説明

ソフトスイッチングレンジで電力コンバータを動作させる方法

第1の直流電圧を第2の直流電圧に変換するために、電力コンバータに含まれる第1のブリッジ回路は、第1の直流電圧を第1の交流電圧へ変換するよう制御される。第1の交流電圧は、第2の、場合により更なる交流電圧へ変換される。第2の及び夫々の、場合により更なる交流電圧は、夫々のブリッジ回路によって直流電圧へ変換される。電力コンバータの効率を増大させるよう、電力コンバータのスイッチは、ソフトスイッチングで動作するよう制御される。それに加えて、夫々の交流電圧のデューティサイクルが制御される。一実施形態で、夫々の交流電圧の半周期電圧時間積分は、実質的に等しくなるよう制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトスイッチングレンジで電力コンバータを動作させる方法と、ソフトスイッチングレンジで動作するよう構成される電力コンバータとに関する。
【背景技術】
【0002】
電力コンバータは、電源のある特性が、夫々、例えば公称電圧及び動作電圧など、負荷のある特性に適合しない場合に電源から負荷へ電力を供給するために、当該技術において知られている。
【0003】
直流/直流(DC/DC)変換に関し、デュアルアクティブブリッジ(DAB)電力コンバータが知られている。DABコンバータは、第1のアクティブブリッジを用いて、第1のポートへ結合される電源の直流電圧を交流電圧へ変換する。交流電圧は、例えば変圧器のような電磁結合装置を用いて、第2のアクティブブリッジへ送られる。第2のアクティブブリッジは、交流電圧を直流電圧へ変換する。直流電圧は、電力コンバータの第2のポートへ供給される。このようにして、電力コンバータは、電源から、第2のポートへ結合される負荷へと電力を供給することができる。
【0004】
更に、トリプルアクティブブリッジ(TAB)電力コンバータが知られている。TABコンバータは、上述された第1のポートへ結合される第1のアクティブブリッジ及び第2のポートへ結合される第2のアクティブブリッジに加えて、第3のポートへ結合される第3のブリッジを有する。エネルギバッファは、エネルギ蓄積のために第3のポートへ結合され得る。
【0005】
TABコンバータは、特に、一定電力を供給するのに適した、即ち、遅い過渡応答を有する電源と、比較的速く変化する電力を消費しうる負荷との組合せに適する。負荷が電源によって供給されるよりも少ない電力を消費する場合には、エネルギバッファは残りの電力を蓄積し、一方、負荷が電源によって供給されるよりも多く電力を消費する場合には、エネルギバッファは必要とされる追加の電力を供給する。
【0006】
変圧器結合マルチポートコンバータ、即ち、電源、負荷及びエネルギバッファ用に3よりも多いポート及び夫々のブリッジを有するコンバータが、また、当該技術において知られていることが知られる。更なるポートは、更なる負荷、電源又はエネルギバッファへ結合され得る。
【0007】
DABコンバータ及びTABコンバータにおいて、夫々のブリッジは、変圧器の巻線での移相シフトされた高周波の矩形波電圧を夫々のポートでの電圧へ結合する。夫々のブリッジのスイッチのソフトスイッチング、即ち、零電圧スイッチング(ZVS)及び/又は零電流スイッチング(ZCS)により、コンバータの効率はハードスイッチングに比べて改善され得、より高いスイッチング周波数が可能である。しかし、既知のコンバータは、ソフトスイッチングを維持しながらポートでの幅広い電圧変化に対応するよう構成されておらず、従って、それらは、例えば、エネルギバッファリングのためのコンデンサのような、幅広い電圧入力範囲適用に適さない。
【0008】
ソフトスイッチング動作範囲を広げるために、例えば電圧キャンセルといった、幾つかの方法が提案されている。しかし、上述されたDAB及びTABコンバータ構成に関し、電圧キャンセル法は、例えば、ルックアップテーブルの使用に起因して、実施するには複雑である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
簡単で、費用効果が高く、実施が容易であるソフトスイッチングレンジの拡大方法を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載される本発明に従う方法は、ソフトスイッチングレンジが拡大される場合に電力コンバータを動作させるための方法を提供する。
【0011】
少なくとも1つが比較的幅広い範囲で動的に変化する電圧を有するところの2つの装置を結合するために使用されるDABコンバータにおいて、動的に変化する電圧を有する前記装置へ結合される変圧器の巻線での矩形パルス波の正(又は負)の部分の半周期電圧時間積分は、第2の巻線での矩形パルス波の正(又は負)の部分の半周期電圧時間積分に等しくなるよう制御される。前記半周期電圧時間積分は、巻線電圧の半周期の時間積分として定義される。矩形パルス波電圧に関し、積分はパルスのデューティサイクル及び振幅の積へ簡約化する。実電圧は巻線の巻き数比を補償されることが知られる。巻線の電圧−秒の積を等しく保つために電圧のデューティサイクルを制御することによりソフトスイッチングレンジが拡大されることは、明らかである。
【0012】
