説明

ゼオライト膜洗浄装置

【課題】ゼオライト膜素体の全面を洗浄すると共に複数のゼオライト膜素体を連続洗浄する。
【解決手段】ゼオライト膜素体6を回転自在に支持するチェーンコロ1aと、このチェーンコロ1aを所要の間隔で取り付けて複数のゼオライト膜素体6を移送可能な移送体1と、この移送体1によって移送されるゼオライト膜素体6を前記移送方向と交差する方向の両側から挟んで洗浄可能な位置に設けた回転ブラシ2と、を備えた洗浄装置Wである。
【効果】チェーンコロ1a上にセットされたゼオライト膜素体6が一組の回転ブラシ2の間を順次移送される間に洗浄するので、複数のゼオライト膜素体6を連続洗浄できる。また、ゼオライト膜素体6を支持するチェーンコロ1aが自由回転するので、回転ブラシ2の回転によってゼオライト膜素体6も回転し、ゼオライト膜素体6の全面を洗浄できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゼオライト膜素体の外表面に付着した未反応物質などの付着物を洗浄する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゼオライト結晶は、結晶中に分子サイズ程度の細孔を有しており、この細孔のサイズや形状によって他の分子を選択的に通過させる分子ふるいの性質を有している。ゼオライトは、この分子ふるいの性質を利用して、ガス分離膜、逆気化分離、逆浸透分離、ガスセンサーなどの分野に応用されている。とりわけ、水とエタノール等の有機物が含まれる混合液から水のみを脱水し高純度の有機物を得る分離膜としての用途が注目されている。
【0003】
ゼオライトを分離膜として利用する場合、ゼオライト膜自体には十分な機械的強度がないため、多孔質のセラミックス等からなる管状の支持体の表面にゼオライトの結晶を薄膜状に析出させ、ゼオライト膜を支持させた状態とする。このようなゼオライト膜素体を製造する方法としては、セラミックスなどの管状の支持体の表面にゼオライトの種結晶を付着させ、これをシリカ源とアルミナ源からなる原料溶液を混合した反応液に浸漬し、反応液を攪拌しながら水熱合成することにより支持体の表面にゼオライト膜を形成する水熱合成法が知られている(例えば特許文献1)。
【0004】
この水熱合成法では、反応液に浸漬させてゼオライト膜を形成した直後のゼオライト膜素体の外表面には、未反応物質、ゼオライト粒子などが付着している。この付着物は、ゼオライト膜の分離性能を低下させる原因となるため、ゼオライト膜形成後に洗浄して取り除いておく必要がある。
【0005】
そこで、従来は、ブラシ支持体とブラシ毛を有する回転ブラシを回転させ、ブラシ毛をゼオライト膜素体に接触させてその接触箇所に洗浄水を供給するとともに、回転ブラシとゼオライト膜素体との接触箇所を次々と変えることによりゼオライト膜素体を洗浄する洗浄装置を使用し、ゼオライト膜の形成後にその外表面に付着している付着物の洗浄を行っていた(例えば特許文献2)。また、作業者が流水と洗浄ブラシを使用して、人手によるブラッシングをする場合もあった。
【0006】
しかしながら、従来の洗浄装置は、ゼオライト膜素体を1本ずつ洗浄するものであったため、大量に生産されたゼオライト膜素体を連続的に洗浄することが出来ないという問題があった。
【0007】
また、特許文献2には、4つの回転ブラシに囲まれる位置にゼオライト膜素体を挿入して洗浄する構成が開示されているが、この構成によっても角の部分は洗い残しとなる可能性があった。そのため、この従来の洗浄装置では、ゼオライト膜素体の全面を確実に洗浄するためには、ゼオライト膜素体を上下に昇降させる機構を設けるだけでは不十分で、ゼオライト膜素体を長手方向の中心軸線を中心として回転させる機構をさらに設ける必要があり、コストアップとなっていた。
【0008】
一方、人手によるブラッシングに関しても、ゼオライト膜素体全面をブラシ洗浄するには、作業中にゼオライト膜素体を回転させて向きを変えなければならず、手間がかかっていた。また、そもそも人手によるブラッシングでは、ゼオライト膜素体1本あたりの洗浄時間が長くなり、作業性に劣るという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−57784号公報
