タイヤ部材供給装置
【課題】長尺部材のフェスツーンを作成する際の作業員の作業を減少させ、フェスツーン作成時間を短縮して、タイヤの生産性の向上、タイヤ精度の向上および作業員の安全性の向上を図ることが可能なタイヤ部材供給装置を供する。
【解決手段】タイヤ成型用の長尺部材4を提供する長尺部材供給装置3と、タイヤ成型用部材を搬送する搬送装置100を備えるタイヤ部材供給装置において、長尺部材供給装置3と搬送装置100との間に、長尺部材供給装置3および搬送装置100のそれぞれに隣接して長尺部材支持装置50が配設され、長尺部材支持装置50は長尺部材4を下方から支持することのできる長尺部材支持部70と、長尺部材支持部70を上下に移動させるための駆動装置62を備えるタイヤ部材供給装置1。
【解決手段】タイヤ成型用の長尺部材4を提供する長尺部材供給装置3と、タイヤ成型用部材を搬送する搬送装置100を備えるタイヤ部材供給装置において、長尺部材供給装置3と搬送装置100との間に、長尺部材供給装置3および搬送装置100のそれぞれに隣接して長尺部材支持装置50が配設され、長尺部材支持装置50は長尺部材4を下方から支持することのできる長尺部材支持部70と、長尺部材支持部70を上下に移動させるための駆動装置62を備えるタイヤ部材供給装置1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ製造装置におけるタイヤ部材供給装置に関するものであって、長尺部材のフェスツーンを作成するためのタイヤ部材支持装置を備えたタイヤ部材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤの製造工程におけるタイヤ部材供給装置では、巻き出しロールに巻き付けられた帯状の長尺部材が巻き出され、この長尺部材が搬送ベルトコンベア上に載せられ、搬送中に所定長さに切断されて所定のタイヤ部材が供給されるものである。このタイヤ部材供給装置では、巻き出しロールと搬送ベルトコンベアとの間に、フェスツーンと呼ばれる長尺部材の弛み部分が設けられており、搬送中の長尺部材の引張りによる変形が防止されるようになっている。
【0003】
巻き出しロールに巻き付けられた長尺部材の全てが巻き出され、新たな巻き出しロールに交換する際には、長尺部材の端部を搬送ベルトコンベア上に載せ、巻き出しロールと搬送ベルトコンベアの間に新たなフェスツーンを作成する必要があった。
【0004】
この新たなフェスツーンを作成するには、長尺部材の巻き出しロールを手動運転で回転させ、長尺部材の先端部を巻き出し、この先端部を作業員の手作業によりベルトコンベア上に載置し、その後巻き出しドラムを回転させて長状部材を巻き出すことにより、巻きつけドラムとベルトコンベアの間に所定の弛みを発生させてフェスツーンを作成し、フェスツーンの作成が終了した後にタイヤ製造装置の運転を再開させるので、新たな巻き出しロールに交換してフェスツーンを作成している間は、タイヤ製造装置が停止した状態となっていた。また、巻き出された長尺部材の端材が搬送装置上に残った場合には、作業員が端材を視認しつつ搬送装置の上流側から排出させていたので、端材の排出が終了するまで、タイヤ製造装置を再開することができなかった。
【0005】
このようなタイヤ部材供給装置では、タイヤ製造装置が長時間停止してしまうことにより、タイヤの生産性が低下していた。また、作業員の手作業によってフェスツーンが作成されるので長尺部材が変形してしまうおそれがあり、さらに作業員がタイヤ製造装置に接近する機会が多かったので、安全面の確保について細心の注意を払う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-296949号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、長尺部材を支持してフェスツーンの作成をするための長尺部材支持装置を備え、フェスツーンを作成する際の作業員による手作業を少なくし、フェスツーン作成の作業時間の短縮を図ることにより、タイヤ製造装置の停止時間を短縮させてタイヤの生産性を向上させ、さらにフェスツーン作成時における長尺部材の変形を防止し製造されるタイヤの精度を向上させるとともに、作業員の安全性の向上を図ることが可能なタイヤ部材供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するために、請求項1記載の発明は、タイヤ成型用の長尺部材を提供する長尺部材供給装置と、タイヤ成型用部材を搬送する搬送装置を備えるタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材供給装置と前記搬送装置との間に、前記長尺部材供給装置および前記搬送装置のそれぞれに隣接して長尺部材支持装置が配設され、前記長尺部材支持装置は長尺部材を下方から支持することのできる長尺部材支持部と、前記長尺部材支持部を上下に移動させるための駆動装置を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材支持部は、前記長尺部材を支持する長尺部材支持面を一定の角度に保ったまま、上下動可能であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材支持部は、前記駆動装置により、前記長尺部材供給装置の長尺部材供給開始時には、前記長尺部材供給装置から前記搬送装置へと前記長尺部材を搬送することが可能な位置に位置され、前記長尺部材の端部が前記搬送装置に搬送された後に下降が開始されることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3いずれか記載のタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材支持装置は、前記長尺部材支持面を任意の傾斜角に取ることが可能な駆動手段を備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4いずれか記載のタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材供給装置は前記長尺部材を供給する複数のステーションを備え、前記ステーションは移動可能であることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、長尺部材支持装置の長尺部材支持部は、長尺部材を支えながら駆動装置により下方に移動されることによりフェスツーンを作成するので、フェスツーンの作成にあたっての作業員の手作業がなくなり、フェスツーン作成の作業時間を短縮することが可能となり、タイヤ製造装置の停止時間が短縮されタイヤの生産性を向上することができる。さらに、長尺部材の変形を防止し精度の高いタイヤを供給することができる。さらにまた、作業員がタイヤ製造機に近づく機械が減少することにより安全性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、長尺部材が、一定の角度に保たれた長尺部材支持面に支持されたまま、長尺部材支持部が駆動装置により下降されてフェスツーンが作成されるので、フェスツーン作成における長尺部材の変形をさらに防止することが可能となり、より精度の高いタイヤを製造することができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、長尺部材支持部は、長尺部材供給装置が長尺部材の供給を開始した際には、長尺部材を搬送装置に搬送し、長尺部材の端部が搬送装置に達した後には、長尺部材を支持しつつ下降していくので、フェスツーンの自動作成をすることができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3記載の発明の効果に加えて、長尺部材支持部を任意の傾斜角にとることができるので、長尺部材が長尺部材供給装置から搬送装置へと搬送される状態およびフェスツーンが作成される状態において、長尺部材支持面を略水平にすることにより長尺部材を下方から支えて長尺部材の変形を防止することができ、長尺部材の端材を排出するときには、長尺部材支持面を傾斜することにより、端材の排出を容易に行うことができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4記載の発明の効果に加えて、長尺部材を供給する複数のステーションを備え、複数のステーションは移動することができるので、1つのステーションにより長尺部材が供給されている間に、他のステーションを長尺部材を供給することが可能な状態にあらかじめセットしておき、1つのステーションからの長尺部材の供給が終了すると、他のステーションを移動してすぐに長尺部材の供給を再開することが可能となり、タイヤ製造機の停止時間がさらに短縮され、タイヤの生産性をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例におけるタイヤ部材供給装置の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】長尺部材搬送可能状態にある長尺部材支持装置の側面図ある。
【図4】図3の背面図である。
【図5】図3のV−V矢視図である。
【図6】フェスツーン作成状態にある長尺部材支持装置の側面図である。
【図7】フェスツーン作成終了状態にある長尺部材支持装置の側面図である。
【図8】端材排出状態にある長尺部材支持装置の側面図ある。
【図9】長尺部材搬送可能状態にある長尺部材支持装置の側面図である。
【図10】長尺部材が搬送装置に搬送されている状態における長尺部材支持装置の側面図である。
【図11】フェスツーンが作成された状態における長尺部材支持装置の側面図である。
【図12】長尺部材の巻き出し終了側端部が搬送装置上に位置している状態における長尺部材支持装置の側面図である。
【図13】長尺部材の端材が排出される状態における長尺部材支持装置の側面図ある。
【図14】巻き出しロールの巻きだしが終了し、ステーションが移動された状態におけるタイヤ供給装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る一実施例について図1ないし図14に基づき説明する。
【実施例1】
【0020】
