説明

タグテープロール及び無線タグ回路素子カートリッジ

【課題】粘着材の誤粘着を防止しタグテープを良好に繰り出せるようにすることができる。
【解決手段】複数の無線タグ回路素子Toが長手方向に所定の間隔で配置されたテープ状のベースフィルム101bと、無線タグ回路素子Toを貼り付け対象に貼り付けるためにベースフィルム101bの一面に設けられた所定幅の粘着層101cと、この粘着層101cよりも幅方向寸法が大きく粘着層101cの長手方向に延びるように配置された剥離紙101dとを有する基材テープ101を、長手方向と略直交するリール軸の周りに巻回して構成したことを特徴とする第1ロール102とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグをテープ状に連続的に作成するタグテープロール、及びこれを備えた無線タグ回路素子カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被印字材となるテープをロール状にカートリッジ(カセット)内に収納し、ロールよりテープを繰り出しつつ所望の文字を印刷してラベル状に排出するテープ印字装置(ラベル作成装置)が既に提唱されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この従来技術においては、片面側に粘着材層を備えた記録テープ(被印字テープ)を巻回したロールを備え、このロールから上記被印字テープを繰り出しつつ被印字テープに所定の印字を行い、これを所定の長さに切断して印字ラベルを作成するようになっている。また上記被印字テープの片面の粘着材層を覆うように剥離紙(剥離材)が貼着されており、この剥離材を剥離して粘着材層を露出させることで、上記印字ラベルを貼り付け対象に容易に貼り付けることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−53248号公報(図1〜図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、無線タグ回路素子を備えた小型のタグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが注目されている。タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりタグに備えられた無線タグ回路素子にアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0006】
ここで、このようなタグについて、内部に記憶されたタグ情報とは別にその無線タグ情報に関連した情報を上記従来技術と同様にラベルに印字し、印字付き無線タグラベルとして使用するようにすれば、ユーザ側から上記関連情報を視認できて何かと便利である。この場合、上記剥離材で覆われる粘着材層を比較的厚くし、その厚くなった粘着材層中に無線タグ回路素子を配置してタグテープを形成し、これを巻回してタグテープロールとすることとなる。
【0007】
このタグテープロールの製造時には、無線タグ回路素子の無駄をなくしコスト増大を防止する等の観点より、予め所定の幅に生成したタグテープの粘着材層を、間に無線タグ回路素子を介在させつつ同一幅の剥離材で覆い、これらを一対として径方向に幾重にも巻回していく手法となる。しかしながらこの場合、タグテープの粘着材層を剥離材で覆うときに、両者の幅方向中心位置が一致するように位置決めを行ったとしても、その作業を行う装置の精度上、多少の中心位置のずれが生じる畏れがある。
【0008】
ここで、上記のように無線タグ回路素子の挿入配置のために粘着材層が比較的厚くなっていることから、剥離材をタグテープ側に貼り合わせたとき、その厚く量の多い粘着材がテープの幅方向端部よりその外方へ若干はみ出す可能性がある。このように粘着材がテープより幅方向外方へはみ出した状態で前述したようなタグテープと剥離材との中心位置ずれが生じると、本来剥離材で覆われるべき粘着材層の一部(幅方向縁部)が剥離材で覆われなくなる結果、ある層とこれに径方向に隣接する層において、上記のように幅方向縁部にはみ出した粘着材どうしが互いに貼り付く(=粘着材どうしの誤粘着)畏れがある。また上記のように粘着材がテープの幅方向端部よりはみ出すと、そのはみ出した部分がロール配置部の側壁面に当接してこれに貼り付く(=側壁への誤粘着)畏れもある。これらの現象が発生した場合、タグテープロールからタグテープが容易に繰り出せなくなる畏れがある。
【0009】
本発明の目的は、粘着材の誤粘着を防止しタグテープを良好に繰り出せるようにすることができるタグテープロール及びこれを用いた無線タグ回路素子カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、第1の発明は、複数の無線タグ回路素子が長手方向に所定の間隔で配置されたテープ状のタグテープ基材層と、前記無線タグ回路素子を貼り付け対象に貼り付けるために前記タグテープ基材層の一面に設けられた所定幅の貼り付け用粘着材層と、この貼り付け用粘着材層よりも幅方向寸法が大きく該貼り付け用粘着材層の長手方向に延びるように配置された剥離材層とを有するタグテープを、前記長手方向と略直交するリール軸の周りに巻回して構成したことを特徴とする。
【0011】
タグテープ基材層、貼り付け用粘着材層、剥離材の積層構造を備えたタグテープを巻回してタグテープロールとすると、剥離材と貼り付け用粘着材層とを含む積層構造が径方向に重ね巻きされ、径方向のあるタグテープ層に含まれる貼り付け用粘着材層とこれに径方向に隣接するタグテープ層に含まれる貼り付け用粘着材層との間に剥離材層が介在することとなる。本願第1発明においては、剥離材の幅方向寸法を粘着材層の幅方向寸法よりも大きくすることにより、製造時に両者の幅方向中心位置が多少ずれて積層された場合であっても、上記重ね巻きされるときの径方向に隣接するタグテープ層の貼り付け用粘着材層どうしの間に、剥離材の幅方向端部を確実に介在させることができる。これにより、無線タグ回路素子を配置するために比較的厚く量の多くなった貼り付け用粘着材がテープの幅方向端部より若干はみ出した状態で製造時のタグテープと剥離材との中心位置ずれが生じたとしても、貼り付け用粘着材層どうしの誤粘着を防止できる。また貼り付け用粘着材層の幅方向寸法が剥離材の幅方向寸法よりも小さくなるので、上記はみ出し部分がロール配置部の側壁へ誤粘着するのも防止できる。この結果、タグテープロールからのタグテープの繰り出し性を良好に維持することができる。
【0012】
第2の発明は、上記第1発明において、前記無線タグ回路素子を前記タグテープ基材層に定置させるための定置用粘着材層を有することを特徴とする。
【0013】
定置用粘着材層を介しタグテープ基材層に無線タグ回路素子を定置させることにより、所定ピッチ、あるいは適宜の位置等、所定の態様にて確実に無線タグ回路素子をタグテープに配列可能となる。
【0014】
第3の発明は、上記第2発明において、前記貼り付け用粘着材層と、前記定置用粘着材層とを共通に構成したことを特徴とする。
【0015】
これにより、共通に構成した粘着材層を用いて、無線タグ回路素子をタグテープ基材層に定置するとともに、貼り付け対象に貼り付けることができる。
【0016】
第4の発明は、上記第2又は第3発明において、前記タグテープ基材層を、被印字テープに貼り合わせるための貼り合わせ用粘着材層を有することを特徴とする。
【0017】
これにより、タグテープと被印字テープとを貼り合わせ、この貼り合わせたテープを用いて印字付き無線タグラベルを作成することができる。またタグテープロールにて、剥離材→貼り付け用粘着材層→無線タグ回路素子→定置用粘着材層→タグテープ基材層→貼り合わせ用粘着材層→剥離材→貼り付け用粘着材層→…のように重ね巻きされていくこととなる。本願第4発明においては、剥離材の幅方向寸法を粘着材層の幅方向寸法よりも大きくすることにより、無線タグ回路素子を配置するために比較的厚く量の多くなった貼り付け用粘着材や定置用粘着材がテープの幅方向端部より若干はみ出した状態で製造時に剥離材とそれ以外の層の中心位置が多少ずれて積層された場合であっても、上記重ね巻きされる貼り合わせ用粘着材層と貼り付け用粘着材層との間に、剥離材の幅方向端部を確実に介在させることができる。これにより、この場合のそれら貼り合わせ用粘着材層と貼り付け用粘着材層どうしの誤粘着についても確実に防止できるので、タグテープロールからのタグテープの繰り出し性を良好に維持することができる。
