タイルカーペット、オプションマット及びそれらの製造方法
【課題】十分な通気性を有し、かつ、冷温風に直接晒されても変形によりタイルカーペット間の継ぎ目が拡大することのない形態安定性を備えたタイルカーペットとオプションマットを提供すること。
【解決手段】本発明のタイルカーペットとオプションマットTは、表層1と、補強層2と、発泡層3と、レギュラー繊維にメルトファイバーを低率で混入させた第一不織布層4aと、レギュラー繊維にメルトファイバーを高率で混入させた第二不織布層4bとを、順次積層してなることを特徴とする。
【解決手段】本発明のタイルカーペットとオプションマットTは、表層1と、補強層2と、発泡層3と、レギュラー繊維にメルトファイバーを低率で混入させた第一不織布層4aと、レギュラー繊維にメルトファイバーを高率で混入させた第二不織布層4bとを、順次積層してなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイルカーペット、オプションマット及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスビルなどで冷温風を床全面から室内にゆるやかに且つ均一に送り込むとともに、室内ではその冷温風を自然の空気の流れに乗せて効率良く快適な空調を行う空調システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このような空調システムにおいては、床面に配設するタイルカーペットが十分な通気性を有することは必須であり、かつ、冷温風に直接晒されても変形によりタイルカーペット間の継ぎ目が拡大しない形態安定性も要求される。
【特許文献1】特開平8−42912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した空調システムに十分適合する通気性と形態安定性を備えたタイルカーペットは未だ具現されていないのが実情である。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、十分な通気性を有し、かつ、冷温風に直接晒されても変形によりタイルカーペット間の継ぎ目が拡大することのない形態安定性を備えたタイルカーペットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1および2の発明は、表層と、発泡層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを混入させた不織布層とを、順次積層してなることを特徴とする。請求項1のタイルカーペットは不織布層を一層としたのに対し、請求項2のタイルカーペットは不織布層を上下二層としたもので、レギュラー繊維にメルトファイバーを低率で混入させた第一不織布層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを高率で混入させた第二不織布層を重ねて配置している。
【0007】
前記表層は、タフト、パイル、織物など任意の意匠層で構成することができる。
【0008】
通常のタイルカーペットは裏面に塩化ビニル等のバッキング材が配設されるので通気性が殆ど得られないが、本発明のタイルカーペットは裏面に不織布層を配設し、しかも表層との間に接着層を兼ねた発泡層を配設しているので、十分な通気性が得られる。
【0009】
また、発泡層に不織布層が食い込んで一体化されるため、タイルカーペットの形態安定性が確保される。
【0010】
現行のタイルカーペットであれば、表層と不織布層との間に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、低融点ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)などを原料とするメルトファイバー、ホットメルトパウダー、ホットメルト織布、ホットメルトフィルムからなる接着層が配設される。これら接着層は薄い面による接着であって、通気性は基本的に接着層によって遮断される。接着面に出来た僅かな隙間により微量の通気性が得られるに過ぎない。
【0011】
本発明のタイルカーペットは発泡層が本来持っている多孔質を特徴とした厚みのある三次元的通気分散構造であり、所定の通気性を有しながらタイルカーペット全体から満遍なく冷温風が吹き出す構造である。しかも、発泡層自体の優れた接着機能により表層と不織布層に対して全面的に強固に接着するという特徴がある。また、発泡層により表層繊維の抜糸強度も高まる。
【0012】
また、発泡層の目付けや発泡倍率を増減することにより所望の通気度が簡単に得られる。この種の空調システムにとって、タイルカーペットが所定の通気度を有することは空調システムの設計上極めて重要である。本発明のタイルカーペットは床面吹き出し空調システムに最適なものといえる。
【0013】
さらに、この種の空調システムでは床面から冷温風が吹き出すが、この冷温風でタイルカーペットが熱歪みを起こしてカーペットの継ぎ目が拡大してはならない。本発明のタイルカーペットは不織布層を上下二層にし、上側の第一不織布層をレギュラー繊維にメルトファイバーを低率で混入させたものとし、下側の第二不織布層をレギュラー繊維にメルトファイバーを高率で混入させたものとしたので、メルトファイバーの混入率が高い方が熱膨張量が少ない。従って、温風吹き出し時に不織布層が熱膨張しても、メルトファイバーの混入率の相違に基づき下反りになっても上反りになることがない。このためタイルカーペット相互間の隙間が広がることがない。
