説明

センサ装置

【課題】装置本体の前方から見た断面が小さくて小型化が可能で、センサ装置単体で取り扱い易く汎用性の高いセンサ装置を提供することにある。
【解決手段】装置本体4は、有底の円筒状のボディ1とボディ1の開口側に設けた広径部1a内に嵌着するカバー3とで構成される。ボディ1内に内装される回路基板4は、一端人体検知センサ6をその受光部が一端部の端面に対して外向きで且つ垂直方向となるように一端部に実装し、カバー3の窓孔3aより人体検知センサ6の受光部を外部に露出させている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器等に組み込んだり併設するセンサ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、人体検知センサ等によって制御を行う機器(例えば特許文献1)が提供されているが、このような機器に用いるセンサ装置は、図6(a),(b)に示すように機器に組み込むセンサ、例えば人体検知センサ20と、この人体検知センサ20の検知信号を所定の信号に処理するためのロジック回路や、タイマ部からなる信号処理部や、更に電源部等を実装した回路基板21を機器に対応して設計製造し、図示するように固定用ねじ22等で回路基板21を機器の取り付け板23に取り付け、回路基板21側の人体検知センサ20の受光部を取り付け板23側に設けた窓孔23aより露出させる等、それぞれの機器に対応させた取り付け方法で取り付けるセンサ装置を用いるのが一般的である。
【特許文献1】特開平6−243355号公報(段落番号0013、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような機器に夫々対応させるセンサ装置では、機器が少量生産でもセンサ素子の信号処理と最終的には機器として必要な信号処理とを行う回路を設計した上で、実装する回路基板を製造する必要があった。
【0004】
そのため機器に対応させた付随する構成を含めざるを得なくなり、大型化する上に取り付けのためのスペースを確保しなければならないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みて為されたもので、その目的とするところは装置本体の前方から見た断面が小さくて小型化が可能で、センサ装置単体で取り扱い易く汎用性の高いセンサ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明では、端面に対して垂直方向で且つ受光部が基板外に位置するように一端部に人体検知センサを実装した回路基板と、該回路基板の収納して一端部より前記人体検知センサの受光部を外部に露出させた筒状の装置本体とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、装置本体の前方から見たときの断面を小さく、小型化が可能で、装置単体で取り扱い易くなり、汎用性の高いセンサ装置を実現することが可能となる。
【0008】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記回路基板は基板上に実装している信号処理部や電源部に接続された外部接続端子を他端から基板外へ突出するように設け、前記装置本体は外部接続端子を他端部より外部に突出させていることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、装置本体を前方から見た断面内に外部接続端子を配置することが可能となって大型化せず、しかも機器等に組み込む場合に機器側として必要な回路との間の結線が外部接続端子により簡単に行え、そのため各種機器に使用可能な汎用で且つ小型なセンサ装置を実現できる。
【0010】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記装置本体は一端部付近の外周にフランジ部を突出形成するとともに、該フランジ部近傍で且つ他端部側の外周面に取り付け用ナットを螺合させるねじ部を形成していることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明によれば、取り付け対象のパネルに設けた取り付け孔に装置本体を通し、フランジ部とねじ部に螺合させた取り付け用ナットでパネルを挟持させるだけで、パネルへの取り付けが容易に行えることになり、しかもパネルへの取り付けのためのスペースも小さくて済む。
【0012】
請求項4の発明では、請求項1乃至3の何れかの発明において、前記人体検知センサの受光部の一部を少なくとも覆うように前記受光部の前方に配置される熱線遮蔽用の遮蔽カバーを前記装置本体に具備していることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明によれば装置本体を大型化することなく、検知設定エリアを設定する機能を持つセンサ装置を実現できる。
【0014】
請求項5の発明では、請求項1乃至4の何れかの発明において、前記回路基板に動作表示用発光素子と照度センサとを実装し、前記人体検知センサの受光方向と同じ方向で外光を一端で受光するように前記装置本体の一端部側に一端を配置し、他端を前記照度センサの受光面に対向させて一端で受光した光を他端側へ導光させる導光体と、一端を動作表示用発光素子の発光面に対向させ、他端を装置本体の一端部に配置して一端で受光した動作表示用発光素子の光を他端側へ導光させる別の導光体とを備えていることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明によれば、装置本体を大型化することなく、人体検知センサと同じ方向から受光する照度センサを備えた複合型センサ装置を実現でき、しかも動作状態表示を装置本体の前方から視認できる動作表示機能も装置本体を大型化することなく備えることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、装置本体の前方から見たときの断面を小さくすることができ、装置単体で取り扱い易い小型なセンサ装置を実現することが可能となるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下本発明を実施形態により説明する。