【0018】
第5の発明は、上記第4発明において、前記剥離材層の幅方向寸法は、前記貼り合わせ用粘着材層の幅方向寸法よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0019】
貼り合わせ用粘着材層より幅方向寸法の大きな剥離材を用いることにより、重ね巻きされるときに隣接するタグテープ層の粘着材層どうしの間に、剥離材の幅方向端部を確実に介在させることができる。これにより、それら粘着材層どうしの誤粘着を防止できるので、タグテープロールからのタグテープの繰り出し性を良好に維持することができる。
【0020】
第6の発明は、上記第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記タグテープ基材層は、所定の印字が行われる印字領域を備えることを特徴とする。
【0021】
これにより、タグテープ基材層の印字領域に所定の印字を行い、この印字後のテープを用いて印字付き無線タグラベルを作成することができる。
【0022】
第7の発明は、上記第6発明において、前記剥離材層の幅方向寸法は、前記タグテープ基材層の幅方向寸法よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0023】
タグテープ基材層より幅方向寸法の大きな剥離材を用いることにより、重ね巻きされるときに隣接するタグテープ層の粘着材層どうしの間に、剥離材の幅方向端部を確実に介在させることができる。これにより、それら粘着材層どうしの誤粘着を防止できるので、タグテープロールからのタグテープの繰り出し性を良好に維持することができる。
【0024】
第8の発明は、上記第1乃至第7発明のいずれか1つにおいて、前記剥離材層の幅方向端部と前記貼り付け用粘着材層の幅方向端部との差dが、前記タグテープのうち前記粘着材層の部分の厚さ方向寸法tに比べて、d≧tとなるように構成したことを特徴とする。
【0025】
これにより、剥離材層がそれ以外の部分よりはみ出す幅方向寸法を十分に確保でき、確実な誤粘着防止効果を得ることができる。
【0026】
上記目的を達成するために、第9の発明は、タグテープを巻回して構成したタグテープロールを備え、タグラベル作成装置に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジであって、前記タグテープは、複数の無線タグ回路素子が長手方向に所定の間隔で配置されたテープ状のタグテープ基材層と、これら無線タグ回路素子を貼り付け対象に貼り付けるために前記タグテープ基材層の一面に設けられた所定幅の貼り付け用粘着材層と、この貼り付け用粘着材層よりも幅方向寸法が大きく該貼り付け用粘着材層の長手方向に延びるように配置された剥離材層とを有することを特徴とする。
【0027】
タグテープ基材層、貼り付け用粘着材層、剥離材の積層構造を備えたタグテープを巻回し、タグテープロールとして無線タグ回路素子カートリッジに配置すると、タグテープロールにおいて剥離材と貼り付け用粘着材層とを含む積層構造が径方向に重ね巻きされ、径方向のあるタグテープ層に含まれる貼り付け用粘着材層とこれに径方向に隣接するタグテープ層に含まれる貼り付け用粘着材層との間に剥離材層が介在することとなる。本願第9発明においては、剥離材の幅方向寸法を粘着材層の幅方向寸法よりも大きくすることにより、製造時に両者の中心位置が多少ずれて積層された場合であっても、上記重ね巻きされるときの径方向に隣接するタグテープ層の貼り付け用粘着材層どうしの間に、剥離材の幅方向端部を確実に介在させることができる。これにより、無線タグ回路素子を配置するために比較的厚く量の多くなった貼り付け用粘着材がテープの幅方向端部より若干はみ出した状態で製造時のタグテープと剥離材との中心位置ずれが生じたとしても、貼り付け用粘着材層どうしの誤粘着を防止できる。また貼り付け用粘着材層の幅方向寸法が剥離材の幅方向寸法よりも小さくなるので、上記はみ出し部分がロール配置部の側壁へ誤粘着するのも防止できる。この結果、カートリッジ内におけるタグテープロールからのタグテープの繰り出し性を良好に維持することができる。
【0028】
また、タグテープロールをカートリッジ化することにより、ロールをむき出しのまま取り扱うよりも、取り扱い性を大きく向上させることができ、さらにタグラベル装置の小型化にも容易に対応できるという効果もある。
【0029】
第10の発明は、上記第9発明において、前記タグテープロールから繰り出される前記タグテープと貼り合わされるを被印字テープを巻回した被印字テープロールを有し、前記タグテープロールは、前記無線タグ回路素子を前記タグテープ基材層に定置させるための定置用粘着材層と、前記タグテープ基材層を前記被印字テープに貼り合わせるための貼り合わせ用粘着材層とを有することを特徴とする。
【0030】
これにより、タグテープの貼り合わせ用粘着材層を用いてタグテープと被印字テープとを貼り合わせ、この貼り合わせたテープを用いて印字付き無線タグラベルを作成することができる。
【0031】
またタグテープロールでは、剥離材→貼り付け用粘着材層→無線タグ回路素子→定置用粘着材層→タグテープ基材層→貼り合わせ用粘着材層→剥離材→貼り付け用粘着材層→…のように重ね巻きされていくこととなる。本願第10発明においては、剥離材の幅方向寸法を粘着材層の幅方向寸法よりも大きくすることにより、無線タグ回路素子を配置するために比較的厚く量の多くなった貼り付け用粘着材や定置用粘着材がテープの幅方向端部より若干はみ出した状態で前述したように製造時に剥離材とそれ以外の層の中心位置が多少ずれて積層された場合であっても、上記重ね巻きされる貼り合わせ用粘着材層と貼り付け用粘着材層との間に、剥離材の幅方向端部を確実に介在させることができる。これにより、この場合のそれら貼り合わせ用粘着材層と貼り付け用粘着材層どうしの誤粘着についても確実に防止できるので、タグテープロールからのタグテープの繰り出し性を良好に維持することができる。
【0032】
第11の発明は、上記第10発明において、前記タグテープの前記剥離材の幅方向寸法は、前記被印字テープの幅方向寸法よりも大きくなっていることを特徴とする。
【0033】
被印字テープより幅方向寸法の大きな剥離材をタグテープが備えることにより、タグテープにおいて重ね巻きされるときに隣接するタグテープ層の粘着材層どうしの間に、剥離材の幅方向端部を確実に介在させることができる。これにより、それら粘着材層どうしの誤粘着を防止できるので、タグテープロールからのタグテープの繰り出し性を良好に維持することができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、剥離材の幅方向寸法を粘着材層の幅方向寸法よりも大きくすることにより、粘着材の誤粘着を防止しタグテープの繰り出し性を良好に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。この実施形態は、本発明を無線タグラベルの生成システムに適用した場合の実施形態である。
【0036】
図1は、本実施形態のタグテープロールを含む無線タグ回路素子カートリッジを備えるタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【0037】
図1に示すこの無線タグ生成システム1において、タグラベル作成装置2は、有線あるいは無線による通信回線3を介してルートサーバ4、端末5、汎用コンピュータ6、及び複数の情報サーバ7に接続されている。
【0038】
図2は、上記タグラベル作成装置2の詳細構造を表す概念的構成図である。
