説明

タッチスクリーン上のコンテンツの圧力ベースの操作のための方法および装置

透明感圧式タッチパネルを利用して、タッチスクリーン上に表示されたコンテンツを操作する方法および装置が提供される。方法は、タッチスクリーン上にコンテンツを表示するステップと、透明感圧式タッチパネル上の入力ジェスチャに対する1つ以上の圧力メトリックを得るステップとを含む。各圧力メトリックは、入力ジェスチャの各インプレッションによって透明感圧式タッチパネルに印加された圧力(または力)に対応する。方法は、入力ジェスチャに応じて、タッチスクリーン上の表示コンテンツを調整するステップであって、表示コンテンツは、入力ジェスチャに対する1つ以上の圧力メトリックに基づいて調整される、ステップとをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本明細書に記載の主題の実施形態は、概して、接触感知式アプリケーションに関し、より具体的には、主題の実施形態は、タッチスクリーン上に表示されたコンテンツの操作に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの電子デバイスは、タッチスクリーン(またはタッチパネル)を使用してユーザに情報を提示し、およびユーザから入力を受容する。従来の接触感知技術は、画面上の接触位置を感知する。一部の接触感知技術は、タッチスクリーンに印加された圧力(または力)の大きさを決定することができるが、圧力は、タッチスクリーンの表面上の接触面積(またはその変化の速度)に基づいて決定される。この点において、従来技術は、印加された圧力の推定値を近似または推定するが、印加された実際の力を測定することはない。さらに、いくつかの静電容量式タッチスクリーンは、タッチスクリーンの表面に対する近接性のみに応答し、すなわち、容量式タッチスクリーンは、実際に接触またはインプレッションがタッチスクリーンの表面上になされていない場合に応答または反応し得る。その結果、従来技術のシステムは、タッチスクリーンに印加された圧力(または力)を正確に測定し、タッチスクリーン上の個々の場所に分解することはできない。したがって、従来技術のシステムは、タッチスクリーンに印加された圧力の量とは無関係にタッチスクリーン上のコンテンツを調整またはその他の方法で操作する手段として、非直観的なジェスチャを利用する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下の発明を実施するための形態は、事実上単なる例示であり、本主題の実施形態ならびにそのような実施形態の応用および使用を限定することを意図しない。さらに、前記技術分野、背景、概要または以下の発明を実施するための形態において示される明示的または暗示的理論のいずれにも拘束されることを意図しない。
【0004】
機能および/または論理ブロック構成要素および様々な処理ステップに関して、本明細書において技術および専門用語が説明され得る。そのようなブロック構成要素は、特定の機能を実行するように構成される任意の数のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア構成要素によって実現され得ることを理解されたい。例えば、システムまたは構成要素の実施形態は、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサまたはその他の制御デバイスの制御下において様々な機能を実行し得る、メモリ要素、デジタル信号処理要素、論理要素、参照テーブル等の様々な集積回路構成要素を使用してもよい。
【0005】
簡潔にするために、接触感知、タッチスクリーン較正および/または構成、タッチスクリーン、ならびにシステム(およびシステムの個々の操作構成要素)の他の機能的態様に関連した従来の技術は、本明細書おいては詳細に説明されない可能性がある。さらに、本明細書に含有される様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を表すことを意図する。多くの代替的または追加的な機能的関係または物理的接続が、実際の実施形態において存在してもよいことに留意されたい。
【0006】
以下の説明は、互いに「接続」または「連結」されている要素またはノードまたは特徴を指す。本明細書で使用される場合、別段に明示的に示されない限り、「接続」は、1つの要素/ノード/特徴が、別の要素/ノード/特徴に直接的に結合されている(または直接的に連通している)ことを意味する。同様に、別段に明示的に示されない限り、「連結」は、1つの要素/ノード/特徴が、別の要素/ノード/特徴に直接的もしくは間接的に結合されている(または直接的もしくは間接的に連通している)ことを意味し、必ずしも機械的に結合していることを意味しない。
【0007】
本明細書において論議される技術および概念は、感圧式(または力感知式)タッチスクリーン、すなわち、タッチスクリーン上の1つ以上の別個の場所に印加された圧力(または力)を測定および/またはそれぞれのインプレッション場所に分解することができるタッチスクリーンを利用したシステムに関する。感圧式タッチスクリーンは、入力ジェスチャ、すなわちタッチスクリーン上の1つ以上のインプレッションに応じてタッチスクリーン上に表示されたコンテンツを調整または他の方法で操作するために利用される。調整および/または操作の程度、すなわち、コンテンツが調整および/または操作される速度および/または量は、入力ジェスチャにより印加された圧力(または力)の増加が、調整および/または操作の程度を増加させるように、入力ジェスチャに対して印加された圧力(または力)に正比例する。例示的実施形態において、タッチスクリーンは、任意の物体、例えば、スタイラス、ポインタ、ペン、指および/もしくは手、爪、または別の好適なオブジェクトによりタッチパネルに印加された圧力(または力)に応答する透明タッチパネルを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面と併せて考慮しながら発明を実施するための形態および特許請求の範囲を参照することにより、主題のより完全な理解を得ることができ、図の全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【図1】図1は、一実施形態による表示システムのブロック図である。
【図2】図2は、一実施形態による図1の表示システムにおける使用に好適なタッチパネルの分解斜視図である。
【図3】図3は、一実施形態による図1の表示システムとの使用に好適なタッチスクリーン上の入力ジェスチャに応じた圧力マップである。
【図4】図4は、一実施形態による図1の表示システムとの使用に好適な表示プロセスのフロー図である。
【図5】図5および図6は、図4の表示プロセスの一実施形態によるタッチスクリーン上に表示されるコンテンツの操作を示す図である。
