タイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネル取付構造
【課題】例えばビル等の建築物やトンネル等の構築物などの構造体の表面にタイルパネルを取付ける際に用いるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネル取付構造に係り、薄型のタイルを用いたタイルパネルにあっても構造体の表面に容易に取付け支持させることができるようにする。
【解決手段】基板11の表面に多数のタイル12を貼着したタイルパネル1を建築物や構築物等の構造体Aの表面に取付ける際に用いるタイルパネル取付用スリット金具2を、上記基板11の縁部に嵌る大きさの断面略コ字形に形成して、そのコ字形の基部2aまたはその近傍にスリット穴20を設けたことを特徴とする。また上記コ字形スリット金具2の一対の対向片2b・2c間に基板11の縁部を挟んで装着すると共に、一方の対向片2cを覆うようにして基板11の表面にタイル12を貼着したことを特徴とする。
【解決手段】基板11の表面に多数のタイル12を貼着したタイルパネル1を建築物や構築物等の構造体Aの表面に取付ける際に用いるタイルパネル取付用スリット金具2を、上記基板11の縁部に嵌る大きさの断面略コ字形に形成して、そのコ字形の基部2aまたはその近傍にスリット穴20を設けたことを特徴とする。また上記コ字形スリット金具2の一対の対向片2b・2c間に基板11の縁部を挟んで装着すると共に、一方の対向片2cを覆うようにして基板11の表面にタイル12を貼着したことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビル等の建築物やトンネル等の構築物などの構造体の表面(内面または外面)にタイルパネルを取付ける際に用いるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネル取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来たとえばビル等の建築物やトンネル等の構築物などの構造体の表面に内装材や外装材などとしてタイルパネルを取付けることは知られている。そのタイルパネルは、一般に所定の大きさ・形状に形成した基板の表面にタイルを縦横に多数並べて接着材等で貼着した構成であり、このようなタイルパネルを上記のような構造体の表面に支持金具等を介して取付け支持させるのが一般的である。
【0003】
下記特許文献1は、上記のようなタイルパネルを、支持金具を用いて構造体の表面に所定の間隔をおいて取付け支持させるようにしたもので、基板に貼着したタイルの裏面に予め溝や切欠きを設けておき、この溝や切欠きによって基板との間に形成されるスリット状の隙間内に、上記支持金具に形成した舌片状の差込片を挿入することによって、上記タイルパネルを支持金具を介して構造体の表面に取付け支持させた構成である。
【0004】
【特許文献1】特開2001−73531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、最近タイルパネルの軽量化や経済性の追求もしくは曲面への施工性の向上などを図るために、なるべく薄型のタイルを用いることが求められ、例えば従来はタイル厚さが10mm程度であったものが最近は6〜7mm程度のものが多く用いられている。しかし、こうした薄型のタイルを用いたタイルパネルは、上記従来例と同様の要領で構造体に取付けることは困難な場合が少なくない。
【0006】
即ち、上記のような薄型のタイルを用いたタイルパネルを、前記従来の厚手のタイルを用いたタイルパネルと同様の要領で構造体に取付けようとしても、これ以上薄くできないところまで薄型化したタイルの裏面をさらに部分的に薄くして凹部を設けるようにすると燃焼時にタイルが変形したり、また焼成後に削ろうとしても割れてしまうおそれがあるので、こうした加工は極めて難しい。また、取付け状態ではタイルパネル自体の重量が支持金具を介して凹部からタイルの肉薄の部分に集中してかかってしまうため、この部分に割れや欠けが生じることが懸念される。
【0007】
そこで、上記のような薄型のタイルを用いたタイルパネルを構造体に取付ける場合、従来は隣り合うタイル間の目地を利用してタイルパネルの表面側から直接釘やアンカーを打ち込んで構造体に取付けるようにしているが、釘やアンカーの頭部がタイルパネルの表面に露出して外観体裁を損ねたり、釘やアンカーを打ち込む際に不用意にタイルを破損させてしまう等のおそれがあった。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、薄型のタイルを用いたタイルパネルにあっても前記のような支持金具等を用いて構造体の表面に容易に取付け支持させることが可能なタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明によるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造は、以下の構成としたものである。すなわち、本発明によるタイルパネル取付用スリット金具は、基板の表面に多数のタイルを貼着してなるタイルパネルを、建築物や構築物等の構造体の表面に取付ける際に用いるタイルパネル取付用スリット金具であって、上記スリット金具を上記基板の縁部にほぼ嵌る大きさの断面略コ字形に形成して、そのコ字形の基部またはその近傍にスリット穴を設けたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明によるタイルパネルは、上記のようなタイルパネル取付用スリット金具を、その一対の対向片間にタイルパネルの基板の縁部を挟んで装着すると共に、上記スリット金具の一方の対向片を覆うようにして上記基板の表面にタイルを貼着したことを特徴とする。