【特許文献2】特開2007−91507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする問題点は、従来の洗浄装置では、ゼオライト膜素体を1本ずつ洗浄しなければならず、連続洗浄ができなかったという点である。また、従来は、ゼオライト膜素体の全面を洗浄するには、ゼオライト膜素体自体を回転させる機構を設けたり、ゼオライト膜素体の向きを変えてブラシ洗浄する必要があったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、本発明のゼオライト膜洗浄装置は、
ゼオライト膜素体の表面を洗浄する装置であって、前記ゼオライト膜素体を回転自在に支持するチェーンコロと、前記チェーンコロを所要の間隔で取り付けて複数の前記ゼオライト膜素体を移送可能な移送体と、前記移送体によって移送される前記ゼオライト膜素体を前記移送方向と交差する方向の両側から挟んで洗浄可能な位置に設けた回転ブラシとを備えたことを最も主要な特徴としている。
なお、「前記移送方向と交差する方向」の一例として、ゼオライト膜素体の移送方向と直交する方向があるが、以下、本明細書においては、ゼオライト膜素体の移送方向と直交する方向を「上下方向」という。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、チェーンコロ上に夫々横置きした複数のゼオライト膜素体を移送体によって移送する間に、回転ブラシがゼオライト膜素体を上下方向の両側から挟んで洗浄するので、複数のゼオライト膜素体の全面を一度に連続的に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施例のゼオライト膜洗浄装置の要部を上方から見た状態を示す概略図である。
【図2】図1のA−A’線矢視方向断面を示す概略図である。
【図3】移送体の移送方向に沿って毛材の線径が異なる複数の回転ブラシを設けた第2実施例の構成を説明する概略図である。
【図4】回転ブラシの構成を説明する概略図である。
【図5】洗浄液供給部の構成を説明する図で、(a)はゼオライト膜素体の上方に設けた洗浄液供給部の一部を側方から見た模式図、(b)はゼオライト膜素体の下方に設けた洗浄液供給部の一部を側方から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明では、複数のゼオライト膜素体の全面を連続洗浄するという目的を、チェーンコロを所要の間隔で取り付けた移送体によって回転自在に支持されて移送されるゼオライト膜素体を上下方向の両側から回転ブラシで挟んで洗浄することによって実現した。
【0015】
チェーンコロは、アルカリ性の洗浄液を使用することを考慮すると、耐アルカリ性に優れる素材を使用する方が望ましい。但し、例えばエンプラ(エンジニアリングプラスチック)を使用する場合は、弾力性がないため、ゼオライト膜の表面を疵付けてしまう虞がある。よって、ゼオライト膜の表面を疵付けないようにするためには、チェーンコロの表面には弾力性を有する素材を用いる方が望ましい。
【0016】
また、チェーンコロの表面に弾力性を有する素材を用いた場合は、ゼオライト膜素体の長手方向に若干反りが生じていてもその撓みを吸収することができるので、ゼオライト膜素体の回転が安定する。
【0017】
そこで、本発明では、ゼオライト膜素体を回転自在に支持するチェーンコロの表面は合成ゴムとした方がより好ましい。好ましい合成ゴムの例としては、クロロピレンゴムやエチレンプロピレンゴムが挙げられる。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を実施するための各種の形態と共に最良の形態を、図1〜図5を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例のゼオライト膜洗浄装置Wの要部を上方から見た状態を示す概略図であり、図2は、図1のA−A’線矢視方向断面を示す概略図である。
【0019】