本実施例のタイヤ部材供給装置1は、タイヤのトレッド部材を供給する装置であって、図1および図11に示すように、生ゴムが長尺の帯状に形成された長尺部材4が、長尺部材供給装置3から供給され、搬送装置100上を搬送される間にカッタ130とアンビル131により所定長さに切断されてトレッド部材としてのタイヤ部材2が供給される。
【0021】
長尺部材供給装置3と搬送装置70の間には、長尺部材支持装置50が配設されており、この長尺部材支持装置50により、長尺部材供給装置3と搬送装置70間にフェスツーン51が自動的に作成されるようになっている。
【0022】
長尺部材4は、ライナー5を挟んで巻き出しロール6に複数回巻きつけられている。巻き出しロール6は、長尺部材4およびライナー5を巻きつける円筒状の巻胴7、巻胴7の両端に巻き取った長尺部材4およびライナー5を支えるための一対の円盤状のフランジ8、フランジ8の外側には一対の円筒状の突出部9を備えている。
【0023】
図1および図2に示すように、長尺部材供給装置3が設置される床面12には、2枚の薄い板状の基板13、14が流れ方向に所定の間隔を存して貼着されており、基板13、14と床面12で構成される凹部が、巻き出しロール6が所定位置にセットされたときに、巻き出しロール6と床面12が接触することを防止するピット15になっている。
【0024】
図2に示すように、基板13上には長尺部材4の流れ方向(以下、部材流れ方向という)に平行して3組の薄い板状のガイド部材16が貼設されており、巻き出しロール6を長尺部材供給装置3にセットする際のガイドの役目を担っている。
【0025】
さらに、基板14上には、部材流れ方向と直角をなす方向に指向して3本のレール17、18、19が平行に敷設されている。
【0026】
長尺部材供給装置3は可動フレーム20を備えており、可動フレーム20は、下部にレール17、18、19上を滑る3つのスライド部21が固定されており、部材流れ方向と直角の方向にレール14、15、16に沿って移動することができるようになっている。
【0027】
可動フレーム20は、2組のステーション22を備えており、それぞれのステーション22には、長尺部材4およびライナー5が巻きかれている巻き出しロール6を搬入しセットこと、および巻き出しが終了した巻き出しロール6を搬出することができるようになっている。
【0028】
可動フレーム20をレール14、15、16上において移動させることにより、一方のステーション22は、長尺部材4を巻き出しロール6から巻き出し搬送装置100に供給可能な巻き出し位置10に、他方のステーション22は巻き出しの待機をする待機位置11に移動することができるようになっている。
【0029】
図1に示すように、各ステーション22には、それぞれ1組の支持ローラ23、ローラ24、シリンダ25、ロッド26およびT型リンク27、ローラ28が備えられている。
【0030】
可動フレーム20の支柱20bから、水平方向であって部材流れ方向の上流側に張り出した梁20c上に支持ローラ23が回転自在に配設され、支柱20bに前記支持ローラ23の上方であって部材流れ方向の下流側に位置してローラ24が回転自在に配設されている。
【0031】
前記支柱20bの上端には前記梁20cに平行して梁20dが設けられ、梁20dの上面にシリンダ25が固定され、シリンダ25のロッド26の先端にはT型リンクの一端27aが回動可能に連結され、他端27bにはローラ28が回転可能に連結されている。さらに、T型リンク27の突出部27cは、梁20dの先端に回動自在に連結され、シリンダ25を作動させロッド26を移動させることにより、T型リンク27は突出部27cを中心に揺動することができるようになっている。
【0032】
巻き出しロール6をステーション22にセットするときには、シリンダ25を作動させロッド26を縮めると、リンク27が上方に揺動し、ロール28が上方に移動するので、巻き出しロール6をステーション22内に搬入することができる。搬入された巻き出しロール6の一対の突出部9は、一対の支持ローラ23により鉛直方向に支持され、ローラ28により水平方向に支持され、その後シリンダ25を作動させロッド26を突出させるとリンク27が下方に揺動し、リンク端27bのローラ28により巻き出しロール6の突出部9が押さえられて、巻き出しロール6が搬出方向に移動することを阻止することができるようになっている。
【0033】
可動フレーム20内に搬入された巻き出しロール6は、ローラ23、ローラ24およびローラ28に支持されて、回転可能となる。
【0034】
可動フレームの20の基部20aに、可動フレーム20内に搬入された巻き出しロール6のフランジ8の外周面に接するように駆動ローラ29が設けられ、駆動ローラ29に隣接して配設された駆動装置30により駆動ローラ29が回転駆動されて、駆動ローラ29に接している巻き出しロール6が回転されるようになっている。
【0035】
可動フレーム20の上部には、複数の分離ロール33が回転可能に設けられており、重ね合わされた長尺シート状生ゴム部材4とライナー5とを分離するようになっている。
【0036】
さらに分離ロール31により分離されたライナー5は、可動フレーム20に分離ロール33の下方に位置して設けられているライナー巻き取りロール31に巻き取られるようになっており、ライナー巻き取りロール31は駆動装置32により駆動されるようになっている。
【0037】
駆動装置32は図示されない制御装置により巻取り速度が制御されており、ライナー巻取りロール31の巻き取り速度と、巻き出しロール6の巻き出し速度とは同一速度になるように設定され、長尺部材4の供給速度は、駆動ローラ29とライナー巻取りロール32の回転速度により制御されるようになっている。
【0038】
図2および図3に示すように、分離ロール33の部材流れ方向に隣接して、複数のフリーロール34が可動フレーム20の部材流れ方向端部に、その回転軸が部材流れ方向と直角になるよう回転自在に支持されており、さらにフリーロール34の部材流れ方向の下流側に隣接して、フェスツーン51の作成に際して長尺部材4を下方から支え、長尺部材支持装置50にガイドするガイド部35が設けられている。
【0039】
ガイド部35は部材流れ方向に平行な2つの支持フレーム36がピン37を中心として揺動可能に可動フレーム20に支持されており、2つの支持フレーム36の間に、フリーロール38が回転自在に介装されているものである。支持フレーム36の下方であって、可動フレーム20の下流側の側部にシリンダ39が設けられ、シリンダ39のロッド40の端部が支持フレーム36の下部に固定されたブラケット41にピン42により回動自在に結合されており、シリンダ39の駆動によりロッド40が進出または退出されて、ガイド部35はピン37を中心に揺動されるようになっており、図3および図6に示すように、長尺部材4のフェスツーン51が作成される時には、作成されつつあるフェスツーン51の形状に伴ってガイド部35の下流側端部35aが徐々に下降し、フェスツーン51の端部における長尺部材4の角度の急激な変化を防止することができるようになっている。
【0040】
長尺部材供給装置3の部材流れ下流側に隣接して、長尺部材支持装置50が配設されている。長尺部材支持装置50は、タイヤ部材供給装置1が設置される床に固定されている架台52に、フェスツーン51を作成する際に長尺部材4を下方から支えて上下動可能な長尺部材支持部70が設けられている。
【0041】
長尺部材支持装置50の架台52は、床12に固定された基盤53の上に、2本の支柱54が平行して立てられ、その2本の支柱54を連結するように2本の連結部材55が上下に平行にボルトにより支柱54に締結されているものである。
【0042】
図3および図4に示すように、支柱54の内側面54aには、ガイドレール57が、支柱54に固着された上下のブラケット56を介して支柱54に平行であって上下方向に指向して取り付けられており、ガイドレール57には、それぞれの支柱54に上下方向に一対のリニアブッシュ58がガイドレール57に沿って移動可能に取り付けられ、これら4個のリニアブッシュ58に取付板60がボルト59により締結されている。
【0043】
さらに図3および図5に示すように、連結部材55には、前記2本の支柱54から略等距離をなした中心に、ブラケット61を介して上下方向に指向してロッドレスシリンダ62が取付けられており、ロッドレスシリンダ62の移動子63は、取付板60に固着されている。
【0044】
図4に示すように、取付板60には、固定板95に水平方向に突出して固着された支持梁64がボルト96により締結されており、支持梁64に取付部材65がボルト66により締結され、さらに取付部材65に長尺部材を支持する長尺部材支持部70が取り付けられている。
【0045】
長尺部材支持部70は、メイン支持部71と出退可能支持部80からなり、メイン支持部71は、一組のフリーローラ支持部材72の間に、複数のフリーローラ73の回転軸が流れ方向に直角方向をなすように回転自在に支持され、フリーローラ73のうち上流端のフリーローラ73に隣接して、径の小さい小フリーローラ74が複数回転自在に支持されている。
【0046】
一組のフリーローラ支持部材72は、前記取付部材65に設けられた穴65aと中空筒68を貫通する軸67に、ピン69により揺動自在に結合されており、長尺部材支持部70は軸67を中心に揺動することができるようになっている。
【0047】
図3に示すように、一組のフリーローラ支持部材72の下部には、フリーローラ支持部材72を連結するようにシリンダ支持梁75とブラケット支持梁76が固着されている。
【0048】
シリンダ支持梁75の下部にシリンダ77が接合され、シリンダ77のロッド78の先端により、出退可能支持部80が支持されている。出退可能支持部80は、一組の支持部材81により回転自在に支持された複数の小フリーローラ82からなっており、図3示すようにシリンダ77を作動させてロッド78を進出させると、出退可能支持部80がメイン支持部71の下流側先端より流れ方向に突出した突出状態となり、図6に示すようにロッド78を引き込ませると、出退可能支持部80はメイン支持部71の下方に引き込まれた退避状態とすることができるようになっている。
【0049】