【0011】
さらに本発明によるタイルパネルの取付構造は、上記スリット金具を装着したタイルパネルを、建築物や構築物等の構造体の表面に並べて配置すると共に、上記構造体の表面に取付けた差込金具の差込片を上記スリット金具のスリット穴に挿入することによって、上記タイルパネルを上記スリット金具と差込金具とを介して上記構造体の表面に取付け支持させたことを特徴とするタイルパネル取付構造。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成された本発明によるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)本発明によるスリット金具は断面略コ字形に形成して、その対向片間にタイルパネルの基板の縁部を挟んで固定する構成であるから、基板の縁部の任意の位置にスリット金具を設けることができる。
(2)スリット金具を用いることによって、前記従来のようにスリット穴を形成するためにタイルや基板に切削加工等を施す必要がない。タイルは全て均質な厚さとなるため、スリット金具を用いてもタイルに局所的な荷重がかかることがない。
(3)薄型のタイルを用いたタイルパネルでもスリット穴を設けることが可能となり、前記従来の厚手のタイルを用いた場合よりもパネルの軽量化を図ることができる。
(4)基板やタイルの材質、厚みに拘わらず、同一のスリット金具、差込金具を用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明によるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造を、図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明によるタイルパネルの一実施形態を示す正面図、図2(a)はその一部の拡大図、同図(b)はその側面図、(c)はその中間部を省略した上下部の拡大図である。
【0014】
本実施形態のタイルパネル1は、繊維強化セメント板製の基板11の表面に陶磁器質のタイル12を縦横に多数並べて接着材13により貼着したものである。その基板11およびタイル12の大きさ形状や配置個数等は適宜であるが、本実施形態においては、厚さ6mm、横約1800mm、縦約600mmの横長の長方形状の基板の表面に、厚さ約6.8mm、横約198mm、縦約98mmの横長の長方形状のタイルを、縦6列、横9列に並べた状態で厚さ約0.5mmの接着材13を介して貼着したものである。
【0015】
上記タイルパネル1には、それを建築物や構築物等の構造体の表面に取付けるためのスリット金具2を備えたもので、本実施形態においては図1に示すようにタイルパネル1の基板11の上下両側縁の長手方向両端部と中央部との合わせて6箇所にスリット金具2が設けられている。
【0016】
上記各スリット金具2は、本実施形態においては図2〜図5に示すように断面略コ字形に形成したもので、特に図の場合はコ字形の基部2aと一方の対向片2bとを厚手の金属板で形成すると共に、他方の対向片2cを薄手の金属板で構成し、その対向片2cの一端側にそれと一体に設けた折曲部2c1を上記基部2aの内面に溶着または溶接等で固着することによって全体略コ字形に形成したものであるが、スリット金具2全体を1枚の金属板で形成してもよい。
【0017】
また上記コ字形スリット金具2の基部2aまたはその近傍にスリット穴20を設けたもので、特に図の場合は上記基部2aと対向片2bとの角部にスリット穴20を設けたものである。さらに上記対向片2b・2cのうちの一方の対向片2bの自由端部には断面弧状の屈曲部21を設けると共に、その対向片2bの長手方向(図4(a)および(b)で左右方向)両側の上記スリット穴20よりも外側の位置には、他方の対向片2cに向かって突出する突起22が設けられている。
【0018】
上記のように構成されたスリット金具2は、上記タイルパネル1を建築物や構築物等の構造体に取付ける前に該タイルパネル1に取付けるもので、その取付手段や取付手順等は適宜であるが、例えば以下の要領で取付ければよい。
【0019】
図6はその一例を示すもので、先ず同図(a)に示すようにタイル12を貼着する前のタイルパネル1の基板11の上下両側の縁部の所定位置にコ字形スリット金具2を上方から差し込んで、該スリット金具2の対向片2b・2c間に上記基板11の縁部を挟んで固定する。なお、図は基板11の上側のみを示すが、下側にも上下対称に同様にスリット金具2を装着する。
【0020】
なお、その場合、必要に応じてスリット金具2の対向片2b・2cの間隔(上記のように対向片2bに屈曲部21や突起22を設けるものにあっては、それらと他方の対向片2cとの間隔)を、自由状態において上記基板11の厚さよりも狭く形成するようにしてもよい。そのようにすると、上記対向片2b・2c間に上記基板11の縁部を挟んだとき、上記各対向片2b・2c(屈曲部21や突起22を設けるものにあっては、それらが)基板11の表面に圧接してより確実に固定することができる。また上記スリット金具2は必要に応じて上記基板11に接着材等で固着するようにしてもよい。
【0021】
上記のようにして基板11の縁部の所定位置にスリット金具2を装着したところで、図6(b)のように基材11の表面に接着材13を塗布して同図(c)のようにタイル12を順次貼着する。そして、同図(d)のように基板11の表面全面にタイルが貼着されたところでタイルパネル1が完成する。以上の工程は工場等で行うことができる。
【0022】