【0039】
図2において、タグラベル作成装置2の装置本体8には、凹所としてのカートリッジホルダ部(図示せず)が設けられ、このホルダ部にカートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)100が着脱可能に取り付けられている。
【0040】
装置本体8は、カートリッジ100を嵌合させる上記カートリッジホルダ部を備えるとともに外郭を構成する筐体9と、カバーフィルム(被印字テープ)103に所定の印字(印刷)を行う印字ヘッド(サーマルヘッド)10と、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105を駆動するリボン巻取りローラ駆動軸11と、カバーフィルム(被印字テープ)103と帯状の基材テープ(タグテープ)101とを貼り合わせつつ印字済タグラベル用テープ110としてカートリッジ100から繰り出すためのテープ送りローラ駆動軸12と、印字済タグラベル用テープ110に備えられる無線タグ回路素子To(詳細は後述)との間でUHF帯等の高周波を用いて無線通信により信号の授受を行うアンテナ14と、上記印字済タグラベル用テープ110を所定のタイミングで所定の長さに切断しラベル状の無線タグラベルT(詳細は後述)を生成するカッタ15と、上記無線通信による信号授受時において無線タグ回路素子Toをアンテナ14に対向する所定のアクセスエリアに設定保持するとともに切断後の各無線タグラベルTを案内するための一対の搬送ガイド13と、その案内された無線タグラベルTを搬出口(排出口)16へと搬送し送出する送出ローラ17と、搬出口16における無線タグラベルTの有無を検出する排出センサ18とを有している。
【0041】
排出センサ18は、例えば投光器及び受光器からなる反射型の光電センサである。投光器と受光器との間に無線タグラベルTが存在しない場合には、その投光器から出力された光が受光器に入力される。一方、投光器と受光器との間に無線タグラベルTが存在する場合には、投光器から出力された光が遮蔽されて受光器からの制御出力が反転させられるようになっている。
【0042】
一方、装置本体8はまた、上記アンテナ14を介し上記無線タグ回路素子Toへアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための高周波回路21と、無線タグ回路素子Toから読み出された信号を処理するための信号処理回路22と、前述したリボン巻取りローラ駆動軸11及びテープ送りローラ駆動軸12を駆動するカートリッジ用モータ23と、このカートリッジ用モータ23の駆動を制御するカートリッジ駆動回路24と、上記印字ヘッド10への通電を制御する印刷駆動回路25と、上記カッタ15を駆動して切断動作を行わせるソレノイド26と、そのソレノイド26を制御するソレノイド駆動回路27と、上記送出ローラ17を駆動する送出ローラ用モータ28と、この送出ローラ用モータ28を制御する送出ローラ駆動回路29と、上記高周波回路21、信号処理回路22、カートリッジ駆動回路24、印刷駆動回路25、ソレノイド駆動回路27、送出ローラ駆動回路29等を介し、タグラベル作成装置2全体の動作を制御するための制御回路30とを有する。
【0043】
制御回路30は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPU、ROM、及びRAM等から構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。またこの制御回路30は、入出力インターフェイス31を介し例えば通信回線3に接続され、この通信回線3に接続された前述のルートサーバ4、他の端末5、汎用コンピュータ6、及び情報サーバ7等との間で情報のやりとりが可能となっている。
【0044】
図3は、上記タグラベル作成装置2に備えられた本実施形態によるタグテープロールを備えたカートリッジ100の詳細構造を説明するための説明図である。
【0045】
この図3において、カートリッジ100は、上記基材テープ101が巻回された第1ロール(本実施形態によるタグテープロール)102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明な上記カバーフィルム103が巻回された第2ロール(被印字テープロール)104と、上記インクリボン105(熱転写リボン、但しカバーフィルム103は感熱テープにより構成してもよく、その場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のインクリボン105を巻き取る上記リボン巻取りローラ106と、上記基材テープ101とカバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済タグラベル用テープ110としつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをする圧着ローラ107とを有している。
【0046】
第1ロール102は、リール部材102aの周りに、長手方向に複数の無線タグ回路素子Toが所定の等間隔で連続的に順次形成された上記基材テープ101を巻回している。
【0047】
基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図3中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図3中右側)よりその反対側(図3中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層(貼り合わせ用粘着材層)101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム(タグテープ基材層)101b、適宜の粘着材からなる粘着層(貼り付け用粘着材層)101c、剥離紙(剥離材層)101dの順序で積層され構成されている。
【0048】
また、ベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、情報を記憶するIC回路部151が一体的に設けられており、ベースフィルム101bの裏側の表面にはIC回路部151に接続され情報の送受信を行うアンテナ(タグ側アンテナ)152が(この例では例えば印刷等により)形成されており、これらIC回路部151及びアンテナ152によって無線タグ回路素子Toが構成されている。
【0049】
ベースフィルム101bの表側(図3中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図3中左側)には、無線タグ回路素子Toを内包するように設けた上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。なお、この剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着できるようにしたものである。また、ここでは粘着層101cを無線タグ回路素子Toを内包するようにベースフィルム101bの裏側全面に設けているが、これに限られず、ベースフィルム101bの裏側における無線タグ回路素子To設置箇所以外の部分に設けるようにしてもよい(この場合、無線タグ回路素子Toの設置箇所においては剥離紙101dとの接着が行われず、それ以外に設けた粘着層101cにより剥離紙101dとの接着が行われる)。
【0050】
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。カバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0051】
リボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107は、それぞれカートリッジ100外に設けた例えばパルスモータである上記カートリッジ用モータ23(前述の図2参照)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