遅い過渡応答を有する電源と、負荷と、例えばコンデンサのような、幅広く変化する電圧を有するエネルギバッファとを結合するために使用されるTABコンバータにおいて、コンデンサへ結合される巻線の電圧のデューティサイクルを制御することが有利である。更に、このような構成においてソフトスイッチングレンジが動作範囲全体へ拡大されることは、明らかである。
【0013】
ブリッジ回路の制御可能なスイッチは、矩形パルス波電圧を発生させる。かかる矩形パルス波電圧は、前記ブリッジ回路へ結合された変圧器の巻線へ印加される。矩形パルス波はデューティサイクル及び位相を有する。ここで使用される電圧のデューティサイクルは、矩形パルス波電圧が矩形パルス波電圧の半周期の期間に対して零でないところの期間を示す。従って、電圧が半周期全体の間高い(ハイである)場合、デューティサイクルは1であり、また、電圧が半周期全体の間零である場合、デューティサイクルは0である。デューティサイクルについては、後に図2を参照して更に説明する。
【0014】
矩形パルス波電圧の位相は、変圧器の他の巻線へ印加される矩形パルス波電圧の位相に対して関係がある。かかる電圧間の位相シフトは、当該技術において知られるように、電力伝送の量を決定する。
【0015】
一実施形態で、負荷位相シフトは、電源へ結合される矩形パルス波電圧の位相と、負荷へ結合される矩形パルス波電圧の位相との間の位相シフトとして決定される。更に、バッファ位相シフトは、電源へ結合される矩形パルス波電圧の位相と、エネルギバッファへ結合される矩形パルス波電圧の位相との間の位相シフトとして決定される。負荷位相シフト及びバッファ位相シフトは、電源から引き出される電力が実質的に一定であるように電力コンバータにおける電力伝送が行われるよう決定され、制御され得る。実質的に一定である電力を引き出すことは、例えば、電源の比較的遅い過渡応答のために好ましい。
【0016】
上述される実施形態でソフトスイッチングを達成するために、エネルギバッファへ結合された巻線での矩形パルス波電圧の少なくともデューティサイクル(以降、バッファデューティサイクルと呼ぶ。)は、かかる巻線での矩形パルス波の正(又は負)の部分の半周期電圧時間積分が、前記変圧器の他の巻線での矩形パルス波の正(又は負)の部分の半周期電圧時間積分に実質的に等しくなるように決定され、制御される。上述されるように、半周期電圧時間積分は、後に図面に関して説明されるように、ピーク電圧及びデューティサイクルの積であっても良い。
【0017】
電源が、例えば燃料電池のように、自身から引き出される電力の量に依存して、比較的幅広い直流電圧範囲を有するところの実施例で、前記電源は、電力コンバータの電源側(ソース側)でデューティサイクル制御を用いて、異なる電力レベルにおいて動作することができる。それに加えて、電源へ結合された巻線での電圧のソースデューティサイクルは、かかる巻線での電圧の正(又は負)の部分の半周期電圧時間積分が、例えば負荷へ結合された巻線といった、他の巻線での電圧の正(又は負)の部分の半周期電圧時間積分に実質的に等しくなるよう決定される。
【0018】
負荷電圧、即ち、負荷にかかる電圧が、実質的に一定であるべき場合、例えば、前記負荷の一定動作電圧に等しい場合、前記負荷へ供給される電力量を決定する負荷位相シフトは、前記負荷電圧に応答して制御され得る。前記負荷がその電力消費を変更しようとする場合、前記負荷はその抵抗を変更することを必要とする。従って、前記負荷電圧及び対応する負荷電流は、供給される電力が変化しないので、両方とも最初に変化する。実際の負荷電圧を所定の所望負荷電圧、例えば前記負荷の動作電圧と比較することにより、負荷電圧差が決定される。この負荷電圧差に応答して、変化する負荷位相シフトは決定され得る。例えば、前記負荷がより高い電力を引き出そうとする場合、前記実際の負荷電圧は、対応するより高い電力が電力コンバータによって供給されない限り、前記所定の所望負荷電圧から外れる。前記負荷電圧の変化に応答して、前記電力コンバータは、前記実際の負荷電圧が前記所定の所望負荷電圧に実質的に等しくなるまで、より多くの電力を供給するように前記負荷位相シフトを変化させるよう制御される。
【0019】
一実施形態で、前記負荷は、その電力消費に依存して、変化する動作電圧を有しうる。このような実施形態で、本発明に従うデューティサイクル制御は、前記負荷へ結合された変圧器の巻線での結果として得られる半周期電圧時間積分変化を補償し、それによって電力コンバータにおいてソフトスイッチングを維持するために、かかる巻線での矩形パルス波電圧において用いられ得る。
【0020】
一実施形態で、バッファ位相シフトは、電源から引き出される実際のソース電力と、所定の所望ソース電力との間の電力差に基づいて決定される。前記所定の所望ソース電力は、前記電源の公称電力を表しても良く、あるいは、ユーザ選択される動作電力であっても良い。引き出される電力と所望の電力との間の前記電力差は、エネルギバッファによって供給されるべき又は引き出されるべき電力の大きさである。バッファ位相シフトは、このようにして使用され、電源から引き出される電力を実質的に一定であるよう制御しながら、エネルギバッファへの又はエネルギバッファからの電力伝送を制御する。
【0021】