なお、上記のように基板11にスリット金具2を装着したのちタイル12を貼着した状態において、そのタイル12と基板11との間に介在される対向片2cは、タイル12を基板11に貼着する際の接着材13の層厚と同等もしくはそれよりも薄く形成するとよい。そのようにすると、タイル12を基板11に通常の工程で何ら支障なく貼着することができると共に、スリット金具2を装着した箇所のタイルが他のタイルよりも出っ張るのを防ぐことができる。
【0023】
また、スリット金具2に前記のような屈曲部21や突起22を設けると、図6(d)のように基板11と対向片2bとの間に隙が生じて、その上部に設けたスリット穴20から後述する支持金具の差込片を容易に挿入することが可能となる。
【0024】
上記のようにしてスリット金具2を備えたタイルパネル1を建築物や構築物等の構造体の表面に敷設するに当たっては、上記スリット金具2を利用して、それに係合する支持金具等を介して取付けるもので、図7〜図9はその一例を示すものである。
【0025】
すなわち、図7〜図9は前記横長のタイルパネル1を縦横に多数並べて配置し、その各タイルパネル1に予め取付けた6つのスリット金具2と、その各スリット金具2のスリット穴20に係合する差込片を有する支持金具3を介して上記各タイルパネル1を構造体Aの表面に取付けたものである。
【0026】
上記支持金具3は、本実施形態においては、図10および図11に示すように取付基部3aの下端部に、それとほぼ直角に設けた折曲部3bを介して上向きの差込片3cと、下向きの差込片3dおよび押え片3eとを一体的に設けた構成である。
【0027】
上記取付基部3aには、取付穴30が設けられ、その取付穴30を利用して上記支持金具3を上記構造体Aの表面に取付けるようにしたもので、図の場合は構造体Aに打設した公知の拡開式アンカー4に取付ボルト5をねじ込んで上記支持金具3を構造体Aの表面に取付けたものである。図中、6はワッシャである。
【0028】
そして、図7〜図9に示すように上記支持金具3の下向きの差込片3dを、下側に位置するタイルパネル1の上部に設けたスリット金具2のスリット穴20に、また上向きの差込片3cを上側に位置するタイルパネル1の下部に設けたスリット金具2のスリット穴20にそれぞれ挿入係合させることによって、上記各タイルパネル1を構造体Aの表面に所定の間隔をおいて取付け支持させたものである。
【0029】
上記タイルパネル1の取付手順は適宜であるが、例えば上下方向に敷設されるタイルパネルにあっては、通常下から順に取付けて行くもので、先ず予め前記図1のように基板11の上下部の所定の位置にスリット金具2を装着してなるタイルパネル1の下部を不図示の支持金具等で構造体Aの表面に取付けた状態で、そのタイルパネル1の上部のスリット金具2に図13(a)に示すように支持金具3を装着する。
【0030】
図12はその支持金具3をスリット金具2に装着する状態の斜視図であり、支持金具3の下向きの差込片3dを、タイルパネル1の上部のスリット金具2のスリット穴20に挿入する。その際、前述のようにスリット金具2の対向片2bに屈曲部21や突起22を設けたものにあっては、図13(a)のようにスリット穴20の下側の基板11と対向片2bとの間に隙が形成されているので、上記差込片3dをスリット穴20から図13(b)のように上記基板11と対向片2bとの間に容易に挿入することができる。
【0031】
また上記支持金具3の差込片3dをスリット穴20に挿入する際、押え片3eは上記スリット穴20に挿入することなく、図12(b)のようにスリット金具2の対向片2bの外側に添わせる。そのようにすると、上記差込片3dを図13(b)のようにスリット穴20に挿入した状態において上記差込片3dと押え片3eとの間に上記対向片2bが挟まれた状態となって、それらのガタツキを防止することができる。
【0032】
次に、上記差込片3dを図13(b)のようにスリット穴20に挿入したところで、上記支持金具3の取付基部3aに形成した取付穴30を、構造体Aに予め若しくはパネル取付時に打設したアンカー4の位置に一致させ状態で、上記取付穴30に取付ボルト5を挿通し、アンカー4に形成した雌ねじ孔4aにねじ込んで締め付け固定する。それによって上記支持金具3が構造体Aの表面に取付けられると共に、下側のタイルパネル1の上部が固定される。
【0033】
次いで、上記支持金具3に上側のタイルパネル1の下部を取付けるもので、それには図13(c)のように上側のタイルパネル1の下部に取付けたスリット金具2のスリット穴20に上記支持金具3の上向きの差込片3cを差し込めばよい。その場合にも、スリット金具2の対向片2bに屈曲部21や突起22を設けたものにあっては、図13(c)のようにスリット穴20の上側の基板11と対向片2bとの間に隙が形成されているので、上記差込片3cをスリット穴20から上記基板11と対向片2bとの間に容易に挿入することができる。
【0034】
上記のようにして上側のタイルパネル1の下部のスリット金具2に、支持金具3の差込片3cを差し込んだところで、その上側のタイルパネル1の上部も別の支持金具3によって上記と同様の要領で構造体Aの表面に取付け支持させていき、これを繰り返して行けば構造体Aの表面にタイルパネル1を順に並べた状態で容易に敷設することができるものである。
【0035】
上記のように本発明によるタイルパネル取付用スリット金具2は、断面略コ字形に形成してタイルパネル1の基板11の縁部に嵌める構成としたから、上記基板11の任意の位置に容易に装着することが可能となる。またコ字形のスリット金具2の基部2bまたはその近傍にスリット穴20を設けたから、上記スリット金具2を基板11に装着するだけでタイルパネル1にパネル取付用のスリット穴20を設けることができる。
【0036】