【0052】
上記構成のカートリッジ100において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、圧着ローラ107へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、上述したようにその裏面にインクリボン105が当接させられるようになっている。
【0053】
そして、カートリッジ100が上記装置本体8のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103が圧着ローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107が矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12と上記サブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴い圧着ローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から4層構造の基材テープ101が繰り出され、上述のように圧着ローラ107へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面(=粘着層101a側の面)に所定の文字、記号、バーコード等の印字R(後述の図7参照)が印刷(但し裏面から印刷するので印刷側から見て鏡面対称の文字等を印刷している)される。そして、上記4層構造の基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110として形成され、カートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0054】
図4は、上記高周波回路21の詳細機能を表す機能ブロック図である。この図4において、高周波回路21は、アンテナ14を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部32と、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波を入力する受信部33と、送受分離器34とから構成される。
【0055】
送信部32は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報にアクセスする(読み取り又は書き込みを行う)ための搬送波を発生させる水晶振動子35、PLL(Phase
Locked Loop)36、及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)37と、上記信号処理回路22から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例では信号処理回路22からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路38(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路38により変調された変調波を増幅する送信アンプ39とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、好適にはUHF帯の周波数を用いており、上記送信アンプ39の出力は、送受分離器34を介してアンテナ14に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部151に供給される。
【0056】
受信部33は、アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生させられた搬送波とを掛け合わせる受信第1乗算回路40と、その受信第1乗算回路40の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第1バンドパスフィルタ41と、この第1バンドパスフィルタ41の出力を増幅して第1リミッタ42に供給する受信第1アンプ43と、上記アンテナ14により受信された無線タグ回路素子Toからの反射波と上記発生された後に位相が90°遅延された搬送波とを掛け合わせる受信第2乗算回路44と、その受信第2乗算回路44の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すための第2バンドパスフィルタ45と、この第2バンドパスフィルタ45の出力を入力するとともに増幅して第2リミッタ46に供給する受信第2アンプ47とを備えている。そして、上記第1リミッタ42から出力される信号「RXS−I」及び第2リミッタ46から出力される信号「RXS−Q」は、上記信号処理回路22に入力されて処理される。
【0057】
また、受信第1アンプ43及び受信第2アンプ47の出力は、RSSI(Received Signal Strength Indicator)回路48にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」が信号処理回路22に入力されるようになっている。このようにして、本実施形態に係るタグラベル作成装置2では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの反射波の復調が行われる。
【0058】
図5は、上記した印字済タグテープ110に備えられた無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。
【0059】
この図5において、無線タグ回路素子Toは、タグラベル作成装置2側のアンテナ14とUHF帯等の高周波を用いて非接触で信号の送受信を行う上記アンテナ(タグ側アンテナ)152と、このアンテナ152に接続された上記IC回路部151とを有している。
【0060】
IC回路部151は、アンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、上記アンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶手段として機能するメモリ部157と、上記アンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0061】
変復調部158は、アンテナ152により受信された上記タグラベル作成装置2のアンテナ14からの無線通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、アンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
【0062】
制御部155は、上記変復調部158により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、上記変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0063】
図6は、上述したようなタグラベル作成装置2による無線タグ回路素子ToのIC回路部151の無線タグ情報へのアクセス(この例では書き込み)に際して、上記した端末5又は汎用コンピュータ6に表示される画面の一例を表す図である。
【0064】
図6において、この例では、タグラベルの種別(アクセス周波数及びテープ寸法)、無線タグ回路素子Toに対応して印刷された印字文字R、その無線タグ回路素子Toに固有のIDであるアクセス(この例では書き込み)ID、上記情報サーバ7に記憶された物品情報のアドレス、及び上記ルートサーバ4におけるそれらの対応情報の格納先アドレス等が前記端末5又は汎用コンピュータ6に表示可能となっている。そして、その端末5又は汎用コンピュータ6の操作によりタグラベル作成装置2が作動されて、カバーフィルム103に上記印字文字Rが印刷されると共に、IC回路部151へ対応する物品情報等の無線タグ情報が書き込まれる。
【0065】