【0014】
また、上側の第一不織布層はメルトファイバーの低率混入率により発泡層のアンカー効果を高める作用がある。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記表層と発泡層との間に、補強層を介在させたことを特徴とする。
【0016】
補強層により耐荷重性や寸法安定性が高まる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記補強層を、ガラスネットまたはガラスペーパーで構成したことを特徴とする。
【0018】
ガラスネットまたはガラスペーパーは引張強度が大であり、耐荷重性や寸法安定性の向上に有効である。
【0019】
請求項5の発明は、請求項1または2の発明において、前記発泡層を、アクリル発泡体で構成したことを特徴とする。
【0020】
アクリル発泡体は発泡倍率調整が容易で通気性コントロールもし易く、かつ、VOC(揮発性有機化合物)排出規制に対する対策面でも有利である。
【0021】
請求項6の発明は、請求項2の発明において、第一不織布層のメルトファイバー混入率を10〜50%とし、第二不織布層のメルトファイバー混入率を50〜99%としたことを特徴とする。
【0022】
発泡層のアンカー効果を良くするためにはメルトファイバーの混入率を低くするとよいが、混入率が10%以下になるとレギュラー繊維の形態安定性が損なわれる。メルトファイバーの混入率が50%を越えると発泡層のアンカー効果が損なわれる。そこで第一不織布層のメルトファイバー混入率を10〜50%とした。また、不織布を硬くするためにはメルトファイバーの混入率を高くするとよいが、100%にすると硬すぎてフロアへの施工時に接着剤との馴染みが悪くなり、施工後も剥離し易くタイル浮きの原因にもなる。混入率が50%以下ではタイルカーペットの強度が損なわれる。そこで第二不織布層のメルトファイバー混入率を50〜99%とした。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1または2の発明において、前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維であることを特徴とする。
【0024】
レギュラー繊維とメルトファイバーの組み合わせは任意でよい。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1または2のタイルカーペットを製造する製造方法であって、前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とする。
【0026】
表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして発泡層を貼り合わせることにより、貼り合わせ後に表層が収縮することがなく、タイルカーペットが上反り変形するのを防止することができる。
【0027】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして補強層を介して発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とする。
【0028】
補強層は不織布層の下反り変形時に引張応力を受け止め、タイルカーペットの寸法安定性を向上させる。
【0029】
請求項10の発明は、請求項8の発明において、前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維であることを特徴とする。レギュラー繊維とメルトファイバーの組み合わせは任意でよい。
【0030】
本発明は前述したタイルカーペットだけでなく、自動車のオプションマットにも同様に適用可能である。この場合、マットの反りの特性よりも通気性が有用となる。請求項11〜15はオプションマットとその製造方法に関するものである。なお、オプションマットの場合はタイルカーペットの補強層や第二不織布層は使用しない。
【発明の効果】
【0031】
本発明は前述の如く、表層と、発泡層と、不織布層とを、順次積層したタイルカーペットないしオプションマットであるから、
(1)発泡層により十分な通気性が得られる。
(2)発泡層により表層繊維の抜糸強度が高まる。
(3)発泡層の目付け又は発泡倍率を増減することにより所望の通気度が簡単に得られる。
(4)不織布層はメルトファイバーの低率混入率により発泡層のアンカー効果を高める。という顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、床面吹き出し空調システムに適合するタイルカーペットの実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、本発明のオプションマットの実施形態についての説明は、以下の説明で「タイルカーペット」を「オプションマット」と読み替えるものとする。この際、図7(オプションマットの断面図)と図8(オプションマットの仕様図)を参照する。なお、オプションマットの実施形態では空調システムとの関係、「補強層」および「第二不織布層」は無視することとする。
【0033】