また本発明によるタイルパネル1は、上記スリット金具2の一対の対向片2b・2c間に、タイルパネル1の基板11の縁部を挟んで装着するようにしたので、タイルパネル1切削加工等を施すことなく、パネル取付用のスリット穴20を設けることが可能となる。また上記スリット金具2の一方の対向片2cを覆うようにして上記基板11の表面にタイル12を貼着するようにしたので、上記対向片2cがタイルパネル1の表面側に露出することなく上記スリット金具2をタイルパネル1に装着することができる。
【0037】
さらに本発明によるタイルパネル取付構造は、上記スリット金具2を装着したタイルパネル1を、建築物や構築物等の構造体Aの表面に並べて配置すると共に、上記構造体Aの表面に取付けた差込金具3の差込片3c・3dを上記スリット金具2のスリット穴20に挿入することによって、上記タイルパネル1を上記スリット金具2と差込金具3とを介して上記構造体Aの表面に構造簡単かつ容易に取付け支持させることが可能となるものである。しかも、本発明では、取り付けられたタイルパネルにおけるタイルはどの箇所も均一な厚さを有しているため、差込金具を差込むための溝や凹部を設けたタイルの場合のように荷重の局所集中が生じる懸念なく、安定且つ強固なタイルパネル取付構造となる。
【0038】
なお、上記実施形態は、タイルパネル1として繊維強化セメント板製の横長の長方形状の基板11の表面に、陶磁器質の横長で長方形状のタイル12を貼着したものを用いたが、その基板11やタイル12の材質や形状等は適宜である。例えば、基板について耐火性や強度等を重視する場合は、上記繊維強化セメント板やけい酸カルシウム板等の窯業系無機質材が好適に用いられる。また上記実施形態におけるスリット金具2や差込金具3の構成は一例であり、タイルパネル1の構成や、それを取付け支持させる構造体Aの構成等に応じて適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように本発明によるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造は、前記の構成であるから、薄型のタイルを用いたタイルパネルにあってもタイルや基板に切削加工等を施すことなくスリット穴を設けて建築物や構築物等の構造体に容易に取付けることが可能となるもので、極力タイルの薄型化および軽量化が求められている最近のタイルパネルの取付けに有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明によるタイルパネルの一実施形態を示す正面図。
【図2】(a)は上記タイルパネルの一部の拡大図、(b)はその側面図、(c)はその上下部の拡大図。
【図3】スリット金具の斜視図。
【図4】(a)はスリット金具の平面図、(b)はその正面図、(c)はその左側面図、(d)は(b)におけるd−d断面図、(e)は背面図、(f)は(e)におけるf−f断面図。
【図5】(a)はタイルパネルの基板にスリット金具を取付ける状態の斜視図、(b)は取付けた状態の同上図。
【図6】(a)〜(d)はタイルパネルにスリット金具を取付けるプロセスの一例を示す説明図。
【図7】(a)は構造体の表面にタイルパネルを敷設した状態の正面図、(b)はその側面図。
【図8】(a)および(b)はそれぞれ図6(a)および(b)の一部の拡大図。。
【図9】(a)は図7における一部の拡大横断平面図、(b)はその正面図、(c)はその縦断側面図。
【図10】支持金具の斜視図。
【図11】(a)は支持金具の平面図、(b)はその正面図、(c)は側面図。
【図12】(a)は上記支持金具をスリット金具に係合させる状態の斜視図、(b)は係合させた状態の同上図。
【図13】(a)〜(d)は構造体の表面にタイルパネルを敷設するプロセスの一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0041】
1 タイルパネル
11 基板
12 タイル
13 接着材
2 スリット金具
2a 基部
2b、2c 対向片
20 スリット穴
21 屈曲部
22 突起
3 支持金具
3a 取付基部
3b 折曲部
3c、3d 差込片
3e 押え片
4 アンカー
5 ボルト
A 構造体
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばビル等の建築物やトンネル等の構築物などの構造体の表面(内面または外面)にタイルパネルを取付ける際に用いるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネル取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来たとえばビル等の建築物やトンネル等の構築物などの構造体の表面に内装材や外装材などとしてタイルパネルを取付けることは知られている。そのタイルパネルは、一般に所定の大きさ・形状に形成した基板の表面にタイルを縦横に多数並べて接着材等で貼着した構成であり、このようなタイルパネルを上記のような構造体の表面に支持金具等を介して取付け支持させるのが一般的である。
【0003】
下記特許文献1は、上記のようなタイルパネルを、支持金具を用いて構造体の表面に所定の間隔をおいて取付け支持させるようにしたもので、基板に貼着したタイルの裏面に予め溝や切欠きを設けておき、この溝や切欠きによって基板との間に形成されるスリット状の隙間内に、上記支持金具に形成した舌片状の差込片を挿入することによって、上記タイルパネルを支持金具を介して構造体の表面に取付け支持させた構成である。
【0004】