出退可能支持部80が突出状態となっているときには、メイン支持部71のフリーローラ73、小フリーローラ74および出退可能支持部80の小フリーローラ82の上部による面により、長尺部材4を支持する支持面70aが構成され、出退可能支持部80が退避状態となっているときには、メイン支持部71のフリーローラ73、小フリーローラ74の上部による面により、長尺部材4を支持する支持面70aが構成される。
【0050】
支持梁64の下面に、L字型に形成されたシリンダ支持部材85の上部が固着されており、シリンダ支持部材85の流れ方向下流側端部にブラケット86がピン87により回動自在に連結され、ブラケット86にシリンダ88が支持されている。シリンダ88のロッド89の先端にはピン90を介して回動自在にブラケット91に連結され、ブラケット91はメイン支持部71のブラケット支持梁76に固着されている。
【0051】
シリンダ88を作動させてロッド89を進出させると、回転軸67を中心として長尺部材支持部70が揺動し、長尺部材4を支持する支持面70aが略水平である水平状態になり、図8に示すように、ロッド89を引き込ませると長尺部材支持部70が軸67を中心として流れ方向下流側が下方に下がり、長尺部材4を支持する支持面70aが搬送装置100側に傾斜された傾斜状態となる。
【0052】
長尺部材支持装置50のロッドレスシリンダ62を作動させて移動子63を上下動させると、移動子63に固着された取付板60がガイドレール57に沿って上下動される。長尺部位材支持部70を最上位置に移動した状態は、図3、および図4と図5の実線で示され、長尺部位材支持部70を最下位置に移動した状態は、図6、および図4と図5の仮想線で示されている。
【0053】
このように長尺部材支持部70は、支持面70を略水平な状態にして、ロッドレスシリンダ62により上下動することができるので、長尺部材4は支持面70aにより支持されたまま下方向に移動することができるようになっている。
【0054】
以下、図3、図6ないし図8で示した長尺部材支持装置50の各状態について説明する。
図3に示すように、長尺部材支持部70がロッドレスシリンダ63により最上部に移動されており、出退可能支持部80はメイン支持部71の下流側にシリンダ77により進出され突出状態となり搬送装置100のウエブスタ103と隣接し、ガイド部材35は、長尺部材供給装置3の下流側端部のフリーローラ34に隣接するようにシリンダ39により移動されている状態を、長尺部材搬送可能状態といい、長尺部材4は支持面70a上をフリーロール38、73、74に支持されて搬送装置に搬送されることができる。
【0055】
また、図6に示すように、出退可能支持部80が退避状態であり、長尺部材支持部70の支持面70aが長尺部材4を支持しつつ下降する状態を、フェスツーン作成状態といい、長尺部材支持面70aが長尺部材4を下方から支えてながらフェスツーンが作成される。
【0056】
さらに、図7に示すように、長尺部材支持部70が、ロッドレスシリンダ63により最下位置に移動されており、出退可能支持部80が退避状態となっている状態を、フェスツーン作成終了状態という。
【0057】
さらにまた、図8に示すように、長尺部材支持部70が、最下位置にあり、出退可能支持部80が退避状態となっていて、長尺部材支持部70の支持面70aが傾斜状態となっている状態を、端材排出状態という。
【0058】
フェスツーン51の作成はセンサにより制御されており、長尺部材支持装置50の架台52および搬送装置100の架台101のそれぞれに、センサA92およびセンサB93が設けられ、それぞれ一組のセンサは水平方向に対向して設けられており、センサB93はセンサA92より低い位置に配設されている。
【0059】
フェスツーン51が作成され、長尺部材4の弛みが発生して長尺部材4によりセンサ間が遮られると、センサより制御装置に信号が送られるようになっており、巻きだしロール6の巻き出し速度とライナー巻取りロール32の巻き取り速度が制御され、長尺部材4の供給速度が以下のように制御されるようになっている。
【0060】
長尺部材4をセンサA92およびセンサB93が検知していない状態では、長尺部材4の供給速度は通常速度よりも高速であり高速度に制御され、センサA92が検知しかつセンサB93が検知していない状態では、通常速度に制御され、センサA92およびセンサB93が検知した状態では長尺部材4の供給は停止されるようになっている。
【0061】
図1に示すように、長尺部材支持装置50の流れ方向下流側に隣接して、搬送装置100が設置されている。搬送装置100は架台101の上に上流側搬送部102と下流側搬送部120が設けられており、上流側搬送部102と下流側搬送部120の間には、カッタ130およびアンビル131が配設されており、長尺部材4を所定長さに切断しタイヤ部材2を供給する。
【0062】
上流側搬送部102には、長尺部材支持装置50の出退可能支持部80の下流側端に位置する小フリーローラ82に隣接して、長尺部材4のセンター位置決めをするウエブスタ103が設けられ、駆動装置104により駆動される。ウエブスタ103の下流側に隣接して複数のガイドローラ105が回転自在に設けられ、ガイドローラ105に隣接して上流側ベルトコンベア106が設けられ、カッタ130とアンビル131に長尺部材4を搬送するようになっている。上流側ベルトコンベア106は制御装置により、部材を下流側搬送装部120に搬送する方向である正転方向およびその逆転方向に回転することができるようになっている。
【0063】
ガイドローラ105の間には、センサC112が設けられ、ガイドローラ105上に長尺部材4が存在しているかを検知する。
【0064】
上流側ベルトコンベア106の途中には、先端にローラ108が回転自在に設けられている部材押さえ107が、リンク109、ロッド110およびシリンダ111により揺動されるように設けられており、部材押さえ107の下流側には、長尺部材4の存在を検知するセンサD113が設けられている。
【0065】
センサC112およびセンサD113が長尺部材4の存在を検知すると信号が制御装置に送られ、シリンダ111が作動し、部材押さえ107が下方に揺動され、長尺部材4が部材押さえ107のローラ108によりベルトコンベア106に押し付けられる。
【0066】
センサD113が長尺部材4を検知しているが、センサC112が長尺部材4を検知していない場合には、巻き出された長尺部材4の巻き出し終了側端部4bがセンサCを通過したと判断され、上流側ベルトコンベア106上に長尺部材4の端材4cが乗っていると認識して、上流側のベルトコンベア106が制御装置により逆回転に切換えられて、端材4cは逆送され上流側搬送部102の上流側から排出するようになっている。
【0067】
カッタ130とアンビル131の下流側に隣接された下流側搬送部120には、下流側ベルトコンベア121が設けられており、カッタ130とアンビル131により長尺部材4が所定長さに切断されタイヤ部材2が形成され、タイヤ部材2は、下流側ベルトコンベア120により図示されないタイヤ成型ドラムに搬送されるようになっている。
【0068】
上流側ベルトコンベア106と下流側ベルトコンベア121の搬送速度は、長尺部材供給装置3の長尺部材4の供給速度の通常速度と同じ速度に設定されている。
【0069】
さらに図1および図8に示すように、上流側搬送部101のウエブスタ103の下方位置に、長尺部材支持装置50に隣接して、受け籠125が、床12に敷設されたレール126上を移動可能に配設されており、この受け籠125は、上流側搬送部101から排出される長尺部材4の端材4cを受けるようになっている。
【0070】
上流側ベルトコンベア106が逆回転されている状態において、センサA92およびセンサB93が端材4cを検知した後に、センサA92およびセンサB93が検知しない状態になると、端材4cが受け籠125に排出されたと認識して、長尺部材支持面70aが水平状態とされ、ロッドレスシリンダ62により最上位置に移動され、出退可能支持部80た突出状態となり、長尺部材支持装置は長尺部材搬送可能状態となる。
【0071】
本実施例のタイヤ部材供給装置1による、タイヤ部材の供給および、フェスツーン51の自動作成の工程について以下説明する。
【0072】
まず、長尺部材供給装置3の可動フレーム20のステーション22内に、長尺部材4およびライナー5が重ね合わされて巻き付けられている状態の巻き出しロール6を搬入する。すなわち可動フレームに設けられたシリンダ25を作動し、リンク27を上方に揺動させて巻き出しロール6を搬入し、その後シリンダ25を作動させてリンク27を下方に揺動させることにより、巻き出しロール6が可動フレーム20のステーション22内にセットされる。
【0073】
巻き出しロール6に巻き付けられているライナー5の端部5aは、長尺部材4の端部4aよりも長く設定されており、ライナー5の端部5aを分離ロール33に掛け渡して、ライナー巻き取りロール31に巻き付け、さらに長尺部材4の端部4aを、可動フレーム上部に設けられているフリーロール34上に載置し、巻き出し可能状態とする。
【0074】
可動フレーム20をレール17、18、19上において移動して、巻き出しロール6がセットされているステーション22を巻き出し位置10に移動させる。
【0075】
この状態では、長尺部材支持装置50は長尺部材搬送可能状態になっている。
【0076】
図9に示すようなタイヤ供給装置1のこれらの状態を部材供給開始状態といい、部材供給開始状態であることを確認した上で、作業員が図示されないスタートボタンを押すと、図10に示すように、長尺部材供給装置3の可動フレーム20に設けられた駆動ローラ29およびライナー巻取りロール31の回転が開始され、長尺部材4が巻き出しロール6より巻き出し始め、搬送装置100のベルトコンベア106、122が流れ始め、この際、センサAおよびセンサBは長尺部材4を検出していないので、長尺部材4は高速度で供給される。
【0077】
巻き出しロール6でライナー5と重ね合わされている長尺部材4は、分離ロール33によりライナー5が分離され、長尺部材供給装置3のフリーロール34およびガイド部35、長尺部材支持装置50の長尺部材支持部70のメイン支持部71および出退可能支持部80の上を通過し、搬送装置100のウエブスタ103により幅方向の中心線が所定位置に合わされ送り出され、上流側ベルトコンベア106に載せられ、下流側へ送られていく。
【0078】