以上の基本構成において、本実施形態の最も大きな特徴は、基材テープ101を構成する剥離紙101dの幅方向寸法を粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cの幅方向寸法よりも大きくしたことにある。以下、その詳細について説明する。
【0066】
図7(a)及び図7(b)は、上述のようにして無線タグ回路素子Toの情報読み取り(又は書き込み)及び印字済タグラベル用テープ110の切断が完了し形成された無線タグラベルTの外観の一例を表す図であり、図7(a)は上面図、図7(b)は下面図である。また図8は、図7中VIII−VIII′断面による横断面図である。
【0067】
これら図7(a)、図7(b)、及び図8において、無線タグラベルTは、図3に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっており、カバーフィルム103側(図8中上側)よりその反対側(図8中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層を構成している。そして、前述のようにベースフィルム101bの裏側に設けられたアンテナ152を含む無線タグ回路素子Toが粘着層101c内に備えられるとともに、カバーフィルム103の裏面に印字R(この例では無線タグラベルTの種類を示す「RF−ID」の文字)が印刷されている。
【0068】
このとき、本実施形態においては、図8に示すように、幅方向寸法がほぼ同一に形成された粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cに対してそれらよりも幅方向寸法を大きく形成した剥離紙101dを粘着層101cに接着して基材テープ101を構成している。そして、このように構成された基材テープ101の粘着層101aに、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cとほぼ同一の幅方向寸法に形成されたカバーフィルム103が接着されて、印字済タグラベル用テープ110が形成される。
【0069】
上記のように構成した本実施形態においては、タグラベル作成装置2のカートリッジ100から印刷済みタグラベル用テープ110として取り出され搬送ガイド13によってアンテナ14に対向する所定位置(アクセスエリア)に設定保持された無線タグ回路素子Toに対し、順次アクセス(IC回路部151の無線タグ情報の読み取り又はIC回路部151への書き込み)が行われ、カッタ15により各無線タグ回路素子Toごとに切断されて無線タグラベルTが生成される。生成された無線タグラベルTは、ユーザによって上記剥離紙101dが剥がされて粘着層101cが露出された後、この粘着層101cを介し対象となる各種物品等に貼り付けられ使用される。
【0070】
以上説明した本実施形態により得られる効果を比較例を用いて以下に詳細に説明する。
【0071】
図9は上記第1ロール102の詳細な構造を表す概念的側面図であり、図10は上記第1ロール102の径方向に隣接する2つの基材テープ101の積層構造を表す図9中X−X′断面による横断面図である。
【0072】
これら図9及び図10に示すように、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dからなる積層構造を備えた基材テープ101を巻回して第1ロール(タグテープロール)102とすると、その積層構造がロールの径方向に重ね巻きされ、図10に示すように径方向外側(図10中上側)の基材テープ層に含まれる粘着層101cとこれに対し径方向内側(図10中下側)に隣接する基材テープ層に含まれる粘着層101aとの間に剥離紙101dが介在することとなる。
【0073】
ここで、タグテープロール102の製造は、無線タグ回路素子Toの無駄をなくしコスト増大を防止する等の観点より、通常、予め所定の幅に生成した基材テープ本体(=粘着層101a+ベースフィルム101b+粘着層101c)の粘着層101cを、間に無線タグ回路素子Toを介在させつつ剥離紙101dで覆い、これらを一対として径方向に幾重にも巻回していくことにより行われる。しかしながらこの場合、粘着層101cを剥離紙101dで覆うときに、両者の幅方向中心位置が一致するように位置決めを行ったとしても、その作業を行う装置の精度上、多少の中心位置のずれが生じる可能性がある。
【0074】
このとき、例えば比較例として、上記基材テープ本体(粘着層101a+ベースフィルム101b+粘着層101c)にほぼ同じ幅方向寸法の剥離紙(剥離材層)101d′を組み合わせてなる基材テープ(タグテープ)101′を巻きまわしてタグテープロールを構成する場合を考える。図11は、この比較例における基材テープ101′を巻きまわした場合の径方向に隣接する2つの基材テープ101′の積層構造を表す横断面図であり、上記図10に相当する図である。図10と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0075】
この図11に示すように、本比較例の基材テープ101′は、幅方向寸法がほぼ等しく形成された粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101d′からなる積層構造を備えている。
【0076】
このような構成の本比較例において、タグテープロールの製造時に、仮に、上記した精度上の理由による中心位置ずれ(粘着層101cと剥離紙101d′との中心位置ずれ)が生じたとすると(このずれた状態を図11中一点鎖線で示す)、本来剥離紙101d′で覆われるべき粘着層101cの一部101c1が剥離紙101d′で覆われなくなる結果、径方向外側(図11中上側)の基材テープ101′の層に含まれる粘着層101c(一部101c1)とこれに対し径方向内側(図11中下側)に隣接する基材テープ101′の層に含まれる粘着層101aとが互いに貼り付く(=粘着材どうしの誤粘着が生じる)畏れがある。
【0077】
また、この図11では基材テープ101′の各層をほぼ同等の厚さとして図示しているが、一般に粘着層101cは無線タグ回路素子Toの挿入配置のために比較的厚く形成されることから、剥離紙101d′を粘着層101cに貼り合わせたときにその厚く量の多い粘着層101cの粘着材がテープの幅方向端部よりその外方へ若干はみ出す可能性がある(このはみ出した状態を図11中破線で示す)。このように粘着材がテープより幅方向外方へはみ出した状態で上記したような粘着層101cと剥離紙101d′との中心位置ずれが生じると、上記誤粘着が生じる可能性が一層高くなる。
【0078】
さらにこのように粘着材がテープの幅方向端部よりはみ出すと、そのはみ出し部101c2がカートリッジ100内において第1ロール102配置部の側壁面に当接してこれに貼り付く(=側壁への誤粘着)畏れもある。これらの現象が発生した場合、第1ロール102から基材テープ101′が容易に繰り出せなくなる。
【0079】
これに対し、本実施形態においては、図10に示すように剥離紙101dの幅方向寸法を粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cの幅方向寸法よりも大きく形成しているので、上記したように製造時に粘着層101cと剥離紙101dの幅方向中心位置が多少ずれて積層された場合(このずれた状態を図10中一点鎖線で示す)であっても、径方向に隣接する基材テープ層の粘着層どうし(すなわち粘着層101cと粘着層101a)の間に、剥離紙101dの幅方向端部を確実に介在させることができる。これにより、粘着層101cと粘着層101aとが互いに貼り付く(=粘着材どうしの誤粘着が生じる)のを防止することができる。
【0080】
また、上記したように無線タグ回路素子Toを配置するために比較的厚く量の多くなった粘着層101cの粘着材がテープの幅方向端部より若干はみ出した状態(このはみ出した状態を図10中破線で示す)で粘着層101cと剥離紙101dとの中心位置ずれが生じた場合であっても、そのはみ出し量を考慮に入れて剥離紙101dの幅方向寸法を大きく形成しておくことにより、粘着層101cのはみ出し部101c2と粘着層101aとの間に剥離紙101dの幅方向端部101d1を確実に介在させて誤粘着を防止できる。
