言すると、「LookTRH」参照表の形態は、o×pに対して2、すなわち、各o×p入力それぞれに対する出力(アウトプット)Bになっている。
【0070】
もちろん、図7に示される特定の表は、単なる例であり、限定的に考えられるべきではない。
【0071】
12−工程2:角度及びOCU1、OCU2の参照表の創出工程(図8参照)
角度参照表の目的は、複数の温度変数及び湿度変数に対して、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせとセンサーを覆う標的物の表面量とを一致させることにある。
【0072】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図8について説明する。
【0073】
角度参照表「LookAngle」を構築するためには、温度湿度参照表「LookTRH」の温度と湿度との各組に対して、かつ、参照標的物10と図8bに示されたセンサー100との相対的な各m位置に対して、角度Δm=ΔCU2/ΔCU1が図8aに示された曲線CU2=f(CU1)から算出される。図8bには、参照標的物10の長さに対して1/4の長さずつ変化させたm=7の相対的な位置が示されている。温度と湿度との組み合わせo×p及び相対的な位置mによって、角度参照表「LookAngle」は、o×p×mの入力を有している。換言すると、「LookAngle」参照表の形態は、o×p×mに対して2、すなわち、各o×p×m入力それぞれに対する出力Δmになっている。実際には、このような参照表は、例えば、各m入力を有する、単純なo×p参照表に分割されていてもよい。
【0074】
もちろん、この発明においては、この特定の態様に限定されない。
【0075】
次いで、複数の温度変数及び湿度変数に対して、曲線CU1及びCU2における横座標の始点と縦座標の始点とを一致させることを目的として、発明者らは、「LookOCU1」及び「LookOCU2」の2つの参照表を作成することを計画する。
【0076】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図9について説明される。
【0077】
より正確には、発明者らは、a)m=C(T/RHにおける全てのo×p点)に対して直線CU2=f(CU1)を計算し追跡すること、b)T/RHにおける全てのo×p点に対する各mに対して直線を計算し追跡すること、及び、c)傾きCと、T/RHにおける全てのo×p点に対する他の全ての直線mとの交差点を算出することを、計画する。
【0078】
次いで、各T/RHインデックスに対して、曲線CU2=f(CU1)(図9参照)の横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2における点位置平均を、図9bに示されているように、いわゆる「LookOCU1」及び「LookOCU2」の2つの参照表に記録する。
【0079】
温度と湿度との組み合わせo×pによって、参照表「LookOCU1」及び「LookOCU2」はo×pの入力を有している。換言すると、「LookOCU1」及び「LookOCU2」参照表の形態は、o×pに対して2、すなわち、各o×p入力それぞれに対する「始点OCU1又はOCU2の平均値」になっている。
【0080】
13−工程3:距離参照表「Lookabs」の創出工程
この参照表の目的は、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせと容量センサーから標的物が離れている距離とを一致させることにある。
【0081】
この参照表は種々の過程を経て構築されることができる。このような過程のうちの特定の1つは、図10における工程3として説明される。
【0082】
この工程は、ピタゴラスの定理として知られる定理に基づく計算工程を必要とする。
【0083】
発明者らは、センサー100から標的物10が離れている距離を、特定の横座標始点OCU1(TRH)及び縦座標始点OCU2(TRH)で補正されたCU1値及びCU2値に関与する三角関数に基づいて、計算することを計画する。
【0084】
CU2=f(CU1)並びに前記参照表「LookTRH」、「LookAngle」、「LookOCU1」及び「LookOCU2」を考慮して、各表面位置m(図示された特定の場合にはm=1〜7)、始点OCU1及びOCU2を決定するT/RHの各組み合わせ(前記の場合には12組)、かつ、各距離(特定のかつ非限定的な場合には38通り)それぞれに対して、下記ABS値が算出される。
【0085】
【数1】
【0086】
このABS値は、標的物10とセンサー100との距離に一致する。
【0087】
ABSとして算出された値は、いわゆる「LookAbs」と称される参照表に記録される。
【0088】
温度と湿度との組み合わせo×p、相対的な移動におけるm工程、及び、距離におけるn工程によって、参照表「LookAbs」はo×p×m×nの入力を有している。換言すると、この参照表の形態は、o×p×m×nに対して2、すなわち、各o×p×m×n入力それぞれに対する出力ABSになっている。実際には、このような参照表は、例えば、各m×n入力を有する、単純なo×p参照表に分割されていてもよい。
【0089】
要約すると、準備部分によって、5つの参照表、すなわち、「LookTRH」、「LookAngle」、「LookOCU1」、「LookOCU2」及び「LookAbs」、並びに、2つの特徴的な変数、すなわち、α1及びα2(曲線CU1=f(C1)及び曲線CU2=f(C2)の傾き)が、得られる。
【0090】
これらの5つの参照表及び2つの特徴的な変数α1及びα2によって、センサー100を覆う標的物10の表面、及び、センサー100と標的物10とを離間する距離が、「検出部分」において「リアルタイム」で算出されることができる。
【0091】
2.検出部分
この検出部分は、4つの主要工程に分割され、これらの主要工程は、1)「LookTRH」用のインデックスポインターの算出工程、2)始点OCU1及びOCU2の算出工程、3)位置mの算出工程、及び、表面被覆に関する情報が得られる角度の算出工程、並びに、4)標的物10とセンサー100との距離の算出工程である。