【図6】図5および図6は、図4の表示プロセスの一実施形態によるタッチスクリーン上に表示されるコンテンツの操作を示す図である。
【図7】図7は、図4の表示プロセスの別の実施形態によるタッチスクリーン上に表示されるコンテンツの操作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、電子デバイス112、例えばコンピュータ、携帯デバイス(例えば、携帯電話、携帯情報端末等)、または別の好適な電子デバイスとの使用に好適な表示デバイス100を示す。例示的実施形態において、表示システム100は、これらに限定されないが、タッチスクリーン102、タッチパネル制御回路104、および処理モジュール106を含む。図1は、説明を目的とした表示システム100の単純化された表現であり、いかなる方法でも主題の範囲を限定することを意図しないことを理解されたい。
【0010】
例示的実施形態において、タッチスクリーン102は、タッチパネル108および表示デバイス110を備える。タッチパネル108は、タッチパネル制御回路104に連結され、一方この回路は処理モジュール106に連結される。処理モジュール106は、表示デバイス110に連結され、処理モジュール106は、以下でより詳細に説明されるように、表示デバイス114上の表示および/または描画を制御するように構成され、タッチパネル制御回路104から受信した情報を、表示デバイス110上に表示されるコンテンツと関連付ける。
【0011】
例示的実施形態において、タッチパネル108は、タッチパネル108上の1つ以上の場所に印加された圧力(または力)に応答する透明タッチパネルとして実現される。この点において、タッチパネル108は、感圧式(または力感知式)であり、以下でより詳細に説明されるように、タッチスクリーン102上の入力ジェスチャを含むインプレッション場所においてタッチパネル108に印加された圧力(または力)の大きさを決定し、タッチパネル108上のそれぞれのインプレッション場所に圧力(または力)を分解するために利用され得る。タッチパネル108は、好ましくは、表示デバイス110に隣接して配置され、表示デバイス110に対して、ユーザがタッチスクリーン102および/または表示デバイス110上に表示されたコンテンツを閲覧する際に、タッチパネル108がユーザと表示デバイス110との間の視線の中に介在するように配列される。この点において、タッチスクリーン102および/または表示デバイス110の使用者および/または閲覧者の視点から、タッチパネル108の少なくとも一部が、表示デバイス110上に表示されるコンテンツに重複する、および/または重なる。一実施形態によれば、タッチパネル108は、実質的に平面形状であり、以下でより詳細に説明されるように、表示デバイス110の実質的に平面の表面に隣接して配置される。
【0012】
図2は、例示的実施形態における、図1のタッチスクリーン102内のタッチパネル108としての使用に好適な透明タッチパネル200の分解図を示す。タッチパネル200は、これらに限定されないが、透明保護層202、第1の透明電極層204、透明複合層206、第2の透明電極層208、および透明基板210を含む。透明保護層202は、第1の透明電極層204の上に配置されるガラスまたはポリマー等の透明保護材料を含む。例示的実施形態において、透明基板210は、例えばガラスまたはポリマー等の剛性材料として実現されるが、代替の実施形態において、透明基板210は可撓性材料として実現されてもよい。以下でより詳細に説明されるように、例示的実施形態において、透明複合層206は、透明電極層204、208の間に介在する。
【0013】
例示的実施形態において、透明電極層204、208の各々は、複数の透明導線205、209を有するパターン化された層として実現され、各導線は、他の回路への電気接続を提供するためのタブ211、213に電気的に連結されている。この点において、一実施形態によれば、タブ211、213は、図1のタッチパネル制御回路104に連結される。例示的実施形態において、透明導線205、209は、インジウムスズ酸化物、酸化亜鉛、または酸化スズ等の透明導電性酸化物として実現される。第2の透明電極層208は、導線209が第1の方向に配列されている透明基板210上に配置される。例えば、図2に示されるように、導線209は、x軸と一列に、および/またはそれと平行に配列されている。第1の透明電極層204は、その導線205が第2の透明電極層208の導線209と垂直に配列されている透明複合層206上に配置される。例えば、図2に示されるように、導線205は、y軸と一列に、および/またはそれと平行に配列されている。
【0014】
導線205、209の垂直の配向によって、透明電極層204、208は、導線205、209がz軸に沿って重複するおよび/または重なる各々の場所で、第1の透明電極層204の導線205から透明複合層206を通り、第2の電極層208の導線209に至る複数の可能な導電経路を形成する。この点において、透明電極層204、208は、透明複合層206を通る潜在的導電経路のm×n配列(または行列)を形成し、ここで、mは、第2の電極層208の導線209の行の数であり、nは、透明電極層204の導線205の列の数である。例えば、一実施形態によれば、第2の電極層208は、24本の導線209を備え、第1の透明電極層204は、32本の導線205を備え、その結果24×32の配列の潜在的導電経路が形成される。
【0015】
例示的実施形態において、透明複合層206は、透明導電性(または半導体)粒子が材料内に均一に分散した弾力性材料として実現される。例えば、実施形態に依存して、透明複合層206は、ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリイミド、またはシリコーンゴム等の透明エラストマーマトリックスを含んでもよく、インジウムスズ酸化物、酸化亜鉛、または酸化スズ等の導電性または半導体粒子が材料内に分散している。
【0016】
