説明

ソーラー式コーヒー/ティーメーカーおよび調理装置

第1の蓄熱・伝熱材料で満たされた真空管式の太陽熱収集器と、第2の蓄熱・伝熱材料で満たされたソーラー式調理レンジとを有する一式の太陽熱収集器。ソーラー式調理レンジは、断熱された閉鎖された室を有し、またクックトップを有する。調理レンジは、その中で食品を調理するために、第1及び第2の蓄熱・伝熱材料と熱的接続を有する一式の調理チャンバーを有する。調理装置はまた、調理チャンバーを個別にカバーするための一群の取り外し可能な部分を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は太陽熱応用分野に関連しており、特に太陽熱収集器からの太陽熱を受領し貯蔵するレンジの内部で食品を調理するためのソーラー式調理装置に関する。また、太陽熱で水を加熱し電気エネルギーを貯蔵するレンジにも関する。
【背景技術】
【0002】
地球上の様々なエネルギー源の中、太陽熱は最も広範囲、豊富、かつ、均一的に存在するエネルギー源である。太陽熱エネルギーはとても簡単に利用される。誰でもいつでも任意の場所で利用可能である。
【0003】
人間のエネルギー消費活動において、食品と飲料を調理することが最も頻繁かつ長い歴史のある行動である。人間にとっては、どこに住んでも毎日料理をする必要がある。
【0004】
太陽熱エネルギーを利用し、食品を調理することは非常に面白く、有用な課題である。この領域で既にかなりの発明・研究成果が存在している。(既存の特許資料を参照)
【0005】
地球の単位面積上のソーラーパワーはとても大きくはない。日射強度は、南から北に、朝から夜に変わり、天気・季節の変化に依存する。そのため、経済的なソーラー式調理装置の開発は常に課題になって、努力を続ける必要がある。
【0006】
以上の困難点に鑑み、一部のソーラー式調理装置の受光部はできるだけ拡大されているが、収集された太陽熱のための断熱は難しいという欠点がある。また、一部のソーラー式調理装置は高価な自動制御システムを利用し、日差しを追従及び合焦できるが、システムを駆動するための追加の電源が不可欠という不満があった。一方、従来においては、ソーラー式調理装置に蓄熱材料を利用しているが、蓄熱材料自体は高価かつ入手困難のものである。
【0007】
現在、電力需要の管理はより一般的になってきた。一つの管理方法は、電力需要の低い期間に電熱を貯蔵し、需要の高い期間に使用するという手段である。本発明のソーラー式調理用レンジは、大きな熱エネルギー貯蔵体となることができ、良い保温性能を持ち、それゆえにまた、電力需要の管理の目的のための電熱貯蔵容器である。
【0008】
本開示は、歴史的な経験を吸収し、新しいソーラー式の水加熱技術を結合して、経済的かつ実用的な一式のソーラー式調理装置を開発した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的とするところは、従来の技術を改良し、経済的、製造・使用容易、かつ、効率良いソーラー式調理装置を提供することにある。本発明は、太陽熱を利用した食品調理の困難点を克服するため、下記の技術的手段を採用する。
【0010】
最適な熱収集を達成するため、脱気された太陽熱収集器を使用すること。
【0011】
熱を保存・蓄積し、連続的かつ安定な調理を提供するため、脱気された太陽熱収集器の中に蓄熱・伝熱材料を充てんすること。
【0012】
周囲の太陽光を調理装置に集束させるための反射器。
【0013】
太陽光の方向を指示する日時計、及び、最大のソーラーパワーを得るための調節・回転することができる架台。
【0014】
ソーラーパワーが足りない場合に、バックアップパワーソースを提供するための電源。また、このソーラー式調理装置は、停電のときでも調理できるように、電気代が安い際のためのバックアップまたはエネルギー保存装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の具体的な概要は以下のとおりである。
【0016】
本開示の一態様によって、内部が第1の蓄熱・伝熱材料で満たされる太陽熱収集器であって、太陽熱が収集され、内部に貯蔵され、そこから輸送される太陽熱収集器、内部が第2の蓄熱・伝熱材料で満たされるソーラー式調理レンジであって、前記太陽熱収集器と接続され、太陽熱が前記太陽熱収集器から受け取られ、食品調理のために貯蔵されるソーラー式調理レンジであって、蓄熱・伝熱材料が内部に満たされる断熱かつ閉鎖された室と、前記ソーラー式調理レンジの頂面をカバーするクックトップとを有するソーラー式調理レンジと、前記閉鎖された室の内部に配置され且つ前記蓄熱・伝熱材料の中に配置される一式の調理チャンバーと、前記太陽熱収集器を前記ソーラー式調理レンジ内の蓄熱・伝熱材料に接続し、太陽熱を輸送する熱輸送媒体と、断熱された蓋を有し、前記ソーラー式調理レンジ内の前記調理チャンバー内に配置され、そこで食品が調理される一式のソーラー式調理器と、前記調理チャンバーを個別にカバーする一群の取り外し可能な部分と、前記調理チャンバーに一つずつ挿入する一群の取り外し可能な部分と、必要なアクセサリと、を含むソーラー式調理装置が提供される。
【0017】
この太陽熱収集器は真空管式の太陽熱収集器であり、或は例えば並列、或いは完全なもしくは部分的な円錐列のような、特定の形状に配置される一群のモジュール式の真空管式の太陽熱収集器である。安全上の理由のために、真空管式の強化ガラスチューブ型の太陽熱収集器、及び透明のカバーが示唆される。
【0018】
真空管式の太陽熱収集器は、一つ又は二つの開口端を有しうる。これら一つ又は二つの開口端は、ソーラー式調理レンジの中に延長され、もしくは熱伝導媒体又は熱交換器によって調理レンジに接続され、ソーラー式調理レンジに太陽熱を輸送することができる。
【0019】
上述の第1及び/又は第2の蓄熱・伝熱材料は、固体材料(例:鉱石、金属、合金、泥炭、土、石英砂、玄武岩砂、黒鉛)、液体材料(例:水、オイル、灯油・燃料オイル・変圧器オイル(transformer oil)を含む石油、菜種油及び大豆油を含む調理油)、化学的蓄熱材料(例:CaO + H20又はパラフィン)、二種類もしくはそれ以上の蓄熱・伝熱材料の組み合わせ(例:オイルが充填された石英砂、又は黒鉛(plumbaginous)パラフィン(黒鉛及びパラフィン))のうちのいずれであってもよい。
【0020】