【0081】
さらに、粘着層101cの幅方向寸法が剥離紙101dの幅方向寸法よりも小さくなるので、上記はみ出し部101c2がカートリッジ100内において第1ロール102配置部の側壁へ誤粘着するのも防止できる。
【0082】
以上の結果、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し性を良好に維持することができる。
【0083】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で、種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0084】
(1)ベースフィルムと無線タグ回路素子との間に粘着層を有する場合
図12は本変形例の基材テープ(タグテープ)101Aを巻きまわした場合の径方向に隣接する2つの基材テープ101Aの積層構造を表した横断面図であり、上記実施形態の図10に相当する図である。図10と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0085】
図12において、本変形例の基材テープ101Aが上記実施形態における基材テープ101と相違する点は、基材テープ101ではベースフィルム101bの裏側に無線タグ回路素子ToのIC回路部151が一体的に設けられ、その表面にアンテナ152が印刷等により形成されていたのに対し、本変形例の基材テープ101Aではベースフィルム101bの裏側(図12中下側)に無線タグ回路素子To定置用の粘着層(定置用粘着材層)101eが設けられ、この粘着層101eにより無線タグ回路素子Toがベースフィルム101bに接着されている点である。
【0086】
粘着層101eは、ベースフィルム101bの裏側に無線タグ回路素子Toを接着するためにベースフィルム101b裏側のほぼ全面に設けられ、その幅方向寸法は粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cとほぼ同等となるように形成されている。そして、この粘着層101eに対して無線タグ回路素子Toを挟むようにして剥離紙101dを接着するための粘着層101cが設けられる。その結果、これら粘着層101eと粘着層101cとにより、無線タグ回路素子Toが内包される。なお、これら粘着層101eと粘着層101cとは強固に接着されるようになっており、基材テープ101Aの製造時に粘着層101eと粘着層101cとはほぼ一体的に付着した状態となる。そして、前述したように最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTを所定の商品等に貼り付ける際には、剥離紙101dを基材テープ本体側(粘着層101c)から剥がし、無線タグラベルTは粘着層101cにより当該商品等に接着されるようになっている。
【0087】
剥離紙101dは、上記実施形態と同様に、その幅方向寸法が粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101e、及び粘着層101cよりも大きくなるように形成されている。
【0088】
本変形例においても、基材テープ101Aの製造時に粘着層101cと剥離紙101dとが両者の幅方向中心位置が多少ずれて積層された場合(このずれた状態を図12中一点鎖線で示す)であっても、重ね巻きされるときの径方向に隣接する基材テープ101Aの層の粘着層どうし(すなわち粘着層101cと粘着層101a)の間に剥離紙101dの幅方向端部を確実に介在させることが可能であるので、粘着層どうしの誤着を防止できる。
【0089】
また、前述したように粘着層101cはテープの幅方向端部より若干はみ出す可能性があるが、本変形例における粘着層101eについても無線タグ回路素子Toの接着のために比較的厚く形成されることから粘着材がテープの幅方向端部より若干はみ出す可能性がある(これら粘着層101c,101eのはみ出した状態を図12中破線で示す)。本変形例によれば、このはみ出した状態で上記位置ずれが生じた場合であっても、剥離紙101dの幅方向端部101d1を間に確実に介在させることができるので誤粘着を防止できる。
【0090】
さらに、粘着層101c,101eの幅方向寸法が剥離紙101dの幅方向寸法よりも小さくなるので、上記のはみ出し部101c2,101e2がカートリッジ100内において第1ロール102配置部の側壁へ誤粘着するのを防止できる。
【0091】
以上の結果、第1ロール(タグテープロール)102Aからの基材テープ101Aの繰り出し性を良好に維持することができるという上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
なお、上記変形例では、粘着層101eをベースフィルム101b裏側のほぼ全面に設けるようにしたが、これに限られず、ベースフィルム101bの裏側における無線タグ回路素子Toとの接着部分のみに設けるようにしてもよい。また、上記変形例では粘着層101eと粘着層101cとを別々に形成するようにしたが、これら粘着層101e,101cを1つの粘着層として基材テープを構成するようにしてもよい。
【0093】
(2)貼り合わせを行わない場合
すなわち、上記実施形態のように、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせるのではなく、感熱テープに備えられたベースフィルムに印字を行う無線タグ回路素子カートリッジに本発明を適用した場合である。
【0094】
図13は、この変形例のカートリッジ100′の詳細構造を説明するための説明図であり、前述の図3に対応する図である。図3と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0095】
図13において、カートリッジ100′は、感熱テープ(タグテープ)101Bが巻回された第1ロール(タグテープロール)102Bと、感熱テープ101Bをカートリッジ100′外部方向にテープ送りをするテープ送りローラ107′と、感熱テープ101Bの搬送方向を転向させつつ搬送を行うガイドローラ120とを有している。
【0096】
第1ロール102Bは、リール部材102Baの周りに、長手方向に複数の上記無線タグ回路素子Toが順次形成された帯状の(例えば無線タグ回路素子Toが印字側から見えないよう所定の色に着色された)上記感熱テープ101Bを巻回している。
【0097】
第1ロール102Bに巻き回される感熱テープ101Bはこの例では3層構造となっており(図13中部分拡大図参照)、外側に巻かれる側(図13中右側)よりその反対側(図13中左側)へ向かって、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成るベースフィルム(タグテープ基材層)101Ba、適宜の粘着材からなる粘着層(貼り付け用粘着材層)101Bb、剥離紙(剥離材層)101Bcの順序で積層され構成されている。ベースフィルム101Baの表側表面には熱により発色する感熱剤が塗布されている。
【0098】
ベースフィルム101Baの裏側には、情報を記憶する上記IC回路部151が一体的に設けられており、ベースフィルム101Baの裏側の表面には上記アンテナ152が(この例では例えば印刷等により)形成されている。このベースフィルム101Baの裏側には、上記粘着層101Bbによって上記剥離紙101Bcが接着されている。なお、この剥離紙101Bcは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルTが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101Bbにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0099】