圧力(または力)がタッチパネル200および/または透明保護層202の表面上に(例えば、正のz方向に)印加されると、透明複合層206が圧縮され、それにより、その特定の場所の下にある透明複合層206内に分散した隣接導電性粒子間の平均距離が減少する。換言すると、隣接粒子のネットワークによって形成された導電経路の密度が増加し(パーコレーションとしても知られる)、したがって、タッチパネル200および/または透明保護層202に印加された圧力に対応する場所(複数を含む)(例えば、インプレッション場所)における、透明電極層204、208の重複している導線間の透明複合層206のコンダクタンスが増加する(または抵抗が減少する)。したがって、タッチパネル200および/または透明保護層202に対して正のz方向に印加される力(または圧力)がより大きいと、透明複合層206の圧縮がより大きくなり、それによって、特定のインプレッション場所における透明複合層206の導電率の増加(または抵抗の減少)がより大きくなる。このようにして、透明複合層206は、透明電極層204、208の間の各導電経路と電気的に直列の可変抵抗として機能し、各導電経路の抵抗の量は、各導電経路に対応する場所(すなわち、z軸に沿って導電経路に重なる場所)においてタッチパネル200に印加された圧力(または力)の大きさに直接関連する。以下でより詳細に説明されるように、抵抗(またはその変化)が、複数の導電経路の各導電経路、すなわちm×n配列の各場所について測定または他の方法で決定され、各導電経路に対応するタッチパネル200および/または透明保護層202上の場所(例えば、z軸に沿って重なっている)における、タッチパネル200および/または透明保護層202の表面に印加された圧力(または力)が決定される。以下でより詳細に説明されるように、各導電経路に対する抵抗(またはその変化)に基づいて、各導電経路に対する圧力(または力)メトリックが得られ、圧力(または力)メトリックは、各導電経路に重なっているタッチパネル200および/または透明保護層202に印加された圧力(または力)の大きさを示す。
【0017】
引き続き2図を参照しながら再び図1を参照すると、例示的実施形態において、タッチパネル108、200は、表示デバイス110と一体的であり、感圧式(または力感知式)タッチスクリーン102を提供する。例えば、表示デバイス110が実質的に平面の閲覧領域を有する場合、タッチパネル108、200および/または透明基板210は、表示デバイス114の平面の閲覧領域に平行に配列されてもよい。例示的実施形態において、タッチパネル108、200と表示デバイス114とは、約10ミリメートル未満だけ離れているが、いくつかの実施形態において、タッチパネル108、200は、表示デバイス114に直接隣接して(または、接触して)いてもよい(例えば、分離距離が無視できる)。表示デバイス114は、処理モジュール106の制御下において、情報および/またはコンテンツを図形的に表示するように構成される電子ディスプレイとして実現される。実施形態に依存して、表示デバイス114は、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管ディスプレイ(CRT)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、プラズマディスプレイもしくは投射型ディスプレイ、または別の好適な電子ディスプレイとして実現されてもよい。
【0018】
引き続き図2を参照しながら再び図1を参照すると、タッチパネル制御回路104は、一般に、表示システム100のハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア構成要素を表し、これらは、タッチパネル108、200の複数の導電経路の各々の導電経路、すなわち、タッチパネル108、200の導線205、209が重複することにより透明複合層206を通る導電経路を形成する各場所に対する抵抗(またはその変化)を検出、測定またはその他の態様で決定するように構成される。この点において、タッチパネル制御回路104は、例えば、第1の透明電極層204の第1の導線215に基準電圧(または電流)を印加し、第1の導線215に基準電圧を印加したまま第2の電極層208の各導線209における電圧(または電流)を測定することによって、各導電経路(例えば、m×n配列の各場所)を走査するように構成される。第2の電極層208の各導線209について測定された電圧(または電流)は、第1の透明電極層204の第1の導線215と、第2の電極層208の各導線209との間の透明複合層206の抵抗に依存する。このようにして、測定された電圧(または電流)は、第1の透明電極204の第1の導線215および第2の電極層208の各導線209の重複部に重なる(例えば、z軸に沿って)タッチパネル108、200に印加された圧力(または力)に直接関連するため、タッチパネル108、200は、感圧式(または力感知式)である。第1の導線215への基準電圧の印加に応答する第2の電極層208の各導線209に対する電圧(または電流)を測定した後、タッチパネル制御回路104は、第1の透明電極層204の第2の導線217に基準電圧を印加し、第2の導線217に基準電圧を印加したまま、第2の電極層208の各導線209の電圧(または電流)等を測定し、各々の可能な導電経路に対し電圧(または電流)が測定されるまで同様の測定を行う。
【0019】
複数の可能な導電経路の各導電経路に対し電圧(または電流)を測定した後、タッチパネル制御回路104は、測定された電圧(または電流)を、各導電経路に重なるインプレッションによりタッチパネル108、200に印加された圧力(または力)の大きさを示す対応する圧力(または力)メトリックに変換する。タッチパネル制御回路104は、圧力メトリックとそれに対応するタッチパネル108、200上の場所(例えば、各圧力メトリックに対する導電経路の場所)の関連および/または相関を維持する圧力マップ(または圧力行列)を生成する。この点において、圧力マップは、タッチパネル108、200の導電経路に対応するm×n配列(または行列)を含んでもよく、m×n配列の各項は、タッチパネル108、200の特定の場所での抵抗(またはその変化)に基づく圧力メトリックである。このようにして、タッチパネル制御回路104およびタッチパネル108、200は、タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102に印加された圧力(または力)に対応する圧力メトリックを得、それぞれのインプレッション場所、すなわち、タッチパネル108、200に圧力(または力)が印加される場所の下に(例えば、z軸方向に)ある導電経路の場所に圧力メトリックを分解するように協調的に構成される。例示的実施形態において、タッチパネル制御回路104は、約20Hz乃至200Hzの速度で圧力マップを生成し、以下で詳細に説明されるように、圧力マップを処理モジュール106に提供するように構成される。したがって、各圧力マップは、特定の瞬間にタッチパネル108、200に印加された圧力(または力)の状態を反映する。
【0020】
図3は、タッチパネル300(またはタッチスクリーン)上の複数のインプレッション302、304、306を含む入力ジェスチャに応じた圧力マップを示す。圧力マップは、特定の瞬間における、タッチパネル300上の入力ジェスチャの状態、すなわち1つ以上のインプレッション場所およびそれに対応する圧力メトリックに対応する。例えば、タッチパネル制御回路104が60Hzの速度で圧力マップを取得した場合、各圧力マップは、60分の1秒毎のタッチスクリーン102および/またはタッチパネル108、200上のインプレッション(複数を含む)の状態を表す。
【0021】