【0092】
21−工程1:「LookTRH」用のインデックスポインターの算出工程
シグナルCU1、C1、CU2及びC2はリアルタイムでセンサー100に捕捉される。
【0093】
次いで、2つの関係式CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)、α1、α2、並びに、横座標の切片から、対応するインデックスポインター(B1+B2)/2が算出される。このインデックスを用いて(直接又は内挿法によって)、T/RH組み合せの情報が参照表「LookTRH」から選択される。
【0094】
22−工程2:始点OCU1及びOCU2の算出工程
前記T/RH組み合せの情報を用いて、曲線CU2=f(C2)における始点OCU1及びOCU2がそれぞれ参照表「LookOCU1」及び「LookOCU2」から(直接又は内挿法によって)選択される。
【0095】
23−工程3:位置mの算出工程、及び、表面被覆が得られる角度の算出工程
傾きa=(CU2−OCU2)/(CU1−OCU1)が計算され、算出された傾き及び前記工程1で得られたT/RH組み合せの情報から、位置を表す値が参照表「LookAngle」から選択される。この値は、センサー100の正面に位置する標的物10、例えば、乗員によって被覆された表面を表す値である。
【0096】
24−工程4:標的物10とセンサー100との距離の算出工程
【0097】
値Dは、下記式から算出される。
【0098】
【数2】
【0099】
次いで、この値D、並びに、前記工程1で得られたT/RH組み合せの情報、及び、前記工程3で得られた角度値に基づいて、推定距離が参照表「LookAbs」から(直接又は内挿法によって)選択される。
【0100】
要するに、CU1、C1、CU2及びC2のデータ収集から、この発明に係る方法によれば、センサー100の正面に位置する標的物10によって被覆された表面及び前記センサー100からの距離をそれぞれ計算し、決定することができる。
【0101】
この発明に係る完全な検出方法が図11に示されている。
【0102】
すべての温度及び湿度範囲において表面を変化させて、発明者らがこの方法を実行することによって得られた結果は、図12に示されている。図12において、X軸又は横軸は実際の表面に対応し、Y軸は推定表面(算出表面)に対応している。
【0103】
これらの結果に基づいて、1インチまで算出された距離が図13に示されている。
【0104】
図12及び図13には、この発明によれば、センサー100から標的物10が離れている距離とセンサー100を被覆している標的物10の表面との確実な決定法が提供されることが、示されている。
【0105】
特に、この発明によれば、温度及び湿度によって生じるドリフトを補償することができる。
【0106】
もちろん、この発明は、図のみに示された前記説明に限定されるものではない。この発明は、添付の特許請求の範囲に基づくいかなる変形例をも包含する。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1は、この発明に係る容量センサーの非限定的な態様を示す図である。
【図2】図2は、この発明に係る検出実施の初期工程において、前記容量センサーの電極にかける電位の例を示す図である。
【図3】図3は、この発明におけるセンサーシステムにおいて作用する容量分それぞれを概略的に示す図である。
【図4】図4は、この発明における準備部分において、センサーに対する参照標的物の段階的な移動を示す図である。
【図5】図5は、この発明において、センサーから発信された電気出力の相対的な漸進的変化を概略的に示す図であって、温度及び湿度を表す変数を測定するのに使用される図である。より正確には、図5aは曲線CU1=f(C1)を示す図であり、図5bは曲線CU2=f(C2)を示す図である。
【図6】図6は、この発明において、センサーから発信された他の電気出力の相対的な漸進的変化を概略的に示す図であって、センサーから標的物が離れている距離及び/又は前記標的物によって覆われたセンサーの表面量を測定するのに使用される図である。
【図7】図7は、温度変数及び湿度変数を考慮した参照表の構成を示す図であり、より正確には、図7aは曲線CU=f(C)を示す図であり、図7bは曲線の始点を定義する図であり、図7cは対応する参照表を示す図である。
【図8】図8は、センサーから発信された電気出力の相対的な漸進的変化がセンサーにおける参照標的物の相対的な位置に依存することを示す図であり、より正確には、図8aは曲線CU2=f(CU1)を示す図であり、図8bはセンサーに対する参照標的物の相対的な移動の順序を示す図である。
【図9】図9は、温度変数及び湿度変数に関する、曲線反応の初期オフセットを決定する参照表の構成を示す図であり、より正確には、図9aは曲線CU2=f(CU1)のいくつかの点を示す図であり、図9bは対応する参照表を示す図である。
【図10】図10は、容量センサーから発信された出力の組み合せに基づいて、センサーから標的物が離れている距離を測定することを示す図である。
【図11】図11は、この発明に係る完全な検出方法を概略的に示す図である。
【図12】図12は、標的物によって覆われたセンサーの表面量を測定することにおける、この発明の実績を示す図である。
【図13】図13は、センサーから標的物が離れている距離を測定することにおける、この発明の実績を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極(100、120、130)を含有する容量センサー(100)の出力を収集する工程と、前記出力を組み合わせ、前記センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を表すシグナルを得る工程とを有する、センサー(100)における標的物(10)の位置を測定する方法。
【請求項2】
前記センサー(100)の出力を組み合わせ、前記標的物(10)によって覆われた前記センサー(100)の表面量を決定する工程をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2つの安定した画素センサーを形成するために、検知区域の各領域を相補的にカバーする少なくとも2つの電極(110、120)を含有する容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