一実施形態で、当該方法は前記所定の所望ソース電力を制御するステップを有する。コンデンサが所定の最大レベルを上回って充電される場合に、又は、コンデンサが最低レベルを下回って放電される場合に、前記所定の所望ソース電力は、コンデンサを放電又は充電するために充電され得る。前記電源の電力容量に依存して、かかる充電は一時的でありうる。同様に、前記負荷がより長い時間期間にわたってより多い又はより少ない電力を消費する場合であって、且つ、前記電源が他の電力レベルで電力を供給するのに適する場合に、前記所定の所望ソース電力は、より長い時間期間の間変更され得る。
【0022】
電力コンバータの動作開始時には、過電流が、前記電力コンバータの負荷側及び/又はバッファ側での低電圧に起因して観測される。簡単な解決法は、起動中に電源ブリッジのデューティサイクルを制御することである。その間、負荷ブリッジ及びバッファブリッジは制御されず、整流器として動作する。開ループ制御を用いて徐々にデューティサイクルを増大させることによって、負荷側コンデンサ及び/又はバッファは、ゆっくりとある電圧レベルへと充電され得る。次いで、閉ループ制御が出力電圧を調整するよう引き継ぐ。
【0023】
一実施形態で、起動時の過電流にかかる欠点は、比較的高い周波数で動作するようブリッジを制御することによって解消される。高い周波数により、より低い電力が伝送され得、それによって電流を制限する。再び、ある電圧レベルに達すると即座に、周波数は、できる限り徐々に、所定の動作周波数へと下げられ得る。
【0024】
本発明の態様で、本発明の方法に従って動作するよう構成される電力コンバータが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明に従う方法及び電力コンバータについて説明し、それらの更なる態様、特徴及び効果について、添付の図面を参照して記載する。
【0026】
図1は、本発明に従うデュアルアクティブブリッジ電力コンバータ10の実施例を示す。電力コンバータ10は、ポート端子21及び22を有する第1のポート20と、スイッチ31〜34及びノード35、36を有する第1のブリッジ回路30とを有する。電力コンバータ10の変圧器40は、第1の巻き数N1を有する第1の巻線41と、第2の巻き数N2を有する第2の巻線43とを有する。電力コンバータ10は、スイッチ51〜54及びノード55、56を有する第2のブリッジ回路50と、ポート端子61及び62を有する第2のポート60とを更に有する。
【0027】
電源70は、ポート端子21及び22へ結合され得る。動作において、ソース電圧Vsは、ポート端子21及び22へ印加され得る。負荷80は、ポート端子61及び62へ結合され得る。動作において、負荷電圧Vlは、ポート端子61及び62の間に存在し得る。更に、動作において、第1の矩形パルス波電圧Vw1はノード35及び36の間、即ち、変圧器40の第1の巻線41の両端に存在し、第2の矩形パルス波電圧Vw2は、ノード55及び56の間、即ち、変圧器40の第2の巻線43の両端に存在し得る。
【0028】
図2は、第1のデューティサイクルD1を有する矩形パルス波電圧信号S1と、第2のデューティサイクルD2を有する矩形パルス波電圧信号S2とを示す。矩形パルス波電圧信号S1と矩形パルス波電圧信号S2との間の位相シフトφ12は、基準ライン6とともに示される。更に、時間期間T1及びT2は、ソース電圧レベルVs、負荷電圧レベルVl及び最低動作負荷電圧Vl,minとともに示される。
【0029】
電圧信号S1は、2つの電圧レベルVs及び−Vsを有する矩形波電圧である。従って、電圧信号S1がレベルVs(又は−Vs)である期間は、矩形波信号の半周期である。ここで使用されるデューティサイクルの定義、即ち、電圧信号が半周期期間にわたって零でない(従って、Vs又は−Vsに等しい。)ところの半周期の期間に従って、デューティサイクルD1は1である。電圧信号S2のデューティサイクルD2は、T2をT1及びT2の和(即ち、半周期期間)で割ったもの:
D2=T2/(T1+T2) (1)
に等しい。
【0030】
ここで図1及び図2を参照して、例えば、電源70が遅い過渡応答を有するために、ソース電圧Vsが実質的に一定であるとする。負荷電圧Vlは、比較的広い範囲にわたって動的に変化しうる。変圧器の巻き数比N1/N2は、負荷80の最低動作電圧Vl,minに従って:
N1/N2=Vs/Vl,min (2)
のように設計される。
【0031】
デューティサイクルD1及びD2は、ポート20及び60での実電圧に従って調整され得る。実質的に一定のソース電圧により、以下:
D1=1、D2=Vl,min/Vl (3)
のように、ソースデューティサイクルD1は1であるよう設計され、負荷デューティサイクルD2は、実際の負荷電圧Vl及び最低動作電圧Vl,minに依存する。
【0032】
デューティサイクルD1、D2が式(3)によって制御される場合、半分のスイッチング周期にわたって変圧器40へ印加される矩形パルス波の正(又は負)の部分の対応する半周期電圧時間積分は:
Vs×D1=(N1/N2)×Vl×D2 (4)
に等しい。
【0033】
従って、負荷電圧Vlにおける変動は、式(3)に従ってデューティサイクルD2を調整することによって補償され得る。上述されるようにデュアルアクティブブリッジ電力コンバータ10を制御することにより、電力コンバータ10のソフトスイッチングレンジは拡大される。
【0034】