長尺部材4の端部がセンサC112およびセンサD113位置を通過し、長尺部材4が検知されると、シリンダ111が作動し、部材押さえ107が下方に揺動されるので、長尺部材4は部材押さえ107のローラ108により上流側ベルトコンベア106に押し付けられる。
【0079】
部材押さえ107が下方に揺動しロール108が長尺部材4を押さえると、長尺部材支持装置50はフェスツーン作成状態となって、長尺部材支持部70が長尺部材4を支持しつつ下降を始める。
【0080】
長尺部材供給装置3の長尺部材4の供給速度は、搬送装置100のベルトコンベア106およびベルトコンベア122の搬送速度よりも高速であるので、長尺部材供給装置100と搬送装置100の間に、長尺部材4が弛んでフェスツーン51が次第に発生していく。フェスツーン51の弛みに合わせてロッドレスシリンダ63の移動子64が下方に移動されるので、フェスツーン51が長尺部材支持部70により下方から支持されつつ、フェスツーン51の弛み量を大きくしていくことができる。
【0081】
また、長尺部材支持部70の下降に伴い、長尺部材供給装置3のガイド部35がピン37を中心にシリンダ39により下方に揺動され、フェスツーン作成に伴うフェスツーン端における長尺部材4が流れる角度が急激に変化することを防止する。
【0082】
フェスツーン51の弛みが大きくなりセンサA92が長尺部材4を検知すると、長尺部材供給装置3の供給速度は通常速度となり、搬送装置100の搬送速度と同じ速度になるので、フェスツーン51の弛みの大きさは維持される。フェスツーン51の弛みがさらに大きくなり、センサA92およびセンサB93の両方に検知されると、長尺部材供給装置3の長尺部材4の供給が停止され、フェスツーン51の弛み量を減少する方向に調整し、フェスツーン51の弛みが所定より減少してセンサA92とセンサB93が検出しない状態になると、長尺部材供給装置3の供給速度が高速となり、フェスツーン51の弛み量を増加する方向に調整する。
【0083】
図11に示すように、長尺部材支持部70は、フェスツーン51を下方から支持しながら下方に移動され、所定のフェスツーン51が作成されるまでフェスツーン51を支えるが、所定のフェスツーン51が作成された後は、フェスツーン51の下端から離れ、図に示されるように最低位置まで移動され、長尺部材支持装置50はフェスツーン作成終了状態となる。
【0084】
上流側搬送部102上を搬送された長尺部材4は、カッタ130およびアンビル131により所定長さに切断されてタイヤ部材2となり、さらに下流側搬送部120のベルトコンベア122上に載せられ、図示されないタイヤ成型ドラムに送られる。
【0085】
巻き出しステーション10から長尺部材4が巻き出されている間に、待機位置11にあるステーション22内に、長尺シート状生ゴム部材4およびライナー5が重ねあわされた状態で巻き取られている新たな巻き出しロール6を搬入し、巻き出し可能状態にセットする。
【0086】
図12に示すように、巻き出し位置10のステーション22にセットされた巻き出しロール6から、長尺部材4がほぼ巻き出され、長尺部材4の最終端部4bがセンサC112を通過し、センサD113が長尺部材を検知しているが、センサC112が長尺部材4を検知しない状態になると、上流側ベルトコンベア106上に長尺部材4の端材4cが乗っている状態であると認識され、部材押さえ107が上方に揺動され、さらに上流側ベルトコンベア106が逆方向に回転し始めて、上流側ベルトコンベア106上に載っている端材4cは、上流側搬送部102の上流側端部より排出する方向に搬送される。また、巻き出しロール6から長尺部材4の全てが巻き出されたと判断されて、長尺部材供給装置3の駆動ローラ29およびライナー巻取りロールの回転が停止される。
【0087】
図13に示すように、上流側ベルトコンベア106が逆方向に回転し始めるのとほぼ同時に、長尺部材支持装置50の長尺部材支持部70を下方から支持しているシリンダ88が作動し、長尺部材支持部70が傾斜状態となり、長尺部材支持装置50は端材排出状態となる。
【0088】
逆方向に搬送された端材4cは、ウエブスタ103の下流側に設けられているガイド部114によりガイドされて、傾斜している長尺部材支持部70の支持面70aに接触し、フリーロール72が回転されて受け籠125に排出される。
【0089】
端材4cが受け籠125に排出されたことが確認されると、長尺部材支持部70は、水平状態となり、さらにロッドレスシリンダ62が作動されて最上部に移動され、出退可能支持部80が突出状態となり、長尺部材支持装置50は長尺部材搬送可能状態となる。
【0090】
これに伴い、長尺部材供給装置3のガイド部35が上方に揺動され、さらに長尺部材供給装置3の可動フレーム20が移動されて、待機位置で待機し巻き出し可能状態にセットされたステーション22が巻き出し位置10に配置され、タイヤ部材供給装置1は図14に示されるような部材供給開始状態となる。
【0091】
部材供給開始状態となったタイヤ部材供給装置1は、駆動ローラ29およびライナー巻取りロール31の回転および長尺部材4の巻き出しロール6からの巻き出しが開始されて、新たな巻き出しロール6によるタイヤ部材の供給が始まる。
【0092】
巻き出しが終了して待機位置11に移動されたステーション22から、巻き出しが終了した巻き出しロール6を搬出し、長尺部材4およびライナー5が巻き付けられている新たな巻き出しロール6をステーション22にセットし、巻き出し可能状態にしておく。
【0093】
以上の工程が繰り返されて、タイヤ部材2が連続して供給される。
【0094】
本実施例によるタイヤ部材供給装置1では、フェスツーン51が自動に作成されるので、作業員による手作業が減少し、タイヤ部材供給装置1の停止時間が短縮されて、タイヤ製造装置のタイヤ製造の生産性を向上することができる。
【0095】
さらに、長尺部材4が長尺部材支持面70aにより下方から支えられながら次第にフェスツーンが作成され、また作業員の作業によらないので、フェスツーン作成時の長尺部材4の変形を防止し、精度の高いタイヤ製品を製作することが可能となる。
【0096】
また、長尺部材支持部70の下流側を下に傾斜させる傾斜状態にすることによって、上流側ベルトコンベア106により上流側に逆送された端材4cを、長尺部材支持部70の長尺部材支持面70aで受けて隣接された受け籠125に送り込むので、端材4cの排出を容易にし、排出時間を短縮することが可能となり、タイヤの生産性をさらに向上させることができる。
【0097】
タイヤ部材供給装置1は、前記のように構成されているので、作業員による作業工程を大幅に減少させることができ、作業員の安全性が向上する。
【符号の説明】
【0098】
1…タイヤ部材供給装置、2…タイヤ部材、3…長尺部材供給装置、4…長尺部材、4a…巻き出し開始側端部、4b…巻き出し終了側端部、4c…端材、5…ライナー、6…巻き出しロール、7…巻胴、8…フランジ、9…突出部、10…巻き出し位置、11…待機位置、12…床、13…基板、14…基板、15…ピット、16…ガイド部材、17…レール、18…レール、19…レール、
20…可動フレーム、20a…基部、20b…支柱、20c…梁、20d…梁、21…スライド部、22…ステーション、23…支持ローラ、24…ローラ、25…シリンダ、26…ロッド、27…リンク、28…ローラ、29…駆動ローラ、30…駆動装置、31…ライナー巻き取りロール、32…駆動装置、33…分離ロール、34…フリーローラ、35…ガイド部、36…支持フレーム、37…ピン、38…フリーローラ、39…シリンダ、40…ロッド、41…ブラケット、42…ピン、
50…長尺部材支持装置、51…フェスツーン、52…架台、53…基板、54…支柱、55…連結部材、56…連結部材、57…ブラケット、58…ガイドレール、59…リニアブッシュ、60…ボルト、61…取付板、62…ブラケット、63…ロッドレスシリンダ、64…移動子、65…支持梁、66…取付部材、67…軸、68…中空筒、69…ボルト、
70…長尺部材支持部、71…メイン支持部、72…フリーローラ支持部材、73…フリーローラ、74…小フリーローラ、75…シリンダ支持梁、76…ブラケット支持梁、77…シリンダ、78…ロッド、
80…出退可能支持部、81…支持部材、82…小フリーローラ、
85…シリンダ支持部材、86…ブラケット、87…ピン、88…シリンダ、89…ロッド、90…ピン、91…ブラケット、92…センサA、93…センサB、
95…固定板、96…ボルト、
100…搬送装置、101…架台、102…上流側搬送部、103…ウエブスタ、104…駆動装置、105…ガイドローラ、106…上流側ベルトコンベア、107…部材押さえ、108…ローラ、109…リンク、110…ロッド、111…シリンダ、112…センサC、113…センサD、
120…下流側搬送部、121…下流側ベルトコンベア、
125…受け籠、126…レール、127…ローラ、
130…カッタ、131…アンビル。
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ製造装置におけるタイヤ部材供給装置に関するものであって、長尺部材のフェスツーンを作成するためのタイヤ部材支持装置を備えたタイヤ部材供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤの製造工程におけるタイヤ部材供給装置では、巻き出しロールに巻き付けられた帯状の長尺部材が巻き出され、この長尺部材が搬送ベルトコンベア上に載せられ、搬送中に所定長さに切断されて所定のタイヤ部材が供給されるものである。このタイヤ部材供給装置では、巻き出しロールと搬送ベルトコンベアとの間に、フェスツーンと呼ばれる長尺部材の弛み部分が設けられており、搬送中の長尺部材の引張りによる変形が防止されるようになっている。
【0003】
巻き出しロールに巻き付けられた長尺部材の全てが巻き出され、新たな巻き出しロールに交換する際には、長尺部材の端部を搬送ベルトコンベア上に載せ、巻き出しロールと搬送ベルトコンベアの間に新たなフェスツーンを作成する必要があった。
【0004】