検出区域の各領域を相補的にカバー2つの主電極(110、120)、及び、前記相補的な領域の両方をカバーする第3の補助電極(130)の3つの電極を含有する容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の補助電極(130)が前記主電極(110、120)を包囲していることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
電気制御された直流磁界それぞれを電極(100、120、130)にかける工程と、次いで、電気的出力を発生させるために、前記直流磁界を遮断した後に、少なくとも1つの選択された電極(100、120、130)に蓄積された電気量を測定する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
以下の方法(Vfは直流電位に相当し、Gは地電位(0V)に相当する)を行うことによって得られる、容量センサー(100)の3つの電極(110、120、130)における連続測定による4種の組み合せを実施することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(1)・2つの主電極(110、120)にVfをかけ、補助電極(130)にGをかけ、
・主電極(110、120)からVfを除去し、補助電極(130)からGを除去し、
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、すべての電極(110、120、130)を高インピーダンス状態におき、
・第1の主電極(110)に捕獲された電気量を計算する。
(2)・すべての電極(110、120、130)にVfをかけ、
・電極(110、120、130)からVfを除去し、
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、すべての電極(110、120、130)を高インピーダンス状態におき、
・第1の主電極(110)に捕獲された電気量を計算する。
(3)・2つの主電極(110、120)にVfをかけ、補助電極(130)にGをかけ、
・主電極(110、120)からVfを除去し、補助電極(130)からGを除去し、
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、すべての電極(110、120、130)を高インピーダンス状態におき、
・第2の主電極(120)捕獲された電気量を計算する。
(4)・すべての電極(110、120、130)にVfをかけ、
・電極(110、120、130)からVfを除去し、
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、すべての電極(110、120、130)を高インピーダンス状態におき、
・第2の主電極(120)捕獲された電気量を計算する。
【請求項8】
前記容量センサー(100)から発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記センサー(100)から前記標的物(10)が離れている距離を表す値を参照表(Lookabs)から選択する工程を実施することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記容量センサー(100)から発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記標的物(10)で覆われた前記センサー(100)の表面量を表す値を参照表(LookAngle)から選択する工程を実施することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
複数の温度及び湿度に対する、前記センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を表す値及び/又は前記標的物(10)で覆われた前記センサー(100)の表面量を表す値が記載された参照表(Lookabs、LookAngle)を使用し、かつ、実際の温度及び湿度を表す前記容量センサー(100)から発せられた出力の組み合せに依存する出力値を前記参照表(Lookabs、LookAngle)から選択する工程を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
準備部分で作成した一組の参照表(LookTRH、LookAngle、LookOCU1、LookOCU2、Lookabs)を使用することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
温度及び湿度によるドリフトを補償するために、実際の容量測定と温度変数及び湿度変数とを一致させる参照表(LookTRH)を使用することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記参照表(LookTRH)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項12に記載の方法。
温度と湿度との各o×p組に対して、CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)の測定から、(B1+B2)/2=f(T,RH)が算出され、記録される工程
式 CU1=α1C1+β1 B1=β1/α1
式 CU2=α2C2+β2 B2=β2/α2
【請求項14】
前記参照表(LookTRH)は、o×p入力(B)と、温度値o及び湿度値pの組み合わせからなるo×p対とが対応していることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