図1〜図2に示すように、第1実施例のゼオライト膜洗浄装置Wは、複数のゼオライト膜素体6を回転自在に支持した状態で水平方向に移送可能な移送体1と、移送体1の上側及び下側に、ゼオライト膜素体6を上下方向の両側から挟んで洗浄可能な位置に設けられた上下一組の回転ブラシ2とを備えたものである。そして、前記移送体1は、ゼオライト膜素体6を回転自在に支持するチェーンコロ1aと、このチェーンコロ1aを所要の間隔を空けて取り付けるチェーン1bと、このチェーン1bを回動させる駆動装置によって構成されている。
【0020】
第1実施例では、チェーンコロ1aは、チェーン1bに対し等間隔に取り付けられている。ゼオライト膜素体6は、図2に示すように、隣接する一組のチェーンコロ1a,1aによって支持され、左右何れの方向にも回転自在な状態となっている。
【0021】
図2において、矢印Xは回転ブラシ2の回転方向を、矢印Yは回転ブラシ2の回転に伴ってゼオライト膜素体6が回転する方向を、矢印Zは移送体1の移送方向を示している。第1実施例では、移送体1の上方に設ける回転ブラシ2と、下方に設ける回転ブラシ2は、何れも図2の方向から見て時計回りの方向(矢印Xの方向)に回転させている。こうすることにより、ゼオライト膜素体6は、図2の方向から見て反時計周りの方向(矢印Yの方向)に回転する。
【0022】
本発明は、ゼオライト膜素体6の全面を洗浄するために、ゼオライト膜素体6をチェーンコロ1aで回転自在に支持し、回転ブラシ2の回転によりゼオライト膜素体6を回転させる構成を採用したので、ゼオライト膜素体6をスムーズに回転させるには、ゼオライト膜素体6の上下に設ける一組の回転ブラシ2の回転方向は、第1実施例で例示したように同一とすることが好ましい。
【0023】
第1実施例のゼオライト膜洗浄装置Wは、図1〜図2に示すように、回転ブラシ2に洗浄液4を供給する洗浄液供給部3を備えたものである。洗浄液供給部3は、移送体1の上方に設ける回転ブラシ2の上部と、下方に設ける回転ブラシ2の下部に夫々設けられ、近接した回転ブラシ2に向けて常時洗浄液4を噴射する。したがって、第1実施例のゼオライト膜洗浄装置Wでは、回転ブラシ2に常時洗浄液4が供給され、回転ブラシ2やゼオライト膜素体6に付着した付着物を効果的に洗い流すことができる。
【0024】
ゼオライト膜素体6を回転自在に支持するチェーンコロ1aの表面は、JIS K 6253 ショアA(デュロメータタイプA)における硬さ60度のクロロピレンゴムを使用した。耐アルカリ性に優れるため、洗浄液4と長時間接触しても変質せず、また、適度な弾力性が得られるため、ゼオライト膜素体6の表面を疵付けることもない。
【0025】
図1〜図2において、5は、チェーンコロ1aの間にセットしたゼオライト膜素体6が回転ブラシ2による洗浄中にチェーンコロ1a上から飛び出して落下してしまうのを防止するために、ゼオライト膜素体6の長手方向両端部に設けたゼオライト膜素体ガイドを示している。図2に示すように、ゼオライト膜素体ガイド5は、ゼオライト膜素体6の回転を妨げないように、ゼオライト膜素体6の上面よりも若干上方の位置に設けている。
【0026】
ちなみに、ゼオライト膜素体6の長手方向両端部にはゼオライト膜が形成されていないので、この両端部と回転ブラシ2の間にゼオライト膜素体ガイド5が存在しても、ゼオライト膜の洗浄を妨げることにはならない。
【0027】
以上のように構成されたゼオライト膜洗浄装置Wによれば、上下方向に配置された一組の回転ブラシ2の間を、移送体1のチェーンコロ1aに支持されたゼオライト膜素体6が次々と通過するので、複数のゼオライト膜素体6を一度に連続洗浄できる。また、本発明では、ゼオライト膜素体6を支持するチェーンコロ1aが自由回転するので、回転ブラシ2の回転力でゼオライト膜素体6も回転し、自動的にゼオライト膜素体6の全面を洗浄できる。
【0028】
このように、本発明では、人手を必要とするのは最初にチェーンコロ1aの間にゼオライト膜素体6をセットするときのみとなり、その後は全自動でゼオライト膜素体6の連続洗浄及び全面洗浄ができるので、人手による作業を大幅に削減できる。
【0029】
第2実施例のゼオライト膜洗浄装置Wは、図3に示すように、移送体1の移送方向(矢印Zで示した方向)に回転ブラシ21〜26を複数設けると共に、回転ブラシ21〜26の毛材の線径を、移送体1の下流側に設ける回転ブラシほど細くした構成である。
【0030】