図3に示されるように、圧力マップは、24行のセル308および32列のセル310を備える配列として実現される。この点において、タッチパネル300は、図2のタッチパネル200等の透明感圧式タッチパネルとして実現されてもよく、セル308の行は、x軸に沿って配列されたタッチパネルの導線(例えば導線209)の行に対応し、セル310の列は、y軸に沿って配列されたタッチパネルの導線(例えば、導線205)の列に対応する。この点において、各セルは、導線がz軸に沿って重なっている導電経路に対応し、各セルの網掛けは、それぞれの導電経路に重なっているタッチパネル300にz軸方向に印加された圧力(または力)の大きさに対応する。したがって、図3の例示的実施形態において、第1のインプレッション302は、第2のインプレッション304によってタッチパネル300に印加された圧力より大きいが、第3のインプレッション306によってタッチパネル300に印加された圧力より小さいタッチパネル300に印加された圧力を反映するか、またはその他の方法で対応する。図3に示されるように、実際には、タッチパネル300上のインプレッション302、304、306は、タッチパネル300の複数の導電経路と重複しており、結果的に複数のインプレッション場所がタッチパネル300および/または表示システム100によって検出され得る。この点において、処理モジュール106は、各インプレッション302、304、306に対して測定された圧力値とともに2次元(x,y)場所情報を補間することによって、各インプレッション302、304、306に対するそれぞれの場所および圧力値を決定し得る。インプレッション場所が第1の圧力マップから第2の圧力マップに変化する場合、処理モジュール106は、場所の変化に基づいて、特定のインプレッションに方向を割り当ててもよい。以下でより詳細に説明されるように、入力ジェスチャを含むインプレッション(複数を含む)への方向は、タッチスクリーン上に表示されたコンテンツが調整および/または操作されるべき方法を決定するために利用されてもよく、一方、調整および/または操作の程度は、インプレッション(複数を含む)によりタッチパネル300に印加された圧力(または力)に基づく。
【0022】
処理モジュール106は、一般に、ハードウェア、ソフトウェア、および/またはファームウェア構成要素を表し、これらは、タッチスクリーン102および/またはタッチパネル108上の入力ジェスチャを、タッチスクリーン102および/または表示デバイス110上に表示されるコンテンツに関連付け、以下でより詳細に説明される追加的タスクおよび/または機能を実行するように構成される。実施形態によると、処理モジュール106は、本明細書に記載の機能を実行するように設計された汎用プロセッサ、連想メモリ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、任意の好適なプログラム可能論理回路、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、またはこれらの任意の組み合わせを用いて実装または実現されてもよい。処理モジュール106はまた、コンピュータデバイスの組み合わせ、例えば、デジタル信号プロセッサとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装されてもよい。実際には、処理モジュール106は、以下でより詳細に説明されるように、表示システム100の動作に関連した機能、技術、および処理タスクを実行するように構成されてもよい処理論理を含む。さらに、本明細書で開示される実施形態に関連して説明される方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェア、ファームウェア、処理モジュール106によって実行されるソフトウェアモジュール、またはこれらの実用的な任意の組み合わせにおいて直接具現化されてもよい。
【0023】
図4を参照すると、例示的実施形態において、表示システムは、表示プロセス400、ならびに、以下で説明されるような追加的タスク、機能、および/または操作を実行するように構成され得る。様々なタスクは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせによって実行され得る。例示を目的として、以下の説明は、図1および図2に関連して上述された要素を参照し得る。実際には、タスク、機能、および操作は、タッチスクリーン102、タッチパネル108、200、タッチパネル制御回路104、および/または処理モジュール106等の上述のシステムの異なる要素によって実行されてもよい。任意の数の追加的または代替的なタスクが含まれてもよく、本明細書に詳説されていない追加的な機能性を有するより総合的な手順またはプロセスに組み込まれてもよいことを理解されたい。
【0024】
引き続き図1〜3を参照しながら図4を参照すると、表示プロセス400が実行されことにより、ユーザは、入力ジェスチャを行う際にユーザによってタッチスクリーンに印加された圧力(または力)を考慮する方法で、タッチスクリーン上の入力ジェスチャに応じてタッチスクリーン上に表示されるコンテンツを調整または他の方法で操作し得る。表示プロセス400は、図形コンテンツをタッチスクリーン上に表示させる(タスク402)ことにより開始する。表示デバイス110上に表示された図形コンテンツは、当業者に理解されるように、処理モジュール106によって実行されているアプリケーション、プログラム、または他のソフトウェアに関連付けられてもよい。図形コンテンツは、2次元、例えばアプリケーションウィンドウ、メニュー、ボタン、アイコン等のグラフィカルユーザインターフェース要素、本、マップ、もしくは別の文書の図形表示、または2次元アニメーション、アートワーク、もしくはオブジェクト等であってもよい。あるいは、図形コンテンツは、3次元、例えば、1つ以上の図形オブジェクトまたは3次元アニメーションもしくはアートワーク等であってもよい。例えば、図5に示されるように、処理モジュール106は、3次元オブジェクト500、502をタッチスクリーン504(例えば、タッチスクリーン102および/または表示デバイス110)上に表示してもよい。本明細書において、主題が説明を目的として図形オブジェクトに関連して説明され得るが、主題は、表示および/または調整されている図形コンテンツの種類に限定されないことを理解されたい。
【0025】