上述のソーラー式調理レンジは、ソーラー式調理レンジの閉鎖された室の内部に配置され蓄熱・伝熱材料で囲まれた熱交換器を含み、この熱交換器は、太陽熱収集器からの太陽熱を受け取るために、前記調理レンジの壁の器具に接続された複数の端部を有する。前記太陽熱調理レンジは更に、前記閉鎖された室の表面上の断熱被覆又は取り外し可能な断熱グレートコートを有する。前記太陽熱調理レンジは、前記閉鎖された室内で蓄熱・伝熱材料を呼吸し膨張するための構造を含む。前記構造は、穴及び雰囲気中に解放するための前記閉鎖された室の頂部の器具であり、あるいは、前記閉鎖された室の中に配置された膨張できるもの、例えば一枚の気泡プラスチック(bubble plastic)もしくは空きのポリマー胃ボール(polymeric empty stomach ball)である。
【0021】
ソーラー式調理レンジの前記断熱された閉鎖された室は、太陽熱収集気から熱チューブを受け取るための受け器具を備えた気密の室である。それは金属(例えば鋼又は銅)、合金(例えばステンレス鋼又はアルミニウム合金)、又は耐熱材料(例えばセラミック、コンクリート、れんが又は土)で作成されても良い。ソーラー式調理レンジの前記断熱された閉鎖された室は、太陽熱収集器からチューブを受け取るための受け取り器具を有する。
【0022】
一群の調理チャンバーのうちの各調理チャンバーは、蓄熱・伝熱材料を調理器から分離させるために、伝熱材料(例えばステンレス鋼又は銅)で閉じ込められる。この調理チャンバーの形状は、シリンダバケット形、半球形または他の形である。
【0023】
前述のソーラー式調理レンジは、ドア及び監視窓付きの内臓式オーブン、及び蓄熱・伝熱材料を充填した取り外し可能な引き出しを含んで構成されうる。
【0024】
上記のソーラー式調理レンジ内の閉鎖された室は、熱を保持し、調理後に熱水を作るために余熱を利用するための、蓄熱・伝熱材料で囲まれた熱水チューブを含みうる。この熱水チューブは、入口器具と繋がった一端と、ソーラー式調理レンジの壁上の出口器具と接続した他の一端とを有する。これらの器具は、熱水器具からのチューブを受け取るためのものである。
【0025】
熱輸送媒体は、接触羽根付き、もしくはなしの熱チューブを含むことが可能であり、当該熱チューブは、片方の末端が太陽熱収集器の中に延長し、もう片方の末端がソーラー式調理レンジの中に延長する。もしくは熱チューブのグループであることも可能であり、各チューブはソーラー式調理レンジに、各太陽熱収集器で接続される。更に、メタル伝導体(例えば銅、アルミ伝導体、又はソーラー式調理レンジの金属内壁)であることも可能である。
【0026】
ソーラー式調理器のうちの各調理器は、前記ソーラー式調理レンジの調理室の一つに完全に嵌め込まれることができ、且つ、少なくとも一つの調理室のサイズ及び形状と適合するサイズ及び形状を有する。各器具は下部と上部を有し、下部は一つの調理室に嵌め込まれることができ、且つ少なくとも一つの調理室のサイズ及び形状に適合するサイズと形状とを有し、上部は断熱グレートコート(heat insulation greatcoat)を有する。
【0027】
ソーラー式調理器は、ステンレス製もしくはガラス製のシリンダー容器、もしくはステンレス製もしくはガラス製の半球形の容器、及び二層の強化ガラスの蓋を含みうる。
【0028】
前記一群の調理チャンバーのうち、各調理チャンバーは、標準のモジュール式のサイズ及び形状を有する。各調理器は、前記調理器の外部のサイズ及び形状に適合するサイズ及び形状を有する熱伝導性被覆を有し、その外部のサイズ及び形状は、前記ソーラー式調理レンジ内の前記標準のモジュール式の調理チャンバーの内部のサイズ及び形状に適合されている。ここで、調理室が使用中又は使用中でないときに、各断熱部分が一群の調理チャンバーの頂部をカバーする。
【0029】
前記アクセサリは、ソーラー式調理装置の各部分を適切な状況に配置かつ支持するための固定支持架台を含む。架台は、前記太陽熱収集器のために太陽光の入射角の調整を可能にする構造、及び、太陽光に対する太陽熱収集器の方向の調整を可能にするための他の構造(例えば回転可能なベース)を有する。前記アクセサリは更に、周囲の太陽光を太陽熱収集器に合焦するための光反射体、太陽熱収集器に垂直に設置され太陽光の入射角を表示する日時計(例えば円錐バー)、ソーラー式調理器の中の食品を包み又は被覆するための袋もしくは膜(例えばメタル、紙、もしくはプラスチック製の袋、および膜)、及び一式の車輪を含みうる。
【0030】
本開示の別の側面に従い、主に太陽熱を使用するが、バックアップのパワー源として電気を使用するソーラー式調理装置が提供される。上述のソーラー式調理装置は、調理室の底部及びオーブン内の電源付きの電熱要素を更に含み、この電源付きの電熱要素は、非常に高い耐熱温度を有する電源ケーブル、ソーラー式調理装置の運転特性パラメータ(例えば、タイミング、温度、圧力、湿度など)を測定及び表示するための測定表示デバイスを含む。
【0031】
上記ソーラー/電気式のソーラー式調理装置では、各調理器のための一群の断熱被覆を含み、この断熱被覆は、前記調理器の外部のサイズ及び形状と適合された内部のサイズ及び形状を有し、且つ、この調理室が標準のモジュール式の調理チャンバーであるかにかかわらず、前記ソーラー式調理レンジ内の前記調理チャンバーの内部のサイズ及び形状に適合された外部のサイズ及び形状を有する。
【0032】
本開示のその他の側面、及び特徴は、後続の特定の実施形態の記述、および図解により、当業者に明白となる。
【0033】
この発明の図解が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1に一式のソーラー式調理装置の概念的な側面図を示す。装置は、ソーラー式調理レンジ、一組の調理器、及び蓄熱・伝熱材料で満たされた太陽熱収集器を含んでいる。
【図2】図2にバックアップ電源及び運転パラメータの表示・制御システムを含めた一式のソーラー式調理装置を概念的に示す透視図を示す。
【図3】図3に蓄熱・伝熱材料で満たされた別の太陽熱収集器の例示の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1に、使用中の一式のソーラー式調理装置100の側面概略図を示す。ここで、太陽熱収集器110は概念的な部分断面で図示され、ソーラー式調理レンジ130は概念的な縦横断面で図示されている。ソーラー式調理装置100は、太陽熱収集器110及びその内部を満たす蓄熱・伝熱材料120、ソーラー式調理レンジ130、この調理レンジの内部を満たす蓄熱・伝熱材料122、ソーラー式調理器151,152,153、及びアクセサリを含んで構成される。