複数の温度変数及び湿度変数に対して、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせとセンサー(100)を覆う標的物の表面量とを一致させる参照表(LookAngle)を使用することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記参照表(LookAngle)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項15に記載の方法。
温度と湿度との各組に対して、かつ、段階的に変化する標的物(10)とセンサー(100)との相対的に重ね合わされた複数のm位置それぞれに対して、曲線CU2=f(CU1)から角度Δm=ΔCU2/ΔCU1が算出され、記録される工程
【請求項17】
前記相対的に重ね合わされた位置は、センサー長さの1/x、特に1/4に相当する段階ごとに変化することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記参照表(LookAngle)は、o×p入力(B)と、温度値o、湿度値p及び重ね合わされた位置値mのo×p×mの入力とが対応していることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
複数の温度変数及び湿度変数に対して、曲線(CU1及びCU2)における横座標の始点と縦座標の始点とを一致させる2つの参照表(LookOCU1及びLookOCU2)を使用することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記2つの参照表(LookOCU1及びLookOCU2)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項19に記載の方法。
複数の温度と湿度との組み合わせ(T/RH)に対して、曲線CU2=f(CU1)における横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2における点位置平均が算出され、記録される工程
【請求項21】
前記2つの参照表(LookOCU1及びLookOCU2)は、温度値o及び湿度値pの組み合わせからなる対と、始点値に相当するo×p出力とが対応していることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
複数の温度変数及び湿度変数に対して、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせと容量センサー(100)から標的物(10)が離れている距離とを一致させる参照表(Lookabs)を使用することを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記参照表(Lookabs)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項22に記載の方法。
センサー100から標的物10が離れている距離が、特定の横座標始点OCU1(TRH)及び縦座標始点OCU2(TRH)で補正されたCU1値及びCU2値に関与する三角関数に基づいて、計算され、記録される工程
【請求項24】
前記参照表(Lookabs)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項22又は23に記載の方法。
センサー100から標的物10が離れている距離が、下記関係式に基づいて、計算され、記録される工程
【数1】
前記関係式において、CU1n及びCU2nは、重ね合わされた相対的な複数の表面位置mそれぞれに対し、温度と湿度との組み合わせ(T/RH)からなる複数のo×p対それぞれに対し、かつ、標的物(10)とセンサー(100)とが離れている複数の距離nそれぞれに対する、測定値であり、OCU1(TRH)及びOCU2(TRH)は測定値曲線における横座標始点及び縦座標始点である。
【請求項25】
前記参照表(Lookabs)は、温度値o、湿度値p、重ね合わされた位置値m及び相対的な距離nに相当する入力から算出されたo×p×m×nと、算出された距離値に相当するo×p×m×n出力とが対応していることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
以下の工程によって、標的物(10)で覆われた容量センサー(100)の表面を決定する工程を含有する検出部分を実行することを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
・傾きを示す2つの特徴的な変数α1及びα2を有する曲線CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から、横座標の切片が算出され、次いで、平均インデックス(B1+B2)/2が算出される工程、
・この平均インデックスに基づいて参照表「LookTRH」から温度変数と湿度変数とに相当するT/RH値が選択される工程
・このT/RH値を用いて、曲線CU2=f(C2)における横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2が参照表(LookOCU1及びLookOCU2)から選択される工程
・傾きa=(CU2−OCU2)/(CU1−OCU1)に基づいて、曲線CU1=f(CU2)から点位置が計算される工程
・算出値に基づいて、参照表(LookAngle)からセンサー(100)の正面に位置する表面被覆値が選択される工程
【請求項27】
算出値に基づいて、参照表(LookAngle)からセンサー(100)の正面に位置する表面被覆値が選択される前記最終工程は、参照表(LookAngle)用の入力として温度及び湿度を示す変数を使用することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
以下の工程によって、標的物(10)と容量センサー(100)とが離れている距離を決定する工程を含有する検出部分を実行することを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
・測定された曲線CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)、これら曲線の傾きに対応する2つの特徴的な変数α1及びα2から、横座標の切片が算出され、次いで、平均インデックス(B1+B2)/2が算出される工程、