図1Aは本発明のタイルカーペットTを実施する第1形態の一例であって、図中、1は表層、2は補強層、3は発泡層、4は不織布層である。表層1はタフト、パイル、織物など任意の意匠層で構成する。補強層2はガラスネットまたはガラスペーパーで構成する。発泡層3はアクリル発泡体やポリウレタン発泡体など、各種樹脂発泡体で構成する。発泡層3は多孔質層であり、この種の空調システムで要求される通気度を満足する。具体的には、給気通過風速が面速1cm/secの時、通気抵抗が0.1〜3.0mmAqとなるような通気度である。不織布層4は、レギュラー繊維にメルトファイバーを混入させたもので一層である。メルトファイバー混入率は用途に応じて適宜変更すればよい。
【0034】
図1Bは本発明のタイルカーペットTを実施する第2形態の一例であって、不織布層4を上下二層で構成した点が図1Aと異なる。第一不織布層4aはメルトファイバーを例えば10〜50%の低率で混入させ、第二不織布層4bはメルトファイバーを例えば50〜99%の高率で混入させる。
【0035】
発泡層3のアンカー効果を良くするためにはメルトファイバーの混入率を低くするとよいが、混入率が10%以下になるとレギュラー繊維の形態安定性が損なわれる。メルトファイバーの混入率が50%を越えると発泡層のアンカー効果が損なわれる。そこで第一不織布層4aのメルトファイバー混入率を10〜50%とした。
【0036】
また、不織布を硬くするためにはメルトファイバーの混入率を高くするとよいが、100%にすると硬すぎてフロアへの施工時に接着剤との馴染みが悪くなり、施工後も剥離し易くタイル浮きの原因にもなる。混入率が50%以下ではタイルカーペットの強度が損なわれる。そこで第二不織布層4bのメルトファイバー混入率を50〜99%とした。
【0037】
前述したメルトファイバーの混入率は、用途に応じて適宜変更可能である。ただし、メルトファイバー混入率は第一不織布層4aより第二不織布層4bの方を必ず高くする。
【0038】
本発明のタイルカーペットは以上のように構成されている。タイルカーペットは、図1Aおよび図1Bの最上層にある表層1を反転させてその下面を上にした状態にし、この反転させた表層1の上に順次下層を重ね合わせていく方法で製造する。図1Bのタイルカーペットの場合、反転させた表層1の上にガラスネットまたはガラスペーパーなどの補強層2を重ね、この補強層2の上に発泡層3を重ねる。その後、未硬化の発泡層3の上に、第一不織布層4aと第二不織布層4bを予め互いにニードリングして二層構造にしたものを重ね合わせる。これにより、発泡層3に対して第一不織布層4aの繊維が食い込み、発泡層3の硬化後に強固な接着機能ないしアンカー効果が得られる。この構成体を加圧ロールにより所定圧で加圧して平板状に成型する。これにより表層1と発泡層3、および、発泡層3と第一ないし第二不織布4、5との接着力を強化し、且つ形状安定性を保持させてタイルカーペットの製造を完了する。
【0039】
なお、図1Aの不織布層4あるいは図1Bの第一不織布層4aと第二不織布層4bを予め加熱プレスして板状に固めた後、未硬化の発泡層3の上に重ね合わせるようにしてもよい。この場合は不織布層を予め板状に固めたことにより、温度変化による反りをより少なくすることができることが分かった。
【0040】
こうして製造したタイルカーペットTは、図3のように冷温風を吹き出すフロアFに敷設されると、温風吹き出し時に不織布層4(4a、4b)が加熱されて熱膨張する。特に図1Bのタイルカーペットでは、メルトファイバーが低率で混入された第一不織布層4aの方が第二不織布層4bよりも熱による伸長量が大きいため、図2、図3のようにタイルカーペットT全体としては上反り変形しにくくなる。なお、図2と図3はタイルカーペットTの反りの程度を誇張して図示している。タイルカーペットTが仮に図2、図3のように下反り変形した状態でも、図3のように、タイルカーペットT相互間では継ぎ目での隙間が広がらないし、不織布層4ないし第二不織布層4bとフロア接着剤との馴染みがよいため反りが発生しにくい。この反対に、仮にタイルカーペットTが上反り変形すると、タイルカーペットT相互間に隙間が空く。隙間が空くと見栄えが悪いのは勿論のこと、その隙間から温風が大量に吹き出するから空調システムが成り立たなくなる。本発明のタイルカーペットTを使用すれば隙間が出来ないのでそのような温風漏れは生じない。
【実施例1】
【0041】
次に、図4Aと図4Bに、不織布層を一層にしたタイルカーペットの仕様と試験結果を示す。発泡樹脂の発泡率は2.5倍とし、目付けは500g/m2とした。不織布は目付けを700g/m2とし、15d(デニール)のメルトを20%とし、4d(デニール)のメルトと15d(デニール)のPETをそれぞれ40%とした。したがってメルトファイバーの比率は60%である。このタイルカーペットの通気度は、17.19ccであった。また、動的荷重による厚さ減少率(第一項目)、キャスターチェアーによる寸法の変化量及び変化率(第二項目)、熱及び水の影響による寸法の変化率(第三項目)は、いずれもJIS規定値よりも大幅に小さいことが確認された。
【0042】
次に、図5Aと図5Bに、不織布層を二層にしたタイルカーペットの仕様と試験結果を示す。発泡樹脂の発泡率は3.0倍とし、目付けは280g/m2とした。不織布の目付けは第一層と第二層でそれぞれ300g/m2で合計600g/m2とした。第一不織布層4aでは15d(デニール)のメルトを40%とし、15d(デニール)のPETを60%とした。また、第二不織布層4bでは15d(デニール)のメルトを80%とし、15d(デニール)のPETを20%とした。このタイルカーペットの通気度は、18.50ccであった。また、動的荷重による厚さ減少率(第一項目)と、熱及び水の影響による寸法の変化率(第三項目)は、いずれもJIS規定値よりも大幅に小さいことが確認された。キャスターチェアーによる寸法の変化量及び変化率(第二項目)はJIS規定値を満足している。