(実施形態1)
本実施形態は図1(a)〜図1(c)に示すように有底の円筒状のボディ1とボディ1の開口側に設けた広径部1a内に嵌着するカバー3とで装置本体2を構成しており、ボディ1内には回路基板4が内装される。
【0018】
回路基板4は、一端部に焦電素子等により構成される人体検知センサ6をその受光部が外向きで基板外へ突出し且つ一端部の端面に対して垂直方向となるように実装し、基板面上には人体検知センサ6の検知信号を処理する信号処理部(図示せず)、タイマ部(図示せず)、これら人体検知センサ6やタイマ部を含む信号処理部に動作電源を供給する電源部(図示せず)を構成する電子チップや可変抵抗器等の回路素子7を実装し、更に他端部には信号処理部や電源部に接続された電源用、出力用、グランド(共通)用の各外部出力端子5を基板外へ突出するように実装してある。
【0019】
尚、本実施形態では外部出力端子5を3個実装しているが、信号処理部等の構成によっては2個又は4個以上としても良いことは勿論である。
【0020】
而して上述のように構成した回路基板4は各外部出力端子5をボディ1の底部に形成した夫々に対応する挿入孔8より外部に突出させるとともに他端部をボディ1の底部に載せ、垂立される形でボディ1内に収納される。
【0021】
この収納配置によって回路基板4の一端部側の人体検知センサ6はボディ1の広径部1a内に配置され、人体検知センサ6の受光部が開口部からボディ1の外部に臨むことになる。ここでボディ1の広径部1a内にカバー3を嵌めて開口部に被着させると、カバー3の窓孔3aより人体検知センサ6の受光部が外部に露出し、前方からの熱線Xを検知することができることになる。
【0022】
尚ボディ1の広径部1aの外径をカバー3の外径より小さくしておき、ボディ1の広径部1aの外にカバー3を嵌めるように構成しても良い。
【0023】
以上のように構成された本実施形態のセンサ装置では、人体検知センサ6を回路基板4の端面に対して垂直方向に実装する構成とすることで、人体検知センサ6の前面方向から見た装置本体2の断面を小さくし、装置全体の小型化を図り、また取り付け部位のスペースが小さくなるようにしている。
【0024】
またユーザーはボディ1の底部より突出してる電源用、出力用、グランド用の各外部接続端子5と機器側回路部との間で結線するだけで、センサ装置を使用することができることになる。
【0025】
尚外部接続端子5をコネクタ接続する端子形状とすれば、該外部接続端子5への結線も容易に行える。
【0026】
(実施形態2)
本実施形態は制御盤などのパネルに簡単に取り付けるために、図2(a)に示すように広径部1aの後端部近辺で該後端部より後方、つまりボディ1の他端部側の外周面に雄ねじ部1bを形成したものである。尚その他の構成は実施形態1と同じであるので、同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0027】
而して本実施形態のセンサ装置を制御盤などの取り付ける場合には、図2(b)に示すように取り付け用のパネル9に穿孔したボディ1の外径よりやや大きな内径を有する取り付け孔6aに対して装置本体2のボディ1をパネル9の前面側から広径部1aの後端部により構成されるフランジ部がパネル9の前面に当たる位置まで挿入し、パネル9の後面側に突出したボディ1に対して図3(a)(又は(b))に示す周り止めワッシャ9を被挿した状態で雄ねじ部1bに対して取り付け用ナット11を螺合締結する。これによりボディ1の広径部1aの後部からなるフランジ部とナット11とがワッシャ9を介してパネル9を挟み込み、図2(c)に示すように装置本体1をパネル9に取り付けることができるのである。
【0028】
以上の本実施形態では制御盤などのパネル9に、ボディ1側の雄ねじ部1bとワッシャ10,ナット11とで簡単に取り付けることができる。また取り付けた状態で人体検知センサ5の受光面が外部に飛び出す形となり、検知方向の位置合わせも容易に行えることになる。
【0029】
尚ボディ1の広経部1aの外にカバー3を嵌めた構成による場合にはカバー3のが異種にねじ部を構成すれば良い。また広径部1a(カバー3)とナット11に形成するねじ部は、広径部1a(カバー3)が雌ねじで、ナット11が雄ねじでも良いことは勿論である。
【0030】
(実施形態3)
本実施形態は図4(a)、(b)に示すようにカバー3の窓孔3aより前方に露出する人体検知センサ5の受光部の一部を覆って人体からの熱線を一部遮蔽し、図4(c)に示すように検知可能エリアAを設定する略半球状の遮蔽カバー12を具備したものである、この遮蔽カバー12は例えばカバー3に回転自在に設け、遮蔽カバー12を回転させて検知可能エリアAを自在に設定できるようにしてある。勿論カバー3に対して一体にカバー3ごと回転させることで検知可能エリアAを設定する構成としても良い。
【0031】
尚その他の構成は実施形態1と同じであるので、一部省略し、同じ構成要素には同じ符号を付す。
【0032】
而して本実施形態のセンサ装置によれば、生産設備に取り付けて使用するような場合、設備機器の熱源からの熱線による誤動作を防ぐように検知可能エリアAを遮蔽カバー12で設定することが可能となる。