上下一組の回転ブラシ21〜26は、夫々、ゼオライト膜素体6を上下両側から挟んで洗浄可能な位置に設けた点、回転ブラシ21〜26に洗浄液4を供給する洗浄液供給部3を夫々設けた点、ゼオライト膜素体6を回転自在に支持するチェーンコロ1aの表面に硬さ60度のクロロピレンゴムを使用した点は、第1実施例と同様である。
【0031】
図4は、回転ブラシ21を例として、回転ブラシが回転ドラム2aと毛材2bから構成されることを示す概略図である。円筒状の回転ドラム2aの直径L2は40mm程度、回転ドラム2aの外周面に植毛された毛材2bの長さL1は30mm程度であり、これらのサイズは回転ブラシ21〜26において共通している。
【0032】
表1に示すとおり、第2実施例のゼオライト膜洗浄装置Wでは、回転ブラシ21〜26の毛材2bの線径は、Φ0.6〜Φ0.1の範囲とし、移送体1の下流側に設ける回転ブラシほど0.1mmずつ細い線径となるように設定した。
【0033】
【表1】

【0034】
一般に毛材2bの線径が太いほどブラシの腰が強くなり洗浄効果は高まるが、ゼオライト膜素体6に疵を付けてしまう虞も高くなる。特に、移送体1の移送方向に沿って複数の回転ブラシを列設する場合は、1本のゼオライト膜素体6に対する洗浄時間が長くなるので、ゼオライト膜素体6を疵付ける可能性が高くなる。
【0035】
そこで、上記第2実施例のように、移送体1の上流側では毛材2bの線径を太くし、洗浄力の高い回転ブラシでしっかりと洗浄すると共に、下流側になるほど徐々に毛材2bの線径が細くして、洗浄力の低い回転ブラシで丁寧に洗浄するように構成すれば、ゼオライト膜素体6を疵付けることなく、洗浄効果を高めることができる。
【0036】
なお、毛材2bの線径を「移送体1の下流側に設ける回転ブラシほど細くした」とは、表1に例示したような、すべての線径を異ならせた上で下流側ほど細くする構成に限らない。例えば、回転ブラシ21〜22はΦ0.5、回転ブラシ23〜24はΦ0.3、回転ブラシ25〜26はΦ0.1とするように、隣接する数個の回転ブラシをグループとし、グループ単位で徐々に細くする構成も含むものである。
【0037】
また、回転ブラシ21〜26は、線径の細い数本の毛材を縒って太くした毛材を使用する方が、縒り合わせた毛材の表面に形成される隙間や窪みの部分に汚れが入り込んで洗浄力が増すのでより好ましい。具体的には、例えばΦ0.02の細い線径の毛材を複数本束ねて縒り合わせてΦ0.5の太い線径の毛材としたものを、回転ブラシ21〜22の毛材として使用する。この場合、縒り合わせていない通常のΦ0.5の毛材を使用するよりも洗浄力が高くなる。
【0038】
回転ブラシ21〜26の回転軸は、駆動モータ(不図示)と直結しており、回転速度は10〜300rpmの範囲で調節可能としている。
【0039】
第2実施例のように、移送体1の移送方向に沿って複数の回転ブラシ21〜26を列設する場合、回転ブラシ21〜26の回転速度は全て一定にしても良い。しかし、第2実施例において、装置全体の洗浄効果を維持しつつ、ゼオライト膜素体6を疵付けない効果をより高めるためには、移送体1の上流側ほど回転ブラシの回転速度を遅くする方がより好ましい。
【0040】
具体的には、例えば上流側の回転ブラシ21〜23は、毛材2bの線径が太いグループであり(Φ0.6〜Φ0.4)、ゼオライト膜素体6を疵付ける虞が若干あるので、ブラシの回転速度は遅くする(例えば10〜120rpmの範囲とする)。一方、下流側の回転ブラシ24〜26は、毛材2bの線径が細いグループであり(Φ0.3〜Φ0.1)、ゼオライト膜素体6を疵付ける虞は低いので、ブラシの回転速度を速くすること(例えば60〜300rpmの範囲で、上流側のグループに対して設定した回転速度よりも速くすること)が好ましい。
【0041】
このように、第2実施例のゼオライト膜洗浄装置Wでは、移送体1の移送方向に沿って上下一組の複数の回転ブラシ21〜26を列設し、それらの間をゼオライト膜素体6が通過する構成としたので、回転ブラシ21〜26の回転速度やその毛材2bの線径、素材等を異ならせることにより、移送体1の上流側と下流側で洗浄力に変化を付けることができる。
【0042】