【0036】
太陽熱収集器は、その蓄熱・伝熱材料120、122を水の沸騰温度以上に加熱することができる全ての太陽熱収集器から選ばれる。図1のように、太陽熱収集器は一群のモジュール式の真空管式の太陽熱収集器111,112,113,114,115と116により構成される。これら各太陽熱収集器は各一方の開口端を合流チューブ117内へと伸長し、且つ両端118、119を有する並行列に搭載されている。調理の要求に依存して、一群のモジュール式の真空管式の太陽熱収集器は、円錐形のような別の形で搭載することができる。管の数は1から多数としうる。それは調理の要求にも依存する。また、太陽熱収集器110の一端119は閉じられ、他の一端118は開放端であり得、且つソーラー式レンジ130の閉鎖された調理室131内へと延長される。
【0037】
真空管式の太陽熱収集器111(112−116は同様なものである)は、透明な外部層1111と内部層1112を持ち、二つの層の間の空間は脱気される。内部層1112は、図に示されない吸熱コーティングを有する。この真空管式の太陽熱収集器は、太陽熱温水器用のものとして市場で入手しうる。
【0038】
ソーラー式調理器で使用可能な太陽熱収集器は様々な構造を有する。図3にこれらを概略的に示す。
【0039】
真空管式の太陽熱収集器はガラス製である。もしガラスが割れると、ユーザに対してガラスの破片が危険である。そのため、安全上の理由から、太陽熱収集器は透明なプラスチック製のカバーを持つ(図1に示さない)。この透明なプラスチック製のカバーは、個々の管のための複数のマントルでもよく、また収集器パネルの全体を覆う単一の保護カバーであってもよい。しかし、このプラスチック製の保護マントルは、太陽熱収集器の効率を減じる可能性がある。そのため、脱気された強化ガラス製の管がより優れた解決である。
【0040】
蓄熱・伝熱材料120が、太陽熱収集器110内に満たされている。ここでは蓄熱・伝熱材料は砂である。蓄熱・伝熱材料122は、ソーラー式調理レンジ130の閉鎖された調理室131内に満たされている。ここでもそれは砂である。熱輸送材料121は、太陽熱収集器110とソーラー式調理レンジ130の両方に満たされている。ここでは、それは灯油(heating oil)である。この灯油121は、液体の循環により太陽熱を輸送する。実際、灯油を蓄熱・伝熱材料として使うこともできる。この場合、蓄熱・伝熱材料120、122は砂と灯油の組み合わせである。
【0041】
蓄熱・伝熱材料への要求は以下のとおりである:高比熱容量、高熱伝導率、安全、安価、及び入手容易。そのため、太陽熱収集器110で使うのを前述の材料だけとする必要はない。蓄熱・伝熱材料となりうる多くの材料が存在し、固体、液体、化学材料、これらの材料の混合物のうちどのようなものであってもよい。各材料は、検討を要するような長所と短所とを有する。以下は幾つかの例である。
【0042】
石英砂は一種の鉱石である。それは安全、安価かつ入手容易な材料であるが、熱伝導率は低い。
【0043】
黒鉛もまた一種の鉱石である。それは高い熱伝導率を有するが、値段は石英砂より高い。
【0044】
石炭と泥炭(turves)は、良い熱伝導率を持つ化石材料であるが、比熱容量はとても良くはない。
【0045】
金属(例えば、鋼又は銅)及び合金(例えば、ステンレス鋼又はアルミ合金)は、良い熱伝導率を持ち、簡単に様々な形状に製造されるが、値段が高い。
【0046】
砂と土は入手しやすく、且つ非常に安いが、砂と泥の構成成分は場所によって変わる。
【0047】
水とオイルは、二つの典型的な液体の蓄熱・伝熱材料である。流れる液体は簡単に熱を輸送することができる。水の沸騰温度は多くのオイルより低い。高圧下の水は、ソーラー式調理機内で使用するための高い沸騰温度を持ち得る。
【0048】
多種の食用油は、食用に安全である。これらの沸騰温度は水よりも高い。それらは蓄熱・伝熱材料として好適である。しかし、それらは値段が高く又食品であるため、広く使われ得ない。
【0049】
石油、及び灯油、燃料オイル、トランスフォーマオイル及びディーゼルなどの石油製品は、水よりも著しく高い沸点を持つ。それらは値段が食用油より安いため、それらもまた良い熱輸送材料である。これらの油類の欠点は、ソーラー式調理器が電熱要素を有する場合に安全ではないことである。また、幾つかの揮発させられた材料は、健康に良くないことがありうる。
【0050】
幾つかの化学材料或は相変化材料である蓄熱材料を考慮すべきである。例えば、水をCaoに注入すること及び加熱によってパラフィンを融解させることは、熱を保存するための方法である。
【0051】
前述された複数の材料のうちの2種類の材料の組み合わせはしばしば使われる。例えば、黒鉛(plumbaginous)パラフィン(黒鉛及びパラフィン)は、黒鉛からの良い熱伝導率と、パラフィンからの相変化熱能力を持つ。この例のように、オイルを砂に注入すると、オイルを節約でき且つより安全にできるだけでなく、オイルの流れによる良い熱輸送能力も発揮することができる。
【0052】
図3に、太陽熱収集器が縦断面で概略的に示されている。
【0053】
図3Aに、水或はオイルのような液体の蓄熱・伝熱材料で満たされた真空管式の太陽熱収集器の縦断面を概略的に示す。場合によっては、水も調理用の熱輸送媒体になることができる。
【0054】
図3Bに、鉱石或は泥炭のような固体の蓄熱・伝熱材料で満たされた真空管式の太陽熱収集器の縦断面を概略的に示す。
【0055】
図3Cに、砂で満たされ且つ熱輸送媒体としての熱チューブ又は熱導体を有する真空管式の太陽熱収集器の縦断面を概略的に示す。
【0056】
図3Dに、石英砂と食用油のような固体と液体の蓄熱・伝熱材料の組み合わせで満たされた真空管式の太陽熱収集器の縦断面を概略的に示す。
【0057】
図3Eに、縦並列(vertical parallel raw)に並んで搭載された一群のモジュラー式の真空管式の太陽熱収集器の部分縦断面を概略的に示す。
【0058】
図3Fに、横並列(horizontal parallel raw)に並んで搭載された一群のモジュラー式の真空管式の太陽熱収集器の部分縦断面を概略的に示す。
【0059】
ソーラー式調理器をセットアップする際に、前記の太陽熱収集器以外に沢山の変種及び組み合わせを選択でき使用できる。
【0060】