カートリッジ100′が上記タグラベル作成装置2のカートリッジホルダ部に装着されローラホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、感熱テープ101Bが印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、テープ送りローラ107′とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23(図2参照)の駆動力によるテープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴い、テープ送りローラ107′、サブローラ109、及びプラテンローラ108が同期して回転し、第1ロール102Bから感熱テープ101Bが繰り出され、ガイドローラ120で方向を転向された後、印字ヘッド10側へと供給される。
【0100】
印字ヘッド10は、その複数の発熱素子が上記印刷駆動回路25(図2参照)により通電され、これにより感熱テープ101Bのベースフィルム101Baの表面に印字が印刷され、印字済タグラベル用テープ110′として形成された後、カートリッジ100′外へと搬出される。なお、前述の実施形態のようなインクリボンを用いた印字としてもよいことは言うまででもない。
【0101】
カートリッジ100′外へ搬出した後の、前述のアンテナ14を介した無線タグ情報へのアクセス(情報読み取り/書き込み)、送出ローラ17による搬送、カッタ15による切断等については上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0102】
図14は上記第1ロール102Bの詳細な構造を表す概念的側面図であり、図15は上記第1ロール102Bの径方向に隣接する2つの感熱テープ101Bの積層構造を表す図14中XV−XV′面による横断面図である。この図15に示すように、感熱テープ101Bの剥離紙101Bcは、その幅方向寸法がベースフィルム101Ba及び粘着層101Bbよりも大きくなるように形成されている。
【0103】
以上のような構成の本変形例においても、上記実施形態とほぼ同様の効果を得ることができる。このことを、比較例を用いて以下に詳細に説明する。
【0104】
上記図14及び図15に示すように、ベースフィルム101Ba、粘着層101Bb、及び剥離紙101Bcからなる積層構造を備えた感熱テープ101Bを巻回して第1ロール(タグテープロール)102Bとすると、その積層構造がロールの径方向に重ね巻きされ、図15に示すように径方向外側(図15中上側)の感熱テープ層に含まれる粘着層101Bbとこれに対し径方向内側(図15中下側)に隣接する感熱テープ層に含まれる粘着層101Bbとの間に剥離紙101Bc及びベースフィルム101Baが介在することとなる。
【0105】
ここで、前述したように、一般に粘着層101Bbは無線タグ回路素子Toの挿入配置のために比較的厚く形成されることから、感熱テープ101Bの製造時に剥離紙101Bcを粘着層101Bbに貼り合わせたときにその厚く量の多い粘着層101Bbの粘着材がテープの幅方向端部よりその外方へ若干はみ出す可能性がある(このはみ出した状態を図15中破線で示す)。
【0106】
このとき、例えば比較例として、上記ベースフィルム101Ba及び粘着層101Bbとほぼ同じ幅方向寸法の剥離紙(剥離材層)101Bc′を有する感熱テープ101B′を巻きまわして感熱テープを構成する場合を考える。図16は、この比較例における感熱テープ101B′を巻きまわした場合の径方向に隣接する2つの感熱テープ101B′の積層構造を表す横断面図であり、上記図15に相当する図である。図15と同等の部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0107】
この図16に示すように、本比較例の感熱テープ101B′は、幅方向寸法がほぼ等しく形成されたベースフィルム101Ba、粘着層101Bb、及び剥離紙101Bc′からなる積層構造を備えている。
【0108】
このような構成である本比較例においては、感熱テープロールの製造時に、仮に、径方向外側(図16中上側)の感熱テープ101Bの層に含まれる粘着層101Bbの上記したはみ出し部101Bb1とこれに対し径方向内側(図16中下側)に隣接する感熱テープ101Bの層に含まれる粘着層101Bbのはみ出し部101Bb1との間に介在する物がないため、図16中矢印Dで示すようにそれらはみ出し部101Bb1,101Bb1が互いに貼り付く(=粘着材どうしの誤粘着が生じる)可能性がある。
【0109】
特に、感熱テープ101B′の製造時に前述した粘着層101Bbと剥離紙101Bc′との中心位置ずれ(前述したような精度上の理由による中心位置ずれ。このずれた状態を図16中一点鎖線で示す)、本来剥離紙101Bc′で覆われるべき粘着層101Bbの一部101Bb2が露出する結果、上記はみ出し部101Bb1,101Bb1が誤粘着を生じる可能性が一層高くなる。
【0110】
これに対し、本実施形態においては、図15に示すように剥離紙101Bcの幅方向寸法をベースフィルム101Ba及び粘着層101Bbの幅方向寸法よりも大きく形成しているので、径方向に隣接する感熱テープ層の上記粘着材のはみ出し部101Bb1どうしの間に剥離紙101Bcの幅方向端部を確実に介在させて誤粘着が生じるのを防止することができる。
【0111】
また、上記した製造時における粘着層101Bbと剥離紙101Bcとの幅方向中心位置のずれが生じた場合(このずれた状態を図15中一点鎖線で示す)であっても、はみ出し部101Bb1どうしの間に剥離紙101Bcの幅方向端部101Bc1を確実に介在させて誤粘着を防止できる。
【0112】
さらに、粘着層101Bbの幅方向寸法が剥離紙101Bcの幅方向寸法よりも小さくなるので、上記はみ出し部101Bb1がカートリッジ100′内において第1ロール102B配置部の側壁へ誤粘着するのも防止できる。
【0113】
以上の結果、第1ロール102Bからの感熱テープ101Bの繰り出し性を良好に維持することができる。
【0114】
なお、上記変形例では、印字ヘッド10によりカートリッジ100′の外方からベースフィルム101Baに当接させて印字を行ったが、これに限られず、前述の実施形態と同様、カートリッジ100′の内方から印字を行ってもよい。
【0115】
なお、以上説明した実施形態や上記(1)及び(2)の変形例の構成を適宜部分的に組み合わせて構成してもよいことは言うまでもなく、これらの場合も同様の効果を得る。例えば、上記(2)の感熱テープ101Bにおいて上記(1)のようにベースフィルム101Baと無線タグ回路素子Toとの間に定置用の粘着層を有する構成とした場合にも、同様の効果を得ることができる。
【0116】
また、以上において、剥離紙101d等の幅方向寸法と粘着層101c等の幅方向寸法との差(はみ出し量)については特に明示しなかったが、その差を次式に基づいて定めるようにしてもよい。
d≧t
ここで、dは剥離紙101dが粘着層101cからはみ出したはみ出し量、tは基材テープ101のうち剥離紙101d以外の部分の厚さ方向寸法である(図17参照)。剥離材層の端部は粘着材層の端部より粘着材層の厚み寸法より外側に位置するので粘着材層の端部が巻装による圧力などにより変形しても粘着材が剥離材層より外側にはみだすことを防止できる。これにより、剥離紙101dがそれ以外の部分よりはみ出す幅方向寸法を十分に確保でき、確実な誤粘着防止効果を得ることができる。
【0117】
さらに、以上において、カートリッジ100,100′等のような無線タグ情報通信装置本体側に着脱可能なものに限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型のものを用い、その中に上記第1ロール102等を設けてもよい。この場合も同様の効果を得る。
【0118】