【特許文献1】特開2001−73531号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、最近タイルパネルの軽量化や経済性の追求もしくは曲面への施工性の向上などを図るために、なるべく薄型のタイルを用いることが求められ、例えば従来はタイル厚さが10mm程度であったものが最近は6〜7mm程度のものが多く用いられている。しかし、こうした薄型のタイルを用いたタイルパネルは、上記従来例と同様の要領で構造体に取付けることは困難な場合が少なくない。
【0006】
即ち、上記のような薄型のタイルを用いたタイルパネルを、前記従来の厚手のタイルを用いたタイルパネルと同様の要領で構造体に取付けようとしても、これ以上薄くできないところまで薄型化したタイルの裏面をさらに部分的に薄くして凹部を設けるようにすると燃焼時にタイルが変形したり、また焼成後に削ろうとしても割れてしまうおそれがあるので、こうした加工は極めて難しい。また、取付け状態ではタイルパネル自体の重量が支持金具を介して凹部からタイルの肉薄の部分に集中してかかってしまうため、この部分に割れや欠けが生じることが懸念される。
【0007】
そこで、上記のような薄型のタイルを用いたタイルパネルを構造体に取付ける場合、従来は隣り合うタイル間の目地を利用してタイルパネルの表面側から直接釘やアンカーを打ち込んで構造体に取付けるようにしているが、釘やアンカーの頭部がタイルパネルの表面に露出して外観体裁を損ねたり、釘やアンカーを打ち込む際に不用意にタイルを破損させてしまう等のおそれがあった。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みて提案されたもので、薄型のタイルを用いたタイルパネルにあっても前記のような支持金具等を用いて構造体の表面に容易に取付け支持させることが可能なタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために本発明によるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造は、以下の構成としたものである。すなわち、本発明によるタイルパネル取付用スリット金具は、基板の表面に多数のタイルを貼着してなるタイルパネルを、建築物や構築物等の構造体の表面に取付ける際に用いるタイルパネル取付用スリット金具であって、上記スリット金具を上記基板の縁部にほぼ嵌る大きさの断面略コ字形に形成して、そのコ字形の基部またはその近傍にスリット穴を設けたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明によるタイルパネルは、上記のようなタイルパネル取付用スリット金具を、その一対の対向片間にタイルパネルの基板の縁部を挟んで装着すると共に、上記スリット金具の一方の対向片を覆うようにして上記基板の表面にタイルを貼着したことを特徴とする。
【0011】
さらに本発明によるタイルパネルの取付構造は、上記スリット金具を装着したタイルパネルを、建築物や構築物等の構造体の表面に並べて配置すると共に、上記構造体の表面に取付けた差込金具の差込片を上記スリット金具のスリット穴に挿入することによって、上記タイルパネルを上記スリット金具と差込金具とを介して上記構造体の表面に取付け支持させたことを特徴とするタイルパネル取付構造。
【発明の効果】
【0012】
上記のように構成された本発明によるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造によれば、以下の作用効果が得られる。
(1)本発明によるスリット金具は断面略コ字形に形成して、その対向片間にタイルパネルの基板の縁部を挟んで固定する構成であるから、基板の縁部の任意の位置にスリット金具を設けることができる。
(2)スリット金具を用いることによって、前記従来のようにスリット穴を形成するためにタイルや基板に切削加工等を施す必要がない。タイルは全て均質な厚さとなるため、スリット金具を用いてもタイルに局所的な荷重がかかることがない。
(3)薄型のタイルを用いたタイルパネルでもスリット穴を設けることが可能となり、前記従来の厚手のタイルを用いた場合よりもパネルの軽量化を図ることができる。
(4)基板やタイルの材質、厚みに拘わらず、同一のスリット金具、差込金具を用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明によるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造を、図に示す実施形態に基づいて具体的に説明する。
図1は本発明によるタイルパネルの一実施形態を示す正面図、図2(a)はその一部の拡大図、同図(b)はその側面図、(c)はその中間部を省略した上下部の拡大図である。
【0014】
本実施形態のタイルパネル1は、繊維強化セメント板製の基板11の表面に陶磁器質のタイル12を縦横に多数並べて接着材13により貼着したものである。その基板11およびタイル12の大きさ形状や配置個数等は適宜であるが、本実施形態においては、厚さ6mm、横約1800mm、縦約600mmの横長の長方形状の基板の表面に、厚さ約6.8mm、横約198mm、縦約98mmの横長の長方形状のタイルを、縦6列、横9列に並べた状態で厚さ約0.5mmの接着材13を介して貼着したものである。
【0015】
上記タイルパネル1には、それを建築物や構築物等の構造体の表面に取付けるためのスリット金具2を備えたもので、本実施形態においては図1に示すようにタイルパネル1の基板11の上下両側縁の長手方向両端部と中央部との合わせて6箇所にスリット金具2が設けられている。
【0016】
上記各スリット金具2は、本実施形態においては図2〜図5に示すように断面略コ字形に形成したもので、特に図の場合はコ字形の基部2aと一方の対向片2bとを厚手の金属板で形成すると共に、他方の対向片2cを薄手の金属板で構成し、その対向片2cの一端側にそれと一体に設けた折曲部2c1を上記基部2aの内面に溶着または溶接等で固着することによって全体略コ字形に形成したものであるが、スリット金具2全体を1枚の金属板で形成してもよい。