引き続き図1〜3および図5を参照しながら再び図4を参照すると、例示的実施形態において、表示プロセス400において、引き続き、タッチスクリーン上に表示された図形コンテンツ(あるいは、表示コンテンツ)に対応する入力ジェスチャが検出される(タスク404)。例示的実施形態において、処理モジュール106は、入力ジェスチャを含むインプレッション(複数を含む)の場所(複数を含む)に基づいて、例えば、タッチパネル制御回路104から得られた圧力マップからのインプレッション場所(複数を含む)を、表示デバイス110上の表示コンテンツの場所と関連付けることによって、表示コンテンツに対応する入力ジェスチャを決定する。この点において、処理モジュール106は、インプレッションの場所が表示デバイス110上の表示コンテンツの少なくとも一部と重なる場合、表示コンテンツに対応する入力ジェスチャおよび/またはインプレッションを決定し得る。例えば、再び図5を参照すると、処理モジュール106は、入力ジェスチャのインプレッションが表示オブジェクト500、502と重なる場合、各オブジェクト500、502に対応する入力ジェスチャを決定し得る。別の実施形態において、表示コンテンツが、表示デバイス110上のウィンドウを占有するか、または他の態様でウィンドウ内に描画される場合、処理モジュール106は、入力ジェスチャのインプレッション(複数を含む)が表示コンテンツを含有するウィンドウと重なる場合、表示コンテンツに対応する入力ジェスチャを決定し得る。
【0026】
例示的実施形態において、表示プロセス400において、引き続き、入力ジェスチャに対する1つ以上の圧力メトリックが得られるか、または他の方法で決定される(タスク406)。この点において、処理モジュール106は、タッチパネル制御回路104を介して、入力ジェスチャを含むタッチパネル108上の各インプレッションに対する圧力メトリックを得る。図2に関連して上述したように、圧力メトリックは、ユーザによりインプレッション場所(複数を含む)においてタッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102に印加された圧力(または力)に対応する。例示的実施形態において、表示プロセス400では、引き続き、入力ジェスチャに応じて表示コンテンツが調整および/または操作され、表示コンテンツは、入力ジェスチャに基づいて、また入力ジェスチャを行う際にユーザによりタッチスクリーンに印加された圧力に比例して、調整および/または操作される(タスク408)。この点において、入力ジェスチャに基づき、表示プロセス400は、表示コンテンツが操作または他の方法で調整される特性(複数を含む)(例えば、位置、配向、感知深さ)または様式を決定または他の様式で識別する。以下でより詳細に説明されるように、受容された入力ジェスチャは、インプレッション(複数を含む)の場所および/もしくは方向、入力ジェスチャを含むインプレッションの数、ならびに/またはインプレッション(複数を含む)の期間に基づいて、特定の調整、操作および/またはアクションにマッピングされ得る。例えば、入力ジェスチャが、タッチスクリーン102および/またはタッチパネル108、200上で横方向(例えばxy平面内)に移動するインプレッションを含む場合、処理モジュール106は、表示コンテンツが横方向に移動されるまたは他の方法で再配置されるべきであることを決定してもよい。入力ジェスチャにマッピングされた特定の機能性は、特定のアプリケーションおよび/または表示コンテンツの種類に依存して変動することを理解されたい。このように、入力ジェスチャは、表示コンテンツが調整される特性および/または様式を規定し、一方で、入力ジェスチャに関連付けられた圧力メトリックは、以下でより詳細に説明されるように、調整および/または操作の程度、すなわち表示コンテンツが調整および/または操作される速度および/または量を規定する。例示的実施形態において、入力ジェスチャによりタッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102に印加された圧力(または力)の相対的増加が、調整および/または操作の程度を増加させ、または入力ジェスチャによりタッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102に印加された圧力(または力)の相対的減少が、調整および/または操作の程度を減少させるように、調整および/または操作の程度は、入力ジェスチャの圧力メトリックに正比例する。
【0027】
一実施形態によれば、表示コンテンツに重複する、および/または重なる無視できない横方向の移動(例えば、xy平面内の移動)を有するタッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102上のインプレッションを含む入力ジェスチャに応じて、処理モジュール106は、表示コンテンツが、横方向(例えば、xy平面内)に移動される、パンされる、スクロールされる、または他の様式で調整されるべきであることを決定し、横方向の調整の速度および/または量は、インプレッションに対する圧力メトリック(例えば、インプレッションにより、タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102対し正のz方向に印加された圧力)に比例する。
【0028】
例えば、ここで、引き続き図1〜4を参照しながら図5および図6を参照すると、表示システム100は、タッチスクリーン504(例えば、タッチスクリーン102および/または表示デバイス110)上に表示された1つ以上のオブジェクト500、502を、ユーザが操作し得るように、表示プロセス400を実行し得る。処理モジュール106は、タッチスクリーン504上にオブジェクト500、502を表示することができ、各オブジェクト500、502は、初期感知深さ(またはズーム比)、初期中心位置、および初期配向を有する(例えば、タスク402)。タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102、504上のインプレッションを含み、オブジェクト500に重複する、および/または重なる無視できない横方向の移動(すなわち、xy平面内の移動)を有する入力ジェスチャに応じて、処理モジュール106は、オブジェクト500が、横方向(例えば、xy平面内)に移動される、パンされる、スクロールされる、または他の様式で調整されるべきであることを決定し得る(例えば、タスク404、406、408)。例えば、オブジェクト500に重なる場所506での正のx方向(矢印508で示される)のインプレッションを含む、タッチスクリーン502上の入力ジェスチャに応答して、処理モジュール106は、例えば、図6に示されるように、正のx方向にオブジェクト500の中心位置を移動させる、または他の様式で再配置することにより、オブジェクト500の横方向の位置を調整する。オブジェクト500の中心位置がx方向に調整される速度および/または量は、入力ジェスチャ506、508を行う際にユーザによりタッチパネル108、200に印加された圧力の増加が、オブジェクト500の中心位置がx方向に調整される速度および/または量を増加させるように、インプレッション場所506における圧力メトリック(または印加された圧力)の大きさに正比例する。同様に、オブジェクト500は、y方向において横方向に調整され得る。オブジェクト502(または他の表示コンテンツ)はまた、xy平面内の複合方向において横方向に移動される、パンされる、スクロールされる、または他の様式で調整されてもよい。例えば、オブジェクト502に重なる場所510における、複合方向(矢印512により示される)のインプレッションに応じて、第2のオブジェクト502の中心位置は、図6に示されるように、複合方向において調整され得る。同様に、タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102は、タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102に印加された圧力に対応する速度および/または量で、他の表示コンテンツ(例えば、マップ、ウェブページ、文書)に直観的にパンする、スクロールする、または他の様式で進行するために利用され得る。
