説明

タイマー制御システム

【課題】 施工性が改善されたタイマー制御システムを提供する
【解決手段】 予め設定されたタイムスケジュールに沿って負荷としての照明装置3の制御を指示する制御信号を自動的に送信するタイマー装置1と、タイマー装置1から受信された制御信号に応じて照明装置3を制御する少なくとも1個(図では2個)の負荷制御装置2とを備える。上記の制御信号は、電波を媒体とするワイヤレス信号として送受信される。制御信号が有線で送受信される場合に比べ、タイマー装置1と負荷制御装置2との間での配線作業が不要であるから、施工性が改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイマー制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、予め設定されたタイムスケジュールに沿って負荷の制御を指示する制御信号を自動的に送信するタイマー装置と、タイマー装置から受信された制御信号に応じて例えば照明器具や換気扇といった負荷を制御する負荷制御装置とを備えるタイマー制御システムが提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−323583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来は、タイマー装置と各負荷制御装置とが有線で接続されていたため、負荷及び負荷制御装置を追加する場合には配線作業が必要であり、施工性が低かった。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、施工性が改善されたタイマー制御システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、予め設定されたタイムスケジュールに沿って負荷の制御を指示する制御信号を自動的に送信するタイマー装置と、それぞれタイマー装置から受信された制御信号に応じて負荷を制御する少なくとも1個の負荷制御装置とを備えるタイマー制御システムであって、タイマー装置は、少なくとも制御時刻を含む制御プログラムが少なくとも1個格納される記憶部と、時刻を計時する計時部と、負荷制御装置に対して負荷の制御を指示する制御信号を送信する送信部と、計時部によって計時された時刻が、記憶部に格納されたいずれかの制御プログラムの制御時刻に一致したとき、該制御プログラムに応じた制御信号を送信するように送信部を制御する制御部とを有し、負荷制御装置は、タイマー装置の送信部から送信された制御信号を受信する受信部と、受信部に受信された制御信号に応じて負荷を制御する負荷制御部とを有し、タイマー装置の送信部と負荷制御装置の受信部との間で、制御信号がワイヤレス信号として送受信されることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、制御信号がワイヤレス信号として送受信されるので、制御信号が有線で送受信される場合に比べ、タイマー装置と負荷制御装置との間での配線作業が不要であるから、施工性が改善される。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、タイマー装置は、音声による報知を行う音声報知部を備え、制御部は、電気的光源を点灯させる負荷としての照明装置を制御する負荷制御装置に対して消灯を指示する制御信号を送信するように送信部を制御するタイミングよりも所定時間前に、消灯を音声により予告するように音声報知部を制御することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、照明装置が予告なしに消灯される場合に比べ、使用者の混乱が避けられやすい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、予め設定されたタイムスケジュールに沿って負荷の制御を指示する制御信号を自動的に送信するタイマー装置と、それぞれタイマー装置から受信された制御信号に応じて負荷を制御する少なくとも1個の負荷制御装置との間で、制御信号がワイヤレス信号として送受信されるので、制御信号が有線で送受信される場合に比べ、タイマー装置と負荷制御装置との間での配線作業が不要であるから、施工性が改善される。
【0011】
請求項2の発明によれば、タイマー装置は、音声による報知を行う音声報知部を備え、制御部は、電気的光源を点灯させる負荷としての照明装置を制御する負荷制御装置に対して消灯を指示する制御信号を送信するように送信部を制御するタイミングよりも所定時間前に、消灯を音声により予告するように音声報知部を制御するので、照明装置が予告なしに消灯される場合に比べ、使用者の混乱が避けられやすい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図2】同上を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
