説明

タックシールラベラ用のローラ

【課題】簡易な構成で、汚染しても簡便に復元可能なタックシールラベラ用のローラを提供する。
【解決手段】ロール状に巻かれた剥離紙4を巻き出して剥離紙4に支持されたタックシール2を容器3に貼付するタックシールラベラ1に設けられ、タックシール2が貼付された後の剥離紙4を巻き掛けてガイドするガイドローラ16a〜16gであって、ガイドローラ16a〜16gのガイド面Aには、剥離紙4が巻き掛けられる領域Bを保護する保護部材21が設けられ、保護部材21は、一方の面に粘着剤が付着されたシート状で、領域Bに粘着剤を介して巻き付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻かれた剥離紙を巻き出して、その剥離紙に支持されたタックシールを容器に貼付するタックシールラベラに設けられ、タックシールが貼付された後の剥離紙を巻き掛けてガイドするローラに関する。
【背景技術】
【0002】
飲料が充填された缶に、商品名、説明書き等の表示や各種キャンペーンを目的とするタックシールを貼付する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。タックシールを支持する剥離紙はロール状に巻かれており、それを巻き出して缶にタックシールを貼り付ける。タックシール貼付後の剥離紙は、ガイドローラに案内されつつ巻取り装置に巻き取られて回収される。剥離紙にはタックシールの糊が僅かに残留するため、ガイドローラに付着して不具合の原因となる。ローラの汚染を対策する技術として、例えば、紙送りローラに筒状生地を被覆したもの(特許文献2参照。)や、ロール表面にシリコン系の硬質皮膜形成材料と可撓性樹脂とからなる非粘着性防汚層を設けたもの(特許文献3参照。)が知られている。
【特許文献1】特開2001−287718号公報
【特許文献2】特開平11−139588号公報
【特許文献3】特開昭61−102247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ローラに筒状生地を被覆する場合、筒状なため被覆時や取り外し時に手間がかかる。また、非粘着性防汚層を設ける場合であってもタックシールの糊の付着を完全に防止することは困難であり、糊の付着したローラを洗浄する必要が生じる。
【0004】
そこで、本発明は簡易な構成で、汚染しても簡便に復元可能なタックシールラベラ用のローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のタックシールラベラ用のローラは、ロール状に巻かれた剥離紙(4)を巻き出して前記剥離紙に支持されたタックシール(2)を容器(3)に貼付するタックシールラベラ(1)に設けられ、前記タックシールが貼付された後の剥離紙を巻き掛けてガイドするタックシールラベラ用のローラ(16a〜16g)であって、前記ローラのガイド面(A)には、前記剥離紙が巻き掛けられる領域(B)を保護する保護部材(21)が設けられ、前記保護部材は、一方の面に粘着剤が付着されたシート状で、前記領域に前記粘着剤を介して巻き付けられていることにより上記課題を解決する。
【0006】
本発明のタックシールラベラ用のローラによれば、剥離紙をガイドするローラに設けられた保護部材が、剥離紙を巻き掛ける領域を保護する。容器にタックシールを貼付した後の剥離紙にはタックシールに付着する糊が残留することがあるが、その糊が保護部材に付着することになる。保護部材はローラに対して粘着剤で貼付されているので、タックシールの糊で汚染された場合には、保護部材を剥がして新たな保護部材を貼付するだけで、ローラを糊が付着していない状態に復元することができる。
【0007】
本発明のローラの一形態において、前記保護部材の色が、前記ガイド面と異なっていてもよい。この形態によれば、保護部材の色が異なるので、保護部材がローラに剥離紙を巻き掛ける適正位置の目安となる。これにより、タックシールラベラの動作時に、作業者が目視で動作状態が良好か否かを判断することができる。
【0008】
保護部材とローラのガイド面との色が異なる形態において、前記保護部材の幅が、前記剥離紙の幅と同一であってもよい。この形態によれば、保護部材から剥離紙がずれている場合に作業者がすぐに発見することができ、不具合を未然に防ぐことができる。
【0009】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0010】
以上、説明したように、本発明のタックシールラベラ用のローラにおいては、剥離紙をガイドするローラに設けられた保護部材が、剥離紙を巻き掛ける領域を保護する。容器にタックシールを貼付した後の剥離紙にはタックシールに付着する糊が残留することがあるが、その糊が保護部材に付着することになる。保護部材はローラに対して粘着剤で貼付されているので、タックシールの糊で汚染された場合には、保護部材を剥がして新たな保護部材を貼付するだけで、ローラを糊が付着していない状態に復元することができる。洗浄作業に比べると糊がローラに残留する可能性がないので、糊の残留による剥離紙の破れや巻取り不良等の不具合が生じない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1に本発明の一形態に係るローラが適用されたタックシールラベラの概略図を示す。タックシールラベラ1は、タックシール2を容器3に貼り付ける装置である。タックシール2は裏面に糊が付着した紙やフィルム等からなるシールで、複数のタックシール2が剥離紙4に対して剥離可能に等間隔に支持されている。容器3は、コンベア5によりタックシール2の貼付位置Pへと搬送される。容器3は、飲料が充填された缶や壜、ペットボトル等である。コンベア5は、容器3を一列に並べた状態で順次搬送する。コンベア5は周知技術を利用して構成してよい。
【0012】