・この平均インデックスに基づいて参照表「LookTRH」から温度変数と湿度変数とに相当するT/RH値が選択される工程
・このT/RH値を用いて、曲線CU2=f(C2)における横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2が参照表(LookOCU1及びLookOCU2)から選択される工程
・測定値と共に曲線CU1=f(CU2)の横座標始点(OCU1)及び縦座標始点(OCU2)を含む以下の三角関数Dに基づいて、距離変数が計算される工程
【数2】
・参照表(LookAngle)から算出値Dに基づいて、センサー(100)から標的物(10)が離れている距離値が選択される工程
【請求項29】
参照表(LookAngle)から前記算出値Dに基づいて、距離値が選択される前記最終工程は、参照表(Lookabs)用の入力として温度及び湿度を示す変数を使用することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
参照表(LookAngle)から算出値Dに基づいて、距離値が選択される前記最終工程は、参照表(Lookabs)用の入力として、参照表(LookAngle)からセンサー(100)の正面に位置する標的物(10)の表面被覆量を示す変数を使用することを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
複数の電極(100、120、130)を含有する容量センサー(100)の出力を収集する手段と、前記出力を組み合わせ、前記センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を表すシグナルを得る手段とを有することを特徴とする、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法を実行し、センサー(100)における標的物(10)の位置を測定するシステム。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれか1項に従って前記方法を実行する手段を有する自動車シート。
【請求項1】
複数の電極(100、120、130)を含有する容量センサー(100)の出力を収集する工程と、前記出力を組み合わせ、前記センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を表すシグナルを得る工程とを有する、センサー(100)における標的物(10)の位置を測定する方法。
【請求項2】
前記センサー(100)の出力を組み合わせ、前記標的物(10)によって覆われた前記センサー(100)の表面量を決定する工程をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
2つの安定した画素センサーを形成するために、検知区域の各領域を相補的にカバーする少なくとも2つの電極(110、120)を含有する容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
検出区域の各領域を相補的にカバー2つの主電極(110、120)、及び、前記相補的な領域の両方をカバーする第3の補助電極(130)の3つの電極を含有する容量センサー(100)を使用することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記第3の補助電極(130)が前記主電極(110、120)を包囲していることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
電気制御された直流磁界それぞれを電極(100、120、130)にかける工程と、次いで、電気的出力を発生させるために、前記直流磁界を遮断した後に、少なくとも1つの選択された電極(100、120、130)に蓄積された電気量を測定する工程とを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
以下の方法(Vfは直流電位に相当し、Gは地電位(0V)に相当する)を行うことによって得られる、容量センサー(100)の3つの電極(110、120、130)における連続測定による4種の組み合せを実施することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(1)・2つの主電極(110、120)にVfをかけ、補助電極(130)にGをかけ、
・主電極(110、120)からVfを除去し、補助電極(130)からGを除去し、
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、すべての電極(110、120、130)を高インピーダンス状態におき、
・第1の主電極(110)に捕獲された電気量を計算する。
(2)・すべての電極(110、120、130)にVfをかけ、
・電極(110、120、130)からVfを除去し、
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、すべての電極(110、120、130)を高インピーダンス状態におき、
・第1の主電極(110)に捕獲された電気量を計算する。
(3)・2つの主電極(110、120)にVfをかけ、補助電極(130)にGをかけ、
・主電極(110、120)からVfを除去し、補助電極(130)からGを除去し、
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、すべての電極(110、120、130)を高インピーダンス状態におき、
・第2の主電極(120)捕獲された電気量を計算する。
(4)・すべての電極(110、120、130)にVfをかけ、
・電極(110、120、130)からVfを除去し、
・電極に捕獲されたすべての電気量を保持するために、すべての電極(110、120、130)を高インピーダンス状態におき、
・第2の主電極(120)捕獲された電気量を計算する。
【請求項8】