【0029】
引き続き図1〜3および図5〜6を参照しながら図4を参照すると、別の実施形態によれば、表示コンテンツの感知深さまたはズーム比は、タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102に印加された圧力(または力)の大きさに基づいて調整され得る。例えば、入力ジェスチャが、タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102上での、横方向の移動が殆どまたは全くない単一のインプレッション(すなわち、xy平面内の移動が無視できるz方向のインプレッション)を含む場合、処理モジュール106は、z方向における表示コンテンツの感知深さが減少するべきである、すなわち、当技術分野において理解されるように、表示コンテンツがタッチスクリーン102および/または表示デバイス110の閲覧表面のより近くに(例えば、負のz方向に)移動したものとしてユーザにより認識されるように、表示コンテンツに対するズーム比が増加するべきであると決定する。入力ジェスチャが、タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102上での、横方向の移動が殆どまたは全くない2つのインプレッション(すなわち、xy平面内の移動が無視できるz方向のインプレッション)を含む場合、処理モジュール106は、z方向における表示コンテンツの感知深さが増加するべきである、すなわち、当技術分野において理解されるように、表示コンテンツがタッチスクリーン102および/または表示デバイス110の閲覧表面からより遠くに(例えば、正のz方向に)移動したものとして表示されるように、表示コンテンツに対するズーム比が減少するべきであると決定する。
【0030】
引き続き図1〜4を参照しながら図5および6を参照すると、一実施形態によれば、タッチスクリーン102、502上の表示オブジェクト500、502の相対的深さは、オブジェクト500、502を操作または他の態様で位置調整した時にタッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102、504に印加された圧力(または力)の大きさに対応する。例えば、入力ジェスチャが、タッチスクリーン504に同時に印加される2つの異なるインプレッション506、510を含む時、第2のオブジェクト502に対応するインプレッション510が第1のオブジェクト500に対応するインプレッション506に対する圧力メトリックよりも大きい圧力メトリックを有する場合は、図6に示されるように、第2のオブジェクト502が、タッチスクリーン102、504および/または表示デバイス110のより奥にあるように認識されるように、第2のオブジェクト502の感知深さは、第1のオブジェクト500に対して増加される(すなわち、正のz方向)。このように、オブジェクト500、502は、タッチスクリーン102、504を使用して、3次元的に直観的に積み重ねる、または他の様式で操作することができる。
【0031】
引き続き図1〜4を参照しながら図7を参照すると、別の実施形態によれば、タッチスクリーン702(例えば、タッチスクリーン102および/またはタッチパネル108、200)に同時に印加される複数のインプレッション706、708を含む入力ジェスチャに応じて、処理モジュール106は、オブジェクト700等の表示コンテンツが、回転軸704の周りに回転させられるか、または他の方法で調整されるべきであることを決定し得る。例示的実施形態において、処理モジュール106は、インプレッション場所、それぞれのインプレッション場所におけるインプレッションの方向、およびそれぞれのインプレッション場所における圧力メトリック(または印加された圧力)に基づいて、回転軸を決定する。例えば、図7の回転軸704は、オブジェクト700の1つの角部または縁部に重なっている、主にz方向の第1のインプレッション706、およびオブジェクト700の反対の角部および/または縁部に重なっている、主にz方向の第2のインプレッション708に応じて決定され得る。処理モジュール106は、オブジェクト700がより大きい圧力(または力)の方向に回転するように、それぞれのインプレッション場所706、708に印加された圧力(または力)の間の差に基づいて、回転軸704の周りの回転方向(矢印710により示される)を決定する。この点において、第1のインプレッション706に対する圧力メトリックが、第2のインプレッション708に対する圧力メトリックよりも大きい(または代替として、第1のインプレッション706に対する圧力メトリックと第2のインプレッション708に対する圧力メトリックとの間の差が正である)場合、処理モジュール106は、オブジェクト700を、回転軸704の周りで第1のインプレッション706の方向710に回転させる。逆に、第1のインプレッション706に対する圧力メトリックが、第2のインプレッション708に対する圧力メトリックよりも小さい場合、処理モジュール106は、オブジェクト700を、回転軸704の周りで第2のインプレッション708の方向(例えば、710と反対の方向)に回転させる。図7は、オブジェクトの回転の単純化された表現であり、実際には、タッチスクリーン上の表示コンテンツは、インプレッションの数、各インプレッションに対する圧力メトリック、ならびに各インプレッションの方向および/または場所に依存して、入力ジェスチャに応じて任意の回転軸の周りで回転させられ得ることを理解されたい。
【0032】