ソーラー式調理レンジ130は、蓄熱・伝熱材料で満たされた室131、断熱層132、クックトップ133、器具135の付いたクックトップの穴134を含んで構成される。レンジ130の内部に、複数のチャンバー(136,137,138,139)が配置される。
【0061】
この蓄熱・伝熱材料については既に詳しく議論した。これらは熱レンジでも使われる。
閉鎖された室131は、ステンレス鋼板のような金属により閉鎖される。それは鋼、銅、或はアルミ合金であってもよい。これらの金属材料の加工は簡単で、気密の箱を作りやすい。このことは、液体容器として使用するためにも重要である。
【0062】
経済的な理由で、セラミック、コンクリート、レンガ又は泥のような、より安い値段の材料を、金属材料に代えて用いることができる。
【0063】
ソーラー式調理レンジ表面の断熱層は、例えば、セラミックコーティングのような断熱コーティングである。それは除去可能の断熱グレートコート(greatcoat)であってもよい。
【0064】
クックトップ133は、断熱被覆の表面でレンジの上部を被覆する。
【0065】
通常オーブンと呼ばれるより小さい閉鎖部分140は、ソーラー式調理レンジ130の内部に設けられる。このオーブン140は、ステンレス鋼あるいは銅シートなどの熱伝導金属141によって閉鎖され、蓄熱・伝熱材料122(図で示されない)に囲まれている。オーブン140は、前記ソーラー式調理レンジの側壁に設けられた観察用視野(watching eye)1430付きの断熱ドア1401と、ハンドル1402とを有する。
【0066】
オーブン140は、蓄熱・伝熱材料122で満たされた取り外し可能な引き出し(図1に示されない)をさらに含む。オーブンが非稼働中であるとき、レンジの熱容量を追加するためにこの引き出しがオーブン140内に配置される。
【0067】
ソーラー式調理レンジ130には、調理器が調理のために中に組み合わせられる(mosaiced)チャンバー136,137,138,139がある。これらのチャンバーは、蓄熱・伝熱材料122の中に形成される。図1に示すように、チャンバー136,137,138,139の壁1361,1381及び1391はシリンダバケット形であり、壁1371は半球状である。これらチャンバーは、それらのオープントップをクックトップ133上に有する。蓄熱・伝熱材料を調理器から分離するために、調理チャンバー136,137,138,139は、例えばステンレス鋼又は銅などの熱伝導材料によって囲まれている(enclosed)。取り外し可能な部分1516,1521(図1には示されない),1531,1541は、断熱の目的のために、チャンバー136,137,138,139をカバーする。各チャンバーのために準備された、四つの断熱ブロックがある(図1では1391のみ示されている)。これらは、幾つかの調理チャンバーが非稼働のとき、チャンバーに挿入するために準備されている。チャンバーが使用中のとき、断熱ブロックは取り出される。
【0068】
図1では、ソーラー式調理レンジ130の調理器151,152,153は、ソーラー式調理器の代表的なものである。
【0069】
器具151は、シリンダバケット形の揚げ鍋(deep fryer)である。フライバスケット1581が、この器具の中に設置されている。その下部は調理チャンバー136内に入れ込まれており、且つその壁1511は、チャンバー壁1361と閉鎖的な熱的接続を有する。器具151の上部は、断熱グレートコート1513によって断熱されている。断熱カバー1516は、蓋1515をカバーしている。器具151の内部には、取り外し可能なハンドル1517がある。
【0070】
器具152は、チャンバー1371のサイズと形に適合した半球状のポット又は中華鍋(wok)である。それはチャンバー137内に完全に入れ込まれている。それは、蒸気逃し用の穴1372付きの2層の強化グラス製の蓋1373を有する。
【0071】
器具153は、シリンダバケット形の蒸し器である。この蒸し器の中に、2層の蒸しバスケット1533が配置されている。それは調理チャンバー138内に入れ込まれており、且つチャンバー壁1381との閉鎖的な熱的接続を有する。断熱カバー1531は蓋1532をカバーする。器具153の内部には、取り外し可能なハンドル1534がある。
【0072】
上記の詳細な記述に基づいて、これらの調理器具の共通の特徴が以下のとおりであることを指摘することが可能である。
A.器具のボディーが、主にシリンダバケット形、或は半球状である。
B.器具は、ソーラー式調理レンジの調理チャンバーの中に部分的或は全体的に入れ込まれており、且つチャンバー壁と閉鎖的な熱的接続を有する。
C.器具の部品は断熱されており、チャンバーの外側にある。
D.容器の蓋は、断熱カバーによって或は2層を持つことによって、断熱されている。
【0073】
この場合、上述したように、熱輸送媒体は灯油121である。太陽熱収集器110の一方の開放端118は、ソーラー式調理レンジ130内に延在する。熱輸送媒体としての灯油121は、砂120及び122に接続され且つ沈んでいる。それは砂120と122から太陽熱を輸送する。さらに、液体の熱輸送媒体としての灯油は、太陽熱収集器110とレンジ130の閉鎖された室131とに自動的に循環している。オイルは、非常に効率的な熱輸送媒体である。
【0074】
他の場合に、太陽熱収集器は一つの搭載されたパネルであってもよい。それは、レンジの中に伸びる両端を有してもよい。それはまた、一端又は二端を導管を通じてレンジに接続して、太陽熱収集器110からの太陽熱をソーラー式調理レンジ130に輸送してもよい。
【0075】
図2に、バックアップ電熱要素、運転パラメータ表示・制御システムを含む一組の別のソーラー式調理装置200の概略的な斜視図を示す。
【0076】
図2に示すように、一組のソーラー式調理装置は、太陽熱収集器210、ソーラー式調理レンジ230、太陽熱収集器210とソーラー式調理レンジ230内に装備された熱交換器225との間を接続する二つの液体導管215,216により構成される。ポンプと他のアクセサリは図3の中に示されない。
【0077】
太陽熱収集器210は、入口211と出口212とを有する五つの真空管式の太陽熱収集器によって搭載されたパネルである。太陽熱の蓄熱・伝熱材料220が、太陽熱収集器210を満たしている。この例では、それは砂である。
【0078】
ソーラー式調理レンジ230は、断熱被覆つきの閉鎖された室231を有する。この太陽熱の蓄熱・伝熱材料222は、ソーラー式調理レンジ230の内部を満たしている。この例では、それは泥炭である。砂と泥炭とは図2に示されない。ハンドル2321と観察用視界2322つきのオーブン232が、室231内に配置される。二つの電熱要素(図2に示されない)が、オーブン232に装備されている。