本実施形態は、図1に示すように、予め設定されたタイムスケジュールに沿って負荷としての照明装置3の制御を指示する制御信号を自動的に送信するタイマー装置1と、タイマー装置1から受信された制御信号に応じて照明装置3を制御する少なくとも1個(図では2個)の負荷制御装置2とを備えるものであり、上記の制御信号が、電波を媒体とするワイヤレス信号として送受信される点を特徴とする。
【0015】
詳しく説明すると、タイマー装置1は、図2に示すように、制御プログラムの内容が入力される入力部11と、入力部11に入力された制御プログラムが少なくとも1個格納される記憶部12と、時刻を計時する計時部13と、ワイヤレス信号を送信する送信部14と、入力部11への入力に応じて記憶部12の書き換えや計時部13における時刻の変更を行うとともに、計時部13によって計時された時刻と、記憶部12に格納された制御プログラムとに応じて、負荷制御装置2に対して照明装置3の制御を指示する制御信号をワイヤレス信号として送信するように送信部14を制御する制御部15と、制御部15によって制御されて各種の表示を行う表示部16と、制御部15によって制御されて音声による報知を行う音声報知部17と、上記の各部を収納及び保持するハウジング10とを備える。
【0016】
入力部11は、例えば複数個の押釦11aを用いて構成することができる。なお、入力部11としては、使用者による操作入力を受け付けるタッチパネル等の他の周知の入力手段を用いてもよい。また、入力部11として、上記のように使用者による操作入力を受け付けるものに代えて又は加えて、外部装置から有線又は無線での信号の入力を受け付ける通信手段を備えてもよい。上記のいずれの場合であっても入力部11は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0017】
記憶部12としては、周知の不揮発性メモリを用いることができる。
【0018】
計時部13としては例えば水晶振動子を用いた周知のクォーツ時計を用いることができる。また、計時部13は、計時されている時刻をアナログ表示するアナログ表示装置13aを有する。計時部13における時刻の修正は、入力部11への操作入力に応じて制御部15が行うものとしてもよいし、計時部13への直接の操作入力によって行われるものとしてもよい。いずれの場合であっても計時部13は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0019】
送信部14は、電波を媒体とするワイヤレス信号をアンテナ14aから送信するものであり、周知の電子回路で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0020】
制御部15は、マイコンと呼ばれる集積回路を用いて周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0021】
表示部16は、液晶パネル16aや発光ダイオードといった表示素子と、制御部15によって制御されて表示素子を駆動する駆動回路とで構成することができ、やはり周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0022】
音声報知部17は、音声をデジタルデータに変換した音声データが格納された音声メモリと、例えば圧電スピーカーのようなスピーカーと、制御部15の制御に応じて音声メモリに格納された音声データを音声として再生するようにスピーカーを駆動する駆動回路とで構成することができる。上記の音声メモリは書き換え不能なものとしてもよいし、音声メモリは書き換え可能なものとしてマイクロホンを設けるとともに入力部11への操作入力に応じてマイクロホンから入力された音声が音声データに変換されて音声メモリに格納されるという構成を採用してもよい。いずれの場合にも音声報知部17は周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。ハウジング10には、音声報知部17からの音声の出力のための複数個の音穴17aが設けられている。
【0023】
負荷制御装置2は、タイマー装置1の送信部14からワイヤレス信号として送信された制御信号を受信する受信部21と、外部の電源(図示せず)から照明装置3への給電路に挿入されて照明装置3への給電をオンオフするリレー23と、受信部21に受信された制御信号に応じてリレー23を制御することにより照明装置3をオンオフ制御する負荷制御部22と、上記の各部を収納したハウジング20とを備える。
【0024】
受信部21は、電波を媒体とするワイヤレス信号をアンテナ21aにより受信するものであり、周知の電子回路で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0025】
リレー23としては例えば周知の電磁リレーを用いることができる。
【0026】
負荷制御部22は、マイコンと呼ばれる集積回路を用いて周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0027】
照明装置3は、電気的光源と、電気的光源を点灯させる点灯装置とからなる。電気的光源としては例えば放電灯や発光ダイオードを用いることができる。また、点灯装置としては、電気的光源として放電灯が用いられる場合には周知の電子安定器を用いることができ、電気的光源として発光ダイオードが用いられる場合には周知の直流電源回路を用いることができるといったように、周知技術で実現可能であるので、詳細な図示並びに説明は省略する。