図3は、本発明に従うトリプルアクティブブリッジ電力コンバータ110の実施例を表す。電力コンバータ110は、ポート端子121及び122を有する第1のポート120と、スイッチ131〜134及びノード135、136を有する第1のブリッジ回路130と、第1の巻き数N1を有する第1の巻線141及び第2の巻き数N2を有する第2の巻線142を有する変圧器140と、スイッチ151〜154及びノード155、156を有する第2のブリッジ回路150と、ポート161及び162を有する第2のポート160とを有する。更に、変圧器140は、第3の巻き数N3を有する第3の巻線143を有し、電力コンバータ110は、スイッチ191〜194及びノード195、196を有する第3のブリッジ回路190と、コネクタ201及び202を有する第3のポート200とを有する。
【0035】
電源170は、ポート端子121及び122へ結合され得る。動作において、ソース電圧Vsは、ポート端子121及び122へ印加され得る。負荷180は、ポート端子161及び162へ結合され得る。動作において、負荷電圧Vlは、ポート端子161及び162の間に存在し得る。更に、動作において、第1の矩形パルス波電圧Vw1は、ノード135及び136の間、即ち、変圧器140の第1の巻線141の両端に存在し、第2の矩形パルス波電圧Vw2は、ノード155及び156の間、即ち、変圧器140の第2の巻線142の両端に存在し得る。
【0036】
例えばコンデンサ210のようなエネルギバッファは、ポート端子201及び202へ結合される。動作において、バッファ電圧Vbは、ポート端子201及び202に存在し得る。ノード195及び196の間には、第3の矩形パルス波電圧Vw3が存在し得る。
【0037】
図4は、ソースデューティサイクルD1を有するソース矩形パルス波電圧信号S1と、負荷デューティサイクルD2を有する負荷矩形パルス波電圧信号S2と、バッファデューティサイクルD3を有するバッファ矩形パルス波電圧信号S3とを示す。デューティサイクルは、図2に関して記載されるように定義される。矩形パルス波電圧信号S1と矩形パルス波電圧信号S2との間の位相シフトφ12及び矩形パルス波電圧信号S1と矩形パルス波電圧信号S3との間の位相シフトφ13は、基準ライン6とともに示される。更に、ソース電圧レベルVs、負荷電圧レベルVl及び最低動作負荷電圧Vl,minは、最低バッファ電圧Vb,min及びバッファ電圧Vbとともに示される。
【0038】
ソース電圧信号S1は、2つの電圧レベルVs及び−Vsを有する矩形波電圧であり、ソースデューティサイクルD1は1である。電源70は遅い過渡応答を有し、従って、実質的に一定な電力を供給するのに適するとする。
【0039】
負荷電圧信号S2の負荷デューティサイクルD2は1であるよう選択される。これは、実質的に一定な動作電圧を有する負荷にとって適切である。従って、図3の例となる実施形態で、動作負荷電圧Vlは実質的に一定であり、Vl,minに等しいとする。負荷電圧Vlは変化しないので、デューティサイクル制御は電力コンバータ110の負荷側では必要とされない。位相シフトφ12は、負荷180へ伝達される電力の量を決定する。
【0040】
エネルギバッファ210は、コンデンサ、望ましくは、比較的大きい容量を有するコンデンサであるよう選択される。当該技術において、このようなコンデンサはスーパーキャパシタ又はウルトラキャパシタと呼ばれる。しかし、実際の実施形態では、例えばコンデンサのバンクのような他の装置又は配置がエネルギバッファとして用いられても良い。コンデンサの効果は、充電状態がその電圧の単純な関数であるという事実において見つけられる。一般に、コンデンサは、過渡的なエネルギ蓄積のための適切な装置である。充電状態と電圧との間の結合により、図3の例となる実施形態におけるコンデンサは、幅広く変化する電圧を有する。変化する電圧に関する問題を解消するよう、トリプルアクティブブリッジ電力コンバータ110は、本発明に従って動作しうる。即ち、エネルギバッファ210は、デューティサイクルを用いて制御され得る。
【0041】
デューティサイクル制御は、変圧器の巻線での矩形パルス波の正(又は負)の部分の半周期電圧時間積分を実質的に等しく保つことを目標とする。巻き数N1、N2及びN3は:
N1/N2=Vg/Vl及びN1/N3=Vs/Vb,min (5)
となるように選択される。図3に示される電圧レベルの図示を簡単にするために、N1=N2=N3とすることが知られる。以降、この仮定に従う。
【0042】
バッファデューティサイクルD3は、
D3=Vb,min/Vb (6)
であるよう制御される。従って、N1=N2=N3を用いて式(5)及び(6)から、
Vs×D1=Vl×D2=Vb×D3 (7)
が求まる。
【0043】
本発明に従う動作方法は、電源170から引き出される電力が実質的に一定であり、且つ、負荷180が必要とする電力を供給されるように、負荷位相シフトφ12及びバッファ位相シフトφ13を制御する。バッファ210は、負荷180が電源170から引き出される電力よりも少ない電力を消費する場合には、一時的な余剰電力を蓄積し、また、バッファ210は、負荷180が電源170から引き出されるよりも多く電力を消費する場合には、一時的な補助電力を提供する。
【0044】