この新たなフェスツーンを作成するには、長尺部材の巻き出しロールを手動運転で回転させ、長尺部材の先端部を巻き出し、この先端部を作業員の手作業によりベルトコンベア上に載置し、その後巻き出しドラムを回転させて長状部材を巻き出すことにより、巻きつけドラムとベルトコンベアの間に所定の弛みを発生させてフェスツーンを作成し、フェスツーンの作成が終了した後にタイヤ製造装置の運転を再開させるので、新たな巻き出しロールに交換してフェスツーンを作成している間は、タイヤ製造装置が停止した状態となっていた。また、巻き出された長尺部材の端材が搬送装置上に残った場合には、作業員が端材を視認しつつ搬送装置の上流側から排出させていたので、端材の排出が終了するまで、タイヤ製造装置を再開することができなかった。
【0005】
このようなタイヤ部材供給装置では、タイヤ製造装置が長時間停止してしまうことにより、タイヤの生産性が低下していた。また、作業員の手作業によってフェスツーンが作成されるので長尺部材が変形してしまうおそれがあり、さらに作業員がタイヤ製造装置に接近する機会が多かったので、安全面の確保について細心の注意を払う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-296949号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、長尺部材を支持してフェスツーンの作成をするための長尺部材支持装置を備え、フェスツーンを作成する際の作業員による手作業を少なくし、フェスツーン作成の作業時間の短縮を図ることにより、タイヤ製造装置の停止時間を短縮させてタイヤの生産性を向上させ、さらにフェスツーン作成時における長尺部材の変形を防止し製造されるタイヤの精度を向上させるとともに、作業員の安全性の向上を図ることが可能なタイヤ部材供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を解決するために、請求項1記載の発明は、タイヤ成型用の長尺部材を提供する長尺部材供給装置と、タイヤ成型用部材を搬送する搬送装置を備えるタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材供給装置と前記搬送装置との間に、前記長尺部材供給装置および前記搬送装置のそれぞれに隣接して長尺部材支持装置が配設され、前記長尺部材支持装置は長尺部材を下方から支持することのできる長尺部材支持部と、前記長尺部材支持部を上下に移動させるための駆動装置を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材支持部は、前記長尺部材を支持する長尺部材支持面を一定の角度に保ったまま、上下動可能であることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材支持部は、前記駆動装置により、前記長尺部材供給装置の長尺部材供給開始時には、前記長尺部材供給装置から前記搬送装置へと前記長尺部材を搬送することが可能な位置に位置され、前記長尺部材の端部が前記搬送装置に搬送された後に下降が開始されることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3いずれか記載のタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材支持装置は、前記長尺部材支持面を任意の傾斜角に取ることが可能な駆動手段を備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4いずれか記載のタイヤ部材供給装置において、前記長尺部材供給装置は前記長尺部材を供給する複数のステーションを備え、前記ステーションは移動可能であることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、長尺部材支持装置の長尺部材支持部は、長尺部材を支えながら駆動装置により下方に移動されることによりフェスツーンを作成するので、フェスツーンの作成にあたっての作業員の手作業がなくなり、フェスツーン作成の作業時間を短縮することが可能となり、タイヤ製造装置の停止時間が短縮されタイヤの生産性を向上することができる。さらに、長尺部材の変形を防止し精度の高いタイヤを供給することができる。さらにまた、作業員がタイヤ製造機に近づく機械が減少することにより安全性の向上を図ることができる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、長尺部材が、一定の角度に保たれた長尺部材支持面に支持されたまま、長尺部材支持部が駆動装置により下降されてフェスツーンが作成されるので、フェスツーン作成における長尺部材の変形をさらに防止することが可能となり、より精度の高いタイヤを製造することができる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、長尺部材支持部は、長尺部材供給装置が長尺部材の供給を開始した際には、長尺部材を搬送装置に搬送し、長尺部材の端部が搬送装置に達した後には、長尺部材を支持しつつ下降していくので、フェスツーンの自動作成をすることができる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3記載の発明の効果に加えて、長尺部材支持部を任意の傾斜角にとることができるので、長尺部材が長尺部材供給装置から搬送装置へと搬送される状態およびフェスツーンが作成される状態において、長尺部材支持面を略水平にすることにより長尺部材を下方から支えて長尺部材の変形を防止することができ、長尺部材の端材を排出するときには、長尺部材支持面を傾斜することにより、端材の排出を容易に行うことができる。
【0017】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4記載の発明の効果に加えて、長尺部材を供給する複数のステーションを備え、複数のステーションは移動することができるので、1つのステーションにより長尺部材が供給されている間に、他のステーションを長尺部材を供給することが可能な状態にあらかじめセットしておき、1つのステーションからの長尺部材の供給が終了すると、他のステーションを移動してすぐに長尺部材の供給を再開することが可能となり、タイヤ製造機の停止時間がさらに短縮され、タイヤの生産性をより一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施例におけるタイヤ部材供給装置の側面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】長尺部材搬送可能状態にある長尺部材支持装置の側面図ある。
【図4】図3の背面図である。
【図5】図3のV−V矢視図である。
【図6】フェスツーン作成状態にある長尺部材支持装置の側面図である。
【図7】フェスツーン作成終了状態にある長尺部材支持装置の側面図である。
【図8】端材排出状態にある長尺部材支持装置の側面図ある。
【図9】長尺部材搬送可能状態にある長尺部材支持装置の側面図である。
【図10】長尺部材が搬送装置に搬送されている状態における長尺部材支持装置の側面図である。
【図11】フェスツーンが作成された状態における長尺部材支持装置の側面図である。
【図12】長尺部材の巻き出し終了側端部が搬送装置上に位置している状態における長尺部材支持装置の側面図である。
【図13】長尺部材の端材が排出される状態における長尺部材支持装置の側面図ある。
【図14】巻き出しロールの巻きだしが終了し、ステーションが移動された状態におけるタイヤ供給装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る一実施例について図1ないし図14に基づき説明する。
【実施例1】
【0020】
本実施例のタイヤ部材供給装置1は、タイヤのトレッド部材を供給する装置であって、図1および図11に示すように、生ゴムが長尺の帯状に形成された長尺部材4が、長尺部材供給装置3から供給され、搬送装置100上を搬送される間にカッタ130とアンビル131により所定長さに切断されてトレッド部材としてのタイヤ部材2が供給される。
【0021】
長尺部材供給装置3と搬送装置70の間には、長尺部材支持装置50が配設されており、この長尺部材支持装置50により、長尺部材供給装置3と搬送装置70間にフェスツーン51が自動的に作成されるようになっている。
【0022】
長尺部材4は、ライナー5を挟んで巻き出しロール6に複数回巻きつけられている。巻き出しロール6は、長尺部材4およびライナー5を巻きつける円筒状の巻胴7、巻胴7の両端に巻き取った長尺部材4およびライナー5を支えるための一対の円盤状のフランジ8、フランジ8の外側には一対の円筒状の突出部9を備えている。
【0023】
図1および図2に示すように、長尺部材供給装置3が設置される床面12には、2枚の薄い板状の基板13、14が流れ方向に所定の間隔を存して貼着されており、基板13、14と床面12で構成される凹部が、巻き出しロール6が所定位置にセットされたときに、巻き出しロール6と床面12が接触することを防止するピット15になっている。
【0024】
図2に示すように、基板13上には長尺部材4の流れ方向(以下、部材流れ方向という)に平行して3組の薄い板状のガイド部材16が貼設されており、巻き出しロール6を長尺部材供給装置3にセットする際のガイドの役目を担っている。
【0025】
さらに、基板14上には、部材流れ方向と直角をなす方向に指向して3本のレール17、18、19が平行に敷設されている。
【0026】
長尺部材供給装置3は可動フレーム20を備えており、可動フレーム20は、下部にレール17、18、19上を滑る3つのスライド部21が固定されており、部材流れ方向と直角の方向にレール14、15、16に沿って移動することができるようになっている。
【0027】
可動フレーム20は、2組のステーション22を備えており、それぞれのステーション22には、長尺部材4およびライナー5が巻きかれている巻き出しロール6を搬入しセットこと、および巻き出しが終了した巻き出しロール6を搬出することができるようになっている。
【0028】
可動フレーム20をレール14、15、16上において移動させることにより、一方のステーション22は、長尺部材4を巻き出しロール6から巻き出し搬送装置100に供給可能な巻き出し位置10に、他方のステーション22は巻き出しの待機をする待機位置11に移動することができるようになっている。
【0029】