【0079】
オーブン232は、バックアップのエネルギー源としての電源を有する備え付けの上部電熱要素及び/又は備え付けの下部電熱要素を更に含む(図2に示されない)。
【0080】
三つのチャンバー233,234,235が、ソーラー式調理レンジ230内に配置され、且つ、例えば泥炭のような蓄熱・伝熱材料に囲まれている。三つの電熱要素267,268,269が、チャンバー233,234,235の底部にそれぞれに装備されている。電熱要素267,268,269は、それらの電源、スイッチ261,262,263を有する。それらはまた、運転特性回転表示デバイス264,265,266、及び制御システムを有する。このスイッチ261,262,263と、制御システムを含む運転特性回転表示デバイス264,265,266は、コントロールパネル260上に配置される。
【0081】
三つのチャンバー233,234,235は、標準のモジュールのサイズと形状を持つ。ソーラー式調理レンジ230で使われる各ソーラー式調理器は、熱伝導コートを有し、この熱伝導コートの内部サイズと形状とが器具の外部サイズと形状とに適合し、且つその外部サイズと形状とが、前記ソーラー式調理レンジ内の前記標準のモジュールの調理チャンバーの内部サイズと形状とに適合する。そのため、たとえ各器具のサイズと形が異なっても、食品が調理されるときには、それぞれの器具がコートつきで、レンジ230の任意の標準のチャンバーの内部に配置されることができる。
さらに、ソーラー式調理レンジ230で使われる各ソーラー式調理器は、断熱被覆を有し、この断熱被覆の内部サイズと形状とが器具の外部サイズと形状とに適合し、且つその外部サイズと形状とが、前記ソーラー式調理レンジ内の前記標準のモジュールの調理チャンバーの内部サイズと形状とに適合する。そのため、電熱要素が稼働中であるとき、その熱要素が器具を加熱し、食品のみを調理する。電力は、ソーラー式調理レンジ230内の全ての蓄熱・伝熱材料を加熱する必要がない。
【0082】
例えばフィンチューブ225のような熱交換器が、ソーラー式調理レンジ230内に配置され、且つソーラー式調理レンジの表面に、二つの器具2251及び2252を有する。導管215は、器具2251に接続する一端と、太陽熱収集器210の一端211と接続した反対側の一端とを有する。器具2252は、導管216の一端と接続している。導管216の反対側の一端は、太陽熱収集器210の端部212と接続している。
【0083】
液体の熱輸送媒体(例えば、燃料オイル)が、熱交換器225、導管215と216の中に満たされている。それは太陽熱収集器210内の砂に浸透される。このため、燃料オイルは太陽熱収集器210の蓄熱・伝熱材料にもなる。ポンプのような液体を循環させるための他のアクセサリは議論されず、図2にも示されない。
【0084】
太陽光201が太陽熱収集器に照射すると、太陽熱収集器が熱を吸収し、その内部の砂に熱を貯蔵する。熱伝導材料(すなわち、燃料オイル)は、熱をピックアップし、閉ループ211−2251−2252−212−211を通じて運搬し、ソーラー式調理レンジ230内の泥炭まで熱を転送する。調理器具233,234,235は、チャンバーの壁と食品を調理する器具との間の熱的接続を通じて、太陽熱をピックアップする。太陽熱が調理のために不十分である場合には、電熱要素267,268,269はバックアップのパワーソースとして、追加のエネルギーを提供する。
【0085】
ソーラー式調理装置200は、五つの太陽熱収集器を適切な場所と状態に配置し支持するための固定支持架台217を更に含む。それは、太陽光に対する太陽熱収集器210の入射角度の調節を可能にする。太陽熱収集器210の方角を調節するために、支持架台217の底部の四つの隅に、四つの車輪271,272,273,274が取り付けられる。日時計(図2に示されていない)は円錐バー(cone bar)である。それは太陽光の入射角を表示するために、太陽熱収集器に垂直に固定される。
【0086】
周囲の太陽光を太陽熱収集器に合焦するために、光反射体が、真空管の下に装備される。
【0087】
ソーラー式調理レンジ230は更に、蓄熱・伝熱材料に埋め込まれた空の熱水チューブを含み、且つレンジ230の壁に、その入口器具237と出口器具238とを有する。調理するときには、チューブの中身は空である。調理後、レンジ230内の残留熱を熱水の作成に使用するために、冷水がチューブに貫流させられる。
【0088】
例示についての上記の詳細な記述と議論に基づいて、他の変更が当業者に明白であり、それゆえ、この発明は各請求項で定義される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部が第1の蓄熱・伝熱材料で満たされる太陽熱収集器であって、太陽熱が収集され、内部に貯蔵され、そこから輸送される太陽熱収集器、
内部が第2の蓄熱・伝熱材料で満たされるソーラー式調理レンジであって、前記太陽熱収集器と接続され、太陽熱が前記太陽熱収集器から受け取られ、食品調理のために貯蔵されるソーラー式調理レンジであって、蓄熱・伝熱材料が内部に満たされる断熱かつ閉鎖された室と、前記ソーラー式調理レンジの頂面をカバーするクックトップとを有するソーラー式調理レンジと、
前記閉鎖された室の内部に配置され且つ前記蓄熱・伝熱材料の中に配置される一式の調理チャンバーと、
前記太陽熱収集器を前記ソーラー式調理レンジ内の蓄熱・伝熱材料に接続し、太陽熱を輸送する熱輸送媒体と、
断熱された蓋を有し、前記ソーラー式調理レンジ内の前記調理チャンバー内に配置され、そこで食品が調理される一式のソーラー式調理器と、
前記調理チャンバーを個別にカバーする一群の取り外し可能な部分と、
前記調理チャンバーに一つずつ挿入する一群の取り外し可能な部分と、
必要なアクセサリと、
を含むソーラー式調理装置。
【請求項2】
前記太陽熱収集器は、真空管式の太陽熱収集器である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項3】
前記太陽熱収集器は、一群の真空管式の太陽熱収集器である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項4】
前記真空管式の太陽熱収集器は、ソーラー式調理レンジの中まで延長する開口端を有する請求項2又は3に記載のソーラー式調理装置。