【0043】
この二層不織布のタイルカーペットの吸音性能を試験した結果が図6である。実線が本発明に係る二層不織布の吸音タイルカーペットの吸音率である。破線が従来のタイルカーペット(遮音タイルカーペット)の吸音率である。図6から明らかなように、本発明のタイルカーペットは吸音性能が従来のタイルカーペットに比べて約二倍あることがわかる。なお、図1Aの一層不織布のタイルカーペットでも図6の実線と同様の吸音性能が得られた。なお、オプションマットの実施形態でも同様の仕様で同様の吸音性能が得られることが確認された。
【0044】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1A】本発明に係る一層不織布のタイルカーペットの断面図。
【図1B】本発明に係る二層不織布のタイルカーペットの断面図。
【図2】本発明に係るタイルカーペットが下反り変形した時の断面図。
【図3】下反り変形したタイルカーペットが隣接した状態を示す断面図。
【図4A】一層不織布のタイルカーペットの仕様図。
【図4B】一層不織布のタイルカーペットの試験結果を示す図。
【図5A】二層不織布のタイルカーペットの仕様図。
【図5B】二層不織布のタイルカーペットの試験結果を示す図。
【図6】吸音性能の試験結果を示す図。
【図7】本発明に係るオプションマットの断面図。
【図8】オプションマットの仕様図。
【符号の説明】
【0046】
1 表層
2 補強層
3 発泡層
4 不織布層
4a 第一不織布層
4b 第二不織布層
【技術分野】
【0001】
本発明はタイルカーペット、オプションマット及びそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスビルなどで冷温風を床全面から室内にゆるやかに且つ均一に送り込むとともに、室内ではその冷温風を自然の空気の流れに乗せて効率良く快適な空調を行う空調システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このような空調システムにおいては、床面に配設するタイルカーペットが十分な通気性を有することは必須であり、かつ、冷温風に直接晒されても変形によりタイルカーペット間の継ぎ目が拡大しない形態安定性も要求される。
【特許文献1】特開平8−42912号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した空調システムに十分適合する通気性と形態安定性を備えたタイルカーペットは未だ具現されていないのが実情である。
【0005】
本発明は、斯かる実情に鑑み、十分な通気性を有し、かつ、冷温風に直接晒されても変形によりタイルカーペット間の継ぎ目が拡大することのない形態安定性を備えたタイルカーペットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、請求項1および2の発明は、表層と、発泡層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを混入させた不織布層とを、順次積層してなることを特徴とする。請求項1のタイルカーペットは不織布層を一層としたのに対し、請求項2のタイルカーペットは不織布層を上下二層としたもので、レギュラー繊維にメルトファイバーを低率で混入させた第一不織布層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを高率で混入させた第二不織布層を重ねて配置している。
【0007】
前記表層は、タフト、パイル、織物など任意の意匠層で構成することができる。
【0008】
通常のタイルカーペットは裏面に塩化ビニル等のバッキング材が配設されるので通気性が殆ど得られないが、本発明のタイルカーペットは裏面に不織布層を配設し、しかも表層との間に接着層を兼ねた発泡層を配設しているので、十分な通気性が得られる。
【0009】
また、発泡層に不織布層が食い込んで一体化されるため、タイルカーペットの形態安定性が確保される。
【0010】
現行のタイルカーペットであれば、表層と不織布層との間に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、低融点ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)などを原料とするメルトファイバー、ホットメルトパウダー、ホットメルト織布、ホットメルトフィルムからなる接着層が配設される。これら接着層は薄い面による接着であって、通気性は基本的に接着層によって遮断される。接着面に出来た僅かな隙間により微量の通気性が得られるに過ぎない。
【0011】
本発明のタイルカーペットは発泡層が本来持っている多孔質を特徴とした厚みのある三次元的通気分散構造であり、所定の通気性を有しながらタイルカーペット全体から満遍なく冷温風が吹き出す構造である。しかも、発泡層自体の優れた接着機能により表層と不織布層に対して全面的に強固に接着するという特徴がある。また、発泡層により表層繊維の抜糸強度も高まる。
【0012】
また、発泡層の目付けや発泡倍率を増減することにより所望の通気度が簡単に得られる。この種の空調システムにとって、タイルカーペットが所定の通気度を有することは空調システムの設計上極めて重要である。本発明のタイルカーペットは床面吹き出し空調システムに最適なものといえる。