前記容量センサー(100)から発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記センサー(100)から前記標的物(10)が離れている距離を表す値を参照表(Lookabs)から選択する工程を実施することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記容量センサー(100)から発せられた出力の組み合せを入力として使用して、前記標的物(10)で覆われた前記センサー(100)の表面量を表す値を参照表(LookAngle)から選択する工程を実施することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
複数の温度及び湿度に対する、前記センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を表す値及び/又は前記標的物(10)で覆われた前記センサー(100)の表面量を表す値が記載された参照表(Lookabs、LookAngle)を使用し、かつ、実際の温度及び湿度を表す前記容量センサー(100)から発せられた出力の組み合せに依存する出力値を前記参照表(Lookabs、LookAngle)から選択する工程を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
準備部分で作成した一組の参照表(LookTRH、LookAngle、LookOCU1、LookOCU2、Lookabs)を使用することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
温度及び湿度によるドリフトを補償するために、実際の容量測定と温度変数及び湿度変数とを一致させる参照表(LookTRH)を使用することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記参照表(LookTRH)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項12に記載の方法。
温度と湿度との各o×p組に対して、CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)の測定から、(B1+B2)/2=f(T,RH)が算出され、記録される工程
式 CU1=α1C1+β1 B1=β1/α1
式 CU2=α2C2+β2 B2=β2/α2
【請求項14】
前記参照表(LookTRH)は、o×p入力(B)と、温度値o及び湿度値pの組み合わせからなるo×p対とが対応していることを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
複数の温度変数及び湿度変数に対して、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせとセンサー(100)を覆う標的物の表面量とを一致させる参照表(LookAngle)を使用することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記参照表(LookAngle)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項15に記載の方法。
温度と湿度との各組に対して、かつ、段階的に変化する標的物(10)とセンサー(100)との相対的に重ね合わされた複数のm位置それぞれに対して、曲線CU2=f(CU1)から角度Δm=ΔCU2/ΔCU1が算出され、記録される工程
【請求項17】
前記相対的に重ね合わされた位置は、センサー長さの1/x、特に1/4に相当する段階ごとに変化することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記参照表(LookAngle)は、o×p入力(B)と、温度値o、湿度値p及び重ね合わされた位置値mのo×p×mの入力とが対応していることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
複数の温度変数及び湿度変数に対して、曲線(CU1及びCU2)における横座標の始点と縦座標の始点とを一致させる2つの参照表(LookOCU1及びLookOCU2)を使用することを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記2つの参照表(LookOCU1及びLookOCU2)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項19に記載の方法。
複数の温度と湿度との組み合わせ(T/RH)に対して、曲線CU2=f(CU1)における横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2における点位置平均が算出され、記録される工程
【請求項21】
前記2つの参照表(LookOCU1及びLookOCU2)は、温度値o及び湿度値pの組み合わせからなる対と、始点値に相当するo×p出力とが対応していることを特徴とする請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
複数の温度変数及び湿度変数に対して、実際の容量測定又は実際の容量測定の組み合わせと容量センサー(100)から標的物(10)が離れている距離とを一致させる参照表(Lookabs)を使用することを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記参照表(Lookabs)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項22に記載の方法。
センサー100から標的物10が離れている距離が、特定の横座標始点OCU1(TRH)及び縦座標始点OCU2(TRH)で補正されたCU1値及びCU2値に関与する三角関数に基づいて、計算され、記録される工程
【請求項24】
前記参照表(Lookabs)は以下の工程に基づいて作成されたことを特徴とする請求項22又は23に記載の方法。
センサー100から標的物10が離れている距離が、下記関係式に基づいて、計算され、記録される工程
【数1】