引き続き図1〜3を参照しながら図4を参照すると、さらに別の実施形態において、表示プロセス400は、印加された圧力(または力)の量および入力ジェスチャの期間に基づいて、受容した入力ジェスチャに関連付けられたアクションを決定するか、または他の態様で識別する。この点において、タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102は、印加された圧力(または力)の量、圧力(または力)が印加された期間、および入力ジェスチャを含むインプレッションの数に依存して入力ジェスチャを特定のアクションまたは機能にマッピングすることによって、コンピュータマウスまたはそれに匹敵する別のユーザインターフェースデバイスを使用して従来実装されていた機能性を実装し得る。例えば、入力ジェスチャが、約2ニュートンより大きい印加力に対応する圧力メトリックを有するインプレッションを含む場合、表示プロセス400は、インプレッションの期間が約0.5秒未満である場合には、入力ジェスチャを表示コンテンツ上での左クリックとして処理し得る。入力ジェスチャが、2つのインプレッションを含み、少なくとも1つのインプレッションが、約2ニュートンより大きい印加力に対応する圧力メトリックを有する場合、表示プロセス400は、インプレッションの期間が約0.5秒未満である場合には、入力ジェスチャを表示コンテンツ上での右クリックとして処理し得る。逆に、入力ジェスチャが、約2ニュートン未満の印加力に対応する圧力メトリックを有する1つ以上のインプレッションを含む場合、表示プロセス400は、入力ジェスチャはマウス機能に対応しないが、上述のようにコンテンツを調整および/または操作する(例えば、パン、ズーム、スクロール等)ための別の種類のジェスチャが対応することを決定し得る。任意の数のアクションおよび/または機能性が、タッチパネル108、200および/またはタッチスクリーン102を使用して実装され得ることを理解されたい。本明細書に記載の入力ジェスチャのマッピングは、説明を目的として提供されるものであり、実際には、アクションおよび/または機能性を入力ジェスチャにマッピングするための多くの組み合わせが可能である。
【0033】
簡潔に要約すると、上述のシステムおよび/または方法の1つの利点は、感圧式(または力感知式)タッチスクリーンによって、ユーザは、タッチスクリーン上に表示された図形コンテンツを直観的に調整または別の方法で操作することができることである。透明感圧式タッチパネルを使用してタッチスクリーンに印加された圧力が効果的に測定されるように、透明感圧式タッチパネルを利用してタッチパネルに印加された圧力に直接関連する抵抗および/または導電率の変化に基づいて、圧力メトリックが得られる。透明感圧式タッチパネルは、各インプレッションによって印加された圧力が、表示される図形コンテンツが調整および/または操作される方法に影響するように、入力ジェスチャによって印加された圧力を個々のインプレッションに関連付けられた個々の圧力メトリックに分解する。
【0034】
上記の発明を実施するための形態において、少なくとも1つの例示的実施形態が提示されたが、多数の変形例が存在することを理解されたい。また、本明細書において説明された例示的実施例(複数を含む)は、請求される主題の範囲、適用性、または構成をいかなる態様でも限定しないことを理解されたい。むしろ、上記の発明を実施するための形態は、当業者に、上述の実施形態(複数を含む)を実装するための便利な指針を提供する。本特許出願の出願時において既知の等価物および予測可能な等価物を含む、特許請求の範囲により画定される範囲から逸脱せずに、要素の機能および配置に様々な変更を行うことができることを理解されたい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明感圧式タッチパネルを含むタッチスクリーンを使用する方法であって、該方法は、
該タッチスクリーン上にコンテンツを表示して、表示コンテンツをもたらすことと、
該透明感圧式タッチパネル上の入力ジェスチャに対する1つ以上の圧力メトリックを得ることであって、各圧力メトリックは、該入力ジェスチャのそれぞれのインプレッションによって該透明感圧式タッチパネルに印加された圧力に対応する、ことと、
該入力ジェスチャに応じて、該タッチスクリーン上の該表示コンテンツを調整することであって、該表示コンテンツは、該入力ジェスチャに対する1つ以上の圧力メトリックに基づいて調整される、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記透明感圧式タッチパネルは、透明複合層を含み、該方法は、前記入力ジェスチャのそれぞれのインプレッションの下にある該透明複合層の抵抗に基づいて、該入力ジェスチャに対する前記1つ以上の圧力メトリックを決定することをさらに含み、該入力ジェスチャのそれぞれのインプレッションの下にある該透明複合層の該抵抗は、該それぞれのインプレッションによって該透明感圧式タッチパネルに印加される該圧力に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記タッチスクリーン上にコンテンツを表示することは、該タッチスクリーン上に第1のオブジェクトを表示することを含み、
1つ以上の圧力メトリックを得ることは、該第1のオブジェクトに対応する前記入力ジェスチャの第1のインプレッションに対する第1の圧力メトリックを得ることを含み、
前記表示コンテンツを調整することは、該タッチスクリーン上の該第1のオブジェクトを該第1の圧力メトリックから影響を受けるように操作することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記タッチスクリーン上にコンテンツを表示することは、該タッチスクリーン上に第2のオブジェクトを表示することをさらに含み、
1つ以上の圧力メトリックを得ることは、該第2のオブジェクトに対応する前記入力ジェスチャの第2のインプレッションに対する第2の圧力メトリックを得ることをさらに含み、該第1のインプレッションと該第2のインプレッションとは、同時発生的であり、
該表示コンテンツを調整することは、該タッチスクリーン上の該第2のオブジェクトを操作することをさらに含み、該第2のオブジェクトは、該第2の圧力メトリックに比例するように操作される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記タッチスクリーン上の前記第1のオブジェクトを操作することは、該第1のオブジェクトの感知深さが前記第1の圧力メトリックに対応するように、該第1のオブジェクトの該感知深さを調整することを含み、