【0013】
さらに、この種の空調システムでは床面から冷温風が吹き出すが、この冷温風でタイルカーペットが熱歪みを起こしてカーペットの継ぎ目が拡大してはならない。本発明のタイルカーペットは不織布層を上下二層にし、上側の第一不織布層をレギュラー繊維にメルトファイバーを低率で混入させたものとし、下側の第二不織布層をレギュラー繊維にメルトファイバーを高率で混入させたものとしたので、メルトファイバーの混入率が高い方が熱膨張量が少ない。従って、温風吹き出し時に不織布層が熱膨張しても、メルトファイバーの混入率の相違に基づき下反りになっても上反りになることがない。このためタイルカーペット相互間の隙間が広がることがない。
【0014】
また、上側の第一不織布層はメルトファイバーの低率混入率により発泡層のアンカー効果を高める作用がある。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記表層と発泡層との間に、補強層を介在させたことを特徴とする。
【0016】
補強層により耐荷重性や寸法安定性が高まる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記補強層を、ガラスネットまたはガラスペーパーで構成したことを特徴とする。
【0018】
ガラスネットまたはガラスペーパーは引張強度が大であり、耐荷重性や寸法安定性の向上に有効である。
【0019】
請求項5の発明は、請求項1または2の発明において、前記発泡層を、アクリル発泡体で構成したことを特徴とする。
【0020】
アクリル発泡体は発泡倍率調整が容易で通気性コントロールもし易く、かつ、VOC(揮発性有機化合物)排出規制に対する対策面でも有利である。
【0021】
請求項6の発明は、請求項2の発明において、第一不織布層のメルトファイバー混入率を10〜50%とし、第二不織布層のメルトファイバー混入率を50〜99%としたことを特徴とする。
【0022】
発泡層のアンカー効果を良くするためにはメルトファイバーの混入率を低くするとよいが、混入率が10%以下になるとレギュラー繊維の形態安定性が損なわれる。メルトファイバーの混入率が50%を越えると発泡層のアンカー効果が損なわれる。そこで第一不織布層のメルトファイバー混入率を10〜50%とした。また、不織布を硬くするためにはメルトファイバーの混入率を高くするとよいが、100%にすると硬すぎてフロアへの施工時に接着剤との馴染みが悪くなり、施工後も剥離し易くタイル浮きの原因にもなる。混入率が50%以下ではタイルカーペットの強度が損なわれる。そこで第二不織布層のメルトファイバー混入率を50〜99%とした。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1または2の発明において、前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維であることを特徴とする。
【0024】
レギュラー繊維とメルトファイバーの組み合わせは任意でよい。
【0025】
請求項8の発明は、請求項1または2のタイルカーペットを製造する製造方法であって、前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とする。
【0026】
表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして発泡層を貼り合わせることにより、貼り合わせ後に表層が収縮することがなく、タイルカーペットが上反り変形するのを防止することができる。
【0027】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして補強層を介して発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とする。
【0028】
補強層は不織布層の下反り変形時に引張応力を受け止め、タイルカーペットの寸法安定性を向上させる。
【0029】
請求項10の発明は、請求項8の発明において、前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維であることを特徴とする。レギュラー繊維とメルトファイバーの組み合わせは任意でよい。
【0030】
本発明は前述したタイルカーペットだけでなく、自動車のオプションマットにも同様に適用可能である。この場合、マットの反りの特性よりも通気性が有用となる。請求項11〜15はオプションマットとその製造方法に関するものである。なお、オプションマットの場合はタイルカーペットの補強層や第二不織布層は使用しない。
【発明の効果】
【0031】
本発明は前述の如く、表層と、発泡層と、不織布層とを、順次積層したタイルカーペットないしオプションマットであるから、
(1)発泡層により十分な通気性が得られる。
(2)発泡層により表層繊維の抜糸強度が高まる。
(3)発泡層の目付け又は発泡倍率を増減することにより所望の通気度が簡単に得られる。
(4)不織布層はメルトファイバーの低率混入率により発泡層のアンカー効果を高める。という顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、床面吹き出し空調システムに適合するタイルカーペットの実施の形態を添付図面を参照して説明する。なお、本発明のオプションマットの実施形態についての説明は、以下の説明で「タイルカーペット」を「オプションマット」と読み替えるものとする。この際、図7(オプションマットの断面図)と図8(オプションマットの仕様図)を参照する。なお、オプションマットの実施形態では空調システムとの関係、「補強層」および「第二不織布層」は無視することとする。