【請求項5】
前記真空管式の太陽熱収集器は、熱伝導媒体により、ソーラー式調理レンジに熱的に接続する開口端を有する請求項2又は3に記載のソーラー式調理装置。
【請求項6】
前記太陽熱収集器は、例えば並列、或いは完全なもしくは部分的な円錐列のような、特定の形状に配置される一群のモジュール式の真空管式の太陽熱収集器である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項7】
前記太陽熱収集器は、二つの開口端を有し、その中の一つは閉じたもので、もう一つは前記ソーラー式調理レンジの中まで延長する請求項6に記載のソーラー式調理装置。
【請求項8】
前記太陽熱収集器は、二つの開口端を有し、その中の一つは閉じたもので、もう一つは前記熱伝導媒体によって、前記ソーラー式調理レンジと接続する請求項6に記載のソーラー式調理装置。
【請求項9】
前記太陽熱収集器は、二つの開口端を有し、当該二つの開口端は共に前記ソーラー式調理レンジの中に配置されている請求項6に記載のソーラー式調理装置。
【請求項10】
前記太陽熱収集器は、二つの開口端を有し、当該二つの開口端は共に、熱伝導媒体により、前記ソーラー式調理レンジと熱的に接続する請求項6に記載のソーラー式調理装置。
【請求項11】
前記太陽熱収集器は、二つの開口端を有し、当該二つの開口端は共に、二つの器具および二つの接続チューブを通じて、前記ソーラー式調理レンジの中に配置された熱交換器と接続する請求項6に記載のソーラー式調理装置。
【請求項12】
前記真空管式の太陽熱収集器は、脱気された強化ガラスチューブの太陽熱収集器である請求項2,3,又は6に記載のソーラー式調理装置。
【請求項13】
前記真空管式の太陽熱収集器は、安全上の理由により、透明なプラスチック製の保護マントルを含む請求項2,3,又は6に記載のソーラー式調理装置。
【請求項14】
前記第1及び/又は第2の蓄熱・伝熱材料は、例えば鉱石、金属又は合金のような固体材料である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項15】
前記第1、及び/又は第2の蓄熱・伝熱材料は、例えば泥炭又は土のような固体材料である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項16】
前記蓄熱・伝熱材料である鉱石は、石英砂、もしくは黒鉛である請求項14に記載のソーラー式調理装置。
【請求項17】
前記第1及び/又は第2の蓄熱・伝熱材料は、例えば水又はオイルのような液体材料である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項18】
前記第1及び/又は第2の蓄熱・伝熱材料は、例えば菜種油又は大豆油のような調理油である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項19】
前記蓄熱・伝熱材料であるオイルは、石油、もしくは灯油である請求項17に記載のソーラー式調理装置。
【請求項20】
前記第1及び/又は第2の蓄熱・伝熱材料は、例えばCaO+H20、もしくはパラフィンのような、蓄熱化学物質、もしくは相変化蓄熱材料である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項21】
前記第1、及び/又は第2の蓄熱・伝熱材料は、例えば石英砂が充填されたオイル、もしくは黒鉛を含むパラフィン(黒鉛とパラフィン)のような、二つもしくはそれ以上の蓄熱・伝熱材料の複合材である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項22】
前記ソーラー式調理レンジは、前記ソーラー式調理レンジ内まで開口端を延長する太陽熱収集器から、一つもしくは二つの開口端を受け取る構造を含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項23】
前記ソーラー式調理レンジは、太陽熱をソーラー式調理レンジに輸送するための伝熱媒体と調理レンジを接続するための構造を含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項24】
前記ソーラー式調理レンジは、更に熱交換器を含み、当該熱交換器はソーラー式調理レンジの閉鎖された室の内部に配置され、且つ蓄熱・伝熱材料に囲まれ、前記熱交換器は調理レンジの壁に接続された器具につながる開口端を持ち、太陽熱収集器からの太陽熱を受け取る請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項25】
前記ソーラー式調理レンジは、上述した閉鎖された室の表面に断熱コーティングを有する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項26】
前記ソーラー式調理レンジは、取り外し可能な断熱グレートコートを有する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項27】
前記ソーラー式調理レンジは、更に前記閉鎖された室の中で蓄熱・伝熱材料の呼吸と膨張のための構造を持ち、当該構造は一つの穴と外気に連通するために閉鎖された室の頂部の器具であるか、もしくは、前記閉鎖された室の中に配置された膨張できるもの、例えば一枚の気泡プラスチック(bubble plastic)もしくは空きのポリマー胃ボール(polymeric empty stomach ball)である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項28】
前記ソーラー式調理レンジの断熱および閉鎖された室は、太陽熱収集器から熱チューブを受け取るための器具を備えた気密空間である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項29】
前記ソーラー式調理レンジの断熱および閉鎖された室は、例えば鉄又は銅のような金属製である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項30】
前記ソーラー式調理レンジの断熱および閉鎖された室は、例えばステンレス又はアルミ合金のような合金製である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項31】