本発明に従う制御方法が、具体的に、変化する電圧を有する装置が結合されるポートでのデューティサイクル制御によって、電力コンバータ110の全動作範囲においてソフトスイッチングを達成することは、例えば、簡単化されたπモデルと呼ばれる第1原理を用いて示され得る。
【0045】
図3の例となる実施形態で、全てのブリッジは、4つのスイッチを有するフルブリッジとして示される。しかし、デューティサイクル制御が実行されない巻線へ結合されるブリッジは、2つのスイッチしか有さないハーフブリッジであっても良い。従って、図3の例となる実施形態で、ブリッジ130及びブリッジ150はハーフブリッジとして具体化され得、一方、ブリッジ190は、巻線143での矩形パルス波電圧におけるデューティサイクル制御に起因してフルブリッジである必要がある。
【0046】
更に、図4の例となる実施形態で、負荷動作電圧は一定とされる。即ち、それは、一定であるよう調整される。また、電源170によって供給される電圧は一定であるとされる。かかる仮定により、デューティサイクル制御は、それらに結合されるポートでは必要とされない。しかし、電力コンバータ110は、かかるポートにおいてデューティサイクル制御を実行して、かかるポートで変化する電圧を実現するよう設計され得る。例えば、電源170が燃料電池であるならば、燃料電池によって供給される電力は、公称の電力よりも低いことがある。このような場合において、ポート120での電圧は、然るべくより高くなりうる。このように、ブリッジ130を制御することによって巻線141へデューティサイクル制御を適用することは、異なる電力レベルにおいて燃料電池を動作させることを可能にする。
【0047】
当業者には容易に理解されるように、図3及び図4の実施例は、3よりも多いアクティブブリッジ及びポートを有する電力コンバータに拡張され得る。電圧が変化しうるところのポートにおいて同様にデューティサイクル制御を用いて電力コンバータを制御する場合、ソフトスイッチングは動作範囲全体で達成され得る。このようなNポート変圧器結合マルチアクティブブリッジDC/DCコンバータにおいて、例えば負荷ポートといった、少なくとも1つの出力ポート電圧が調整される。このことは、かかるポートのDC電圧が一定のままであることを意味する。したがって、かかるポートは、常に、矩形波モード(デューティサイクル=1)で動作する。電圧を調整されたポートが1つしかない場合が最悪の場合である。即ち、2又はそれ以上のポートの電圧が一定のままであるならば、スイッチング条件はより一層良い。次いで、変圧器の巻き数比は、式(2)及び(5)と同様に各ポートにおける最低動作電圧に従って設計され得る。巻線での電圧のデューティサイクルは、式(4)及び(7)と同様の条件が満足されるように、式(3)及び(6)と同様にポートの電圧に依存して制御される。
【0048】
図5は、本発明に従う電力コンバータ110を動作させるための制御装置300の配線図を示す。制御装置300は加算装置310を有する。加算装置310へは、所望の動作負荷電圧Vl,op301及び実際の負荷電圧Vl302が供給される。実際の負荷電圧302は、電力コンバータ110の負荷ポートにおいて決定される。加算装置310は、第1の比例積分器(PI)回路320へ負荷電圧差分信号311を供給する。第1のPI回路320は、制限回路330へ第1の積分電圧差分信号321を出力する。制限回路330は、負荷位相シフトφ12を表す制限された積分電圧差分信号331を、例えば位相シフト変調器のような適応制御回路340へ供給する。
【0049】
制御装置300は、加算装置350を更に有する。加算装置350へは、所定の所望ソース電力信号303及び実際のソース電力304が供給される。実際のソース電力304は、実際の電源電圧306及び実際の電源電流307を乗じることによって決定される。実際の電源電圧306及び実際の電源電流307は、電力コンバータ110の電源ポートにおいて決定される。加算装置350は、第2の比例積分器(PI)360へ電力差分信号351を出力する。第2のPI回路360は、制限回路370へ第2の積分電力差分信号361を出力する。制限回路370は、バッファ位相シフトφ13を表す制限された積分電力差分信号371を処理ユニット380へ供給する。処理ユニット380は、また、デューティサイクル制御装置390からデューティサイクル信号391を受信する。デューティサイクル制御装置390は、電力コンバータ110のバッファポートで決定されるバッファ電圧305の関数としてバッファデューティサイクルD3を決定する。
【0050】
処理ユニット380は、第1及び第2の制御信号381、382を決定する。第1及び第2の制御信号381、382は、適応制御回路340へ供給される。後述されるように、処理ユニット380は、制御回路340において削除されても、あるいは組み込まれても良い。その場合に、制限積分信号371及びデューティサイクル信号391は、制御回路340へ直接に供給される。
【0051】
制御回路340は、スイッチ制御信号341−1〜341−Nを出力する。なお、Nは、電力コンバータ110のブリッジのスイッチの数に等しい。スイッチ制御信号341は、制御装置300によって決定される位相シフトφ12及びφ13並びにデューティサイクルD3に従ってブリッジを動作させるために、電力コンバータ110のスイッチへ供給される。
【0052】