【0017】
また上記コ字形スリット金具2の基部2aまたはその近傍にスリット穴20を設けたもので、特に図の場合は上記基部2aと対向片2bとの角部にスリット穴20を設けたものである。さらに上記対向片2b・2cのうちの一方の対向片2bの自由端部には断面弧状の屈曲部21を設けると共に、その対向片2bの長手方向(図4(a)および(b)で左右方向)両側の上記スリット穴20よりも外側の位置には、他方の対向片2cに向かって突出する突起22が設けられている。
【0018】
上記のように構成されたスリット金具2は、上記タイルパネル1を建築物や構築物等の構造体に取付ける前に該タイルパネル1に取付けるもので、その取付手段や取付手順等は適宜であるが、例えば以下の要領で取付ければよい。
【0019】
図6はその一例を示すもので、先ず同図(a)に示すようにタイル12を貼着する前のタイルパネル1の基板11の上下両側の縁部の所定位置にコ字形スリット金具2を上方から差し込んで、該スリット金具2の対向片2b・2c間に上記基板11の縁部を挟んで固定する。なお、図は基板11の上側のみを示すが、下側にも上下対称に同様にスリット金具2を装着する。
【0020】
なお、その場合、必要に応じてスリット金具2の対向片2b・2cの間隔(上記のように対向片2bに屈曲部21や突起22を設けるものにあっては、それらと他方の対向片2cとの間隔)を、自由状態において上記基板11の厚さよりも狭く形成するようにしてもよい。そのようにすると、上記対向片2b・2c間に上記基板11の縁部を挟んだとき、上記各対向片2b・2c(屈曲部21や突起22を設けるものにあっては、それらが)基板11の表面に圧接してより確実に固定することができる。また上記スリット金具2は必要に応じて上記基板11に接着材等で固着するようにしてもよい。
【0021】
上記のようにして基板11の縁部の所定位置にスリット金具2を装着したところで、図6(b)のように基材11の表面に接着材13を塗布して同図(c)のようにタイル12を順次貼着する。そして、同図(d)のように基板11の表面全面にタイルが貼着されたところでタイルパネル1が完成する。以上の工程は工場等で行うことができる。
【0022】
なお、上記のように基板11にスリット金具2を装着したのちタイル12を貼着した状態において、そのタイル12と基板11との間に介在される対向片2cは、タイル12を基板11に貼着する際の接着材13の層厚と同等もしくはそれよりも薄く形成するとよい。そのようにすると、タイル12を基板11に通常の工程で何ら支障なく貼着することができると共に、スリット金具2を装着した箇所のタイルが他のタイルよりも出っ張るのを防ぐことができる。
【0023】
また、スリット金具2に前記のような屈曲部21や突起22を設けると、図6(d)のように基板11と対向片2bとの間に隙が生じて、その上部に設けたスリット穴20から後述する支持金具の差込片を容易に挿入することが可能となる。
【0024】
上記のようにしてスリット金具2を備えたタイルパネル1を建築物や構築物等の構造体の表面に敷設するに当たっては、上記スリット金具2を利用して、それに係合する支持金具等を介して取付けるもので、図7〜図9はその一例を示すものである。
【0025】
すなわち、図7〜図9は前記横長のタイルパネル1を縦横に多数並べて配置し、その各タイルパネル1に予め取付けた6つのスリット金具2と、その各スリット金具2のスリット穴20に係合する差込片を有する支持金具3を介して上記各タイルパネル1を構造体Aの表面に取付けたものである。
【0026】
上記支持金具3は、本実施形態においては、図10および図11に示すように取付基部3aの下端部に、それとほぼ直角に設けた折曲部3bを介して上向きの差込片3cと、下向きの差込片3dおよび押え片3eとを一体的に設けた構成である。
【0027】
上記取付基部3aには、取付穴30が設けられ、その取付穴30を利用して上記支持金具3を上記構造体Aの表面に取付けるようにしたもので、図の場合は構造体Aに打設した公知の拡開式アンカー4に取付ボルト5をねじ込んで上記支持金具3を構造体Aの表面に取付けたものである。図中、6はワッシャである。
【0028】
そして、図7〜図9に示すように上記支持金具3の下向きの差込片3dを、下側に位置するタイルパネル1の上部に設けたスリット金具2のスリット穴20に、また上向きの差込片3cを上側に位置するタイルパネル1の下部に設けたスリット金具2のスリット穴20にそれぞれ挿入係合させることによって、上記各タイルパネル1を構造体Aの表面に所定の間隔をおいて取付け支持させたものである。
【0029】
上記タイルパネル1の取付手順は適宜であるが、例えば上下方向に敷設されるタイルパネルにあっては、通常下から順に取付けて行くもので、先ず予め前記図1のように基板11の上下部の所定の位置にスリット金具2を装着してなるタイルパネル1の下部を不図示の支持金具等で構造体Aの表面に取付けた状態で、そのタイルパネル1の上部のスリット金具2に図13(a)に示すように支持金具3を装着する。
【0030】
図12はその支持金具3をスリット金具2に装着する状態の斜視図であり、支持金具3の下向きの差込片3dを、タイルパネル1の上部のスリット金具2のスリット穴20に挿入する。その際、前述のようにスリット金具2の対向片2bに屈曲部21や突起22を設けたものにあっては、図13(a)のようにスリット穴20の下側の基板11と対向片2bとの間に隙が形成されているので、上記差込片3dをスリット穴20から図13(b)のように上記基板11と対向片2bとの間に容易に挿入することができる。
【0031】