前記関係式において、CU1n及びCU2nは、重ね合わされた相対的な複数の表面位置mそれぞれに対し、温度と湿度との組み合わせ(T/RH)からなる複数のo×p対それぞれに対し、かつ、標的物(10)とセンサー(100)とが離れている複数の距離nそれぞれに対する、測定値であり、OCU1(TRH)及びOCU2(TRH)は測定値曲線における横座標始点及び縦座標始点である。
【請求項25】
前記参照表(Lookabs)は、温度値o、湿度値p、重ね合わされた位置値m及び相対的な距離nに相当する入力から算出されたo×p×m×nと、算出された距離値に相当するo×p×m×n出力とが対応していることを特徴とする請求項22〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
以下の工程によって、標的物(10)で覆われた容量センサー(100)の表面を決定する工程を含有する検出部分を実行することを特徴とする請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
・傾きを示す2つの特徴的な変数α1及びα2を有する曲線CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)から、横座標の切片が算出され、次いで、平均インデックス(B1+B2)/2が算出される工程、
・この平均インデックスに基づいて参照表「LookTRH」から温度変数と湿度変数とに相当するT/RH値が選択される工程
・このT/RH値を用いて、曲線CU2=f(C2)における横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2が参照表(LookOCU1及びLookOCU2)から選択される工程
・傾きa=(CU2−OCU2)/(CU1−OCU1)に基づいて、曲線CU1=f(CU2)から点位置が計算される工程
・算出値に基づいて、参照表(LookAngle)からセンサー(100)の正面に位置する表面被覆値が選択される工程
【請求項27】
算出値に基づいて、参照表(LookAngle)からセンサー(100)の正面に位置する表面被覆値が選択される前記最終工程は、参照表(LookAngle)用の入力として温度及び湿度を示す変数を使用することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
以下の工程によって、標的物(10)と容量センサー(100)とが離れている距離を決定する工程を含有する検出部分を実行することを特徴とする請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
・測定された曲線CU1=f(C1)及びCU2=f(C2)、これら曲線の傾きに対応する2つの特徴的な変数α1及びα2から、横座標の切片が算出され、次いで、平均インデックス(B1+B2)/2が算出される工程、
・この平均インデックスに基づいて参照表「LookTRH」から温度変数と湿度変数とに相当するT/RH値が選択される工程
・このT/RH値を用いて、曲線CU2=f(C2)における横座標始点OCU1及び縦座標始点OCU2が参照表(LookOCU1及びLookOCU2)から選択される工程
・測定値と共に曲線CU1=f(CU2)の横座標始点(OCU1)及び縦座標始点(OCU2)を含む以下の三角関数Dに基づいて、距離変数が計算される工程
【数2】
・参照表(LookAngle)から算出値Dに基づいて、センサー(100)から標的物(10)が離れている距離値が選択される工程
【請求項29】
参照表(LookAngle)から前記算出値Dに基づいて、距離値が選択される前記最終工程は、参照表(Lookabs)用の入力として温度及び湿度を示す変数を使用することを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
参照表(LookAngle)から算出値Dに基づいて、距離値が選択される前記最終工程は、参照表(Lookabs)用の入力として、参照表(LookAngle)からセンサー(100)の正面に位置する標的物(10)の表面被覆量を示す変数を使用することを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
複数の電極(100、120、130)を含有する容量センサー(100)の出力を収集する手段と、前記出力を組み合わせ、前記センサー(100)から標的物(10)が離れている距離を表すシグナルを得る手段とを有することを特徴とする、請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法を実行し、センサー(100)における標的物(10)の位置を測定するシステム。
【請求項32】
請求項1〜31のいずれか1項に従って前記方法を実行する手段を有する自動車シート。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−309939(P2007−309939A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−131527(P2007−131527)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(507161927)ヒタチ コンピューター プロダクツ(ヨーロッパ)エス.アー.エス. (3)
【氏名又は名称原語表記】HITACHI COMPUTER PRODUCTS(EUROPE)S.A.S.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−131527(P2007−131527)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(507161927)ヒタチ コンピューター プロダクツ(ヨーロッパ)エス.アー.エス. (3)
【氏名又は名称原語表記】HITACHI COMPUTER PRODUCTS(EUROPE)S.A.S.
【Fターム(参考)】
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