前記ソーラー式調理レンジの断熱および閉鎖された室は、例えばセラミックもしくはコンクリートのような耐熱材製である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項32】
前記ソーラー式調理レンジの断熱および閉鎖された室は、例えばれんがもしくは土のような耐熱材製である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項33】
前記ソーラー式調理レンジの断熱および閉鎖された室は、太陽熱収集器より熱チューブを受け取るための器具を有する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項34】
一群の前記調理チャンバーにおける各調理チャンバーは、蓄熱・伝熱材料を前記調理装置から隔離するために、例えばステンレス又は銅のような伝熱材料によって囲まれる請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項35】
前記調理チャンバーは、シリンダバケット形である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項36】
前記調理チャンバーは、半球形である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項37】
前記ソーラー式調理レンジの閉鎖された室は、通常オーブンと名付けられその中で料理が加熱調理されるより小さい閉鎖部分を更に含み、当該オーブンは例えばステンレス又は銅シートのような伝熱材料によって閉じ込められ、且つ蓄熱・伝熱材料によって囲まれ、前記オーブンは前記ソーラー式調理レンジの側壁に観察視野つきの断熱扉を有する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項38】
前記オーブンは、バックアップのエネルギー源として一つもしくは二つの電源付き電熱要素を更に含む請求項37に記載のソーラー式調理装置。
【請求項39】
前記より小さい閉鎖された室もしくはオーブンは、装備された上部の電熱要素、及び/又は、バックアップのエネルギー源としての装備された電源付き電熱要素を更に備える請求項37に記載のソーラー式調理装置。
【請求項40】
前記電熱要素は、運転特性パラメータ測定、表示および制御システムを更に含む請求項37に記載のソーラー式調理装置。
【請求項41】
前記より小さい閉鎖された室もしくはオーブンは、蓄熱・伝熱材料で内部を満たされ、当該オーブンが使用されないときに当該オーブンの中に設置される取り外し可能な引き出しを更に備えた請求項37に記載のソーラー式調理装置。
【請求項42】
前記ソーラー式調理レンジの閉鎖された室は、調理後に熱水を作成するのに余熱を利用するために蓄熱・伝熱材料によって囲まれた熱水チューブを更に含み、当該熱水チューブの末端の一つは入口器具と接続され、反対側の末端はソーラー式調理レンジの壁にある出口器具と接続され、当該二つの器具は熱水器具よりチューブを受け取るためのものである請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項43】
前記熱輸送媒体は、接触羽根付きもしくは付かない熱チューブであり、当該熱チューブは、太陽熱収集器内にある一つの末端と、ソーラー式調理レンジの中まで延長するもう一つの末端とを有する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項44】
前記熱チューブは、一群の熱チューブであり、各チューブはそれぞれ一つの太陽熱収集器で前記ソーラー式調理レンジと接続する請求項43に記載のソーラー式調理装置。
【請求項45】
前記熱輸送媒体は、例えば銅又はアルミ伝導体のような金属伝導体である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項46】
前記熱輸送媒体は、ソーラー式調理レンジの金属壁である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項47】
前記熱輸送媒体は、太陽熱収集器内の液体の蓄熱・伝熱材料を、ソーラー式調理レンジ内の同様の液体の蓄熱・伝熱材料と接続され、両者の間で液体の循環を可能にする導管である請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項48】
前記熱輸送媒体は、二つの断熱された液体導管であり、各導管の一つの末端は太陽熱収集器の二つの末端の中の一つと接続され、反対側の末端はソーラー式調理レンジの二つの受け取り器具と接続し、太陽熱収集器、調理レンジ、および二つのチューブの間における液体の循環を可能にする請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項49】
前記熱輸送媒体は、一つの組の液体導管であり、各導管の一つの末端は太陽熱収集器の二つの末端の中の一つと接続され、二つの導管の反対側の末端は、固体の蓄熱・伝熱材料で満たされたソーラー式調理レンジ内に配置された液体の熱交換器につながる二つの受け取り器具と接続され、前記太陽熱収集器、液体の熱交換器、および二つの導管は閉じたループ型に配置され、その中で蓄熱・伝熱材料が循環される請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項50】
前記熱輸送媒体は、太陽熱収集器内の蓄熱・伝熱材料と同じである請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項51】
前記熱輸送媒体は、太陽熱収集器内の蓄熱・伝熱材料と同じであり、ソーラー式調理レンジの中まで延長する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項52】
前記熱輸送媒体は、太陽熱収集器内の蓄熱・伝熱材料であり、当該蓄熱・伝熱材料はソーラー式調理レンジ内にある蓄熱・伝熱材料と緊密に接続されている請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項53】
前記熱輸送媒体は、例えば固体材料(例えば石英砂)内の熱チューブのような、二つもしくはそれ以上の熱輸送媒体の組み合わせである請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項54】