また上記支持金具3の差込片3dをスリット穴20に挿入する際、押え片3eは上記スリット穴20に挿入することなく、図12(b)のようにスリット金具2の対向片2bの外側に添わせる。そのようにすると、上記差込片3dを図13(b)のようにスリット穴20に挿入した状態において上記差込片3dと押え片3eとの間に上記対向片2bが挟まれた状態となって、それらのガタツキを防止することができる。
【0032】
次に、上記差込片3dを図13(b)のようにスリット穴20に挿入したところで、上記支持金具3の取付基部3aに形成した取付穴30を、構造体Aに予め若しくはパネル取付時に打設したアンカー4の位置に一致させ状態で、上記取付穴30に取付ボルト5を挿通し、アンカー4に形成した雌ねじ孔4aにねじ込んで締め付け固定する。それによって上記支持金具3が構造体Aの表面に取付けられると共に、下側のタイルパネル1の上部が固定される。
【0033】
次いで、上記支持金具3に上側のタイルパネル1の下部を取付けるもので、それには図13(c)のように上側のタイルパネル1の下部に取付けたスリット金具2のスリット穴20に上記支持金具3の上向きの差込片3cを差し込めばよい。その場合にも、スリット金具2の対向片2bに屈曲部21や突起22を設けたものにあっては、図13(c)のようにスリット穴20の上側の基板11と対向片2bとの間に隙が形成されているので、上記差込片3cをスリット穴20から上記基板11と対向片2bとの間に容易に挿入することができる。
【0034】
上記のようにして上側のタイルパネル1の下部のスリット金具2に、支持金具3の差込片3cを差し込んだところで、その上側のタイルパネル1の上部も別の支持金具3によって上記と同様の要領で構造体Aの表面に取付け支持させていき、これを繰り返して行けば構造体Aの表面にタイルパネル1を順に並べた状態で容易に敷設することができるものである。
【0035】
上記のように本発明によるタイルパネル取付用スリット金具2は、断面略コ字形に形成してタイルパネル1の基板11の縁部に嵌める構成としたから、上記基板11の任意の位置に容易に装着することが可能となる。またコ字形のスリット金具2の基部2bまたはその近傍にスリット穴20を設けたから、上記スリット金具2を基板11に装着するだけでタイルパネル1にパネル取付用のスリット穴20を設けることができる。
【0036】
また本発明によるタイルパネル1は、上記スリット金具2の一対の対向片2b・2c間に、タイルパネル1の基板11の縁部を挟んで装着するようにしたので、タイルパネル1切削加工等を施すことなく、パネル取付用のスリット穴20を設けることが可能となる。また上記スリット金具2の一方の対向片2cを覆うようにして上記基板11の表面にタイル12を貼着するようにしたので、上記対向片2cがタイルパネル1の表面側に露出することなく上記スリット金具2をタイルパネル1に装着することができる。
【0037】
さらに本発明によるタイルパネル取付構造は、上記スリット金具2を装着したタイルパネル1を、建築物や構築物等の構造体Aの表面に並べて配置すると共に、上記構造体Aの表面に取付けた差込金具3の差込片3c・3dを上記スリット金具2のスリット穴20に挿入することによって、上記タイルパネル1を上記スリット金具2と差込金具3とを介して上記構造体Aの表面に構造簡単かつ容易に取付け支持させることが可能となるものである。しかも、本発明では、取り付けられたタイルパネルにおけるタイルはどの箇所も均一な厚さを有しているため、差込金具を差込むための溝や凹部を設けたタイルの場合のように荷重の局所集中が生じる懸念なく、安定且つ強固なタイルパネル取付構造となる。
【0038】
なお、上記実施形態は、タイルパネル1として繊維強化セメント板製の横長の長方形状の基板11の表面に、陶磁器質の横長で長方形状のタイル12を貼着したものを用いたが、その基板11やタイル12の材質や形状等は適宜である。例えば、基板について耐火性や強度等を重視する場合は、上記繊維強化セメント板やけい酸カルシウム板等の窯業系無機質材が好適に用いられる。また上記実施形態におけるスリット金具2や差込金具3の構成は一例であり、タイルパネル1の構成や、それを取付け支持させる構造体Aの構成等に応じて適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
以上のように本発明によるタイルパネル取付用スリット金具およびそれを用いたタイルパネル並びにタイルパネルの取付構造は、前記の構成であるから、薄型のタイルを用いたタイルパネルにあってもタイルや基板に切削加工等を施すことなくスリット穴を設けて建築物や構築物等の構造体に容易に取付けることが可能となるもので、極力タイルの薄型化および軽量化が求められている最近のタイルパネルの取付けに有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明によるタイルパネルの一実施形態を示す正面図。
【図2】(a)は上記タイルパネルの一部の拡大図、(b)はその側面図、(c)はその上下部の拡大図。
【図3】スリット金具の斜視図。
【図4】(a)はスリット金具の平面図、(b)はその正面図、(c)はその左側面図、(d)は(b)におけるd−d断面図、(e)は背面図、(f)は(e)におけるf−f断面図。
【図5】(a)はタイルパネルの基板にスリット金具を取付ける状態の斜視図、(b)は取付けた状態の同上図。
【図6】(a)〜(d)はタイルパネルにスリット金具を取付けるプロセスの一例を示す説明図。
【図7】(a)は構造体の表面にタイルパネルを敷設した状態の正面図、(b)はその側面図。
【図8】(a)および(b)はそれぞれ図6(a)および(b)の一部の拡大図。。