【0033】
図示した実施形態では実施形態1の雄ねじ部なしのボディ1に対応させたものであるが、実施形態2のボディ1に対応させることができるのは勿論である。
(実施形態4)
本実施形態は人体検知センサ5以外に図5(b)に示すように照度センサ(明るさ検知センサ)13及び動作表示用発光素子たる発光ダイオード14を備えたものである。つまり図5(b)に示すように人体検知センサ5の実装位置より後方の基板面の一方側に照度センサ13のチップをその受光面が基板面に対して外向きで垂直となるように実装し、またその反対側の基板面には発光ダイオード14のチップをその発光面が基板面に対して外向きで垂直となる実装し、またカバー3を光透過性、つまり透明な樹脂成形品により形成して、カバー3外からの光が照度センサ13で受光できるように一端面をカバー3の裏面に当接し、他端面を照度センサ13の受光面に対向当接させた導光体15aと、一端面を動作表示用発光ダイオード14の発光面に対向当接し、他端面をカバー3の裏面に当接させた導光体15bとを夫々具備している。尚導光体15a,15bの一端が当接するカバー3の裏面の位置は人体検知センサ5を露出させる窓孔3aの両側(図では上下側)としている。
【0034】
尚その他の構造は実施形態1〜3の何れでも良いので特にここでは図示していない。
【0035】
而して本実施形態では設置場所の外光はカバー3を透過して導光体15aの一端面に入射して導光体15a内を他端面側に導光され、更にこの他端面から出射して照度センサ13の受光面に入射されることになる。これにより照度センサ13は外光を受光して設置場所での照度を検知することができることになる。
【0036】
また動作表示用発光ダイオード14から出た光は導光体15bの一端面に入射して導光体15b内を他端面側に導光されて他端面より出射される。この出射した光はカバー3を透過して装置本体2の前方から視認できることになる。これによりユーザーはセンサ装置が動作中であるか否かを知ることができる。
【0037】
以上のように本実施形態では人体検知センサ5の熱線の受光方向と同じ受光方向を持つ照度センサ13を具備した複合型センサ装置を実現でき、また動作状態を示す発光ダイオード14の光をカバー3の前方から視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】実施形態1を示すものであって、(a)は分解斜視図、(b)は断面図、(c)は側面図である。
【図2】実施形態2を示すものであって、(a)は側面図、(b)はパネルへの取り付け説明図、(c)はパネルへ取り付けた状態の一部省略した側面図である。
【図3】(a)、(b)は夫々実施形態2に用いるワッシャの斜視図である。
【図4】実施形態3を示すものであって、(a)は正面図、(b)は一部省略せる側面図、(c)は検知エリアの説明図である。
【図5】実施形態4を示すものであって、(a)はカバーの正面図、(b)は一部省略せせる要部の断面図である。
【図6】従来例のパネルへの取り付け状態を示すものであって、(a)は一部省略せる正面図、(b)は一部省略せる断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ボディ
2 装置本体
3 カバー
3a 窓孔
4 回路基板
5 外部接続端子
6 人体検知センサ
7 回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端面に対して垂直方向で且つ受光部が基板外に位置するように一端部に人体検知センサを実装した回路基板と、該回路基板を収納して一端部より前記人体検知センサの受光部を外部に露出させた筒状の装置本体とを備えていることを特徴とするセンサ装置。
【請求項2】
前記回路基板は基板上に実装している信号処理部や電源部に接続された外部接続端子を他端から基板外へ突出するように設け、前記装置本体は外部接続端子を他端部より外部に突出させていることを特徴とする請求項1記載のセンサ装置。
【請求項3】
前記装置本体は一端部付近の外周にフランジ部を突出形成するとともに、該フランジ部近傍で且つ他端部側の外周面に取り付け用ナットを螺合させるねじ部を形成していることを特徴とする請求項1又は2記載のセンサ装置。
【請求項4】
前記人体検知センサの受光部の一部を少なくとも覆うように前記受光部の前方に配置される熱線遮蔽用の遮蔽カバーを前記装置本体に具備していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載の記載のセンサ装置。
【請求項5】
前記回路基板に動作表示用発光素子と照度センサとを実装し、前記人体検知センサの受光方向と同じ方向で外光を一端で受光するように前記装置本体の一端部側に一端を配置し、他端を前記照度センサの受光面に対向させて一端で受光した光を他端側へ導光させる導光体と、一端を動作表示用発光素子の発光面に対向させ、他端を装置本体の一端部に配置して一端で受光した動作表示用発光素子の光を他端側へ導光させる別の導光体とを備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか記載のセンサ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−133130(P2006−133130A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−323956(P2004−323956)
【出願日】平成16年11月8日(2004.11.8)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】