図5は、第2実施例のゼオライト膜洗浄装置Wの洗浄液供給部3の一部を側方から見た模式図である。(a)に示すように、ゼオライト膜素体6を上側から洗浄する回転ブラシ21〜23の上方には、洗浄液4を供給する洗浄液供給パイプ3aが配管されており、バルブ3bを介して先端にノズル3cが夫々取り付けられている。そして、ノズル3cから回転ブラシ21〜23に向けて洗浄液4が常時噴射される。なお、洗浄液供給パイプ3aには、ノズル3cが取付けられた枝管に分岐する前の本管の部分にポンプ(不図示)が設けられている。
【0043】
また、図5(b)に示すように、ゼオライト膜素体6を下側から洗浄する回転ブラシ21〜23に洗浄液4を供給する洗浄液供給部3は、上下の位置関係が逆転している点を除き、(a)で示した洗浄液供給部3と同様の構成である。洗浄液供給パイプ3aから供給された洗浄液はバルブ3bを介して先端のノズル3cから上向きに噴射され、回転ブラシ21〜23に向けて洗浄液4が常時噴射される。
【0044】
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
【0045】
例えば、上記実施例では、ゼオライト膜素体の移送方向と直交する方向の両側に回転ブラシを設ける例を開示したが、回転ブラシは、ゼオライト膜素体の移送方向と交差する方向の両側から挟んで洗浄可能な位置に設ければ良く、直交していなくても良い。
【0046】
また、上記実施例では、チェーンコロ1aの表面にJIS K 6253 ショアAによる硬さ60度のクロロピレンゴムを使用する例を開示したが、合成ゴムの種類及び硬さはこれに限らない。また、上記実施例では、洗浄液供給パイプ3aの本管から分岐した枝管に夫々バルブ3bを設ける例を開示したが、バルブ3bの代わりにポンプを設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のゼオライト膜洗浄装置は、ゼオライト膜素体の製造時にゼオライト膜に付着した未反応物質等の洗浄に使用できることは勿論、定期的なメンテナンス時にゼオライト膜素体を各種装置から取り外して洗浄する場合にも利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 移送体
1a チェーンコロ
2 回転ブラシ
21 回転ブラシ(毛材の線径0.6mm)
22 回転ブラシ(毛材の線径0.5mm)
23 回転ブラシ(毛材の線径0.4mm)
23 回転ブラシ(毛材の線径0.3mm)
24 回転ブラシ(毛材の線径0.2mm)
26 回転ブラシ(毛材の線径0.1mm)
2b 毛材
3 洗浄液供給部
4 洗浄液
6 ゼオライト膜素体
W ゼオライト膜洗浄装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼオライト膜素体の表面を洗浄する装置であって、前記ゼオライト膜素体を回転自在に支持するチェーンコロと、前記チェーンコロを所要の間隔で取り付けて複数の前記ゼオライト膜素体を移送可能な移送体と、前記移送体によって移送される前記ゼオライト膜素体を前記移送方向と交差する方向の両側から挟んで洗浄可能な位置に設けた回転ブラシとを備えたことを特徴とするゼオライト膜洗浄装置。
【請求項2】
前記チェーンコロの表面は、合成ゴムとしたことを特徴とする請求項1に記載のゼオライト膜洗浄装置。
【請求項3】
前記回転ブラシに洗浄液を供給する洗浄液供給部を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のゼオライト膜洗浄装置。
【請求項4】
前記移送体の移送方向に前記回転ブラシを複数設けると共に、前記回転ブラシの毛材の線径を、前記移送体の下流側に設ける回転ブラシほど細くしたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のゼオライト膜洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−56433(P2011−56433A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−210617(P2009−210617)
【出願日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】