【図9】(a)は図7における一部の拡大横断平面図、(b)はその正面図、(c)はその縦断側面図。
【図10】支持金具の斜視図。
【図11】(a)は支持金具の平面図、(b)はその正面図、(c)は側面図。
【図12】(a)は上記支持金具をスリット金具に係合させる状態の斜視図、(b)は係合させた状態の同上図。
【図13】(a)〜(d)は構造体の表面にタイルパネルを敷設するプロセスの一例を示す説明図。
【符号の説明】
【0041】
1 タイルパネル
11 基板
12 タイル
13 接着材
2 スリット金具
2a 基部
2b、2c 対向片
20 スリット穴
21 屈曲部
22 突起
3 支持金具
3a 取付基部
3b 折曲部
3c、3d 差込片
3e 押え片
4 アンカー
5 ボルト
A 構造体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の表面に多数のタイルを貼着してなるタイルパネルを、建築物や構築物等の構造体の表面に取付ける際に用いるタイルパネル取付用スリット金具であって、
上記スリット金具を上記基板の縁部に嵌る大きさの断面略コ字形に形成して、そのコ字形の基部またはその近傍にスリット穴を設けたことを特徴とするタイルパネル取付用スリット金具。
【請求項2】
上記コ字形スリット金具の一対の対向片のうち上記基板のタイル貼着側に装着される対向片を他方の対向片よりも薄手の金属板で形成してなる請求項1に記載のタイルパネル取付用スリット金具。
【請求項3】
上記コ字形スリット金具の一対の対向片のうち上記基板のタイル貼着側と反対側に装着される対向片の自由端部に断面円弧状の屈曲部を形成すると共に、上記対向片の長手方向両端部に他方の対向片側に突出する突起を設けてなる請求項1または2に記載のタイルパネル取付用スリット金具。
【請求項4】
上記請求項1〜3のいずれかに記載のタイルパネル取付用スリット金具を、その一対の対向片間にタイルパネルの基板の縁部を挟んで装着すると共に、上記スリット金具の一方の対向片を覆うようにして上記基板の表面にタイルを貼着したことを特徴とするタイルパネル。
【請求項5】
上記タイルで覆われる対向片を、上記基板にタイルを貼着する際の接着材層の厚さと同等もしくはそれよりも薄く形成してなる請求項4に記載のタイルパネル。
【請求項6】
上記スリット金具を、タイルパネルの方形の基板の互いに対向する辺の縁部に、それぞれ複数個ずつ装着してなる請求項4または5に記載のタイルパネル。
【請求項7】
上記スリット金具を装着した請求項4〜6に記載のタイルパネルを、建築物や構築物等の構造体の表面に並べて配置すると共に、上記構造体の表面に取付けた差込金具の差込片を上記スリット金具のスリット穴に挿入することによって、上記タイルパネルを上記スリット金具と差込金具とを介して上記構造体の表面に取付け支持させたことを特徴とするタイルパネル取付構造。
【請求項1】
基板の表面に多数のタイルを貼着してなるタイルパネルを、建築物や構築物等の構造体の表面に取付ける際に用いるタイルパネル取付用スリット金具であって、
上記スリット金具を上記基板の縁部に嵌る大きさの断面略コ字形に形成して、そのコ字形の基部またはその近傍にスリット穴を設けたことを特徴とするタイルパネル取付用スリット金具。
【請求項2】
上記コ字形スリット金具の一対の対向片のうち上記基板のタイル貼着側に装着される対向片を他方の対向片よりも薄手の金属板で形成してなる請求項1に記載のタイルパネル取付用スリット金具。
【請求項3】
上記コ字形スリット金具の一対の対向片のうち上記基板のタイル貼着側と反対側に装着される対向片の自由端部に断面円弧状の屈曲部を形成すると共に、上記対向片の長手方向両端部に他方の対向片側に突出する突起を設けてなる請求項1または2に記載のタイルパネル取付用スリット金具。
【請求項4】
上記請求項1〜3のいずれかに記載のタイルパネル取付用スリット金具を、その一対の対向片間にタイルパネルの基板の縁部を挟んで装着すると共に、上記スリット金具の一方の対向片を覆うようにして上記基板の表面にタイルを貼着したことを特徴とするタイルパネル。
【請求項5】
上記タイルで覆われる対向片を、上記基板にタイルを貼着する際の接着材層の厚さと同等もしくはそれよりも薄く形成してなる請求項4に記載のタイルパネル。
【請求項6】
上記スリット金具を、タイルパネルの方形の基板の互いに対向する辺の縁部に、それぞれ複数個ずつ装着してなる請求項4または5に記載のタイルパネル。
【請求項7】
上記スリット金具を装着した請求項4〜6に記載のタイルパネルを、建築物や構築物等の構造体の表面に並べて配置すると共に、上記構造体の表面に取付けた差込金具の差込片を上記スリット金具のスリット穴に挿入することによって、上記タイルパネルを上記スリット金具と差込金具とを介して上記構造体の表面に取付け支持させたことを特徴とするタイルパネル取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−179978(P2009−179978A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18505(P2008−18505)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【出願人】(000126609)株式会社エーアンドエーマテリアル (99)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000129758)株式会社ケー・エフ・シー (120)
【出願人】(000126609)株式会社エーアンドエーマテリアル (99)
【Fターム(参考)】
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