【0033】
図1Aは本発明のタイルカーペットTを実施する第1形態の一例であって、図中、1は表層、2は補強層、3は発泡層、4は不織布層である。表層1はタフト、パイル、織物など任意の意匠層で構成する。補強層2はガラスネットまたはガラスペーパーで構成する。発泡層3はアクリル発泡体やポリウレタン発泡体など、各種樹脂発泡体で構成する。発泡層3は多孔質層であり、この種の空調システムで要求される通気度を満足する。具体的には、給気通過風速が面速1cm/secの時、通気抵抗が0.1〜3.0mmAqとなるような通気度である。不織布層4は、レギュラー繊維にメルトファイバーを混入させたもので一層である。メルトファイバー混入率は用途に応じて適宜変更すればよい。
【0034】
図1Bは本発明のタイルカーペットTを実施する第2形態の一例であって、不織布層4を上下二層で構成した点が図1Aと異なる。第一不織布層4aはメルトファイバーを例えば10〜50%の低率で混入させ、第二不織布層4bはメルトファイバーを例えば50〜99%の高率で混入させる。
【0035】
発泡層3のアンカー効果を良くするためにはメルトファイバーの混入率を低くするとよいが、混入率が10%以下になるとレギュラー繊維の形態安定性が損なわれる。メルトファイバーの混入率が50%を越えると発泡層のアンカー効果が損なわれる。そこで第一不織布層4aのメルトファイバー混入率を10〜50%とした。
【0036】
また、不織布を硬くするためにはメルトファイバーの混入率を高くするとよいが、100%にすると硬すぎてフロアへの施工時に接着剤との馴染みが悪くなり、施工後も剥離し易くタイル浮きの原因にもなる。混入率が50%以下ではタイルカーペットの強度が損なわれる。そこで第二不織布層4bのメルトファイバー混入率を50〜99%とした。
【0037】
前述したメルトファイバーの混入率は、用途に応じて適宜変更可能である。ただし、メルトファイバー混入率は第一不織布層4aより第二不織布層4bの方を必ず高くする。
【0038】
本発明のタイルカーペットは以上のように構成されている。タイルカーペットは、図1Aおよび図1Bの最上層にある表層1を反転させてその下面を上にした状態にし、この反転させた表層1の上に順次下層を重ね合わせていく方法で製造する。図1Bのタイルカーペットの場合、反転させた表層1の上にガラスネットまたはガラスペーパーなどの補強層2を重ね、この補強層2の上に発泡層3を重ねる。その後、未硬化の発泡層3の上に、第一不織布層4aと第二不織布層4bを予め互いにニードリングして二層構造にしたものを重ね合わせる。これにより、発泡層3に対して第一不織布層4aの繊維が食い込み、発泡層3の硬化後に強固な接着機能ないしアンカー効果が得られる。この構成体を加圧ロールにより所定圧で加圧して平板状に成型する。これにより表層1と発泡層3、および、発泡層3と第一ないし第二不織布4、5との接着力を強化し、且つ形状安定性を保持させてタイルカーペットの製造を完了する。
【0039】
なお、図1Aの不織布層4あるいは図1Bの第一不織布層4aと第二不織布層4bを予め加熱プレスして板状に固めた後、未硬化の発泡層3の上に重ね合わせるようにしてもよい。この場合は不織布層を予め板状に固めたことにより、温度変化による反りをより少なくすることができることが分かった。
【0040】
こうして製造したタイルカーペットTは、図3のように冷温風を吹き出すフロアFに敷設されると、温風吹き出し時に不織布層4(4a、4b)が加熱されて熱膨張する。特に図1Bのタイルカーペットでは、メルトファイバーが低率で混入された第一不織布層4aの方が第二不織布層4bよりも熱による伸長量が大きいため、図2、図3のようにタイルカーペットT全体としては上反り変形しにくくなる。なお、図2と図3はタイルカーペットTの反りの程度を誇張して図示している。タイルカーペットTが仮に図2、図3のように下反り変形した状態でも、図3のように、タイルカーペットT相互間では継ぎ目での隙間が広がらないし、不織布層4ないし第二不織布層4bとフロア接着剤との馴染みがよいため反りが発生しにくい。この反対に、仮にタイルカーペットTが上反り変形すると、タイルカーペットT相互間に隙間が空く。隙間が空くと見栄えが悪いのは勿論のこと、その隙間から温風が大量に吹き出するから空調システムが成り立たなくなる。本発明のタイルカーペットTを使用すれば隙間が出来ないのでそのような温風漏れは生じない。
【実施例1】
【0041】
次に、図4Aと図4Bに、不織布層を一層にしたタイルカーペットの仕様と試験結果を示す。発泡樹脂の発泡率は2.5倍とし、目付けは500g/m2とした。不織布は目付けを700g/m2とし、15d(デニール)のメルトを20%とし、4d(デニール)のメルトと15d(デニール)のPETをそれぞれ40%とした。したがってメルトファイバーの比率は60%である。このタイルカーペットの通気度は、17.19ccであった。また、動的荷重による厚さ減少率(第一項目)、キャスターチェアーによる寸法の変化量及び変化率(第二項目)、熱及び水の影響による寸法の変化率(第三項目)は、いずれもJIS規定値よりも大幅に小さいことが確認された。
【0042】