タックシールラベラ1は、剥離紙4を巻き出す巻出し装置11と、コンベア5に向けて突出してタックシール2を容器3に貼付する突出ガイド12と、容器3に貼付されたタックシール2を押さえつけて固定する押え部材13と、タックシール2の貼付後の剥離紙4を巻き取る巻取り装置14と、巻出し装置11と突出ガイド12との間に設けられて剥離紙4を案内する複数のガイドローラ15a〜15eと、突出ガイド12と巻取り装置14との間に設けられて剥離紙4を案内するローラとしての複数のガイドローラ16a〜16gとを備えている。巻出し装置11は、ロール状に巻かれた剥離紙4を巻き出す。剥離紙4は、テープ状で一列に並べた状態でタックシール2を保持している。
【0013】
突出ガイド12は、先端部分が鋭角に形成されたガイドで、剥離紙4が巻き掛けられている。剥離紙4が突出ガイド12の先端部分を通過するとき、剥離紙4はタックシール2が剥離紙4の形状に追従できない程度の小さな曲率半径となるまで折り曲げられ、タックシール2は剥離紙4の移動方向に対して前方側から剥離して貼付位置Pで容器3の側面に貼付される。押え部材13は、コンベア5で搬送される容器3の側面に貼付されたタックシール2の表面を押さえつけるように構成される。タックシール2の一部が容器3に付着した不安定な状態であっても、押え部材13によりタックシール2が押さえつけられて容器2に固定される。
【0014】
タックシール2の貼付後の剥離紙4は、巻取り装置14にて巻き取られる。なお、巻出し装置11及び巻取り装置14は、周知技術を利用して構成してよい。ガイドローラ15a〜15eは、巻出し装置11と突出ガイド12との間に適宜設置され、剥離紙4の張力を調整する。ガイドローラ16a〜16gは、突出ガイド12と巻取り装置14との間に適宜設置され、ガイドローラ15a〜15eと同様、剥離紙4の張力を調整する。なお、ガイドローラ15a〜15e、16a〜16gの本数は装置に応じて適宜増減してよく、また剥離紙4を案内する経路についても適宜変更してよい。
【0015】
図2にガイドローラ16c〜16gの拡大斜視図を示す。各ガイドローラ16a〜16gのガイド面Aには、剥離紙4が巻き掛けられる領域Bを保護する保護部材21がそれぞれ設けられている。保護部材21は、紙やフィルム等で形成されるシートで、一方の面に粘着剤が付着している。保護部材21は、ガイドローラの領域Bの全面を覆うようにしてガイド面Aに貼付される。領域Bは、剥離紙4がガイド面Aに巻き掛けられる適正領域で、正常な動作による多少の振れ幅を含んでいてもよい。
【0016】
ガイドローラ16a〜16gは、突出ガイド12にて容器3にタックシール2が貼付された後の、タックシール2が保持されていない剥離紙4を案内するローラである。このため、ガイドローラ16a〜16gの領域Bには、剥離紙4に残留するタックシール2の糊が付着するおそれがある。ガイドローラ16a〜16gにこの糊が付着すると、ガイドローラ16a〜16gに対する剥離紙4との潤滑性が悪化して、剥離紙5が破れたり、巻取り装置14の巻取り不良や、タックシール2の貼付不良等の原因となる。保護部材21を設ければ保護部材21にタックシール2の糊が付着する。従って、保護部材21に糊が付着した場合には、その保護部材21を剥がし領域Bに新たな保護部材21を貼付するだけで、ガイドローラ16a〜16gを糊が付着していない状態に簡便に復元することができる。なお、保護部材21として、裏面に粘着剤を付着させた市販の紙テープ等を利用することができる。また、ガイドローラ16a〜16gと保護部材21との色を互いに異ならせてもよい。この場合、保護部材21が、ガイド面Aに剥離紙4を巻き掛ける適正位置の目安となり、タックシールラベラ1の動作時に、作業者が目視で動作状態が良好か否かを判断することができる。
【0017】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、ガイドローラ16a〜16gのガイド面Aの領域Bにそれぞれ保護部材21を設けたが、ガイド面A全体に保護部材21を設けてもよい。少なくとも領域Bが保護されていればよいため、保護部材21の幅とガイドローラ16a〜16gの幅とに応じて保護領域を適宜変更してよい。あるいは、保護部材21の幅が剥離紙4の幅と同一であってもよい。また、本形態では、ガイドローラ16a〜16gの全てのローラに保護部材21を設けたが、これに限られず、剥離紙4のタックシール保持面が接触するガイドローラ16a、16c、16d、16fに設けてもよい。また、ガイドローラ15a〜15eに保護部材21を設けてもよい。ガイドローラ15a〜15eのガイド面と保護部材21との色を変更すれば、剥離紙4を巻き掛ける適正位置の目安となるからである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一形態に係るローラが適用されたタックシールラベラの概略図。
【図2】ガイドローラの拡大斜視図。
【符号の説明】
【0019】
1 タックシールラベラ
2 タックシール
3 容器
4 剥離紙
16a〜16g ガイドローラ(ローラ)
21 保護部材
A ガイド面
B 剥離紙が巻き掛けられる領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻かれた剥離紙を巻き出して前記剥離紙に支持されたタックシールを容器に貼付するタックシールラベラに設けられ、前記タックシールが貼付された後の剥離紙を巻き掛けてガイドするタックシールラベラ用のローラであって、
前記ローラのガイド面には、前記剥離紙が巻き掛けられる領域を保護する保護部材が設けられ、前記保護部材は、一方の面に粘着剤が付着されたシート状で、前記領域に前記粘着剤を介して巻き付けられていることを特徴とするタックシールラベラ用のローラ。
【請求項2】
前記保護部材の色が、前記ガイド面と異なることを特徴とする請求項1に記載のローラ。
【請求項3】
前記保護部材の幅が、前記剥離紙の幅と同一であることを特徴とする請求項2に記載のローラ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−143607(P2010−143607A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322090(P2008−322090)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(307027577)麒麟麦酒株式会社 (350)
【Fターム(参考)】