該タッチスクリーン上の前記第2のオブジェクトを操作することは、該第2のオブジェクトの感知深さが前記第2の圧力メトリックに対応するように、該第2のオブジェクトの該感知深さを調整することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記表示コンテンツを調整することは、前記入力ジェスチャに対する前記1つ以上の圧力メトリックの大きさに対応する速度で、該表示コンテンツを横方向に調整することを含み、それにより、前記透明感圧式タッチパネルに印加される前記圧力の増加が、該表示コンテンツが横方向に調整される速度を増加させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記表示コンテンツを調整することは、前記入力ジェスチャに対する前記1つ以上の圧力メトリックの大きさに対応する量だけ、該表示コンテンツを横方向に調整することを含み、それにより、前記透明感圧式タッチパネルに印加される前記圧力の増加が、該表示コンテンツが横方向に調整される量を増加させる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記表示コンテンツを調整することは、前記透明感圧式タッチパネルに印加される前記圧力に比例して、該表示コンテンツの感知深さを調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記表示コンテンツを調整することは、前記タッチスクリーン上の該表示コンテンツを回転させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記入力ジェスチャに基づいて調整されるべき前記表示コンテンツの特性を識別することをさらに含み、該特性は、該入力ジェスチャに対する前記1つ以上の圧力メトリックの大きさに従って調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記入力ジェスチャは、前記透明感圧式タッチパネルに同時に印加される第1のインプレッションと第2のインプレッションとを含み、
前記1つ以上の圧力メトリックを決定することは、
該第1のインプレッションに対する第1の圧力メトリックを決定することと、
該第2のインプレッションに対する第2の圧力メトリックを決定することと
を含み、
前記表示コンテンツを調整することは、該第1の圧力メトリックおよび該第2の圧力メトリックに基づいて、該表示コンテンツを調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のインプレッションおよび前記第2のインプレッションに基づいて、前記表示コンテンツについての回転軸を決定することをさらに含み、該表示コンテンツを調整することは、前記第1の圧力メトリックと前記第2の圧力メトリックとの間の差に基づいて、該回転軸の周りに該表示コンテンツを回転させることを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
タッチスクリーンであって、
図形コンテンツを表示するように構成される表示デバイスと、
透明感圧式タッチパネルであって、該透明感圧式タッチパネルの少なくとも一部が該図形コンテンツの少なくとも一部に重複するように、該表示デバイスに対して配列されている透明感圧式タッチパネルと
を備えるタッチスクリーンと、
該タッチスクリーンに連結される処理モジュールと、
を備えるデバイスであって、
該処理モジュールと該タッチスクリーンとは、該透明感圧式タッチパネルに印加された圧力に応じて、該表示デバイス上に表示された図形コンテンツを調整するように協調的に構成され、調整の程度は、該透明感圧式タッチパネルに印加される該圧力に対応する、デバイス。
【請求項14】
前記透明感圧式タッチパネルは、透明複合層を備え、該透明複合層の抵抗は、該透明感圧式タッチパネルに印加された圧力から影響を受ける、請求項13に記載のデバイス。
【請求項15】
前記透明複合層上に配置される第1の透明電極層と、
第2の透明電極層であって、該透明複合層が該第2の透明電極層上に配置される、第2の透明電極層と
をさらに備え、前記処理モジュールと前記タッチスクリーンとは、該第1の透明電極層と該第2の透明電極層との間の該透明複合層の抵抗に基づいて、前記透明感圧式タッチパネルに印加された圧力を決定するように協調的に構成される、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記透明感圧式タッチパネルは、弾力性材料を含み、該弾力性材料は、該弾力性材料内に分散した透明導電性粒子を有する、請求項13に記載のデバイス。
【請求項17】
タッチスクリーンを使用する方法であって、該タッチスクリーンは、表示デバイスに対する視線の中に配列される透明タッチパネルを備え、該透明タッチパネルは、透明複合層を含み、該方法は、
該表示デバイス上にオブジェクトを表示することと、
第1のインプレッションの下にある該透明複合層の導電率の変化に基づいて、該第1のインプレッションによって該透明タッチパネルに印加された圧力を決定することであって、該透明複合層の導電率は、該第1のインプレッションによって該透明タッチパネルに印加される該圧力から影響を受ける、ことと、
該第1のインプレッションに応じて、該表示デバイス上の該オブジェクトを操作することであって、操作の程度は、該第1のインプレッションによって該透明タッチパネルに印加される該圧力から影響を受ける、ことと
を含む、方法。
【請求項18】
第2のインプレッションによって前記透明タッチパネルに印加された圧力を決定することをさらに含み、前記表示デバイス上の前記オブジェクトを操作することは、前記第1のインプレッションおよび該第2のインプレッションに基づいて、該オブジェクトを操作することを含み、操作の程度は、該第1のインプレッションによって印加される前記圧力および該第2のインプレッションによって印加される該圧力に基づいている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記表示デバイス上の前記オブジェクトを操作することは、前記第1のインプレッションによって印加される前記圧力と、前記第2のインプレッションによって印加される前記圧力との間の差に基づいて、該表示デバイス上の該オブジェクトを回転させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のインプレッションに応じて前記表示デバイス上の前記オブジェクトを操作することは、該表示デバイス上に該オブジェクトを再配置することを含み、該オブジェクが再配置される速度は、該第1のインプレッションによって印加された圧力に比例する、請求項17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−503394(P2013−503394A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−526953(P2012−526953)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/046717
【国際公開番号】WO2011/025845
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(305043582)シンボル テクノロジーズ, インコーポレイテッド (51)
【Fターム(参考)】