次に、図5Aと図5Bに、不織布層を二層にしたタイルカーペットの仕様と試験結果を示す。発泡樹脂の発泡率は3.0倍とし、目付けは280g/m2とした。不織布の目付けは第一層と第二層でそれぞれ300g/m2で合計600g/m2とした。第一不織布層4aでは15d(デニール)のメルトを40%とし、15d(デニール)のPETを60%とした。また、第二不織布層4bでは15d(デニール)のメルトを80%とし、15d(デニール)のPETを20%とした。このタイルカーペットの通気度は、18.50ccであった。また、動的荷重による厚さ減少率(第一項目)と、熱及び水の影響による寸法の変化率(第三項目)は、いずれもJIS規定値よりも大幅に小さいことが確認された。キャスターチェアーによる寸法の変化量及び変化率(第二項目)はJIS規定値を満足している。
【0043】
この二層不織布のタイルカーペットの吸音性能を試験した結果が図6である。実線が本発明に係る二層不織布の吸音タイルカーペットの吸音率である。破線が従来のタイルカーペット(遮音タイルカーペット)の吸音率である。図6から明らかなように、本発明のタイルカーペットは吸音性能が従来のタイルカーペットに比べて約二倍あることがわかる。なお、図1Aの一層不織布のタイルカーペットでも図6の実線と同様の吸音性能が得られた。なお、オプションマットの実施形態でも同様の仕様で同様の吸音性能が得られることが確認された。
【0044】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1A】本発明に係る一層不織布のタイルカーペットの断面図。
【図1B】本発明に係る二層不織布のタイルカーペットの断面図。
【図2】本発明に係るタイルカーペットが下反り変形した時の断面図。
【図3】下反り変形したタイルカーペットが隣接した状態を示す断面図。
【図4A】一層不織布のタイルカーペットの仕様図。
【図4B】一層不織布のタイルカーペットの試験結果を示す図。
【図5A】二層不織布のタイルカーペットの仕様図。
【図5B】二層不織布のタイルカーペットの試験結果を示す図。
【図6】吸音性能の試験結果を示す図。
【図7】本発明に係るオプションマットの断面図。
【図8】オプションマットの仕様図。
【符号の説明】
【0046】
1 表層
2 補強層
3 発泡層
4 不織布層
4a 第一不織布層
4b 第二不織布層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表層と、発泡層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを混入させた不織布層とを、順次積層してなることを特徴とするタイルカーペット。
【請求項2】
表層と、発泡層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを低率で混入させた第一不織布層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを高率で混入させた第二不織布層とを、順次積層してなることを特徴とするタイルカーペット。
【請求項3】
前記表層と発泡層との間に、補強層を介在させたことを特徴とする請求項1または2に記載のタイルカーペット。
【請求項4】
前記補強層を、ガラスネットまたはガラスペーパーで構成したことを特徴とする請求項3に記載のタイルカーペット。
【請求項5】
前記発泡層を、アクリル発泡体で構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のタイルカーペット。
【請求項6】
第一不織布層のメルトファイバー混入率を重量比で10〜50%とし、第二不織布層のメルトファイバー混入率を重量比で50〜99%としたことを特徴とする請求項2に記載のタイルカーペット。
【請求項7】
前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、
前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維である請求項1または2に記載のタイルカーペット。
【請求項8】
請求項1または2に記載のタイルカーペットを製造する製造方法であって、前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とするタイルカーペットの製造方法。
【請求項9】
前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして補強層を介して発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とする請求項8に記載のタイルカーペットの製造方法。
【請求項10】
前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、
前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維である請求項8に記載のタイルカーペットの製造方法。
【請求項11】
表層と、発泡層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを混入させた不織布層とを、順次積層してなることを特徴とするオプションマット。
【請求項12】
前記発泡層を、アクリル発泡体で構成したことを特徴とする請求項11に記載のオプションマット。
【請求項13】
前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、