図1に示すように、各ステーション22には、それぞれ1組の支持ローラ23、ローラ24、シリンダ25、ロッド26およびT型リンク27、ローラ28が備えられている。
【0030】
可動フレーム20の支柱20bから、水平方向であって部材流れ方向の上流側に張り出した梁20c上に支持ローラ23が回転自在に配設され、支柱20bに前記支持ローラ23の上方であって部材流れ方向の下流側に位置してローラ24が回転自在に配設されている。
【0031】
前記支柱20bの上端には前記梁20cに平行して梁20dが設けられ、梁20dの上面にシリンダ25が固定され、シリンダ25のロッド26の先端にはT型リンクの一端27aが回動可能に連結され、他端27bにはローラ28が回転可能に連結されている。さらに、T型リンク27の突出部27cは、梁20dの先端に回動自在に連結され、シリンダ25を作動させロッド26を移動させることにより、T型リンク27は突出部27cを中心に揺動することができるようになっている。
【0032】
巻き出しロール6をステーション22にセットするときには、シリンダ25を作動させロッド26を縮めると、リンク27が上方に揺動し、ロール28が上方に移動するので、巻き出しロール6をステーション22内に搬入することができる。搬入された巻き出しロール6の一対の突出部9は、一対の支持ローラ23により鉛直方向に支持され、ローラ28により水平方向に支持され、その後シリンダ25を作動させロッド26を突出させるとリンク27が下方に揺動し、リンク端27bのローラ28により巻き出しロール6の突出部9が押さえられて、巻き出しロール6が搬出方向に移動することを阻止することができるようになっている。
【0033】
可動フレーム20内に搬入された巻き出しロール6は、ローラ23、ローラ24およびローラ28に支持されて、回転可能となる。
【0034】
可動フレームの20の基部20aに、可動フレーム20内に搬入された巻き出しロール6のフランジ8の外周面に接するように駆動ローラ29が設けられ、駆動ローラ29に隣接して配設された駆動装置30により駆動ローラ29が回転駆動されて、駆動ローラ29に接している巻き出しロール6が回転されるようになっている。
【0035】
可動フレーム20の上部には、複数の分離ロール33が回転可能に設けられており、重ね合わされた長尺シート状生ゴム部材4とライナー5とを分離するようになっている。
【0036】
さらに分離ロール31により分離されたライナー5は、可動フレーム20に分離ロール33の下方に位置して設けられているライナー巻き取りロール31に巻き取られるようになっており、ライナー巻き取りロール31は駆動装置32により駆動されるようになっている。
【0037】
駆動装置32は図示されない制御装置により巻取り速度が制御されており、ライナー巻取りロール31の巻き取り速度と、巻き出しロール6の巻き出し速度とは同一速度になるように設定され、長尺部材4の供給速度は、駆動ローラ29とライナー巻取りロール32の回転速度により制御されるようになっている。
【0038】
図2および図3に示すように、分離ロール33の部材流れ方向に隣接して、複数のフリーロール34が可動フレーム20の部材流れ方向端部に、その回転軸が部材流れ方向と直角になるよう回転自在に支持されており、さらにフリーロール34の部材流れ方向の下流側に隣接して、フェスツーン51の作成に際して長尺部材4を下方から支え、長尺部材支持装置50にガイドするガイド部35が設けられている。
【0039】
ガイド部35は部材流れ方向に平行な2つの支持フレーム36がピン37を中心として揺動可能に可動フレーム20に支持されており、2つの支持フレーム36の間に、フリーロール38が回転自在に介装されているものである。支持フレーム36の下方であって、可動フレーム20の下流側の側部にシリンダ39が設けられ、シリンダ39のロッド40の端部が支持フレーム36の下部に固定されたブラケット41にピン42により回動自在に結合されており、シリンダ39の駆動によりロッド40が進出または退出されて、ガイド部35はピン37を中心に揺動されるようになっており、図3および図6に示すように、長尺部材4のフェスツーン51が作成される時には、作成されつつあるフェスツーン51の形状に伴ってガイド部35の下流側端部35aが徐々に下降し、フェスツーン51の端部における長尺部材4の角度の急激な変化を防止することができるようになっている。
【0040】
長尺部材供給装置3の部材流れ下流側に隣接して、長尺部材支持装置50が配設されている。長尺部材支持装置50は、タイヤ部材供給装置1が設置される床に固定されている架台52に、フェスツーン51を作成する際に長尺部材4を下方から支えて上下動可能な長尺部材支持部70が設けられている。
【0041】
長尺部材支持装置50の架台52は、床12に固定された基盤53の上に、2本の支柱54が平行して立てられ、その2本の支柱54を連結するように2本の連結部材55が上下に平行にボルトにより支柱54に締結されているものである。
【0042】
図3および図4に示すように、支柱54の内側面54aには、ガイドレール57が、支柱54に固着された上下のブラケット56を介して支柱54に平行であって上下方向に指向して取り付けられており、ガイドレール57には、それぞれの支柱54に上下方向に一対のリニアブッシュ58がガイドレール57に沿って移動可能に取り付けられ、これら4個のリニアブッシュ58に取付板60がボルト59により締結されている。
【0043】
さらに図3および図5に示すように、連結部材55には、前記2本の支柱54から略等距離をなした中心に、ブラケット61を介して上下方向に指向してロッドレスシリンダ62が取付けられており、ロッドレスシリンダ62の移動子63は、取付板60に固着されている。
【0044】
図4に示すように、取付板60には、固定板95に水平方向に突出して固着された支持梁64がボルト96により締結されており、支持梁64に取付部材65がボルト66により締結され、さらに取付部材65に長尺部材を支持する長尺部材支持部70が取り付けられている。
【0045】
長尺部材支持部70は、メイン支持部71と出退可能支持部80からなり、メイン支持部71は、一組のフリーローラ支持部材72の間に、複数のフリーローラ73の回転軸が流れ方向に直角方向をなすように回転自在に支持され、フリーローラ73のうち上流端のフリーローラ73に隣接して、径の小さい小フリーローラ74が複数回転自在に支持されている。
【0046】
一組のフリーローラ支持部材72は、前記取付部材65に設けられた穴65aと中空筒68を貫通する軸67に、ピン69により揺動自在に結合されており、長尺部材支持部70は軸67を中心に揺動することができるようになっている。
【0047】
図3に示すように、一組のフリーローラ支持部材72の下部には、フリーローラ支持部材72を連結するようにシリンダ支持梁75とブラケット支持梁76が固着されている。
【0048】
シリンダ支持梁75の下部にシリンダ77が接合され、シリンダ77のロッド78の先端により、出退可能支持部80が支持されている。出退可能支持部80は、一組の支持部材81により回転自在に支持された複数の小フリーローラ82からなっており、図3示すようにシリンダ77を作動させてロッド78を進出させると、出退可能支持部80がメイン支持部71の下流側先端より流れ方向に突出した突出状態となり、図6に示すようにロッド78を引き込ませると、出退可能支持部80はメイン支持部71の下方に引き込まれた退避状態とすることができるようになっている。
【0049】
出退可能支持部80が突出状態となっているときには、メイン支持部71のフリーローラ73、小フリーローラ74および出退可能支持部80の小フリーローラ82の上部による面により、長尺部材4を支持する支持面70aが構成され、出退可能支持部80が退避状態となっているときには、メイン支持部71のフリーローラ73、小フリーローラ74の上部による面により、長尺部材4を支持する支持面70aが構成される。
【0050】
支持梁64の下面に、L字型に形成されたシリンダ支持部材85の上部が固着されており、シリンダ支持部材85の流れ方向下流側端部にブラケット86がピン87により回動自在に連結され、ブラケット86にシリンダ88が支持されている。シリンダ88のロッド89の先端にはピン90を介して回動自在にブラケット91に連結され、ブラケット91はメイン支持部71のブラケット支持梁76に固着されている。
【0051】
シリンダ88を作動させてロッド89を進出させると、回転軸67を中心として長尺部材支持部70が揺動し、長尺部材4を支持する支持面70aが略水平である水平状態になり、図8に示すように、ロッド89を引き込ませると長尺部材支持部70が軸67を中心として流れ方向下流側が下方に下がり、長尺部材4を支持する支持面70aが搬送装置100側に傾斜された傾斜状態となる。
【0052】
長尺部材支持装置50のロッドレスシリンダ62を作動させて移動子63を上下動させると、移動子63に固着された取付板60がガイドレール57に沿って上下動される。長尺部位材支持部70を最上位置に移動した状態は、図3、および図4と図5の実線で示され、長尺部位材支持部70を最下位置に移動した状態は、図6、および図4と図5の仮想線で示されている。
【0053】
このように長尺部材支持部70は、支持面70を略水平な状態にして、ロッドレスシリンダ62により上下動することができるので、長尺部材4は支持面70aにより支持されたまま下方向に移動することができるようになっている。
【0054】
以下、図3、図6ないし図8で示した長尺部材支持装置50の各状態について説明する。
図3に示すように、長尺部材支持部70がロッドレスシリンダ63により最上部に移動されており、出退可能支持部80はメイン支持部71の下流側にシリンダ77により進出され突出状態となり搬送装置100のウエブスタ103と隣接し、ガイド部材35は、長尺部材供給装置3の下流側端部のフリーローラ34に隣接するようにシリンダ39により移動されている状態を、長尺部材搬送可能状態といい、長尺部材4は支持面70a上をフリーロール38、73、74に支持されて搬送装置に搬送されることができる。
【0055】
また、図6に示すように、出退可能支持部80が退避状態であり、長尺部材支持部70の支持面70aが長尺部材4を支持しつつ下降する状態を、フェスツーン作成状態といい、長尺部材支持面70aが長尺部材4を下方から支えてながらフェスツーンが作成される。