図5の例となる実施形態で、所望のソース電力303は、電力コンバータ110へ結合されたバッファの充電状態(SOC)に応答して、SOC制御装置400によって制御される。それに加えて、SOC制御装置400は、バッファ(例えばコンデンサであるバッファ。)の充電状態を示す実際のバッファ電圧305を供給される。
【0053】
どのように制御装置300が機能するかは、当業者には明らかである。負荷電圧、ソース電圧、ソース電流及びバッファ電圧は、電力コンバータ110において測定又は決定され、制御装置300への入力として供給される。負荷電圧302は、加算装置310によって所定の所望負荷電圧301から減じられる。結果として得られる負荷電圧差分信号311は、第1の比例積分器(PI)回路320へ供給される。負荷電圧差分が零であり、従って、実際の負荷電圧302は所定の所望負荷電圧301に等しい場合、第1のPI回路320の出力は一定のままである。しかし、負荷電圧差分が零でない場合、第1のPI回路320の出力は、負荷電圧差分信号311が零の負荷電圧差分を表すまで変化する。制限回路330は、制御回路340の入力を所定の範囲内にあるよう制限する。制限回路330は、それが、第1のPI回路320の出力が過剰値を表す場合にのみその出力を変更するので、削除されても良い。なお、過剰値は普通でない状況に起因する。制御回路340は、負荷位相シフトφ12を表す制限回路330の出力331を用いて、電力コンバータ110の電源ポートブリッジのスイッチと、負荷ポートブリッジのスイッチとを、変圧器の夫々の巻線での矩形パルス波電圧が所望の位相シフトφ12を有するように切り替えるべく制御する。
【0054】
同様に、所定の所望電力303及び実電力304から第2の加算装置350によって決定される電力差分信号351は、第2のPI回路360及び第2の制限回路370へ供給される。結果として得られる制限された積分電力差分信号371は、処理ユニット380へ供給される。処理ユニット380は、更に、デューティサイクル制御装置390からデューティサイクル信号391を受信する。デューティサイクル制御装置390は、実際のバッファ電圧305に基づき、式(6)に従ってデューティサイクルD3を決定する。
【0055】
図5の例となる実施形態で、処理ユニット380は、
φA=φ13+(π/2)×D3、φB=φ13+(π/2)×(2−D3) (8)
に従って変圧器の夫々の巻線へ供給される矩形パルス波電圧の第1のエッジの第1の位相値φA及び第2のエッジの第2の位相値φBを決定するよう構成される。
【0056】
結果として得られる制御信号381、382は、制御回路340の簡易な動作が、バッファへ結合された巻線での矩形パルス波電圧が決定されたバッファ位相シフトφ13及び決定されたデューティサイクルD3を有するように、電力コンバータのブリッジのスイッチを制御することを可能にする。しかし、制限された積分電力差分信号371及びデューティサイクル信号391は、制御回路340がこれらの信号371及び391から正確な切替え時点を決定するよう構成されるならば、直接に制御回路340へ供給されても良い。
【0057】
上述されるように、図5の実施例は、SOC制御装置400を有する。バッファの充電状態(SOC)を示すバッファ電圧305が所定動作範囲外(例えば、範囲[Vb,min、2×Vb,min]の外側。)となる場合、所望のソース電力303は変更され得る。所望のソース電力303を変更することによって、電力コンバータ110は、電源から変更された電力量を引き出すよう制御される。電源からの変更された電力量は、充電状態が再び所定範囲内となるまで、バッファを充電又は放電することを可能にする。
【0058】
図6a及び図6bはシミュレーション結果を示す。図6aでは6つのグラフが示される。縦軸は電圧及び/又は電流を表し、横軸は時間を表す。第1のグラフV1は、変圧器のソース巻線での矩形パルス波電圧を示し、第2のグラフI1は、その巻線での対応する電流を示す。第3及び第4のグラフV2、I2は、負荷巻線での矩形パルス波電圧及び電流を表す。第5及び第6のグラフV3、I3は、バッファ巻線での矩形パルス波電圧及び電流を表す。“●”によって示される切替え時点は、ソフトスイッチングが達成されるような時点で起こる。図6bは、本発明に従うデューティサイクル制御を用いずに電力コンバータを動作させる同様のグラフV1〜V3、I1〜I3を示す。図6bからは、(電力コンバータのソース側及び負荷側において)“◆”によって示される切替え時点でハードスイッチングが起こることが分かる。電力コンバータのバッファ側でのみソフトスイッチングが起こる(“●”によって示される。)。
【0059】
図7a〜7cは実験結果を示す。図7aは3つのグラフを示す。縦軸は電圧を表し、横軸は時間を表す。第1のグラフV1は、本発明に従って動作するトリプルアクティブブリッジ電力コンバータ10の変圧器の巻線でのソース電圧を表す。第2のグラフV2は、かかる変圧器の夫々の巻線での負荷電圧を表し、第3のグラフV3は、かかる変圧器の夫々の巻線でのバッファ電圧を表す。ソース電圧V1及び負荷電圧V2は、デューティサイクル1を有する矩形波電圧である。バッファ電圧V3は、約0.75のデューティサイクルを有するよう本発明に従って制御されるデューティサイクルである。負荷電圧V2は、ソース電圧V1に対して約0.35ラジアンの負荷位相シフトを有する。バッファ電圧V3は、ソース電圧V1に対して約0.17ラジアンのバッファ位相シフトを有する。