前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維である請求項11に記載のオプションマット。
【請求項14】
請求項11に記載のオプションマットを製造する製造方法であって、前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とするオプションマットの製造方法。
【請求項15】
前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、
前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維である請求項14に記載のオプションマットの製造方法。
【請求項1】
表層と、発泡層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを混入させた不織布層とを、順次積層してなることを特徴とするタイルカーペット。
【請求項2】
表層と、発泡層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを低率で混入させた第一不織布層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを高率で混入させた第二不織布層とを、順次積層してなることを特徴とするタイルカーペット。
【請求項3】
前記表層と発泡層との間に、補強層を介在させたことを特徴とする請求項1または2に記載のタイルカーペット。
【請求項4】
前記補強層を、ガラスネットまたはガラスペーパーで構成したことを特徴とする請求項3に記載のタイルカーペット。
【請求項5】
前記発泡層を、アクリル発泡体で構成したことを特徴とする請求項1または2に記載のタイルカーペット。
【請求項6】
第一不織布層のメルトファイバー混入率を重量比で10〜50%とし、第二不織布層のメルトファイバー混入率を重量比で50〜99%としたことを特徴とする請求項2に記載のタイルカーペット。
【請求項7】
前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、
前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維である請求項1または2に記載のタイルカーペット。
【請求項8】
請求項1または2に記載のタイルカーペットを製造する製造方法であって、前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とするタイルカーペットの製造方法。
【請求項9】
前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして補強層を介して発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とする請求項8に記載のタイルカーペットの製造方法。
【請求項10】
前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、
前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維である請求項8に記載のタイルカーペットの製造方法。
【請求項11】
表層と、発泡層と、レギュラー繊維にメルトファイバーを混入させた不織布層とを、順次積層してなることを特徴とするオプションマット。
【請求項12】
前記発泡層を、アクリル発泡体で構成したことを特徴とする請求項11に記載のオプションマット。
【請求項13】
前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、
前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維である請求項11に記載のオプションマット。
【請求項14】
請求項11に記載のオプションマットを製造する製造方法であって、前記表層を伸縮方向に非拘束に近い状態にして発泡層を貼り合わせるようにしたことを特徴とするオプションマットの製造方法。
【請求項15】
前記レギュラー繊維が、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成繊維、綿、ウールなどの天然繊維、又は前記各繊維の反毛綿であって、
前記メルトファイバーが、ポリエステル系の低融点繊維、オレフィン系の低融点繊維、又は前記レギュラー繊維がポリエステル繊維や綿、ウールなど天然繊維の場合に、それよりも融点の低いポリプロ繊維やポリエチ繊維である請求項14に記載のオプションマットの製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2008−307377(P2008−307377A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117014(P2008−117014)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(596063403)山本産業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(596063403)山本産業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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