またさらに、以上においては、タグラベル作成装置2は、無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の読み取り又は書き込みを行うと共に、サーマルヘッド10によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷(印字)を行うものであったが、この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み取り又は書き込みのみを行うものであっても構わない。
【0119】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】本発明の一実施形態のタグテープロールを含む無線タグ回路素子カートリッジを備えるタグラベル作成装置が適用される無線タグ生成システムを表すシステム構成図である。
【図2】図1に示したタグラベル作成装置の詳細構造を表す概念的構成図である。
【図3】図2に示したカートリッジの詳細構造を説明するための説明図である。
【図4】図2に示した高周波回路の詳細機能を表す機能ブロック図である。
【図5】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図6】無線タグ情報へのアクセスに際し、端末又は汎用コンピュータに表示される画面の一例を表す図である。
【図7】本発明の一実施形態のタグテープロールを含む無線タグ回路素子カートリッジを備えるタグラベル作成装置により形成された無線タグラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。
【図8】図7中VIII−VIII′断面による横断面図である。
【図9】図3に示す第1ロールの詳細な構造を表す概念的側面図である。
【図10】第1ロールの径方向に隣接する2つの基材テープの積層構造を表す図9中X−X′断面による横断面図である。
【図11】剥離紙の幅方向寸法を他層とほぼ等しくした比較例における第1ロールの径方向に隣接する2つの基材テープの積層構造を表す横断面図である。
【図12】ベースフィルムと無線タグ回路素子との間に定置用の粘着層を有する変形例における第1ロールの径方向に隣接する2つの基材テープの積層構造を表す横断面図である。
【図13】貼り合わせを行わない変形例におけるカートリッジの詳細構造を説明するための説明図である。
【図14】図13に示す第1ロールの詳細な構造を表す概念的側面図である。
【図15】第1ロールの径方向に隣接する2つの感熱テープの積層構造を表す図14中XV−XV′断面による横断面図である。
【図16】剥離紙の幅方向寸法を他層とほぼ等しくした比較例における第1ロールの径方向に隣接する2つの感熱テープの積層構造を表す横断面図である。
【図17】剥離紙のはみ出し量と基材テープの剥離紙以外の厚さ方向寸法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0121】
2 タグラベル作成装置
100 カートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)
101 基材テープ(タグテープ)
101′ 基材テープ(タグテープ)
101A 基材テープ(タグテープ)
101B 感熱テープ(タグテープ)
101a 粘着層(貼り合わせ用粘着材層)
101b ベースフィルム(タグテープ基材層)
101c 粘着層(貼り付け用粘着材層)
101d 剥離紙(剥離材層)
101d′ 剥離紙(剥離材層)
101e 粘着層(定置用粘着材層)
101Ba ベースフィルム(タグテープ基材層)
101Bb 粘着層(貼り付け用粘着材層)
101Bc 剥離紙(剥離材層)
101Bc′ 剥離紙(剥離材層)
102 第1ロール(タグテープロール)
102A 第1ロール(タグテープロール)
102B 第1ロール(タグテープロール)
103 カバーフィルム(被印字テープ)
104 第2ロール(被印字テープロール)
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線タグ回路素子が長手方向に所定の間隔で配置されたテープ状のタグテープ基材層と、
前記無線タグ回路素子を貼り付け対象に貼り付けるために前記タグテープ基材層の一面に設けられた所定幅の貼り付け用粘着材層と、
この貼り付け用粘着材層よりも幅方向寸法が大きく該貼り付け用粘着材層の長手方向に延びるように配置された剥離材層とを有するタグテープを、前記長手方向と略直交するリール軸の周りに巻回して構成したことを特徴とするタグテープロール。
【請求項2】
請求項1記載のタグテープロールにおいて、
前記無線タグ回路素子を前記タグテープ基材層に定置させるための定置用粘着材層を有することを特徴とするタグテープロール。
【請求項3】
請求項2記載のタグテープロールにおいて、
前記貼り付け用粘着材層と、前記定置用粘着材層とを共通に構成したことを特徴とするタグテープロール。
【請求項4】
請求項2又は3記載のタグテープロールにおいて、
前記タグテープ基材層を、被印字テープに貼り合わせるための貼り合わせ用粘着材層を有することを特徴とするタグテープロール。
【請求項5】
請求項4記載のタグテープロールにおいて、前記剥離材層の幅方向寸法は、前記貼り合わせ用粘着材層の幅方向寸法よりも大きくなっていることを特徴とするタグテープロール。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項記載のタグテープロールにおいて、
前記タグテープ基材層は、所定の印字が行われる印字領域を備えることを特徴とするタグテープロール。
【請求項7】
請求項6記載のタグテープロールにおいて、
前記剥離材層の幅方向寸法は、前記タグテープ基材層の幅方向寸法よりも大きくなっていることを特徴とするタグテープロール。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載のタグテープロールにおいて、
前記剥離材層の幅方向端部と前記粘着材層の幅方向端部との差dが、前記タグテープのうち前記粘着材の部分の厚さ方向寸法tに比べて、
d≧t
となるように構成したことを特徴とするタグテープロール。
【請求項9】
タグテープを巻回して構成したタグテープロールを備え、タグラベル作成装置に着脱可能に構成された無線タグ回路素子カートリッジであって、
前記タグテープは、
複数の無線タグ回路素子が長手方向に所定の間隔で配置されたテープ状のタグテープ基材層と、
これら無線タグ回路素子を貼り付け対象に貼り付けるために前記タグテープ基材層の一面に設けられた所定幅の貼り付け用粘着材層と、
この貼り付け用粘着材層よりも幅方向寸法が大きく該貼り付け用粘着材層の長手方向に延びるように配置された剥離材層とを有することを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
【請求項10】
請求項9記載の無線タグ回路素子カートリッジにおいて、
前記タグテープロールから繰り出される前記タグテープと貼り合わされるを被印字テープを巻回した被印字テープロールを有し、
前記タグテープロールは、
前記無線タグ回路素子を前記タグテープ基材層に定置させるための定置用粘着材層と、
前記タグテープ基材層を前記被印字テープに貼り合わせるための貼り合わせ用粘着材層とを有することを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
【請求項11】
請求項10記載の無線タグ回路素子カートリッジにおいて、
前記タグテープの前記剥離材の幅方向寸法は、前記被印字テープの幅方向寸法よりも大きくなっていることを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−131331(P2006−131331A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−321431(P2004−321431)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】