前記一式のソーラー式調理器の各調理器は、ソーラー式調理レンジ内にある調理チャンバーの一つの内部に完全にはめ込まれ、且つ少なくとも一つの前記調理チャンバーのサイズ及び形状と適合するサイズ及び形状を有する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項55】
前記一式のソーラー式調理器の各調理器は、下部と上部とを有し、前記下部は前記調理チャンバーの一つの内部にはめ込むことが可能であり、且つ少なくとも一つの調理チャンバーのサイズ及び形状と適合するサイズ及び形状を有し、前記上部は頭部の断熱グレートコートを有する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項56】
一群の前記ソーラー式調理器は、ステンレス鋼又はガラス材のシリンダー容器を含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項57】
一群の前記ソーラー式調理器は、ステンレス鋼又はガラス材の半球形の容器を含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項58】
前記ソーラー式調理器は、二層の強化ガラス蓋を更に含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項59】
一群の前記調理チャンバーの各調理チャンバーは、標準のモジュール式のサイズ及び形状を有する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項60】
前記ソーラー式調理器の各調理器は、内部のサイズ及び形状が調理器の外部のサイズ及び形状と適合する伝熱被覆を有し、また、その外部サイズ及び形状が、ソーラー式調理レンジの標準のモジュール式の調理チャンバーの内部サイズ及び形状に適合する請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項61】
前記一群の取り外し可能な部分は、調理チャンバーが使用され又は使用されていないときに、各断熱部分が一群の調理チャンバーの各頂部をカバーする請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項62】
前記一群の取り外し可能な部分は、調理チャンバーが使用されていないときに、各断熱部分が一群の調理チャンバーに挿入され且つ完全に充填される請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項63】
前記アクセサリは、ソーラー式調理装置の各部分を適切な位置に配置し支持する固定支持架台を含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項64】
前記固定支持架台は、太陽熱収集器の太陽光に対する入射角の調整を可能にする構造を含む請求項63に記載のソーラー式調理装置。
【請求項65】
前記固定支持架台は、太陽光に対する太陽熱収集器の方向の調整を可能にする構造、例えば回転可能なベースを含む請求項63に記載のソーラー式調理装置。
【請求項66】
前記アクセサリは、周囲の太陽光を太陽熱収集器に合焦するような光反射体を含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項67】
前記アクセサリは、前記太陽熱収集器に垂直に固定され太陽光の入射角を表示する日時計、例えば円錐バーを含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項68】
前記アクセサリは、ソーラー式調理装置内の食品を包み又は被覆するための袋及び/又は膜、例えば金属、紙もしくはプラスチックの袋もしくは膜を含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項69】
前記アクセサリは、ソーラー式調理装置が中で配置され包装されて可搬式のソーラー式調理装置を構成するスーツケースを含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項70】
前記ソーラー式調理レンジは、車輪のセットを更に含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項71】
前記ソーラー式調理装置は、主に太陽エネルギーで運転され且つバックアップのエネルギー源として電力によっても運転されるソーラー式調理装置を構成するように、各調理チャンバーの底部に備えられた電源付きの電熱要素を更に含む請求項1に記載のソーラー式調理装置。
【請求項72】
前記電源付き電熱要素は、強い耐熱温度を有する電源ケーブルと、ソーラー式調理器具の運転特性パラメータ(例えばタイミング、温度、圧力、湿度、等)を測定し表示するための測定表示デバイスとを含む請求項64又は69に記載のソーラー式調理装置。
【請求項73】
前記電源付き電熱要素は、
ソーラー式調理装置の運転特性パラメータ(例えばタイミング、温度、圧力、湿度等)を測定、表示および制御するための調理制御システムを更に含む請求項72に記載のソーラー式調理装置。
【請求項74】
前記ソーラー式調理装置のアクセサリは、各ソーラー式調理器のための一式の断熱被覆を更に含み、当該断熱被覆は、各調理器の外部のサイズ及び形状に適合する内部のサイズ及び形状を有し、且つその外部のサイズ及び形状は、前記チャンバーが標準のモジュール式の調理チャンバーであるかにかかわらず、前記ソーラー式調理レンジ内の前記調理チャンバーの内部のサイズ及び形状に適合するソーラー式調理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2012−533371(P2012−533371A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520874(P2012−520874)
【出願日】平成22年7月19日(2010.7.19)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001120
【国際公開番号】WO2011/009201
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(510297141)ダブリュ アンド イー インターナショナル(カナダ) コーポレーション (5)
【出願人】(510297130)
【Fターム(参考)】