【0056】
さらに、図7に示すように、長尺部材支持部70が、ロッドレスシリンダ63により最下位置に移動されており、出退可能支持部80が退避状態となっている状態を、フェスツーン作成終了状態という。
【0057】
さらにまた、図8に示すように、長尺部材支持部70が、最下位置にあり、出退可能支持部80が退避状態となっていて、長尺部材支持部70の支持面70aが傾斜状態となっている状態を、端材排出状態という。
【0058】
フェスツーン51の作成はセンサにより制御されており、長尺部材支持装置50の架台52および搬送装置100の架台101のそれぞれに、センサA92およびセンサB93が設けられ、それぞれ一組のセンサは水平方向に対向して設けられており、センサB93はセンサA92より低い位置に配設されている。
【0059】
フェスツーン51が作成され、長尺部材4の弛みが発生して長尺部材4によりセンサ間が遮られると、センサより制御装置に信号が送られるようになっており、巻きだしロール6の巻き出し速度とライナー巻取りロール32の巻き取り速度が制御され、長尺部材4の供給速度が以下のように制御されるようになっている。
【0060】
長尺部材4をセンサA92およびセンサB93が検知していない状態では、長尺部材4の供給速度は通常速度よりも高速であり高速度に制御され、センサA92が検知しかつセンサB93が検知していない状態では、通常速度に制御され、センサA92およびセンサB93が検知した状態では長尺部材4の供給は停止されるようになっている。
【0061】
図1に示すように、長尺部材支持装置50の流れ方向下流側に隣接して、搬送装置100が設置されている。搬送装置100は架台101の上に上流側搬送部102と下流側搬送部120が設けられており、上流側搬送部102と下流側搬送部120の間には、カッタ130およびアンビル131が配設されており、長尺部材4を所定長さに切断しタイヤ部材2を供給する。
【0062】
上流側搬送部102には、長尺部材支持装置50の出退可能支持部80の下流側端に位置する小フリーローラ82に隣接して、長尺部材4のセンター位置決めをするウエブスタ103が設けられ、駆動装置104により駆動される。ウエブスタ103の下流側に隣接して複数のガイドローラ105が回転自在に設けられ、ガイドローラ105に隣接して上流側ベルトコンベア106が設けられ、カッタ130とアンビル131に長尺部材4を搬送するようになっている。上流側ベルトコンベア106は制御装置により、部材を下流側搬送装部120に搬送する方向である正転方向およびその逆転方向に回転することができるようになっている。
【0063】
ガイドローラ105の間には、センサC112が設けられ、ガイドローラ105上に長尺部材4が存在しているかを検知する。
【0064】
上流側ベルトコンベア106の途中には、先端にローラ108が回転自在に設けられている部材押さえ107が、リンク109、ロッド110およびシリンダ111により揺動されるように設けられており、部材押さえ107の下流側には、長尺部材4の存在を検知するセンサD113が設けられている。
【0065】
センサC112およびセンサD113が長尺部材4の存在を検知すると信号が制御装置に送られ、シリンダ111が作動し、部材押さえ107が下方に揺動され、長尺部材4が部材押さえ107のローラ108によりベルトコンベア106に押し付けられる。
【0066】
センサD113が長尺部材4を検知しているが、センサC112が長尺部材4を検知していない場合には、巻き出された長尺部材4の巻き出し終了側端部4bがセンサCを通過したと判断され、上流側ベルトコンベア106上に長尺部材4の端材4cが乗っていると認識して、上流側のベルトコンベア106が制御装置により逆回転に切換えられて、端材4cは逆送され上流側搬送部102の上流側から排出するようになっている。
【0067】
カッタ130とアンビル131の下流側に隣接された下流側搬送部120には、下流側ベルトコンベア121が設けられており、カッタ130とアンビル131により長尺部材4が所定長さに切断されタイヤ部材2が形成され、タイヤ部材2は、下流側ベルトコンベア120により図示されないタイヤ成型ドラムに搬送されるようになっている。
【0068】
上流側ベルトコンベア106と下流側ベルトコンベア121の搬送速度は、長尺部材供給装置3の長尺部材4の供給速度の通常速度と同じ速度に設定されている。
【0069】
さらに図1および図8に示すように、上流側搬送部101のウエブスタ103の下方位置に、長尺部材支持装置50に隣接して、受け籠125が、床12に敷設されたレール126上を移動可能に配設されており、この受け籠125は、上流側搬送部101から排出される長尺部材4の端材4cを受けるようになっている。
【0070】
上流側ベルトコンベア106が逆回転されている状態において、センサA92およびセンサB93が端材4cを検知した後に、センサA92およびセンサB93が検知しない状態になると、端材4cが受け籠125に排出されたと認識して、長尺部材支持面70aが水平状態とされ、ロッドレスシリンダ62により最上位置に移動され、出退可能支持部80た突出状態となり、長尺部材支持装置は長尺部材搬送可能状態となる。
【0071】
本実施例のタイヤ部材供給装置1による、タイヤ部材の供給および、フェスツーン51の自動作成の工程について以下説明する。
【0072】
まず、長尺部材供給装置3の可動フレーム20のステーション22内に、長尺部材4およびライナー5が重ね合わされて巻き付けられている状態の巻き出しロール6を搬入する。すなわち可動フレームに設けられたシリンダ25を作動し、リンク27を上方に揺動させて巻き出しロール6を搬入し、その後シリンダ25を作動させてリンク27を下方に揺動させることにより、巻き出しロール6が可動フレーム20のステーション22内にセットされる。
【0073】
巻き出しロール6に巻き付けられているライナー5の端部5aは、長尺部材4の端部4aよりも長く設定されており、ライナー5の端部5aを分離ロール33に掛け渡して、ライナー巻き取りロール31に巻き付け、さらに長尺部材4の端部4aを、可動フレーム上部に設けられているフリーロール34上に載置し、巻き出し可能状態とする。
【0074】
可動フレーム20をレール17、18、19上において移動して、巻き出しロール6がセットされているステーション22を巻き出し位置10に移動させる。
【0075】
この状態では、長尺部材支持装置50は長尺部材搬送可能状態になっている。
【0076】
図9に示すようなタイヤ供給装置1のこれらの状態を部材供給開始状態といい、部材供給開始状態であることを確認した上で、作業員が図示されないスタートボタンを押すと、図10に示すように、長尺部材供給装置3の可動フレーム20に設けられた駆動ローラ29およびライナー巻取りロール31の回転が開始され、長尺部材4が巻き出しロール6より巻き出し始め、搬送装置100のベルトコンベア106、122が流れ始め、この際、センサAおよびセンサBは長尺部材4を検出していないので、長尺部材4は高速度で供給される。
【0077】
巻き出しロール6でライナー5と重ね合わされている長尺部材4は、分離ロール33によりライナー5が分離され、長尺部材供給装置3のフリーロール34およびガイド部35、長尺部材支持装置50の長尺部材支持部70のメイン支持部71および出退可能支持部80の上を通過し、搬送装置100のウエブスタ103により幅方向の中心線が所定位置に合わされ送り出され、上流側ベルトコンベア106に載せられ、下流側へ送られていく。
【0078】
長尺部材4の端部がセンサC112およびセンサD113位置を通過し、長尺部材4が検知されると、シリンダ111が作動し、部材押さえ107が下方に揺動されるので、長尺部材4は部材押さえ107のローラ108により上流側ベルトコンベア106に押し付けられる。
【0079】
部材押さえ107が下方に揺動しロール108が長尺部材4を押さえると、長尺部材支持装置50はフェスツーン作成状態となって、長尺部材支持部70が長尺部材4を支持しつつ下降を始める。
【0080】
長尺部材供給装置3の長尺部材4の供給速度は、搬送装置100のベルトコンベア106およびベルトコンベア122の搬送速度よりも高速であるので、長尺部材供給装置100と搬送装置100の間に、長尺部材4が弛んでフェスツーン51が次第に発生していく。フェスツーン51の弛みに合わせてロッドレスシリンダ63の移動子64が下方に移動されるので、フェスツーン51が長尺部材支持部70により下方から支持されつつ、フェスツーン51の弛み量を大きくしていくことができる。
【0081】
また、長尺部材支持部70の下降に伴い、長尺部材供給装置3のガイド部35がピン37を中心にシリンダ39により下方に揺動され、フェスツーン作成に伴うフェスツーン端における長尺部材4が流れる角度が急激に変化することを防止する。
【0082】
フェスツーン51の弛みが大きくなりセンサA92が長尺部材4を検知すると、長尺部材供給装置3の供給速度は通常速度となり、搬送装置100の搬送速度と同じ速度になるので、フェスツーン51の弛みの大きさは維持される。フェスツーン51の弛みがさらに大きくなり、センサA92およびセンサB93の両方に検知されると、長尺部材供給装置3の長尺部材4の供給が停止され、フェスツーン51の弛み量を減少する方向に調整し、フェスツーン51の弛みが所定より減少してセンサA92とセンサB93が検出しない状態になると、長尺部材供給装置3の供給速度が高速となり、フェスツーン51の弛み量を増加する方向に調整する。
【0083】
図11に示すように、長尺部材支持部70は、フェスツーン51を下方から支持しながら下方に移動され、所定のフェスツーン51が作成されるまでフェスツーン51を支えるが、所定のフェスツーン51が作成された後は、フェスツーン51の下端から離れ、図に示されるように最低位置まで移動され、長尺部材支持装置50はフェスツーン作成終了状態となる。
【0084】
上流側搬送部102上を搬送された長尺部材4は、カッタ130およびアンビル131により所定長さに切断されてタイヤ部材2となり、さらに下流側搬送部120のベルトコンベア122上に載せられ、図示されないタイヤ成型ドラムに送られる。
【0085】