【0028】
以下、本実施形態の動作を説明する。制御プログラムは、実行されるべき時刻である制御時刻と、負荷制御装置2に対して予め対応付けられた制御アドレスと、オン又はオフの制御内容とを含む。タイマー装置1の制御部15は、動作中、計時部13によって計時されている時刻を監視し、記憶部12に格納された各制御プログラムに含まれる制御時刻とそれぞれ比較する。そして、計時部13によって計時されている時刻が、いずれかの制御プログラムに含まれる制御時刻に一致した場合、該制御プログラムに含まれる制御アドレスと制御内容とを含む制御信号を送信するように送信部14を制御する。
【0029】
負荷制御部22は、負荷制御装置2毎に予め対応付けられた制御アドレスを保持しており、自身が保持する制御アドレスを含む制御信号が受信部21に受信されたとき、該制御信号に含まれる制御内容に従ったオンオフ状態にリレー23を制御することで照明装置3を制御する。また、制御信号が受信部21に受信された場合であっても、自身が保持する制御アドレスが該制御信号に含まれていなければ、該制御信号を無視する。
【0030】
また、タイマー装置1の制御部15は、制御プログラムのうち制御内容が消灯である各制御プログラムについて、計時部13によって計時されている時刻から制御時刻までの時間が所定の予告時間前となったとき、又は、タイマー装置1の電源が投入された時点や上記の制御プログラムが入力部11に入力された時点で計時部13によって計時されている時刻から制御時刻までの時間が上記の予告時間未満となっていたときに、それぞれ、音声報知部17を制御し、照明装置3の消灯を予告する音声を出力させる。これにより、照明装置3が不意に消灯されることで使用者が混乱することを避けることができる。
【0031】
上記構成によれば、制御信号がワイヤレス信号として送受信されるので、制御信号が有線で送受信される場合に比べ、タイマー装置1と負荷制御装置2との間での配線作業が不要であるから、施工性が改善される。
【0032】
なお、負荷制御装置2によって制御される負荷は照明装置3に限られず、換気扇等の他の負荷であってもよい。
【0033】
また、制御信号に従って行われる制御は上記のようなリレー23を用いたオンオフ制御に限られず、例えば照明装置3の光出力の変更であってもよい。この場合であっても負荷制御装置2や照明装置3は周知技術で実現可能であるので詳細な説明は省略する。
【0034】
さらに、制御信号が制御アドレスを含まず、負荷制御装置2が全ての制御信号に従って動作してもよい。この場合、制御信号を受信可能な範囲内の全ての負荷制御装置2において同時に制御が行われることになる。
【符号の説明】
【0035】
1 タイマー装置
2 負荷制御装置
3 照明装置(請求項における負荷)
12 記憶部
13 計時部
14 送信部
15 制御部
17 音声報知部
21 受信部
22 負荷制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定されたタイムスケジュールに沿って負荷の制御を指示する制御信号を自動的に送信するタイマー装置と、それぞれタイマー装置から受信された制御信号に応じて負荷を制御する少なくとも1個の負荷制御装置とを備えるタイマー制御システムであって、
タイマー装置は、
少なくとも制御時刻を含む制御プログラムが少なくとも1個格納される記憶部と、
時刻を計時する計時部と、
負荷制御装置に対して負荷の制御を指示する制御信号を送信する送信部と、
計時部によって計時された時刻が、記憶部に格納されたいずれかの制御プログラムの制御時刻に一致したとき、該制御プログラムに応じた制御信号を送信するように送信部を制御する制御部とを有し、
負荷制御装置は、
タイマー装置の送信部から送信された制御信号を受信する受信部と、
受信部に受信された制御信号に応じて負荷を制御する負荷制御部とを有し、
タイマー装置の送信部と負荷制御装置の受信部との間で、制御信号がワイヤレス信号として送受信されることを特徴とするタイマー制御システム。
【請求項2】
タイマー装置は、音声による報知を行う音声報知部を備え、
制御部は、電気的光源を点灯させる負荷としての照明装置を制御する負荷制御装置に対して消灯を指示する制御信号を送信するように送信部を制御するタイミングよりも所定時間前に、消灯を音声により予告するように音声報知部を制御することを特徴とする請求項1記載のタイマー制御システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−128017(P2011−128017A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286719(P2009−286719)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(505155012)パナソニック電工電路株式会社 (140)
【Fターム(参考)】