【0060】
図7bは3つのグラフを表す。縦軸は電流を表し、横軸は時間を表す。示されるグラフは、図7aで示される夫々の電圧に対応する電流である。電流I1〜I3は、ソフトスイッチングがハードスイッチングに代わって起こることを示す。従って、実験結果は、図6aで示されたシミュレーション結果に対応する。
【0061】
図7cは更なる実験結果を示す。4つのグラフが示される。縦軸は電流及び/又は電圧を表し、横軸は時間を表す。
【0062】
第1のグラフV1は、電力コンバータの巻線での負荷電圧を表す。第2のグラフI1はソース電流を表し、第3のグラフI2は負荷電流を表し、第4のグラフI3はバッファ電流を表す。図7cから明らかなように、負荷電圧V1は時間において実質的に一定であり、一方、負荷電流I2は、短い時間期間にわたってより高い値となる。従って、かかる短い時間期間において、負荷によって消費される電力はより高い。ソース電流I1は、ソース電圧が一定であるので、時間において実質的に一定であり、電源から引き出される電力は時間において一定であり、従って、負荷による電力消費の一時的な増大によって影響を及ぼされない。第4のグラフI3から明らかなように、負荷によって消費される追加の電力はバッファから取り出される。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】デュアルアクティブブリッジ電力コンバータを表す。
【図2】本発明に従って動作する図1のデュアルアクティブブリッジ電力コンバータの変圧器の巻線へ印加される矩形パルス波電圧を表す。
【図3】トリプルアクティブブリッジ電力コンバータを表す。
【図4】本発明に従って動作する図3のトリプルアクティブブリッジ電力コンバータの変圧器の巻線へ印加される矩形パルス波電圧の組を表す。
【図5】本発明の方法に従って電力コンバータを動作させる制御方式を示す。
【図6a】本発明に従う方法を用いて電力コンバータを動作させるシミュレーションのグラフを示す。
【図6b】従来の方法を用いて電力コンバータを動作させるシミュレーションのグラフを示す。
【図7】a〜bは、本発明に従う方法を用いて電力コンバータを動作させる実験のグラフを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の数のスイッチを有する第1のブリッジ回路により第1の直流電圧を第1の交流電圧へ変換するステップと、
前記第1の交流電圧を第2の交流電圧へ変換するステップと、
第2の数のスイッチを有する第2のブリッジ回路により前記第2の交流電圧を第2の直流電圧へ変換するステップと
を有する、前記第1の直流電圧を前記第2の直流電圧へ変換する方法であって、
前記第1の交流電圧及び前記第2の交流電圧の位相間の位相シフトを制御するステップと、
前記第1のブリッジ回路及び前記第2のブリッジ回路のスイッチがソフトスイッチングをなされるように前記第1の交流電圧及び前記第2の交流電圧のうちの少なくとも1つの交流電圧のデューティサイクルを制御するステップと
を有する方法。
【請求項2】
前記第1の交流電圧を前記第2の交流電圧へ変換するステップが前記第1の交流電圧を第3の交流電圧へ変換するステップを更に有する場合に、
第3の数のスイッチを有する第3のブリッジ回路により前記第3の交流電圧を第3の直流電圧へ変換するステップと、
前記第1の交流電圧及び前記第3の交流電圧の位相間の位相シフトを制御するステップと、
前記第1のブリッジ回路、前記第2のブリッジ回路及び前記第3のブリッジ回路のスイッチがソフトスイッチングをなされるように前記第1の交流電圧、前記第2の交流電圧及び前記第3の交流電圧のうちの少なくとも1つの交流電圧のデューティサイクルを制御するステップと
を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの交流電圧のデューティサイクルを制御する前記ステップは、前記少なくとも1つの交流電圧の半周期電圧時間積分が少なくとも1つの他の交流電圧の半周期電圧時間積分に等しいように前記デューティサイクルを制御するステップを有する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
電源及び負荷を少なくとも有する多数の装置の間で電力を交換するためにソフトスイッチングレンジにおいて直流/直流電力コンバータを動作させる方法であって、
前記電力コンバータは変圧器を有し、該変圧器は少なくとも2つの巻線を有し、
前記電力コンバータは少なくとも2つのブリッジ回路及び少なくとも2つのポートを更に有し、夫々のポートは前記多数の装置のうちの1つへ接続可能であり、夫々のブリッジ回路を介して前記変圧器の夫々の巻線へ夫々結合され、夫々のブリッジ回路は多数の制御可能なスイッチを有し、
当該方法は、
前記変圧器の夫々の巻線へ印加される交流電圧を夫々のブリッジ回路において発生させるステップと、
前記ポートへ結合される前記多数の装置の間の電力伝達を制御するために、夫々の巻線において夫々の交流電圧の位相間の位相シフトを制御するステップと、