巻き出しステーション10から長尺部材4が巻き出されている間に、待機位置11にあるステーション22内に、長尺シート状生ゴム部材4およびライナー5が重ねあわされた状態で巻き取られている新たな巻き出しロール6を搬入し、巻き出し可能状態にセットする。
【0086】
図12に示すように、巻き出し位置10のステーション22にセットされた巻き出しロール6から、長尺部材4がほぼ巻き出され、長尺部材4の最終端部4bがセンサC112を通過し、センサD113が長尺部材を検知しているが、センサC112が長尺部材4を検知しない状態になると、上流側ベルトコンベア106上に長尺部材4の端材4cが乗っている状態であると認識され、部材押さえ107が上方に揺動され、さらに上流側ベルトコンベア106が逆方向に回転し始めて、上流側ベルトコンベア106上に載っている端材4cは、上流側搬送部102の上流側端部より排出する方向に搬送される。また、巻き出しロール6から長尺部材4の全てが巻き出されたと判断されて、長尺部材供給装置3の駆動ローラ29およびライナー巻取りロールの回転が停止される。
【0087】
図13に示すように、上流側ベルトコンベア106が逆方向に回転し始めるのとほぼ同時に、長尺部材支持装置50の長尺部材支持部70を下方から支持しているシリンダ88が作動し、長尺部材支持部70が傾斜状態となり、長尺部材支持装置50は端材排出状態となる。
【0088】
逆方向に搬送された端材4cは、ウエブスタ103の下流側に設けられているガイド部114によりガイドされて、傾斜している長尺部材支持部70の支持面70aに接触し、フリーロール72が回転されて受け籠125に排出される。
【0089】
端材4cが受け籠125に排出されたことが確認されると、長尺部材支持部70は、水平状態となり、さらにロッドレスシリンダ62が作動されて最上部に移動され、出退可能支持部80が突出状態となり、長尺部材支持装置50は長尺部材搬送可能状態となる。
【0090】
これに伴い、長尺部材供給装置3のガイド部35が上方に揺動され、さらに長尺部材供給装置3の可動フレーム20が移動されて、待機位置で待機し巻き出し可能状態にセットされたステーション22が巻き出し位置10に配置され、タイヤ部材供給装置1は図14に示されるような部材供給開始状態となる。
【0091】
部材供給開始状態となったタイヤ部材供給装置1は、駆動ローラ29およびライナー巻取りロール31の回転および長尺部材4の巻き出しロール6からの巻き出しが開始されて、新たな巻き出しロール6によるタイヤ部材の供給が始まる。
【0092】
巻き出しが終了して待機位置11に移動されたステーション22から、巻き出しが終了した巻き出しロール6を搬出し、長尺部材4およびライナー5が巻き付けられている新たな巻き出しロール6をステーション22にセットし、巻き出し可能状態にしておく。
【0093】
以上の工程が繰り返されて、タイヤ部材2が連続して供給される。
【0094】
本実施例によるタイヤ部材供給装置1では、フェスツーン51が自動に作成されるので、作業員による手作業が減少し、タイヤ部材供給装置1の停止時間が短縮されて、タイヤ製造装置のタイヤ製造の生産性を向上することができる。
【0095】
さらに、長尺部材4が長尺部材支持面70aにより下方から支えられながら次第にフェスツーンが作成され、また作業員の作業によらないので、フェスツーン作成時の長尺部材4の変形を防止し、精度の高いタイヤ製品を製作することが可能となる。
【0096】
また、長尺部材支持部70の下流側を下に傾斜させる傾斜状態にすることによって、上流側ベルトコンベア106により上流側に逆送された端材4cを、長尺部材支持部70の長尺部材支持面70aで受けて隣接された受け籠125に送り込むので、端材4cの排出を容易にし、排出時間を短縮することが可能となり、タイヤの生産性をさらに向上させることができる。
【0097】
タイヤ部材供給装置1は、前記のように構成されているので、作業員による作業工程を大幅に減少させることができ、作業員の安全性が向上する。
【符号の説明】
【0098】
1…タイヤ部材供給装置、2…タイヤ部材、3…長尺部材供給装置、4…長尺部材、4a…巻き出し開始側端部、4b…巻き出し終了側端部、4c…端材、5…ライナー、6…巻き出しロール、7…巻胴、8…フランジ、9…突出部、10…巻き出し位置、11…待機位置、12…床、13…基板、14…基板、15…ピット、16…ガイド部材、17…レール、18…レール、19…レール、
20…可動フレーム、20a…基部、20b…支柱、20c…梁、20d…梁、21…スライド部、22…ステーション、23…支持ローラ、24…ローラ、25…シリンダ、26…ロッド、27…リンク、28…ローラ、29…駆動ローラ、30…駆動装置、31…ライナー巻き取りロール、32…駆動装置、33…分離ロール、34…フリーローラ、35…ガイド部、36…支持フレーム、37…ピン、38…フリーローラ、39…シリンダ、40…ロッド、41…ブラケット、42…ピン、
50…長尺部材支持装置、51…フェスツーン、52…架台、53…基板、54…支柱、55…連結部材、56…連結部材、57…ブラケット、58…ガイドレール、59…リニアブッシュ、60…ボルト、61…取付板、62…ブラケット、63…ロッドレスシリンダ、64…移動子、65…支持梁、66…取付部材、67…軸、68…中空筒、69…ボルト、
70…長尺部材支持部、71…メイン支持部、72…フリーローラ支持部材、73…フリーローラ、74…小フリーローラ、75…シリンダ支持梁、76…ブラケット支持梁、77…シリンダ、78…ロッド、
80…出退可能支持部、81…支持部材、82…小フリーローラ、
85…シリンダ支持部材、86…ブラケット、87…ピン、88…シリンダ、89…ロッド、90…ピン、91…ブラケット、92…センサA、93…センサB、
95…固定板、96…ボルト、
100…搬送装置、101…架台、102…上流側搬送部、103…ウエブスタ、104…駆動装置、105…ガイドローラ、106…上流側ベルトコンベア、107…部材押さえ、108…ローラ、109…リンク、110…ロッド、111…シリンダ、112…センサC、113…センサD、
120…下流側搬送部、121…下流側ベルトコンベア、
125…受け籠、126…レール、127…ローラ、
130…カッタ、131…アンビル。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ成型用の長尺部材を提供する長尺部材供給装置と、タイヤ成型用部材を搬送する搬送装置を備えるタイヤ部材供給装置において、
前記長尺部材供給装置と前記搬送装置との間に、前記長尺部材供給装置および前記搬送装置のそれぞれに隣接して長尺部材支持装置が配設され、
前記長尺部材支持装置は長尺部材を下方から支持することのできる長尺部材支持部と、前記長尺部材支持部を上下に移動させるための駆動装置を備えたことを特徴とするタイヤ部材供給装置。
【請求項2】
前記長尺部材支持部は、前記長尺部材を支持する長尺部材支持面を一定の角度に保ったまま、上下動可能であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ部材供給装置。
【請求項3】
前記長尺部材支持部は、前記駆動装置により、前記長尺部材供給装置の長尺部材供給開始時には、前記長尺部材供給装置から前記搬送装置へと前記長尺部材を搬送することが可能な位置に位置され、前記長尺部材の端部が前記搬送装置に搬送された後に下降が開始されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のタイヤ部材供給装置。
【請求項4】
前記長尺部材支持装置は、前記長尺部材支持面を任意の傾斜角に取ることが可能な駆動手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載のタイヤ部材供給装置。
【請求項5】
前記長尺部材供給装置は前記長尺部材を供給する複数のステーションを備え、前記ステーションは移動可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載のタイヤ部材供給装置。
【請求項1】
タイヤ成型用の長尺部材を提供する長尺部材供給装置と、タイヤ成型用部材を搬送する搬送装置を備えるタイヤ部材供給装置において、
前記長尺部材供給装置と前記搬送装置との間に、前記長尺部材供給装置および前記搬送装置のそれぞれに隣接して長尺部材支持装置が配設され、
前記長尺部材支持装置は長尺部材を下方から支持することのできる長尺部材支持部と、前記長尺部材支持部を上下に移動させるための駆動装置を備えたことを特徴とするタイヤ部材供給装置。
【請求項2】
前記長尺部材支持部は、前記長尺部材を支持する長尺部材支持面を一定の角度に保ったまま、上下動可能であることを特徴とする請求項1記載のタイヤ部材供給装置。
【請求項3】
前記長尺部材支持部は、前記駆動装置により、前記長尺部材供給装置の長尺部材供給開始時には、前記長尺部材供給装置から前記搬送装置へと前記長尺部材を搬送することが可能な位置に位置され、前記長尺部材の端部が前記搬送装置に搬送された後に下降が開始されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のタイヤ部材供給装置。
【請求項4】
前記長尺部材支持装置は、前記長尺部材支持面を任意の傾斜角に取ることが可能な駆動手段を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3いずれか記載のタイヤ部材供給装置。
【請求項5】
前記長尺部材供給装置は前記長尺部材を供給する複数のステーションを備え、前記ステーションは移動可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項4いずれか記載のタイヤ部材供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−22875(P2013−22875A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161119(P2011−161119)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】
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