巻線における少なくとも1つの交流電圧のデューティサイクルを、前記巻線での前記交流電圧を該巻線へ結合される前記ポートでの所望の電圧へと適応させるよう、且つ、前記巻線での前記交流電圧を少なくとも1つの他の巻線での交流電圧へと適応させるよう制御するステップと
を有する方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの交流電圧は矩形パルス波電圧である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
巻線での電圧のデューティサイクルを制御する前記ステップは、前記巻線での前記電圧の半周期電圧時間積分が前記少なくとも1つの他の巻線での電圧の半周期電圧時間積分に等しいように前記デューティサイクルを制御するステップを有する、請求項4又は5記載の方法。
【請求項7】
前記電源が比較的遅い過渡応答を有し、前記多数の装置がエネルギバッファとしてコンデンサを更に有する場合に、
前記コンデンサへ結合される巻線での電圧のバッファデューティサイクルを、前記巻線での前記電圧を前記コンデンサの電圧へと適応させるために制御するステップを有する、請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記負荷へ結合される巻線の電圧の位相と、前記電源へ結合される巻線の電圧の位相との間の負荷位相シフトと、
前記コンデンサへ結合される巻線の電圧の位相と、前記電源へ結合される巻線の電圧の位相との間のバッファ位相シフトと
を決定するステップを有し、
電源から引き出される電力が実質的に一定であるように、
前記コンデンサへ結合される巻線での電圧の前記バッファデューティサイクルを、前記巻線での前記矩形パルス波電圧の半周期電圧時間積分が他の巻線での電圧の半周期電圧時間積分に等しいように決定するステップと、
前記決定された負荷位相シフト、バッファ位相シフト及びバッファデューティサイクルに従って夫々のブリッジ回路のスイッチを制御するステップと
を有する、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記電源へ結合される巻線での電圧のソースデューティサイクルを、前記巻線での前記電圧の少なくとも一部の半周期電圧時間積分が前記負荷へ結合される巻線での電圧の少なくとも一部の半周期電圧時間積分に等しいように決定するステップと、
前記決定される負荷位相シフト、バッファ位相シフト、バッファデューティサイクル、及びソースデューティサイクルに従って夫々のブリッジ回路のスイッチを制御するステップと
を有する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
負荷位相シフトを決定するステップは、
負荷電圧と所定の所望負荷電圧との間の負荷電圧差を決定するステップと、
前記負荷電圧差に応答して前記負荷位相シフトを決定するステップと
を有する、請求項8記載の方法。
【請求項11】
バッファ位相シフトを決定するステップは、
前記電源から引き出される電力と所定の所望ソース電力との間の電力差を決定するステップと、
前記電力差に応答して前記バッファ位相シフトを決定するステップと
を有する、請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記所定の所望ソース電力は、前記コンデンサを充電するために又は放電するために変化するよう制御される、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記電力コンバータを起動するステップを有し、
前記電力コンバータを起動するステップは、前記ブリッジ回路が前記負荷へ結合されて、前記コンデンサが整流器として動作する間、ソースデューティサイクルを徐々に増大するよう制御して、前記電源から他の装置への電力伝達を徐々に増大させるステップを有する、請求項7記載の方法。
【請求項14】
前記電力コンバータを起動するステップを有し、
前記電力コンバータを起動するステップは、前記ブリッジ回路を比較的高い周波数で動作するよう制御して、比較的低い電力伝達を可能にするステップを有する、請求項7記載の方法。
【請求項15】
少なくとも2つの巻線を有する変圧器と、少なくとも2つのブリッジ回路及び少なくとも2つのポートとを有し、
夫々のポートは多数の装置のうちの1つへ接続可能であり、夫々のブリッジ回路を介して前記変圧器の夫々の巻線へ夫々結合され、
夫々のブリッジ回路は多数の制御可能なスイッチを有し、
夫々のスイッチは制御装置へ動作上接続され、
前記制御装置は、請求項1乃至14のうちいずれか一項記載の方法に従って前記スイッチを制御するよう構成される、直流/直流電力コンバータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【公表番号】特表2008−543271(P2008−543271A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515351(P2008−515351)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【国際出願番号】PCT/IB2006/051778
【国際公開番号】WO2006/131870
【国際公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】